後輩ちゃんと甘えん坊な先輩
4月・新年度になり進級した俺に、かわいい後輩ができました。しかも、魔物のです。え、何でこんなに他人事のように喋ってるんだって? その後輩がずっと後ろについてきてる状況、それがずっと続けば他人事のように喋りたくもなりますよ。ああ、自己紹介が遅れました。俺、津上真(つがみ まこと)です。
「・・・・だからお前は俺になんか用事でもあるのか?」
「やだなぁ、用事なかったらずーっといちゃだめなんですか?」
彼女は『レンシュンマオ』の笹野樹(ささの いつき)というそうで、入学式移行ずっと俺に付きまとっている。何でか理由を問いただしてみると、一目惚れ、だそうだ。冗談じゃない、一目惚れは別にかまわんがそれでずっと付きまとわれるなどたまったもんじゃない。
「当たり前だバカ! それにお前一年だろ! 授業とかちゃんと出席してんのか?」
「そこらへんはご心配なく! ちゃんと出席してノートもとってますから!」
「そうか・・・ならよし「友達がですけどねー」・・・前言撤回!」
このように、自分の授業を蔑ろにする始末。俺もあまり人の事言えないかもしれないが、学生の本分は勉強なのだ。このまま俺にべったりで自分の事何もかもほったらかしにされても困る。
「・・・・とにかく! 今日はもう完全下校時間だから帰るけど、俺に付きまとわないでくれよ」
「はいは〜い! わかりましたよ先〜輩」
<真・自宅>
「ただいま〜・・・ったくなんであいつはあそこまで執念深く付きまとうんだよ・・・」
「あら、真くんまた後輩さんの話?」
俺のボヤキが聞こえたんだろう。母さんがそんな事を聞いてきたので、この際今までの事を洗いざらいすべて吐き出してみた。すると母さんから衝撃的な事実を知らされる。
「あらその後輩さんって樹ちゃんだったのね!」
「だったのねってどういうことだよ?」
「忘れちゃった? 真くんここに引っ越してくる前に仲良かった女の子いたじゃない!」
そういえば昔そんな名前の女の子がいたようないなかったような・・・ってかあんなおしとやかだった子がThe 活発ってタイプのあいつなわけ・・・。
「真くん」
「な、なんだよ母さん」
「女の子はね、好きな人ができると結構変わるものなのよ♪」
「・・・はぁ?」
とりあえず自分の部屋に帰ったけど・・・訳わかんねぇ、そもそも俺女心とかわからねぇんだよなぁ・・・。ってか、下から声がする・・・まさか。
「先〜輩! 遊びに来ました!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
「おやおや、間が悪い時にきやがってといいたげな表情・・・」
「ノックぐらいしろ!」
「やだなあ・・・私と先輩、もとい、まこちゃんといっちゃんのなかじゃないですか・・・」
ああそうだ。確か昔の俺らはそう呼び合ってたっけか、そんで俺が、まこちゃんって呼び方は女の子みたいだからやめろって駄々こねて・・・思い出した。ったく、何で今まで忘れてたんだろうなぁ・・・けっ、悲しそうな顔しやがって、学校の時の元気すぎるくらいの笑顔はどうしたんだよ。
「その呼び方、女の子みたいだからやめろって言ったろ?」
「! 思い出してくれたんですか?!」
「いやまぁ・・・思い出したのはついさっきなんだが・・・ってかお前ももう少し速く言ってくれたら気付けたのに・・・」
それを聞いた樹の顔がトマトみたいに真っ赤になったかと思えば、トンプソン機関銃みたいに口から言葉のマシンガンが放たれた。
「なっ・・・そんなこと言えるわけないじゃないですか! 貴方に会いたかったからがんばって同じ高校に入学したのに貴方忘れてるし! そりゃ後ろずっとストーキングしたくもなります!」
「えっ あ、そうなの?」
「そうです! まったく、この行いは私のおもちゃになって頂くことでチャラにします。ありがたく感謝してください!」
自慢げに腕を組むのはいいんですが妙な笑みを浮かべながらニヤニヤしないでください。怖いです。
「そうですね・・・んじゃあ早速・・・」
「え、今からするのか? 早くない? もうちょっと間をおいてから・・・」
「だめです。ほら、膝枕するんで頭をどうぞ!」
落ち着け、選択を誤るな津上真、アレに不用意に近づいてはならない。アレはいうなればギロチン台だ。気を赦した途端ざくりと・・・。
「なーにやってるんですか早く来てくださいよ!」
ひざに無理やり置かれる俺の頭、一泊おいて感じられる柔らかな感触、なんか知らんがこいつから凄いいいにおいするし・・・。
「で、お前がやりたかった事ってこれなの?」
「やだなあ、そんなわけないでしょまこちゃん!」
と、いう樹の右手には竹でできている耳かき棒が、
「耳かき棒? ってことは・・・」
「はい! 私たちレンシュンマオは棒を扱う事に関しては右に出るものはいません! なので、その凄腕を使って耳かきをしてあげます! トロントロンにさせてやりますから覚悟してくださいね!」
「・・・・・・・・まあ頼むわ」
そういうわけで俺は樹に膝枕をしてもらって耳かきをしてもらっている。なんというか、すごい変な気分になってしまう。というか、見上げれば形の良い双丘が目に入るので・・・いち男子高校生としては悶々とした気持ちになってしまう。それに嫌がおうにも樹と目が合ってしまう。
「どうしたんです? まこちゃん。もしかして・・・恥ずかしいんですかぁ〜?」
「ば、バカ言うんじゃねぇよ! そんなわけ・・・」
「え〜? 嘘はいけませんよ嘘は〜・・・こんなに耳を赤くしてるのに・・・ふぅ〜」
「ひっ! あ、アホ! 耳に息を吹きかけるんじゃない!」
「えへへ〜・・・まこちゃん昔から耳、弱かったですもんね〜!」
くそっ、完全に樹のケースだ。このままじゃあマズイ。それになにかこっちもやり返してやらにゃあ気がすまん!
「ほ〜い。まこちゃん! 耳かき終わりましたよ!」
「・・・・そういえば、樹ってくすぐり弱かったよな?」
「へ? それがどうしたんで・・・うひゃひゃひゃっ?! や、やめてくらはい! くすぐったいれす!」
「やだね。せいぜいくすぐり悶えるがいいわ。わはは」
数十分後、そこには悶え苦しむ若者二人の姿があった! 結果、二人ともが疲労に苦しむ羽目になってしまった。
「ははは・・・ザマアミロ・・・年甲斐もなく俺をからかうからだ。コーハイ」
「む〜、ひどいですまこちゃん。私のカラダをあんなに弄っておいて・・・」
「誰かが聞いてたら誤解を招くからやめろ。それにしても・・・昔に戻ったみたいだな。あの頃はこうやって夕方ごろまで公園でバカみたいに騒いで泥んこになって遊んだよな」
「どうしたんですまこちゃん? いきなりそんな柄にもないこと言い出して、熱でもあるんですか?」
「お前、結構毒舌だな・・・、いや、こうしてると昔みたいだなあ、と」
いつの間にか夕日が沈み始めてた。ホント、樹といると時間が立つのが早いというか、なんというか・・・。懐かしいような、変な気分だ。
「そうですね。でも、まこちゃんは昔と変わらずカッコいいですよ!」
「ブッ! ごほがは! いきなりなに言ってんだ! おべっかつかってんじゃねぇよ!」
いきなりすぎて飲んでたお茶噴出しちまった。まったくこいつは何を言ってるんだか。
「使ってませんよ!」
「うぉ、な、なんだよ・・・」
樹の顔が急に近くなって、思わず目を逸らしてしまう、けど、そいつはそんなことお構いナシに言葉を続ける。
「まこちゃんは昔からカッコいいんです! わ、私はそんな貴方が好きなんですからっ! ・・・はっ」
・・・・いった後自分の失言に気付いたのかまたトマトみたいになる樹。全く、こんな俺の何処がカッコいいんだか、理解に苦しむね。・・まぁでも、こいつのそんなところを、俺は好きになったのかもなぁ・・って、やっぱ俺も好きなんじゃねえか、人のこと言ってられないね。
「・・・・樹」
「な、ななななんですかまこちゃん?!」
「・・・・つかれた」
我ながら、手のかかる赤ん坊みたいだな、と思ってしまう。わがままばかり言って周りを振り回す赤ん坊みたいだ。でも、樹の前でなら、ちょっとくらいいいかな、と思ってしまう。
「へ?」
「膝枕してくれ・・・あと、耳かきもっかいしてくれ」
「それはいいですけど、もう取り尽くしちゃって取るものないですよ?」
「いいから、少しいいだろ? 我侭くらい」
「・・・・どうぞ! 存分に私の膝枕で眠っちゃってください!」
いままでずっと突っ張った態度とってたけど・・・今日くらい、いいよな?
「・・・・だからお前は俺になんか用事でもあるのか?」
「やだなぁ、用事なかったらずーっといちゃだめなんですか?」
彼女は『レンシュンマオ』の笹野樹(ささの いつき)というそうで、入学式移行ずっと俺に付きまとっている。何でか理由を問いただしてみると、一目惚れ、だそうだ。冗談じゃない、一目惚れは別にかまわんがそれでずっと付きまとわれるなどたまったもんじゃない。
「当たり前だバカ! それにお前一年だろ! 授業とかちゃんと出席してんのか?」
「そこらへんはご心配なく! ちゃんと出席してノートもとってますから!」
「そうか・・・ならよし「友達がですけどねー」・・・前言撤回!」
このように、自分の授業を蔑ろにする始末。俺もあまり人の事言えないかもしれないが、学生の本分は勉強なのだ。このまま俺にべったりで自分の事何もかもほったらかしにされても困る。
「・・・・とにかく! 今日はもう完全下校時間だから帰るけど、俺に付きまとわないでくれよ」
「はいは〜い! わかりましたよ先〜輩」
<真・自宅>
「ただいま〜・・・ったくなんであいつはあそこまで執念深く付きまとうんだよ・・・」
「あら、真くんまた後輩さんの話?」
俺のボヤキが聞こえたんだろう。母さんがそんな事を聞いてきたので、この際今までの事を洗いざらいすべて吐き出してみた。すると母さんから衝撃的な事実を知らされる。
「あらその後輩さんって樹ちゃんだったのね!」
「だったのねってどういうことだよ?」
「忘れちゃった? 真くんここに引っ越してくる前に仲良かった女の子いたじゃない!」
そういえば昔そんな名前の女の子がいたようないなかったような・・・ってかあんなおしとやかだった子がThe 活発ってタイプのあいつなわけ・・・。
「真くん」
「な、なんだよ母さん」
「女の子はね、好きな人ができると結構変わるものなのよ♪」
「・・・はぁ?」
とりあえず自分の部屋に帰ったけど・・・訳わかんねぇ、そもそも俺女心とかわからねぇんだよなぁ・・・。ってか、下から声がする・・・まさか。
「先〜輩! 遊びに来ました!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
「おやおや、間が悪い時にきやがってといいたげな表情・・・」
「ノックぐらいしろ!」
「やだなあ・・・私と先輩、もとい、まこちゃんといっちゃんのなかじゃないですか・・・」
ああそうだ。確か昔の俺らはそう呼び合ってたっけか、そんで俺が、まこちゃんって呼び方は女の子みたいだからやめろって駄々こねて・・・思い出した。ったく、何で今まで忘れてたんだろうなぁ・・・けっ、悲しそうな顔しやがって、学校の時の元気すぎるくらいの笑顔はどうしたんだよ。
「その呼び方、女の子みたいだからやめろって言ったろ?」
「! 思い出してくれたんですか?!」
「いやまぁ・・・思い出したのはついさっきなんだが・・・ってかお前ももう少し速く言ってくれたら気付けたのに・・・」
それを聞いた樹の顔がトマトみたいに真っ赤になったかと思えば、トンプソン機関銃みたいに口から言葉のマシンガンが放たれた。
「なっ・・・そんなこと言えるわけないじゃないですか! 貴方に会いたかったからがんばって同じ高校に入学したのに貴方忘れてるし! そりゃ後ろずっとストーキングしたくもなります!」
「えっ あ、そうなの?」
「そうです! まったく、この行いは私のおもちゃになって頂くことでチャラにします。ありがたく感謝してください!」
自慢げに腕を組むのはいいんですが妙な笑みを浮かべながらニヤニヤしないでください。怖いです。
「そうですね・・・んじゃあ早速・・・」
「え、今からするのか? 早くない? もうちょっと間をおいてから・・・」
「だめです。ほら、膝枕するんで頭をどうぞ!」
落ち着け、選択を誤るな津上真、アレに不用意に近づいてはならない。アレはいうなればギロチン台だ。気を赦した途端ざくりと・・・。
「なーにやってるんですか早く来てくださいよ!」
ひざに無理やり置かれる俺の頭、一泊おいて感じられる柔らかな感触、なんか知らんがこいつから凄いいいにおいするし・・・。
「で、お前がやりたかった事ってこれなの?」
「やだなあ、そんなわけないでしょまこちゃん!」
と、いう樹の右手には竹でできている耳かき棒が、
「耳かき棒? ってことは・・・」
「はい! 私たちレンシュンマオは棒を扱う事に関しては右に出るものはいません! なので、その凄腕を使って耳かきをしてあげます! トロントロンにさせてやりますから覚悟してくださいね!」
「・・・・・・・・まあ頼むわ」
そういうわけで俺は樹に膝枕をしてもらって耳かきをしてもらっている。なんというか、すごい変な気分になってしまう。というか、見上げれば形の良い双丘が目に入るので・・・いち男子高校生としては悶々とした気持ちになってしまう。それに嫌がおうにも樹と目が合ってしまう。
「どうしたんです? まこちゃん。もしかして・・・恥ずかしいんですかぁ〜?」
「ば、バカ言うんじゃねぇよ! そんなわけ・・・」
「え〜? 嘘はいけませんよ嘘は〜・・・こんなに耳を赤くしてるのに・・・ふぅ〜」
「ひっ! あ、アホ! 耳に息を吹きかけるんじゃない!」
「えへへ〜・・・まこちゃん昔から耳、弱かったですもんね〜!」
くそっ、完全に樹のケースだ。このままじゃあマズイ。それになにかこっちもやり返してやらにゃあ気がすまん!
「ほ〜い。まこちゃん! 耳かき終わりましたよ!」
「・・・・そういえば、樹ってくすぐり弱かったよな?」
「へ? それがどうしたんで・・・うひゃひゃひゃっ?! や、やめてくらはい! くすぐったいれす!」
「やだね。せいぜいくすぐり悶えるがいいわ。わはは」
数十分後、そこには悶え苦しむ若者二人の姿があった! 結果、二人ともが疲労に苦しむ羽目になってしまった。
「ははは・・・ザマアミロ・・・年甲斐もなく俺をからかうからだ。コーハイ」
「む〜、ひどいですまこちゃん。私のカラダをあんなに弄っておいて・・・」
「誰かが聞いてたら誤解を招くからやめろ。それにしても・・・昔に戻ったみたいだな。あの頃はこうやって夕方ごろまで公園でバカみたいに騒いで泥んこになって遊んだよな」
「どうしたんですまこちゃん? いきなりそんな柄にもないこと言い出して、熱でもあるんですか?」
「お前、結構毒舌だな・・・、いや、こうしてると昔みたいだなあ、と」
いつの間にか夕日が沈み始めてた。ホント、樹といると時間が立つのが早いというか、なんというか・・・。懐かしいような、変な気分だ。
「そうですね。でも、まこちゃんは昔と変わらずカッコいいですよ!」
「ブッ! ごほがは! いきなりなに言ってんだ! おべっかつかってんじゃねぇよ!」
いきなりすぎて飲んでたお茶噴出しちまった。まったくこいつは何を言ってるんだか。
「使ってませんよ!」
「うぉ、な、なんだよ・・・」
樹の顔が急に近くなって、思わず目を逸らしてしまう、けど、そいつはそんなことお構いナシに言葉を続ける。
「まこちゃんは昔からカッコいいんです! わ、私はそんな貴方が好きなんですからっ! ・・・はっ」
・・・・いった後自分の失言に気付いたのかまたトマトみたいになる樹。全く、こんな俺の何処がカッコいいんだか、理解に苦しむね。・・まぁでも、こいつのそんなところを、俺は好きになったのかもなぁ・・って、やっぱ俺も好きなんじゃねえか、人のこと言ってられないね。
「・・・・樹」
「な、ななななんですかまこちゃん?!」
「・・・・つかれた」
我ながら、手のかかる赤ん坊みたいだな、と思ってしまう。わがままばかり言って周りを振り回す赤ん坊みたいだ。でも、樹の前でなら、ちょっとくらいいいかな、と思ってしまう。
「へ?」
「膝枕してくれ・・・あと、耳かきもっかいしてくれ」
「それはいいですけど、もう取り尽くしちゃって取るものないですよ?」
「いいから、少しいいだろ? 我侭くらい」
「・・・・どうぞ! 存分に私の膝枕で眠っちゃってください!」
いままでずっと突っ張った態度とってたけど・・・今日くらい、いいよな?
15/05/06 20:11更新 / クロゴマ