突撃! メイドさん!
全くなんでこんなことに・・・。それがまず彼・月風亮(つきかぜ りょう)が思ったことだった。彼は高校
2年生、現在絶賛一人暮らし中なのだが、彼が帰宅した時、両親から手紙が届いていた。文面は彼の一人暮らしが心配だから、メイドを雇ってみました。今日の昼ごろに家に来ると思います。というもの、子離れができていないというか、心配性が過ぎるというか、というか急だったので何も準備ができていない。
どうしようかと考えていたら、インターホンがなったので、あわてて玄関を開ける。
「あーすいませんすいません今出ます・・・」
するとそこには、一部を羽毛に覆われた美人なメイドさんが・・ってかキキーモラじゃないか? メイドって言っても人間じゃないじゃないかよ!
「貴方様が月風亮様ですね。お母様から事情は伺っています。このフリズ、今日から貴方様のお世話をさせて頂きたいのですが・・・」
「あ、ああ・・・取り敢えず上がってよ。そんな玄関で喋ってるのもあれでしょ?」
それからというもの家事やら自炊やらだけが取り柄だったのだが、全部フリズにとられてしまった。手伝おうとしてみるけど「ご主人は学業やご友人との生活を大事になさってください」といわれる始末。これじゃあどっちが主人か分からない。
「はぁ・・・どうしようか・・・」
と、悩んでいると、我が校のメイド好きの第一人者として名高い葉山透(はやま とおる)が声をかけてきた。
「そういう時はお前・・・っていってやればいいんだよ」
「お暇を頂けるんですか?」
「うん。ってかここ元々俺の家だし、家事は得意なんだ。ずっとここの所任せっきりだったし、恩返しもかねて」
葉山のアドバイスは「フリズに今日一日仕事を休めという命令を出せばいいじゃん」といった事だった。
彼のメイド好きは伊達ではなかったらしい(ちなみに報酬に彼女に合わせてくれとしつこく懇願されたが、物理的に黙らせた)。なにはともあれ、俺の家事の腕にフリズは相当驚いていたらしく、口を金魚見たくパクパクさせていた。
「今日一日どうだった? ゆっくり休めた?」
「はぁ・・・ですが、あまり落ち着けなかったです。せっかくお暇を頂いたのにすみません」
「そう? まぁ、俺も今度からちょくちょくフリズの技を盗むために家事手伝いさせてもらうから、これからよろしく」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。フフフ・・・そう簡単に私の技は盗ませませんよ?」
「望むところ!」
後日。あまりにも葉山が会わせろ会わせろと五月蝿かったため、本当に仕方なく我が家に招くことに。
「ただいまー」
「お邪魔しまーす」
「お帰りなさいませ、ご主人。・・・あら、そちらの方は?」
「葉山透です! いやー光栄です! 月風くんから話は伺っていたので一度お目にかかりたかったんですよ!」
「それはわざわざありがとうございます。私に何かできることがあれば申してください」
「そうですか?! とりあえず写真でも・・・「せいっ!」・・・ごはぁ!」
葉山は無常にも床に倒れ付してしまった・・・もっとも、俺の後頭部への後ろ回し蹴りが原因なのだが。
「どうされたのですかご主人!? いきなり後ろ回し蹴りを・・・」
「いや・・・・彼、これ以上フリズに会わせたら暴走しそうだったから、よしフリズ、とりあえず今から彼を公園に置いて来よう」
「いいのですか? 彼、ご主人のご学友なのでしょう?」
「彼はこういうことしてもいい悪友(がくゆう)だから」
「そうなのですか。ご主人がそうおっしゃるなら私もお供いたします」
彼を公園に放置してきてから、家に帰宅。ココアを飲みながら暇を潰すことにした。
「いやー疲れたね」
「はい。葉山様は格闘技か何かをなさっているのですか?」
「いや。ただの筋トレ馬鹿なだけ、それよりさ」
「なんでしょうか?」
「俺の回し蹴り、どうだった?」
「素人目でしたが、なかなかいい一撃だったと思いますよ」
「そう? ・・・・そうだ。汗かいたしシャワーでも浴びる?」
「はい! お背お流しいたしますよ!」
とびきりのいい笑顔と共にそういわれて、俺は思わずココアを噴き出した。
2年生、現在絶賛一人暮らし中なのだが、彼が帰宅した時、両親から手紙が届いていた。文面は彼の一人暮らしが心配だから、メイドを雇ってみました。今日の昼ごろに家に来ると思います。というもの、子離れができていないというか、心配性が過ぎるというか、というか急だったので何も準備ができていない。
どうしようかと考えていたら、インターホンがなったので、あわてて玄関を開ける。
「あーすいませんすいません今出ます・・・」
するとそこには、一部を羽毛に覆われた美人なメイドさんが・・ってかキキーモラじゃないか? メイドって言っても人間じゃないじゃないかよ!
「貴方様が月風亮様ですね。お母様から事情は伺っています。このフリズ、今日から貴方様のお世話をさせて頂きたいのですが・・・」
「あ、ああ・・・取り敢えず上がってよ。そんな玄関で喋ってるのもあれでしょ?」
それからというもの家事やら自炊やらだけが取り柄だったのだが、全部フリズにとられてしまった。手伝おうとしてみるけど「ご主人は学業やご友人との生活を大事になさってください」といわれる始末。これじゃあどっちが主人か分からない。
「はぁ・・・どうしようか・・・」
と、悩んでいると、我が校のメイド好きの第一人者として名高い葉山透(はやま とおる)が声をかけてきた。
「そういう時はお前・・・っていってやればいいんだよ」
「お暇を頂けるんですか?」
「うん。ってかここ元々俺の家だし、家事は得意なんだ。ずっとここの所任せっきりだったし、恩返しもかねて」
葉山のアドバイスは「フリズに今日一日仕事を休めという命令を出せばいいじゃん」といった事だった。
彼のメイド好きは伊達ではなかったらしい(ちなみに報酬に彼女に合わせてくれとしつこく懇願されたが、物理的に黙らせた)。なにはともあれ、俺の家事の腕にフリズは相当驚いていたらしく、口を金魚見たくパクパクさせていた。
「今日一日どうだった? ゆっくり休めた?」
「はぁ・・・ですが、あまり落ち着けなかったです。せっかくお暇を頂いたのにすみません」
「そう? まぁ、俺も今度からちょくちょくフリズの技を盗むために家事手伝いさせてもらうから、これからよろしく」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。フフフ・・・そう簡単に私の技は盗ませませんよ?」
「望むところ!」
後日。あまりにも葉山が会わせろ会わせろと五月蝿かったため、本当に仕方なく我が家に招くことに。
「ただいまー」
「お邪魔しまーす」
「お帰りなさいませ、ご主人。・・・あら、そちらの方は?」
「葉山透です! いやー光栄です! 月風くんから話は伺っていたので一度お目にかかりたかったんですよ!」
「それはわざわざありがとうございます。私に何かできることがあれば申してください」
「そうですか?! とりあえず写真でも・・・「せいっ!」・・・ごはぁ!」
葉山は無常にも床に倒れ付してしまった・・・もっとも、俺の後頭部への後ろ回し蹴りが原因なのだが。
「どうされたのですかご主人!? いきなり後ろ回し蹴りを・・・」
「いや・・・・彼、これ以上フリズに会わせたら暴走しそうだったから、よしフリズ、とりあえず今から彼を公園に置いて来よう」
「いいのですか? 彼、ご主人のご学友なのでしょう?」
「彼はこういうことしてもいい悪友(がくゆう)だから」
「そうなのですか。ご主人がそうおっしゃるなら私もお供いたします」
彼を公園に放置してきてから、家に帰宅。ココアを飲みながら暇を潰すことにした。
「いやー疲れたね」
「はい。葉山様は格闘技か何かをなさっているのですか?」
「いや。ただの筋トレ馬鹿なだけ、それよりさ」
「なんでしょうか?」
「俺の回し蹴り、どうだった?」
「素人目でしたが、なかなかいい一撃だったと思いますよ」
「そう? ・・・・そうだ。汗かいたしシャワーでも浴びる?」
「はい! お背お流しいたしますよ!」
とびきりのいい笑顔と共にそういわれて、俺は思わずココアを噴き出した。
15/04/12 23:41更新 / クロゴマ