ヘタレ男は楽しく暮らしてみる
拝啓 お父様、お母様、いかがお過ごしでしょうか、こっちはもう新しい生活にも慣れました。一人、居候も増えました・・・・魔物娘だけど。
ジオは、今非常にあせっていた。居候との暮らしが、ではない。彼の望んでいた『静かな生活』が崩れた所為だ。
「・・・・・・」
「・・あのねぇシロさん。いくら暇だからって私をジーっと見られても何も出ませんよ? 私あなたと違って人間なんだから」
「・・・・普通の人間は、私の包帯とって、逃げ出すことはできないと思う」
「まだそのこと根に持ってたんですか?!」
「私は、コケにされると、結構根に持つタイプ」
なんと一月ほど暮らしてきて漸く居候のもう一つの顔が明らかに、あまりおちょくることは止めておこう。とジオが心に決めていると、シロが彼の服をぐいぐい引っ張ってきた。それも結構な強さで。
「? どうしたんですシロさん。昼ごはん?」
「・・・・・今日、遺跡探索の仕事じゃなかったの?」
「・・・・・・・・あー・・・」
思い出したくなかった。彼の声にはそんな気持ちがひしひしと感じられた。例によって例のごとく、彼は知人に遺跡探索を頼まれていたが、忘れていた。今の今まで(ちなみにその遺跡はジオが始めてシロと出会った遺跡だったりする)。しかし彼はこの探索で生活の糧を得ているので、いくら面倒くさがりの彼でも行かない訳には行かなかった。
<遺跡>
そんなこんなでジオとシロは遺跡に来ていた。シロは懐かしの故郷(?)に帰ってこれて嬉しいのか、彼女には珍しくぴょんぴょん跳ねている。無表情だが。
「遺跡探索は終わりましたけど、暇だし、もうちょっとここら辺ぶらついてから帰りますかね」
「・・・」
「嬉しいなら嬉しいって言えばいいのに。無言でガッツポーズしてないでついて来てくださいよ。迷子になりますよ」
「・・・」
「だからってそんなくっつかれたら逆に歩きにくいでしょうが! 私あなた背負って家まで帰れっていうんですか? 家まで遠いし、あなたの体重バカにならないんですよ・・・・・・あ」
「・・・・・・・・・おい」
「・・・・・はい」
「・・・・・・・私、重くない」
「はい、羽毛みたいです・・・・「嘘っぽい」嘘じゃないです! ホント! アヌビスに誓って!」
今まで過ごしてきて解ったこと、彼女は体重のことを突っ込まれると、キャラが崩れるほど怒る。普段はクールな雰囲気の彼女も怒るととてつもなく怖い、ということだ。
「なんだお前たちは」
「「?」」
そういえばさっきアヌビスって言ったけど、ここら辺アヌビスが出るんだったと思いながら声のした方向を振り向くと、案の定、アヌビスが居た。緋色のロングヘアーに同色の体毛が映えている。腰には黄金の刀剣を携えていた。
「・・・・っ!」
「ちょっと。シロさんなんで急に私の後ろに・・・・ああそうか」
シロが怯えて背中に隠れたのはアヌビスがマミーたちの管理者であるからだと気付いたジオは、逃げる算段を立てていた。
「捕獲する・・」
冷めた声でそう呟くと、アヌビスは一瞬で距離をつめてジオの胸倉を掴み、巣へと連れて行こうと駆け出した。
「うおおおお! 離してくれませ・・「断る」即答?! ちょ・・・・ま・・・」
シロがあたふたしている間に、ジオはあっという間に連れて行かれてしまった。ぽつりとその場にシロだけが残される。一人になった孤独感からか、へたり込んでしまったが、それも束の間、ジオを取り返そうとアヌビスの巣に向かった。
<アヌビスの巣>
「いってぇ!」
ドン、と無造作に彼はアヌビスの巣穴に放り込まれてしまった。不味い、非常に不味い、何とかして逃げ出さないと大変なことになってしまう。ジオはここにつれてきた当の本人を一瞥すると、
「・・・・・・・」
「あれ? こんなこと前にもあった気が・・・」
「・・・・・」
「ち、近い・・・」
眼と鼻の先の距離でじっと見つめられ、若干焦っていると、衝撃の言葉が彼女の口から放たれた。
「お前・・・気に入ったぞ」
「はぁああ!? いやいやいやいやいや勝手に気に入ってもらえるとこっちも困るんですけどねぇ!」
そういえば、アヌビスは気に入った男性を夫にすると、その男性に頻繁に指示を出して、行動を管理して、従わなかったらマミーの素肌の感覚にしてしまう呪いをかけられるとか何とかってのってたな・・・。ジオが感じた予感は、そのとおりに的中することになる。
「私と交われ、一日中」
「は? は?」
もう訳がわからなかった。一日中ということは、文字通り今から24時間、ずっと彼女の相手をしなければいけないということだ。そんなこと体が持たないし、シロに示しがつかない。
「いやです」
「なに?」
「いやです」
いつだったかシロにやったように最高のいい笑顔でそう言い放った。それを聞くと彼女はわなわなと震えた後、
「お前・・・この私の・・・・ネロの命令に逆らうんだな? いいだろう」
「へぇあ?!」
ネロが呪詛のようなものを唱えた後、ジオの口から変な声が出てしまった。ジオは理解する『マミーの呪い』にかけられてしまったのだと。
「(シロさん。こんなに強い快感を感じていたのか・・・申し訳ないことしましたかね・・・?)」
「さぁ、お前も限界だろう。私と・・・「いやです」・・・なに?」
「私にはもう一人のかわいい居候が居ましてね・・・・あんたの席は間に合ってんですよ」
彼は快楽に震えながらシロ産の包帯を巻きながら不敵な笑みを浮かべると、そうネロに断言する。対するネロは。
「っ? え? ふぇ?」
激しく混乱していた。それもそのはず。彼女の命令に従わなかった人間は今のところ居なかったし、『マミーの呪い』に掛かってまだ命令に従わない人間など今まで居なかったからである。
「どうしたんです? あたふたあたふたして、じゃ、私帰りますんで・・・・っ」
帰ろうと立ち上がったが快感でふらついて、ネロの上に覆いかぶさってしまった。ちょうど押し倒した形になる。
「いつつ・・・・・・うぉおおおおっ?!」
「あうぅううっ!」
それを男性のほうから襲い掛かられたと感じたのか、ネロは発情してジオを押し倒してしまったが、これで彼のスイッチが入った。
「いい加減私も我慢の限界ですよ・・・・そのスベスベシた肌に凄く触りたかったんですよ!」
「ひゃあっ!」
<シロ視点>
管理者であるアヌビスだが、ジオには衣食住でお世話になっているためなんとしてでも彼を救い出さなければと一念発起し、巣穴へと突入したシロは、
「ひぅ! や、止めて…らめぇ!」
「天の邪鬼な私を管理できるならしてみてくださいよ! ここがいいんでしょ? ホラホラ!」
絶句した。普段見ない彼の裏の顔が見えているし、立場が逆転しているし、なんか彼ハイになってるし、ていうか交わってるし、私も交わりたいし。
「……私放って、楽しそうだね」
「うぉっ!? シロさんなにしてんですか?!」
「それはこっちのセリフ。大体、静かに暮らしたいとか言ってる人が、なにハイになってるの? 私も混ぜて」
結構シロは、自己主張が激しいな、とジオはどこか悟った気持ちで思った。
「シロさん?! まずいですよ! どこ舐めてんですか!」
「君の首筋? というか…ネロ、だっけ? よくも私の恩人をさらってくれたわね」
「ひぎぃ?! ふ、へふふ…下克上か…だがな! そのぷよぷよした肉には負けん! 私はお前よりスマートだ!」
ネロはマミーであるシロに負けるものかとスタイルの違いを負け惜しみで指摘してしまった。
「あ」
「―――……私がぷよぷよしてるって…?」
「ああそうだ! お前は…「へぇ…」ひうぅ?!」
彼女を怒らせてしまった。ネロが彼女に体重を連想させる言葉を言ってしまったために……。彼女は壮絶な責め苦を味わうことになってしまった。
<数時間後>
「はぁ…はぁ…」
「いやー…シロさん。アンタホントはスゴいエロいでしょ?」
「なにを今更」
「…くそ…絶対にお前を、私に従わせてやる」
「いやです」
「こうなったら…、お前の家に住み着いてやる。それでずっとマミーの呪いをかけ続けてやるぅ……!」
「それも包帯(これ)あるんで効かないと思います。じゃ、帰りますんで」
「ちょっと待って…「待ちません」………待ってよぉ!」
悲痛な叫びを上げるネロをスルーし、彼は自宅へと足を進めた。
<ジオ宅>
「流石にここまでは追ってこれないでしょ」
「それ、前も言ってたような気がする」
「今回はちゃんと撒いたんで! 大丈夫です。はい・・・・・さて、ゆっくりベッドで寝ようかな・・・・」
「どうし・・・・」
彼のベッドには、膨れっ面のネロがもぐりこんでいた。
「あの・・・なんであなたがここに居るんだとか、何でベッドで勝手に寝てるんだとか、そもそもどうやって後をつけてきたのかとか聞きたいことは山ほどありますけど、流石に私も眠いんで、退いてもらえます?」
「嫌だ。私の命令を聞くまで、ずっとここで寝ててやる」
「・・・・・はぁ、なら今だけ聞きますから、何なりとこの私にもうしつけくださいよ。我が侭さん」
「・・・・・・私も、この家に住む。というか、住ませろ」
彼はこれ以上居候が増えたら静かな生活もなにもないな、と思いながらも、その口から出た言葉は間逆のもので、
「・・・・・もちろん。私らが出会ったのも何かの縁でしょうし、こんな狭い家でよければ、何時でも住んでくださいよ」
「・・・・よし、寝ることを許す」
「むー・・・・」
「シロさん。添い寝でもします?」
「うん・・・!」
「・・・・ふん・・「ネロさんもどうです?」・・・仕方がない。添い寝してやろう・・「ホントは、嬉しいくせに」・・う、うるさい!」
こんなにぎやかな生活も、悪くないなと思い始めた。彼なのでした。
ジオは、今非常にあせっていた。居候との暮らしが、ではない。彼の望んでいた『静かな生活』が崩れた所為だ。
「・・・・・・」
「・・あのねぇシロさん。いくら暇だからって私をジーっと見られても何も出ませんよ? 私あなたと違って人間なんだから」
「・・・・普通の人間は、私の包帯とって、逃げ出すことはできないと思う」
「まだそのこと根に持ってたんですか?!」
「私は、コケにされると、結構根に持つタイプ」
なんと一月ほど暮らしてきて漸く居候のもう一つの顔が明らかに、あまりおちょくることは止めておこう。とジオが心に決めていると、シロが彼の服をぐいぐい引っ張ってきた。それも結構な強さで。
「? どうしたんですシロさん。昼ごはん?」
「・・・・・今日、遺跡探索の仕事じゃなかったの?」
「・・・・・・・・あー・・・」
思い出したくなかった。彼の声にはそんな気持ちがひしひしと感じられた。例によって例のごとく、彼は知人に遺跡探索を頼まれていたが、忘れていた。今の今まで(ちなみにその遺跡はジオが始めてシロと出会った遺跡だったりする)。しかし彼はこの探索で生活の糧を得ているので、いくら面倒くさがりの彼でも行かない訳には行かなかった。
<遺跡>
そんなこんなでジオとシロは遺跡に来ていた。シロは懐かしの故郷(?)に帰ってこれて嬉しいのか、彼女には珍しくぴょんぴょん跳ねている。無表情だが。
「遺跡探索は終わりましたけど、暇だし、もうちょっとここら辺ぶらついてから帰りますかね」
「・・・」
「嬉しいなら嬉しいって言えばいいのに。無言でガッツポーズしてないでついて来てくださいよ。迷子になりますよ」
「・・・」
「だからってそんなくっつかれたら逆に歩きにくいでしょうが! 私あなた背負って家まで帰れっていうんですか? 家まで遠いし、あなたの体重バカにならないんですよ・・・・・・あ」
「・・・・・・・・・おい」
「・・・・・はい」
「・・・・・・・私、重くない」
「はい、羽毛みたいです・・・・「嘘っぽい」嘘じゃないです! ホント! アヌビスに誓って!」
今まで過ごしてきて解ったこと、彼女は体重のことを突っ込まれると、キャラが崩れるほど怒る。普段はクールな雰囲気の彼女も怒るととてつもなく怖い、ということだ。
「なんだお前たちは」
「「?」」
そういえばさっきアヌビスって言ったけど、ここら辺アヌビスが出るんだったと思いながら声のした方向を振り向くと、案の定、アヌビスが居た。緋色のロングヘアーに同色の体毛が映えている。腰には黄金の刀剣を携えていた。
「・・・・っ!」
「ちょっと。シロさんなんで急に私の後ろに・・・・ああそうか」
シロが怯えて背中に隠れたのはアヌビスがマミーたちの管理者であるからだと気付いたジオは、逃げる算段を立てていた。
「捕獲する・・」
冷めた声でそう呟くと、アヌビスは一瞬で距離をつめてジオの胸倉を掴み、巣へと連れて行こうと駆け出した。
「うおおおお! 離してくれませ・・「断る」即答?! ちょ・・・・ま・・・」
シロがあたふたしている間に、ジオはあっという間に連れて行かれてしまった。ぽつりとその場にシロだけが残される。一人になった孤独感からか、へたり込んでしまったが、それも束の間、ジオを取り返そうとアヌビスの巣に向かった。
<アヌビスの巣>
「いってぇ!」
ドン、と無造作に彼はアヌビスの巣穴に放り込まれてしまった。不味い、非常に不味い、何とかして逃げ出さないと大変なことになってしまう。ジオはここにつれてきた当の本人を一瞥すると、
「・・・・・・・」
「あれ? こんなこと前にもあった気が・・・」
「・・・・・」
「ち、近い・・・」
眼と鼻の先の距離でじっと見つめられ、若干焦っていると、衝撃の言葉が彼女の口から放たれた。
「お前・・・気に入ったぞ」
「はぁああ!? いやいやいやいやいや勝手に気に入ってもらえるとこっちも困るんですけどねぇ!」
そういえば、アヌビスは気に入った男性を夫にすると、その男性に頻繁に指示を出して、行動を管理して、従わなかったらマミーの素肌の感覚にしてしまう呪いをかけられるとか何とかってのってたな・・・。ジオが感じた予感は、そのとおりに的中することになる。
「私と交われ、一日中」
「は? は?」
もう訳がわからなかった。一日中ということは、文字通り今から24時間、ずっと彼女の相手をしなければいけないということだ。そんなこと体が持たないし、シロに示しがつかない。
「いやです」
「なに?」
「いやです」
いつだったかシロにやったように最高のいい笑顔でそう言い放った。それを聞くと彼女はわなわなと震えた後、
「お前・・・この私の・・・・ネロの命令に逆らうんだな? いいだろう」
「へぇあ?!」
ネロが呪詛のようなものを唱えた後、ジオの口から変な声が出てしまった。ジオは理解する『マミーの呪い』にかけられてしまったのだと。
「(シロさん。こんなに強い快感を感じていたのか・・・申し訳ないことしましたかね・・・?)」
「さぁ、お前も限界だろう。私と・・・「いやです」・・・なに?」
「私にはもう一人のかわいい居候が居ましてね・・・・あんたの席は間に合ってんですよ」
彼は快楽に震えながらシロ産の包帯を巻きながら不敵な笑みを浮かべると、そうネロに断言する。対するネロは。
「っ? え? ふぇ?」
激しく混乱していた。それもそのはず。彼女の命令に従わなかった人間は今のところ居なかったし、『マミーの呪い』に掛かってまだ命令に従わない人間など今まで居なかったからである。
「どうしたんです? あたふたあたふたして、じゃ、私帰りますんで・・・・っ」
帰ろうと立ち上がったが快感でふらついて、ネロの上に覆いかぶさってしまった。ちょうど押し倒した形になる。
「いつつ・・・・・・うぉおおおおっ?!」
「あうぅううっ!」
それを男性のほうから襲い掛かられたと感じたのか、ネロは発情してジオを押し倒してしまったが、これで彼のスイッチが入った。
「いい加減私も我慢の限界ですよ・・・・そのスベスベシた肌に凄く触りたかったんですよ!」
「ひゃあっ!」
<シロ視点>
管理者であるアヌビスだが、ジオには衣食住でお世話になっているためなんとしてでも彼を救い出さなければと一念発起し、巣穴へと突入したシロは、
「ひぅ! や、止めて…らめぇ!」
「天の邪鬼な私を管理できるならしてみてくださいよ! ここがいいんでしょ? ホラホラ!」
絶句した。普段見ない彼の裏の顔が見えているし、立場が逆転しているし、なんか彼ハイになってるし、ていうか交わってるし、私も交わりたいし。
「……私放って、楽しそうだね」
「うぉっ!? シロさんなにしてんですか?!」
「それはこっちのセリフ。大体、静かに暮らしたいとか言ってる人が、なにハイになってるの? 私も混ぜて」
結構シロは、自己主張が激しいな、とジオはどこか悟った気持ちで思った。
「シロさん?! まずいですよ! どこ舐めてんですか!」
「君の首筋? というか…ネロ、だっけ? よくも私の恩人をさらってくれたわね」
「ひぎぃ?! ふ、へふふ…下克上か…だがな! そのぷよぷよした肉には負けん! 私はお前よりスマートだ!」
ネロはマミーであるシロに負けるものかとスタイルの違いを負け惜しみで指摘してしまった。
「あ」
「―――……私がぷよぷよしてるって…?」
「ああそうだ! お前は…「へぇ…」ひうぅ?!」
彼女を怒らせてしまった。ネロが彼女に体重を連想させる言葉を言ってしまったために……。彼女は壮絶な責め苦を味わうことになってしまった。
<数時間後>
「はぁ…はぁ…」
「いやー…シロさん。アンタホントはスゴいエロいでしょ?」
「なにを今更」
「…くそ…絶対にお前を、私に従わせてやる」
「いやです」
「こうなったら…、お前の家に住み着いてやる。それでずっとマミーの呪いをかけ続けてやるぅ……!」
「それも包帯(これ)あるんで効かないと思います。じゃ、帰りますんで」
「ちょっと待って…「待ちません」………待ってよぉ!」
悲痛な叫びを上げるネロをスルーし、彼は自宅へと足を進めた。
<ジオ宅>
「流石にここまでは追ってこれないでしょ」
「それ、前も言ってたような気がする」
「今回はちゃんと撒いたんで! 大丈夫です。はい・・・・・さて、ゆっくりベッドで寝ようかな・・・・」
「どうし・・・・」
彼のベッドには、膨れっ面のネロがもぐりこんでいた。
「あの・・・なんであなたがここに居るんだとか、何でベッドで勝手に寝てるんだとか、そもそもどうやって後をつけてきたのかとか聞きたいことは山ほどありますけど、流石に私も眠いんで、退いてもらえます?」
「嫌だ。私の命令を聞くまで、ずっとここで寝ててやる」
「・・・・・はぁ、なら今だけ聞きますから、何なりとこの私にもうしつけくださいよ。我が侭さん」
「・・・・・・私も、この家に住む。というか、住ませろ」
彼はこれ以上居候が増えたら静かな生活もなにもないな、と思いながらも、その口から出た言葉は間逆のもので、
「・・・・・もちろん。私らが出会ったのも何かの縁でしょうし、こんな狭い家でよければ、何時でも住んでくださいよ」
「・・・・よし、寝ることを許す」
「むー・・・・」
「シロさん。添い寝でもします?」
「うん・・・!」
「・・・・ふん・・「ネロさんもどうです?」・・・仕方がない。添い寝してやろう・・「ホントは、嬉しいくせに」・・う、うるさい!」
こんなにぎやかな生活も、悪くないなと思い始めた。彼なのでした。
15/03/08 18:14更新 / クロゴマ