カノジョを滾らせてはいけない
「私に挑みに来たという者はお前か?」
「はい、私ですよ」
時は現代、ある草原地帯の一角で人虎に相対する者が一人、18〜19の青年のようだ。
「いやあ、ここら辺に超強い魔物が現れたとか聞いたんで来てみたら……いや〜アンタだったとは」
近頃この界隈にやたら強い虎のような魔物が現れるという噂を聞き武道を嗜んでいた青年は興味本位で向かったがそれが人虎だったとは知らなかった。珍しげにヘラリと手合わせを依頼する青年とは対照的に凛と引き締まった表情で名を問いかける。
「…その挑戦受けよう。青年、名は?」
「名前は逆上詩貴です。アンタは?」
「…私はルヴァだ」
そして二人は草原で交錯する。
ルヴァが放つ鋭い拳による一打を流れる動きで詩貴は受け流すと、お返しとばかりに腹部に掌打を叩き込む。だが彼女はそんなもの何処吹く風、ヒュバ、とかぜきり恩を響かせながら飛来する鋭い回し蹴りを、詩貴は腕でガードするが、魔物である彼女の放った技は人知を超越している威力を孕んでいる。逆に受け止めた詩貴の腕の骨が軋みを上げ、鈍い痛みに顔を顰めてしまう。がすぐに彼女の足をつかむと間合いを取ろうと投げ飛ばす。そこで、二人は膠着状態に陥った。
ルヴァは力で相手を圧倒する所謂『剛の拳』、詩貴は相手の力を利用する『柔の拳』を使う。相性では詩貴に分があったが、二つ、一つは彼女が魔物であること、もう一つは彼女が戦いの高揚感から『発情期』に陥ってしまったということ。
そして、事態は急展開を見せる。
「? どうしたんですルヴァさん。顔赤いしなんか眼がトロンと………――まさか」
「っ!!!」
「うおっ?!」
気付いたが時は既に遅く。彼はルヴァに押し倒されてしまう。腕を脱臼させて抜け出そうとしたがそうすればするほど彼女の四肢が絡みついた。独特の獣臭い匂いが鼻腔をくすぐる。ふと彼が上を向くと彼女と眼があった。彼女の表情(かお)は、最初の時とは別人のように緩みとろんで、『メス』のそれと化していた。
「ちょっとちょっとルヴァさん。アンタキャラ変わってませんか? そんなキャラじゃないでしょうよ!」
人虎は本来気高く、尋常ではない精神力で己を律し、理知的に生活する魔物である。だが一端発情期に入ってしまえばその反動からか積極的に異性の肉体を求めるのだそうだ、所謂『肉食系女子』のそれである。
「・・・もう我慢ならん、骨の髄までしゃぶりつくしてやる・・・!」
「ちょ・・・・アンタが言うと洒落にならないんですよ! っていうかさっきから色んなとこが当たってるんですよ! 我慢ならんのはこっちも同じ・・・・ってそうじゃあなくて、ね、ちょっと一端離して・・・ウヒィ?!」
彼の言葉尻に素っ頓狂な声が混じったのは、彼女に首筋を舐められてしまったからである。というか、色んな匂いがするし、艶かしく絡み合ってくるし、挑発的に上目遣いにこっちを見てくるし、・・・何か仕返しがしたくなった彼は、
「・・・・背中、汗かいてますよルヴァさん」
「ひゃあ?!」
背中の汗をすくうように指をなぞってやると面白いくらい甲高い声を出したのでニヤニヤしながら彼女を見ていると、
「・・・・面白い、熱く絡み合おうじゃあないか、私を本気にさせたんだ。カラカラに乾くまで、君から搾り取ってやるから覚悟しろ」
「ははは・・・」
この時、彼は激しく後悔した。彼女を本気にさせてしまったことに・・・・・・・。
〜FIN?〜
このあとメチャクチャにゃんにゃんした。
「はい、私ですよ」
時は現代、ある草原地帯の一角で人虎に相対する者が一人、18〜19の青年のようだ。
「いやあ、ここら辺に超強い魔物が現れたとか聞いたんで来てみたら……いや〜アンタだったとは」
近頃この界隈にやたら強い虎のような魔物が現れるという噂を聞き武道を嗜んでいた青年は興味本位で向かったがそれが人虎だったとは知らなかった。珍しげにヘラリと手合わせを依頼する青年とは対照的に凛と引き締まった表情で名を問いかける。
「…その挑戦受けよう。青年、名は?」
「名前は逆上詩貴です。アンタは?」
「…私はルヴァだ」
そして二人は草原で交錯する。
ルヴァが放つ鋭い拳による一打を流れる動きで詩貴は受け流すと、お返しとばかりに腹部に掌打を叩き込む。だが彼女はそんなもの何処吹く風、ヒュバ、とかぜきり恩を響かせながら飛来する鋭い回し蹴りを、詩貴は腕でガードするが、魔物である彼女の放った技は人知を超越している威力を孕んでいる。逆に受け止めた詩貴の腕の骨が軋みを上げ、鈍い痛みに顔を顰めてしまう。がすぐに彼女の足をつかむと間合いを取ろうと投げ飛ばす。そこで、二人は膠着状態に陥った。
ルヴァは力で相手を圧倒する所謂『剛の拳』、詩貴は相手の力を利用する『柔の拳』を使う。相性では詩貴に分があったが、二つ、一つは彼女が魔物であること、もう一つは彼女が戦いの高揚感から『発情期』に陥ってしまったということ。
そして、事態は急展開を見せる。
「? どうしたんですルヴァさん。顔赤いしなんか眼がトロンと………――まさか」
「っ!!!」
「うおっ?!」
気付いたが時は既に遅く。彼はルヴァに押し倒されてしまう。腕を脱臼させて抜け出そうとしたがそうすればするほど彼女の四肢が絡みついた。独特の獣臭い匂いが鼻腔をくすぐる。ふと彼が上を向くと彼女と眼があった。彼女の表情(かお)は、最初の時とは別人のように緩みとろんで、『メス』のそれと化していた。
「ちょっとちょっとルヴァさん。アンタキャラ変わってませんか? そんなキャラじゃないでしょうよ!」
人虎は本来気高く、尋常ではない精神力で己を律し、理知的に生活する魔物である。だが一端発情期に入ってしまえばその反動からか積極的に異性の肉体を求めるのだそうだ、所謂『肉食系女子』のそれである。
「・・・もう我慢ならん、骨の髄までしゃぶりつくしてやる・・・!」
「ちょ・・・・アンタが言うと洒落にならないんですよ! っていうかさっきから色んなとこが当たってるんですよ! 我慢ならんのはこっちも同じ・・・・ってそうじゃあなくて、ね、ちょっと一端離して・・・ウヒィ?!」
彼の言葉尻に素っ頓狂な声が混じったのは、彼女に首筋を舐められてしまったからである。というか、色んな匂いがするし、艶かしく絡み合ってくるし、挑発的に上目遣いにこっちを見てくるし、・・・何か仕返しがしたくなった彼は、
「・・・・背中、汗かいてますよルヴァさん」
「ひゃあ?!」
背中の汗をすくうように指をなぞってやると面白いくらい甲高い声を出したのでニヤニヤしながら彼女を見ていると、
「・・・・面白い、熱く絡み合おうじゃあないか、私を本気にさせたんだ。カラカラに乾くまで、君から搾り取ってやるから覚悟しろ」
「ははは・・・」
この時、彼は激しく後悔した。彼女を本気にさせてしまったことに・・・・・・・。
〜FIN?〜
このあとメチャクチャにゃんにゃんした。
15/02/23 14:46更新 / クロゴマ