ドS男の仕返し調教珍道中
ここは男女共学、人間・魔物娘共学の高校、そこに、現状の人生に退屈していた青年、真壁啓(まかべ けい)は在学していた。そして彼は、
「・・・・!」
「あんた、ちょっと来なよ」
現在いじめられていた。
◆
昼休み、彼は学校の裏庭に呼び出されていた。呼び出した張本人は、魔物娘のグールの小野田澪(おのだ みお)とヘルハウンドの火山真理(ひやま まり)の二人、真壁は彼女たちにかつ上げ・パシリをさせられていた。
「・・・・今日は何の用事なんだ?」
「そうだね・・・・今日は限定一個限りの学食のプリン買ってきてもらおうか」
「もちろん余った金は全部姐さんとあたしによこすんだよ!」
どうやら立場的には火山は奥田の舎弟のようだ。真壁は渋々今回も命令に従うのだった。だが、校内で大人気の限定プリンを昼休みも半ばに差し掛かった今からどう急いでも間に合わないことは分かりきっていた。当然、彼はプリンを買うことはできず。なまじ手加減をされて一方的に殴られて開放された。
「いたた・・・あいつら、良心ってもんを知らんのか・・・・」
このいじめは、約一年にわたって誰にもばれることなく秘密裏に行われていた。彼はずっとそれに耐え、ずっと品行方正に高校生活を送ってきたのだ。だが、彼の本心は真逆のものだった。
彼は現在一人暮らしの住まいに帰ってきていた(ちなみにその家は何気に防音・耐震等無駄にハイスペックである)。そして一人リビングで椅子に腰掛けて足を組み、思考にふける。
「―――・・・・・・頃合だな」
まるでスイッチが切り替わったように彼の表情が変わる。まるで、かぶっていた仮面を取り外すかのように。
「・・・・私を虐めた奴らには、それ相応の『罰』を与えなきゃあな」
そう、彼は外面は品行法制に装ってはいるが、・・・・その実・彼は真性の―――サディストだった。
◆
翌日・真壁は買いだめしておいた限定プリン(睡眠薬入り)で彼女たちを眠らせて、自宅まで運んだのだった(ちなみにご近所には部活で疲れて眠った友達を休ませるために連れて来た、と嘘をついた)。
「う・・・ぅうん」
「あれ・・・あたし・・・」
「お目覚めか?」
「「真壁ぇ!」」
目覚めると、彼女らは縛られていることに気付いたのか、やれ縄を解けなど、やれ許さないだのと騒ぎ始めた。
「・・・お前らは・・・今まで私のことをいいように甚振ってくれたよな?」
「はぁ!? だからなんだってのよ! 腹いせに私らボコボコにする気?! 姐さんが黙ってないんだからね!」
「阿呆かお前は、脳みそまで筋肉になってしまっているのか? お前たち魔物に人間の私がどう頑張っても太刀打ちできんし、それをやっても俺の気は治まらん」
急に本性を出した真壁に異質なものを感じたのか思わす彼女らも口を閉じ、悪寒を感じた表情で彼を見上げていた。
「そ・こ・で・・・・どうするか・・・・いくらお前たちでも分かるな?」
そんな二人を見下ろしながら、彼は物凄くイイ笑顔(ドSスマイル)でそう告げるのだった。
◆
リビングに小野田と火山の笑い声が響き渡る。真壁が鳥の羽で脇をくすぐっているからだった。
「あははははは! ひゃ、ひゃめろぉ!」
「く、くそう! あねひゃんにかかればこんなやつ!」
「ほお・・・!」
火山の言葉に真壁の表情がさらに悦なものになる。
「では犬コロ、お前のことは後回しだ・・・お前の言う『姐さん』から相手しようじゃないか」
「な・・あねひゃんには手は出ひゃせない・・・」
「ああ、安心しろ犬コロ、何もお前だけ退屈な思いはさせんぞ。お前はこいつらと遊んでおけ」
彼が持っているビニールに入れられた水の中を泳ぎ回るのは特殊な粘液を纏ったウナギ。
「ああ! このウナギは何か知りたいんだな! これはだな、我が誇るべき学友の月風亮くんに依頼して創って頂いた特性のウナギだ。もともとウナギが出す特製の粘液の中にローションと媚薬を混ぜた特別なウナギたちなのだ」
それを聞いたとたん火山の顔が青ざめだす。が、彼は何処吹く風、彼女の制止の声も聞かず抱えあげると、風呂場に運んで浴槽におろした。
「な・・・こんなところにつれてきて何する気だよ!」
「せっかく私の家に遊びに来てくれたのに何ももてなしが出来なかったのでな、せっかくだから私のペットたちと遊んでもらおうと思ってな!」
「嘘付け! 今学友に作ってもらったとか言ってたろ! ペットなわけ・・・」
「ん? なに? おおそうか! お前たちも遊びたいんだな? ・・・・喜べ犬コロ! 私のペットたちもお前と遊びたいそうだぞ! それいけ! ウナギたち!」
「ひぃ?! や、やめろ! んっ! ひゃんっ! そんなところに入るなぁ! あぁん!」
艶かしい痴態を物凄くいい笑顔で見下ろしながら、彼は告げる。
「それじゃあな! 私のペットと遊べるんだ! 光栄に思え! あ、ちゃんと鍵は掛けておくからお前の言う姐さんに痴態は見えんぞ! 安心するんだな」
「ちょっとまて・・・ひゃああん! あ、あけろぉぉぉ・・・」
そんな彼女の言葉を尻目に、意気揚々と真壁はリビングに戻るのだった。
◆
「待たせたな」
「な・・・お前! あたしのかわいい火山をどうしたんだ!」
「さあなーどうしたんだろうなー、今頃私のかわいいペットと遊んでいるんじゃないか?」
「くそ・・・ぜってーお前になんか負けたりしねえ・・・お前を逆に屈服させてやる・・・!」
「屈服させる? 私を? ――――ほ う」
◆
今、小野田の姿は散々なものだった。淫唇・乳首にローター 漆をつけられ、脇を羽でくすぐられ、媚薬をかがされていた。だがその快楽は絶頂に至るかいたらないかギリギリのもの、なので彼女は「後一押しで快楽を得られるのに得られない」という所謂「生殺し」の状態となっていた。が、まだそんな状態になってもまだ彼女が正気を保っていられるのは、魔物娘たるものなのか、その目には、まだ反抗的な光がともっていた。
「て・・・め・・ぇ、絶対に・・・ボコボコにしてやる・・」
「ほう。だがいいのか? ここで私をたこ殴りにしてしまえば、お前は一生生殺しのままだぞ?」
その言葉を聞いて、小野田の表情がやや「雌」を含んだものに変わる。そしてその変化を、真壁は見逃さなかった。わざと目と鼻の先の位置に顔を近づけると挑発的な表情で彼女に問いかける。
「なあ? どうする? ここで私を殺して生殺しになるか、私のモノになって至上の快楽を得るのか、お前が選べ・・・『メス豚』」
「・・・ほし・・・」
「ん?」
「・・欲しいれす! いっぱい・・・下さい! くだひゃい! 真壁様ぁ!」
もう彼女の顔は「メス豚」のものになっていた。顔は高揚し快楽に恍惚とし淫靡な笑みを浮かべ涎を垂らす姿は、餌を待つ「犬」そのものだった。
「・・・いいだろう。約束通り褒美をくれてやる」
ローターを淫唇から引き抜くと、真壁は彼女のせなかに指を這わせつつやさしく頭を撫でながら自身を咽喉に挿入し、しゃぶらせる。
「ずずずぅうう・・・・ぅうん! あぁああん! んっ・・・気持ちいい・・・気持ちいいよぉ! もっとあたしを愛して真壁様ぁ!」
「っ! 出すぞ。受け止めろよ・・・ぅう!」
魔物娘である彼女の豊満な体に、彼はあっけなく白濁した欲望を口内にぶちまける。それを、彼女は快楽に浸りながら受け入れた。
「・・・さてメス豚よ。改めて聞く、お前のご主人様は誰だ?」
「―――あぁああ・・・貴方でございます真壁様ぁぁあ・・・・・♪」
彼女はもうすでに、彼の虜になっていた。
◆
「お前はここで大人しく待っていろ、メス犬とは私ひとりで愉しむからな、横槍は許さんぞ?」
「えぇ・・・寂しいですご主人さまぁ・・・」
「まあそういうな、あいつとの遊びが終わった後は、たっぷりと相手をしてやるからな?」
その言葉に小野田の表情がパアと明るくなる。
「はい! 待ってます! ご主人!」
そして彼は、また意気揚々と風呂場へと歩き出した。
◆
「入るぞ・・・これはこれは、ずいぶん私のペットと仲良くなったのだな」
彼女は快感に紅葉し肩を上下させ息をし、柔らかな肢体にウナギを這いまわせていたが、まだその表情は快楽には屈してはいなかった。「ヘルハウンド」という魔物は、決して男には懐く事はないということを真壁は思い出していた。
「あたしは決してこんなのには屈しないよ! 諦めるんだね!」
「ほう、そうか、だがお前の慕っていた「姐さん」はもう私のモノになってしまっているがな」
それを聞いて彼女の表情が一変する。
「う・・・嘘だ! 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! 姐さんが負けるはずない! 屈するはずない! あの姉さんが! そんな・・・・」
「嘘でも何もなく、真実だ。見せてやろうか? ・・・・おーい、小野田ァ」
(ご主人が呼んでくれた・・・! ご主人が呼んでくれた・・・! )
「はい! なんでしょうか! ご主人!」
「っ!? 姐さん?! 何でこんなヤツなんかに・・・」
「真理・・・いくらアンタでも、真壁様を悪く言うことは許さないよ・・・真壁様はあたしの全てなんだ・・・あたしのご主人様なんだ・・・! あたしは彼のためならなんだってするよ? えへへへぇ・・・」
「だ、そうだ」
「そんな・・・まっててね姐さん! 今すぐこんな縄解いてこんなヤツ・・・!」
「あ、そうだ。メス豚」
「はいっ! なんですかご主人♪」
「今から私が犬コロを調教してやるから、そこで見てろ、手は出すなよ? あくまでそこで「見てろ」。いいな?」
「わかりましたぁ! 見てます! 見させていただきますぅ!」
「と、いうわけで犬コロ! お前を今から調教してやる! お前の場合メス豚よりも根性が据わってそうだから、ちときつめにしてやる」グッ!
凄くいい笑顔と共にサムズアップをすると、手をワキワキさせながら、火山に近づいていった。
◆
「くっ・・・こんな格好させてぇ・・・! 絶対お前になんか屈しないからな!」
「ふむふむいい眺めだ。M字開脚させてその無駄に豊満な乳房の乳首にバイブをつけられ、ウナギくんたちに身体をニュルニュル這い回れてさらに脇腹を羽でくすぐること一時間。まだ屈しないとは・・・なかなかどうして凄い根性だな! 見直したぞ犬コロ!」
「凄い説明口調な真壁様も素敵ですっ!」
「ふざけんな! この縄と道具をどけろ!」
「まぁ、どれだけ元気に言葉を叫ぼうとお前のその格好じゃあ「負け犬の遠吠え」ならぬ「メス犬の遠吠え」だな! フハハハハハハハハ!」
「フン! 言うだけ言えばいいさ! アンタにあたしを調教するなんて出来やしないんだからね!」
「阿呆! 誰が『私だけで調教する』といった? メス豚・・・いや、澪!」
「はい!(ご主人が名前で呼んでくれた! ご主人が名前で呼んでくれた!)」
「そういえばお前、さっきメス犬の身体をメチャクチャにしてみたいんですよ! とか言ってたな、いい機会だ。してみるか?」
その言葉に小野田は明るい、火山は青い顔になるが、そんなこと当の真壁啓(ほんにん)は知ったこっちゃあない。
「はい、是非! 是が非でも!」
「ひぃ?! 姐さん、冗談でしょう?! やめて下さいよ! ふぁあん! そんなところ・・・やめて下さいよぉ!」
「ぐへへ・・・良いではないか良いではないかぁ・・・」
「それでは私は三時のおやつを食べるから、食べ終わるまで仲良く乳繰り合ってろよ」
◆
「ふ〜・・・ミルクティーと御手洗団子って意外にあうなぁ・・・さて、どうなってるかなっと。入るぞ」
「でへへへぇ・・・余は満足じゃ」
「へぇ、少し三時のおやつと洒落込んでる間に、随分偉くなったもんだな? さて、どんな具合だ?」
「ひゃう?! すみませんご主人・・・とりあえず体中を嘗め回した後、耳を甘噛みしながら淫唇をメチャクチャにしました!」
「・・・・・・うん。凄いいい笑顔で報告ご苦労。その肌のツヤツヤ度から見るに、凄く満足したみたいだな」
「はい! そりゃあもう!」
「よし。・・・おい、起きろ、絶頂で眠るにはまだ早いぞ」
「っ! テメェ!」
丁度顔を覗き込むように火山を見ていた真壁は縄を持ち前の身体能力で千切った彼女に反応が遅れ押し倒されてしまう。
「ご主人!」
「手を出すなよメス豚! ・・・・いい機会だ。どちらが上か、このときにしっかりと身体に刻んでやるとしようか」
「へっ、上等じゃないの! どうやらお前はどれだけ痛めつけても意味ないみたいだから性的に支配してやろうじゃないの!」
彼女の紅い瞳を、彼は傲岸不遜の強い瞳で見つめ返していた。
◆
真壁は火山に所謂騎上位の形で犯されていた。
「ホラホラどうよ! 声も出ない?」
「・・・・その程度か?」
「な・・・」
彼は彼女が動揺した一瞬を見逃さず。ポケットから香水のビンを取り出して彼女の顔にぶちまけた。その瞬間彼女の表情が快感にゆがむ。
「ひゃああああああっ?!」
「・・・・・この私が何も準備せずお前に犯されると思ったのか? マヌケ、さっきお前にぶちまけたのは、私のかわいいペットたちが纏っていた粘液の原液でな、本来なら水で何十倍にも薄めて使用するものなのだが・・・な。ああ、ちなみに私は鼻栓をしているので何も感じん」
「ぁあぁぁぁあぁ・・・・」
「あまりの快感に言葉もでんらしい。・・・さて、どうする?」
快楽の波に溺れている彼女に、彼はまた悪魔の囁きを始める。
「・・・私のものになって至上の快楽を得るのか、逆らって脳をショートさせたまま帰るか・・・二つに一つだ。どうするね?」
「くだひゃい・・・いっぱいくだひゃいい・・・何でも言うこと聞きまふかりゃあぁぁあ・・・」
「よく出来ました・・・!」
そういうと彼は腰が砕けるほどに激しいピストン運動を始めた。彼女の美しい黒髪を振り乱し、豊満な肢体を揺らしながら乱れる様は、実に淫らで、美しかった。
「ぁああああん! うぅううああん! ひ・・・ひもひひい・・・もっとぉ・・・・」
「っ・・・・「良し」いっぱいやるぞっ・・・!」
またも彼は自身の欲望を彼女にぶちまける。かなりの量を出したはずだが、そこは魔物娘、全部飲み込んでしまった。
「・・・ふぅ。さて犬コロ・・・――お前のご主人様は誰かな?」
「はぃい・・・真壁様ですぅぅう♪」
「・・・・よろしい」
その返答に、真壁はいい笑顔でそう告げるのだった。
◆
部屋の片付け、身なりを整えた後、真壁は二人に質問していた。
「で、だ。お前らだけで私を虐めたわけはないだろう? 誰か裏で糸を引いてるやつがいるはずだ。・・・それはだれかな?」
「はいご主人。神木アキ(かみき あき)です」
その返答に、流石の彼の顔にも驚きが浮かぶ。
神木アキ・・・・・同じクラスの生徒で、アヌビスの魔物娘、無遅刻無欠席で文武両道、黒い噂も立たない文字通りの優等生だからだ。どうやら彼女は、同じく品行方正(に装っていた)彼に成績で追い抜かれそうになり、精神的に追い詰めようといじめを画策したそうだ。ちなみに二人も結構いじめに乗り気だったのは、前々から真壁のことが好きだったが中々告白が出来ず。好意が捻じ曲がってしまいいじめてしまっていたのだそう(要は好きな子に意地悪したくなるアレ)。
「つまり・・・彼女は私と同類ってことだな・・・とりあえずお前ら今日は帰れ、明日、また学校で彼女を呼び出してくれるか? タイミングは、私が指定する」
「「はい! わかりました! ご主人!」」
◆
翌日・学校、とりあえずウナギをくれた礼をするために、月風亮に真壁は礼を言っていた。
「いやーありがとう月風くん! 君が品種改良したウナギ! 凄い美味しかったよ! またくれよな!」
「いやいや、それは別にいいんだけど・・・(フリズがテンション上がって作っちゃって処分に困っちゃっただけだけど・・・・てかあれ食べれるのか?)」
「ってか、啓お前なんか匂うぞ?」
「ああこれ? ちょっと香水の量間違えたみたいで・・・良かったら君もどう? 余り物でよかったらどうぞ」
(さて・・・・そろそろあいつらが放課後私の家に来るように言っているはずだ。・・・放課後が楽しみだな)
「おお、ありがとう(・・・・・ってこれ媚薬じゃねーか!)」
◆
放課後、家で待っているとインターホンがなったので玄関を開けると、神木アキが立っていた。
「私に用事って何? 真壁くん」
「いやあわざわざ申し訳ない。実は、数学で分からないところがあって、教えてもらおうと思ってさ。小野田さんと火山さんに聞いてみたんだけど分からないっていうから知り合いの君に頼んでみたって訳」
「ふーん。まあいいけど」
彼女を部屋に案内し、椅子に腰掛けると・・・・彼のスイッチが切り替わるといつもの格好(足を組んでサディスティックな目で愉快そうに見つめる)で彼女に問いかける。
「主犯はお前だな? 神木アキ?」
「へ? ・・・いきなり何のことよ主犯とか人聞きが悪いわね。それに貴方、性格変わってるわよ?」
「私の成績に危うさを感じて虐めさせ、高みの見物を決め込んでいた悪女がよく言う。・・・・二人が吐いてくれたよ。ちょっとお願いをしたらドバーっとね」
その言葉を聞いて彼女はひょうじょうをこわばらせたが、彼はそれも愉快そうに追求を続ける。
「しかし・・・・意外だなあ、『聖人君子』とも比喩される君が虐めだなんて」
「・・・脅す気? 目的は何?」
「いやいや、こっちは脅す気なんてさらさら無い。ただ、君の本性が見てみたくなってね、私も外じゃあ優等生ぶってはいるが家ではこうだ。君もそうなんだろう? ・・・だせよ。本心を」
その言葉を聞き入った後彼女の待とう雰囲気が一変する。
「嫉妬してたのよ・・・私を見てくれないことに、貴方はどんどん成績が良くなって・・・それこそ私を追い抜かんばかりだった。それが許せなかった。勉強を教えたのは私なのに! 貴方は私のものなのに!」
彼はそれを聞いて数秒呆然とした後言葉をつむぎだす。
「・・・・なるほど、だが弁解させてもらうとするなら私は特に趣味はないし部活も帰宅部なので、必然的に勉強しかすることが無かったし、のめり込んでいたらこうなってしまったとしか言えん・・・・・・・・しかし、そんなに私を望んでいるのか?」
「ええ! 貴方の何もかもを支配してあげる! 睡眠時間も、活動時間も、何もかもを!」
「・・・・・・悪いが、支配される気はさらさら無い。・・・お前が私のものになるのだ」
「それは無理ね・・・・『貴方はこれから地に跪いて、私のものになるんだから』」
「・・・・はあ、何度も言わせるな、私はお前に支配などされんし、跪きもせん」
それは拒絶の意思、それを聞いたとたん彼女の表情が狂気に歪む。
「そう・・・なら『罰則』を与えるしかないようね!」
そういい彼女は呪いを彼にかける。それは快楽に非常に敏感になってしまう「マミーの呪い」。布が擦れるだけでも強力な快楽が襲い。彼はたまらず跪いた。
「っうぅ・・・・お前・・・!」
「はははは! いい眺めね! どう? 私の足を舐めでもしたら許してあげる」
「・・・・・・・今だやれ、犬コロ」
「はい! ご主人!」
後ろから火山が現れ神木を羽交い絞めにした。真壁に手を出したからか、その顔には憤怒の感情があった。
「なっ・・・火山!?」
「よくも私のご主人様に手を出してくれたわね・・・おまけに足を舐めろですって?! ふざけるんじゃないよ!」
若干頬を赤くさせた真壁は立ち上がると、笑顔で話し始める。
「よくやったぞ真理。それでこそ私の犬コロだ・・・そしてお前はよく分かっている。神木、ふざけるなよ。支配されるのも、足を舐めるのも、私じゃあない、お前だ」
「ふん。私は元々マミーを統制・支配していた者。絶対に貴方のモノにはならない」
それをきいて彼の顔が更に喜々としサディスティックに歪む。
「・・・・その減らず口がいつまで続くかな?」
そういうと彼は、香水のビンにはいった媚薬を口に含み、そのまま彼女にキスをした。まるで彼女の口内を侵略するように荒々しく舌を入れ、媚薬を口移しで流し込む。彼女は驚きに目を見開き、媚薬の効果で早くも快楽に震え始めた。
「っ・・・・く、ち、うつし・・・キス?! ふぇえ?」
「ふぅ・・・どうした? 物事が思い通りに行かず混乱しているのか? フン。今までは思い通りに行ったかもしれんが、こと私の前でもその通りに行くだろうと思った慢心がダメだったな」
「ひぃい?! いじめてごめんなさい、嫉妬してごめんなさい、勝手なこと言ってごめんなさい、ゆるしてくださいぃぃぃ・・・・」
途端青ざめて怯えだす神木に、ニッコリとしたドSスマイルで彼は言う。
「いや? 私は別に怒ってなどいない。さっきの暴言も全て水に流している。・・・が、私のメス豚と犬コロはどうかな?」
はっとしたように神木が振り返ると火山と小野田が怒り心頭といった様子で立っていた。
「二人ともずっと風呂場ではりこんでいたぞ? どうやら私に手を出したことが許せんらしい。謝るなら、私にではなくこいつらにだ・・・・まあ、謝っても無駄だろうがな」
そう彼が言い終わったとほぼ同時に彼女らの魔手が神木に迫った。
◆
「どうだ? もう気は済んだか?」
「はい! ありがとうございますご主人!」
「すっきりしました! ご主人はなにもしないのですか?」
・ ・ ・ ・ ぴこーん。と彼の脳内でまた楽しげなことを思いついてしまった。
「「(うわぁ・・・またSなこと思いついたんだろうなぁ・・・)」」
「そうだ! さっきお前は私に跪いて足を舐めろだのなんだの言っていたな!」
「ひぃぃ!? 言いました! すいませんいいました! 許し・・・「舐めろ」・・・ふぇ?」
「どうした? 舐めろといったんだ。私の足を、まさかあれで終わりだと思ったんじゃないだろうな? ・・・そうか、お前の謝罪はその程度なのか、残念だメス犬」
「な・・・・舐めます! 舐めさせていただきます!」
完全にメスの顔をしている神木に満足そうな笑みを浮かべながら真壁は組んでいる素足をズイと近づける。
「ん・・・ちゅ・・・んはぁ・・・おいしいれす・・・ふぅん・・・」
「ふふ・・・嬉しいぞ。・・・今日は遅い。もう帰れ、また学校でな」
「「「はい! 失礼しますご主人!」」」
◆
翌日・放課後、屋上で真壁は月風と寝転んで話していた。
「なぁ啓、お前良いことあったろ? 最近活き活きしてる様に見える」
「やっぱり分かるかい?」
「ああ、大方、火山・小野田・神木あたりとナニかあったろ? 匂うからな・・・あとお前が「仮面」被ってるのもなんとなくだが想像がつく」
「・・・・勘がよすぎるぞ。月風」
「それがお前の素の性格か・・・・そっちのほうが親しみやすい」
「驚かないんだな」
「こんなことで驚いてたらお前の親友やってねーよ・・・で、今お前、楽しいか?」
「ああ・・・変わった親友もいることだし、あいつらもいるからな・・・・・しばらくは退屈しなさそうだ」
そういって彼は、心底楽しそうな笑みを浮かべ眠りに着くのだった。
「・・・・!」
「あんた、ちょっと来なよ」
現在いじめられていた。
◆
昼休み、彼は学校の裏庭に呼び出されていた。呼び出した張本人は、魔物娘のグールの小野田澪(おのだ みお)とヘルハウンドの火山真理(ひやま まり)の二人、真壁は彼女たちにかつ上げ・パシリをさせられていた。
「・・・・今日は何の用事なんだ?」
「そうだね・・・・今日は限定一個限りの学食のプリン買ってきてもらおうか」
「もちろん余った金は全部姐さんとあたしによこすんだよ!」
どうやら立場的には火山は奥田の舎弟のようだ。真壁は渋々今回も命令に従うのだった。だが、校内で大人気の限定プリンを昼休みも半ばに差し掛かった今からどう急いでも間に合わないことは分かりきっていた。当然、彼はプリンを買うことはできず。なまじ手加減をされて一方的に殴られて開放された。
「いたた・・・あいつら、良心ってもんを知らんのか・・・・」
このいじめは、約一年にわたって誰にもばれることなく秘密裏に行われていた。彼はずっとそれに耐え、ずっと品行方正に高校生活を送ってきたのだ。だが、彼の本心は真逆のものだった。
彼は現在一人暮らしの住まいに帰ってきていた(ちなみにその家は何気に防音・耐震等無駄にハイスペックである)。そして一人リビングで椅子に腰掛けて足を組み、思考にふける。
「―――・・・・・・頃合だな」
まるでスイッチが切り替わったように彼の表情が変わる。まるで、かぶっていた仮面を取り外すかのように。
「・・・・私を虐めた奴らには、それ相応の『罰』を与えなきゃあな」
そう、彼は外面は品行法制に装ってはいるが、・・・・その実・彼は真性の―――サディストだった。
◆
翌日・真壁は買いだめしておいた限定プリン(睡眠薬入り)で彼女たちを眠らせて、自宅まで運んだのだった(ちなみにご近所には部活で疲れて眠った友達を休ませるために連れて来た、と嘘をついた)。
「う・・・ぅうん」
「あれ・・・あたし・・・」
「お目覚めか?」
「「真壁ぇ!」」
目覚めると、彼女らは縛られていることに気付いたのか、やれ縄を解けなど、やれ許さないだのと騒ぎ始めた。
「・・・お前らは・・・今まで私のことをいいように甚振ってくれたよな?」
「はぁ!? だからなんだってのよ! 腹いせに私らボコボコにする気?! 姐さんが黙ってないんだからね!」
「阿呆かお前は、脳みそまで筋肉になってしまっているのか? お前たち魔物に人間の私がどう頑張っても太刀打ちできんし、それをやっても俺の気は治まらん」
急に本性を出した真壁に異質なものを感じたのか思わす彼女らも口を閉じ、悪寒を感じた表情で彼を見上げていた。
「そ・こ・で・・・・どうするか・・・・いくらお前たちでも分かるな?」
そんな二人を見下ろしながら、彼は物凄くイイ笑顔(ドSスマイル)でそう告げるのだった。
◆
リビングに小野田と火山の笑い声が響き渡る。真壁が鳥の羽で脇をくすぐっているからだった。
「あははははは! ひゃ、ひゃめろぉ!」
「く、くそう! あねひゃんにかかればこんなやつ!」
「ほお・・・!」
火山の言葉に真壁の表情がさらに悦なものになる。
「では犬コロ、お前のことは後回しだ・・・お前の言う『姐さん』から相手しようじゃないか」
「な・・あねひゃんには手は出ひゃせない・・・」
「ああ、安心しろ犬コロ、何もお前だけ退屈な思いはさせんぞ。お前はこいつらと遊んでおけ」
彼が持っているビニールに入れられた水の中を泳ぎ回るのは特殊な粘液を纏ったウナギ。
「ああ! このウナギは何か知りたいんだな! これはだな、我が誇るべき学友の月風亮くんに依頼して創って頂いた特性のウナギだ。もともとウナギが出す特製の粘液の中にローションと媚薬を混ぜた特別なウナギたちなのだ」
それを聞いたとたん火山の顔が青ざめだす。が、彼は何処吹く風、彼女の制止の声も聞かず抱えあげると、風呂場に運んで浴槽におろした。
「な・・・こんなところにつれてきて何する気だよ!」
「せっかく私の家に遊びに来てくれたのに何ももてなしが出来なかったのでな、せっかくだから私のペットたちと遊んでもらおうと思ってな!」
「嘘付け! 今学友に作ってもらったとか言ってたろ! ペットなわけ・・・」
「ん? なに? おおそうか! お前たちも遊びたいんだな? ・・・・喜べ犬コロ! 私のペットたちもお前と遊びたいそうだぞ! それいけ! ウナギたち!」
「ひぃ?! や、やめろ! んっ! ひゃんっ! そんなところに入るなぁ! あぁん!」
艶かしい痴態を物凄くいい笑顔で見下ろしながら、彼は告げる。
「それじゃあな! 私のペットと遊べるんだ! 光栄に思え! あ、ちゃんと鍵は掛けておくからお前の言う姐さんに痴態は見えんぞ! 安心するんだな」
「ちょっとまて・・・ひゃああん! あ、あけろぉぉぉ・・・」
そんな彼女の言葉を尻目に、意気揚々と真壁はリビングに戻るのだった。
◆
「待たせたな」
「な・・・お前! あたしのかわいい火山をどうしたんだ!」
「さあなーどうしたんだろうなー、今頃私のかわいいペットと遊んでいるんじゃないか?」
「くそ・・・ぜってーお前になんか負けたりしねえ・・・お前を逆に屈服させてやる・・・!」
「屈服させる? 私を? ――――ほ う」
◆
今、小野田の姿は散々なものだった。淫唇・乳首にローター 漆をつけられ、脇を羽でくすぐられ、媚薬をかがされていた。だがその快楽は絶頂に至るかいたらないかギリギリのもの、なので彼女は「後一押しで快楽を得られるのに得られない」という所謂「生殺し」の状態となっていた。が、まだそんな状態になってもまだ彼女が正気を保っていられるのは、魔物娘たるものなのか、その目には、まだ反抗的な光がともっていた。
「て・・・め・・ぇ、絶対に・・・ボコボコにしてやる・・」
「ほう。だがいいのか? ここで私をたこ殴りにしてしまえば、お前は一生生殺しのままだぞ?」
その言葉を聞いて、小野田の表情がやや「雌」を含んだものに変わる。そしてその変化を、真壁は見逃さなかった。わざと目と鼻の先の位置に顔を近づけると挑発的な表情で彼女に問いかける。
「なあ? どうする? ここで私を殺して生殺しになるか、私のモノになって至上の快楽を得るのか、お前が選べ・・・『メス豚』」
「・・・ほし・・・」
「ん?」
「・・欲しいれす! いっぱい・・・下さい! くだひゃい! 真壁様ぁ!」
もう彼女の顔は「メス豚」のものになっていた。顔は高揚し快楽に恍惚とし淫靡な笑みを浮かべ涎を垂らす姿は、餌を待つ「犬」そのものだった。
「・・・いいだろう。約束通り褒美をくれてやる」
ローターを淫唇から引き抜くと、真壁は彼女のせなかに指を這わせつつやさしく頭を撫でながら自身を咽喉に挿入し、しゃぶらせる。
「ずずずぅうう・・・・ぅうん! あぁああん! んっ・・・気持ちいい・・・気持ちいいよぉ! もっとあたしを愛して真壁様ぁ!」
「っ! 出すぞ。受け止めろよ・・・ぅう!」
魔物娘である彼女の豊満な体に、彼はあっけなく白濁した欲望を口内にぶちまける。それを、彼女は快楽に浸りながら受け入れた。
「・・・さてメス豚よ。改めて聞く、お前のご主人様は誰だ?」
「―――あぁああ・・・貴方でございます真壁様ぁぁあ・・・・・♪」
彼女はもうすでに、彼の虜になっていた。
◆
「お前はここで大人しく待っていろ、メス犬とは私ひとりで愉しむからな、横槍は許さんぞ?」
「えぇ・・・寂しいですご主人さまぁ・・・」
「まあそういうな、あいつとの遊びが終わった後は、たっぷりと相手をしてやるからな?」
その言葉に小野田の表情がパアと明るくなる。
「はい! 待ってます! ご主人!」
そして彼は、また意気揚々と風呂場へと歩き出した。
◆
「入るぞ・・・これはこれは、ずいぶん私のペットと仲良くなったのだな」
彼女は快感に紅葉し肩を上下させ息をし、柔らかな肢体にウナギを這いまわせていたが、まだその表情は快楽には屈してはいなかった。「ヘルハウンド」という魔物は、決して男には懐く事はないということを真壁は思い出していた。
「あたしは決してこんなのには屈しないよ! 諦めるんだね!」
「ほう、そうか、だがお前の慕っていた「姐さん」はもう私のモノになってしまっているがな」
それを聞いて彼女の表情が一変する。
「う・・・嘘だ! 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! 姐さんが負けるはずない! 屈するはずない! あの姉さんが! そんな・・・・」
「嘘でも何もなく、真実だ。見せてやろうか? ・・・・おーい、小野田ァ」
(ご主人が呼んでくれた・・・! ご主人が呼んでくれた・・・! )
「はい! なんでしょうか! ご主人!」
「っ!? 姐さん?! 何でこんなヤツなんかに・・・」
「真理・・・いくらアンタでも、真壁様を悪く言うことは許さないよ・・・真壁様はあたしの全てなんだ・・・あたしのご主人様なんだ・・・! あたしは彼のためならなんだってするよ? えへへへぇ・・・」
「だ、そうだ」
「そんな・・・まっててね姐さん! 今すぐこんな縄解いてこんなヤツ・・・!」
「あ、そうだ。メス豚」
「はいっ! なんですかご主人♪」
「今から私が犬コロを調教してやるから、そこで見てろ、手は出すなよ? あくまでそこで「見てろ」。いいな?」
「わかりましたぁ! 見てます! 見させていただきますぅ!」
「と、いうわけで犬コロ! お前を今から調教してやる! お前の場合メス豚よりも根性が据わってそうだから、ちときつめにしてやる」グッ!
凄くいい笑顔と共にサムズアップをすると、手をワキワキさせながら、火山に近づいていった。
◆
「くっ・・・こんな格好させてぇ・・・! 絶対お前になんか屈しないからな!」
「ふむふむいい眺めだ。M字開脚させてその無駄に豊満な乳房の乳首にバイブをつけられ、ウナギくんたちに身体をニュルニュル這い回れてさらに脇腹を羽でくすぐること一時間。まだ屈しないとは・・・なかなかどうして凄い根性だな! 見直したぞ犬コロ!」
「凄い説明口調な真壁様も素敵ですっ!」
「ふざけんな! この縄と道具をどけろ!」
「まぁ、どれだけ元気に言葉を叫ぼうとお前のその格好じゃあ「負け犬の遠吠え」ならぬ「メス犬の遠吠え」だな! フハハハハハハハハ!」
「フン! 言うだけ言えばいいさ! アンタにあたしを調教するなんて出来やしないんだからね!」
「阿呆! 誰が『私だけで調教する』といった? メス豚・・・いや、澪!」
「はい!(ご主人が名前で呼んでくれた! ご主人が名前で呼んでくれた!)」
「そういえばお前、さっきメス犬の身体をメチャクチャにしてみたいんですよ! とか言ってたな、いい機会だ。してみるか?」
その言葉に小野田は明るい、火山は青い顔になるが、そんなこと当の真壁啓(ほんにん)は知ったこっちゃあない。
「はい、是非! 是が非でも!」
「ひぃ?! 姐さん、冗談でしょう?! やめて下さいよ! ふぁあん! そんなところ・・・やめて下さいよぉ!」
「ぐへへ・・・良いではないか良いではないかぁ・・・」
「それでは私は三時のおやつを食べるから、食べ終わるまで仲良く乳繰り合ってろよ」
◆
「ふ〜・・・ミルクティーと御手洗団子って意外にあうなぁ・・・さて、どうなってるかなっと。入るぞ」
「でへへへぇ・・・余は満足じゃ」
「へぇ、少し三時のおやつと洒落込んでる間に、随分偉くなったもんだな? さて、どんな具合だ?」
「ひゃう?! すみませんご主人・・・とりあえず体中を嘗め回した後、耳を甘噛みしながら淫唇をメチャクチャにしました!」
「・・・・・・うん。凄いいい笑顔で報告ご苦労。その肌のツヤツヤ度から見るに、凄く満足したみたいだな」
「はい! そりゃあもう!」
「よし。・・・おい、起きろ、絶頂で眠るにはまだ早いぞ」
「っ! テメェ!」
丁度顔を覗き込むように火山を見ていた真壁は縄を持ち前の身体能力で千切った彼女に反応が遅れ押し倒されてしまう。
「ご主人!」
「手を出すなよメス豚! ・・・・いい機会だ。どちらが上か、このときにしっかりと身体に刻んでやるとしようか」
「へっ、上等じゃないの! どうやらお前はどれだけ痛めつけても意味ないみたいだから性的に支配してやろうじゃないの!」
彼女の紅い瞳を、彼は傲岸不遜の強い瞳で見つめ返していた。
◆
真壁は火山に所謂騎上位の形で犯されていた。
「ホラホラどうよ! 声も出ない?」
「・・・・その程度か?」
「な・・・」
彼は彼女が動揺した一瞬を見逃さず。ポケットから香水のビンを取り出して彼女の顔にぶちまけた。その瞬間彼女の表情が快感にゆがむ。
「ひゃああああああっ?!」
「・・・・・この私が何も準備せずお前に犯されると思ったのか? マヌケ、さっきお前にぶちまけたのは、私のかわいいペットたちが纏っていた粘液の原液でな、本来なら水で何十倍にも薄めて使用するものなのだが・・・な。ああ、ちなみに私は鼻栓をしているので何も感じん」
「ぁあぁぁぁあぁ・・・・」
「あまりの快感に言葉もでんらしい。・・・さて、どうする?」
快楽の波に溺れている彼女に、彼はまた悪魔の囁きを始める。
「・・・私のものになって至上の快楽を得るのか、逆らって脳をショートさせたまま帰るか・・・二つに一つだ。どうするね?」
「くだひゃい・・・いっぱいくだひゃいい・・・何でも言うこと聞きまふかりゃあぁぁあ・・・」
「よく出来ました・・・!」
そういうと彼は腰が砕けるほどに激しいピストン運動を始めた。彼女の美しい黒髪を振り乱し、豊満な肢体を揺らしながら乱れる様は、実に淫らで、美しかった。
「ぁああああん! うぅううああん! ひ・・・ひもひひい・・・もっとぉ・・・・」
「っ・・・・「良し」いっぱいやるぞっ・・・!」
またも彼は自身の欲望を彼女にぶちまける。かなりの量を出したはずだが、そこは魔物娘、全部飲み込んでしまった。
「・・・ふぅ。さて犬コロ・・・――お前のご主人様は誰かな?」
「はぃい・・・真壁様ですぅぅう♪」
「・・・・よろしい」
その返答に、真壁はいい笑顔でそう告げるのだった。
◆
部屋の片付け、身なりを整えた後、真壁は二人に質問していた。
「で、だ。お前らだけで私を虐めたわけはないだろう? 誰か裏で糸を引いてるやつがいるはずだ。・・・それはだれかな?」
「はいご主人。神木アキ(かみき あき)です」
その返答に、流石の彼の顔にも驚きが浮かぶ。
神木アキ・・・・・同じクラスの生徒で、アヌビスの魔物娘、無遅刻無欠席で文武両道、黒い噂も立たない文字通りの優等生だからだ。どうやら彼女は、同じく品行方正(に装っていた)彼に成績で追い抜かれそうになり、精神的に追い詰めようといじめを画策したそうだ。ちなみに二人も結構いじめに乗り気だったのは、前々から真壁のことが好きだったが中々告白が出来ず。好意が捻じ曲がってしまいいじめてしまっていたのだそう(要は好きな子に意地悪したくなるアレ)。
「つまり・・・彼女は私と同類ってことだな・・・とりあえずお前ら今日は帰れ、明日、また学校で彼女を呼び出してくれるか? タイミングは、私が指定する」
「「はい! わかりました! ご主人!」」
◆
翌日・学校、とりあえずウナギをくれた礼をするために、月風亮に真壁は礼を言っていた。
「いやーありがとう月風くん! 君が品種改良したウナギ! 凄い美味しかったよ! またくれよな!」
「いやいや、それは別にいいんだけど・・・(フリズがテンション上がって作っちゃって処分に困っちゃっただけだけど・・・・てかあれ食べれるのか?)」
「ってか、啓お前なんか匂うぞ?」
「ああこれ? ちょっと香水の量間違えたみたいで・・・良かったら君もどう? 余り物でよかったらどうぞ」
(さて・・・・そろそろあいつらが放課後私の家に来るように言っているはずだ。・・・放課後が楽しみだな)
「おお、ありがとう(・・・・・ってこれ媚薬じゃねーか!)」
◆
放課後、家で待っているとインターホンがなったので玄関を開けると、神木アキが立っていた。
「私に用事って何? 真壁くん」
「いやあわざわざ申し訳ない。実は、数学で分からないところがあって、教えてもらおうと思ってさ。小野田さんと火山さんに聞いてみたんだけど分からないっていうから知り合いの君に頼んでみたって訳」
「ふーん。まあいいけど」
彼女を部屋に案内し、椅子に腰掛けると・・・・彼のスイッチが切り替わるといつもの格好(足を組んでサディスティックな目で愉快そうに見つめる)で彼女に問いかける。
「主犯はお前だな? 神木アキ?」
「へ? ・・・いきなり何のことよ主犯とか人聞きが悪いわね。それに貴方、性格変わってるわよ?」
「私の成績に危うさを感じて虐めさせ、高みの見物を決め込んでいた悪女がよく言う。・・・・二人が吐いてくれたよ。ちょっとお願いをしたらドバーっとね」
その言葉を聞いて彼女はひょうじょうをこわばらせたが、彼はそれも愉快そうに追求を続ける。
「しかし・・・・意外だなあ、『聖人君子』とも比喩される君が虐めだなんて」
「・・・脅す気? 目的は何?」
「いやいや、こっちは脅す気なんてさらさら無い。ただ、君の本性が見てみたくなってね、私も外じゃあ優等生ぶってはいるが家ではこうだ。君もそうなんだろう? ・・・だせよ。本心を」
その言葉を聞き入った後彼女の待とう雰囲気が一変する。
「嫉妬してたのよ・・・私を見てくれないことに、貴方はどんどん成績が良くなって・・・それこそ私を追い抜かんばかりだった。それが許せなかった。勉強を教えたのは私なのに! 貴方は私のものなのに!」
彼はそれを聞いて数秒呆然とした後言葉をつむぎだす。
「・・・・なるほど、だが弁解させてもらうとするなら私は特に趣味はないし部活も帰宅部なので、必然的に勉強しかすることが無かったし、のめり込んでいたらこうなってしまったとしか言えん・・・・・・・・しかし、そんなに私を望んでいるのか?」
「ええ! 貴方の何もかもを支配してあげる! 睡眠時間も、活動時間も、何もかもを!」
「・・・・・・悪いが、支配される気はさらさら無い。・・・お前が私のものになるのだ」
「それは無理ね・・・・『貴方はこれから地に跪いて、私のものになるんだから』」
「・・・・はあ、何度も言わせるな、私はお前に支配などされんし、跪きもせん」
それは拒絶の意思、それを聞いたとたん彼女の表情が狂気に歪む。
「そう・・・なら『罰則』を与えるしかないようね!」
そういい彼女は呪いを彼にかける。それは快楽に非常に敏感になってしまう「マミーの呪い」。布が擦れるだけでも強力な快楽が襲い。彼はたまらず跪いた。
「っうぅ・・・・お前・・・!」
「はははは! いい眺めね! どう? 私の足を舐めでもしたら許してあげる」
「・・・・・・・今だやれ、犬コロ」
「はい! ご主人!」
後ろから火山が現れ神木を羽交い絞めにした。真壁に手を出したからか、その顔には憤怒の感情があった。
「なっ・・・火山!?」
「よくも私のご主人様に手を出してくれたわね・・・おまけに足を舐めろですって?! ふざけるんじゃないよ!」
若干頬を赤くさせた真壁は立ち上がると、笑顔で話し始める。
「よくやったぞ真理。それでこそ私の犬コロだ・・・そしてお前はよく分かっている。神木、ふざけるなよ。支配されるのも、足を舐めるのも、私じゃあない、お前だ」
「ふん。私は元々マミーを統制・支配していた者。絶対に貴方のモノにはならない」
それをきいて彼の顔が更に喜々としサディスティックに歪む。
「・・・・その減らず口がいつまで続くかな?」
そういうと彼は、香水のビンにはいった媚薬を口に含み、そのまま彼女にキスをした。まるで彼女の口内を侵略するように荒々しく舌を入れ、媚薬を口移しで流し込む。彼女は驚きに目を見開き、媚薬の効果で早くも快楽に震え始めた。
「っ・・・・く、ち、うつし・・・キス?! ふぇえ?」
「ふぅ・・・どうした? 物事が思い通りに行かず混乱しているのか? フン。今までは思い通りに行ったかもしれんが、こと私の前でもその通りに行くだろうと思った慢心がダメだったな」
「ひぃい?! いじめてごめんなさい、嫉妬してごめんなさい、勝手なこと言ってごめんなさい、ゆるしてくださいぃぃぃ・・・・」
途端青ざめて怯えだす神木に、ニッコリとしたドSスマイルで彼は言う。
「いや? 私は別に怒ってなどいない。さっきの暴言も全て水に流している。・・・が、私のメス豚と犬コロはどうかな?」
はっとしたように神木が振り返ると火山と小野田が怒り心頭といった様子で立っていた。
「二人ともずっと風呂場ではりこんでいたぞ? どうやら私に手を出したことが許せんらしい。謝るなら、私にではなくこいつらにだ・・・・まあ、謝っても無駄だろうがな」
そう彼が言い終わったとほぼ同時に彼女らの魔手が神木に迫った。
◆
「どうだ? もう気は済んだか?」
「はい! ありがとうございますご主人!」
「すっきりしました! ご主人はなにもしないのですか?」
・ ・ ・ ・ ぴこーん。と彼の脳内でまた楽しげなことを思いついてしまった。
「「(うわぁ・・・またSなこと思いついたんだろうなぁ・・・)」」
「そうだ! さっきお前は私に跪いて足を舐めろだのなんだの言っていたな!」
「ひぃぃ!? 言いました! すいませんいいました! 許し・・・「舐めろ」・・・ふぇ?」
「どうした? 舐めろといったんだ。私の足を、まさかあれで終わりだと思ったんじゃないだろうな? ・・・そうか、お前の謝罪はその程度なのか、残念だメス犬」
「な・・・・舐めます! 舐めさせていただきます!」
完全にメスの顔をしている神木に満足そうな笑みを浮かべながら真壁は組んでいる素足をズイと近づける。
「ん・・・ちゅ・・・んはぁ・・・おいしいれす・・・ふぅん・・・」
「ふふ・・・嬉しいぞ。・・・今日は遅い。もう帰れ、また学校でな」
「「「はい! 失礼しますご主人!」」」
◆
翌日・放課後、屋上で真壁は月風と寝転んで話していた。
「なぁ啓、お前良いことあったろ? 最近活き活きしてる様に見える」
「やっぱり分かるかい?」
「ああ、大方、火山・小野田・神木あたりとナニかあったろ? 匂うからな・・・あとお前が「仮面」被ってるのもなんとなくだが想像がつく」
「・・・・勘がよすぎるぞ。月風」
「それがお前の素の性格か・・・・そっちのほうが親しみやすい」
「驚かないんだな」
「こんなことで驚いてたらお前の親友やってねーよ・・・で、今お前、楽しいか?」
「ああ・・・変わった親友もいることだし、あいつらもいるからな・・・・・しばらくは退屈しなさそうだ」
そういって彼は、心底楽しそうな笑みを浮かべ眠りに着くのだった。
15/05/06 23:25更新 / クロゴマ