わふわふさせてぇ…!
ピピピピと、控え目なアラームの鳴り響く部屋。
目を覚ます事を目的としているハズなのだが、流石にこの音量では無理だろう。
…が。
実は目覚ましなんて必要なかったりする。
何故なら俺…山本海斗は既に目覚めているからだ。
…山か海か、ハッキリしろとかは言わないでくれよ?
誰に向かって言ってんのかは些か疑問だけども。
まあ、それは置いとく。
何故なら、俺は早起きした訳じゃなくて、寝れなかったからだ。
その理由を簡単に説明しようと思う。
…誰に? 頭の中で響いた自分の声に呆れる。
まあ、思い出しとかなんとかって言い訳出来るから別に…
……アレ? 言い訳しなくていいんじゃね?
ま、まあまあ、そんな事はどうでも良いよな!
兎に角。兎に角だ。俺が寝れなかった理由は。
「……だぁぁぁぁぁ学校行きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…」
つまりは、学校が嫌なのだ。
山本海斗、17歳・童貞。
そんな俺が、あんな…その、可愛い子ばっかり居る学校へ行ける訳がねぇ。
なら何故入学した。
下心でしたぁぁぁぁぁスンマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
入学当初は喜んださ。だがな、俺にゃあ無理だ。
男女率、かなり違うし。
一年の時のクラスなんか、女子35人男子4人だったしな。
まあ、一年の時は乗り越えたから良いのだが。
二年になってからがそれはそれは苦痛なのだ。
一年の時にはなかった光景が、多々浮上しだしたのだ。
その一、リア充の発生。
校内何処でも数少ない男子とやたらと積極的な女子とのイチャイチャを目撃するハメになる。
…爆発しろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ふざけんなよテメェ等のせいで色々やべぇんだよ恥ずかしいんだよ!ムラムrいや自重しよう。
そしてその二、制服の自由制度。
指定された制服の他に、私服等でも登校を許可されている我が学校。
だけど考えた事あんのかね!? 魔物の人達どんな服着るか理解出来てんですかねぇ!?
目の毒だよ! 不健全だよ! だからもっと着てくださいありがとうございましたぁぁぁぁぁっ!
直視なんか出来ないけども!!
そしてその三! これが一番恥ずかしいんだよ! なんで校内でヤってんだよお前ら!?
気恥ずかしいわ! 何? 何を求めてんのアンタら!?
見られる可能性考えてる!? 頭大丈夫!?
見ちゃったら恥ずかしくて話し掛けられぬよお主ら!
おかげで恥ずかしくて学校行けねーよ!
…まあ行かないとダメなんで行きますけども。
あ、付け足しで四つ目も言わせて貰うわ。
ズバリ。
恥ずかしくても遅刻したら反省文大量に書かされるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ行きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
と、叫ぶ17歳児に、台所で手早く朝御飯を作り上げる母は「今日も元気ねぇ」と朗らかに笑うのであった。
そう、これが毎日の習慣なのだ。
故に、山本海斗の朝は、毎度ながらこの様に始まる。
※
時と場面は変わり、時刻は八時十五分。教室だ。
いつも通り、賑やかでいて騒がしい。
例えば。
あ、今日はミニスカなんだね? えへへ♪ 可愛いかな? うん、可愛い可愛い。
おいリア充。当て付けか? あぁん?
というかそろそろ気付こうよ。
「………」
と、無言の圧力を掛けている我らがクラス委員長に。
いや、圧力じゃあないかな。
「………」
黒板の前で無言の委員長…犬藤真琴(インドウ・マコト)さんは、まあその名の通りわん娘である。
実際はアヌビスとかいう種族の魔物に憧れた狼娘なんだけど。
確かお母さんの友達にアヌビスの人がいて、クールでカッコイいからだとかなんとか。
いや、でも委員長は委員長なりに外見だけはボーイッシュでなかなか良いと俺は思ってるんだけどな。
繰り返す、外見だけはカッコいい。
「…ぅ…ねぇ、どうしたら良いんさ…?」
と、黒板の前、そして教卓の真ん前の席の俺に問い掛ける委員長。
「いや、普通に静かにして席についてくださいって言えば良いんじゃないかな?」
何故か委員長と話しても恥ずかしくないんだよなぁ、と思いながら自分の意見を教える。
すると、「あんがとー、とりあえずやってみんさ」と言い、
「えー、静かにして席につけよー。聞こえてるかー?」
と、棒読みで言い始めた。
だが、勿論そんな小さな声が聞こえる訳はない。
すると、「全然ダメじゃんかさー。これじゃ座ってくんないよー」
なんて、言われる。
だが敢えて言おう。
「委員長さ、声小さすぎるって。もうちょい大きくしたらいけるって」
「んや、恥ずかしいじゃんかさー、無理無理」
さて、これも毎朝の習慣の一部なのだが、やっぱり思う事がある。
君はあくまでもワーウルフなんだから、少しは荒っぽくても良いと思うんだけどな!
…勿論言える訳がない。それこそ、恥ずかしくて無理無理状態だ。
しかしながら、これもいつもの事なのだが。
ガラガr…バン! と、いきなりドアを開ける担任教師によって、リア充共のノロケ話は終わりを迎える。
「おいテメェ等よ? 今八時二十分だぜ? あぁ、おい?」
委員長を押しのけ、教卓前に立つ我らが担任教師こと飯島藍瀬(イイジマ・アイゼ)先生は、そんな台詞を放ちながら教室内を震えあがらせる。
口の中をコロコロと転がす棒付きキャンディーを…バリバリ、ボリボリと噛み砕き、
「…今立ってた奴ら、後で反省文八万文字な。犬藤、お前もだから」
委員長は別にいいじゃんかよ、なんて言えば俺が死刑になるのですまない委員長。
だからそんな目で見ないでくれ…。
因みに、飯島先生は種族不明。年齢不明。何故教師やってるのかすら不明である。
勿論そんな事を言えば、ぶちのめされるので口外してはならない。
繰り返す、決して口外してはならない。
昔、とある生徒が口外し、科学準備室に拉致された後、叩かれたり罵られてあひあひ言うハードなMになって帰って来た事があるからだ。
故に我らが担任教師の二つ名は、科学準備室の悪夢である。怖ぇ…
「…ぅ…ぅぅ…」
と唸る委員長に睨まれて、酷く申し訳なく感じたけど何も出来ない自分が恥ずかしい。
いや、でも…ねぇ…?
そう思いながら、朝のホームルームは終わりを迎えた。
終始、委員長に睨まれていたのは言うまでもない…。
※
ホームルームが終われば、その後に約十分の授業準備がある。
因みに一時間目は、国語である。
国語担任の教師はこの学校でも数少ない男性の教師だ。
この教師がまた個性的で、まっっっったく国語の授業をしないのだ。
因みに名前はジェイソン。別に十三日の金曜日に現れるホッケーマスクとは全く関係がない。
ジェイソンの授業内容は、“紛争と争いの根絶”についてである。
故に国語の授業ではなくなるのだ。
「…命アル者ハ、争ッテハナラナーイ」
とか何とか。
もし授業中に寝てしまっても、「oh…疲レテルンデスネ…。静カニ、静カニ…」
と、別に怒ったりもしない。
だから、徹夜明けの俺にとっては最高の授業である。
だが。
何故、こうなったのか…。
「テメェ等何寝ぼけた事言ってんだ!? あぁ!? 引き伸ばしてリトマス試験紙にするぞおらァ!」
寝ぼけた事言ってんのはどっちだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
アンタの授業は科学だろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
と言うかジェイソン先生どこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
きっと、俺と同じ事を思った生徒の一人が、恐れ恐れに口を開く。
「えぇと…あの、飯島先生…ジェイソン、先生…は、どちらに…?」
全生徒が耳を澄ませるなか、飯島先生は口を開いた。
「ちょっと準備室で話してたら寝ちゃったみたいでな! だからアタシが授業してやってんだろーがっ!」
きっと、皆同じ事を思ったんだろう。
―嗚呼、ジェイソン先生…。僕達は、貴方の事を忘れません…、と。
そして、次からの授業は争いの根絶ではなく、“虐げられる事への悦び”に変わるであろう事も。
教室の片隅で、それを想像したのか、青ざめた顔の委員長と。
その隣に座る、“準備室経験者”の男子…藤野の恍惚な表情が現実味を引き出していた。
…どんな鬼教師よりも、俺はこの教師が怖い。
一時間目、国語教師を墜とす科学の授業は、恐怖体験として終わった。
※
悪夢のような授業が終わり、初夏でただでさえ暑い教室内なので…その、汗をかいてしまった。
自販機まで走って、麦茶でも買ってきたい気分なんだが…
「…はぁ…、無理だよなぁ…」
何故かと言うと、校内の自販機…その裏側は体育館裏と校舎との隙間があり、その…
…ヤってらす方が、良くいるんですよね…。
思い返す、卑猥な言葉のパラダイス。
「ん…っ、あっ ♥はる……っ、きぃ♥♥」
「…声…、すっげ…可愛い、ぞ…さく、ら…くっ」
「あぁっ ♥ も、お…っ、んっ♪…だ、めぇぇぇ♥♪」
「くっ…うぅ…」
…脳内音声は、まるで今聞いたかのように鮮明だ。
ハルキさんとサクラさん、そういうのは…控えようね?
あ、やべ…こんなの思い出したら…
そう思った時だった。
「山本〜、お茶買いに行こーよ」
と、お声を掛けて貰った。委員長に。
このタイミングでそれを言うか!? だが…水分はとりたい…
「んやー、小銭忘れちゃってね? 明日返すからさっ、ね?」
それが狙いか!? 言うより先に、手を引かれて連れ去られる俺。
「ちょ!? おい…っ」
無理やり引き剥がす訳にも行かないので、なされるがままに引っ張られる。
や、やめろ委員長!
そこから先は! そこから先は悪夢(または男のユメ)に直行してるんだ!
もしソレに遭遇したら、気まずくて委員長とも話できなくなっちまう!
そんな思いも虚しく、なされるがままに進む俺であった。
※
「…ぷはぁ…生き返るぅ…」
委員長は人の財布から150円を取り出し、爽健美茶を購入。
それを、流し込むように飲み干した。
「んやんや、あんがとーね、山本。死ぬとこだったさ〜」
「さいですか…」
呟いて、確認する。
…声は、聞こえない。良かった、遭遇はしなかったみたい…
「…そろそろ行ったんじゃないか? ほら、続きを始めろ」
「ふぁあい、ごしゅじんしゃま…んっ ♥ちゅっ…んはっ♪ おいしー…で、す… ♥ 」
…おいおい嘘だろ待てってちょいちょいちょい…
混乱状態になりながらも、真っ赤になる俺を見て委員長は、
「んやー、どうしたんさ、山本? 真っ赤だけど、熱でもあるn…?」
…ぴく…ぴくぴくっ。
言葉の途中で立ち止まり、委員長はその耳をぴくぴくと動かした。
そして。
「んやー、んやんやんやんや…山本くぅん? 顔、真っ赤だよ〜?」
にっこり。太陽のような笑顔を浮かべて、再度近付いてくる委員長。
そのまま俺の両肩にもふもふの手を置いて…ドンっ!っと、壁際に押し付けられる。
むにぃ…。
そのまま身を寄せて、女性特有の柔らかいモノを…。
「ちょ! 委員長、どうしたいきなり…!? というか早く教室帰ろうぜ? な?」
出来るだけ平静を装うが、どうもぎこちなくなってしまう。
「んん? あれれ、山本は素直じゃないんだ? でも…」
委員長の左手が、なぞるように身体を滑っていき、俺のズボンの上を撫でる。
さわさわ…そりそり…つん、つんっ。
「ちょ…いいんちょ…止め…」
他人に、ズボン越しとは言えナニを触られているのだ。
むず痒いような快感が走っていく。
「止める…なんて、言うと思うかなぁ…? ふふ、やっぱり、下は素直なんさね?」
そう言って、徐々に屈んで行き…。
かちゃ、かちゃ…かちゃ…シュルシュル…。
「んやや、おっき…」
ベルトとズボンを下ろされ、まじまじと勃起したソレを見つめる委員長。
そして、
「ん…まあ、もう我慢できないんで…、ね? ん…ん〜、ちゅっ ♥」
根元から、亀頭の先まで…ねっとりとして、ざらつきのある舌が這う。
「ちゅっ…ちゅっ…ん、ふぁ…ぁっ ♥どう…かな…初めて…ちゅ…なんだけど…」
「いいんちょ…ヤバい…っ、て…くっ…」
初めての快楽に悶える俺に、んふ、気持ちイイんだ? と、言いながら舌をうねらせる。
そのまま唇から亀頭を呑み込んで行く口。
口の中の舌や、唇…それらが蠢きながら上下に動く。
「ん…んぐっ ♥ぁぐっ、んん…んっ…はぁっ ♥」
「いいんちょ…ヤバ…で、る…っ!」
裏筋や、カリ部分を舌が激しく責め立て、遂に…その。
「ん、ぐっ…ちゅっ…ん!? んんんんんぅ〜 ♥」
「ぐっ…ぁ…っ…」
委員長の…口ん…中で…
やべぇ、だしちゃった…
しかし、そんな俺を気にとめる訳もなく彼女は、
「ん…く…んくっ…山本、の…凄い量…はぁ…はぁ… ♥」
そして最後に。
「山本の…おいし…れろっ」
っと、唇に残った精液を舐めて。
「んやんや、山本とヤっちゃった♪ んふふ〜♪」
立ち上がり…。
「んじゃ、帰ろっ?」
と、言ってくるのだが…。
健全な一男子が…ヤられたままで帰るとでも?
受け身のまま、終えろと?
そんな事、許されないよなぁ…?
ここにきてようやく覚醒した、童貞の決意は固いぜ…っ!
「…なあ、委員長…ちょっとこっち来てくんないかな?」
自然な笑顔で、彼女に呼び掛ける。
「んゆ? んやんや、どったの?」
てくてくてく。…目の前までやって来た委員長を見つめながら、思う。
コイツって結構小さいよなー、とか。耳ってどんな手触りなんだろ、とか。
思いながら、その頭に手を置く。
なでなでなでなで。
ふにふにふにふに。
サラサラの髪を堪能し、犬の耳みたいな耳をこねくり回す。
抵抗されちゃまずいので、肩越しに抱き締めるのも忘れない。
因みに委員長とは言うと「…ぁっ…耳ぃ ♥やめ、ろ…ぉ…んっ…」
と、悶えている。
ふむ、耳が弱いと。ならば…。
はむはむと甘噛みしてみる。軽く舐めてみたり、唇でふにふにしてみたり。
案の定「んやっ、あっ ♥みみ…やめ、ぇ…かい、と…っ ♥」と、甘い声が漏れている。
彼女でもない委員長に弄ばれた、仕返しとばりに耳を責める。
段々と力の抜けてきた委員長の向きをかえて、後ろから耳を責め立てる。
空いてしまった右手は委員長の、この学校では珍しい制服の下に手を這わせながら下着の下に指を潜り込ませ、弄り回す。
左手は太ももに這わせ、下着越しに彼女の秘部を弄る。
「…へぇ…? 委員ちょ…いや、犬藤…ここ、びちょびちょになってるよ?」
「んっ…だって…っ、かいと、が、ぁっ ♥んっ、いじめる、からっ ♥」
既に呼び名が山本から、名前の海斗に変わっているが、そんな事で恥ずかしがってたらいけない。
まあ、ドキドキと高ぶる心臓は凄い事になってるんだが。
だが、それを上回るイケナイ事をしていると言う興奮が俺を突き進ませる。
「変態だな、犬藤…? 自分から腰動かして、感じてんの?」
いつの間にか自分で動き始めた委員長に、言葉で愛撫する。
「ちがっ、これ、はぁ ♥ 仕方なくっ、なんっ…あっ、みみ…やめ、ぇ ♥」
「止める…訳、ないだろ? それに、お前だって望んでるくせに」
言うと、委員長の身体がビクンっ、と震え、
「んっあっ ♥あっ ♥かい、とっ…っもぅ、だめっ ♥なんか、来るっ…あぅっん ♥あっ、海斗っ…海斗っ ♥ぎゅって、してよぉっ ♥ んゆぁぁっ ♥」
と、懇願してくる委員長に俺は…
「なんで? イヤだなぁ★」
と、呟いてから耳を少し強めに噛む。すると。
「んぁっあ、いじわる…ば、かぁ ♥ふぁぁ、んっ、あ…んぁぁっ、やぁぁぁあぁぁっ ♥ ♥ ♥」
下着越しの秘部から愛液が吹き出し、尻尾はピンっと張り、耳はぴくぴくと痙攣している。
ぐったりとした彼女から手を離すと、前のめりに倒れて喘いでいる。
突き上がっているお尻…スカートの隙間から見える下着は、愛液でどろどろになっている。
「ん、ぁ…っ、かいとぉ… ♥熱い…よ、ぉ…♪」
そう言っている委員長の上に覆い被さり、耳元で告げる。
「…まだ、終わらせないよ?」
すると、耳がピクッと動き、委員長が身じろぎする。そして…
「…ん…いい、よ… ♥海斗に、あげる…ボクの、初め…て…」
初めて聞いたが、一人称はボクなんだなぁ、委員長。
まあ、それは置いといて。
“何か、勘違いしてないかい? 委員長”
「…初めて…? そうだね、それも良いかも。だけど…」
「……かい、と…?」
カチャカチャと再びベルトを外し、いきり立ったそれを取り出す。
右手でそれを掴み、委員長の秘部に、下着越しに押し付ける。
温かい…いや、熱いぐらいだ。
「かい、と…? 下着…ずらさないと、はいらない…んっ、よ…?」
「だ〜か〜ら、何勘違いしてるのかな?」
告げてから、強引に太ももを閉じさせる。
そして、そこにできた逆三角の隙間で…
「…!? んっ♪やっ、あっ ♥ちがっ、熱い、かいとぉ…ふぁあっ、あっ ♥」
にゅる…にゅる、にゅるんっ
下着越しに秘部を刺激しながら愛液を溢れさせ、弾力があって柔らかい太ももで挟む。
そしてそれを動かして…。
「う、ぉ…っ!? 思ったより…すげっ」
「んやぁ、かいとっ ♥素股なん、て…やぁっ ♥やぁらよぉっ ♥」
くちゅ…ちゃ…ちゅる…、と、腰を動かす程いやらしい音と、委員長の喘ぎが強くなってくる。
「やぁ、らの…っ ♥なかっ、なかに…っ、ふぁぁ、んっ、いれっ、てよぅ、あっ♪ 初めて、あげたい、の…にゃあっ、ん ♥」
「犬っ、なのにっ、にゃあって、くっ…鳴くのか?」
彼女が羞恥心を募らせるような事を言う。
…ん、ちょっと待てよ…。
…い…ぬ……?
考えて、思い付いた。だから、いったん腰を止めて。
「…ん〜、どうしても、入れたい?」
「ん、ふぅ…、はぁ…入れて…よ…んっ♪」
荒く呼吸しながら、彼女が言う。
…よっしゃ。ノッて来た♪
「じゃあさー、犬藤。わんっ♪って鳴いてよ。可愛くさ。出来るよね?」
一応、彼女はワーウルフなのだ。
犬のように、鳴くのはどう思うのかな?
因みに、今は「〜〜〜〜っ」と、悶えている。
「…やっぱり、言えないか。うん、それなら良いよ。教室、帰ろうぜ?」
追い打ちを掛けるように言うと、
「…い、言うから…お願…ぃ…」
小さな声で告げた彼女は、口を開こうとする。…が。
「…わ、わん……言った、よ…?」
「んー、小さくて聞こえないなぁ…待つのも嫌だし、十秒だけ待ってあげるよ」
それじゃあ、い〜ち。
「そ、そんなの卑怯だ、よ…」
卑怯で結構。では、に〜い。
「んぁっ、ちょっと、待って…!」
俺はそんなに優しくない。じゃ、さ〜ん。
「あ、ぁうぅぅぅぅ…」
唸っても駄目だからね? 可愛いけども。よ〜ん。
「わ、わんっ!」
全然聞こえないなぁ。ご〜お。
「わんっ!」
まだまだだね。ろ〜く。
「っ…わん…!」
覇気が足りないな。な〜な。
「ん、んん〜っ! わんっ!」
まだまだいけるだろ? は〜ち。
「わんっ! わんわんわんっ! んんんんんぅ〜っ」
おお、びっくりした。後少しだぞ? 頑張れ。きゅ〜う。
「ん、ぁう…わんっ! ぅぅぅぅ…わnんふぁぁっ♥」
わん…に、被せて、腰を動かしてみたんだが…。
「凄い声でたな? 教室まで聞こえたんじゃないか?」
すると、委員長は。
「ん、んんんっ! そんな、事っ…知らないよぅ、んっ ♥でもっ、ちゃんと、ちゃんと言えたよっ…だから…その…」
ちゃんと、言えた?
「あっるぇ〜? 最後、ちゃんとわんって言えてないよ?」
「でも…それは海斗がっ…」
確かに俺のせいなんだけどね。
「…そうだ。じゃあ、質問。今、犬藤は犬なのかな? それとも、狼なのかな?」
答えて、と、耳元で呟く。
…迷え〜、委員長。
なんて答えても、やることは変わらないんだけどね。
「…ボク、は…いぬ、です…」
顔を真っ赤にしながら、委員長は呟いた。
そして、それと同時に俺が彼女のもふもふの手を掴み、後ろから押さえつける。
「犬って事はさ…こういう事、だよっ、なっ!」
「!?!?んぁぁっ!?ちがっ ♥そんなっ、のっ ♥ひゃあっ、んっ、んぁっ、あっ ♥激しっ ♥」
素股のまま、激しく腰を打ちつける。
「なかっ、なかっい、れてっ、よぅっ、あっ ♥」
「犬ならっ、くっ…これで良いじゃん、よっ…! く…で、る…!」
「んぁっ ♥ いやぁっ ♥こんな、のっ…ふぁあっ、あっぁぁっ ♥かいとぉっ、んふぁ、かいとぉっ ♥」
太ももに挟んでいた自分のナニを、一気に抜く。
それと同時にこみ上げてきた射精感に身を任せて、彼女のお尻辺りに吐き出した。
思いの外、興奮していたのか。精液の量は多く、彼女のしっぽや太ももにも掛かる。
「…んぁぁ…はぁ…はぁ…、んっ ♥あ……かいと… ♥」
身体中を痙攣させながら、俺の名前を呼ぶ委員長は目の視点があっていない。
精液と愛液、その他の体液でぐちょぐちょになっていた俺と委員長。
というか、俺…。
委員長になんて事しちまったんだよ…
猛省するも、時すでに遅し。
ヤっちゃったんだから…。
そして、気付く。
…あ。もうとっくにチャイム鳴ってね? 、と。
「やっば…おい! 委員長! 急がねえとヤバい!」
「…んぁぇ…? かいと…? 眠いよぅ…」
寝るな! 寝たら地獄だぞ!
…結局、俺達は授業に遅れて、反省文を書くハメになったんだけどさ。
※
その後、どうなったかって?
そうだな、二時間目、三時間目も四時間目も、委員長の事ばっかり考えて印象にないんだよな。
あ、そうそう。
これは昼飯の時の話なんだけどな――。
※
「…って、あれ? やべぇ、昼飯忘れた…」
この学校には購買部が無く、必ず弁当持参式なのだ。
だが、忘れてしまった。
しかし良く考えたら、朝…委員長にあんな事したから罰が当たったんだろう。
さらに良く考えたら、唯一親しく出来た委員長にあわせる顔がない。
「……海斗」
だけど、彼女はそうでもないようで。
「ボクの、食べる…?」
それどころか、自分の分の弁当を差し出してくる訳で。
堪らなく申し訳無く感じて、謝った。
すると、委員長は。
「ううん、良いんだよ。だってボクはもう、海斗以外…見れないもん… ♥」
※
―そして、今。
ピピピピと、控え目なアラームが鳴り響く自分の部屋。
こんな音量じゃ、誰も起きないだろう。
…だが。
そんな目覚ましは、俺には不要だ。
何故なら、彼女を待たせる訳にはいかない。
顔を洗い、歯磨きをして…リビングへ。
そこにいつもいる母親に、「今日は朝飯いらないから」と告げて、玄関を出る。
するとそこには、俺の大切な彼女が居て。
「ごめん、待たせたか? 真琴」
声を掛けると、彼女は決まってこう言うんだ。
「ううん、待ってないよ。…それより、ね? 今日はサンドイッチ作ってきたから、食べながら行こ?」
それに俺は、こう答える。
「食べる食べる。俺、真琴の作る飯好きだからなっ!」
そうして、朝飯を家の前の公園で食べてから、学校へ。
その光景を、家のなかから微笑みながら母親は呟く。
「今日もラブコメしてるわねぇ♪」、と。
…今は、これが俺の習慣なのだ。
故に、山本海斗と犬藤真琴の1日は、ここから始まる。
終わり。
目を覚ます事を目的としているハズなのだが、流石にこの音量では無理だろう。
…が。
実は目覚ましなんて必要なかったりする。
何故なら俺…山本海斗は既に目覚めているからだ。
…山か海か、ハッキリしろとかは言わないでくれよ?
誰に向かって言ってんのかは些か疑問だけども。
まあ、それは置いとく。
何故なら、俺は早起きした訳じゃなくて、寝れなかったからだ。
その理由を簡単に説明しようと思う。
…誰に? 頭の中で響いた自分の声に呆れる。
まあ、思い出しとかなんとかって言い訳出来るから別に…
……アレ? 言い訳しなくていいんじゃね?
ま、まあまあ、そんな事はどうでも良いよな!
兎に角。兎に角だ。俺が寝れなかった理由は。
「……だぁぁぁぁぁ学校行きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…」
つまりは、学校が嫌なのだ。
山本海斗、17歳・童貞。
そんな俺が、あんな…その、可愛い子ばっかり居る学校へ行ける訳がねぇ。
なら何故入学した。
下心でしたぁぁぁぁぁスンマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
入学当初は喜んださ。だがな、俺にゃあ無理だ。
男女率、かなり違うし。
一年の時のクラスなんか、女子35人男子4人だったしな。
まあ、一年の時は乗り越えたから良いのだが。
二年になってからがそれはそれは苦痛なのだ。
一年の時にはなかった光景が、多々浮上しだしたのだ。
その一、リア充の発生。
校内何処でも数少ない男子とやたらと積極的な女子とのイチャイチャを目撃するハメになる。
…爆発しろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ふざけんなよテメェ等のせいで色々やべぇんだよ恥ずかしいんだよ!ムラムrいや自重しよう。
そしてその二、制服の自由制度。
指定された制服の他に、私服等でも登校を許可されている我が学校。
だけど考えた事あんのかね!? 魔物の人達どんな服着るか理解出来てんですかねぇ!?
目の毒だよ! 不健全だよ! だからもっと着てくださいありがとうございましたぁぁぁぁぁっ!
直視なんか出来ないけども!!
そしてその三! これが一番恥ずかしいんだよ! なんで校内でヤってんだよお前ら!?
気恥ずかしいわ! 何? 何を求めてんのアンタら!?
見られる可能性考えてる!? 頭大丈夫!?
見ちゃったら恥ずかしくて話し掛けられぬよお主ら!
おかげで恥ずかしくて学校行けねーよ!
…まあ行かないとダメなんで行きますけども。
あ、付け足しで四つ目も言わせて貰うわ。
ズバリ。
恥ずかしくても遅刻したら反省文大量に書かされるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ行きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
と、叫ぶ17歳児に、台所で手早く朝御飯を作り上げる母は「今日も元気ねぇ」と朗らかに笑うのであった。
そう、これが毎日の習慣なのだ。
故に、山本海斗の朝は、毎度ながらこの様に始まる。
※
時と場面は変わり、時刻は八時十五分。教室だ。
いつも通り、賑やかでいて騒がしい。
例えば。
あ、今日はミニスカなんだね? えへへ♪ 可愛いかな? うん、可愛い可愛い。
おいリア充。当て付けか? あぁん?
というかそろそろ気付こうよ。
「………」
と、無言の圧力を掛けている我らがクラス委員長に。
いや、圧力じゃあないかな。
「………」
黒板の前で無言の委員長…犬藤真琴(インドウ・マコト)さんは、まあその名の通りわん娘である。
実際はアヌビスとかいう種族の魔物に憧れた狼娘なんだけど。
確かお母さんの友達にアヌビスの人がいて、クールでカッコイいからだとかなんとか。
いや、でも委員長は委員長なりに外見だけはボーイッシュでなかなか良いと俺は思ってるんだけどな。
繰り返す、外見だけはカッコいい。
「…ぅ…ねぇ、どうしたら良いんさ…?」
と、黒板の前、そして教卓の真ん前の席の俺に問い掛ける委員長。
「いや、普通に静かにして席についてくださいって言えば良いんじゃないかな?」
何故か委員長と話しても恥ずかしくないんだよなぁ、と思いながら自分の意見を教える。
すると、「あんがとー、とりあえずやってみんさ」と言い、
「えー、静かにして席につけよー。聞こえてるかー?」
と、棒読みで言い始めた。
だが、勿論そんな小さな声が聞こえる訳はない。
すると、「全然ダメじゃんかさー。これじゃ座ってくんないよー」
なんて、言われる。
だが敢えて言おう。
「委員長さ、声小さすぎるって。もうちょい大きくしたらいけるって」
「んや、恥ずかしいじゃんかさー、無理無理」
さて、これも毎朝の習慣の一部なのだが、やっぱり思う事がある。
君はあくまでもワーウルフなんだから、少しは荒っぽくても良いと思うんだけどな!
…勿論言える訳がない。それこそ、恥ずかしくて無理無理状態だ。
しかしながら、これもいつもの事なのだが。
ガラガr…バン! と、いきなりドアを開ける担任教師によって、リア充共のノロケ話は終わりを迎える。
「おいテメェ等よ? 今八時二十分だぜ? あぁ、おい?」
委員長を押しのけ、教卓前に立つ我らが担任教師こと飯島藍瀬(イイジマ・アイゼ)先生は、そんな台詞を放ちながら教室内を震えあがらせる。
口の中をコロコロと転がす棒付きキャンディーを…バリバリ、ボリボリと噛み砕き、
「…今立ってた奴ら、後で反省文八万文字な。犬藤、お前もだから」
委員長は別にいいじゃんかよ、なんて言えば俺が死刑になるのですまない委員長。
だからそんな目で見ないでくれ…。
因みに、飯島先生は種族不明。年齢不明。何故教師やってるのかすら不明である。
勿論そんな事を言えば、ぶちのめされるので口外してはならない。
繰り返す、決して口外してはならない。
昔、とある生徒が口外し、科学準備室に拉致された後、叩かれたり罵られてあひあひ言うハードなMになって帰って来た事があるからだ。
故に我らが担任教師の二つ名は、科学準備室の悪夢である。怖ぇ…
「…ぅ…ぅぅ…」
と唸る委員長に睨まれて、酷く申し訳なく感じたけど何も出来ない自分が恥ずかしい。
いや、でも…ねぇ…?
そう思いながら、朝のホームルームは終わりを迎えた。
終始、委員長に睨まれていたのは言うまでもない…。
※
ホームルームが終われば、その後に約十分の授業準備がある。
因みに一時間目は、国語である。
国語担任の教師はこの学校でも数少ない男性の教師だ。
この教師がまた個性的で、まっっっったく国語の授業をしないのだ。
因みに名前はジェイソン。別に十三日の金曜日に現れるホッケーマスクとは全く関係がない。
ジェイソンの授業内容は、“紛争と争いの根絶”についてである。
故に国語の授業ではなくなるのだ。
「…命アル者ハ、争ッテハナラナーイ」
とか何とか。
もし授業中に寝てしまっても、「oh…疲レテルンデスネ…。静カニ、静カニ…」
と、別に怒ったりもしない。
だから、徹夜明けの俺にとっては最高の授業である。
だが。
何故、こうなったのか…。
「テメェ等何寝ぼけた事言ってんだ!? あぁ!? 引き伸ばしてリトマス試験紙にするぞおらァ!」
寝ぼけた事言ってんのはどっちだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
アンタの授業は科学だろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
と言うかジェイソン先生どこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
きっと、俺と同じ事を思った生徒の一人が、恐れ恐れに口を開く。
「えぇと…あの、飯島先生…ジェイソン、先生…は、どちらに…?」
全生徒が耳を澄ませるなか、飯島先生は口を開いた。
「ちょっと準備室で話してたら寝ちゃったみたいでな! だからアタシが授業してやってんだろーがっ!」
きっと、皆同じ事を思ったんだろう。
―嗚呼、ジェイソン先生…。僕達は、貴方の事を忘れません…、と。
そして、次からの授業は争いの根絶ではなく、“虐げられる事への悦び”に変わるであろう事も。
教室の片隅で、それを想像したのか、青ざめた顔の委員長と。
その隣に座る、“準備室経験者”の男子…藤野の恍惚な表情が現実味を引き出していた。
…どんな鬼教師よりも、俺はこの教師が怖い。
一時間目、国語教師を墜とす科学の授業は、恐怖体験として終わった。
※
悪夢のような授業が終わり、初夏でただでさえ暑い教室内なので…その、汗をかいてしまった。
自販機まで走って、麦茶でも買ってきたい気分なんだが…
「…はぁ…、無理だよなぁ…」
何故かと言うと、校内の自販機…その裏側は体育館裏と校舎との隙間があり、その…
…ヤってらす方が、良くいるんですよね…。
思い返す、卑猥な言葉のパラダイス。
「ん…っ、あっ ♥はる……っ、きぃ♥♥」
「…声…、すっげ…可愛い、ぞ…さく、ら…くっ」
「あぁっ ♥ も、お…っ、んっ♪…だ、めぇぇぇ♥♪」
「くっ…うぅ…」
…脳内音声は、まるで今聞いたかのように鮮明だ。
ハルキさんとサクラさん、そういうのは…控えようね?
あ、やべ…こんなの思い出したら…
そう思った時だった。
「山本〜、お茶買いに行こーよ」
と、お声を掛けて貰った。委員長に。
このタイミングでそれを言うか!? だが…水分はとりたい…
「んやー、小銭忘れちゃってね? 明日返すからさっ、ね?」
それが狙いか!? 言うより先に、手を引かれて連れ去られる俺。
「ちょ!? おい…っ」
無理やり引き剥がす訳にも行かないので、なされるがままに引っ張られる。
や、やめろ委員長!
そこから先は! そこから先は悪夢(または男のユメ)に直行してるんだ!
もしソレに遭遇したら、気まずくて委員長とも話できなくなっちまう!
そんな思いも虚しく、なされるがままに進む俺であった。
※
「…ぷはぁ…生き返るぅ…」
委員長は人の財布から150円を取り出し、爽健美茶を購入。
それを、流し込むように飲み干した。
「んやんや、あんがとーね、山本。死ぬとこだったさ〜」
「さいですか…」
呟いて、確認する。
…声は、聞こえない。良かった、遭遇はしなかったみたい…
「…そろそろ行ったんじゃないか? ほら、続きを始めろ」
「ふぁあい、ごしゅじんしゃま…んっ ♥ちゅっ…んはっ♪ おいしー…で、す… ♥ 」
…おいおい嘘だろ待てってちょいちょいちょい…
混乱状態になりながらも、真っ赤になる俺を見て委員長は、
「んやー、どうしたんさ、山本? 真っ赤だけど、熱でもあるn…?」
…ぴく…ぴくぴくっ。
言葉の途中で立ち止まり、委員長はその耳をぴくぴくと動かした。
そして。
「んやー、んやんやんやんや…山本くぅん? 顔、真っ赤だよ〜?」
にっこり。太陽のような笑顔を浮かべて、再度近付いてくる委員長。
そのまま俺の両肩にもふもふの手を置いて…ドンっ!っと、壁際に押し付けられる。
むにぃ…。
そのまま身を寄せて、女性特有の柔らかいモノを…。
「ちょ! 委員長、どうしたいきなり…!? というか早く教室帰ろうぜ? な?」
出来るだけ平静を装うが、どうもぎこちなくなってしまう。
「んん? あれれ、山本は素直じゃないんだ? でも…」
委員長の左手が、なぞるように身体を滑っていき、俺のズボンの上を撫でる。
さわさわ…そりそり…つん、つんっ。
「ちょ…いいんちょ…止め…」
他人に、ズボン越しとは言えナニを触られているのだ。
むず痒いような快感が走っていく。
「止める…なんて、言うと思うかなぁ…? ふふ、やっぱり、下は素直なんさね?」
そう言って、徐々に屈んで行き…。
かちゃ、かちゃ…かちゃ…シュルシュル…。
「んやや、おっき…」
ベルトとズボンを下ろされ、まじまじと勃起したソレを見つめる委員長。
そして、
「ん…まあ、もう我慢できないんで…、ね? ん…ん〜、ちゅっ ♥」
根元から、亀頭の先まで…ねっとりとして、ざらつきのある舌が這う。
「ちゅっ…ちゅっ…ん、ふぁ…ぁっ ♥どう…かな…初めて…ちゅ…なんだけど…」
「いいんちょ…ヤバい…っ、て…くっ…」
初めての快楽に悶える俺に、んふ、気持ちイイんだ? と、言いながら舌をうねらせる。
そのまま唇から亀頭を呑み込んで行く口。
口の中の舌や、唇…それらが蠢きながら上下に動く。
「ん…んぐっ ♥ぁぐっ、んん…んっ…はぁっ ♥」
「いいんちょ…ヤバ…で、る…っ!」
裏筋や、カリ部分を舌が激しく責め立て、遂に…その。
「ん、ぐっ…ちゅっ…ん!? んんんんんぅ〜 ♥」
「ぐっ…ぁ…っ…」
委員長の…口ん…中で…
やべぇ、だしちゃった…
しかし、そんな俺を気にとめる訳もなく彼女は、
「ん…く…んくっ…山本、の…凄い量…はぁ…はぁ… ♥」
そして最後に。
「山本の…おいし…れろっ」
っと、唇に残った精液を舐めて。
「んやんや、山本とヤっちゃった♪ んふふ〜♪」
立ち上がり…。
「んじゃ、帰ろっ?」
と、言ってくるのだが…。
健全な一男子が…ヤられたままで帰るとでも?
受け身のまま、終えろと?
そんな事、許されないよなぁ…?
ここにきてようやく覚醒した、童貞の決意は固いぜ…っ!
「…なあ、委員長…ちょっとこっち来てくんないかな?」
自然な笑顔で、彼女に呼び掛ける。
「んゆ? んやんや、どったの?」
てくてくてく。…目の前までやって来た委員長を見つめながら、思う。
コイツって結構小さいよなー、とか。耳ってどんな手触りなんだろ、とか。
思いながら、その頭に手を置く。
なでなでなでなで。
ふにふにふにふに。
サラサラの髪を堪能し、犬の耳みたいな耳をこねくり回す。
抵抗されちゃまずいので、肩越しに抱き締めるのも忘れない。
因みに委員長とは言うと「…ぁっ…耳ぃ ♥やめ、ろ…ぉ…んっ…」
と、悶えている。
ふむ、耳が弱いと。ならば…。
はむはむと甘噛みしてみる。軽く舐めてみたり、唇でふにふにしてみたり。
案の定「んやっ、あっ ♥みみ…やめ、ぇ…かい、と…っ ♥」と、甘い声が漏れている。
彼女でもない委員長に弄ばれた、仕返しとばりに耳を責める。
段々と力の抜けてきた委員長の向きをかえて、後ろから耳を責め立てる。
空いてしまった右手は委員長の、この学校では珍しい制服の下に手を這わせながら下着の下に指を潜り込ませ、弄り回す。
左手は太ももに這わせ、下着越しに彼女の秘部を弄る。
「…へぇ…? 委員ちょ…いや、犬藤…ここ、びちょびちょになってるよ?」
「んっ…だって…っ、かいと、が、ぁっ ♥んっ、いじめる、からっ ♥」
既に呼び名が山本から、名前の海斗に変わっているが、そんな事で恥ずかしがってたらいけない。
まあ、ドキドキと高ぶる心臓は凄い事になってるんだが。
だが、それを上回るイケナイ事をしていると言う興奮が俺を突き進ませる。
「変態だな、犬藤…? 自分から腰動かして、感じてんの?」
いつの間にか自分で動き始めた委員長に、言葉で愛撫する。
「ちがっ、これ、はぁ ♥ 仕方なくっ、なんっ…あっ、みみ…やめ、ぇ ♥」
「止める…訳、ないだろ? それに、お前だって望んでるくせに」
言うと、委員長の身体がビクンっ、と震え、
「んっあっ ♥あっ ♥かい、とっ…っもぅ、だめっ ♥なんか、来るっ…あぅっん ♥あっ、海斗っ…海斗っ ♥ぎゅって、してよぉっ ♥ んゆぁぁっ ♥」
と、懇願してくる委員長に俺は…
「なんで? イヤだなぁ★」
と、呟いてから耳を少し強めに噛む。すると。
「んぁっあ、いじわる…ば、かぁ ♥ふぁぁ、んっ、あ…んぁぁっ、やぁぁぁあぁぁっ ♥ ♥ ♥」
下着越しの秘部から愛液が吹き出し、尻尾はピンっと張り、耳はぴくぴくと痙攣している。
ぐったりとした彼女から手を離すと、前のめりに倒れて喘いでいる。
突き上がっているお尻…スカートの隙間から見える下着は、愛液でどろどろになっている。
「ん、ぁ…っ、かいとぉ… ♥熱い…よ、ぉ…♪」
そう言っている委員長の上に覆い被さり、耳元で告げる。
「…まだ、終わらせないよ?」
すると、耳がピクッと動き、委員長が身じろぎする。そして…
「…ん…いい、よ… ♥海斗に、あげる…ボクの、初め…て…」
初めて聞いたが、一人称はボクなんだなぁ、委員長。
まあ、それは置いといて。
“何か、勘違いしてないかい? 委員長”
「…初めて…? そうだね、それも良いかも。だけど…」
「……かい、と…?」
カチャカチャと再びベルトを外し、いきり立ったそれを取り出す。
右手でそれを掴み、委員長の秘部に、下着越しに押し付ける。
温かい…いや、熱いぐらいだ。
「かい、と…? 下着…ずらさないと、はいらない…んっ、よ…?」
「だ〜か〜ら、何勘違いしてるのかな?」
告げてから、強引に太ももを閉じさせる。
そして、そこにできた逆三角の隙間で…
「…!? んっ♪やっ、あっ ♥ちがっ、熱い、かいとぉ…ふぁあっ、あっ ♥」
にゅる…にゅる、にゅるんっ
下着越しに秘部を刺激しながら愛液を溢れさせ、弾力があって柔らかい太ももで挟む。
そしてそれを動かして…。
「う、ぉ…っ!? 思ったより…すげっ」
「んやぁ、かいとっ ♥素股なん、て…やぁっ ♥やぁらよぉっ ♥」
くちゅ…ちゃ…ちゅる…、と、腰を動かす程いやらしい音と、委員長の喘ぎが強くなってくる。
「やぁ、らの…っ ♥なかっ、なかに…っ、ふぁぁ、んっ、いれっ、てよぅ、あっ♪ 初めて、あげたい、の…にゃあっ、ん ♥」
「犬っ、なのにっ、にゃあって、くっ…鳴くのか?」
彼女が羞恥心を募らせるような事を言う。
…ん、ちょっと待てよ…。
…い…ぬ……?
考えて、思い付いた。だから、いったん腰を止めて。
「…ん〜、どうしても、入れたい?」
「ん、ふぅ…、はぁ…入れて…よ…んっ♪」
荒く呼吸しながら、彼女が言う。
…よっしゃ。ノッて来た♪
「じゃあさー、犬藤。わんっ♪って鳴いてよ。可愛くさ。出来るよね?」
一応、彼女はワーウルフなのだ。
犬のように、鳴くのはどう思うのかな?
因みに、今は「〜〜〜〜っ」と、悶えている。
「…やっぱり、言えないか。うん、それなら良いよ。教室、帰ろうぜ?」
追い打ちを掛けるように言うと、
「…い、言うから…お願…ぃ…」
小さな声で告げた彼女は、口を開こうとする。…が。
「…わ、わん……言った、よ…?」
「んー、小さくて聞こえないなぁ…待つのも嫌だし、十秒だけ待ってあげるよ」
それじゃあ、い〜ち。
「そ、そんなの卑怯だ、よ…」
卑怯で結構。では、に〜い。
「んぁっ、ちょっと、待って…!」
俺はそんなに優しくない。じゃ、さ〜ん。
「あ、ぁうぅぅぅぅ…」
唸っても駄目だからね? 可愛いけども。よ〜ん。
「わ、わんっ!」
全然聞こえないなぁ。ご〜お。
「わんっ!」
まだまだだね。ろ〜く。
「っ…わん…!」
覇気が足りないな。な〜な。
「ん、んん〜っ! わんっ!」
まだまだいけるだろ? は〜ち。
「わんっ! わんわんわんっ! んんんんんぅ〜っ」
おお、びっくりした。後少しだぞ? 頑張れ。きゅ〜う。
「ん、ぁう…わんっ! ぅぅぅぅ…わnんふぁぁっ♥」
わん…に、被せて、腰を動かしてみたんだが…。
「凄い声でたな? 教室まで聞こえたんじゃないか?」
すると、委員長は。
「ん、んんんっ! そんな、事っ…知らないよぅ、んっ ♥でもっ、ちゃんと、ちゃんと言えたよっ…だから…その…」
ちゃんと、言えた?
「あっるぇ〜? 最後、ちゃんとわんって言えてないよ?」
「でも…それは海斗がっ…」
確かに俺のせいなんだけどね。
「…そうだ。じゃあ、質問。今、犬藤は犬なのかな? それとも、狼なのかな?」
答えて、と、耳元で呟く。
…迷え〜、委員長。
なんて答えても、やることは変わらないんだけどね。
「…ボク、は…いぬ、です…」
顔を真っ赤にしながら、委員長は呟いた。
そして、それと同時に俺が彼女のもふもふの手を掴み、後ろから押さえつける。
「犬って事はさ…こういう事、だよっ、なっ!」
「!?!?んぁぁっ!?ちがっ ♥そんなっ、のっ ♥ひゃあっ、んっ、んぁっ、あっ ♥激しっ ♥」
素股のまま、激しく腰を打ちつける。
「なかっ、なかっい、れてっ、よぅっ、あっ ♥」
「犬ならっ、くっ…これで良いじゃん、よっ…! く…で、る…!」
「んぁっ ♥ いやぁっ ♥こんな、のっ…ふぁあっ、あっぁぁっ ♥かいとぉっ、んふぁ、かいとぉっ ♥」
太ももに挟んでいた自分のナニを、一気に抜く。
それと同時にこみ上げてきた射精感に身を任せて、彼女のお尻辺りに吐き出した。
思いの外、興奮していたのか。精液の量は多く、彼女のしっぽや太ももにも掛かる。
「…んぁぁ…はぁ…はぁ…、んっ ♥あ……かいと… ♥」
身体中を痙攣させながら、俺の名前を呼ぶ委員長は目の視点があっていない。
精液と愛液、その他の体液でぐちょぐちょになっていた俺と委員長。
というか、俺…。
委員長になんて事しちまったんだよ…
猛省するも、時すでに遅し。
ヤっちゃったんだから…。
そして、気付く。
…あ。もうとっくにチャイム鳴ってね? 、と。
「やっば…おい! 委員長! 急がねえとヤバい!」
「…んぁぇ…? かいと…? 眠いよぅ…」
寝るな! 寝たら地獄だぞ!
…結局、俺達は授業に遅れて、反省文を書くハメになったんだけどさ。
※
その後、どうなったかって?
そうだな、二時間目、三時間目も四時間目も、委員長の事ばっかり考えて印象にないんだよな。
あ、そうそう。
これは昼飯の時の話なんだけどな――。
※
「…って、あれ? やべぇ、昼飯忘れた…」
この学校には購買部が無く、必ず弁当持参式なのだ。
だが、忘れてしまった。
しかし良く考えたら、朝…委員長にあんな事したから罰が当たったんだろう。
さらに良く考えたら、唯一親しく出来た委員長にあわせる顔がない。
「……海斗」
だけど、彼女はそうでもないようで。
「ボクの、食べる…?」
それどころか、自分の分の弁当を差し出してくる訳で。
堪らなく申し訳無く感じて、謝った。
すると、委員長は。
「ううん、良いんだよ。だってボクはもう、海斗以外…見れないもん… ♥」
※
―そして、今。
ピピピピと、控え目なアラームが鳴り響く自分の部屋。
こんな音量じゃ、誰も起きないだろう。
…だが。
そんな目覚ましは、俺には不要だ。
何故なら、彼女を待たせる訳にはいかない。
顔を洗い、歯磨きをして…リビングへ。
そこにいつもいる母親に、「今日は朝飯いらないから」と告げて、玄関を出る。
するとそこには、俺の大切な彼女が居て。
「ごめん、待たせたか? 真琴」
声を掛けると、彼女は決まってこう言うんだ。
「ううん、待ってないよ。…それより、ね? 今日はサンドイッチ作ってきたから、食べながら行こ?」
それに俺は、こう答える。
「食べる食べる。俺、真琴の作る飯好きだからなっ!」
そうして、朝飯を家の前の公園で食べてから、学校へ。
その光景を、家のなかから微笑みながら母親は呟く。
「今日もラブコメしてるわねぇ♪」、と。
…今は、これが俺の習慣なのだ。
故に、山本海斗と犬藤真琴の1日は、ここから始まる。
終わり。
12/06/26 19:07更新 / 紅柳 紅葉