連載小説
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優樹さんと一緒。
あの後、フィアと俺はそこら辺をぶらぶらと迂回したのだが、俺達にとって楽しい事とかが見当たらなかったので、今はもう万屋に帰って来ている。
当然、フィアは不満を言っていた。
「むー。もう少し二人っきりが良かった...」と、上目遣いで言われて困ったっけなー。
まぁ、ここに帰って来てから、筋肉さんやアリアさんと料理を作っているからそれは良いとして...。
ここからは俺の話。
フィア達のそんな姿を眺めてから、俺は自室に向かい、そしてそのままベッドイン。
...出来なかった。
何故か?簡単だ。
俺のベッドの中...正確には、掛け布団が盛り上がっている。
ああ、コイツまた寝てんのかな?そう思った俺は、その掛け布団...まぁ、毛布なんだが、それを捲る。すると。
「...んっ.....」
人形のように整った綺麗な顔、色素の薄い肌。そして、真っ白な髪。
そんな少女が枕を抱きしめながら、横になっていた。
まぁ、それも可笑しい事ではないのだが。
だってコイツ...優樹は、筋肉さんが俺と同室にしたからだ。
ちなみに、エストレアとフィアは別室。何故こうなった。
そう思った時、優樹が「..布団...返して..」と、言って来たので、俺は。
「ん。ごめん、今かけるから」
そう言って、優樹の上に毛布をかけてやろうとしたのだが。
「...紀...と...」
すっ...。っと伸びた腕に、いきなりに抱き寄せられる。
そしてそのまま、抱き枕のように抱きつかれて...。
「ん....あったかい」
そう言って、俺の胸板辺りに、頬を押し付ける優樹。
「どうしたんだ、いきなり?」
訊いてみる。すると、たっぷり時間を取って、「...寒い、の」と、返事が返って来た。
いや、寒いんならシャツと下着だけの装備は止めようぜ?とは、言いたくても言わない。
この娘は、この服装じゃないと良く眠れないらしい(本人談)からな。
「こんな時間から寝てたら、夜に寝れないぞ?」
優樹に告げる。この娘は、ヴァンパイアのくせに夜中に熟睡するのだ。
少し...いや、だいぶ変わってる。まぁ、そんな事気にしないがな。
「いい、の。...よるは..、かずとに...だっこしてもらったら...ねむれる、から..」
そう言って、きゅっ。っと腕に力を込める優樹。
なので俺も、優樹の事を軽く抱き返す。
「んじゃ、お休み、優樹」
「ん...おやすみ..」
たまには、こういう事も良いだろうと思って、今までの疲労や睡魔に身を任せ、意識を手放す。
体に密着する暖かい少女は、すでに眠っているようだ。
その温もりを、もう一度強く抱きよせて、呟く。
「誰かと昼寝ってのも、なかなか良いモンだな」
薄れゆく意識の中、今までの記憶を振り返ってみる。
だが、誰かと昼寝をした記憶は、二つ程しか無い。
一人は、エストレア。もう一人は_________。


そこまで考えて、俺の思考回路は停止した。
11/11/12 08:43更新 / 紅柳 紅葉
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■作者メッセージ
本当の優しさって、何だと思いますか?
誰かを思いやる気持ちが、優しさと言えるのでしょうか?
それとも、何かを救う事が、優しさ?
...考えたら、沢山思い付く気持ち。
だけれど、[本当の優しさ]なんて、考えても分からないと、私は思える。
だって、[優しくする]っていう行為は、考えてするべき事ではなく。
無意識の内に、相手を思いやり、[優しいな]と、思われてから、優しさが生まれるのだと、思うから。
だから、私にとっての[初めての優しさ]を教えてくれたこの人が、私は大好き。
少し意地悪で、たまに調子に乗って、馬鹿だけど。
この温もりをくれる彼が、私は大好き。
でも、エストやフィアは、強敵だ。
好きな人が、好きな人を好きになるのって、少し...つらいんだね。
でも、私だって、負けないよ。
by優樹


エスト「....最近、私の出番が少ない」
作者「いや、あの...すいません」
エスト「...問答...無用(シャキン)」
作者「ちょ!?すいませんってば!!だからその鎌しまって!すいません、ホントすいません!!」
エスト「.......」

しばらくお待ち下さい。

フィア「とても見せられる代物じゃなかったよ...」
紀徒「まるで潰れたザクロでした...」
優樹「あるいは落ちた柿でした...」
エスト「...または、踏まれた柿」
作者「僕生きてるよ!?」
全員「「「「え...?」」」」
作者「なんだよその反応!?」
フィア「....化けて出るとは....うん、未練が凄い訳だ」
作者「なんか傷付く!?」


さて、次回も頑張って行きますよー^^

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