連載小説
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フィアさんと一緒。
「うん、意味が分からないな!」
「少年、その言動が意味不明だよ?」
知らんがな。意味なんか知らんがな。
「ふざけろ!!」
「意味が分からないよ少年!?」
隣でフィアが叫ぶ。いや、うん。ごもっとも。
なんでフィアと一緒にいるのか?それを簡潔に説明しよう。
まず、俺はノエルに休んで良いと言われて、自室に戻ろうとした。
すると、どこからともなく筋肉塊が現れてこう言ったんだ。
「カズちゃん、お使いお願いするわねぇ♪」
その一言で、俺は思ったね。
「くたばれ肉塊野郎!!俺を仕事中毒者に改造する気か!?あぁ!?」
...勿論、言える訳が無い。だって、怖いし。何あの某覇王みたいな肉体。怖過ぎる。
が、幸いな事に俺一人に頼んだ訳じゃなかったんだ。
そう。もう一人はフィア。通称Fウィルス。
さっき幸いにって言ったが、取り消しだ。最悪にかえとく。
フィア自体は良い奴だし美人だし可愛いし優しいし...だけど。
性格が...ねぇ?
まぁ、そんな事は置いといて。
俺とフィアは、その出来事によってお使いに出ているのだ。
何を買うのか?知らん。
適当に食い物買えとか言われても困る。
だって、よく知らないし、俺。
だからフィアに買い物は任せておこうと思ったんだが...。
「〜〜♪」
何故こんなに上機嫌なんだコイツは。さっきからやけにくっ付いて来るしさ。
「少年!あっち、行こ?」
もう、買い物と言うよりデートっぽい。何故こうなった?
「少年。私と二人っきりの時くらい、無視しないでほしいよ?」
「ん?あぁ、ゴメン。少し考え事してた」
「ふふっ♪どんな考え事なのかなぁ?」
こんな風に訊いてくるフィアってのは、意外に珍しいもんだなー。と、思ったり。
それに、コイツが楽しいんだったら、俺も嬉しい。だけど。
「なぁ、フィア。俺達、買い物にきてんだぞ?」
「まだ気付かない?」
そう言って、微笑むフィア。そして、次に告げたのは。
「まだ、食材ならたぁ〜くさんあったよね?」
「....ぁ」
確かに、ある。筋肉塊の店...まぁ、万屋(名前知らなかった)には、大量の食料が。
「じゃあ、何で俺達買い物なんかしに来てんの?」
「アデルが、[うふん♪好きなコには、猛アタックよ♪]って言ったから、かな?」
アイツの差し金か。何これ?逆らえないね。
「少年...いや、紀徒は、少しの間私の恋人設定なのです♪」
悪戯っぽく微笑んで、フィアが言う。が。俺は悪戯されんの嫌いなんだよねー。
てな訳で、仕返ししないと気がすまない。
「設定、か。そんなモンより、さ、フィア。こういうのは、どうなんだい?」
そう言った俺は、そのままフィアの耳元に顔を近づけて。
「好きだよ、フィア」
囁いて、息を吹きかける。さて、どんな反応をしてくれる事やら。
そう思って、彼女の顔を覗き込もうとしたら。
「私も、大好きだよ...んっ...」
「っ!?」
不意打ちだった。それは、いきなり。
柔らかく、何だか甘い唇が、俺の唇に重なっていて。
「好き。好き。大好き、だよ...紀徒♪」
「.....すげぇ。なんかすげぇ...」
圧巻だな。まさか、街中でやるとは。ちょいとばかり吃驚だわ、俺。
「紀徒...♪大好き♪」
後、コイツ冗談に気付いているのか?いや、それは無いか。
....いや、少し待て。
俺は冗談でフィアに好き...いや、本気で好きな面もあるのだが...まぁ、言った。
それをフィアは本気だと受け取る。
さて、真実を知ったらどうなる...?
......流石に、傷付くよ、な...。
罪悪感が半端無い事になった俺は、チラッとフィアの顔を見る。すると、それに気付いたフィアが。
にこっ♪。簡単に言うと、すっごい可愛く微笑んで。
...駄目だ。何もいえねぇ...。
なんか....もう。
...男として、不甲斐のない俺なのだった。
11/11/09 20:49更新 / 紅柳 紅葉
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■作者メッセージ
はぁ。
まったく、少年は冗談が上手いなぁ、本当に。
でも、普通の女の子には、その冗談は危ないよ?
好き、嫌いは、冗談で言ってはいけないんだからね?
まぁ、でも。
たとえ、冗談でも私は、嬉しいよ。
だから、もう少しだけ、この恋人ごっこを続けさせてね?
いつか、私とあなたが結ばれる日を想像しながら、楽しんであげる。
大好きだよ。...紀徒♪
byフィア エンフィールド


一枚も、二枚も上手なフィアなのでしたw
さて、次回も頑張っていきますぜ!!!!

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