連載小説
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白の少女とヒーロー?
ドロドロになってしまった俺のズボン。
洗いに来たはいいのだが......。
「流石は大草原。広すぎて川も池もどこにあるのか分かんねぇよ...」
最悪だ。こんなドロドロをこれからも着ないといけないのか俺は...
はぁ...、と溜め息を吐く。すると。
「どうしたの?」
どこかで聞いた事のある物静かな声。この声は...。
「久し振りだな、優樹」
顔も見ないで応答する。だって確実に優樹だって分かったし。
「そうだね。...紀徒、生臭いにおいがするよ?」
指摘され、少し恥ずかしくなる。だって、その生臭さって...ね?
とりあえずごまかしますかね。
「いや...ズボンが汚れて匂うんだ。ゴメン」
これが愛液と精液のミックスジェルなんて事は口が裂けても言えない。
何故か?俺の身長より40cmくらい小さな娘には言いたく無いからさ。常識だろ?
「...Congelatio」
優樹が呟く。すると空気が急に冷たく変わって...。
大きな氷塊が空中に浮いていた。それを確認した優樹は、
「この氷の上に、ズボンを置いて」
と、言ってきた。え!?脱げと!?ここで脱げと言うのですかあなたは!?
「いや...それは...」
俺が渋る。だって恥ずかしいし。すると
「早くして..?」
と、言いながら俺のズボンに手をかける。どうやら無理やり脱がせる魂胆だな?
だが、それはさせる訳にはいかない。だから抵抗して、体を捻ったのだが...。
「きゃっ!?」
そんな可愛らしい悲鳴をあげる優樹。
何故か?簡単な話だ。俺のズボンのドロドロが...うん。アレですよ。
優樹の顔についてしまったというかなんというか...。
「....臭い」
呟く優樹。その顔...白い髪や口元、頬などについたドロドロ....
「あー、と、スマン」
罪悪感が凄い。穢れを知らない娘を汚してしまった罪悪感が...っ!
「別にいいよ、これくらい。洗い流すから」
そう言って、「Ignis」と呟く。すると、小さな炎が現れて...。
さっきの氷塊を溶かした。
そして、溶けた氷...水を頭からかぶって...。
びしょびしょになった。その白いシャツは透け透けで、優樹の体にぴっちりと張り付いている。
そうなると、発育途上の体のラインがくっきり見えて...桜色をした二つの突起も...っておい!?
何説明会開いてんの俺!俺らしく無いじゃんか!!
そんな自問自答を自分の中で繰り広げる。
そうこうしている内に。
「紀徒のズボンも洗っておいた」と、いわれた。
何時の間にか俺のズボンまでびちょびちょに変わっていたのだ。
気付かないとか...。俺って...はぁ...
「ま、とりあえずアリガトな」
風邪を引くかも...と、思いながら礼を言う。すると
「どういたしまして」と、返してくれる。律儀な奴だな。
「...ねぇ、紀徒。旅してるのは、楽しい?」
きかれる。何故旅をしている事をしってるんだ?とかの疑問は芽生えなかった。
不思議だけどな。
「...楽しむ旅をしている訳じゃ、ないんだよ。でも、楽しいかな?仲間が...大切にしたい奴等と共に過ごすのは」
それだけ告げる。それは、俺の本心なんだから。
長い沈黙が、辺りを支配する。
1...10...100...沢山の秒数が闇へ消えていった。だけど、俺がこの沈黙を破ってはいけない。
そんな、気がしたんだ。
だから、空を見上げる。虫の声をBGMにして。

それから何分たった頃だろうか?
優樹が、唐突に口を開いて...
「...その楽しさが、幻でないのなら......」
_____________私も、ついてゆきたい。
その言葉に対して俺は、「俺は歓迎するぜ?」とだけ答える。
その言葉を聴いた優樹は...。
俺と同じ空を見上げ、呟く。

Lucifer...Stella...
この輝く星のように、自由に......。

その呟きの意味は俺なんかには分からない。
だけど。わからなくて大丈夫だろう。
だって優樹は、こんなにも笑顔なんだから。



私は、それからしばらく彼と並んで星をみていた。
流れる星や、連なる星を。
そのどれもが偽りでないのなら...。

なんて、美しいのだろう。
11/10/18 03:22更新 / 紅柳 紅葉
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■作者メッセージ
優樹が仲間入り!!
プロフィールを更新しときやしたぜ、旦那!!

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