悩むヒーロー?
__________旅。
どうやらそれを、俺は甘く感じていたようだった。
勢いで言ってしまった事に後悔は無い。だが。
俺は、この世界を知らないのだ。どこにどんな街があって、どこが国なのかも分からない。
右も左も分からない事だらけでも、俺は...俺達は進んで行きたい。
幸いな事に、エストレアが地図等(親の物らしいが...)は持っていた。
だがその地図上には、どう考えても広過ぎる世界が記されていたのだ。
一度は、諦めかけた。だが、俺と共に世界を知ろうとしてくれるエストレアに対して失礼だと思い、諦める事を諦めた。
俺の世界では車や自転車、バイクにスクーター等の乗り物があった。
だが、この世界にそれは無い。
つくづく思い知らされていく。
自分がどれだけ他人に、物に頼ってきたのかを。
「俺....ヘタレ野郎だなぁ....」
呟いた。だが、実際にそうなんだろう。
真っ先に徒歩を諦めた自分。救う事を諦めかけた自分。
考え無しに、勢いだけで突っ走る自分。自分、自分、自分。
全て、俺自身の弱い所だった。
「.......一番近い街は、アルヴァランス....この街」
エストレアはこんなにも頑張っているのに。
「....でも、この街に行くにはアルヴァン草原を越えないといけない」
何だかんだ言って、俺はエストレアが居ないと何も出来ないヘタレ野郎なんだな。
「.......カズト?」
「ん?あぁ、ゴメン。少し....考え事してた」
っと、いけねぇ。ちゃんと話は聞かないとな。
「その草原を越えて何日ぐらいで街につく?」
返って来た言葉は、「3日」。
「...........」
俺は、黙り込むしか出来なかった。
3日。あまり長いその数字に、ただ呆然と。そんな俺を見て、エストレアが呟く。
「.....世界は、広い。これは、前にも言った」
確かにいっていた。
「...広い世界で、私達は旅をすると誓った。だから」
____________私が、あなたを支える。あなたは、私を支えて?
俺が言った言葉。
それを彼女が告げる。
その言葉は、俺に気付かせてくれる。
悩む事なんか無駄だと。俺はただ、前に突っ走ればいいのだ、と。
なんて愚直で、考えナシの自分なんだろう。だが。
そんな自分を、支えてくれる誰かがいる。その誰かを、俺も支える。
それが、堪らなく心強い。
こんな出始めで挫けてたら、それは嘘というものだろう!!
俺は...もっと愚かに、ただ、やり遂げる為に走る。
それが俺、霧茅紀徒という人間だ!
「んじゃあ、まずはそのアル...なんとか草原を突破すんぞ?」
いちいち挫けてたまるか。挫ける前に、突っ走ってやるよ。
「......(こくこく)」
俺は愚直だ。要するに、ド馬鹿だ。
そんなド馬鹿に世界を変えるなんて無理?
いや、そんな事は無い。
だって。
「変えられないんじゃない。変えるんだ」
_________俺達が、変えるんだ。
何も変わらないより、米粒位の変化だったとしても変える。
たとえ米粒だったとしても、ちっぽけだったとしても。
___________________それは、プラスになる。
それだけでも、やる価値はあるはずだ。...いや、ある!
それに、俺にはエストレアがついてる。
こんなに心強い事は無いだろう。
世界を知って、変えてやる。誰も悲しまないように。
それが、ヒーローってモンだろう。
第一目標は、アルヴァン草原を越える事。
それを達成する為に、突っ走れ。
ただ、真っ直ぐに。
どうやらそれを、俺は甘く感じていたようだった。
勢いで言ってしまった事に後悔は無い。だが。
俺は、この世界を知らないのだ。どこにどんな街があって、どこが国なのかも分からない。
右も左も分からない事だらけでも、俺は...俺達は進んで行きたい。
幸いな事に、エストレアが地図等(親の物らしいが...)は持っていた。
だがその地図上には、どう考えても広過ぎる世界が記されていたのだ。
一度は、諦めかけた。だが、俺と共に世界を知ろうとしてくれるエストレアに対して失礼だと思い、諦める事を諦めた。
俺の世界では車や自転車、バイクにスクーター等の乗り物があった。
だが、この世界にそれは無い。
つくづく思い知らされていく。
自分がどれだけ他人に、物に頼ってきたのかを。
「俺....ヘタレ野郎だなぁ....」
呟いた。だが、実際にそうなんだろう。
真っ先に徒歩を諦めた自分。救う事を諦めかけた自分。
考え無しに、勢いだけで突っ走る自分。自分、自分、自分。
全て、俺自身の弱い所だった。
「.......一番近い街は、アルヴァランス....この街」
エストレアはこんなにも頑張っているのに。
「....でも、この街に行くにはアルヴァン草原を越えないといけない」
何だかんだ言って、俺はエストレアが居ないと何も出来ないヘタレ野郎なんだな。
「.......カズト?」
「ん?あぁ、ゴメン。少し....考え事してた」
っと、いけねぇ。ちゃんと話は聞かないとな。
「その草原を越えて何日ぐらいで街につく?」
返って来た言葉は、「3日」。
「...........」
俺は、黙り込むしか出来なかった。
3日。あまり長いその数字に、ただ呆然と。そんな俺を見て、エストレアが呟く。
「.....世界は、広い。これは、前にも言った」
確かにいっていた。
「...広い世界で、私達は旅をすると誓った。だから」
____________私が、あなたを支える。あなたは、私を支えて?
俺が言った言葉。
それを彼女が告げる。
その言葉は、俺に気付かせてくれる。
悩む事なんか無駄だと。俺はただ、前に突っ走ればいいのだ、と。
なんて愚直で、考えナシの自分なんだろう。だが。
そんな自分を、支えてくれる誰かがいる。その誰かを、俺も支える。
それが、堪らなく心強い。
こんな出始めで挫けてたら、それは嘘というものだろう!!
俺は...もっと愚かに、ただ、やり遂げる為に走る。
それが俺、霧茅紀徒という人間だ!
「んじゃあ、まずはそのアル...なんとか草原を突破すんぞ?」
いちいち挫けてたまるか。挫ける前に、突っ走ってやるよ。
「......(こくこく)」
俺は愚直だ。要するに、ド馬鹿だ。
そんなド馬鹿に世界を変えるなんて無理?
いや、そんな事は無い。
だって。
「変えられないんじゃない。変えるんだ」
_________俺達が、変えるんだ。
何も変わらないより、米粒位の変化だったとしても変える。
たとえ米粒だったとしても、ちっぽけだったとしても。
___________________それは、プラスになる。
それだけでも、やる価値はあるはずだ。...いや、ある!
それに、俺にはエストレアがついてる。
こんなに心強い事は無いだろう。
世界を知って、変えてやる。誰も悲しまないように。
それが、ヒーローってモンだろう。
第一目標は、アルヴァン草原を越える事。
それを達成する為に、突っ走れ。
ただ、真っ直ぐに。
11/10/16 07:14更新 / 紅柳 紅葉
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