魔物娘娼館、主人公は貴方!
薄暗い空の下で『貴方』は思いました。
どうしてこんな場所に来ているんだ、と。
貴方はこの場所を知りませんし、どうして来ているのかも分かりません。
ただ、目の前には大きな館があります。
その館の大きさに驚いていると…、ぽつり、ぽつりと雨が降り始めました。
貴方は思います。
ああ、濡れるのは嫌だし…少し、雨宿りさせて貰おうか。
少し小走りに、館の下へ避難します。
すると、ギィィ…と音がして、大きな扉が開きました。
「…おきゃくさま…どうぞ、お入りくださいませ…」
中からは、小さな少女。
貴方はその少女に礼を述べてから、館にお邪魔する事にしました。
不思議な事に、館に入る事自体に…何の違和感もありません。
貴方は、少女と共に長い廊下を歩きます。
すると、少女が貴方に問い掛けました。
「…おきゃくさま…宜しければ、おなまえをおききしたいのですが…」
その問い掛けに、貴方は答えます。
『 』
自分の名前を教えると、少女はほんのりと頬を赤らめて言いました。
「…『 』様、ですね。とっても良いおなまえです…」
それからは、暫く会話もなく…ただ、廊下を進むだけでした。
長い長い廊下を進む事、数分。
少女が一つの扉の前で立ち止まり、貴方を呼びます。
「…『 』様、こちらのお部屋へ…どうぞ、お入りくださいませ…」
貴方は、言われるがままに…その部屋へと入ります。
ですが、そこから先には少女は来ないようです。
少女は少し寂しそうに呟いてから、扉を閉めました。
「…『 』様…どうぞ、お楽しみくださいませ…」
閉まった扉の前で立ち尽くしていると、部屋の奥から良い香りが…。
恐らくは、何かの料理の匂いです。
貴方はふと思います。
そういえば、御飯を食べていなかった。
お腹がぺこぺこな貴方は、まるで誘われるように歩を進めます。
通路を抜け、良い匂いの漂う部屋へ入ると…そこには。
「…初めまして、お客様。私はツクモと申しますので、お気軽にお呼びくださいまし」
ピコピコと動く耳と、一本のふさふさした尾の生えた少女が居ました。
髪の長さがまばらで、片方の瞳が隠れた狐耳の少女の名前は『ツクモ』と言うらしいです。
身体は、貴方を上目遣いに見上げる事が出来る程度の大きさでした。
貴方は、その少女の容姿や仕草に思わず見とれてしまいました。
お腹がぺこぺこな事も忘れて、じぃっと見つめてしまいます。
すると、ぐぅぅ、と、貴方のお腹が鳴きました。
くすくす。少女…ツクモが、小さく笑います。
「御飯の用意は出来ておりますよ、お客様?」
途端に恥ずかしくなって、貴方はぶっきらぼう…或いは雑にツクモに礼を述べます。
『 』
では、此方へ。
そう言って、ツクモが自身の隣に敷いた座布団をぽんぽんと叩きました。
貴方はその座布団に座ります。
すると、目の前に置かれた御盆の上に乗る、色とりどりの料理に目を奪われました。
茶碗に盛られた白米や、茄子や胡瓜のお漬け物。
それに、魚のお刺身や赤出汁などなど…どれも美味しそうな匂いがしています。
頂きます。手を合わせて告げてから、貴方は箸を取り…料理を啄みます。
先ずは、お漬け物を白米と一緒に食べました。
少ししょっぱい塩気が、白米に合ってとても美味しく感じます。
こんなに箸が進むのは久しぶりだ、と、貴方は思いました。
「…あの、お客様…? お口に、合われますでしょうか…?」
赤出汁を啜ろうとした時に、ツクモに問われました。
黄金色の耳は、下を向いていて、尻尾も不安げに揺れています。
そんなツクモを見て、可愛いなぁなんて思いながら貴方は、少し意地悪がしたくなりました。
『 』
貴方は、本当の事とは違う…嘘を、ツクモに告げます。
するとツクモの耳は益々倒れ、尻尾はだらーんと力を失います。
顔は、俯いてしまって見る事が出来ませんでしたが。
「…そう、でしたか…。ごめんなさい、私ではまだまだでしたね…」
きゅーん。そんな切ない声を上げて謝られたので、貴方は本当の事をツクモに伝えます。
『 』
途端に、花が咲いたような笑顔を貴方に向け、ぴょんと跳ねるツクモ。
貴方は正座のまま、どうしたらあそこまで跳べるのか、とか。
たゆん、と弾む胸に気をとられてしまい、ツクモが怒り始めた事に気付くまで、少し時間を使ってしまいました。
「…もー! お客様、嘘はいけません! 嘘吐きは泥棒の始まりです!」
ですがよくよく考えてみると、怒っている…とは、貴方は思えません。
何故ならそれは、萎れていた耳がピンと立ち、尻尾はふりふりと、上下に揺れていたからです。
やっぱり誉められるのは嬉しいんだな、と思いながら貴方はツクモに空になった器を差し出します。
『 』
赤出汁のおかわりを求めると、ツクモは笑顔でそれを受け取りました。
…説教、終わるの早いなぁなんて貴方は思いましたが、口には出しませんでした。
暫く待つと、ツクモが赤出汁を持って現れます。
「おかわり、お持ちしました、お客さ…きゃっ」
そして、前のめりに転けました。
ツクモが持っていた器は、空を舞い…。
『 』
熱! 貴方は、それを言葉にします。
とても熱い赤出汁が、貴方に降り注いだのですから、仕方ありません。
貴方は悶絶しました。そしてそれを見たツクモは、あせあせと慌て始め…。
「あ、あの、ごめんなさい! 直ぐに処理しますので、すみません、すみません」
そう言って、こちらへ膝立ちのまま歩いて来たツクモは、地べたに転がる貴方に馬乗りになりました。
『 』
てっきり拭いてくれる物だと思った貴方は、疑問をツクモに投げかけます。
しかし、返ってきた答えは声ではありませんでした。
……ぺろ。
『 』
いきなり頬を舐められて、貴方はツクモに文句を言います。
しかしツクモは、ぺろぺろと貴方の頬を舐め続けるだけです。
……ぺろ。ぺろ。ぺろぺろ。
貴方の頬に、むず痒いような刺激が走ります。
ムズムズした、心地良いような、切ないような感覚に貴方は、ツクモを押し退けようとしますが、出来ませんでした。
何故ならそれは。
…ぴちゃ…れろ…。
胸板にしがみつくように抱き付いたツクモが、貴方の首筋を舐めたのもそうですが。
ふにゅん、と貴方の胸板に押し付けられ、ツクモが貴方を舐める度にふにふにと形を変える胸に気を取られたからです。
また、ぺろりと舐められた瞬間に、ゾクリとした快感が首筋を駆け抜け…貴方の力が抜けてしまいます。
れろれろと舐められた時に走る快感と温かくて柔らかな胸の感覚に貴方は抗おうと必死になっています。
ですが、ツクモはそんな貴方を嘲笑うかのように鎖骨付近へ舌を這わせました。
鎖骨の窪みを舐める時に、ぴちゃぴちゃと小さな音が鳴り響きます。
「ん…れろ…れろ、お客様、お客様っ」
ツクモの顔を見ると、ほんのりと頬は紅潮し、耳は前のめりに倒れています。
巫女服のような、裾の長い服からは、健康的な肌がちらちらと覗いています。
そんな服の隙間…貴方の鎖骨にぴちゃぴちゃと舌を這わせるツクモの胸元が、だらしなく開けているのを見つけた途端。
ゾクゾクっ、と、貴方に不思議な感覚が襲い掛かりました。
性的趣向をくすぐられるような、少しじれったい感覚です。
「…ん、れろ…お客様、上は、綺麗になりましたよ?」
と、そんな事を考えていた貴方は、ツクモの“お掃除”が終わっていた事に今気付きます。
『 』
貴方は前屈みになりながら、ツクモに御礼を言いました。
前屈みになった理由は、貴方自身…良く、分かっているはずです。
貴方は、自分の一部分を隠すように立ち上がり、部屋を後にしようとしました。
…が。
「…お客様、下のお掃除も…やりますね…」
貴方はむぎゅ、とツクモに抱き付かれ、ズボンのファスナーを口で下ろされてしまいます。
柔らかく、しっとりと下半身に当たる温かさも相成って、ますます大きくなる、貴方の愚息。
勿論、そんなに抱きつかれてしまえば下着越しに貴方の分身が肥大化しているのがバレてしまい、恥ずかしく感じます。
ですが、ツクモは。
「あぅ…お客様、痛く…ありませんか? 凄く、腫れて…あぅあぅ…」
酷く申し訳なさそうに、貴方の息子を見つめるツクモ。
それを見て、貴方は考えてしまいました。
もしかして、また…舌で舐められるのだろうか?
もしかして、もしかして、もしかして。
貴方の頭の中を、色々な“出来事”が溢れて、回ります。
もしかしたら、胸も…。
それに、鎖骨や首筋だけでもあの気持ち良さだ。
もしまた、自分のペニスにあの舌が絡みついたら…。
…ビクンッ!
想像して、貴方のペニスが跳ね上がります。
「あっ…いま、ビクって…大丈夫、ですか…?」
…すりすり。
手のひらで、亀頭を優しく撫でられる貴方。
いきなりの強い快楽に、腰が引けてしまいます。
そんな貴方が、ツクモは撫でられるのは痛い事だと思ったようで。
一言ごめんなさいと謝ってから、今度はふー、ふー、と、息を吹きかけて来ます。
「あぅ…凄く熱くなってるので、火傷…して、ますよね…?」
どうやら貴方のペニスを冷ましたいみたいですが、貴方にはくすぐったい快楽が与えられるだけです。
そこで貴方は、少しだけ考えて…閃きました。
…氷を口に含ませて、それで…首筋の時みたいに…舐めて貰えば…。
それで、あわよくば…あの胸も使ってもらって…。
もしかしたら、やってくれるかもしれない。
ドキドキしながら、貴方はツクモに指示を出します。
『 』
するとツクモは、耳をピコっと動かしてから。
「あ、はい…分かりました、お客様。少し…待っていてくださいね?」
そう言って、氷を取りに行く。
貴方はちょっとだけ、無垢な娘にこんなことさせて良いのかぁと罪悪感に駆られましたが、気にしない事にしました。
「…えと、じゃあ…痛かったら、言ってくださいね、お客様?」
…ふにゅん、むにゅ。
ツクモがその豊満な胸で、貴方のペニスを挟み込みます。
そしてそのまま、口に氷を含ませたツクモが、貴方のペニスに顔を近づけました。
…すん、すんすん。
そこで貴方は気付きました。
ツクモが貴方のペニスの臭いを嗅いでいる事に。
ツクモの唇からは、氷が溶けた時の水と唾液が混ざったモノが垂れています。
あれ、もしかして…。
ちょっと疑問に思った貴方は、自分のペニスをツクモの頬に押し当てました。
すると、どうでょうか。
ツクモの顔が、どんどん紅潮していきます。
そして、れろ…。
貴方のペニスのカリ首に、冷たいのに温かい…表現のし難い温度の舌が絡みついきました。
その舌はぬめぬめと蠢きながら、亀頭とカリ首を重心的に舐め回します。
ツクモの口から垂れた唾液と混ざり合った水が、竿を伝い、ツクモの胸を汚します。
「ん、ふぅ…れろ、んん〜♪ お客様、おい、し…♪」
…ああ、やっぱり。
貴方は確信しました。
ツクモは、自分がナニをしているのか理解している、と。
赤出汁で火傷した、何てのは口実で、ホントはこういう事をするために…。
それが分かって、貴方はツクモの頭を掴み、無理やり激しく責め立てます。
「んぐ、あっ、んぐ、んぐ、んぁっ♪」
口内の壁や舌が絶妙な程に亀頭、カリ首を刺激して、貴方のペニスがビクビクと強く跳ねました。
強制的に口内を犯されて入ると言うのに、ツクモは胸に挟んだ貴方のペニスに奉仕を続けます。
そして。
一際大きな快楽の波が押し寄せて、貴方はツクモの喉奥に己の欲望をぶちまけました。
強烈な射精感に腰を打ち付けている貴方のペニスに、ツクモが更に刺激を与えます。
鈴口を小突くように、舌先で舐め、精液をこぼすまいと吸い上げてきただけではなく。
はだけさせた豊満な胸で、ぐにぐにと強く押してきたのです。
途方もない快楽と、絶え間ない舌先、そして胸の奉仕に耐えきれなくなった貴方は、ペニスをツクモの口から、谷間から抜き放ちました。
びゅっ、びゅるるるるるっっ!!
当然の如く、まだ終わらなかった射精が行われて、ツクモの顔や鎖骨、胸の上にまで大量の精液が飛び散ります。
「んぁあっ ♥ お客様、凄い、量…っ♪」
…ぺろ。
唇に飛んだ精液をツクモが舐めとりました。
「ん…お客様、の…せーし… ♥ おいし ♥」
貴方の精液を美味しいと言いながら舐めとるツクモに、貴方は理性が外れてしまいます。
『 』
貴方はもう、ツクモに何て言ったのかも分かりません。
ただ一心不乱にツクモを押し倒し、巫女服のような衣類をはぎ取りました。
「え!? あ、お客様、それは…まだ、ダメですっ♪」
ダメと言いながらも嬉しそうなツクモの秘部に、貴方はペニスを押し付け、空いた左手でツクモの胸をこねくり回します。
秘部にあてがわれた貴方自身に与えられる熱に耐えきれず、貴方は。
そしてそのまま、全体重をかけて挿入しました。
…ぬちゅ、と音を立てて、貴方のペニスを飲み込む肉壺。
それと同時に、ツクモの乳首をつまみました。
まるで初物のように締め付ける肉壁は、貴方のペニスに絡みついて離してくれそうにありません。
胸を揉みしだき、乳首を摘む度にきゅんきゅんと肉壺はペニスを締め付けます。
引き抜こうとする度に絡みついて離さない肉ヒダと吸い付き。
吸い上げられるかのように打ち付けたペニスにまとわり付く肉粒。
そして、絶妙な締まり具合。
そんな、貴方にとって最高の快楽と、片手に掴んだ柔らかな果実、そしてツクモの嬌声を貴方は楽しみました。
「んぁ ♥ 大きいですっ♪ ん、おっきぃです ♥ お客、しゃ、まぁっ ♥ ♥」
ぎゅっと貴方に抱き付いたツクモも、貴方に腰を打ち付けています。
個室に、貴方とツクモの汗や体液の香りがむせかえる程に充満していきます。
「あぁん ♥ お客さまっ ♥ お客様、大好きですっ ♥ 大好きで、あっ ♥♥」
ぎゅうぅ…。
肌と肌を密着させながら、貴方に大好き、大好きと告げるツクモ。
貴方の胸板に当たるツクモの胸の先端部…乳首が、貴方の乳首とこすれます。
じんわりと、貴方の身体を支配していく快感。
そんか快感が暫く続いた頃でしょうか。
遂に果ての無い快楽に耐えられなくなり、貴方はツクモの膣内に射精しました。
どくっ、どくっ、びゅるるるるっっ!
「んぁ ♥ ♥お客、さっ ♥ ♥ ♥熱いですっ ♥お客様のせいしが、私のなか、にっ ♥ ♥」
がくがくと腰を震わせて、ツクモは必死に貴方にしがみつきます。
そのふさふさの尻尾も、貴方に密着させて、悶えているのです。
貴方が射精の快楽に飲まれている間も、ツクモの肉壺は余すことなく貴方のペニスに絡みついています。
射精後の敏感な亀頭にざらつきが蠢き。
カリ首には肉粒がひっかかり、ぬりゅぬりゅと蠢いて。
竿や根元まで、肉ヒダがしっかりと張り付いて離してくれそうにありません。
「んやぁぁ… ♥ お客さ…、んっ ♥ いえ、ごしゅじんさまぁ…っ ♥」
…ちゅっ。
まだビクビクと跳ねるペニスをツクモの膣内に入れたまま、貴方は横になります。
そんな貴方に、優しくキスをしながらツクモは、幸せそうに目を閉じました。
※
「……『 』様…お楽しみ、いただけましたか…?」
気が付くと、貴方の目の前に最初の少女が立っていました。
貴方は辺りを見渡しますが、大きな館も、ツクモもそこには居ません。
ただ、暗闇の中に貴方と、少女が立っているだけです。
「…『 』様…本日は、これまで…です…」
貴方に向かって、少女は口を開いていく。
「…『 』様、また…よければ、きてください…わたしは、待って、ます…」
ぱたぱたと手を振り、少女が霞んで消えて行く。
次第に、貴方自身も霞んで行って――――。
『 』
夢でも見ていたのだろうか?
貴方は、目の前にある自分の家のドアを見て、そう思いました。
…疲れてたのかな、と思いながら、鞄の中にしまった鍵を取り出そうとします。
しかし、鞄を持った腕が重たくて、鞄を持ち上げられません。
少し苛立ちを覚えた貴方は『 』と小さく毒づき…。
自身の腕を見て、吃驚したはずです。
何故ならそこには――――。
「お客様…いえ、旦那様♪」
ニコニコと笑みを浮かべるツクモが、貴方の腕に抱き付いていたのです。
「んふふ〜♪ やっぱり旦那様は泥棒になっちゃいましたね♪」
貴方は思うはずです。何も、盗んでなどいないと。
そんな考えを巡らせる貴方にツクモは告げました。
「しっかりと盗んだじゃないですか♪ 私のは・ぁ・と♥」
ぎゅむぅ、と貴方に抱きつきながらにこにこ顔のツクモ。
スリスリと貴方に頬ずりするツクモをみて、貴方は何かが吹っ切れたのか。
ツクモに向かって、こう言いました。
『 』 、と。
おわり。
どうしてこんな場所に来ているんだ、と。
貴方はこの場所を知りませんし、どうして来ているのかも分かりません。
ただ、目の前には大きな館があります。
その館の大きさに驚いていると…、ぽつり、ぽつりと雨が降り始めました。
貴方は思います。
ああ、濡れるのは嫌だし…少し、雨宿りさせて貰おうか。
少し小走りに、館の下へ避難します。
すると、ギィィ…と音がして、大きな扉が開きました。
「…おきゃくさま…どうぞ、お入りくださいませ…」
中からは、小さな少女。
貴方はその少女に礼を述べてから、館にお邪魔する事にしました。
不思議な事に、館に入る事自体に…何の違和感もありません。
貴方は、少女と共に長い廊下を歩きます。
すると、少女が貴方に問い掛けました。
「…おきゃくさま…宜しければ、おなまえをおききしたいのですが…」
その問い掛けに、貴方は答えます。
『 』
自分の名前を教えると、少女はほんのりと頬を赤らめて言いました。
「…『 』様、ですね。とっても良いおなまえです…」
それからは、暫く会話もなく…ただ、廊下を進むだけでした。
長い長い廊下を進む事、数分。
少女が一つの扉の前で立ち止まり、貴方を呼びます。
「…『 』様、こちらのお部屋へ…どうぞ、お入りくださいませ…」
貴方は、言われるがままに…その部屋へと入ります。
ですが、そこから先には少女は来ないようです。
少女は少し寂しそうに呟いてから、扉を閉めました。
「…『 』様…どうぞ、お楽しみくださいませ…」
閉まった扉の前で立ち尽くしていると、部屋の奥から良い香りが…。
恐らくは、何かの料理の匂いです。
貴方はふと思います。
そういえば、御飯を食べていなかった。
お腹がぺこぺこな貴方は、まるで誘われるように歩を進めます。
通路を抜け、良い匂いの漂う部屋へ入ると…そこには。
「…初めまして、お客様。私はツクモと申しますので、お気軽にお呼びくださいまし」
ピコピコと動く耳と、一本のふさふさした尾の生えた少女が居ました。
髪の長さがまばらで、片方の瞳が隠れた狐耳の少女の名前は『ツクモ』と言うらしいです。
身体は、貴方を上目遣いに見上げる事が出来る程度の大きさでした。
貴方は、その少女の容姿や仕草に思わず見とれてしまいました。
お腹がぺこぺこな事も忘れて、じぃっと見つめてしまいます。
すると、ぐぅぅ、と、貴方のお腹が鳴きました。
くすくす。少女…ツクモが、小さく笑います。
「御飯の用意は出来ておりますよ、お客様?」
途端に恥ずかしくなって、貴方はぶっきらぼう…或いは雑にツクモに礼を述べます。
『 』
では、此方へ。
そう言って、ツクモが自身の隣に敷いた座布団をぽんぽんと叩きました。
貴方はその座布団に座ります。
すると、目の前に置かれた御盆の上に乗る、色とりどりの料理に目を奪われました。
茶碗に盛られた白米や、茄子や胡瓜のお漬け物。
それに、魚のお刺身や赤出汁などなど…どれも美味しそうな匂いがしています。
頂きます。手を合わせて告げてから、貴方は箸を取り…料理を啄みます。
先ずは、お漬け物を白米と一緒に食べました。
少ししょっぱい塩気が、白米に合ってとても美味しく感じます。
こんなに箸が進むのは久しぶりだ、と、貴方は思いました。
「…あの、お客様…? お口に、合われますでしょうか…?」
赤出汁を啜ろうとした時に、ツクモに問われました。
黄金色の耳は、下を向いていて、尻尾も不安げに揺れています。
そんなツクモを見て、可愛いなぁなんて思いながら貴方は、少し意地悪がしたくなりました。
『 』
貴方は、本当の事とは違う…嘘を、ツクモに告げます。
するとツクモの耳は益々倒れ、尻尾はだらーんと力を失います。
顔は、俯いてしまって見る事が出来ませんでしたが。
「…そう、でしたか…。ごめんなさい、私ではまだまだでしたね…」
きゅーん。そんな切ない声を上げて謝られたので、貴方は本当の事をツクモに伝えます。
『 』
途端に、花が咲いたような笑顔を貴方に向け、ぴょんと跳ねるツクモ。
貴方は正座のまま、どうしたらあそこまで跳べるのか、とか。
たゆん、と弾む胸に気をとられてしまい、ツクモが怒り始めた事に気付くまで、少し時間を使ってしまいました。
「…もー! お客様、嘘はいけません! 嘘吐きは泥棒の始まりです!」
ですがよくよく考えてみると、怒っている…とは、貴方は思えません。
何故ならそれは、萎れていた耳がピンと立ち、尻尾はふりふりと、上下に揺れていたからです。
やっぱり誉められるのは嬉しいんだな、と思いながら貴方はツクモに空になった器を差し出します。
『 』
赤出汁のおかわりを求めると、ツクモは笑顔でそれを受け取りました。
…説教、終わるの早いなぁなんて貴方は思いましたが、口には出しませんでした。
暫く待つと、ツクモが赤出汁を持って現れます。
「おかわり、お持ちしました、お客さ…きゃっ」
そして、前のめりに転けました。
ツクモが持っていた器は、空を舞い…。
『 』
熱! 貴方は、それを言葉にします。
とても熱い赤出汁が、貴方に降り注いだのですから、仕方ありません。
貴方は悶絶しました。そしてそれを見たツクモは、あせあせと慌て始め…。
「あ、あの、ごめんなさい! 直ぐに処理しますので、すみません、すみません」
そう言って、こちらへ膝立ちのまま歩いて来たツクモは、地べたに転がる貴方に馬乗りになりました。
『 』
てっきり拭いてくれる物だと思った貴方は、疑問をツクモに投げかけます。
しかし、返ってきた答えは声ではありませんでした。
……ぺろ。
『 』
いきなり頬を舐められて、貴方はツクモに文句を言います。
しかしツクモは、ぺろぺろと貴方の頬を舐め続けるだけです。
……ぺろ。ぺろ。ぺろぺろ。
貴方の頬に、むず痒いような刺激が走ります。
ムズムズした、心地良いような、切ないような感覚に貴方は、ツクモを押し退けようとしますが、出来ませんでした。
何故ならそれは。
…ぴちゃ…れろ…。
胸板にしがみつくように抱き付いたツクモが、貴方の首筋を舐めたのもそうですが。
ふにゅん、と貴方の胸板に押し付けられ、ツクモが貴方を舐める度にふにふにと形を変える胸に気を取られたからです。
また、ぺろりと舐められた瞬間に、ゾクリとした快感が首筋を駆け抜け…貴方の力が抜けてしまいます。
れろれろと舐められた時に走る快感と温かくて柔らかな胸の感覚に貴方は抗おうと必死になっています。
ですが、ツクモはそんな貴方を嘲笑うかのように鎖骨付近へ舌を這わせました。
鎖骨の窪みを舐める時に、ぴちゃぴちゃと小さな音が鳴り響きます。
「ん…れろ…れろ、お客様、お客様っ」
ツクモの顔を見ると、ほんのりと頬は紅潮し、耳は前のめりに倒れています。
巫女服のような、裾の長い服からは、健康的な肌がちらちらと覗いています。
そんな服の隙間…貴方の鎖骨にぴちゃぴちゃと舌を這わせるツクモの胸元が、だらしなく開けているのを見つけた途端。
ゾクゾクっ、と、貴方に不思議な感覚が襲い掛かりました。
性的趣向をくすぐられるような、少しじれったい感覚です。
「…ん、れろ…お客様、上は、綺麗になりましたよ?」
と、そんな事を考えていた貴方は、ツクモの“お掃除”が終わっていた事に今気付きます。
『 』
貴方は前屈みになりながら、ツクモに御礼を言いました。
前屈みになった理由は、貴方自身…良く、分かっているはずです。
貴方は、自分の一部分を隠すように立ち上がり、部屋を後にしようとしました。
…が。
「…お客様、下のお掃除も…やりますね…」
貴方はむぎゅ、とツクモに抱き付かれ、ズボンのファスナーを口で下ろされてしまいます。
柔らかく、しっとりと下半身に当たる温かさも相成って、ますます大きくなる、貴方の愚息。
勿論、そんなに抱きつかれてしまえば下着越しに貴方の分身が肥大化しているのがバレてしまい、恥ずかしく感じます。
ですが、ツクモは。
「あぅ…お客様、痛く…ありませんか? 凄く、腫れて…あぅあぅ…」
酷く申し訳なさそうに、貴方の息子を見つめるツクモ。
それを見て、貴方は考えてしまいました。
もしかして、また…舌で舐められるのだろうか?
もしかして、もしかして、もしかして。
貴方の頭の中を、色々な“出来事”が溢れて、回ります。
もしかしたら、胸も…。
それに、鎖骨や首筋だけでもあの気持ち良さだ。
もしまた、自分のペニスにあの舌が絡みついたら…。
…ビクンッ!
想像して、貴方のペニスが跳ね上がります。
「あっ…いま、ビクって…大丈夫、ですか…?」
…すりすり。
手のひらで、亀頭を優しく撫でられる貴方。
いきなりの強い快楽に、腰が引けてしまいます。
そんな貴方が、ツクモは撫でられるのは痛い事だと思ったようで。
一言ごめんなさいと謝ってから、今度はふー、ふー、と、息を吹きかけて来ます。
「あぅ…凄く熱くなってるので、火傷…して、ますよね…?」
どうやら貴方のペニスを冷ましたいみたいですが、貴方にはくすぐったい快楽が与えられるだけです。
そこで貴方は、少しだけ考えて…閃きました。
…氷を口に含ませて、それで…首筋の時みたいに…舐めて貰えば…。
それで、あわよくば…あの胸も使ってもらって…。
もしかしたら、やってくれるかもしれない。
ドキドキしながら、貴方はツクモに指示を出します。
『 』
するとツクモは、耳をピコっと動かしてから。
「あ、はい…分かりました、お客様。少し…待っていてくださいね?」
そう言って、氷を取りに行く。
貴方はちょっとだけ、無垢な娘にこんなことさせて良いのかぁと罪悪感に駆られましたが、気にしない事にしました。
「…えと、じゃあ…痛かったら、言ってくださいね、お客様?」
…ふにゅん、むにゅ。
ツクモがその豊満な胸で、貴方のペニスを挟み込みます。
そしてそのまま、口に氷を含ませたツクモが、貴方のペニスに顔を近づけました。
…すん、すんすん。
そこで貴方は気付きました。
ツクモが貴方のペニスの臭いを嗅いでいる事に。
ツクモの唇からは、氷が溶けた時の水と唾液が混ざったモノが垂れています。
あれ、もしかして…。
ちょっと疑問に思った貴方は、自分のペニスをツクモの頬に押し当てました。
すると、どうでょうか。
ツクモの顔が、どんどん紅潮していきます。
そして、れろ…。
貴方のペニスのカリ首に、冷たいのに温かい…表現のし難い温度の舌が絡みついきました。
その舌はぬめぬめと蠢きながら、亀頭とカリ首を重心的に舐め回します。
ツクモの口から垂れた唾液と混ざり合った水が、竿を伝い、ツクモの胸を汚します。
「ん、ふぅ…れろ、んん〜♪ お客様、おい、し…♪」
…ああ、やっぱり。
貴方は確信しました。
ツクモは、自分がナニをしているのか理解している、と。
赤出汁で火傷した、何てのは口実で、ホントはこういう事をするために…。
それが分かって、貴方はツクモの頭を掴み、無理やり激しく責め立てます。
「んぐ、あっ、んぐ、んぐ、んぁっ♪」
口内の壁や舌が絶妙な程に亀頭、カリ首を刺激して、貴方のペニスがビクビクと強く跳ねました。
強制的に口内を犯されて入ると言うのに、ツクモは胸に挟んだ貴方のペニスに奉仕を続けます。
そして。
一際大きな快楽の波が押し寄せて、貴方はツクモの喉奥に己の欲望をぶちまけました。
強烈な射精感に腰を打ち付けている貴方のペニスに、ツクモが更に刺激を与えます。
鈴口を小突くように、舌先で舐め、精液をこぼすまいと吸い上げてきただけではなく。
はだけさせた豊満な胸で、ぐにぐにと強く押してきたのです。
途方もない快楽と、絶え間ない舌先、そして胸の奉仕に耐えきれなくなった貴方は、ペニスをツクモの口から、谷間から抜き放ちました。
びゅっ、びゅるるるるるっっ!!
当然の如く、まだ終わらなかった射精が行われて、ツクモの顔や鎖骨、胸の上にまで大量の精液が飛び散ります。
「んぁあっ ♥ お客様、凄い、量…っ♪」
…ぺろ。
唇に飛んだ精液をツクモが舐めとりました。
「ん…お客様、の…せーし… ♥ おいし ♥」
貴方の精液を美味しいと言いながら舐めとるツクモに、貴方は理性が外れてしまいます。
『 』
貴方はもう、ツクモに何て言ったのかも分かりません。
ただ一心不乱にツクモを押し倒し、巫女服のような衣類をはぎ取りました。
「え!? あ、お客様、それは…まだ、ダメですっ♪」
ダメと言いながらも嬉しそうなツクモの秘部に、貴方はペニスを押し付け、空いた左手でツクモの胸をこねくり回します。
秘部にあてがわれた貴方自身に与えられる熱に耐えきれず、貴方は。
そしてそのまま、全体重をかけて挿入しました。
…ぬちゅ、と音を立てて、貴方のペニスを飲み込む肉壺。
それと同時に、ツクモの乳首をつまみました。
まるで初物のように締め付ける肉壁は、貴方のペニスに絡みついて離してくれそうにありません。
胸を揉みしだき、乳首を摘む度にきゅんきゅんと肉壺はペニスを締め付けます。
引き抜こうとする度に絡みついて離さない肉ヒダと吸い付き。
吸い上げられるかのように打ち付けたペニスにまとわり付く肉粒。
そして、絶妙な締まり具合。
そんな、貴方にとって最高の快楽と、片手に掴んだ柔らかな果実、そしてツクモの嬌声を貴方は楽しみました。
「んぁ ♥ 大きいですっ♪ ん、おっきぃです ♥ お客、しゃ、まぁっ ♥ ♥」
ぎゅっと貴方に抱き付いたツクモも、貴方に腰を打ち付けています。
個室に、貴方とツクモの汗や体液の香りがむせかえる程に充満していきます。
「あぁん ♥ お客さまっ ♥ お客様、大好きですっ ♥ 大好きで、あっ ♥♥」
ぎゅうぅ…。
肌と肌を密着させながら、貴方に大好き、大好きと告げるツクモ。
貴方の胸板に当たるツクモの胸の先端部…乳首が、貴方の乳首とこすれます。
じんわりと、貴方の身体を支配していく快感。
そんか快感が暫く続いた頃でしょうか。
遂に果ての無い快楽に耐えられなくなり、貴方はツクモの膣内に射精しました。
どくっ、どくっ、びゅるるるるっっ!
「んぁ ♥ ♥お客、さっ ♥ ♥ ♥熱いですっ ♥お客様のせいしが、私のなか、にっ ♥ ♥」
がくがくと腰を震わせて、ツクモは必死に貴方にしがみつきます。
そのふさふさの尻尾も、貴方に密着させて、悶えているのです。
貴方が射精の快楽に飲まれている間も、ツクモの肉壺は余すことなく貴方のペニスに絡みついています。
射精後の敏感な亀頭にざらつきが蠢き。
カリ首には肉粒がひっかかり、ぬりゅぬりゅと蠢いて。
竿や根元まで、肉ヒダがしっかりと張り付いて離してくれそうにありません。
「んやぁぁ… ♥ お客さ…、んっ ♥ いえ、ごしゅじんさまぁ…っ ♥」
…ちゅっ。
まだビクビクと跳ねるペニスをツクモの膣内に入れたまま、貴方は横になります。
そんな貴方に、優しくキスをしながらツクモは、幸せそうに目を閉じました。
※
「……『 』様…お楽しみ、いただけましたか…?」
気が付くと、貴方の目の前に最初の少女が立っていました。
貴方は辺りを見渡しますが、大きな館も、ツクモもそこには居ません。
ただ、暗闇の中に貴方と、少女が立っているだけです。
「…『 』様…本日は、これまで…です…」
貴方に向かって、少女は口を開いていく。
「…『 』様、また…よければ、きてください…わたしは、待って、ます…」
ぱたぱたと手を振り、少女が霞んで消えて行く。
次第に、貴方自身も霞んで行って――――。
『 』
夢でも見ていたのだろうか?
貴方は、目の前にある自分の家のドアを見て、そう思いました。
…疲れてたのかな、と思いながら、鞄の中にしまった鍵を取り出そうとします。
しかし、鞄を持った腕が重たくて、鞄を持ち上げられません。
少し苛立ちを覚えた貴方は『 』と小さく毒づき…。
自身の腕を見て、吃驚したはずです。
何故ならそこには――――。
「お客様…いえ、旦那様♪」
ニコニコと笑みを浮かべるツクモが、貴方の腕に抱き付いていたのです。
「んふふ〜♪ やっぱり旦那様は泥棒になっちゃいましたね♪」
貴方は思うはずです。何も、盗んでなどいないと。
そんな考えを巡らせる貴方にツクモは告げました。
「しっかりと盗んだじゃないですか♪ 私のは・ぁ・と♥」
ぎゅむぅ、と貴方に抱きつきながらにこにこ顔のツクモ。
スリスリと貴方に頬ずりするツクモをみて、貴方は何かが吹っ切れたのか。
ツクモに向かって、こう言いました。
『 』 、と。
おわり。
12/07/10 18:58更新 / 紅柳 紅葉