大切なもの アラクネのその後
「はぁ.....。」
夜、鈴虫や魔物娘の喘ぎ声が響く中、私は一人寂しく木と木の間に巣を張り、寝転んでため息を吐く私ことアラクネのアラーニャ・アルカーノは、あることで落ち込んでいた。
「何であそこで川に飛び込むかなぁ...。」
それは、以前通り掛かった旅人を旦那様にしようと追い詰めた時、逃げられたことが原因だった。
私は逃げられないように崖まで追い詰めたのに...。あろうことか、あの旅人は「君は良い女性だけど、僕には旅を続けなくてはいけない理由があるんだ。」とか言って崖下の川に飛び込んでいったの。
何が良い女性よ!良い女性と思うならば私に黙って巻かれてなさいよ!コンチクショー!
そんな行き場のない怒りを巣を殴りぶつけていく。当然、破れてはいけないので軽気だった。
「はぁ...。あそこで糸を吐いて捕まえていたらなぁ...。」
再度溜め息が出る。それほど逃げられたのが悔しかったのだ。
今鏡を見たらどんな顔をしているのだろう。とても悲しそうな顔をしているのか、はたまた怒りに満ちた表情をしているのか、どっちか分からないが凄い表情をしているのだろう。
「あれから一週間...。誰も来てないわ...。あー、誰か来てちょうだい!」
いつも何年間も待ち続けたのだが、今回は彼を逃した反動で我慢が効かなくなっていた。誰でも良い。私を満たしてくれる人なら誰でも良い!誰か来て!お願い!
そう思った時だった。カサッ...。どこからか草木が揺れる音がした。
「...ッ!?」
その時、私は驚くほど冷静に身を潜め、声を出さないようにした。今、確かに音がした。草木が揺れる音だ。
多分魔物ではないはず。この辺の魔物は夜になると眠るか、男と後尾をするからだ。だったら人間?人間がこの近くにいるの!?
そう思った私は感極まりそうだったが、その気持ちを抑え、その音が近づくのを待った。
カサッ、カサッ、カサッ。どんどんと私のほうへ近づいてくる。
そして、その音が私の真下まで来た。その時、私はゆっくりと視線を下に落とす。
そこには、私が求めていた男の姿があった。右手にはカンテラを持っていた。
「男...!」
「ん...?誰だい...?」
彼が上を向いた瞬間、私は心の中で思った声が外に出ていたことに気付く。
あぁ、もう!私の馬鹿!何で声に出しちゃうのよ!これじゃあ、彼に気付かれることなく捕まえる作戦が台無しじゃない!
そんなことを思っていると、彼の方から私に声を掛けてきた。
「あのぉ...。あなたは、アラクネでしょうか...?」
そんな事を言われ、私は心底驚く。何で分かったの!?カンテラを持っているとはいえ、この辺はかなり暗く、この木の上までははっきりと見えないはず...!
何故気付いたのか気になった私は、そのことを彼に訊いた。
「な、何で分かったの?この辺はカンテラを持っていても暗いはずなのに...。」
すると、彼はこう答えた。
「木に登っているということは、アラクネかと思いまして...。その質問をしたということは肯定と受け取っていいんですよね?」
彼は続けてそう訊いてきた。まぁ、私が何故分かったかを訊いている時点認めてるものだし、否定をするつもりは毛頭なかった。
「ええ、そうよ。私はアラクネよ。それを訊いてどうするつもり?」
私がそう答えると、彼のほうから「ヨッシャ!」という声が聞こえてきた。
「何が「ヨッシャ!」なの?」
「あ、いえ!独り言です!」
慌てふためいて彼は答える。「ヨッシャ!」って、どんな独り言なのかしら?
「あのぉ...。すみません、頼みがあるんですけどぉ...。」
彼は頼み事を申してきた。正直、私の正体が魔物と知ってこんだけ話してくる人は初めてだ。
「頼み事?いいわ、言ってみなさい。」
私はその頼みを聞くことにした。多分、糸を分けて下さいとかそんな事を言うのだろう。そう言ったら迷わず私の糸でグルグル巻きにしてやる!
だが、彼の言った頼みは私が予想もしなかった事だった。
「あなたの体を見せてはくれませんか?」
私は耳を疑った。アラクネと分かっていてそんなことを言う男がいるとは思わなかった。
「いいけど、私はアラクネよ。それでもいいの?」
私が憂い混じりにそう言うと、彼は嬉しそうにこう言った。
「いや、あなただから良いんです!ですから、少し見せて頂けますか?」
あなただから良い。そんなことを言われた瞬間、私の体は火照った。嘘をついているかもしれない。けど、彼の
口ぶりからして嘘とは思えない。
そんな事を考えている間に、私の口が勝手に動き出し、こう言い放った。
「え、ええ、見せてあげるわよ。」
そう言った瞬間私は自分の口を両手で覆った。何てことを言ってるのかしら!いや、言ったのは私だけど、自分がさっき言った言動が信じられない。
「いいんですか!?ありがとうございます!!」
彼が子供のように元気よくお礼する。ああ、もう!私があんなことを口走ったらから彼が期待しているじゃない!
でも、彼になら私の姿を見せてもいいと思う。彼がどんな人か知らないけど、そう思う。私の方も良いって思ってるし。
そう考え、私は立ち上がり、巣から出て、木を降りていく。
「おお...。あなたがアラクネ...。」
彼は私の姿をカンテラで照らし、そして私の体を凝視する。あんなに目を輝かせて見られていると、少し恥ずかしい。
「そんなにじろじろ見ないでくれないかしら...。少し恥ずかしいわ...。」
「あ、すみません!とてもお美しいので...少し、見とれてしまいました...。」
「そんなこと言っても、何も出ないわよ。」
突っ張るねるような目線を送りながら言った。けど、そんなことを言われて、内心とてもうれしかった。
そういえば、彼の名前を聞いていなかった。
「そういえば、あなたの名前は何なの?」
そういうと、彼は畏まるかのように気をつけをし、名前を述べた。
「す、すみません!名前を名乗ってなくて...。私の名前は、ウィアードウ・ウルツビアと申します。」
ウィアードウ・ウルツビア。良い名前じゃない。
「そう。私の名前は、アラーニャ・エルカーノと言うわ。よろしくね。」
そう言って私は信頼の証として手を差し出す。すると、彼はその手を両手で握ってきた。
「はい!よろしくお願いします!」
元気よく返事をして、満面の笑みを浮かべる彼は、とても可愛らしく、その笑みを見ているだけで体の中が熱くなっていった。
「あのぉ...。アラーニャさん。」
「アラーニャでいいわよ。」
さん、なんて、私には似合わないし、言われることも好まなかったため、そう言った。敬語は多分彼の癖なのだろう。言っても直してはくれないと思ったので、やめておいた。
「あ、では、アラーニャ。まだ頼みことがあるんですが...。いいですか?」
「え、まだあるの?」
こんなに頼みこんできた男は初めてだ。
「あ、嫌でしたか?」
何かに裏切れた子供のように残念そうな顔で訊いてくる。そんな顔をされると、断れなくなってしまう。
「別に、いやじゃないけど...。で、次は何よ?」
今度こそ糸を要求してくるに違いない。そうしたら糸でグルグル巻きにしてやるわ!
しかし、彼の次の頼み事はまたしても私の予想を裏切るものだった。
「その蜘蛛の体を触らしてくれませんか...?」
今、彼はなんと言った?私の女性の上半身に触らず、蜘蛛の下半身を触ってくるよう願ってくるなんて...。
やはり、彼はおかしいようだ。しかも、この蜘蛛の下半身は私の敏感な所だというのに...。
けど、別に触らしても良かった。彼なら触らしても良いと思った。それは、私の事を嫌悪しない人という理由ではなく、単純に早く触って欲しかったからだった。
「ええ、良いわよ。」
そう言うと、彼は「いいんですかァ!?」なんて言って驚いて子供のように喜んだ。その彼の嬉しがる姿を微笑ましく思い、私は口角上げた。
しばらく見ていると、彼がハッとしたようにこちらを見つめ、恥ずかしそうに取り繕う。その姿を見て私はまた口角を上げた。
「すみません...取り乱したりして...。それでは、触らして貰います。」
そう言うと、私の蜘蛛の腹の部分を優しく撫で上げる。その撫で方をくすぐったく思い、私は少し声を上げてしまう。
「ん!」
そう声を上げた瞬間、彼は驚き、触るのをやめ、私から離れる。
「あ、すみません!痛かったですか!?」
「別に痛くは無かったわよ...。ただ単にくすぐったかっただけ。」
彼にそう言うと、彼は安堵の表情を浮かべ、ほっとしたように「良かったぁ...。」と呟いた。
「それでは、気を取り直して、触らせて頂きます!」
そう言って、彼はまた蜘蛛の腹を撫でる。くすぐったかったが、彼に心配されないよう声を押し殺した。
「へぇ...。アラクネの体の感触ってこうなっているのか...。小さい頃触った蜘蛛の感触と全然違うなぁ...。」
「と、当然よ。わ、私の毛並みは!い、いつも手入れしているん!だから...。」
くすぐったくて声がうわずりそうなのを、なんとか押さえながら喋る。正直、撫でられているだけで体の中が熱くなっていく。
そんな私の感情などお構いなしに、彼は蜘蛛の下半身の胴体、足などを触っていく。
「ふぅーん...。こうなっているのかぁ...。」
まるで何かを研究している学者のような口ぶりで、蜘蛛の下半身を満遍なく触っていく。
その間私はくすぐったいのを通り過ごして、感じていた。現に、私は口からよだれを垂らし、眉をひそめ、小さな声を上げていた。多分、目尻には涙を溜めているに違いない。
「へぇ...。ここがこうなって...こうなっているのかぁ...。」
もはや限界だった。多分、後一押しあればイッてしまうかもしれない。その時だった。
「アラーニャ、触らしてくれてありがとうございました。」
彼はお礼を述べて、私の蜘蛛の下半身を触ることをやめる。え、やめちゃうの...?私は気持ち良くなっていないのに...。あなただけ欲求を満たしたなんて...。ひどい...。ひどい男...。
その瞬間、私の中の何かが吹っ切れた。
「ア、アラーニャ...さん?どうかしましたか...って、うわ!?」
彼が私の顔を覗き込んだ瞬間を狙って、彼を押し倒す。痛がるかと思ったが、どうやら草木がクッションになってくれたおかげでそれほど痛がってはないようだった。
「あの...えっと...。アラーニャ?」
「ウィアードウ...。あなたはひどい人だったのね...。」
私は、目に涙を浮かべ、切なげにそう呟いた。
「え、ひどい人!?な、何か悪いことでもしましたかァ!?
目を丸くして驚く彼。まったく、とぼけた振りをしてもだめだというのに...。
「ええ、したわ。あなたは自分だけの欲望を満たそうとした...。」
私はそう言いながら、蜘蛛の胴体の先端で糸を吐き、彼に巻いていく。こうしなくても彼は抵抗できないのだが、アラクネとしての本能がこの行為を気に入っていた。
「自分だけの欲望を...?」
「ええ、そうよ。私のことなんかちっとも考えずに、自分を満たそうとした...。」
そう言い終わると、彼の巻き付けが完了した。しかし、これからのために彼の足の付け根部分は薄くしておいた。
「す、すみません...。私に手伝えることがあれば何でも言ってください!」
彼は私達魔物娘に対して絶対言ってはいけない言葉を発した。その言葉を発したということは、襲ってもいいという肯定になることだというのに...。
「今、何でもすると言ったわよね...?」
「え?は、はい...。」
彼の返事を聞き、私はすぐさま彼のズボンをひざまで下ろす。糸で巻かれていても糸の扱いに長けているアラクネなら簡単に脱がせれた。
すると、彼の肉棒はすでに固くなっており、何かを期待するように先端から汁を出し続けていた。
「え、ちょ!?アラーニャ!?」
彼はそれを見られて恥ずかしいと思ったのか、慌てふためいてもがこうとする。無駄だというのに...。もしかして早く気持ち良くして欲しいのかしら?
そう思ったら、私の体の中がドンドンと熱くなり始めた。
「じゃあ...。私の欲望を満たすお手伝いをしてちょうだい...♥」
そう言って彼を見下すような視線で見つめ、舌なめずりをする。
その私を見た彼の表情は、悩ましげに眉をひそめ、どこか期待をしている目で私を見ていた。ドMなのかしら?まぁ、そんなことは今から分かることだし、別にいいわ。
私は彼の肉棒を掴み、根本に糸をきつく巻いていく。
「この糸はね...?凄い粘着性があるのよ...?♥だから、私がほどかない限り、簡単には離れないわよ...♥」
巻き終わり、私は舌を出して、彼の肉棒の先端を舐めていく。特に、カリや鈴口の部分を丹念に舐めていく。
「うあぁ...。うぐぅ...。ああ...。」
彼は悩ましげに眉をひそめ、嬌声を上げていく。その声を聞いた私は嬉しくなり、次に彼の肉棒を口いっぱいに
頬張り、上下にゆっくりと動かしていく。
「うああぁ...!あうあぁ....!」
そうした瞬間、彼の嬌声が一段と大きくなった。ああ、なんて良い声なのかしら...♪もっと聞かせて頂戴...♪
そう思い、私はゆっくりとした動きから、徐々に早くしていく。
「ああぁ!うあぁ!ううあぁぁ!」
彼は苦しそうに声を上げていく。それもそのはず、先程巻いた糸は彼の射精防止のためだからだ。現に彼の肉棒はビクビクと震えている。彼は出せないもどかしさに苦しんでいるのだろう。
そして、私は彼の肉棒を頬張るのをやめ、両手で握り、鈴口を舐めて、こう囁く。
「出したいでしょう...?♥ウィアードウ?♥」
すると、彼は苦しそうに顔をゆがめながら、私にこう呟いた。
「ああ...出したい...。出したいよ...アラーニャ...。」
彼の懇願する言葉を聞いた私は、彼の肉棒に巻いていた糸をほどいていく。
そして、おもむろに立ち上がり、自分の秘所がある場所に手を伸ばし、こう言った。
「見て♥ウィアードウ...♥今から私のここに入っていくのよ...?♥」
私はそう言って、人間の体と蜘蛛の体の境目にある秘所を自らの手で広げ、彼の見せびらかす。
「ああ...見えるよ、アラーニャ...。とても...きれいだ...。」
彼は敬語を使うことすら忘れ、そう感想を述べた。一言だけだけど、それでも私は満足だった。
そして、我慢が出来なくなった私は、彼のビクビク動いている肉棒を優しく捕まえ、角度を調整し、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「ほら...♥入ってちゃうわよ...?♥私の中に...♥」
彼の肉棒の先端が入り、どんどん私の中に入っていく。それだけでもめちゃくちゃ気持ち良い。けど、これでは満足は出来ない。もっと奥深くまで入れたい...!
そう思い、私はどんどん腰を下げていき、ついに彼の肉棒が全て私の中に入った。
「はああああああああぁぁぁぁ!!♥♥♥」
「うわああああああぁぁぁ!!!」
入った瞬間私と彼は同時に叫び声ともとれる歓喜の声を上げ、私の中に熱い滴りを出していく。その瞬間、全身に痺れるような快感が走り、頭をのけぞらす。中に出されるのがこんなに気持ち良いなんて...♥
彼の方に視線落とすと、過呼吸でも起こしているかのように、ハァ、ハァ、と息を吐き続けていた。
そんな彼を尻目に、私は一度落とした腰を勢い良く持ち上げた。
「あぁん!!♥」
「うはぁ!」
またしても同時に喘ぐ私と彼。少し動かすだけでも痺れるほどの快感が全身に走った。多分彼もそんな感じだろう。
「何をへばっているのかしら?ウィアードウ?私は一発では満足しないタイプなの...♥とことんまで絞ってやるわ...♥」
私はそう言い、激しく腰を動かしていく。
「ハァ!ハァ!ハァ!」
「うぐぁ!あぐぅ!うああ!」
上下に動かしていくと、彼の肉棒が私の中を行ったり来たりして、さらに快感が体を駆け巡っていく。
もはや私は何も考えられなかった。ただ本能に身を任せ、腰を獣ように動かしていく。
彼もただ喘ぐだけになり、私の快感を享受していた。その彼の喘ぎ声が、私にとっては心地良いものであり、その声が私を満たしてくれる。
「ハァ!ハァ!どう...?♥ウィアードウ?♥私の中...?♥アァン!気持ち...良い?♥」
そう言いながらも、私は熱心に腰を振り続けた。
「ああ、良いよ!アラーニャ!もう...。うあぁ!出、出そうだ...!」
彼の私が求めているものを出す合図がきた。彼の肉棒も私の中でビクビクと震え、さっきよりも数倍も大きくなっている。
「えぇ!分かったわ!ウィアードウ!!私が全て!受け止めてあげる!」
そう言い放つと、私は彼の肉棒を全て私の中に収め、彼の肉棒と私の子宮をキスさせる。
「うわぁぁぁ!!アラーニャ!!!出る!!」
彼がそう言った瞬間、彼の肉棒が勢い良く震え、私の子宮に溶岩のように熱い液体が注ぎ込まれる。
「はあああああああぁぁぁぁ!!!!!♥♥♥」
出された瞬間、とてつもないほどの快感が襲い、私は体を勢いよく反り返らす。2回目だというのに、量は先程の倍ぐらい出続けた。2回目だというのに、こんなに気持ちが良いなんて...!♥
私は予想をしてなかった快感に疲れ果て、私は繋がったまま、巻き付かれたままの彼に体を寄せる。
「ハァ...。ハァ...。とても...気持ち良かったわ....♥」
私は息を整えつつ喋る。
「それは...。良かったです...。」
余裕が出てきたか、彼の口調は敬語に戻っていた。
「このまま...二人で...一緒に寝ましょう...?♥」
「ああ、そうだね...。二人で...一緒に...。」
私は彼を抱きしめ、彼の胸に顔を乗せ、目を瞑る。
彼も私を抱きしめてくれて、私は幸せを胸一杯に感じながら、眠った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「え!?あなたは私みたいな昆虫型の魔物娘と結婚するために旅をしていたの!?」
「はい、そうです。」
あの後、起きた私達は川に行き、二人の体液が付いた体を洗い流した。洗い流している時、彼の裸体があまりにも美しくて、我慢できずに抱きつき、2、3回ぐらいヤッてしまったけど、彼もその気だったようで、別に拒まれることは無かった。
その後、私達は私の巣まで戻り、彼専用のハンモックを私の糸で作ってやると、まるで欲しい物を貰った子供のように目を輝かせ喜んだ。その姿はとても微笑ましいものだった。
そして現在、彼はハンモックの上に寝転び、私は赤子をあやすように寄り添い、彼の旅の目的を聞いて驚いているところだ。
「でも...。何でそんな理由なの?」
とても不可思議だ。そんな理由で旅をする人なんてこの世にいるのだろうか?
すると、彼は笑いながらこう答えた。
「子供の頃、虫がすきだったんです。あのかっこいいデザインや、人間には無い特徴的な身体機能。その全てに惹かれました。そして、いつか思ったんです。虫のようなお嫁さんを貰えるならなーって...。」
その言葉を聞いて私は絶句する。虫が好きだといっても、それはあまりにも異常すぎる。というか、子供の頃からそんなことを思っているなんて、なんて人なの!?
そんな思う私を尻目に、彼は語っていく。
「そしたら、私が20才の頃、魔物が魔物娘という美しい女性の姿を持つようになり、人を喰うのではなく、愛する存在になったのだと。私はとても喜びました。魔物の中には昆虫型の魔物がいると聞いていたので、私はすぐさま家を飛び出し、昆虫型の魔物娘を嫁にする旅に出ました。」
「え、親はどうしたの?」
「親は許可してくれました。今のことを直球で言ってみたら、「お前の人生だから、好きにやりなさい」って言われましたよ。」
そんなことを許可する彼の親は寛大なのか、はたまた、呆れていただけか。いずれにせよ、そんな目的で旅に出さすなんて、すごい親だ。
「後、なんで私なの?昆虫系の魔物といえば、マンティスやら、ギルタブリルやらがいるじゃない。」
「それは、虫の中では蜘蛛が大好きだったからです。あの暖かそうな毛、つぶらな瞳、そして8本足で歩くかっこよさ。それが好きでした。」
彼が嬉しそうに蜘蛛の気に入っているところを述べていくが、私にはちっとも分からなかった。毛や足は百歩譲ってまだ分かるとしても、つぶらな瞳?蜘蛛の瞳ってそんな魅力があるかしら?まぁ、私達アラクネもこの目で様々な男達を魅了しているし、分からないでもないけど...。やはり、彼の感性はおかしい。
「だから、結婚するならあなたみたいな蜘蛛の形をしたアラクネが良かったんです。けど、いつまで経っても見つかりませんでした。」
え?いつまで経っても?彼、何才なのかしら?
「ちょっと待って。あなた、いまいくつなの?」
「今年で25才になります。」
25才!?私は18才だと思っちゃったわ。こんなに可愛い顔して結構歳くってるのね。
「つまり...5年間ずっと私のようなアラクネを捜していた訳?」
「はい、そうなりますね。」
その間、彼みたいないい男が他の魔物に襲われなかったのが不思議だ。
「他の魔物娘には襲われなかったの?」
「襲われました。けど、子供の頃山の中で虫を採っていたので、身体能力には自信があったんですよ。けど、それだけではまかなえないので、魔物娘を褒めちぎって意識をどこかへ向けさせ、その隙に逃げ出すことを続けました。」
なんて男だろう。ただでさえ逃げ切ることができない魔物娘達から逃げ切れるなんて。変人だけど、ただ者ではないわね。変人だけど。
「その毎日を続けてきたある日...いや昨日の夜ですね。この森にアラクネが出るという情報を町の人から聞きま
して、危険を承知で魔物娘に襲われやすい夜に行きました。そしたら、あなたのような美しいアラクネに出会い、私は心の底から嬉しがりました。」
「じゃあ私が聞いた「ヨッシャ!」て、歓喜の声だったの?」
「そうなりますね。心の中で言ったのですが、あなたに言われて声に出していたことを知って、恥ずかしかったです。」
まぁ、私も心の中で言ったことを口に出しているから、その気持ちはよく分かるわ。でも、この声はちゃんと心の中でしか言ってないはず。
「その後は、あなたが一番知っていますよね?」
微笑みながら私の方へ問いかける。まぁ、昨日の事だし、第一私が襲ったんだから、私が言ったことも、彼が言ったことも、ヤッたことも、全部覚えている。
「でも、私に襲われて...良かったの...?」
私は心配そうに眉をしかめ、彼にそう訊いた。
すると、彼は笑い、私の心配を吹っ飛ばすように、優しい声でこう言った。
「さっきも述べた通り、私はあなたに会うためにここに来たんです。悔いはありません。むしろ嬉しいくらいで
す。あなたのような素敵な女性に会えて。」
そんなことを言われて私の体の中が熱くなっていく。さっきもしたばかりだというのに、私の子宮が疼いていく。
我慢できなくなり、彼の寝転んでいるベッドにのし掛かり、彼を糸で巻いていく。
「ア、アラーニャ?ま、またやるんですか?」
分かりきったことを彼は訊く。そんなのもう決まっているじゃない...♥
「ええ、そうよ♥だって、あなたは私のご主人様なのだから...♥」
そのまま、私達は一つになり、その行為は夜中まで続いた。
夜、鈴虫や魔物娘の喘ぎ声が響く中、私は一人寂しく木と木の間に巣を張り、寝転んでため息を吐く私ことアラクネのアラーニャ・アルカーノは、あることで落ち込んでいた。
「何であそこで川に飛び込むかなぁ...。」
それは、以前通り掛かった旅人を旦那様にしようと追い詰めた時、逃げられたことが原因だった。
私は逃げられないように崖まで追い詰めたのに...。あろうことか、あの旅人は「君は良い女性だけど、僕には旅を続けなくてはいけない理由があるんだ。」とか言って崖下の川に飛び込んでいったの。
何が良い女性よ!良い女性と思うならば私に黙って巻かれてなさいよ!コンチクショー!
そんな行き場のない怒りを巣を殴りぶつけていく。当然、破れてはいけないので軽気だった。
「はぁ...。あそこで糸を吐いて捕まえていたらなぁ...。」
再度溜め息が出る。それほど逃げられたのが悔しかったのだ。
今鏡を見たらどんな顔をしているのだろう。とても悲しそうな顔をしているのか、はたまた怒りに満ちた表情をしているのか、どっちか分からないが凄い表情をしているのだろう。
「あれから一週間...。誰も来てないわ...。あー、誰か来てちょうだい!」
いつも何年間も待ち続けたのだが、今回は彼を逃した反動で我慢が効かなくなっていた。誰でも良い。私を満たしてくれる人なら誰でも良い!誰か来て!お願い!
そう思った時だった。カサッ...。どこからか草木が揺れる音がした。
「...ッ!?」
その時、私は驚くほど冷静に身を潜め、声を出さないようにした。今、確かに音がした。草木が揺れる音だ。
多分魔物ではないはず。この辺の魔物は夜になると眠るか、男と後尾をするからだ。だったら人間?人間がこの近くにいるの!?
そう思った私は感極まりそうだったが、その気持ちを抑え、その音が近づくのを待った。
カサッ、カサッ、カサッ。どんどんと私のほうへ近づいてくる。
そして、その音が私の真下まで来た。その時、私はゆっくりと視線を下に落とす。
そこには、私が求めていた男の姿があった。右手にはカンテラを持っていた。
「男...!」
「ん...?誰だい...?」
彼が上を向いた瞬間、私は心の中で思った声が外に出ていたことに気付く。
あぁ、もう!私の馬鹿!何で声に出しちゃうのよ!これじゃあ、彼に気付かれることなく捕まえる作戦が台無しじゃない!
そんなことを思っていると、彼の方から私に声を掛けてきた。
「あのぉ...。あなたは、アラクネでしょうか...?」
そんな事を言われ、私は心底驚く。何で分かったの!?カンテラを持っているとはいえ、この辺はかなり暗く、この木の上までははっきりと見えないはず...!
何故気付いたのか気になった私は、そのことを彼に訊いた。
「な、何で分かったの?この辺はカンテラを持っていても暗いはずなのに...。」
すると、彼はこう答えた。
「木に登っているということは、アラクネかと思いまして...。その質問をしたということは肯定と受け取っていいんですよね?」
彼は続けてそう訊いてきた。まぁ、私が何故分かったかを訊いている時点認めてるものだし、否定をするつもりは毛頭なかった。
「ええ、そうよ。私はアラクネよ。それを訊いてどうするつもり?」
私がそう答えると、彼のほうから「ヨッシャ!」という声が聞こえてきた。
「何が「ヨッシャ!」なの?」
「あ、いえ!独り言です!」
慌てふためいて彼は答える。「ヨッシャ!」って、どんな独り言なのかしら?
「あのぉ...。すみません、頼みがあるんですけどぉ...。」
彼は頼み事を申してきた。正直、私の正体が魔物と知ってこんだけ話してくる人は初めてだ。
「頼み事?いいわ、言ってみなさい。」
私はその頼みを聞くことにした。多分、糸を分けて下さいとかそんな事を言うのだろう。そう言ったら迷わず私の糸でグルグル巻きにしてやる!
だが、彼の言った頼みは私が予想もしなかった事だった。
「あなたの体を見せてはくれませんか?」
私は耳を疑った。アラクネと分かっていてそんなことを言う男がいるとは思わなかった。
「いいけど、私はアラクネよ。それでもいいの?」
私が憂い混じりにそう言うと、彼は嬉しそうにこう言った。
「いや、あなただから良いんです!ですから、少し見せて頂けますか?」
あなただから良い。そんなことを言われた瞬間、私の体は火照った。嘘をついているかもしれない。けど、彼の
口ぶりからして嘘とは思えない。
そんな事を考えている間に、私の口が勝手に動き出し、こう言い放った。
「え、ええ、見せてあげるわよ。」
そう言った瞬間私は自分の口を両手で覆った。何てことを言ってるのかしら!いや、言ったのは私だけど、自分がさっき言った言動が信じられない。
「いいんですか!?ありがとうございます!!」
彼が子供のように元気よくお礼する。ああ、もう!私があんなことを口走ったらから彼が期待しているじゃない!
でも、彼になら私の姿を見せてもいいと思う。彼がどんな人か知らないけど、そう思う。私の方も良いって思ってるし。
そう考え、私は立ち上がり、巣から出て、木を降りていく。
「おお...。あなたがアラクネ...。」
彼は私の姿をカンテラで照らし、そして私の体を凝視する。あんなに目を輝かせて見られていると、少し恥ずかしい。
「そんなにじろじろ見ないでくれないかしら...。少し恥ずかしいわ...。」
「あ、すみません!とてもお美しいので...少し、見とれてしまいました...。」
「そんなこと言っても、何も出ないわよ。」
突っ張るねるような目線を送りながら言った。けど、そんなことを言われて、内心とてもうれしかった。
そういえば、彼の名前を聞いていなかった。
「そういえば、あなたの名前は何なの?」
そういうと、彼は畏まるかのように気をつけをし、名前を述べた。
「す、すみません!名前を名乗ってなくて...。私の名前は、ウィアードウ・ウルツビアと申します。」
ウィアードウ・ウルツビア。良い名前じゃない。
「そう。私の名前は、アラーニャ・エルカーノと言うわ。よろしくね。」
そう言って私は信頼の証として手を差し出す。すると、彼はその手を両手で握ってきた。
「はい!よろしくお願いします!」
元気よく返事をして、満面の笑みを浮かべる彼は、とても可愛らしく、その笑みを見ているだけで体の中が熱くなっていった。
「あのぉ...。アラーニャさん。」
「アラーニャでいいわよ。」
さん、なんて、私には似合わないし、言われることも好まなかったため、そう言った。敬語は多分彼の癖なのだろう。言っても直してはくれないと思ったので、やめておいた。
「あ、では、アラーニャ。まだ頼みことがあるんですが...。いいですか?」
「え、まだあるの?」
こんなに頼みこんできた男は初めてだ。
「あ、嫌でしたか?」
何かに裏切れた子供のように残念そうな顔で訊いてくる。そんな顔をされると、断れなくなってしまう。
「別に、いやじゃないけど...。で、次は何よ?」
今度こそ糸を要求してくるに違いない。そうしたら糸でグルグル巻きにしてやるわ!
しかし、彼の次の頼み事はまたしても私の予想を裏切るものだった。
「その蜘蛛の体を触らしてくれませんか...?」
今、彼はなんと言った?私の女性の上半身に触らず、蜘蛛の下半身を触ってくるよう願ってくるなんて...。
やはり、彼はおかしいようだ。しかも、この蜘蛛の下半身は私の敏感な所だというのに...。
けど、別に触らしても良かった。彼なら触らしても良いと思った。それは、私の事を嫌悪しない人という理由ではなく、単純に早く触って欲しかったからだった。
「ええ、良いわよ。」
そう言うと、彼は「いいんですかァ!?」なんて言って驚いて子供のように喜んだ。その彼の嬉しがる姿を微笑ましく思い、私は口角上げた。
しばらく見ていると、彼がハッとしたようにこちらを見つめ、恥ずかしそうに取り繕う。その姿を見て私はまた口角を上げた。
「すみません...取り乱したりして...。それでは、触らして貰います。」
そう言うと、私の蜘蛛の腹の部分を優しく撫で上げる。その撫で方をくすぐったく思い、私は少し声を上げてしまう。
「ん!」
そう声を上げた瞬間、彼は驚き、触るのをやめ、私から離れる。
「あ、すみません!痛かったですか!?」
「別に痛くは無かったわよ...。ただ単にくすぐったかっただけ。」
彼にそう言うと、彼は安堵の表情を浮かべ、ほっとしたように「良かったぁ...。」と呟いた。
「それでは、気を取り直して、触らせて頂きます!」
そう言って、彼はまた蜘蛛の腹を撫でる。くすぐったかったが、彼に心配されないよう声を押し殺した。
「へぇ...。アラクネの体の感触ってこうなっているのか...。小さい頃触った蜘蛛の感触と全然違うなぁ...。」
「と、当然よ。わ、私の毛並みは!い、いつも手入れしているん!だから...。」
くすぐったくて声がうわずりそうなのを、なんとか押さえながら喋る。正直、撫でられているだけで体の中が熱くなっていく。
そんな私の感情などお構いなしに、彼は蜘蛛の下半身の胴体、足などを触っていく。
「ふぅーん...。こうなっているのかぁ...。」
まるで何かを研究している学者のような口ぶりで、蜘蛛の下半身を満遍なく触っていく。
その間私はくすぐったいのを通り過ごして、感じていた。現に、私は口からよだれを垂らし、眉をひそめ、小さな声を上げていた。多分、目尻には涙を溜めているに違いない。
「へぇ...。ここがこうなって...こうなっているのかぁ...。」
もはや限界だった。多分、後一押しあればイッてしまうかもしれない。その時だった。
「アラーニャ、触らしてくれてありがとうございました。」
彼はお礼を述べて、私の蜘蛛の下半身を触ることをやめる。え、やめちゃうの...?私は気持ち良くなっていないのに...。あなただけ欲求を満たしたなんて...。ひどい...。ひどい男...。
その瞬間、私の中の何かが吹っ切れた。
「ア、アラーニャ...さん?どうかしましたか...って、うわ!?」
彼が私の顔を覗き込んだ瞬間を狙って、彼を押し倒す。痛がるかと思ったが、どうやら草木がクッションになってくれたおかげでそれほど痛がってはないようだった。
「あの...えっと...。アラーニャ?」
「ウィアードウ...。あなたはひどい人だったのね...。」
私は、目に涙を浮かべ、切なげにそう呟いた。
「え、ひどい人!?な、何か悪いことでもしましたかァ!?
目を丸くして驚く彼。まったく、とぼけた振りをしてもだめだというのに...。
「ええ、したわ。あなたは自分だけの欲望を満たそうとした...。」
私はそう言いながら、蜘蛛の胴体の先端で糸を吐き、彼に巻いていく。こうしなくても彼は抵抗できないのだが、アラクネとしての本能がこの行為を気に入っていた。
「自分だけの欲望を...?」
「ええ、そうよ。私のことなんかちっとも考えずに、自分を満たそうとした...。」
そう言い終わると、彼の巻き付けが完了した。しかし、これからのために彼の足の付け根部分は薄くしておいた。
「す、すみません...。私に手伝えることがあれば何でも言ってください!」
彼は私達魔物娘に対して絶対言ってはいけない言葉を発した。その言葉を発したということは、襲ってもいいという肯定になることだというのに...。
「今、何でもすると言ったわよね...?」
「え?は、はい...。」
彼の返事を聞き、私はすぐさま彼のズボンをひざまで下ろす。糸で巻かれていても糸の扱いに長けているアラクネなら簡単に脱がせれた。
すると、彼の肉棒はすでに固くなっており、何かを期待するように先端から汁を出し続けていた。
「え、ちょ!?アラーニャ!?」
彼はそれを見られて恥ずかしいと思ったのか、慌てふためいてもがこうとする。無駄だというのに...。もしかして早く気持ち良くして欲しいのかしら?
そう思ったら、私の体の中がドンドンと熱くなり始めた。
「じゃあ...。私の欲望を満たすお手伝いをしてちょうだい...♥」
そう言って彼を見下すような視線で見つめ、舌なめずりをする。
その私を見た彼の表情は、悩ましげに眉をひそめ、どこか期待をしている目で私を見ていた。ドMなのかしら?まぁ、そんなことは今から分かることだし、別にいいわ。
私は彼の肉棒を掴み、根本に糸をきつく巻いていく。
「この糸はね...?凄い粘着性があるのよ...?♥だから、私がほどかない限り、簡単には離れないわよ...♥」
巻き終わり、私は舌を出して、彼の肉棒の先端を舐めていく。特に、カリや鈴口の部分を丹念に舐めていく。
「うあぁ...。うぐぅ...。ああ...。」
彼は悩ましげに眉をひそめ、嬌声を上げていく。その声を聞いた私は嬉しくなり、次に彼の肉棒を口いっぱいに
頬張り、上下にゆっくりと動かしていく。
「うああぁ...!あうあぁ....!」
そうした瞬間、彼の嬌声が一段と大きくなった。ああ、なんて良い声なのかしら...♪もっと聞かせて頂戴...♪
そう思い、私はゆっくりとした動きから、徐々に早くしていく。
「ああぁ!うあぁ!ううあぁぁ!」
彼は苦しそうに声を上げていく。それもそのはず、先程巻いた糸は彼の射精防止のためだからだ。現に彼の肉棒はビクビクと震えている。彼は出せないもどかしさに苦しんでいるのだろう。
そして、私は彼の肉棒を頬張るのをやめ、両手で握り、鈴口を舐めて、こう囁く。
「出したいでしょう...?♥ウィアードウ?♥」
すると、彼は苦しそうに顔をゆがめながら、私にこう呟いた。
「ああ...出したい...。出したいよ...アラーニャ...。」
彼の懇願する言葉を聞いた私は、彼の肉棒に巻いていた糸をほどいていく。
そして、おもむろに立ち上がり、自分の秘所がある場所に手を伸ばし、こう言った。
「見て♥ウィアードウ...♥今から私のここに入っていくのよ...?♥」
私はそう言って、人間の体と蜘蛛の体の境目にある秘所を自らの手で広げ、彼の見せびらかす。
「ああ...見えるよ、アラーニャ...。とても...きれいだ...。」
彼は敬語を使うことすら忘れ、そう感想を述べた。一言だけだけど、それでも私は満足だった。
そして、我慢が出来なくなった私は、彼のビクビク動いている肉棒を優しく捕まえ、角度を調整し、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「ほら...♥入ってちゃうわよ...?♥私の中に...♥」
彼の肉棒の先端が入り、どんどん私の中に入っていく。それだけでもめちゃくちゃ気持ち良い。けど、これでは満足は出来ない。もっと奥深くまで入れたい...!
そう思い、私はどんどん腰を下げていき、ついに彼の肉棒が全て私の中に入った。
「はああああああああぁぁぁぁ!!♥♥♥」
「うわああああああぁぁぁ!!!」
入った瞬間私と彼は同時に叫び声ともとれる歓喜の声を上げ、私の中に熱い滴りを出していく。その瞬間、全身に痺れるような快感が走り、頭をのけぞらす。中に出されるのがこんなに気持ち良いなんて...♥
彼の方に視線落とすと、過呼吸でも起こしているかのように、ハァ、ハァ、と息を吐き続けていた。
そんな彼を尻目に、私は一度落とした腰を勢い良く持ち上げた。
「あぁん!!♥」
「うはぁ!」
またしても同時に喘ぐ私と彼。少し動かすだけでも痺れるほどの快感が全身に走った。多分彼もそんな感じだろう。
「何をへばっているのかしら?ウィアードウ?私は一発では満足しないタイプなの...♥とことんまで絞ってやるわ...♥」
私はそう言い、激しく腰を動かしていく。
「ハァ!ハァ!ハァ!」
「うぐぁ!あぐぅ!うああ!」
上下に動かしていくと、彼の肉棒が私の中を行ったり来たりして、さらに快感が体を駆け巡っていく。
もはや私は何も考えられなかった。ただ本能に身を任せ、腰を獣ように動かしていく。
彼もただ喘ぐだけになり、私の快感を享受していた。その彼の喘ぎ声が、私にとっては心地良いものであり、その声が私を満たしてくれる。
「ハァ!ハァ!どう...?♥ウィアードウ?♥私の中...?♥アァン!気持ち...良い?♥」
そう言いながらも、私は熱心に腰を振り続けた。
「ああ、良いよ!アラーニャ!もう...。うあぁ!出、出そうだ...!」
彼の私が求めているものを出す合図がきた。彼の肉棒も私の中でビクビクと震え、さっきよりも数倍も大きくなっている。
「えぇ!分かったわ!ウィアードウ!!私が全て!受け止めてあげる!」
そう言い放つと、私は彼の肉棒を全て私の中に収め、彼の肉棒と私の子宮をキスさせる。
「うわぁぁぁ!!アラーニャ!!!出る!!」
彼がそう言った瞬間、彼の肉棒が勢い良く震え、私の子宮に溶岩のように熱い液体が注ぎ込まれる。
「はあああああああぁぁぁぁ!!!!!♥♥♥」
出された瞬間、とてつもないほどの快感が襲い、私は体を勢いよく反り返らす。2回目だというのに、量は先程の倍ぐらい出続けた。2回目だというのに、こんなに気持ちが良いなんて...!♥
私は予想をしてなかった快感に疲れ果て、私は繋がったまま、巻き付かれたままの彼に体を寄せる。
「ハァ...。ハァ...。とても...気持ち良かったわ....♥」
私は息を整えつつ喋る。
「それは...。良かったです...。」
余裕が出てきたか、彼の口調は敬語に戻っていた。
「このまま...二人で...一緒に寝ましょう...?♥」
「ああ、そうだね...。二人で...一緒に...。」
私は彼を抱きしめ、彼の胸に顔を乗せ、目を瞑る。
彼も私を抱きしめてくれて、私は幸せを胸一杯に感じながら、眠った。
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「え!?あなたは私みたいな昆虫型の魔物娘と結婚するために旅をしていたの!?」
「はい、そうです。」
あの後、起きた私達は川に行き、二人の体液が付いた体を洗い流した。洗い流している時、彼の裸体があまりにも美しくて、我慢できずに抱きつき、2、3回ぐらいヤッてしまったけど、彼もその気だったようで、別に拒まれることは無かった。
その後、私達は私の巣まで戻り、彼専用のハンモックを私の糸で作ってやると、まるで欲しい物を貰った子供のように目を輝かせ喜んだ。その姿はとても微笑ましいものだった。
そして現在、彼はハンモックの上に寝転び、私は赤子をあやすように寄り添い、彼の旅の目的を聞いて驚いているところだ。
「でも...。何でそんな理由なの?」
とても不可思議だ。そんな理由で旅をする人なんてこの世にいるのだろうか?
すると、彼は笑いながらこう答えた。
「子供の頃、虫がすきだったんです。あのかっこいいデザインや、人間には無い特徴的な身体機能。その全てに惹かれました。そして、いつか思ったんです。虫のようなお嫁さんを貰えるならなーって...。」
その言葉を聞いて私は絶句する。虫が好きだといっても、それはあまりにも異常すぎる。というか、子供の頃からそんなことを思っているなんて、なんて人なの!?
そんな思う私を尻目に、彼は語っていく。
「そしたら、私が20才の頃、魔物が魔物娘という美しい女性の姿を持つようになり、人を喰うのではなく、愛する存在になったのだと。私はとても喜びました。魔物の中には昆虫型の魔物がいると聞いていたので、私はすぐさま家を飛び出し、昆虫型の魔物娘を嫁にする旅に出ました。」
「え、親はどうしたの?」
「親は許可してくれました。今のことを直球で言ってみたら、「お前の人生だから、好きにやりなさい」って言われましたよ。」
そんなことを許可する彼の親は寛大なのか、はたまた、呆れていただけか。いずれにせよ、そんな目的で旅に出さすなんて、すごい親だ。
「後、なんで私なの?昆虫系の魔物といえば、マンティスやら、ギルタブリルやらがいるじゃない。」
「それは、虫の中では蜘蛛が大好きだったからです。あの暖かそうな毛、つぶらな瞳、そして8本足で歩くかっこよさ。それが好きでした。」
彼が嬉しそうに蜘蛛の気に入っているところを述べていくが、私にはちっとも分からなかった。毛や足は百歩譲ってまだ分かるとしても、つぶらな瞳?蜘蛛の瞳ってそんな魅力があるかしら?まぁ、私達アラクネもこの目で様々な男達を魅了しているし、分からないでもないけど...。やはり、彼の感性はおかしい。
「だから、結婚するならあなたみたいな蜘蛛の形をしたアラクネが良かったんです。けど、いつまで経っても見つかりませんでした。」
え?いつまで経っても?彼、何才なのかしら?
「ちょっと待って。あなた、いまいくつなの?」
「今年で25才になります。」
25才!?私は18才だと思っちゃったわ。こんなに可愛い顔して結構歳くってるのね。
「つまり...5年間ずっと私のようなアラクネを捜していた訳?」
「はい、そうなりますね。」
その間、彼みたいないい男が他の魔物に襲われなかったのが不思議だ。
「他の魔物娘には襲われなかったの?」
「襲われました。けど、子供の頃山の中で虫を採っていたので、身体能力には自信があったんですよ。けど、それだけではまかなえないので、魔物娘を褒めちぎって意識をどこかへ向けさせ、その隙に逃げ出すことを続けました。」
なんて男だろう。ただでさえ逃げ切ることができない魔物娘達から逃げ切れるなんて。変人だけど、ただ者ではないわね。変人だけど。
「その毎日を続けてきたある日...いや昨日の夜ですね。この森にアラクネが出るという情報を町の人から聞きま
して、危険を承知で魔物娘に襲われやすい夜に行きました。そしたら、あなたのような美しいアラクネに出会い、私は心の底から嬉しがりました。」
「じゃあ私が聞いた「ヨッシャ!」て、歓喜の声だったの?」
「そうなりますね。心の中で言ったのですが、あなたに言われて声に出していたことを知って、恥ずかしかったです。」
まぁ、私も心の中で言ったことを口に出しているから、その気持ちはよく分かるわ。でも、この声はちゃんと心の中でしか言ってないはず。
「その後は、あなたが一番知っていますよね?」
微笑みながら私の方へ問いかける。まぁ、昨日の事だし、第一私が襲ったんだから、私が言ったことも、彼が言ったことも、ヤッたことも、全部覚えている。
「でも、私に襲われて...良かったの...?」
私は心配そうに眉をしかめ、彼にそう訊いた。
すると、彼は笑い、私の心配を吹っ飛ばすように、優しい声でこう言った。
「さっきも述べた通り、私はあなたに会うためにここに来たんです。悔いはありません。むしろ嬉しいくらいで
す。あなたのような素敵な女性に会えて。」
そんなことを言われて私の体の中が熱くなっていく。さっきもしたばかりだというのに、私の子宮が疼いていく。
我慢できなくなり、彼の寝転んでいるベッドにのし掛かり、彼を糸で巻いていく。
「ア、アラーニャ?ま、またやるんですか?」
分かりきったことを彼は訊く。そんなのもう決まっているじゃない...♥
「ええ、そうよ♥だって、あなたは私のご主人様なのだから...♥」
そのまま、私達は一つになり、その行為は夜中まで続いた。
13/12/04 22:19更新 / こりき