大切なもの
「ハァ、ハァ、行き止まりか...。しかし...ここまで.....来れば...もう大丈夫だろう...。」
息を切らし、切り立った崖の上にある木陰に座り、何者かが追ってこないかを確認する旅人。彼は、アントニオ・アスタリータ。町を転々とする旅人であり、今日はある町での滞在をやめ、次の町へ向かうべく森へ来ていた。
しかし、あるトラブルが発生してしまい、次の町へ向かうどころでは無くなってしまったのだ。
「クソ...。今日は厄日だなぁ...。」
俯きながら自分の運の無さを恨むアントニオ。
しかし、彼は何に追われているのでろうか?彼が追われることとなった前からお話しよう。
彼が追われる20分前。彼は右手に地図を、もう左手にはコンパスを、背中に荷物を背負って歩いていた。
「この地図を見ると....。この方角をまっすぐだな...。」
彼は地図に書かれている町の方向と方位磁石を交互に見ながら町のある方向を確認した。
この辺の森は同じ光景が広がっているので、地元の人達でしかその違いが分からず、初めて来た人が地図とコンパスを持たずにこの森を抜けることは至難の業であった。
その事を地元の住人から聞いていた彼は、町で雑貨屋で売ってあった森の細部まで書いてある地図とコンパスを持ってこの森に来ていたのだ。
「しかし本当に同じ光景ばっかだなぁ...。地元の人から話を聞いてなかったらどうなっていたか...。」
そんな事を苦笑しながら言う。彼には、このコンパスと地図さえあれば森で迷わないという確固たる自信があったのだ。
しかし、そんな自信はこの後に起こる事件であえなく消え去ることになる。
森に迷うことなく町の方角へ、進んでいくアントニオに対し、突如上から声が掛かる。
「あら?ここまで男の人が来るなんて珍しい...。」
その声に反応し、上を向くと、そこには木と木の間で巣を張っているアラクネがいた。
「や、やぁ...。こんにちは...。」
彼は魔物娘と出会い、その姿に臆しながらも、挨拶だけはしようと思い、声を掛けた。
一方アラクネは、こんな所まで男は滅多にこないものなので彼を自分の物にしようと考え、彼に警戒心を与えてはいけないと思い、挨拶の返しにこう言った。
「あらこんにちは。礼儀正しいのね。ねぇ、あなた?ここまで来て何をしているの?」
そう言って微笑む彼女。アントニオはその彼女の微笑みにどこか不気味な感情を感じつつ、話を続ける。
「それは...ええっと...この森を抜けたら、町があるからそこに行こうとしてたんだ...。」
彼はたどたどしく喋った。それが彼女に対する恐れなのか、それとも彼女美貌に見とれてしまってたのかは分からなかった。
「そうなの...?じゃあ、町へ行くよりもっと楽しいことしたくない...?」
色気がある声を出しながら、木から徐々に下り、アントニオに近づいていくアラクネ。
一方彼は、その楽しいことが大体予測が付き、いつでも逃げられるようにコンパスと地図を懐にしまい、身構える。
「そんなに身構えないで...。ほら、こっちに来て...。」
並大抵の人ならその囁きで落ちてしまうほどの色気だった。しかし、彼は旅の中で幾度も魔物娘からの誘惑を振り切ってきたのだ。初めの頃は誘惑に負けそうになったが、旅を続けたい一心で何度も振り切ってきたのだ。
アントニオはその誘惑に対し、おもむろに後ろを向き、足を上げ、手を一生懸命に動かし、逃げだした。
「逃げるんだよォ!!」
一方アラクネは自身の誘惑を振り切れる相手がいるとは思わなかったので、一瞬逃げる彼を見ながら動けなかったが、彼が見えなくなった後、すぐに木に登り、彼の追跡を開始した。
「逃がさないわ!私の旦那様!」
そういう訳で、今、アントニオは魔物娘アラクネに追われているのであった。
「よし、息が整ってきた。さて、行くか。」
木陰で休んだおかげで息が整った彼は、立ち上がり、懐から地図と方位磁石を取りだし、町の方角を確認する。その時だった。
「うふふ...♪見つけたわよ、旦那様...♪」
不意に上から声が掛かる。アントニオは大体誰が呼んだかは予測が付き、上を向くと、彼が思ったとおり、あのアラクネがいた。
しかし、彼は彼女が上にいたことよりも、彼女が言った言葉に反応した。
「え、旦那様って誰のことでしょうか?」
多分自分のことだと思いつつ、すっとぼけて周りを見渡す。
「とぼけなくてもいいのよ...?」
そう言いつつ、彼女はゆっくりと木から下りてくる。
そんな彼女に対し、アントニオもゆっくりと後ろに下がっていく。
「何で逃げるのぉ?」
彼女は甘い声を出して、彼に訊く。
「それは...。まだ旅を続けたいからさ...。」
そう彼は答えた。
「そんな些細な理由で?私と一緒になれば、もっと楽しいことが待っているのよ...?」
そう言いながらも、徐々にアントニオとの距離を詰めていく。
アントニオは逃げようとさらに後ろに下がるが、足を下げた先には崖があり、アントニオの重みで少し小さい石が数個川に落ちていく。
どちらに動いても逃げられない状況に、アントニオはある決断をすると、彼女にこう言い放った。
「君は良い女性だけど、僕には旅を続けなくてはいけない理由があるんだ。」
そう言い放つと、崖の方へ向き、数十メートル下に流れている川目掛け、飛び込んだ。
その行動にアラクネは唖然とし、蜘蛛特有の糸が吐けることを忘れ、真っ先に彼に手を伸ばす。
しかし、アントニオはその手を受け取らなかった。そして、そのまま一直線に頭から川に飛び込んでいき、やがて大きな水しぶきと大きな音がすると、アントニオは川の中で意識を失った。
意識を失っている間、彼は夢を見ていた。彼の家族の夢である。
いっしょにご飯を食べ、母親といっしょに過ごし、父親からこの世の色々な事を聞き、家族といっしょに笑いながら過ごす。そんな光景が彼の眼中で次々と映し出されていく。
その光景を見た彼は、夢の中だったが、涙が溢れてきた。何故、彼が涙を流したのか。それは彼の過去が関係していた。
彼は自分から望み旅人になったが、それは彼が18才の頃に亡くなってしまった父親が深く関係していた。
彼の父親は彼と同じ旅人であり、世界中を旅していた。しかし、30才の時に、運命とも思える出会いがあった。それは、彼がある町の宿屋に訪れた時に、看板娘と出会ったときだった。
その美貌に惚れた父親は猛アタックをし、彼女も彼の一途さに惚れ、二人は意気投合した。
そして、彼の生まれ育った村へ戻り、挙式を上げた。やがて、結婚した彼女は子供を産む。それがアントニオだった。
父親はアントニオを大切にした。時間がある時には、疲れていても一緒に遊んで上げた。
その生活はとても幸せなものであり、旅を生き甲斐としていた彼には、家族と一緒に楽しく過ごすという、新たな生き甲斐が出来ていた。
だが、そんな幸せな生活も長くは続かなかった。ある日、いつものように過ごしている彼に、突如として謎の激痛に見舞われる。
それは、魔術でさえ直せない不治の病であり、医者からも「長くは持たないでしょう」と言われる程であった。
結婚していた女性は深い絶望に覆われたが、彼の余生を無駄にはしないと、青年になったアントニオと一緒に話していた。
二人は奇跡を信じた。彼の病が治りますようにと、天に何度も祈った。だが、時は残酷に過ぎ去っていった。
彼は次第に弱っていき、徐々に二人との会話が減っていった。
そして、後数日で死ぬかもしれないという時、彼は夜、アントニオを呼んだ。
「何だい?父さん。」
戸を開けるやいなや、アントニオは明るく言った。それは、父親が後数日で死ぬかもしれないから、少しでも明るくいようと思ったからの行為だった。
「ああ...アントニオ.......お前に.....話したい事がある....。」
昔、旅に出ていたとは思えない程のしゃがれた声だった。
「アントニオ....私が...死んだら....旅に....私と同じように....出るんだ。」
「何言ってんだよ。父さん。父さんは...死にはしないよ。」
父親が言った「死ぬ」という単語を打ち消すかのように、アントニオは強めに言った。
「いや...私は....いずれ...死ぬ。だから...聞いておけ....。」
父親は再度「死ぬ」という単語を言った。アントニオは諦め、その言葉に何も言わず、ただ黙って聞いていた。
「旅へ出て....私と...同じように....大切なものを.....見つけてこい....。」
「大切な....もの....。」
アントニオは父親が言った言葉を復唱したが、まだ理解は出来なかった。
「そうだ....今は...理解できないだろうが.....いずれ....理解できるようになる...。」
そして、父親はこう告げた。
「だから....旅に出ろ.....アントニオ....。」
そう告げた後、彼は何も言わなくなった。
「父さん...?」
彼は何も言わなくなった父親を不審に思い、ベットに寝ている父親の方へ目を向ける。
父親はまるで死んだかのように目を瞑っていた。
「父さん...?ねぇ?父さん!」
父親は息をしていなかった。その事実を否定したい彼は、呼びかけ続けた。
「父さん!父さん!!父さん!!!!父さ.....うぅぅぅ.....!」
だが、父親がアントニオの名前を呼ぶことは無かった。彼は亡くなった。アントニオはその事実を受け止めたが、たまらず涙が溢れ出た。
そして、父親が寝ている部屋には、アントニオの咽せなびく声だけが、響いていた。
それから翌日、父親の葬儀が行われた。
彼は町の人から愛されており、彼の葬儀には町の住人がほぼ参加していた。
その光景を見たアントニオは、父親はとても凄い人だったのだと、改めて認識した。
やがて2日に渡る葬儀が終わった夜、母親にこう告げた。
「母さん....俺...旅に出たい。」
否定されるのを承知で言った。しかし、母親は否定することなく、微笑んでこう言った。
「あの人にそう言われたのね...。いいわ、行きなさい...。そして、見つけてきなさい....。」
そう言われたアントニオは、すぐさま荷物を準備し、旅の準備をした。
しかし、夜更けだということと、母親とまだ一緒にいたいという感情があり、すぐには出発しなかった。
アントニオは最後かもしれない母親との夕飯と会話を目一杯楽しんだ。子供のようにはしゃぎ、楽しんだ。
そして翌朝、彼は荷物を持ち、扉を開け、一歩を踏み出すと、振り向いた。そこには、母親が今にも泣きそうな顔でこちらを見つめていた。
「じゃあ、母さん。俺はもう行くよ...。」
そう言い、母親の額にキスをした。
「ええ、行ってらっしゃい...。」
母親は泣くのを我慢し、笑顔で彼を見送った。その表情はどこか悲しみを帯びているものだったが、アントニオは母親との別れを惜しみつつ、旅立っていった。
「んん....?あれ、ここは....どこだ...?」
目を覚ました彼は辺りを見渡す。周りは岩壁に覆われており、薄暗く、湿っていた。
しかし、自分が寝ている場所はベッドの上であり、よく見ると調理器具などが壁に掛かっており、誰かが生活していることは明確だった。
「やっと....起きた...。」
どこからか低い声が聞こえてきた。しかし、声質から幼い少女であることが分かった。
しかし、辺りを見回しても誰もおらず、どこからか声が聞こえてくるのかは分からなかった。
「大丈夫....?そんなに辺りをキョロキョロして....。」
どうやら、声はアントニオの寝ているベッドの中から聞こえてくるようだった。
その事を確認すると、彼はベッドの中を覗いた。すると、そこには目つきが悪い少女がアントニオの腹の上に乗りながらこちらを見つめていた。
よく見ると、彼女の耳には魚類の魔物娘特有のひれみたいなものが付いており、手も指と指の間に水かきが出来ており、人間ではありえないほどにでかかった。それを見たアントニオはこの子が魔物娘であることを確信した。
「君は...誰だい....?」
そんな状況に驚くことなく、彼はそう訊いた。
「名前を聞くのなら...まず自分から名乗って...。」
彼女は相変わらず低い声で、表情を崩すことなく、そう返してきた。そう言われたアントニオはハッとし、まず自分の名前を名乗ることにした。
「ああ、えっと...。僕の名前はアントニオ...。それで、君の名前は...?」
「...アンドレア...。」
彼女はそう名乗った。
「アンドレア...。良い名前だね...。」
アントニオはそう褒めた。しかし、アンドレアはそのことに喜びを感じたが、感情を表情に出すことが苦手な彼女は無表情のままだった。
「それで...助けてくれたのは君かい?」
「そう....私が泳いで川の魚を捕っている時....不意に大きな音が鳴り響いて....一度水面から顔を出してみると、あなたがいた....。」
彼女からそんな事を聞き、彼女が通りかかっていなかったら死んでいただろうと、アントニオはそう思った。
「助けてくれたのか...ありがとう。」
アントニオは心からお礼を述べた。
「別に....当たり前のことをしただけ....。」
アンドレアは少し照れ、アントニオから顔を伏せた。
アントニオはその照れている顔を微笑ましく思いながら見ていた。
「そう言えば....アントニオが寝ている時....泣いてた...。」
恥ずかしくなったアンドレアは話題を変えた。
「泣いてた....?僕が....?」
「うん....泣いてた...。」
アントニオはその自覚がなかったが、自分の顔を触ってみると、確かに頬に一筋の生暖かい液体が伝っていた。
「確かに...そうだね...。」
「どうしたの....?,,,何か...怖い夢でも見たの....?」
アンドレアは無表情だったが、彼を心配する気持ちは本当だった。
「怖い夢....。」
アントニオはさっきまで見ていた夢を思い出した。家族の楽しい一時や、父親との別れ、今となって何故あんな夢を見たのかは分からなかった。
すると、アントニオの目から一筋の液体が出てきた。
「うう....うぅ....うぐぅ....!」
そして、堰を切った水が流れ出すようにアントニオの目から涙が溢れ出してきた。
「ア、アントニオ...!?だ、大丈夫....?」
アンドレアは急に泣き出したアントニオに驚き、彼の体を這い上がり心配する。
「ううぅ....父さん....!うううぅ.....!」
アントニオは顔をしかめ、うわごとのように父親のことを言い続けた。
一方アンドレアは、彼が何を言っているのかは分からなかったが、アントニオをどうやって泣き止まそうと考えた末、ある決断をする。
そして、彼の顔に近づき、彼の唇を奪った。
「んん!?」
アントニオは一瞬何をされているか分からなかったが、彼女に口づけをされていることに気づき、さらに驚いた。
「んんん...。」
一方アンドレアは彼とのキスに喜びや快感を感じ、目を瞑りながら彼とのキスを享受していた。
「んん....ぷはぁ...。」
やがて、アントニオの唇とアンドレアの唇が離れる。二人の唇の間には銀色のアーチが掛かっていた。
「アンドレア....何を....?」
アントニオが言いかける前に、アンドレアは人差し指を彼の唇の前に出した。
「アントニオ....。泣かないで...。泣くと....私まで悲しい気持ちになってしまう....。」
そう言ったアンドレアの表情は、アントニオが今まで見た中で一番変化していた。
目がトロンとして、目尻に涙を溜めており、口からは白い息が漏れだしていた。
「ああ、ごめん....アンドレア...。もう....泣かないよ...。」
その表情を見たアントニオは、彼女の真剣さが伝わってくるかのようだった。そして、涙を拭きながら、彼女に対し、泣かないと宣言した。
「んん...アンドレア...?何を見ているんだい....?」
涙を拭き終わり、アンドレアの方へ視線を戻すと、ある方向を向いていた。
そこは、先程のキスで大きく怒張してしまったアントニオの分身だった。
「ア、アンドレア!そこはちが....いっ!?」
アントニオが言い終わる前に、アンドレアは何も言わず彼の分身を撫でた。
「アントニオのここ....すごく...大きくなってる....。」
アンドレア嬉しそうに言いつつ、ゆったりとした手つきで彼の分身を撫で続ける。
「ううぅ....くぁ...。」
アントニオは旅に出てる身だったが、女性経験は無く、こんなふうに女性に自分の分身を撫でられること自体初めてだった。
「すごい....ズボン越しでもビクビクいってるのが分かる.....。」
彼女は嬉しそうに微笑みながら、彼の分身の反応を楽しんだ。
「うあぁ......アンドレア....もう...我慢できない....。」
ゆっくりと撫で続けられ、我慢が効かなくなったアントニオは彼女にそう告げた。
「うん...♥アントニオ....一つに...なろう?」
アントニオに微笑みかけ、彼の分身で張ったズボンを下げていく。
すると、彼の分身が待ってましたと言わんばかりに、我慢汁を出しながら固く反り返る。
そんな光景をみた彼女は、歯止めが効かなくなり、彼に分身の上に跨がり、自らの秘所と口づけさせる。
「うわぁ!?」
「あぁ!!」
その快感に二人は同時に喘いだ。
しかし、二人はそれだけでは満足せず、この後の行為を求めていた。そして、アンドレアはその快感に耐えつつ、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「ふうううううぅぅぅ....!!」
「うあぁぁぁ...!」
遂に彼女の中に彼の分身が全て入った。そのあまりの快感に彼女の顔はとろけたように目をトロンとさせ、口は開きっぱなしになり、よだれが垂れアントニオの胸に垂れていく。
「ハァ、ハァ.....どう、アントニオ?.....気持ち良い....?」
とろけた表情で彼にそう訊いた。
「あ、あぁ.....とても....気持ち良い.....。」
彼のその返事を聞いたアンドレアは、腰をはげしく上下に動かし始めた。
「うああぁ!?ちょ....アンドレア...!?いきなり.....激しい....!」
彼は快感に耐えつつ言ったが、彼女はそれに応じることなく、激しくしたままだった。
「ハァ、ハァ!あぁん...!ん、んん!」
アンドレアはさらに彼を愛そうと、彼の顔に近づき、唇を重ねた。
「ん!んん....んん...。」
彼女の行為に驚いた彼だったが、徐々に彼女との口づけを享受した。
「んん.....ん....んん。プハァ!!ア、アンドレア!!もう、出そうだ!!!」
彼女との長い口づけが終わった後、喘ぎながらそう言った。
「ハァ、ハァ!いいよ...出して!」
そう告げられたアントニオは彼女の奥に自分の分身を突っ込み、分身の先端を子宮の入り口に口づけさせる。
そして、それを皮切りに彼の分身から溶岩のような熱さの液体が大量に放出される。
「はあああああああぁぁぁぁ!!!♥♥♥」
「うああああああぁぁぁ!!!」
アントニオはその精液を出した快感に、アンドレアはその精液が子宮に満たされる快感に、喘いだ。
そして、1分間ぐらいの射精が続き、やっと彼の分身から精液が放出されなくなった。
「んはぁ.....♥」
アンドレアはそのまま彼の体に寝転ぶ。その表情は、先程まで無表情に彼と接していたとは思えない程、とろけていた。
「はぁ...はぁ...アンドレア....気持ち...良かったよ...。」
そう言って彼女の頭を撫でる。
「そう....良かった.....♪」
撫でられた彼女は嬉しそうに微笑む。
その微笑む彼女を見たアントニオは、彼女の中に入ったままの分身をまた大きくさせてしまう。
「あん...♪アントニオ....また大きく....♪」
「ああ、ごめん....。君の微笑む顔が可愛く思えたからさ...。」
そんなことを口走る彼に、アンドレアの顔が赤く染まった。
「ねぇ...?もう一回...しよ...?」
「ああ...そうだな...。」
そして、二人はまた交わりを再開した。
その後、二人は一日中交わり、気がついたら朝になっていた。
二人は共に生まれたままの姿でベッドに横たわり、天井を向いていた。
「ねぇ...?アントニオ...。」
不意にアンドレアが呼んだ。
「ん?何だい?」
「もしあなたに悲しいことがあったとしても....私が守るから....。」
普通は男が言うセリフだが、彼女の中には確固たる意志があった。
その意志を感じ取った彼は、彼女にこう告げた。
「ああ、頼むよ。でも、君が悲しむことがあったら、僕も守るから...。」
そう言った彼に、アンドレアは嬉しくなり、口角を上げ、彼の手を握る。
「ふふ...アンドレア....。これからも....よろしくね...♥」
「ああ、よろしくな。」
こうして旅人は、旅の中で「大切なもの」を見つけたのであった。
息を切らし、切り立った崖の上にある木陰に座り、何者かが追ってこないかを確認する旅人。彼は、アントニオ・アスタリータ。町を転々とする旅人であり、今日はある町での滞在をやめ、次の町へ向かうべく森へ来ていた。
しかし、あるトラブルが発生してしまい、次の町へ向かうどころでは無くなってしまったのだ。
「クソ...。今日は厄日だなぁ...。」
俯きながら自分の運の無さを恨むアントニオ。
しかし、彼は何に追われているのでろうか?彼が追われることとなった前からお話しよう。
彼が追われる20分前。彼は右手に地図を、もう左手にはコンパスを、背中に荷物を背負って歩いていた。
「この地図を見ると....。この方角をまっすぐだな...。」
彼は地図に書かれている町の方向と方位磁石を交互に見ながら町のある方向を確認した。
この辺の森は同じ光景が広がっているので、地元の人達でしかその違いが分からず、初めて来た人が地図とコンパスを持たずにこの森を抜けることは至難の業であった。
その事を地元の住人から聞いていた彼は、町で雑貨屋で売ってあった森の細部まで書いてある地図とコンパスを持ってこの森に来ていたのだ。
「しかし本当に同じ光景ばっかだなぁ...。地元の人から話を聞いてなかったらどうなっていたか...。」
そんな事を苦笑しながら言う。彼には、このコンパスと地図さえあれば森で迷わないという確固たる自信があったのだ。
しかし、そんな自信はこの後に起こる事件であえなく消え去ることになる。
森に迷うことなく町の方角へ、進んでいくアントニオに対し、突如上から声が掛かる。
「あら?ここまで男の人が来るなんて珍しい...。」
その声に反応し、上を向くと、そこには木と木の間で巣を張っているアラクネがいた。
「や、やぁ...。こんにちは...。」
彼は魔物娘と出会い、その姿に臆しながらも、挨拶だけはしようと思い、声を掛けた。
一方アラクネは、こんな所まで男は滅多にこないものなので彼を自分の物にしようと考え、彼に警戒心を与えてはいけないと思い、挨拶の返しにこう言った。
「あらこんにちは。礼儀正しいのね。ねぇ、あなた?ここまで来て何をしているの?」
そう言って微笑む彼女。アントニオはその彼女の微笑みにどこか不気味な感情を感じつつ、話を続ける。
「それは...ええっと...この森を抜けたら、町があるからそこに行こうとしてたんだ...。」
彼はたどたどしく喋った。それが彼女に対する恐れなのか、それとも彼女美貌に見とれてしまってたのかは分からなかった。
「そうなの...?じゃあ、町へ行くよりもっと楽しいことしたくない...?」
色気がある声を出しながら、木から徐々に下り、アントニオに近づいていくアラクネ。
一方彼は、その楽しいことが大体予測が付き、いつでも逃げられるようにコンパスと地図を懐にしまい、身構える。
「そんなに身構えないで...。ほら、こっちに来て...。」
並大抵の人ならその囁きで落ちてしまうほどの色気だった。しかし、彼は旅の中で幾度も魔物娘からの誘惑を振り切ってきたのだ。初めの頃は誘惑に負けそうになったが、旅を続けたい一心で何度も振り切ってきたのだ。
アントニオはその誘惑に対し、おもむろに後ろを向き、足を上げ、手を一生懸命に動かし、逃げだした。
「逃げるんだよォ!!」
一方アラクネは自身の誘惑を振り切れる相手がいるとは思わなかったので、一瞬逃げる彼を見ながら動けなかったが、彼が見えなくなった後、すぐに木に登り、彼の追跡を開始した。
「逃がさないわ!私の旦那様!」
そういう訳で、今、アントニオは魔物娘アラクネに追われているのであった。
「よし、息が整ってきた。さて、行くか。」
木陰で休んだおかげで息が整った彼は、立ち上がり、懐から地図と方位磁石を取りだし、町の方角を確認する。その時だった。
「うふふ...♪見つけたわよ、旦那様...♪」
不意に上から声が掛かる。アントニオは大体誰が呼んだかは予測が付き、上を向くと、彼が思ったとおり、あのアラクネがいた。
しかし、彼は彼女が上にいたことよりも、彼女が言った言葉に反応した。
「え、旦那様って誰のことでしょうか?」
多分自分のことだと思いつつ、すっとぼけて周りを見渡す。
「とぼけなくてもいいのよ...?」
そう言いつつ、彼女はゆっくりと木から下りてくる。
そんな彼女に対し、アントニオもゆっくりと後ろに下がっていく。
「何で逃げるのぉ?」
彼女は甘い声を出して、彼に訊く。
「それは...。まだ旅を続けたいからさ...。」
そう彼は答えた。
「そんな些細な理由で?私と一緒になれば、もっと楽しいことが待っているのよ...?」
そう言いながらも、徐々にアントニオとの距離を詰めていく。
アントニオは逃げようとさらに後ろに下がるが、足を下げた先には崖があり、アントニオの重みで少し小さい石が数個川に落ちていく。
どちらに動いても逃げられない状況に、アントニオはある決断をすると、彼女にこう言い放った。
「君は良い女性だけど、僕には旅を続けなくてはいけない理由があるんだ。」
そう言い放つと、崖の方へ向き、数十メートル下に流れている川目掛け、飛び込んだ。
その行動にアラクネは唖然とし、蜘蛛特有の糸が吐けることを忘れ、真っ先に彼に手を伸ばす。
しかし、アントニオはその手を受け取らなかった。そして、そのまま一直線に頭から川に飛び込んでいき、やがて大きな水しぶきと大きな音がすると、アントニオは川の中で意識を失った。
意識を失っている間、彼は夢を見ていた。彼の家族の夢である。
いっしょにご飯を食べ、母親といっしょに過ごし、父親からこの世の色々な事を聞き、家族といっしょに笑いながら過ごす。そんな光景が彼の眼中で次々と映し出されていく。
その光景を見た彼は、夢の中だったが、涙が溢れてきた。何故、彼が涙を流したのか。それは彼の過去が関係していた。
彼は自分から望み旅人になったが、それは彼が18才の頃に亡くなってしまった父親が深く関係していた。
彼の父親は彼と同じ旅人であり、世界中を旅していた。しかし、30才の時に、運命とも思える出会いがあった。それは、彼がある町の宿屋に訪れた時に、看板娘と出会ったときだった。
その美貌に惚れた父親は猛アタックをし、彼女も彼の一途さに惚れ、二人は意気投合した。
そして、彼の生まれ育った村へ戻り、挙式を上げた。やがて、結婚した彼女は子供を産む。それがアントニオだった。
父親はアントニオを大切にした。時間がある時には、疲れていても一緒に遊んで上げた。
その生活はとても幸せなものであり、旅を生き甲斐としていた彼には、家族と一緒に楽しく過ごすという、新たな生き甲斐が出来ていた。
だが、そんな幸せな生活も長くは続かなかった。ある日、いつものように過ごしている彼に、突如として謎の激痛に見舞われる。
それは、魔術でさえ直せない不治の病であり、医者からも「長くは持たないでしょう」と言われる程であった。
結婚していた女性は深い絶望に覆われたが、彼の余生を無駄にはしないと、青年になったアントニオと一緒に話していた。
二人は奇跡を信じた。彼の病が治りますようにと、天に何度も祈った。だが、時は残酷に過ぎ去っていった。
彼は次第に弱っていき、徐々に二人との会話が減っていった。
そして、後数日で死ぬかもしれないという時、彼は夜、アントニオを呼んだ。
「何だい?父さん。」
戸を開けるやいなや、アントニオは明るく言った。それは、父親が後数日で死ぬかもしれないから、少しでも明るくいようと思ったからの行為だった。
「ああ...アントニオ.......お前に.....話したい事がある....。」
昔、旅に出ていたとは思えない程のしゃがれた声だった。
「アントニオ....私が...死んだら....旅に....私と同じように....出るんだ。」
「何言ってんだよ。父さん。父さんは...死にはしないよ。」
父親が言った「死ぬ」という単語を打ち消すかのように、アントニオは強めに言った。
「いや...私は....いずれ...死ぬ。だから...聞いておけ....。」
父親は再度「死ぬ」という単語を言った。アントニオは諦め、その言葉に何も言わず、ただ黙って聞いていた。
「旅へ出て....私と...同じように....大切なものを.....見つけてこい....。」
「大切な....もの....。」
アントニオは父親が言った言葉を復唱したが、まだ理解は出来なかった。
「そうだ....今は...理解できないだろうが.....いずれ....理解できるようになる...。」
そして、父親はこう告げた。
「だから....旅に出ろ.....アントニオ....。」
そう告げた後、彼は何も言わなくなった。
「父さん...?」
彼は何も言わなくなった父親を不審に思い、ベットに寝ている父親の方へ目を向ける。
父親はまるで死んだかのように目を瞑っていた。
「父さん...?ねぇ?父さん!」
父親は息をしていなかった。その事実を否定したい彼は、呼びかけ続けた。
「父さん!父さん!!父さん!!!!父さ.....うぅぅぅ.....!」
だが、父親がアントニオの名前を呼ぶことは無かった。彼は亡くなった。アントニオはその事実を受け止めたが、たまらず涙が溢れ出た。
そして、父親が寝ている部屋には、アントニオの咽せなびく声だけが、響いていた。
それから翌日、父親の葬儀が行われた。
彼は町の人から愛されており、彼の葬儀には町の住人がほぼ参加していた。
その光景を見たアントニオは、父親はとても凄い人だったのだと、改めて認識した。
やがて2日に渡る葬儀が終わった夜、母親にこう告げた。
「母さん....俺...旅に出たい。」
否定されるのを承知で言った。しかし、母親は否定することなく、微笑んでこう言った。
「あの人にそう言われたのね...。いいわ、行きなさい...。そして、見つけてきなさい....。」
そう言われたアントニオは、すぐさま荷物を準備し、旅の準備をした。
しかし、夜更けだということと、母親とまだ一緒にいたいという感情があり、すぐには出発しなかった。
アントニオは最後かもしれない母親との夕飯と会話を目一杯楽しんだ。子供のようにはしゃぎ、楽しんだ。
そして翌朝、彼は荷物を持ち、扉を開け、一歩を踏み出すと、振り向いた。そこには、母親が今にも泣きそうな顔でこちらを見つめていた。
「じゃあ、母さん。俺はもう行くよ...。」
そう言い、母親の額にキスをした。
「ええ、行ってらっしゃい...。」
母親は泣くのを我慢し、笑顔で彼を見送った。その表情はどこか悲しみを帯びているものだったが、アントニオは母親との別れを惜しみつつ、旅立っていった。
「んん....?あれ、ここは....どこだ...?」
目を覚ました彼は辺りを見渡す。周りは岩壁に覆われており、薄暗く、湿っていた。
しかし、自分が寝ている場所はベッドの上であり、よく見ると調理器具などが壁に掛かっており、誰かが生活していることは明確だった。
「やっと....起きた...。」
どこからか低い声が聞こえてきた。しかし、声質から幼い少女であることが分かった。
しかし、辺りを見回しても誰もおらず、どこからか声が聞こえてくるのかは分からなかった。
「大丈夫....?そんなに辺りをキョロキョロして....。」
どうやら、声はアントニオの寝ているベッドの中から聞こえてくるようだった。
その事を確認すると、彼はベッドの中を覗いた。すると、そこには目つきが悪い少女がアントニオの腹の上に乗りながらこちらを見つめていた。
よく見ると、彼女の耳には魚類の魔物娘特有のひれみたいなものが付いており、手も指と指の間に水かきが出来ており、人間ではありえないほどにでかかった。それを見たアントニオはこの子が魔物娘であることを確信した。
「君は...誰だい....?」
そんな状況に驚くことなく、彼はそう訊いた。
「名前を聞くのなら...まず自分から名乗って...。」
彼女は相変わらず低い声で、表情を崩すことなく、そう返してきた。そう言われたアントニオはハッとし、まず自分の名前を名乗ることにした。
「ああ、えっと...。僕の名前はアントニオ...。それで、君の名前は...?」
「...アンドレア...。」
彼女はそう名乗った。
「アンドレア...。良い名前だね...。」
アントニオはそう褒めた。しかし、アンドレアはそのことに喜びを感じたが、感情を表情に出すことが苦手な彼女は無表情のままだった。
「それで...助けてくれたのは君かい?」
「そう....私が泳いで川の魚を捕っている時....不意に大きな音が鳴り響いて....一度水面から顔を出してみると、あなたがいた....。」
彼女からそんな事を聞き、彼女が通りかかっていなかったら死んでいただろうと、アントニオはそう思った。
「助けてくれたのか...ありがとう。」
アントニオは心からお礼を述べた。
「別に....当たり前のことをしただけ....。」
アンドレアは少し照れ、アントニオから顔を伏せた。
アントニオはその照れている顔を微笑ましく思いながら見ていた。
「そう言えば....アントニオが寝ている時....泣いてた...。」
恥ずかしくなったアンドレアは話題を変えた。
「泣いてた....?僕が....?」
「うん....泣いてた...。」
アントニオはその自覚がなかったが、自分の顔を触ってみると、確かに頬に一筋の生暖かい液体が伝っていた。
「確かに...そうだね...。」
「どうしたの....?,,,何か...怖い夢でも見たの....?」
アンドレアは無表情だったが、彼を心配する気持ちは本当だった。
「怖い夢....。」
アントニオはさっきまで見ていた夢を思い出した。家族の楽しい一時や、父親との別れ、今となって何故あんな夢を見たのかは分からなかった。
すると、アントニオの目から一筋の液体が出てきた。
「うう....うぅ....うぐぅ....!」
そして、堰を切った水が流れ出すようにアントニオの目から涙が溢れ出してきた。
「ア、アントニオ...!?だ、大丈夫....?」
アンドレアは急に泣き出したアントニオに驚き、彼の体を這い上がり心配する。
「ううぅ....父さん....!うううぅ.....!」
アントニオは顔をしかめ、うわごとのように父親のことを言い続けた。
一方アンドレアは、彼が何を言っているのかは分からなかったが、アントニオをどうやって泣き止まそうと考えた末、ある決断をする。
そして、彼の顔に近づき、彼の唇を奪った。
「んん!?」
アントニオは一瞬何をされているか分からなかったが、彼女に口づけをされていることに気づき、さらに驚いた。
「んんん...。」
一方アンドレアは彼とのキスに喜びや快感を感じ、目を瞑りながら彼とのキスを享受していた。
「んん....ぷはぁ...。」
やがて、アントニオの唇とアンドレアの唇が離れる。二人の唇の間には銀色のアーチが掛かっていた。
「アンドレア....何を....?」
アントニオが言いかける前に、アンドレアは人差し指を彼の唇の前に出した。
「アントニオ....。泣かないで...。泣くと....私まで悲しい気持ちになってしまう....。」
そう言ったアンドレアの表情は、アントニオが今まで見た中で一番変化していた。
目がトロンとして、目尻に涙を溜めており、口からは白い息が漏れだしていた。
「ああ、ごめん....アンドレア...。もう....泣かないよ...。」
その表情を見たアントニオは、彼女の真剣さが伝わってくるかのようだった。そして、涙を拭きながら、彼女に対し、泣かないと宣言した。
「んん...アンドレア...?何を見ているんだい....?」
涙を拭き終わり、アンドレアの方へ視線を戻すと、ある方向を向いていた。
そこは、先程のキスで大きく怒張してしまったアントニオの分身だった。
「ア、アンドレア!そこはちが....いっ!?」
アントニオが言い終わる前に、アンドレアは何も言わず彼の分身を撫でた。
「アントニオのここ....すごく...大きくなってる....。」
アンドレア嬉しそうに言いつつ、ゆったりとした手つきで彼の分身を撫で続ける。
「ううぅ....くぁ...。」
アントニオは旅に出てる身だったが、女性経験は無く、こんなふうに女性に自分の分身を撫でられること自体初めてだった。
「すごい....ズボン越しでもビクビクいってるのが分かる.....。」
彼女は嬉しそうに微笑みながら、彼の分身の反応を楽しんだ。
「うあぁ......アンドレア....もう...我慢できない....。」
ゆっくりと撫で続けられ、我慢が効かなくなったアントニオは彼女にそう告げた。
「うん...♥アントニオ....一つに...なろう?」
アントニオに微笑みかけ、彼の分身で張ったズボンを下げていく。
すると、彼の分身が待ってましたと言わんばかりに、我慢汁を出しながら固く反り返る。
そんな光景をみた彼女は、歯止めが効かなくなり、彼に分身の上に跨がり、自らの秘所と口づけさせる。
「うわぁ!?」
「あぁ!!」
その快感に二人は同時に喘いだ。
しかし、二人はそれだけでは満足せず、この後の行為を求めていた。そして、アンドレアはその快感に耐えつつ、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「ふうううううぅぅぅ....!!」
「うあぁぁぁ...!」
遂に彼女の中に彼の分身が全て入った。そのあまりの快感に彼女の顔はとろけたように目をトロンとさせ、口は開きっぱなしになり、よだれが垂れアントニオの胸に垂れていく。
「ハァ、ハァ.....どう、アントニオ?.....気持ち良い....?」
とろけた表情で彼にそう訊いた。
「あ、あぁ.....とても....気持ち良い.....。」
彼のその返事を聞いたアンドレアは、腰をはげしく上下に動かし始めた。
「うああぁ!?ちょ....アンドレア...!?いきなり.....激しい....!」
彼は快感に耐えつつ言ったが、彼女はそれに応じることなく、激しくしたままだった。
「ハァ、ハァ!あぁん...!ん、んん!」
アンドレアはさらに彼を愛そうと、彼の顔に近づき、唇を重ねた。
「ん!んん....んん...。」
彼女の行為に驚いた彼だったが、徐々に彼女との口づけを享受した。
「んん.....ん....んん。プハァ!!ア、アンドレア!!もう、出そうだ!!!」
彼女との長い口づけが終わった後、喘ぎながらそう言った。
「ハァ、ハァ!いいよ...出して!」
そう告げられたアントニオは彼女の奥に自分の分身を突っ込み、分身の先端を子宮の入り口に口づけさせる。
そして、それを皮切りに彼の分身から溶岩のような熱さの液体が大量に放出される。
「はあああああああぁぁぁぁ!!!♥♥♥」
「うああああああぁぁぁ!!!」
アントニオはその精液を出した快感に、アンドレアはその精液が子宮に満たされる快感に、喘いだ。
そして、1分間ぐらいの射精が続き、やっと彼の分身から精液が放出されなくなった。
「んはぁ.....♥」
アンドレアはそのまま彼の体に寝転ぶ。その表情は、先程まで無表情に彼と接していたとは思えない程、とろけていた。
「はぁ...はぁ...アンドレア....気持ち...良かったよ...。」
そう言って彼女の頭を撫でる。
「そう....良かった.....♪」
撫でられた彼女は嬉しそうに微笑む。
その微笑む彼女を見たアントニオは、彼女の中に入ったままの分身をまた大きくさせてしまう。
「あん...♪アントニオ....また大きく....♪」
「ああ、ごめん....。君の微笑む顔が可愛く思えたからさ...。」
そんなことを口走る彼に、アンドレアの顔が赤く染まった。
「ねぇ...?もう一回...しよ...?」
「ああ...そうだな...。」
そして、二人はまた交わりを再開した。
その後、二人は一日中交わり、気がついたら朝になっていた。
二人は共に生まれたままの姿でベッドに横たわり、天井を向いていた。
「ねぇ...?アントニオ...。」
不意にアンドレアが呼んだ。
「ん?何だい?」
「もしあなたに悲しいことがあったとしても....私が守るから....。」
普通は男が言うセリフだが、彼女の中には確固たる意志があった。
その意志を感じ取った彼は、彼女にこう告げた。
「ああ、頼むよ。でも、君が悲しむことがあったら、僕も守るから...。」
そう言った彼に、アンドレアは嬉しくなり、口角を上げ、彼の手を握る。
「ふふ...アンドレア....。これからも....よろしくね...♥」
「ああ、よろしくな。」
こうして旅人は、旅の中で「大切なもの」を見つけたのであった。
13/12/01 13:19更新 / こりき