連載小説
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クリスマスの不思議
「ジングルベールジングルベール鈴がなるー。」麗奈

「今日は楽しいークリスマスー。」陽太郎

「まあ正確にはイブですが。」ティコ

「この歌ってどうなんでしょ?どっちの日に歌うのが正解なのか…」ハウ

「25日だと思うけど。」葵

「稲荷無きパーティなど潰れてしまえ。」菊

「買うの忘れたのね…」桜花

「チッキンチッキン」薫

「七面鳥」リン

「それもチキンです姉さん」リナ

「ステーキステーキ」ミウ

「また太りそう」ミーナ

「シャンパンシャンパン」アカ

「ワインも良いわね」アオ

「わだすの故郷ではクリスマスパーティーっていうのはやらなかったです…」千代

「サンタサンタ」勤

「今年こそ捕まえてやる」士郎

「パーティの予算はっと…」加奈子

いつものようにうるさい。そんな鬼山組。今日はクリスマスイブということでパーティの用意をしている。いつもパーティしてるような気がするが気のせいだろうか。

「さてと…」麗奈

「あれ?どこに行くんですか麗奈さん。」陽太郎

「ああ。ちょっとな。ティコ、ハウお前らもだ。」麗奈

「はい。」ティコ

「わかりました。」ハウ

何処かへ向かう三馬鹿…失礼。3人。真剣な眼差しで別室に向かう。

「あの顔は一体…」陽太郎

「真剣だったね」勤

「ティコさん…何をする気なのかな…?」士郎


その姿は歴戦の戦士とも、どんな敵も倒す無敵のヒーローにも、数多のコミケを乗り越えたオタクのようにも見えた。そして3人が戻ってきた。











「「「メリクリ」」」3人



「「「わー!」」」陽太郎、勤、士郎



サンタクロースの格好をして。



「やあやあ。良い子達。プレゼントだぞ。ほら陽は蒸気機関車の模型。」麗奈

「ほいしろちゃん。欲しいって言ってた帆船の模型。」ティコ

「つーちゃんはプレーアテンションFOO!の新作ソフト。」ハウ

「わー!ありがとうございます!」陽太郎

「すごい!ずっと欲しかったのだ!」勤

「わー!ハウさん!皆でまたやりましょう!」士郎

「よし。子供達の笑顔こそ私達の幸せ。次は商店街にお菓子を配ってくる。」麗奈

「じゃあまた来年ねー。」ティコ

「さらば。」ハウ

そう言ってサンタクロース三人衆は商店街へと向かって行った。

「組長達また今年も…大変ねえ…」葵

「寒いのによく行くわ…」桜花

「サンター!」リン

「姉さん落ち着いて。」リナ

「よし。組長達が帰ってくるまでにパーティの準備だ。」薫

「しまった…!稲荷を買ってくるように言えばよかった…!」菊

「酒酒酒」アカ

「やかましい」アオ

「ようやるでほんま」加奈子

「楽しいですね…わだすの故郷じゃこんな愉快な事はしなかったです…」千代

「肉」ミウ

「まあまずは用意しなきゃね」ミーナ

そうしてそれぞれの仕事を行う。今から麗奈、ティコ、ハウの視点に移ってみよう。

〜・・・〜





「おーい今年も来たぜー」麗奈

「サンタが」ティコ

「来ましたよー」ハウ


「「「「「あっ来たー!」」」」」子供達

見た限り30〜40位はいるだろうか。子供達がサンタクロースに群がる。悪戯したりする悪い子はおらず、皆しっかり並ぶ。


「よし。ほら。お菓子だぞー。良い子にしてたか?」麗奈

「うん!僕大きくなったら鬼山組に入る!」子供

「はっはっは。それはやめとけ。あそこは悪い人達が集まる場所だ。」麗奈

「そら。高い高い。」ティコ

「キャッキャッ」子供

「うん。皆良い子だ。」ハウ

「ありがとー!」子供

みんなみんな純粋で可愛い子供達ばかりだ。このまま真っ直ぐに育って欲しいものである。しかし、純粋なのはあくまで子供だけで…。

「おー!なんだサンタクロースー?」バカその1

「おーおー結構かわいいじゃーん!」バカその2

「おいおい。プレゼント配ってんぜ?俺達にもくれよ!」バカその3

はぐれものもいるものである。これこそ本物の三馬鹿である。

「はあ…やっぱこういう輩もいるもんだ。」麗奈

「気持ち悪い。ぶち回してやりましょう。」ティコ

「いや。ちょっと待ってください。子供達が見てます。ここで暴力はちょっと…」ハウ

「おーおー!なんだ?俺たちのどれを選ぶか悩んでんのか?」バカその1

「ちょうど3人だぜ!どの女の子が来ても構わねえぜ!」バカその2

「へっへっへ。まあ3人とも俺らが可愛がってやるからよお」バカその3

「よし。こういう時は。」麗奈





「「「無視」」」3人


子供達に別れを告げて組に戻ろうとする3人。しかし三馬鹿が行く手を阻む。

「おいおい連れねえなあ」バカその1

「ホテル行こうぜホテル」バカその2

「路地裏でも良いんじゃね?」バカその3

「へっへっへ。悪いようにはしねえよ。」バカその1

「ちっ」麗奈

バカその1が麗奈の腕を掴もうとする。麗奈は見ることしかできない。背後には子供達。トラウマを植え付けるわけにはいかないからだ。







がしっ



「いっってててててててて!!!!」バカその1

「な…なんだぁ!?お前!」バカその2

「サンタです。」?

「な…なんだこのおっさん…サンタ…?」バカその3

「あ…あなたは」ティコ

「やあ。可愛いお嬢さん方。この出会いに感謝だね。」?

「くっせえセリフ吐いてんじゃねえよ……親父。」麗奈

「はっはっは。まあまあ。」哲二

「先代!」ハウ

「な…なんだこのおっさん…腕が全然離せねえ…!」バカその1

「ちっ…ちくしょう離せ!」バカその2

バカその2が哲二に殴り掛かる。しかし哲二はそれをひらりとかわして、バカその1の顔面を盾にする。

「がっ…!」バカその1

「あっ…えっ…!?」バカその2

「お…おい!何やってんだよ!」バカその3

「あーあー。ただでさえひどい顔がさらにひどく。」哲二

「じゃあ親父。アタシ達は子供達をお仕置きが見えない場所に」麗奈

「はいよ。全く。未麗と帰ってきたらこれだ。」哲二

「お…おいおっさん!何してくれてんだ!」バカその2

「まあまあ。君たち。プレゼントだよ。」哲二


哲二は懐から何かを出す。キラキラと綺麗にラッピングされた何かだ。


「な…なんだよこれ。」バカその2

「なんかぬるぬるする…」バカその3







「良い子じゃないから君たちにはチキンの骨。ぶっー!」哲二

哲二はチキンの骨を渡して腹を抱えて大笑いしてる。これが神経を逆なでした。


「ざけんなぁぁぁ!!!」バカその2

「くたばれぇぇぇ!!!」バカその3






「くたばんのはお前らだよ」哲二

哲二は真顔になって攻撃をかわして一撃を叩き込む。するとどういうことだろうか。あっという間に2人のバカは倒れ込む。

「まあ気絶しただけだよ。さてと。」哲二


哲二は3人をどこからからか来たワゴン車に3人を預けた。哲二はニコニコして組に向かう。

「次に目覚めたらスライム地獄だね。」哲二




〜・・・〜




「ただいまー。」哲二

「遅いぞ。」未麗

むぎゅ

「わあ。ははは。ごめんね未麗。」哲二


未麗はいきなり哲二に抱きついて甘える。組員達がいるのも構わずいちゃいちゃしだす2人。

「見せつけんな親父」麗奈

「まあまあ。良いじゃないですか麗奈さん。」陽太郎

「おいおふくろ。また妙なもの持ってきてねえだろうな。」麗奈

「大丈夫だ。ハロウィンの時のようにはならないよ。」未麗

「良かった。さて。皆ー。役者も揃った事だしパーティだー!」麗奈

「「「「「「「「「おー!!!!!」」」」」」」」」皆


ようやくパーティが始まった。どんちゃん騒ぎで近所迷惑にならないか心配だが、ともかくクリスマスは楽しいものである。そうして夜も更けて行く。



〜・・・〜

「ん…」陽太郎

「すやすや」麗奈


朝になり、目覚める陽太郎。麗奈は隣でまだすやすや眠っている。

「ん…トイレ…」陽太郎





テクテクテクテク





「ん…?んん…!?麗奈さーん!皆ー!」陽太郎


陽太郎は何かを見つけて叫ぶ。組員達はなんだなんだと陽太郎の所に向かう。

「どうしました若」菊

「なんだぁ…ふぁぁ…」薫

「ん?どうしたんだい。」哲二

「ねむ…眠い…」アカ

「ふ…二日酔いだわ…」アオ

「騒がしいなどうした陽太郎君。」未麗

「あ…あれ!」陽太郎

陽太郎は昨日飾っておいたツリーを指さす。皆は目をこすりながらツリーを見る。

「「「「「「え」」」」」」皆

「ぷ…プレゼントが…」陽太郎


ツリーの下には大量のお酒や着物やおもちゃやゲームや。色々なものが置いてあった。しかも綺麗にラッピングされ、丁寧に置かれている。

「だ…だれが…?」陽太郎

「す、すごい!」勤

「わあ!もう一つ欲しかったゲームもある!」士郎

「僕知らないよ」哲二

「ああ。私もだ。」未麗

「アタシも知らないぞ……」麗奈

「へ…へえ?だ…誰が…?」陽太郎

「ちょっ…これこれ!」加奈子

「トナカイの足跡ある!」葵

「ま…まさかあ…」麗奈

「本物が来たのかも。」哲二

「ははは。面白いこともあるもんだ。」未麗




不思議なクリスマスとなったとさ。

END
16/12/24 21:38更新 / 海藻
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■作者メッセージ
海藻参上!

すっっっっごいお久しぶりです。中々アイデアが浮かばす迷走しておりました。プレーアテンションFOO!は思いついたとき天才じゃないのかと思いました。(個人の感想です。)ちなみにあの3人のバカ達は今頃スライムにまわされていることでしょう。なんとかクリスマスイブには間に合いました。さあ今年もチキンを焼いて、ケーキを買ってクリぼっちパーティナイトの始まりです(憤怒)私のところにサンタクロース来てくれないでしょうか。それではノシ

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