洋館には何がいる?
「えい!」
ボスッ・・・コロコロ・・・
「ん〜・・・なかなか飛ばない。」
少年は一人でボールを上に投げ、それをバットで打つ。野球ではなくノックだ。しかも一人。
少年の名前は 琉川 真 (るかわ まこと)ホームランの練習中のようだ。金属製のバットだが、芯を捉えねばなかなか飛ばない。飛んだとしても、フライになることが多い。
「えい!」
カン!
「おっ!少し飛んだ!もっかい!」
カン!
「もっかい!」
カン!
「もっかい!」
そしてついに
カキーン!
「やった!」
大きな弧を描き、痛快にボールは飛んでいく。真は、喜びその打球を目で追う。初めてのホームランなのだ。そしてそのボールは・・・
洋館のガラスに吸い込まれていった。
ガチャン!
「あっ・・・」
洋館からはなにも返事はない。雷親父の怒鳴り声や、悲鳴も聞こえない。確かなのは、真がガラスにボールを命中させてしまったことだ。急いで真は洋館へ走る。デジャヴを感じるのは気のせいだろうか?
「ごめんなさーい・・・!誰もいないのかな・・・?」
呼んでも、誰も出てこない。真は少し、怖くなった。
「あれ・・・ドア開いてる・・・」
洋館の扉は、鍵がかかっていなかった。真は首を傾げる。
「ごめんくださーい・・・入りますね〜。」
真はボールを探しに、洋館へ入っていった。
それが原因で始まった。
「ん〜・・・暗いな・・・」
昼間だというのに、洋館のカーテンは閉まっていた。真はそれが不気味でしょうがなかった。
「お化けでも出そうだなあ・・・早くボールを取って帰ろう。」
そしてガラスが割れた場所を見つけた。そしてボールも。
「あっ!僕のボール!」
が
スー
「へっ?」
フワフワ
「へっ!?」
なんとボールが浮いている。小刻みに揺れながら。
そして
ヒュン!
「あっ!待て!」
ボールがどこかへ飛んでいく。とても速いスピードだ。真は必死に追いかける。
そして、ボールは広い部屋に入っていった。
「はあ、はあ・・・疲れた。」
息切れしながら真は部屋の前で一息つく。
「なんで浮いたんだろう・・・?ほんとにお化けが・・・いやいや。とにかく入ろう。」
そして、部屋に真は入る。
ガチャ
「お前か。私の洋館に侵入した曲者は・・・」?
「へっ・・・?」真
きらびやかな装飾品の施された椅子に、誰かがいた。
「まったく。私の眠りを妨げるとはいい度胸だな。少年。」?
「誰ですか・・・?」真
「ん〜?訪ねるときは自分の名前から。だろ?少年。」?
「むっ・・・。僕の名前は 琉川 真 です。おばさんは?」真
「なっ!?私はおばさんではない!」?
「じゃあ。部屋の明かりをつけてよ。嘘なんじゃないの?」真
「くっ・・・いいだろう・・・パチンッ」?
指を鳴らすと、蝋燭に火がつく。そして、椅子に座る何者かの姿が見えはじめる。
「ほら、満足か・・・私はリリィだ。」リリィ
「フードとってよ見えないよおばさん。」真
「貴様・・・いいだろう・・・」リリィ
ファサ・・・
「わっ・・・」真
「どうだ?普通の女だろう?」リリィ
「・・・」真
「どうした?」リリィ
「えっ・・・!あ、いや・・・」真
「おかしな奴だ。」リリィ
真が一瞬止まったのも無理はない。その女性はとても美しかった。金色の髪。紅く輝く妖しい瞳。柔らかそうなピンクの唇。何もかもが、この世のものとは思えなかった。
「さて、このボールは?お前のものか?少年。」リリィ
「あ、その。僕、ホームランが打ちたくて練習してたんです。それで偶然お姉さんの家に・・・謝りいこうと思って、それでここに・・・ごめんなさい・・・」真
「礼儀は弁えているのだな。来なければ襲っていたぞ?」リリィ
「へっ」真
「いや、何でもない。」リリィ
「ごめんなさい。お姉さんの家のガラスは弁償するから・・・それで許してください・・・それとボールを返してください・・・」真
深々と頭を下げ、謝る真。
「ダメ」リリィ
「え」真
真は耳を疑った。なんとリリィは許さないつもりのようだ。
「じゃ・・・じゃあどうすれば・・・」真
「ふむ。それなりの対価を頂こう。」リリィ
「ど・・・どうすれば・・・」真
「そうだな・・・」リリィ
「ドキドキ・・・」真
リリィは少し考える。そして、結論を出した。
「よし。1日召使いになれ。」リリィ
「え。」真
なんと真に召使いになれと言うのだ。1日だとしても、おかしな話だ。
「えー・・・母さんや父さんが・・・」真
「コウモリを送った。心配はいらない。」リリィ
「へ?コウモリ?」真
「ああ、言ってなかったな。わたしはヴァンパイア。魔物だ。」リリィ
「ははは!うっそだー!「ほれキバ。」リリィ「ほんとだ・・・」真
衝撃の事実。なんとリリィはヴァンパイアだったのだ(棒)
「え・・・じゃあ何をすれば・・・」真
「ふむ・・・今は夕刻・・・そうだなディナーの用意だ。さあ作れ。」リリィ
「え・・・?どうすれば?」真
「さっきからお前は疑問ばかりだな・・・ほら、そこにキッチンがある。さあ作れ。」真
「作ったことない・・・」真
「ならば考えるな感じろ。何もかもを。」リリィ
「すさまじいことになりますけど・・・」真
「例えば?」リリィ
「屋敷燃えますよ。」真
「それはダメだな。ならば一緒に作ろう。」リリィ
「え」真
「少し待て。着替えよう。このマントでは危険なのでな。」リリィ
〜数分後〜
「よし。終わったぞ。」リリィ
「は、はあ。」真
「さあ、お前もこれを着ろ。」リリィ
「え・・・ええ・・・」真
リリィの服装は三角巾に、エプロンという学校の調理実習の時の学生達のような格好だった。そして、真にも着させようとする。
「ああ、お前が着ているその服も変えろ。泥だらけではいけないからな。」リリィ
「え」真
「あそこに別の服を置いておいた。さあ行け。着ないなら、このまま無理やり服を剥いでもいいんだぞ?」リリィ
「すぐ行きます!」真
〜数分後〜
「よし。似合うな。」リリィ
「うう・・・なんでこんな服を・・・」真
「いいじゃないか。可愛いし。メイド君♪」リリィ
「うう・・・」真
なんと用意していた服はメイド服。これを着ろと言っていたクセに、用意していた服はメイド服。しかし似合う。女の子と言えば、バレないだろう。
「さあ作ろう。まずはお前の能力を見せてくれ。このジャガイモを均等に切れ。いいな?」リリィ
「は、はい。」真
テレテテッテ♪テレテテッテ♪テッテテテテテッテテテテテテテテテ♪テテテテ♪
キュー○ー下手くそクッキングの時間だ。
トントントン。ズボッ!ドスッ!ベシッ!バゴンッ!
「なぜそんな音がするんだ・・・」リリィ
「僕めちゃくちゃ下手で・・・一応出来ました・・・」真
「お、おう・・・すさまじいな・・・」リリィ
大きさはバラバラ。皮も取れてない。泥も落ちていない。こんなものを食えと言われれば、絶対無理だろう。リリィは引く。
「仕方ない・・・手を貸せ。後ろから掴んで、教えてやる。」リリィ
「えっ・・・!わっ・・・!」真
ムニュウ・・・
「あ・・・あう・・・」真
「気にするな。胸が当たるくらいで驚いていてはダメだぞ。」リリィ
「は・・・はひ・・・」真
胸が当たる。真の頭に、ムニムニとした心地よい感触が響く。真はワタワタする。
「よし。まずは猫の手だ。すこし指を曲げろ。」リリィ
「こ・・・こう?」真
「うむ。よい感じだ。次は、包丁の根元を持て。小さなお前では、長く持てば危険だからな。」リリィ
「は・・・はい。」真
「よし。切れ。」リリィ
「えい!」真
スパーン!
「よし。良いぞ。」リリィ
ムニュウ。ムニムニ。
「うう・・・素直に喜べないよお・・・」真
「落ち着け。まだ続くのだからな。」リリィ
「ひいいいいいいい・・・・!」真
〜完成〜
「できたな。」リリィ
「はい・・・!」真
「カレーだ。」リリィ
皆大好きカレー。作者は3日連続でも食べられる自信がある。
「さあ、食べよう。」リリィ
「はい!頂きます!」真
「パクッ・・・モグモグ・・・ふむ。」リリィ
「美味しい・・・!」真
「上出来だ。」リリィ
「ありがとうございます・・・!所々すごい切り方の野菜があるけど・・・」真
「うむ。まあ良い。人と話すのも久しぶりだ・・・」リリィ
「え・・・?」真
「私はずっと一人だった。この大きな屋敷ももて余していてな。唯一の話し相手は、こうもり達だ。私は吸血鬼、ヴァンパイアとしては落ちこぼれでな。母や父からも見捨てられ、こうして一人で暮らしている。お前がガラスを割ったのは、ある意味幸運だったのかもしれん。」リリィ
「そんな・・・!ずっと一人だったなんて・・・ひどすぎるよ・・・」真
リリィは目を閉じ、静かに語りだした。自分の過去を。真はすこし悲しそうな目をする。
が
「嘘だ」リリィ
「え」真
「全部嘘だ。さすがに父や母からは見捨てられてはいない。それに落ちこぼれでもない。すまんな。それとも信じたのか〜?ニヤニヤ・・・」リリィ
「くっ・・・!くうううう!!!カアアアアアアア」真
真は顔を真っ赤にして、プルプル震える。恥ずかしかったようだ。リリィはそれをニヤニヤして、眺める。
「ククク・・・本当にお前はかわいいな・・・♪」リリィ
「なっ・・・!」真
「フフフ・・・その怒った顔も可愛い・・・」リリィ
「ううっ・・・」真
「さて、次の命令だな。」リリィ
「えっ・・・?もう終わりじゃ・・・」真
「いや、まだだ。次は・・・」リリィ
「・・・・」真
「お前を頂こう♪」
「へ・・・・・・」真
なにいってんだ。この人は。そんなことを思った真。思考が追い付かない。
「お前を1日どころか、一生召使いとして仕えさせたくなった。私と結婚してもらおう♪まずはその血を頂こう・・・♪」リリィ
「ひっ・・・!」真
キバをむき出し、今にも飛びかかってきそうなリリィを見て、扉に真は走る。逃げ出すためだ。
「ダメだぞ〜♪」リリィ
バタンッ!
「あう!」真
真が扉を開けると、急に扉が閉まった。リリィの魔法だ。真は弾かれ、尻餅をつく。
「いたた・・・あう!」真
「つかまえたぞ〜♪悪いコめ〜♪」リリィ
「うみゅ・・・!ん〜!」真
「さあ、ベッドに行こう・・・♪お仕置きと契りの時間だ・・・♪静かにしておけよ?それまで胸の気もちよさを感じながらな♪」リリィ
「うう・・・」リリィ
もう逃げられない。これから痛い目にあわされると思い、真は震える。
〜ベッド〜
ドサッ!
「わあ!」真
「さあ・・・!首から頂こう・・・♪」リリィ
「ひゃ・・・!」真
「あむっ・・・」リリィ
「ひっ・・・!あっ・・!やめてください・・・!痛いことしないで・・・!」真
「ああ・・・!そんな顔をされては・・・ダメだな・・・♪頂きます♪ペロペロ」リリィ
「あっ・・・!ひぐっ・・・!くすぐったいです・・・!」真
リリィは真の首筋をなめ回す。慣らす為だ。そしていよいよ首筋にキバを・・・
「カプッ・・・」リリィ
「ひ!ひゃああああああ!!!」真
「チュッ・・・チュッ・・・美味しいな・・・お前のカレーも良いが、お前の可愛い体もいい・・・♪」リリィ
「あっ・・・!んっ・・・!」真
「こらこら♪暴れるな♪ぎゅう〜♪」リリィ
「んむ!ひぐうううう!」真
「胸に埋められ、血を吸われるのは気持ちいいだろう?まあ、声は出せないだろうがな♪」リリィ
「んんんんんんんんん!!!!」真
ビクビク・・・!ビュルビュル!
「おや・・・?精通か・・・ククク♪大人になったな・・・♪祝福してやろう・・・♪」リリィ
「うむっ・・・ひぐっ!ひどいよお・・・おうちに帰してよ・・・ひぐっ!」真
初めての精通の感覚にパニックになる真。泣き出して、家に帰してほしいと懇願する。
「ダメだな♪えい♪」リリィ
ビリビリ!
「ひっ・・・!あっ!」真
「日焼けをしてないきれいな肌だ・・・可愛い♪」リリィ
「ううっ・・・!」真
真は服を剥がれ、生まれたままの状態にされる。真は必死にモノを隠す。
「見せろ。それっ!」リリィ
「あっ!やめ・・・!」真
「じゃじゃ〜ん♪おお。可愛いじゃないか♪」リリィ
「ううっ・・・」真
まだまだ幼い真。モノも幼い。リリィは喜びモノをつつく。
「ピクピクしてるなあ♪まだまだ元気だ♪」リリィ
「何をする気なの・・・?」真
「ん〜?ココに入れるためさ♪」リリィ
「ひっ!」真
見せたのはリリィの蜜壺。そこへ真のモノを近づける。
「さてと。頂きま〜す♪」リリィ
「ひっ!やめて・・・!」真
ズプププ!
「ひぐううううううう!!!」真
「んっ♪いい感じだ♪体も喜んでいるぞ♪」リリィ
「あぐっ!ひぐっ!」真
「おっとと♪気持ちよすぎたかな?」リリィ
「もうゆるじで!死んじゃう!やめで!リリィざん!」真
「死なない死なない♪」リリィ
パンパン!
「うぐっ!あぎっ!」真
「ビクビクしてる・・・♪」リリィ
真のモノが痙攣する。信じられないほどの快感を与えられて、もうダメなようだ。
「んぎい!ダメえ!出る・・・!」真
「いいぞ♪情けなく子種を放ってしまえ♪」リリィ
「ひぐううううう!」真
ビクビク!ビュルビュル!
「ん〜♪」リリィ
「あう・・・あぐ・・・」真
「おや・・・もう限界か・・・フフッ。まあ良い。夫になってから目一杯楽しませて貰うからな・・・♪」リリィ
〜・・・・〜
「ん・・・」真
真は目を覚ます。もう朝のようだ。
「あれ・・・?僕の部屋・・・」真
真が目覚めた場所は、なんと自分の部屋だ。
「夢・・・?」真
と、そこに。
ガチャ
「真。まだ寝てたの?用意しなさい。」母
「ママ?なんの用意・・・?」真
「何を言ってるの。リリィさんと結婚したんじゃない。あの屋敷に住むんでしょ?早く用意しなさい。」母
「ふぇ?」真
「昨日リリィさんって言うヴァンパイアさんに血を吸われたんでしょ?それはヴァンパイアにとって結婚の約束らしいわ。しっかりしてる人だったから大丈夫でしょ。」母
「ママ・・・?なに言ってるの・・・?」真
「真がなにを言ってるんだ」リリィ
「ひっ!」真
「あらあら。リリィちゃん。ごめんね〜。息子が少しパニックになってて。」母
「いえいえ。私が結婚を申し込んだんですから♪」リリィ
そこには、日傘を片手にリリィがいた。昨日のせいで、リリィは恐怖の産物にしか見えない。
「真。耳を貸せ。」リリィ
「へ・・・?」真
「お前の両親に魔法をかけておいた・・・もう二度とお前と私は離れられない♪」リリィ
「ひっ・・・!」真
「それではお義母様♪連れていきますね♪」リリィ
「ええ♪またね〜真〜♪」母
「さあ、行こう。私の可愛い夫♪」リリィ
「あ・・・あ・・・」真
まだまだ真は苦労するようだ。
END
ボスッ・・・コロコロ・・・
「ん〜・・・なかなか飛ばない。」
少年は一人でボールを上に投げ、それをバットで打つ。野球ではなくノックだ。しかも一人。
少年の名前は 琉川 真 (るかわ まこと)ホームランの練習中のようだ。金属製のバットだが、芯を捉えねばなかなか飛ばない。飛んだとしても、フライになることが多い。
「えい!」
カン!
「おっ!少し飛んだ!もっかい!」
カン!
「もっかい!」
カン!
「もっかい!」
そしてついに
カキーン!
「やった!」
大きな弧を描き、痛快にボールは飛んでいく。真は、喜びその打球を目で追う。初めてのホームランなのだ。そしてそのボールは・・・
洋館のガラスに吸い込まれていった。
ガチャン!
「あっ・・・」
洋館からはなにも返事はない。雷親父の怒鳴り声や、悲鳴も聞こえない。確かなのは、真がガラスにボールを命中させてしまったことだ。急いで真は洋館へ走る。
「ごめんなさーい・・・!誰もいないのかな・・・?」
呼んでも、誰も出てこない。真は少し、怖くなった。
「あれ・・・ドア開いてる・・・」
洋館の扉は、鍵がかかっていなかった。真は首を傾げる。
「ごめんくださーい・・・入りますね〜。」
真はボールを探しに、洋館へ入っていった。
それが原因で始まった。
「ん〜・・・暗いな・・・」
昼間だというのに、洋館のカーテンは閉まっていた。真はそれが不気味でしょうがなかった。
「お化けでも出そうだなあ・・・早くボールを取って帰ろう。」
そしてガラスが割れた場所を見つけた。そしてボールも。
「あっ!僕のボール!」
が
スー
「へっ?」
フワフワ
「へっ!?」
なんとボールが浮いている。小刻みに揺れながら。
そして
ヒュン!
「あっ!待て!」
ボールがどこかへ飛んでいく。とても速いスピードだ。真は必死に追いかける。
そして、ボールは広い部屋に入っていった。
「はあ、はあ・・・疲れた。」
息切れしながら真は部屋の前で一息つく。
「なんで浮いたんだろう・・・?ほんとにお化けが・・・いやいや。とにかく入ろう。」
そして、部屋に真は入る。
ガチャ
「お前か。私の洋館に侵入した曲者は・・・」?
「へっ・・・?」真
きらびやかな装飾品の施された椅子に、誰かがいた。
「まったく。私の眠りを妨げるとはいい度胸だな。少年。」?
「誰ですか・・・?」真
「ん〜?訪ねるときは自分の名前から。だろ?少年。」?
「むっ・・・。僕の名前は 琉川 真 です。おばさんは?」真
「なっ!?私はおばさんではない!」?
「じゃあ。部屋の明かりをつけてよ。嘘なんじゃないの?」真
「くっ・・・いいだろう・・・パチンッ」?
指を鳴らすと、蝋燭に火がつく。そして、椅子に座る何者かの姿が見えはじめる。
「ほら、満足か・・・私はリリィだ。」リリィ
「フードとってよ見えないよおばさん。」真
「貴様・・・いいだろう・・・」リリィ
ファサ・・・
「わっ・・・」真
「どうだ?普通の女だろう?」リリィ
「・・・」真
「どうした?」リリィ
「えっ・・・!あ、いや・・・」真
「おかしな奴だ。」リリィ
真が一瞬止まったのも無理はない。その女性はとても美しかった。金色の髪。紅く輝く妖しい瞳。柔らかそうなピンクの唇。何もかもが、この世のものとは思えなかった。
「さて、このボールは?お前のものか?少年。」リリィ
「あ、その。僕、ホームランが打ちたくて練習してたんです。それで偶然お姉さんの家に・・・謝りいこうと思って、それでここに・・・ごめんなさい・・・」真
「礼儀は弁えているのだな。来なければ襲っていたぞ?」リリィ
「へっ」真
「いや、何でもない。」リリィ
「ごめんなさい。お姉さんの家のガラスは弁償するから・・・それで許してください・・・それとボールを返してください・・・」真
深々と頭を下げ、謝る真。
「ダメ」リリィ
「え」真
真は耳を疑った。なんとリリィは許さないつもりのようだ。
「じゃ・・・じゃあどうすれば・・・」真
「ふむ。それなりの対価を頂こう。」リリィ
「ど・・・どうすれば・・・」真
「そうだな・・・」リリィ
「ドキドキ・・・」真
リリィは少し考える。そして、結論を出した。
「よし。1日召使いになれ。」リリィ
「え。」真
なんと真に召使いになれと言うのだ。1日だとしても、おかしな話だ。
「えー・・・母さんや父さんが・・・」真
「コウモリを送った。心配はいらない。」リリィ
「へ?コウモリ?」真
「ああ、言ってなかったな。わたしはヴァンパイア。魔物だ。」リリィ
「ははは!うっそだー!「ほれキバ。」リリィ「ほんとだ・・・」真
衝撃の事実。なんとリリィはヴァンパイアだったのだ(棒)
「え・・・じゃあ何をすれば・・・」真
「ふむ・・・今は夕刻・・・そうだなディナーの用意だ。さあ作れ。」リリィ
「え・・・?どうすれば?」真
「さっきからお前は疑問ばかりだな・・・ほら、そこにキッチンがある。さあ作れ。」真
「作ったことない・・・」真
「ならば考えるな感じろ。何もかもを。」リリィ
「すさまじいことになりますけど・・・」真
「例えば?」リリィ
「屋敷燃えますよ。」真
「それはダメだな。ならば一緒に作ろう。」リリィ
「え」真
「少し待て。着替えよう。このマントでは危険なのでな。」リリィ
〜数分後〜
「よし。終わったぞ。」リリィ
「は、はあ。」真
「さあ、お前もこれを着ろ。」リリィ
「え・・・ええ・・・」真
リリィの服装は三角巾に、エプロンという学校の調理実習の時の学生達のような格好だった。そして、真にも着させようとする。
「ああ、お前が着ているその服も変えろ。泥だらけではいけないからな。」リリィ
「え」真
「あそこに別の服を置いておいた。さあ行け。着ないなら、このまま無理やり服を剥いでもいいんだぞ?」リリィ
「すぐ行きます!」真
〜数分後〜
「よし。似合うな。」リリィ
「うう・・・なんでこんな服を・・・」真
「いいじゃないか。可愛いし。メイド君♪」リリィ
「うう・・・」真
なんと用意していた服はメイド服。これを着ろと言っていたクセに、用意していた服はメイド服。しかし似合う。女の子と言えば、バレないだろう。
「さあ作ろう。まずはお前の能力を見せてくれ。このジャガイモを均等に切れ。いいな?」リリィ
「は、はい。」真
テレテテッテ♪テレテテッテ♪テッテテテテテッテテテテテテテテテ♪テテテテ♪
キュー○ー下手くそクッキングの時間だ。
トントントン。ズボッ!ドスッ!ベシッ!バゴンッ!
「なぜそんな音がするんだ・・・」リリィ
「僕めちゃくちゃ下手で・・・一応出来ました・・・」真
「お、おう・・・すさまじいな・・・」リリィ
大きさはバラバラ。皮も取れてない。泥も落ちていない。こんなものを食えと言われれば、絶対無理だろう。リリィは引く。
「仕方ない・・・手を貸せ。後ろから掴んで、教えてやる。」リリィ
「えっ・・・!わっ・・・!」真
ムニュウ・・・
「あ・・・あう・・・」真
「気にするな。胸が当たるくらいで驚いていてはダメだぞ。」リリィ
「は・・・はひ・・・」真
胸が当たる。真の頭に、ムニムニとした心地よい感触が響く。真はワタワタする。
「よし。まずは猫の手だ。すこし指を曲げろ。」リリィ
「こ・・・こう?」真
「うむ。よい感じだ。次は、包丁の根元を持て。小さなお前では、長く持てば危険だからな。」リリィ
「は・・・はい。」真
「よし。切れ。」リリィ
「えい!」真
スパーン!
「よし。良いぞ。」リリィ
ムニュウ。ムニムニ。
「うう・・・素直に喜べないよお・・・」真
「落ち着け。まだ続くのだからな。」リリィ
「ひいいいいいいい・・・・!」真
〜完成〜
「できたな。」リリィ
「はい・・・!」真
「カレーだ。」リリィ
皆大好きカレー。作者は3日連続でも食べられる自信がある。
「さあ、食べよう。」リリィ
「はい!頂きます!」真
「パクッ・・・モグモグ・・・ふむ。」リリィ
「美味しい・・・!」真
「上出来だ。」リリィ
「ありがとうございます・・・!所々すごい切り方の野菜があるけど・・・」真
「うむ。まあ良い。人と話すのも久しぶりだ・・・」リリィ
「え・・・?」真
「私はずっと一人だった。この大きな屋敷ももて余していてな。唯一の話し相手は、こうもり達だ。私は吸血鬼、ヴァンパイアとしては落ちこぼれでな。母や父からも見捨てられ、こうして一人で暮らしている。お前がガラスを割ったのは、ある意味幸運だったのかもしれん。」リリィ
「そんな・・・!ずっと一人だったなんて・・・ひどすぎるよ・・・」真
リリィは目を閉じ、静かに語りだした。自分の過去を。真はすこし悲しそうな目をする。
が
「嘘だ」リリィ
「え」真
「全部嘘だ。さすがに父や母からは見捨てられてはいない。それに落ちこぼれでもない。すまんな。それとも信じたのか〜?ニヤニヤ・・・」リリィ
「くっ・・・!くうううう!!!カアアアアアアア」真
真は顔を真っ赤にして、プルプル震える。恥ずかしかったようだ。リリィはそれをニヤニヤして、眺める。
「ククク・・・本当にお前はかわいいな・・・♪」リリィ
「なっ・・・!」真
「フフフ・・・その怒った顔も可愛い・・・」リリィ
「ううっ・・・」真
「さて、次の命令だな。」リリィ
「えっ・・・?もう終わりじゃ・・・」真
「いや、まだだ。次は・・・」リリィ
「・・・・」真
「お前を頂こう♪」
「へ・・・・・・」真
なにいってんだ。この人は。そんなことを思った真。思考が追い付かない。
「お前を1日どころか、一生召使いとして仕えさせたくなった。私と結婚してもらおう♪まずはその血を頂こう・・・♪」リリィ
「ひっ・・・!」真
キバをむき出し、今にも飛びかかってきそうなリリィを見て、扉に真は走る。逃げ出すためだ。
「ダメだぞ〜♪」リリィ
バタンッ!
「あう!」真
真が扉を開けると、急に扉が閉まった。リリィの魔法だ。真は弾かれ、尻餅をつく。
「いたた・・・あう!」真
「つかまえたぞ〜♪悪いコめ〜♪」リリィ
「うみゅ・・・!ん〜!」真
「さあ、ベッドに行こう・・・♪お仕置きと契りの時間だ・・・♪静かにしておけよ?それまで胸の気もちよさを感じながらな♪」リリィ
「うう・・・」リリィ
もう逃げられない。これから痛い目にあわされると思い、真は震える。
〜ベッド〜
ドサッ!
「わあ!」真
「さあ・・・!首から頂こう・・・♪」リリィ
「ひゃ・・・!」真
「あむっ・・・」リリィ
「ひっ・・・!あっ・・!やめてください・・・!痛いことしないで・・・!」真
「ああ・・・!そんな顔をされては・・・ダメだな・・・♪頂きます♪ペロペロ」リリィ
「あっ・・・!ひぐっ・・・!くすぐったいです・・・!」真
リリィは真の首筋をなめ回す。慣らす為だ。そしていよいよ首筋にキバを・・・
「カプッ・・・」リリィ
「ひ!ひゃああああああ!!!」真
「チュッ・・・チュッ・・・美味しいな・・・お前のカレーも良いが、お前の可愛い体もいい・・・♪」リリィ
「あっ・・・!んっ・・・!」真
「こらこら♪暴れるな♪ぎゅう〜♪」リリィ
「んむ!ひぐうううう!」真
「胸に埋められ、血を吸われるのは気持ちいいだろう?まあ、声は出せないだろうがな♪」リリィ
「んんんんんんんんん!!!!」真
ビクビク・・・!ビュルビュル!
「おや・・・?精通か・・・ククク♪大人になったな・・・♪祝福してやろう・・・♪」リリィ
「うむっ・・・ひぐっ!ひどいよお・・・おうちに帰してよ・・・ひぐっ!」真
初めての精通の感覚にパニックになる真。泣き出して、家に帰してほしいと懇願する。
「ダメだな♪えい♪」リリィ
ビリビリ!
「ひっ・・・!あっ!」真
「日焼けをしてないきれいな肌だ・・・可愛い♪」リリィ
「ううっ・・・!」真
真は服を剥がれ、生まれたままの状態にされる。真は必死にモノを隠す。
「見せろ。それっ!」リリィ
「あっ!やめ・・・!」真
「じゃじゃ〜ん♪おお。可愛いじゃないか♪」リリィ
「ううっ・・・」真
まだまだ幼い真。モノも幼い。リリィは喜びモノをつつく。
「ピクピクしてるなあ♪まだまだ元気だ♪」リリィ
「何をする気なの・・・?」真
「ん〜?ココに入れるためさ♪」リリィ
「ひっ!」真
見せたのはリリィの蜜壺。そこへ真のモノを近づける。
「さてと。頂きま〜す♪」リリィ
「ひっ!やめて・・・!」真
ズプププ!
「ひぐううううううう!!!」真
「んっ♪いい感じだ♪体も喜んでいるぞ♪」リリィ
「あぐっ!ひぐっ!」真
「おっとと♪気持ちよすぎたかな?」リリィ
「もうゆるじで!死んじゃう!やめで!リリィざん!」真
「死なない死なない♪」リリィ
パンパン!
「うぐっ!あぎっ!」真
「ビクビクしてる・・・♪」リリィ
真のモノが痙攣する。信じられないほどの快感を与えられて、もうダメなようだ。
「んぎい!ダメえ!出る・・・!」真
「いいぞ♪情けなく子種を放ってしまえ♪」リリィ
「ひぐううううう!」真
ビクビク!ビュルビュル!
「ん〜♪」リリィ
「あう・・・あぐ・・・」真
「おや・・・もう限界か・・・フフッ。まあ良い。夫になってから目一杯楽しませて貰うからな・・・♪」リリィ
〜・・・・〜
「ん・・・」真
真は目を覚ます。もう朝のようだ。
「あれ・・・?僕の部屋・・・」真
真が目覚めた場所は、なんと自分の部屋だ。
「夢・・・?」真
と、そこに。
ガチャ
「真。まだ寝てたの?用意しなさい。」母
「ママ?なんの用意・・・?」真
「何を言ってるの。リリィさんと結婚したんじゃない。あの屋敷に住むんでしょ?早く用意しなさい。」母
「ふぇ?」真
「昨日リリィさんって言うヴァンパイアさんに血を吸われたんでしょ?それはヴァンパイアにとって結婚の約束らしいわ。しっかりしてる人だったから大丈夫でしょ。」母
「ママ・・・?なに言ってるの・・・?」真
「真がなにを言ってるんだ」リリィ
「ひっ!」真
「あらあら。リリィちゃん。ごめんね〜。息子が少しパニックになってて。」母
「いえいえ。私が結婚を申し込んだんですから♪」リリィ
そこには、日傘を片手にリリィがいた。昨日のせいで、リリィは恐怖の産物にしか見えない。
「真。耳を貸せ。」リリィ
「へ・・・?」真
「お前の両親に魔法をかけておいた・・・もう二度とお前と私は離れられない♪」リリィ
「ひっ・・・!」真
「それではお義母様♪連れていきますね♪」リリィ
「ええ♪またね〜真〜♪」母
「さあ、行こう。私の可愛い夫♪」リリィ
「あ・・・あ・・・」真
まだまだ真は苦労するようだ。
END
15/10/29 15:17更新 / 海藻