脱走
「ちくしょう!!」
とある地下の牢屋にそんな声が響く
「ソラもうやめとけやめとけ···逃げられないさ···」
「だけどジン!」
小さな牢屋にいる二人の男の名前は、ソラそしてジンという、二人とも教団の騎士だ。魔物との戦闘の途中魔法で拘束されそのまま捕まってしまったのだ。
「ただの女と思っていたけど、魔物ってあんなに強いんだな···」
「首をはねたと思ったら体だけで切りつけてきやがった···なんなんだあの女!しまいには、あんなガキみたいな山羊に拘束されるしよ!」
「だから落ち着けソラ···もう後の祭りだ···」
ジンに止められなんとか落ち着くソラすると···
「フフフ···もう逃げられないわよ♪」
牢屋の外から妖艶な色気をもつ声が聞こえてきた。
「誰だ?お前。」
「私はサラただのサキュバスよ♪」
近づいてきた女性··否、魔物の名はサラ、サキュバスである。
「あなた達が捕まった騎士達ね♪可愛い顔してるじゃない♪すぐにでも食べたいわ♪」
「ぐっ···!」
ソラは「食べる」という意味を自分達を骨身も残さず喰らうと解釈した。嫌な汗が走る。そこにジンが割って入る。
「まて、私達を食べても旨くはないぞ、むしろまずい位だ。」
「へ〜♪試してみようかしら♪」
「やめろ下劣な魔物め!」
「フフ〜ン♪じゃあまたね〜♪」
なんとか事なきを得たソラ達、サラが帰った後牢屋の壁を眺めていると···
「···?ジンこれを見て!」
「なんだ、ソラ?」
「これこれ!」
ジンがソラの指差す方向を見ると匍匐(ほふく)前進でやっと通れるような、小さな穴を見つけた。
「風も来てる···もしかしたら抜け出せるかも!」
「確かに···やってみよう」
と··普通ならば牢屋の中に穴なんかあいてるわけがない。しかし、「抜け出せるかも」という気持ちの方がおかしいと思うよりも勝ってしまった。この時の選択が後々酷い事になるとソラは気がつかなかった···
「狭いな···」
「ソラ大丈夫か?」
「狭いけど、どうにかして通れそうだ行こうぜ。」
「ああ」
こうして脱走が始まったのだ。ソラの勘は当たった。奥にすすむにつれて段々と穴が大きくなっている。しかし···
ヴーヴー!!!
「うお!なんだなんだ!?」
「まずいな、私達が脱走していることがバレた。」
「なんだって!?」
警告!警告!牢屋から脱走した者がいる。見つけ次第拘束せよ!繰り返す····
「やばいやばい!」
「急げソラ!」
必死に進むソラ達、すると···
「やった!出れた···えっ?」
「くそ···」
牢屋から出られた。出た場所は洞窟だった。そこまでは良かった。しかし···
「道が2つ!?」
そう、外へ出る道が2つあるのである。しかも「どちらかは行き止まり」と書いてあった。
「ここまで来たのに···」
「あきらめるなソラ!どちらかが逃げれるんだ!行こう!」
「···分かった、ジン行こう!」
ソラは右へ、ジンは左へ進んだ。
「はぁ···はぁ···んっ?あれは!?」
ソラが進む先へは、光が見えた。外の光である。
「やった!出られる!」
意気揚々と進むソラ、やっと外へ出られたのだ。
「やったぞ!遂に出られた!待ってろジン!すぐに応援を···」
「その必要はないわ♪」
「えっ?」
不意に上から声をかけられた、ソラが上を向くと···
「また会ったわね♪可愛い兵隊さん♪」
なんとサラがいたのである。驚愕するソラ、しかしソラは···
「何とかして外まで来たんだ!ジンを助けるためにも絶対に逃げてやる!」
「その必要はないと言っているだろう」
「え···?」
ソラの背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。その声の主は···
「ジン···?」
そう、ジンである行き止まりの方へ行き外に出られなかったはずのジンが···
「何で···?まさか!?」
そう、ジンは初めから「教団の騎士」ではない元々「魔王の配下」の男だったのだ。そしてソラは初めからここに来るようにハメられたのである。
「裏切り者め!ジンも··お前も魔物の味方だったのか!」
「裏切りではない元々私は魔王様の部下だ。それと···周りを見た方が良い。」
「··?」
ソラが周りを見ると既に魔物達に囲まれていた。そしてサラが近づいてきた。
「く··来るな!!」
「たっぷりと可愛がってあ げ る ♪」
「うわああああああああああああああ!!!!!」 END
とある地下の牢屋にそんな声が響く
「ソラもうやめとけやめとけ···逃げられないさ···」
「だけどジン!」
小さな牢屋にいる二人の男の名前は、ソラそしてジンという、二人とも教団の騎士だ。魔物との戦闘の途中魔法で拘束されそのまま捕まってしまったのだ。
「ただの女と思っていたけど、魔物ってあんなに強いんだな···」
「首をはねたと思ったら体だけで切りつけてきやがった···なんなんだあの女!しまいには、あんなガキみたいな山羊に拘束されるしよ!」
「だから落ち着けソラ···もう後の祭りだ···」
ジンに止められなんとか落ち着くソラすると···
「フフフ···もう逃げられないわよ♪」
牢屋の外から妖艶な色気をもつ声が聞こえてきた。
「誰だ?お前。」
「私はサラただのサキュバスよ♪」
近づいてきた女性··否、魔物の名はサラ、サキュバスである。
「あなた達が捕まった騎士達ね♪可愛い顔してるじゃない♪すぐにでも食べたいわ♪」
「ぐっ···!」
ソラは「食べる」という意味を自分達を骨身も残さず喰らうと解釈した。嫌な汗が走る。そこにジンが割って入る。
「まて、私達を食べても旨くはないぞ、むしろまずい位だ。」
「へ〜♪試してみようかしら♪」
「やめろ下劣な魔物め!」
「フフ〜ン♪じゃあまたね〜♪」
なんとか事なきを得たソラ達、サラが帰った後牢屋の壁を眺めていると···
「···?ジンこれを見て!」
「なんだ、ソラ?」
「これこれ!」
ジンがソラの指差す方向を見ると匍匐(ほふく)前進でやっと通れるような、小さな穴を見つけた。
「風も来てる···もしかしたら抜け出せるかも!」
「確かに···やってみよう」
と··普通ならば牢屋の中に穴なんかあいてるわけがない。しかし、「抜け出せるかも」という気持ちの方がおかしいと思うよりも勝ってしまった。この時の選択が後々酷い事になるとソラは気がつかなかった···
「狭いな···」
「ソラ大丈夫か?」
「狭いけど、どうにかして通れそうだ行こうぜ。」
「ああ」
こうして脱走が始まったのだ。ソラの勘は当たった。奥にすすむにつれて段々と穴が大きくなっている。しかし···
ヴーヴー!!!
「うお!なんだなんだ!?」
「まずいな、私達が脱走していることがバレた。」
「なんだって!?」
警告!警告!牢屋から脱走した者がいる。見つけ次第拘束せよ!繰り返す····
「やばいやばい!」
「急げソラ!」
必死に進むソラ達、すると···
「やった!出れた···えっ?」
「くそ···」
牢屋から出られた。出た場所は洞窟だった。そこまでは良かった。しかし···
「道が2つ!?」
そう、外へ出る道が2つあるのである。しかも「どちらかは行き止まり」と書いてあった。
「ここまで来たのに···」
「あきらめるなソラ!どちらかが逃げれるんだ!行こう!」
「···分かった、ジン行こう!」
ソラは右へ、ジンは左へ進んだ。
「はぁ···はぁ···んっ?あれは!?」
ソラが進む先へは、光が見えた。外の光である。
「やった!出られる!」
意気揚々と進むソラ、やっと外へ出られたのだ。
「やったぞ!遂に出られた!待ってろジン!すぐに応援を···」
「その必要はないわ♪」
「えっ?」
不意に上から声をかけられた、ソラが上を向くと···
「また会ったわね♪可愛い兵隊さん♪」
なんとサラがいたのである。驚愕するソラ、しかしソラは···
「何とかして外まで来たんだ!ジンを助けるためにも絶対に逃げてやる!」
「その必要はないと言っているだろう」
「え···?」
ソラの背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。その声の主は···
「ジン···?」
そう、ジンである行き止まりの方へ行き外に出られなかったはずのジンが···
「何で···?まさか!?」
そう、ジンは初めから「教団の騎士」ではない元々「魔王の配下」の男だったのだ。そしてソラは初めからここに来るようにハメられたのである。
「裏切り者め!ジンも··お前も魔物の味方だったのか!」
「裏切りではない元々私は魔王様の部下だ。それと···周りを見た方が良い。」
「··?」
ソラが周りを見ると既に魔物達に囲まれていた。そしてサラが近づいてきた。
「く··来るな!!」
「たっぷりと可愛がってあ げ る ♪」
「うわああああああああああああああ!!!!!」 END
15/02/15 22:27更新 / 海藻