14.姉妹の絆<下>
しっかりと抱きしめてその背を撫で続ける
そんな左近を、いつまでも離そうとしないお福
そうこうしている間に、外ではばたばたと人の足音が聞こえてきた
「だんな!大丈夫ですかい?」
「宇佐次!すぐに行く!」
「やぁぁぁ。おにぃちゃんいかないで…」
いやいやして、腰に抱きつくお福。いつまでもこのままでいようと、その力は強く離せそうもない
「お福?」
「やだぁ…」
「お福。いまなぁ?お富が大変なんだ」
「ふぇ?おねぇちゃん?」
「そうだ。いまな、あいつのもとに行ってやらなければもう二度と会えないかもしれんのだ」
「やぁ!おねぇちゃんにまたあいたい!」
「だろう?だから、この手を離してくれな?」
「やぁ…」
「お福?すべてが終わったらまたやろう?」
「…またぁ?ほんとう?」
「ああ!本当だとも!だから、な?」
「…うん」
渋々といった感じではあったが…その手を離してくれた
繋がっていたイチモツを引き抜くと、こぽっと音をたてて精と蜜の混ざり合ったものが垂れてきた
二人が愛し合ったその証
強烈な二人の匂いが混ざり合ったその匂い
とても、よかった…
「お福」
「ん」
「行ってくる」
「ん。…ちゅ」
しばしの別れと、そのちいさな唇に口づけをしてやる
「いってらっしゃいおにぃちゃん!おねぇちゃんをたすけてあげてね?」
「もちろんだ!」
蔵の外にでると、浪人たちががっくりとうな垂れ、役人達に取り囲まれていた
「宇佐次!」
「へぇ!」
「お福も一緒に連れて来てやってくれ」
「へぇ。だんなはどうするんですかい?」
「お富が心配だ。すぐにでもあっちに向かう!」
「わかりやした!嬢ちゃんを連れてすぐにそっちに向かいやす!」
そうして、左近は与力や同心達と共に田仲屋へと走り出したのだった
数刻前…
お富は、朝飯を食べ終わると最後の取立てをしようと気合を入れて佐山家を後にした
金箱の金子はあと少しで目標に達する
おそらく、今日一日で何とかなるであろうと。
足裏すり減らし、時には金貸しになってほとんどやったこともない頭を下げてまで取り立てていた
お天道様が傾いた頃だった
忙しく歩き回るお富を呼び止める声があった
「おねぇちゃん!お富おねぇちゃん!」
聞いたこともない声。甲高いが男の子の声がした
振り向いてみると、文を差し出して言った
「文。預かったよ?渡してくれって」
「誰に?」
「あそこにいた、おじちゃんに…」
振り返ってもそれらしき男は見つからない
「わかったありがとう」
男の子は、去っていった
手紙には…
“妹が可愛かったら、集めた金持って田仲屋へと来られたし。すぐにでも来ない場合は逃げたものとする。金は妹と交換だ”
と…
「お福!!」
急いで、家に戻るも誰もいなかった
「誰か来ても出ちゃいけないって!!」
後悔してもどうしようもない
有り金すべてを持って、田仲屋へと急いだ
田仲屋へと行くと、すぐに田仲屋は出てきてお富の集めた金子を数え始めた
「いけませんねぇ…。あなたと交わしたことは、期日までにこちらの言う金額を集めること…でしたよねぇ」
「くっ…」
「わずかですが…足りませんねぇ」
「あと少し!今日、街中を回ればすぐにでも回収できるはずさ!だから、もう少し待ってくれよ!」
「あの時、わたしはなんと言いましたかな?」
「……」
「わたしに会うそのときまでに金を集めてくる。ですが、一銭でも足りなかったときはこの話はご破算となる…そういいましたよねぇ…」
くっくっくと笑い顔の田仲屋
「まぁ…いいでしょう。とにかく、この証文は返しましょう。ですが、あなたはお金を返せなかった。ですから、妹御はあなたの元に返すわけにはいかなくなった…」
「そんな!…あああ…お福…お福ぅぅぅ!こんな…こんな紙切れ欲しさに金貸しなんてしてきたんじゃない!妹をどこにやった!連れて行くなんて汚い奴!」
涙を浮かべるお富。その手には鉄の算盤が…。これで全力で叩いたら殺せるだろう…
しかし、田仲屋の用心棒が主を守るように立ちふさがった
そんな時、物陰から人が飛び出してきた
「まったく、見ていられねぇやな!」
「だれだ!!」
建物の影から飛び出してきたのは、左近だった
「なに、ちょいとしたおせっかいよ!!」
「あんた!何しに来たんだい?!そんな丸腰で!!」
「いいってことよ!そんなことより、やい!田仲屋!話は聞かせてもらったぜ!」
「何を聞いたというのですかな?」
「てめぇの悪だくみのなにからなにまでな!」
「ほう?伺いましょうか」
左近は、今まで聞いたすべてを順序だって語り始めた
田仲屋は、以前から金のちからに任せてやりたい放題だった
助平な性分から、金を借りたものに娘がいると借金の形に売り払うそんなことをしていた
だが、売り払う前に手をつけていた
女の胸に異常な執念を持っていた田仲屋は、多くの者を妾としていた
「ある時期のことだ!てめぇは、てめぇの死に時期をしきりに気にしていたそうじゃねぇか!」
だから、考えた。この世には長寿を生きる者がいる
それは、人と同じに見えながら違う
あやかし者…
その番となったものは、長きにわたる長寿となるらしい
女と同様の寿命となるために、年老いた男は番とならば再び若返り、長きに渡る年月を生きることとなる
そこに目をつけた
あやかしは美女が多い
だが、あやかしは自分本位な者が多い。虜にして自らの元に縛り付けてしまうものもいる
頭がよく、聡明なものも多い
それは、長寿を持ってますます栄華を極めようとした田仲屋には、都合の悪いものだった
従順でどこか抜けている…おつむの弱い
それでいて、興味の尽きない胸を持つものが必要と思った
そんなとき、あるあやかしが目に入った
それは、小鬼
小鬼は、子供っぽくずる賢い。だが、どこか抜けている
それに、時々変種で胸にすべてがいってしまったと思えるような者が産まれるらしいと聞いた
だから、探さした
さんざん探した結果…
「見つけたのは、このお富とお福…」
調べてみれば、ちいさな飯屋を営んでいるのがわかった
すぐにヤクザ者を近くに住まわせた
野放図なヤクザ達にあたりに住んでいたものは去り、お富の店は人が立ち寄らなくなり借金をするハメになった
誰かが、お富に親切な金貸しがいると教え込んだ
返せなくても、少し変わった趣味を持っていてこれを打ち倒せばすべてをなかったことにしてくれると…
そう吹き込んだ
期日までに田仲屋の与えた目標の金額を金貸しをやって集めること
それが、田仲屋の出した条件
元手を出してやり、その日が来るまでにと…これは、お福を賭けた遊戯であると…
金持ちのちょっとした愉しみであると…そう言って
だから、お富は賭けにでた
だが、もとからお福を欲していた田仲屋はそんな賭けをハナっからする気はなかった
適当にやらせて金が集まってくるや、辻斬りや火付…嫌がらせの数々を雇っているヤクザ共にやらせ、お富を動揺させようとした
「違うかっ!?」
「よくできた作り話ですが…証拠は?」
余裕顔の田仲屋
「てめぇの囲っている妾から話は聞いたぜ?妾は使い捨てで、そのあやかしは手元でさんざん弄ぶっつぅ魂胆だろうが…そうは問屋が卸さねぇ!!」
「ふっ。あの者達は皆、借金を形に妾になったものばかり。私を悪く言うのは当たり前じゃぁないですかな?」
「…じゃぁ俺は、このお富を連れ添って奉行所へと駆け込んでやらぁ!たしか…賭博法度っつうモンがあったよなぁ?てめーのやっていることは人身を掛けた賭博そのものだろうが!」
そういうと、ゆらりと浪人たちが動いた
刀に手を掛け、鯉口を切った
「そんなことをされては困りますなぁ。…仕方がない。では、先生方?余計な口は塞ぐ。それが長生きの秘訣です。頼みましたよ」
ゆっくりと刀を抜く浪人たち
「だんなぁ!これを!!」
宇佐次の声
どこからか飛んで来たのは、刀と十手を包んだ羽織
それを掴むと左近はそれを身に付けた
「奉行所同心、狭山 左近である!貴様らよくもやりたい放題してくれたなぁ!!」
声と同時に、隠れていた他の同心や与力たちも馳せ参じた
「貴様!謀ったなぁ!」
田仲屋の悔しそうな声
「寮にいたバカ浪人連中からも話を聞いたぜ?火付けをやらせたってなぁ!獄門台を覚悟しやがれ!!」
そして、与力たちの声と共に一斉に捕り物が行われ、田仲屋をはじめ浪人達などこれらはすべて召し捕られた
「お富!大丈夫か?!」
「お福!お福はどこ!!」
「大丈夫だ。宇佐次!!」
「へぃ!」
宇佐次がお福を伴ってやってきた
「ねぇちゃぁんんん!!」
「お福!お福ぅぅぅ!!」
精一杯抱きしめあう姉妹
涙を浮べて抱き合う姿は、涙を誘った
「宇佐次」
「へい」
「姉妹の絆…いいものだな」
「まったくで」
「感動の再会だ。邪魔しては悪いであろ?」
「へ。そうですな」
二人はそっとその場を離れた
田仲屋の者達はことごとくひっ捕らえられた
借金の形に連れて来られた女たちは、市中にある養生所へと送られて心と身体の癒しを施されるのであろう
二人が金蔵へと行ってみると、役人仲間が目を輝かせてため息をついていた
蔵の中は…もはや、万の桁になっているほどの千両箱が積まれていた
「けっ!こんなにも溜め込んでやがった」
「壮観ですな。ここまで集まると…」
「こんなに集めながらも、もっと栄華を極めようとするなんざ、迷惑なこった!」
「まったくで」
「人の生なんざ50越えらぁいい方だ!60越えてまだまだなんて…」
「強欲なものほど、考えることはえげつない…」
「唄にもあらぁな!“人生五十年…”ってな。善良な者が五十越えするのはいいが、田仲屋なんぞ一刻も生きてられちゃ迷惑だっつうもんだ!」
「あと何十生きるつもりだったか知りやせんが…まったく危ないところだった」
「しかし、もったいねぇな。これ全部が御金蔵送りか…」
「すこし頂いても判かりはしないんじゃないですかい?」
「そういうな…」
「まぁ、それじゃ、あっしは外の手伝いに…」
「おう」
左近は誰もいなくなった蔵の中を見回す…ぎっちりと並べられた千両箱…
「すこしばかり…か…」
蔵から出ると、お富とお福がいた
「だんな…」
「おにぃちゃん!」
まだ目が潤んでいる
お福は左近の足に抱きついた
「お富。よかったな」
「アタイ…」
「ん。まだ、後始末が残っていてな。先に家に帰っていてくれ」
「……わかった。それじゃ行こう?お福…」
「おにぃちゃん…」
なかなか離れようとしないお福
「お福。家に帰ってからだ。いいな?」
「…うん」
そう言って、二人は帰っていった
左近が帰宅したのは、日が暮れてからだった
「帰ったぞー?」
「おかえり!おにぃちゃん!」
部屋へと入った途端に押し倒された
「ふあぁ!もうおふく、がまんできないよぅ!」
「お福?!」
起き上がろうとしても押さえつけられていてどうにもならない
「おむね、おむね!」
「…わかったよお福。…っと」
「ふわぁぁぁ!」
押し付けられている胸の間に手を差込み、ぐにぐにと揉んでやる
と、すぐにもその反応が…
身体をのけぞらせて、びくびくっとした
「気持ちいいよぅ…」
「そうか?俺もな、おまえの胸にもう病み付きだ」
「にぃちゃぁんんん…」
「お福…」
どちらともなく唇を奪う
ガタン!
はっとして、音のした方を見ると唖然としたお富が突っ立っていた
唖然としていたその顔はだんだんと険しいものへ…
「だんな…」
「…お富」
「お福も…………いつからだい?」
「…お富に助太刀しに行くすこし前…だ」
「おにぃちゃぁ…やめちゃやぁぁぁ…」
「…お福の顔が赤いからどうしたのかと思っていたけど…そういうことか…」
「やめちゃやぁ……」
「お福…ちゅっ……んっ…ちゅるっ…」
「…だんな。アタイ言ったよねぇ…お福にてぇ出したら承知しないって!」
「……」
「だから、…だから…さ…。アタイも混ぜな!」
「ちゅっぷ…は?いまなんて…っんんん」
「やめちゃ、やぁなのぉ…んっ!ちゅっちゅっ」
お富は自分の帯を解くと、着物を肌蹴させながらも左近の帯を解きにかかった
「ふふっ。もう、すっかり準備はいいようだねぇ!」
意地悪そうな顔をして微笑むお富
「っぷ…お富!おまえ!」
「んっ…おねぇちゃん。おねぇちゃんもしたいの?」
「そうだよ。アタイのお福を…許さないんだから!だから、アタイとお福とでだんなを狂わしてやるんだ。いいだろう?」
「い〜よぉ。みんないっしょだぁ♪ 」
「そうそう。一緒一緒。きっとたのしいよ」
「うん♪ 」
「お福。だんなのからだ押さえつけながらこっちおいで」
「うん」
「何をするつもりだ?」
すっかりと大きくいきり立ったイチモツ
それを、二人が息もかかる間近で覗き込むように見ている
「お福?その大きなおっぱいでだんなのちんちんを包んで」
「んーふふふ。いいよぉ」
たちまち、やわらかい乳ですっぽりと包まれてしまった
「んふふふ♪おちんちん、かったいのぉ」
「だんな?アタイが満足するまで離してやんないからな?覚悟しろよ?」
そういうと、顔を寄せてきて先っちょに舌を絡ませはじめた
ざらざらとした舌の感触にぴくんと跳ねる
「あっ…おむねのなかで…おちんちんがはねたぁ」
「ふふふふ?だんな?舐められるだけでこんなにぴくぴくしてたら持たないよ?」
「莫迦をいえ…」
お福の胸から飛び出している亀頭
ぴちゃぴちゃと音を立てながらお富は舐め上げていく
「お福?お福もだんなのさきっぽ舐めてあげな?」
「うん!」
二人の舌が絡みつく
塗りつけられる唾がぬるぬるとしてきて、舌が絡むたびにビクビクと跳ねるのだった
「おねぇちゃん。さきっちょからなにか出てきたよ?」
「うん…ちゅるっ!あはっ♪いい味だよぉ。お福も舐めてみなぁ」
「うん!ちゅる…ぁ…おいしい…おいしい!」
「さぁ!だんな?もっと出しな!勿体つけるなんてなしだよ!」
お富とお福が先を争うようにして舐め咥える
そして、ちゅぅちゅぅと吸うのだ
お福は、そんな間にも大きな胸で竿の辺りを扱くように押し付ける
二人の舌が丁寧になぞりながら動き回る
そんな感触に、もうイキそうになっていた
もう、素直に喘ぎ声が口から漏れ出ていた
「ふふ。いいみたいだねぇ。そんなにも喘いじゃって。いつもの頼りがいあるだんなは一体どこにいっちまったんだい?」
「かわいいのぉ〜。ちゅ…れろ…ちゅるる…」
「さぁお福?もっとおいしいお汁をだんなは隠してるよ?もっともっとペロペロなめておあげ」
「ほんとぅ?おにぃちゃん、はやくおいしいお汁ちょうだい?」
「んむっ…っちゅっ…れろ…ちゅるるる!」
尿道に舌を差し込まれて舐められただけで限界に達した
「ひゃっ♪ ぁぁ!あはぁ♪ イイ匂い!ちゅるっ……おぃしぃぃぃ!!」
「ああ♪ やっとぉ……んっちゅっ……はぁぁぁ♪」
果ててドクドクと出し切るまで間欠泉のように吹き出ている
白い精は、二人の顔や胸にかかってその肌を汚していた
そのうちに、二人が互いにそれを舐めあい口づけしあっている
そんな淫靡な様子に、萎えたイチモツは再びムクムクと立ち上がる
「だんなのぉぉぉ…またぁぁぁ…おっきくなってぇ…きたぁ♪ 」
「おにぃちゃんのぉぉぉ…またぁ…」
トロンとした顔…うれしそうな声…
「今度は…口じゃなくてぇ…お腹の中でだんなを感じたいよぉ…」
切なそうな声
お富の股を見ると、つーっと足を伝うもの
それは、あとからあとから滲み出してきているみたいだ
ぽたっ…ぽたっ…と滴ってもいる
「お福?お富を押し倒して上に乗りな?」
「うん♪ おにぃちゃん」
「お福?」
「おねぇちゃん♪」
押し倒されたお富
「それで、足を開くんだ」
「うん」
重なり合う姉妹
目の前には二つの花びらが重なり合うようにそこにある
きれいな桃色の花びら
互いにとろりとしたものを滴らせていた
さすが姉妹。こんなにも似ている
貝が重なり合うように、幼女のようなかわいい顔が肌を上気させてこちらを見つめている
「お富!お福!もう我慢できねぇ!いくぞ?」
「う、うん」
「うん!おにぃちゃん!!」
「お富は初めてだからな?お福?ねぇちゃん先でいいか?」
「いいよぉ。でもおむね…ね?」
「わかっているよ」
お福に覆いかぶさってその胸を揉んでやる。そして乳首がコリコリに起っているのを確かめると、お富の乳首と擦れ合うようにしてやる
「あっああ!そんな乳首!」
小さい小豆のようなその乳首
なだらかな膨らみの上でぴんと起っていた
お福の乳首とお富の乳首を指先で同時に弄くりながら、イチモツをお富の花びらに擦り付ける
「ふぁっ!いきなりぃ…っく。ふぁぁぁ…」
お福のときのように、キツキツなのであろう
イチモツに滴る愛液を擦り付けていく
すこしでも、入れたときの痛みがないように…
行くぞ?というと、ぎゅっと目を瞑って耐えようとするような顔をした
「お福?ねぇちゃんに?口づけしてやんな」
「うん。ねぇちゃん…ん、ちゅ…」
「おふくぅ…ん…ちゅ…ちゅ…」
姉妹で舌を絡ませている光景が堪らない
おもわず鼻息が荒くなる
「だんなぁ…はやくぅ…」
うなずいてから、亀頭をすこしずつ押し付けて行ってやる
ちいさくきつい秘裂
愛液で濡れそぼっているのに無理やり引き裂く感じに腰が引けてくる
「あっ!あああっ!入ってくるぅ!!だんなのおちんちんがっ!入ってくるよう!」
途中でやめてしまったら痛みが残る
それに、お富を傷つけてしまうかもしれない。いれるのを止めて、いった
「力を抜け。お福?ねぇちゃんの胸揉んでやんな?」
「うん」
きつい中…少しずつ緩んでいった
そんな中をイチモツは突き進む
「だんな!あっ!奥!奥までっ!!大丈夫だからっ!」
最後まで入りきると…
「だんなとひとつになったんだねぇ…。アタイうれしいよ…」
涙を流して、そう言ってくれた
「だんな…うごいて…いいよ。うん。気持ちよくなろう?今は痛いけど、アタイはおやかしだから大丈夫。すぐによくなるはずさ」
だが、もうお富の中は入った瞬間からイチモツをきゅうきゅうと締め付けていた
熱い襞がうねうねと蠢いて、好いた男の形を覚えこもうと、いっしょに気持ちよくなろうと包み込むように蠢く
お富の言葉に、理性が飛んだ
気持ちいい。この小さな中でもっとこの感じを感じていたい
だが、一緒に感じるには?互いに感じあえるようにすればいい…
すこしずつ腰を使い始めていった
「あっんっ…だんなぁ…っ!遠慮はっ…っく…あっああっ…いらな……あっんっ」
苦しげだった声がだんだんとあまい響きに変わっていくのを聞きながら、腰を早める
中の襞をかき回すように
刺し貫こうとするように抜き、一気に貫く
「あ、あっ、あああぁぁぁ!!アタ、アタイ!だんなに貫かれてっ…、すごっっ…いいっ…いいよう!!」
勢いをつけて突いてやる
奥の壁まで当たるんじゃないかというほど腰を振るった
「だんなのがっ!だんなのがっ!!おっ奥。おくにっ!あっ…っはぁぁぁ…あたってるのぉぉぉ!!」
「おねぇちゃん…かぁいい♪ ちゅっ…ちゅっるっ」
「お富!そろそろダメだっ!…くぅっ!…おまえのなかっ!イイんだっ。このまま引きずりこまれちまうんじゃ…っ…ないかと思うほどっ…!」
「ちょうだいっ!だんなのっ!!中にっ…はっ!…はぁっ!なかにぃぃぃ!!」
それを聞いてそのまま達してしまった
「はぁっ!…あつっ!!…イっ……あああっいっちゃぅぅぅーーー!!」
ドクン、ドクンと中へと流れ込む
言葉を出せないほどの気持ちよさに身を任せる
「はぁぁぁ…まだでてるぅ…だんなぁぁぁ……アタイ……ぅ…」
う?…その後、ちいさく“うれしい”と聞こえた
「ぉにぃちゃん……おむね…」
止まっていた手を動かすようにと、お福が哀願する
どうやら、休んでいる暇はないようだ
姉の痴態を見たからだろうか、お福の顔は真っ赤ではやくわたしにもしてと言わんばかりに潤んだ瞳で振りかえる
「おふくにもしてぇ…」
甘えた声で言うお福に、またイチモツが硬くなる
「あっだんなのがぁ…またおおきくなって…」
刺しっぱなしだったイチモツ。お富の中で再びむくむくと大きくなる
お富の汁と精でどろどろになっているそれを引き抜く
「あふっ♪」
ヌルっとしたその感触に、一瞬だけ寒気がした
「いいか?お福?」
「うん♪ いいよぅ♪ 」
待ちきれないと言うようなその声に、心が躍る
そして、秘裂へとイチモツを押し込んでいった
「ふぁ!おちんちん…ぬるぬる♪ 」
お富の中にあったのを引き抜いたからなのか、それとも昼頃にやったのが響いているのか
中は、とろとろでぬるぬるだった
とろけそうなほど熱い
“いくぞ?”と声を掛けてから動き出す
昼は四つんばいではできなかったが、今度こそぴたりと背に覆いかぶさり秘所に突きたてながら搾るように胸を揉んでやる
「ひゃ♪ひゃぁぁぁぁ♪ きもちぃ!きもちぃぃぃのぉぉぉ!!」
ぐちゅぐちょと出し入れするたびにいやらしい音が響き渡る
昼の時よりあきらかに動きがいい
中の襞ももっともっと奥へと引き込もうとするように蠢いてくる
お福もこっちの腰の動きにあわせてお尻突き出してくるのだ
「おにぃちゃん!おにぃちゃぁぁん!もっとぉもっとぉ…」
その甘える声が、もっと激しくやってやろうという心に火をつける
「あんっ!あぁんっ!…んっ…あはっ♪……はぁぁん…あっ……ひぃ…ぃぃのぉぉぉ♪」
「お福?…きれい…アタイも手伝うよ?」
お富も加わってお福を責め立てる
お福の口に口づけしながら、お富は爪を立てないようにしながらも乳首をつねって責め立てる
つねるたびに、秘裂がきゅっきゅと締まってくるのだ
「ふわぁぁぁ、もっ…もう…だめぇぇぇ」
「お福!俺ももうっ!…一緒…一緒にイクぞ?」
「うん!うんんっ!!…あぁ…いっしょにぃぃぃ!!」
これが最後と言わんばかりに浅く時に深く素早く腰を振るって絶頂へと上りつめる
突然、お富が玉袋を撫で始めた
それと同時に、お福の秘裂の小豆を抓みあげる。その感触にふたりとも不意打ちを喰らったかのように達した
「ふぁぁぁぁ!!あっいいいぃぃぃぃぃぃぃーーー」
何度も精が吐き出されていく
さっき出したばかりなのに…どくどくと
中へと吐き出される感覚に、お福はいつまでも痙攣していた…
「おにぃちゃぁん…また入れて♪」
「だんなぁ?こんどはアタイだよなぁ♪」
終わったと思ったら、またせがみ出すふたり。どうやら、いつまでも終わりそうもない。イチモツの取り合いはまだまだ続きそうだ…
布団の中で二人に抱きつかれている左近
腹の上には、お福の幸せそうな笑顔がある
「お富。おまえはもう金貸しはやめろ」
「…ん。でも…」
「もう懲りたであろ?前のように小商いでもするのだ」
「前のように…」
「この金で…また店でも始めろ」
お富の目の前に、左近は切餅を二つほど置いた
「これは?」
「これは、な…」
切餅と左近を交互に見るお富…
「田仲屋は、その財産一切がお取り上げとなり奴本人は獄門台送りだ。あそこの莫大な財はお国や奉行所のモノとなる。ならば、少しばかり頂いてきても罰は当たるまいよ」
「いいのかい?アンタ役人なんじゃないのかい?」
「金にがめつい誰かさんのおかげかもな…」
「…ぷ…ふっ…はははっ!!」
「はははははっ!! なぁに、ばれやしないさ。あの金蔵の中のほんの少しよ。だから、分かるまいて。…それに俺はもう役人は辞めるつもりだしな」
「え?」
お富の驚いた顔
「ほれ、このように…」
左近は腹の上のもう一方…、幸せそうに寝息を立てているお福を見やった
「お福…」
「そうだ。もう、いつまでも離れんようではお勤めなどまともに出来るわけなかろう?」
「…ん…んんん ♪ ……あにさま…ねぇちゃん……」
左近の胸に顔を寄せて幸せそうな顔で、寝言をいうお福
「すっかり、アンタのこと気に入っちゃったようね。おにぃちゃんから“あにさま”に言い方が変わってる。もう、アタイらみんな家族だよ」
「そうか。家族か…よいものだな。すっかり懐かれてしまったようだしな、これではすこしの間だというのに離れるとぐずり出してしまうかもな…これでは、やはりお勤めを続けるわけにも行かぬだろうて」
「お福とだんなとアタイと…また店を…」
「そうだ。人を癒す笑顔を持つ美人と、うまいものを食わせてくれる美人がいるのだ。繁盛せぬはずはあるまいよ」
「美人?突然、恥かしいね!何いい出だすんだい!」
そうしうと赤い顔して布団へともぐってしまったお富
「事実であろうが」
「…もう。……だんな。アタイが前に出していた飯屋ね?たぶん所帯を持ってなかったからダメだったんだと思う」
「確かに。商いは信用がなければやっていけぬ。所帯を持たなければ未熟者として信用されぬからなぁ」
「だろう?しかもこちとらあやかしとはいえ、女ふたりの店だ。だからこそ…舐められた」
「まぁ、今度はそうはなるまいよ」
「十手持ちの旦那だ。これほど心強いものはいないさ!よろしくね♪ だ ん な さ ま!」
「旦那様か…なにかこそばゆい…だが…好いものだ」
その後、話はとんとん拍子に進んだ
お富がかつてやっていた飯屋は未だ空き家で、そのままになっていた
例の金子を元手に飯屋を再開した
だがまだ左近は同心は辞められずにいたが…十手を持ちと所帯を持ったという飯屋の評判は日に日によくなっていった
おまけにその飯はうまいと来ている。繁盛しないはずがなかった
正月も過ぎ、暖かくなる頃
左近は二人を連れて近くの土手へとやってきた
「旦那?その包みはどうしたのさ」
背に背負っている包みが気になるのか聞いてきた
「ん?これか?宇佐次の奴が持ってきてくれたのよ」
「なぁに〜?」
「これはな?」
包みを開けると、そこには凧が…
表替えして絵柄を見ると…
なんと3人によく似た者が寄り添っている
「これ、アタイたちかい?」
「そうみたいだな真ん中が俺として…」
「アタイが上かね?」
「いや、お福が上だろ?目がほんわかしてるぞ?」
「どうせ、アタイはきつい目さ」
「だが、それもお前の魅力ということだろう?」
「言ってな!ばか!」
「じゃぁ…あにさまの上、のる〜!」
お福はいつもたのしそうだ
「おお?そうか?」
おんぶしようと座ると、肩車するように乗ってきた
「しっかりと掴まっておけよ?」
「あにさま!たかいたか〜い!!」
立ち上がると、きゃっきゃと笑い出した
「お福ー?どうだ?」
「いいよぉ〜」
「だんなはどうなんだい?」
「いいぞ?」
実のことを言うととてもいい
お福の胸の谷間に髷が入り、頭の剃っているところに胸が当たるものだから夢心地だった
「凧、上げてみないのかい?」
「やってみるか!」
左近は、せっかくの凧を上げてみることにした
「お福?走るからな?しっかり掴まっているんだぞ?」
「うん!あにさま!!」
「お富!しっかりとついて来いよ?で…」
「いいと言ったら放すだね」
「そうだ。じゃぁいくか!」
距離を持って走る
「いいぞ〜!」
お富が手を放す…
それは途端にぐんぐんと空へと上っていく
形は歪であるけれども、回ってしまうことなく空へと昇ってく
いっぱいに風を受けて昇っていった
「そらっ」
凧糸をお福にゆだねると、きゃっきゃという声を上げながらいっぱいに空を見上げている
「あんたぁ…またあんな高いところまでよく上げたねぇ」
「ああ、お福も大喜びだしいいだろ」
風は穏やかで凧は風に煽られることなくじっと、3人を眺めている
左近は土手に腰を下ろした
「ほら、お富」
腹の前を指差す
「…しかたないね」
渋々といった風を装いながらも顔が赤い
胡坐の上に座るお富
顔を背けているからよく見えないが…うれしそうだ
左近は、その体を抱きしめてやる
「あったかいな」
「ん」
「お福ー?寒くないかー?」
「あにさまの肩車にいるとおひさまがぽかぽかであったかいのー」
左近としては、お福のおかげで肩があったかかった。頭のてっぺんにはお福のやわらかな乳がぽよんぽよんと動き、眠くなってしまうようなあたたかさを与えてくれる
「お富。お福?」
「ん?」「なぁにー?」
「俺は今とても幸せだ。おまえたちはどうだ?」
「当ったり前じゃないかいよ!」
見上げるお富は、何当たり前のことを聞いてんだ?と笑い
「みんなでいるのーたのしいーのー!」
頭の上からは、無邪気な笑い声が響いてきた
「そうか」
ならばよい…そう思った
澄み切った空に浮かぶ凧は、風が来ても動じることなくその身を浮かべている
3人一緒ならば、どんな風が来ても乗り越えられるだろう
いつまでも笑いの絶えない日々を思って…
そんな左近を、いつまでも離そうとしないお福
そうこうしている間に、外ではばたばたと人の足音が聞こえてきた
「だんな!大丈夫ですかい?」
「宇佐次!すぐに行く!」
「やぁぁぁ。おにぃちゃんいかないで…」
いやいやして、腰に抱きつくお福。いつまでもこのままでいようと、その力は強く離せそうもない
「お福?」
「やだぁ…」
「お福。いまなぁ?お富が大変なんだ」
「ふぇ?おねぇちゃん?」
「そうだ。いまな、あいつのもとに行ってやらなければもう二度と会えないかもしれんのだ」
「やぁ!おねぇちゃんにまたあいたい!」
「だろう?だから、この手を離してくれな?」
「やぁ…」
「お福?すべてが終わったらまたやろう?」
「…またぁ?ほんとう?」
「ああ!本当だとも!だから、な?」
「…うん」
渋々といった感じではあったが…その手を離してくれた
繋がっていたイチモツを引き抜くと、こぽっと音をたてて精と蜜の混ざり合ったものが垂れてきた
二人が愛し合ったその証
強烈な二人の匂いが混ざり合ったその匂い
とても、よかった…
「お福」
「ん」
「行ってくる」
「ん。…ちゅ」
しばしの別れと、そのちいさな唇に口づけをしてやる
「いってらっしゃいおにぃちゃん!おねぇちゃんをたすけてあげてね?」
「もちろんだ!」
蔵の外にでると、浪人たちががっくりとうな垂れ、役人達に取り囲まれていた
「宇佐次!」
「へぇ!」
「お福も一緒に連れて来てやってくれ」
「へぇ。だんなはどうするんですかい?」
「お富が心配だ。すぐにでもあっちに向かう!」
「わかりやした!嬢ちゃんを連れてすぐにそっちに向かいやす!」
そうして、左近は与力や同心達と共に田仲屋へと走り出したのだった
数刻前…
お富は、朝飯を食べ終わると最後の取立てをしようと気合を入れて佐山家を後にした
金箱の金子はあと少しで目標に達する
おそらく、今日一日で何とかなるであろうと。
足裏すり減らし、時には金貸しになってほとんどやったこともない頭を下げてまで取り立てていた
お天道様が傾いた頃だった
忙しく歩き回るお富を呼び止める声があった
「おねぇちゃん!お富おねぇちゃん!」
聞いたこともない声。甲高いが男の子の声がした
振り向いてみると、文を差し出して言った
「文。預かったよ?渡してくれって」
「誰に?」
「あそこにいた、おじちゃんに…」
振り返ってもそれらしき男は見つからない
「わかったありがとう」
男の子は、去っていった
手紙には…
“妹が可愛かったら、集めた金持って田仲屋へと来られたし。すぐにでも来ない場合は逃げたものとする。金は妹と交換だ”
と…
「お福!!」
急いで、家に戻るも誰もいなかった
「誰か来ても出ちゃいけないって!!」
後悔してもどうしようもない
有り金すべてを持って、田仲屋へと急いだ
田仲屋へと行くと、すぐに田仲屋は出てきてお富の集めた金子を数え始めた
「いけませんねぇ…。あなたと交わしたことは、期日までにこちらの言う金額を集めること…でしたよねぇ」
「くっ…」
「わずかですが…足りませんねぇ」
「あと少し!今日、街中を回ればすぐにでも回収できるはずさ!だから、もう少し待ってくれよ!」
「あの時、わたしはなんと言いましたかな?」
「……」
「わたしに会うそのときまでに金を集めてくる。ですが、一銭でも足りなかったときはこの話はご破算となる…そういいましたよねぇ…」
くっくっくと笑い顔の田仲屋
「まぁ…いいでしょう。とにかく、この証文は返しましょう。ですが、あなたはお金を返せなかった。ですから、妹御はあなたの元に返すわけにはいかなくなった…」
「そんな!…あああ…お福…お福ぅぅぅ!こんな…こんな紙切れ欲しさに金貸しなんてしてきたんじゃない!妹をどこにやった!連れて行くなんて汚い奴!」
涙を浮かべるお富。その手には鉄の算盤が…。これで全力で叩いたら殺せるだろう…
しかし、田仲屋の用心棒が主を守るように立ちふさがった
そんな時、物陰から人が飛び出してきた
「まったく、見ていられねぇやな!」
「だれだ!!」
建物の影から飛び出してきたのは、左近だった
「なに、ちょいとしたおせっかいよ!!」
「あんた!何しに来たんだい?!そんな丸腰で!!」
「いいってことよ!そんなことより、やい!田仲屋!話は聞かせてもらったぜ!」
「何を聞いたというのですかな?」
「てめぇの悪だくみのなにからなにまでな!」
「ほう?伺いましょうか」
左近は、今まで聞いたすべてを順序だって語り始めた
田仲屋は、以前から金のちからに任せてやりたい放題だった
助平な性分から、金を借りたものに娘がいると借金の形に売り払うそんなことをしていた
だが、売り払う前に手をつけていた
女の胸に異常な執念を持っていた田仲屋は、多くの者を妾としていた
「ある時期のことだ!てめぇは、てめぇの死に時期をしきりに気にしていたそうじゃねぇか!」
だから、考えた。この世には長寿を生きる者がいる
それは、人と同じに見えながら違う
あやかし者…
その番となったものは、長きにわたる長寿となるらしい
女と同様の寿命となるために、年老いた男は番とならば再び若返り、長きに渡る年月を生きることとなる
そこに目をつけた
あやかしは美女が多い
だが、あやかしは自分本位な者が多い。虜にして自らの元に縛り付けてしまうものもいる
頭がよく、聡明なものも多い
それは、長寿を持ってますます栄華を極めようとした田仲屋には、都合の悪いものだった
従順でどこか抜けている…おつむの弱い
それでいて、興味の尽きない胸を持つものが必要と思った
そんなとき、あるあやかしが目に入った
それは、小鬼
小鬼は、子供っぽくずる賢い。だが、どこか抜けている
それに、時々変種で胸にすべてがいってしまったと思えるような者が産まれるらしいと聞いた
だから、探さした
さんざん探した結果…
「見つけたのは、このお富とお福…」
調べてみれば、ちいさな飯屋を営んでいるのがわかった
すぐにヤクザ者を近くに住まわせた
野放図なヤクザ達にあたりに住んでいたものは去り、お富の店は人が立ち寄らなくなり借金をするハメになった
誰かが、お富に親切な金貸しがいると教え込んだ
返せなくても、少し変わった趣味を持っていてこれを打ち倒せばすべてをなかったことにしてくれると…
そう吹き込んだ
期日までに田仲屋の与えた目標の金額を金貸しをやって集めること
それが、田仲屋の出した条件
元手を出してやり、その日が来るまでにと…これは、お福を賭けた遊戯であると…
金持ちのちょっとした愉しみであると…そう言って
だから、お富は賭けにでた
だが、もとからお福を欲していた田仲屋はそんな賭けをハナっからする気はなかった
適当にやらせて金が集まってくるや、辻斬りや火付…嫌がらせの数々を雇っているヤクザ共にやらせ、お富を動揺させようとした
「違うかっ!?」
「よくできた作り話ですが…証拠は?」
余裕顔の田仲屋
「てめぇの囲っている妾から話は聞いたぜ?妾は使い捨てで、そのあやかしは手元でさんざん弄ぶっつぅ魂胆だろうが…そうは問屋が卸さねぇ!!」
「ふっ。あの者達は皆、借金を形に妾になったものばかり。私を悪く言うのは当たり前じゃぁないですかな?」
「…じゃぁ俺は、このお富を連れ添って奉行所へと駆け込んでやらぁ!たしか…賭博法度っつうモンがあったよなぁ?てめーのやっていることは人身を掛けた賭博そのものだろうが!」
そういうと、ゆらりと浪人たちが動いた
刀に手を掛け、鯉口を切った
「そんなことをされては困りますなぁ。…仕方がない。では、先生方?余計な口は塞ぐ。それが長生きの秘訣です。頼みましたよ」
ゆっくりと刀を抜く浪人たち
「だんなぁ!これを!!」
宇佐次の声
どこからか飛んで来たのは、刀と十手を包んだ羽織
それを掴むと左近はそれを身に付けた
「奉行所同心、狭山 左近である!貴様らよくもやりたい放題してくれたなぁ!!」
声と同時に、隠れていた他の同心や与力たちも馳せ参じた
「貴様!謀ったなぁ!」
田仲屋の悔しそうな声
「寮にいたバカ浪人連中からも話を聞いたぜ?火付けをやらせたってなぁ!獄門台を覚悟しやがれ!!」
そして、与力たちの声と共に一斉に捕り物が行われ、田仲屋をはじめ浪人達などこれらはすべて召し捕られた
「お富!大丈夫か?!」
「お福!お福はどこ!!」
「大丈夫だ。宇佐次!!」
「へぃ!」
宇佐次がお福を伴ってやってきた
「ねぇちゃぁんんん!!」
「お福!お福ぅぅぅ!!」
精一杯抱きしめあう姉妹
涙を浮べて抱き合う姿は、涙を誘った
「宇佐次」
「へい」
「姉妹の絆…いいものだな」
「まったくで」
「感動の再会だ。邪魔しては悪いであろ?」
「へ。そうですな」
二人はそっとその場を離れた
田仲屋の者達はことごとくひっ捕らえられた
借金の形に連れて来られた女たちは、市中にある養生所へと送られて心と身体の癒しを施されるのであろう
二人が金蔵へと行ってみると、役人仲間が目を輝かせてため息をついていた
蔵の中は…もはや、万の桁になっているほどの千両箱が積まれていた
「けっ!こんなにも溜め込んでやがった」
「壮観ですな。ここまで集まると…」
「こんなに集めながらも、もっと栄華を極めようとするなんざ、迷惑なこった!」
「まったくで」
「人の生なんざ50越えらぁいい方だ!60越えてまだまだなんて…」
「強欲なものほど、考えることはえげつない…」
「唄にもあらぁな!“人生五十年…”ってな。善良な者が五十越えするのはいいが、田仲屋なんぞ一刻も生きてられちゃ迷惑だっつうもんだ!」
「あと何十生きるつもりだったか知りやせんが…まったく危ないところだった」
「しかし、もったいねぇな。これ全部が御金蔵送りか…」
「すこし頂いても判かりはしないんじゃないですかい?」
「そういうな…」
「まぁ、それじゃ、あっしは外の手伝いに…」
「おう」
左近は誰もいなくなった蔵の中を見回す…ぎっちりと並べられた千両箱…
「すこしばかり…か…」
蔵から出ると、お富とお福がいた
「だんな…」
「おにぃちゃん!」
まだ目が潤んでいる
お福は左近の足に抱きついた
「お富。よかったな」
「アタイ…」
「ん。まだ、後始末が残っていてな。先に家に帰っていてくれ」
「……わかった。それじゃ行こう?お福…」
「おにぃちゃん…」
なかなか離れようとしないお福
「お福。家に帰ってからだ。いいな?」
「…うん」
そう言って、二人は帰っていった
左近が帰宅したのは、日が暮れてからだった
「帰ったぞー?」
「おかえり!おにぃちゃん!」
部屋へと入った途端に押し倒された
「ふあぁ!もうおふく、がまんできないよぅ!」
「お福?!」
起き上がろうとしても押さえつけられていてどうにもならない
「おむね、おむね!」
「…わかったよお福。…っと」
「ふわぁぁぁ!」
押し付けられている胸の間に手を差込み、ぐにぐにと揉んでやる
と、すぐにもその反応が…
身体をのけぞらせて、びくびくっとした
「気持ちいいよぅ…」
「そうか?俺もな、おまえの胸にもう病み付きだ」
「にぃちゃぁんんん…」
「お福…」
どちらともなく唇を奪う
ガタン!
はっとして、音のした方を見ると唖然としたお富が突っ立っていた
唖然としていたその顔はだんだんと険しいものへ…
「だんな…」
「…お富」
「お福も…………いつからだい?」
「…お富に助太刀しに行くすこし前…だ」
「おにぃちゃぁ…やめちゃやぁぁぁ…」
「…お福の顔が赤いからどうしたのかと思っていたけど…そういうことか…」
「やめちゃやぁ……」
「お福…ちゅっ……んっ…ちゅるっ…」
「…だんな。アタイ言ったよねぇ…お福にてぇ出したら承知しないって!」
「……」
「だから、…だから…さ…。アタイも混ぜな!」
「ちゅっぷ…は?いまなんて…っんんん」
「やめちゃ、やぁなのぉ…んっ!ちゅっちゅっ」
お富は自分の帯を解くと、着物を肌蹴させながらも左近の帯を解きにかかった
「ふふっ。もう、すっかり準備はいいようだねぇ!」
意地悪そうな顔をして微笑むお富
「っぷ…お富!おまえ!」
「んっ…おねぇちゃん。おねぇちゃんもしたいの?」
「そうだよ。アタイのお福を…許さないんだから!だから、アタイとお福とでだんなを狂わしてやるんだ。いいだろう?」
「い〜よぉ。みんないっしょだぁ♪ 」
「そうそう。一緒一緒。きっとたのしいよ」
「うん♪ 」
「お福。だんなのからだ押さえつけながらこっちおいで」
「うん」
「何をするつもりだ?」
すっかりと大きくいきり立ったイチモツ
それを、二人が息もかかる間近で覗き込むように見ている
「お福?その大きなおっぱいでだんなのちんちんを包んで」
「んーふふふ。いいよぉ」
たちまち、やわらかい乳ですっぽりと包まれてしまった
「んふふふ♪おちんちん、かったいのぉ」
「だんな?アタイが満足するまで離してやんないからな?覚悟しろよ?」
そういうと、顔を寄せてきて先っちょに舌を絡ませはじめた
ざらざらとした舌の感触にぴくんと跳ねる
「あっ…おむねのなかで…おちんちんがはねたぁ」
「ふふふふ?だんな?舐められるだけでこんなにぴくぴくしてたら持たないよ?」
「莫迦をいえ…」
お福の胸から飛び出している亀頭
ぴちゃぴちゃと音を立てながらお富は舐め上げていく
「お福?お福もだんなのさきっぽ舐めてあげな?」
「うん!」
二人の舌が絡みつく
塗りつけられる唾がぬるぬるとしてきて、舌が絡むたびにビクビクと跳ねるのだった
「おねぇちゃん。さきっちょからなにか出てきたよ?」
「うん…ちゅるっ!あはっ♪いい味だよぉ。お福も舐めてみなぁ」
「うん!ちゅる…ぁ…おいしい…おいしい!」
「さぁ!だんな?もっと出しな!勿体つけるなんてなしだよ!」
お富とお福が先を争うようにして舐め咥える
そして、ちゅぅちゅぅと吸うのだ
お福は、そんな間にも大きな胸で竿の辺りを扱くように押し付ける
二人の舌が丁寧になぞりながら動き回る
そんな感触に、もうイキそうになっていた
もう、素直に喘ぎ声が口から漏れ出ていた
「ふふ。いいみたいだねぇ。そんなにも喘いじゃって。いつもの頼りがいあるだんなは一体どこにいっちまったんだい?」
「かわいいのぉ〜。ちゅ…れろ…ちゅるる…」
「さぁお福?もっとおいしいお汁をだんなは隠してるよ?もっともっとペロペロなめておあげ」
「ほんとぅ?おにぃちゃん、はやくおいしいお汁ちょうだい?」
「んむっ…っちゅっ…れろ…ちゅるるる!」
尿道に舌を差し込まれて舐められただけで限界に達した
「ひゃっ♪ ぁぁ!あはぁ♪ イイ匂い!ちゅるっ……おぃしぃぃぃ!!」
「ああ♪ やっとぉ……んっちゅっ……はぁぁぁ♪」
果ててドクドクと出し切るまで間欠泉のように吹き出ている
白い精は、二人の顔や胸にかかってその肌を汚していた
そのうちに、二人が互いにそれを舐めあい口づけしあっている
そんな淫靡な様子に、萎えたイチモツは再びムクムクと立ち上がる
「だんなのぉぉぉ…またぁぁぁ…おっきくなってぇ…きたぁ♪ 」
「おにぃちゃんのぉぉぉ…またぁ…」
トロンとした顔…うれしそうな声…
「今度は…口じゃなくてぇ…お腹の中でだんなを感じたいよぉ…」
切なそうな声
お富の股を見ると、つーっと足を伝うもの
それは、あとからあとから滲み出してきているみたいだ
ぽたっ…ぽたっ…と滴ってもいる
「お福?お富を押し倒して上に乗りな?」
「うん♪ おにぃちゃん」
「お福?」
「おねぇちゃん♪」
押し倒されたお富
「それで、足を開くんだ」
「うん」
重なり合う姉妹
目の前には二つの花びらが重なり合うようにそこにある
きれいな桃色の花びら
互いにとろりとしたものを滴らせていた
さすが姉妹。こんなにも似ている
貝が重なり合うように、幼女のようなかわいい顔が肌を上気させてこちらを見つめている
「お富!お福!もう我慢できねぇ!いくぞ?」
「う、うん」
「うん!おにぃちゃん!!」
「お富は初めてだからな?お福?ねぇちゃん先でいいか?」
「いいよぉ。でもおむね…ね?」
「わかっているよ」
お福に覆いかぶさってその胸を揉んでやる。そして乳首がコリコリに起っているのを確かめると、お富の乳首と擦れ合うようにしてやる
「あっああ!そんな乳首!」
小さい小豆のようなその乳首
なだらかな膨らみの上でぴんと起っていた
お福の乳首とお富の乳首を指先で同時に弄くりながら、イチモツをお富の花びらに擦り付ける
「ふぁっ!いきなりぃ…っく。ふぁぁぁ…」
お福のときのように、キツキツなのであろう
イチモツに滴る愛液を擦り付けていく
すこしでも、入れたときの痛みがないように…
行くぞ?というと、ぎゅっと目を瞑って耐えようとするような顔をした
「お福?ねぇちゃんに?口づけしてやんな」
「うん。ねぇちゃん…ん、ちゅ…」
「おふくぅ…ん…ちゅ…ちゅ…」
姉妹で舌を絡ませている光景が堪らない
おもわず鼻息が荒くなる
「だんなぁ…はやくぅ…」
うなずいてから、亀頭をすこしずつ押し付けて行ってやる
ちいさくきつい秘裂
愛液で濡れそぼっているのに無理やり引き裂く感じに腰が引けてくる
「あっ!あああっ!入ってくるぅ!!だんなのおちんちんがっ!入ってくるよう!」
途中でやめてしまったら痛みが残る
それに、お富を傷つけてしまうかもしれない。いれるのを止めて、いった
「力を抜け。お福?ねぇちゃんの胸揉んでやんな?」
「うん」
きつい中…少しずつ緩んでいった
そんな中をイチモツは突き進む
「だんな!あっ!奥!奥までっ!!大丈夫だからっ!」
最後まで入りきると…
「だんなとひとつになったんだねぇ…。アタイうれしいよ…」
涙を流して、そう言ってくれた
「だんな…うごいて…いいよ。うん。気持ちよくなろう?今は痛いけど、アタイはおやかしだから大丈夫。すぐによくなるはずさ」
だが、もうお富の中は入った瞬間からイチモツをきゅうきゅうと締め付けていた
熱い襞がうねうねと蠢いて、好いた男の形を覚えこもうと、いっしょに気持ちよくなろうと包み込むように蠢く
お富の言葉に、理性が飛んだ
気持ちいい。この小さな中でもっとこの感じを感じていたい
だが、一緒に感じるには?互いに感じあえるようにすればいい…
すこしずつ腰を使い始めていった
「あっんっ…だんなぁ…っ!遠慮はっ…っく…あっああっ…いらな……あっんっ」
苦しげだった声がだんだんとあまい響きに変わっていくのを聞きながら、腰を早める
中の襞をかき回すように
刺し貫こうとするように抜き、一気に貫く
「あ、あっ、あああぁぁぁ!!アタ、アタイ!だんなに貫かれてっ…、すごっっ…いいっ…いいよう!!」
勢いをつけて突いてやる
奥の壁まで当たるんじゃないかというほど腰を振るった
「だんなのがっ!だんなのがっ!!おっ奥。おくにっ!あっ…っはぁぁぁ…あたってるのぉぉぉ!!」
「おねぇちゃん…かぁいい♪ ちゅっ…ちゅっるっ」
「お富!そろそろダメだっ!…くぅっ!…おまえのなかっ!イイんだっ。このまま引きずりこまれちまうんじゃ…っ…ないかと思うほどっ…!」
「ちょうだいっ!だんなのっ!!中にっ…はっ!…はぁっ!なかにぃぃぃ!!」
それを聞いてそのまま達してしまった
「はぁっ!…あつっ!!…イっ……あああっいっちゃぅぅぅーーー!!」
ドクン、ドクンと中へと流れ込む
言葉を出せないほどの気持ちよさに身を任せる
「はぁぁぁ…まだでてるぅ…だんなぁぁぁ……アタイ……ぅ…」
う?…その後、ちいさく“うれしい”と聞こえた
「ぉにぃちゃん……おむね…」
止まっていた手を動かすようにと、お福が哀願する
どうやら、休んでいる暇はないようだ
姉の痴態を見たからだろうか、お福の顔は真っ赤ではやくわたしにもしてと言わんばかりに潤んだ瞳で振りかえる
「おふくにもしてぇ…」
甘えた声で言うお福に、またイチモツが硬くなる
「あっだんなのがぁ…またおおきくなって…」
刺しっぱなしだったイチモツ。お富の中で再びむくむくと大きくなる
お富の汁と精でどろどろになっているそれを引き抜く
「あふっ♪」
ヌルっとしたその感触に、一瞬だけ寒気がした
「いいか?お福?」
「うん♪ いいよぅ♪ 」
待ちきれないと言うようなその声に、心が躍る
そして、秘裂へとイチモツを押し込んでいった
「ふぁ!おちんちん…ぬるぬる♪ 」
お富の中にあったのを引き抜いたからなのか、それとも昼頃にやったのが響いているのか
中は、とろとろでぬるぬるだった
とろけそうなほど熱い
“いくぞ?”と声を掛けてから動き出す
昼は四つんばいではできなかったが、今度こそぴたりと背に覆いかぶさり秘所に突きたてながら搾るように胸を揉んでやる
「ひゃ♪ひゃぁぁぁぁ♪ きもちぃ!きもちぃぃぃのぉぉぉ!!」
ぐちゅぐちょと出し入れするたびにいやらしい音が響き渡る
昼の時よりあきらかに動きがいい
中の襞ももっともっと奥へと引き込もうとするように蠢いてくる
お福もこっちの腰の動きにあわせてお尻突き出してくるのだ
「おにぃちゃん!おにぃちゃぁぁん!もっとぉもっとぉ…」
その甘える声が、もっと激しくやってやろうという心に火をつける
「あんっ!あぁんっ!…んっ…あはっ♪……はぁぁん…あっ……ひぃ…ぃぃのぉぉぉ♪」
「お福?…きれい…アタイも手伝うよ?」
お富も加わってお福を責め立てる
お福の口に口づけしながら、お富は爪を立てないようにしながらも乳首をつねって責め立てる
つねるたびに、秘裂がきゅっきゅと締まってくるのだ
「ふわぁぁぁ、もっ…もう…だめぇぇぇ」
「お福!俺ももうっ!…一緒…一緒にイクぞ?」
「うん!うんんっ!!…あぁ…いっしょにぃぃぃ!!」
これが最後と言わんばかりに浅く時に深く素早く腰を振るって絶頂へと上りつめる
突然、お富が玉袋を撫で始めた
それと同時に、お福の秘裂の小豆を抓みあげる。その感触にふたりとも不意打ちを喰らったかのように達した
「ふぁぁぁぁ!!あっいいいぃぃぃぃぃぃぃーーー」
何度も精が吐き出されていく
さっき出したばかりなのに…どくどくと
中へと吐き出される感覚に、お福はいつまでも痙攣していた…
「おにぃちゃぁん…また入れて♪」
「だんなぁ?こんどはアタイだよなぁ♪」
終わったと思ったら、またせがみ出すふたり。どうやら、いつまでも終わりそうもない。イチモツの取り合いはまだまだ続きそうだ…
布団の中で二人に抱きつかれている左近
腹の上には、お福の幸せそうな笑顔がある
「お富。おまえはもう金貸しはやめろ」
「…ん。でも…」
「もう懲りたであろ?前のように小商いでもするのだ」
「前のように…」
「この金で…また店でも始めろ」
お富の目の前に、左近は切餅を二つほど置いた
「これは?」
「これは、な…」
切餅と左近を交互に見るお富…
「田仲屋は、その財産一切がお取り上げとなり奴本人は獄門台送りだ。あそこの莫大な財はお国や奉行所のモノとなる。ならば、少しばかり頂いてきても罰は当たるまいよ」
「いいのかい?アンタ役人なんじゃないのかい?」
「金にがめつい誰かさんのおかげかもな…」
「…ぷ…ふっ…はははっ!!」
「はははははっ!! なぁに、ばれやしないさ。あの金蔵の中のほんの少しよ。だから、分かるまいて。…それに俺はもう役人は辞めるつもりだしな」
「え?」
お富の驚いた顔
「ほれ、このように…」
左近は腹の上のもう一方…、幸せそうに寝息を立てているお福を見やった
「お福…」
「そうだ。もう、いつまでも離れんようではお勤めなどまともに出来るわけなかろう?」
「…ん…んんん ♪ ……あにさま…ねぇちゃん……」
左近の胸に顔を寄せて幸せそうな顔で、寝言をいうお福
「すっかり、アンタのこと気に入っちゃったようね。おにぃちゃんから“あにさま”に言い方が変わってる。もう、アタイらみんな家族だよ」
「そうか。家族か…よいものだな。すっかり懐かれてしまったようだしな、これではすこしの間だというのに離れるとぐずり出してしまうかもな…これでは、やはりお勤めを続けるわけにも行かぬだろうて」
「お福とだんなとアタイと…また店を…」
「そうだ。人を癒す笑顔を持つ美人と、うまいものを食わせてくれる美人がいるのだ。繁盛せぬはずはあるまいよ」
「美人?突然、恥かしいね!何いい出だすんだい!」
そうしうと赤い顔して布団へともぐってしまったお富
「事実であろうが」
「…もう。……だんな。アタイが前に出していた飯屋ね?たぶん所帯を持ってなかったからダメだったんだと思う」
「確かに。商いは信用がなければやっていけぬ。所帯を持たなければ未熟者として信用されぬからなぁ」
「だろう?しかもこちとらあやかしとはいえ、女ふたりの店だ。だからこそ…舐められた」
「まぁ、今度はそうはなるまいよ」
「十手持ちの旦那だ。これほど心強いものはいないさ!よろしくね♪ だ ん な さ ま!」
「旦那様か…なにかこそばゆい…だが…好いものだ」
その後、話はとんとん拍子に進んだ
お富がかつてやっていた飯屋は未だ空き家で、そのままになっていた
例の金子を元手に飯屋を再開した
だがまだ左近は同心は辞められずにいたが…十手を持ちと所帯を持ったという飯屋の評判は日に日によくなっていった
おまけにその飯はうまいと来ている。繁盛しないはずがなかった
正月も過ぎ、暖かくなる頃
左近は二人を連れて近くの土手へとやってきた
「旦那?その包みはどうしたのさ」
背に背負っている包みが気になるのか聞いてきた
「ん?これか?宇佐次の奴が持ってきてくれたのよ」
「なぁに〜?」
「これはな?」
包みを開けると、そこには凧が…
表替えして絵柄を見ると…
なんと3人によく似た者が寄り添っている
「これ、アタイたちかい?」
「そうみたいだな真ん中が俺として…」
「アタイが上かね?」
「いや、お福が上だろ?目がほんわかしてるぞ?」
「どうせ、アタイはきつい目さ」
「だが、それもお前の魅力ということだろう?」
「言ってな!ばか!」
「じゃぁ…あにさまの上、のる〜!」
お福はいつもたのしそうだ
「おお?そうか?」
おんぶしようと座ると、肩車するように乗ってきた
「しっかりと掴まっておけよ?」
「あにさま!たかいたか〜い!!」
立ち上がると、きゃっきゃと笑い出した
「お福ー?どうだ?」
「いいよぉ〜」
「だんなはどうなんだい?」
「いいぞ?」
実のことを言うととてもいい
お福の胸の谷間に髷が入り、頭の剃っているところに胸が当たるものだから夢心地だった
「凧、上げてみないのかい?」
「やってみるか!」
左近は、せっかくの凧を上げてみることにした
「お福?走るからな?しっかり掴まっているんだぞ?」
「うん!あにさま!!」
「お富!しっかりとついて来いよ?で…」
「いいと言ったら放すだね」
「そうだ。じゃぁいくか!」
距離を持って走る
「いいぞ〜!」
お富が手を放す…
それは途端にぐんぐんと空へと上っていく
形は歪であるけれども、回ってしまうことなく空へと昇ってく
いっぱいに風を受けて昇っていった
「そらっ」
凧糸をお福にゆだねると、きゃっきゃという声を上げながらいっぱいに空を見上げている
「あんたぁ…またあんな高いところまでよく上げたねぇ」
「ああ、お福も大喜びだしいいだろ」
風は穏やかで凧は風に煽られることなくじっと、3人を眺めている
左近は土手に腰を下ろした
「ほら、お富」
腹の前を指差す
「…しかたないね」
渋々といった風を装いながらも顔が赤い
胡坐の上に座るお富
顔を背けているからよく見えないが…うれしそうだ
左近は、その体を抱きしめてやる
「あったかいな」
「ん」
「お福ー?寒くないかー?」
「あにさまの肩車にいるとおひさまがぽかぽかであったかいのー」
左近としては、お福のおかげで肩があったかかった。頭のてっぺんにはお福のやわらかな乳がぽよんぽよんと動き、眠くなってしまうようなあたたかさを与えてくれる
「お富。お福?」
「ん?」「なぁにー?」
「俺は今とても幸せだ。おまえたちはどうだ?」
「当ったり前じゃないかいよ!」
見上げるお富は、何当たり前のことを聞いてんだ?と笑い
「みんなでいるのーたのしいーのー!」
頭の上からは、無邪気な笑い声が響いてきた
「そうか」
ならばよい…そう思った
澄み切った空に浮かぶ凧は、風が来ても動じることなくその身を浮かべている
3人一緒ならば、どんな風が来ても乗り越えられるだろう
いつまでも笑いの絶えない日々を思って…
12/01/04 21:11更新 / 茶の頃
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