連載小説
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10.温もり
最初に感じたのは、冷たい感触と柔らかな感触だった
それを、額に感じた
何の感触かと思っていたら、スーっと頭を滑る
すべすべしている感触にやさしげに撫でられるのが気持ちよくて、つい安らいだ声を上げてしまう
「・・・う・・・んん
なにかやさしいものがすぐ近くにあるような気がする
片腕はやわらかく温かいものが触れている
そのやわらかいものは呼吸をしているかのように動いている
肩が少し重いような気もする
そして、下半身に何か乗っているようだ
寝る時に布団の上に何か物を置いたまま寝てしまったかのような重みを感じる
それは、ときどきペン・・・ペン・・・とやさしく叩く。例えで言うなら、昔母親が子守唄を歌ってくれた時に手で一定のリズムをつけてくれたときのようなあのやさしい感覚・・・

そのやわらかな感触のほうに寝返りをうってみた
「・・・うん?
やっぱり温かいものがすぐ近くにある
そして、頬のすぐ近くに息が掛かっている・・・ような?風を感じる
“すー・・・すー・・・”

さっきから甘い匂いを感じる
寝返りをうったとたんにそれはもっと強く香るようになった
そう、女性の頭に顔を寄せるといい匂いがするけどあんな感じだ
いい匂いに誘われて体を寄せる

“・・・ふふ”
誰かが笑ったような声が耳元で聞こえた
頭を撫でてくれる感触が気持ちいい
いい香りと温かさに包まれて、私はまた深い暗闇に引きずられるように落ちていった




・・・




暗闇に誰か大切な人が浮かんでいる
でも、泣いているように見える
誰だっけ?
手を伸ばしてみるも、遠ざかってしまう
トカゲみたいな尻尾があって、美人で特徴的な目が印象的な・・・愛しい・・・そう
私の愛しい大事な人・・・
その名は・・・?
ミーリエル

ミーリエル!!

名を呼んでもだんだんと遠ざかる

遠ざかるその先・・・

向こうに光が見えてきた

ミーリエルはその中へ私を導くかのように遠ざかっていく

彼女は少しこちらを見ると、にっこりと笑って光へと消えていった・・・


「っ!」

目を覚ますと白い光景・・・
まさかまた・・・?
いや、あの時とは違う・・・
白く温かな布団に顔ぐらいまでもぐっていた
頭の上に誰かいる気がしてそろりそろりと顔を上げてみると・・・

あの爬虫類のような細い瞳孔を持つ瞳が、やさしく見ていた
もう何度も見ているのに、初めて見たような気がする
近くで見ると少し緑がかっていて、その神秘的な瞳に吸い込まれてしまいそうなそんな印象を持った

「・・・」
「・・・」
少しこのまま声をかけるのが躊躇われた。
「・・・・・・ミー・・・リエル?」
まだ、夢の中なんじゃないかとまだ恐怖が纏わり付く・・・
「っ・・・ユ・・・ユージィ・・・。ユージィィ・・・。・・・っ」
私の名を呼ぶミーリエル
でも、だんだんと目が涙を湛えるのが見えた・・・
「ユージ!・・・もう・・・二度と目を覚まさないのか・・・と・・・
ミーリエルは私の頭をしっかりとその胸に抱きしめた
彼女の胸元から立ち上る甘い香り・・・
これがミーリエルの匂いなんだ・・・
布団から腕を出して、私もおずおずと抱きしめてみた
温かい・・・
やわらかい・・・
彼女の豊満な胸やさしく私の顔をを包み込む。すべての不安を溶かすかのようなぬくもり・・・
どのくらいそうしていただろうか・・・
抱きしめるのを解いて見上げると彼女と目が合う
片手で彼女の頬を触ってみた
やはり、やわらかで卵のようにすべすべしている。それでいて、しっとりとした感触が伝わってきた
いつまでも触っていたい様だ
もっともっと彼女を見たくて触りながら観察する
ちょっとくすぐったそうにしながらも私のするままに任せているミーリエル
でも、彼女もそんな私の一挙一動を逃すことなく見ようとジッと私を見つめている

栗毛色した髪の毛の生え際・・・
おでこ・・・
髪の毛と同じ色をした眉毛・・・
人の耳とは違う特徴的な形の耳
どうなっているのか知りたくて指でなぞる
あっ・・・ううん
そのくすぐったそうで色っぽい声にドキッとした
少し緑がかった神秘的な色をたたえた目
視線が絡み合う・・・
すぐにでもキスをしてしまいそうになるのを堪える
右目の下に泣き黒子
鼻筋・・・
ピンク色したかわいらしい唇・・・
しっとりとしていて・・・指でなぞってみる
ペロッ!
「っ!」
ちょっと指を舐められてしまった
「ふふっ」
待ちきれないぞ?と言うかのような目。心がぐらつく
ピンク色したかわいらしい唇から少しだけのぞいた、イチゴのように赤い舌
頬に手を添える
彼女の目から目が離せない・・・
吸い込まれるようにキスをした
そのまま口を開けると、彼女の舌が私の舌はどこ?とでも言うように絡み付いてきた
少しざらついたその舌はキャンディーを転がすかのように絡んできて私を翻弄する
チュ…チュプ…チュ…こくん・・・
「う・・・うん・・・んんん・・・ちゅ・・・」
私の唾液を咀嚼するかのように舐めとりながら飲んでいるようだ
同じように彼女の口の中の唾液を集めるようにして飲み込む・・・
甘い・・・
なんなのだ?これは・・・なぜか甘くおいしいと感じた
止まらない
互いに唾液を集め、絡めて舐めあう
唾液はどんどんあふれ出てくる
それを舌先ですくって、絡め飲みあう
彼女の顔は桃色に染まっていてたまらなく愛しい
互いに息荒く、ちょっと口を離すと名残惜しいかのように赤い舌がチロチロと私の舌を追ってくる
唾は互いのが混ざり合い白く糸を引くようになっていた

「ミーリエル・・・君をもっと見たい」
ちょっとはにかんだようにうなずく彼女
舌先で舐めキスをしながら見ていく
あご・・・
首筋・・・
鎖骨・・・
乳のなだらかなライン
服を脱がして、豊満なおっぱいに行こうとしたけど、しっぽの先がもじもじとといった感じで背中をなでる
・・・?・・・ちょっと目線を上げてみる
彼女は、ものほしそうな寂しげなような表情の目を浮かべてた
・・・
ごめん…ミーリエル…私ばっかり楽しんでいたようだ
再び、口づけする
口付けしては離し、口付けしては離す
時折、首筋や肩にキスしてみたり
彼女の肌を・・・反応を楽しみたい
腰を抱いていた手を胸元へ・・・やわらかそうな乳房。それに触れようとした・・・



「ミーリエル?ユージは起きたかな !?」


「っ!!!」
すべてが凍りついたような気がした
ゆっくりと大きな声のした方へ目線を移す・・・
そこには魔女さん・・・アースリー・メルズことメルが目をまん丸にして固まっていた

「・・・」
「・・・これは・・・すまない。お邪魔だったようだね」
小さな手で頬をかきながらそっぽを向くメル
私たちは仕方なく起き上がってメルのほうに向き直った
「メル!やっと!やっと彼起きたの!本当に・・・本当にメルのおかげ!ありがとう」
私たちの近くにやって来たメルの手を両手で握ると嬉し涙を流してお礼を言うミーリエル
メルは私に向き合うと言った
「初めましてと言ったほうがいいのかな?ボクがアースリー・メルズ。魔女をしている。よろしくな」
差し出された手をとり握手する。小さく可愛らしい手・・・
赤い三角帽子、赤いローブ。胸元には何かを象った首飾りのような金細工をつけている
三角帽子のつばの下から見える、青いガラスのような透き通った目が印象的な魔女さん
私の胸ぐらいの高さくらいなのかな?、その顔は幼女のように幼く可愛らしいのに、どこか威圧感というか威厳と言うかはさすがと言うところなのだろう
「初めまして、異世界の日本からやって来た優治です。その節は、いろいろと骨を折っていただき本当にありがとうございました」
メルはふっと笑うと言った
「堅苦しいあいさつはなしだよ?ボクだって君には礼を言いたいんだから」
礼?礼なんていわれるようなことしたかな?
「君のおかげで実に面白い日々だったよ。しかも、君の行動力には脱帽だよ!本当に越えてきてしまうのだから!想いの力が鍵となるとは言ったけどまさか・・・それにいいデータも取れた!ありがとう!!」
本当に面白いものが見れたと言うようににっこりと笑っている
「はぁ・・・それでメルさん。私が雷を食らった後のことをお聞きしたいのですが・・・」
「ミーリエルからどこまで聞いている?」
「まだ、なにも・・・」
「そうか・・・。君は雷を受けて大火傷を負ったんだ。君のその腕。そこに今見えているのは最初の雷の傷だね?そして、それよりも下に今回の雷が直撃したんだ。回復魔法のおかげで出血とかは止まったけどまだ治りきってないから無茶はしないことだよ?」
雷をうけた事により、腕が思うように動かない。肩ぐらいまではなんとか上げられるのに、それよりも振り上げようとすると激痛が走る。骨折した時のように鈍痛が常に腕に走ってもいる
「同じような所に二度も直撃してしまったんだ。腕が上がらないのはわかるけれど、他にも次元を越えたことによるなんらかの影響があるかもしれないから、ボクも君の体を定期的に見守るとするよ」
ありがたい。これでなんかあった時に相談が出来る
「ありがとうございます。それはそうと、質問があります」
「なんだろう?」
目が覚めてから、ずっと疑問に思っていたことだ
「私は今、どうしてメルさんやミーリエルと普通に話しているんでしょうか?」
「ふむ・・・神が召喚をする時は神の加護というやつで言葉が通じるようになると聞くが、君はそうではないからな。・・・おそらく、魔王様のおかげだろうね」
「魔王…様ですか?」
「そう。魔王様の想いと魔力かな」
魔力…魔力と言われてもそれがなんなのかピンと来ない。よくゲームとかファンタジーで聞くやつだろうか?
「うん。魔力って言うのはボクたち魔物の生命エネルギーというところかな?」
彼女たち魔物の生命エネルギーと言語と何が繋がるのだろうか?
「この世界はどんどん魔王様やボクたち魔物の魔力が増えていっている。魔王様の理想はすべての人間と魔物が仲睦まじく共に暮らし、互いに求め合う、そんな平和な世の中を目指しておられる。君は自分の住んでいた世界を捨て、彼女と一緒になる決意を持ってこの世界に飛び込んできた。君の想いと魔王様の想いそれらが結びつき、魔王様の魔力が働きかけて言葉を理解できるようになったのではないかな?」
「・・・よくわかりませんが、魔王様に感謝と言う所ですね?」
「そうだ。理屈ではない所で繋がっているんだろう。お礼をする意味でも、ミーリエルを深く愛してあげるんだぞ?」
「わかっています。もう、絶対に離しません!」
「ユージ。ワタシも絶対にあなたを離さないわ。もう、離れ離れはイヤだもの」
ミーリエルと向かい合って手を繋ぐ
「ふふふ。君らなら大丈夫だろう。さて、いつまでも君達の邪魔をしているのは気が引ける。そろそろ退散させてもらおう!」
そう言うと、メルはそそくさと帰っていった

後に残された二人・・・
「ミーリエル・・・」
「ユージ・・・」
もう待ちきれなかった
腰に手を回し引き寄せるとそのまま唇を奪う
「んっ・・・ユージ」
ミーリエルもユージに腕を回し力を込める
間近で見つめあいながら舌と舌を絡めあう
ちゅっちゅっという音に混じってピチャピチャという舌を絡めあう音がまた興奮を呼ぶ
舌を絡めながら少しずつ彼女の服を脱がせる
彼女の豊かな乳房をすくい上げるように触れてみた
なめらかでしっとりとした肌。吸い付いてくるような感触
それをゆっくりとこねていく
「あ・・・」
ミーリエルは少し震えると声を上げた
口付けを離し、乳房をこねながらそれに顔を押し付けてみる
やわらかい・・・
胸の弾力をいつまででも味わっていたくなるような気にさえなる
乳首はもう突き出ていておもわず口に含んでみた
「あ・・・ユージィ・・・」
舌先で転がしながら時々、ちゅっと吸う
そのたびにぴくんぴくんと彼女が震えるのがわかる
「あん・・・ユージィ・・・」
うっとりとしたような甘える声を聞きながら、こねている手の力強くし、口に含んでいる乳首を軽く噛んでみた
「ああ!・・・噛んじゃ・・・だめ・・・あん・・・ユージィ」
こりこりとした感触についいつまででもしゃぶりついていたくなる
「あ・・・あ・・・ユージィィ。胸ばかりじゃなくてキス・・・」
片手では乳房を揉みながら彼女の舌に舌を絡ませる
ちゅ・・・ちゅう・・・ちゅば・・・ちゅちゅ・・・
なにか・・・切なそうな彼女の瞳・・・
「ユージィ・・・好き・・・ユージ好き・・・」
「ミーリエル私だって好きだ・・・」
ちゅ・・・ちゅちゅば・・・ちゅ・・・
夢中でキスしていると、彼女の手が私の股間に伸びてきた
慣れた様子で服の中から、ペニスを探り出すとやさしく包み込んで愛撫を始めた
私のペニスは準備万端というかのように勃っていて、ミーリエルの少し冷たい手が気持ちいい
「ああっ・・・ミーリエル」
彼女の手が動くたびに少しずつ快楽の波が押し寄せてくる
同じように彼女の股間に手を伸ばす
そこはすでにしっとりとしていた
秘裂に触れると指に絡みつくように蜜が滴っている
蜜を指に絡めるように花びらを愛撫してやる
「あ・・・ああ・・・あん・・・ユージ・・・そこ・・・」
くちゅくちゅという音をたてるように愛撫しているうちにクリトリスと思われるところで、びくびくと体を震わせて甘い声を上げた
「気持ち良い?」
「うん。きもちいい・・・ユージ。ユージはどう?」
ミーリエルの手が絶妙な力加減でリズムよく愛撫してくる。おもわずイってしまいそうになるのを何とか抑えながら
「ミーリエル。気持ちイイよ!下半身が・・・熱くて・・・君の手が・・・っ!」
「あ・・・・・・よかった・・・」
「でも、出してしまいそうだ!出すならミーリエルと一つになってがいい!」
私の感じる弱点を知っているかのように的確に愛撫してくる。そんな責めにいつまでも我慢できそうもなかった
「ワタシも・・・ユージとつながりたい!」
彼女は、腕が不自由な私を仰向けに寝かせると膝立ちした
裸のミーリエル
私のペニスに手を添えると少しずつ腰を落とし始めた
先端が少し触れただけなのに、腰がビクッとなった
少しずつ入っていく
「ああ、ユージのが入ってくるぅ・・・あつくて・・・かたいぃ・・・」
熱い・・・そして、柔らかい・・・
「ああ、ミーリ…エル。ミーリエルの中熱くて、柔らかくて・・・つっ!」
すぐにでも射精したくなってしまうのを必死に押さえ込む
彼女の腰が下まで落ちると、弾力ある粘膜が絡みつくようにペニスを受け容れた
吸い付くように、絡みつくように、締め付ける・・・
「ミーリエルの中・・・すぐにでもイっちゃいそうだよ」
「ユージ!気持ちいい?ワタシもすごく気持ちいい!・・・そして・・・幸せな気持ち」
ずっとこのままでいたいけれど、射精感はどんどん強くなっている
「ミーリエル!動いていいか!?このままじゃ・・・っ!二人でイキたい!」
「ワタシも!ユージと一緒に!!」
互いに手を握り締める
彼女が少しずつ動き始める
それだけで快感が走り抜ける
「あっ・・・あっ・・・あん・・・ユージィ・・・ユージィィ・・・」
どんどんとピストンが早くなっていく
いつしか私も激しく腰を突き上げていた
ミーリエルはその快楽を貪ろうと目を閉じている
私といえばそんな彼女を見ていたくて目を瞑るまいと必死で見ていた
正直、目を閉じて快楽に集中したら途端に射精してしまいそうだった
彼女の豊かな胸がゆさゆさと揺れるのを虚ろに見ながら夢中で腰を振った
栗毛色の髪を振り乱して乱れるミーリエル
「ううっ・・・ミーリエル!もう・・・もうほんとにダメだ!!」
「ユ・・・ユージィ・・・一緒!一緒にィ…!!」
手に彼女のつめが食い込む!それでも痛みよりも下半身の快感に比べれば比べ物にならないほどの快楽が全神経を走り抜けていく
ズン!!と突き入れたペニスが彼女の襞を大きく擦った?と思ったら強烈に締め付けた
「うぁあ!!っっっ!!!」
どくん!とペニスから精がほとばしった
「あっ、あああ!あつっ!!イッく!イッちゃうーーーっっ!!」
精が彼女の膣にほとばしると彼女も激しい痙攣をした
そして、最後の一滴まで搾り取るかのように膣壁が再び締め付けてきた
「うぐぁ!っ!ぐっ!」
どくどくとすごい量の精が吐き出されるの感じる
ひどい疲労感と虚脱感が襲う・・・
彼女は繋がったままの状態でユージの胸に突っ伏した
はぁっ、はぁっ、と抱き合ったまま二人荒い息をする
ミーリエルを抱きしめて、彼女の髪の毛を優しく撫でる・・・
さらさらと流れる髪の毛
はあ・・・はあ・・・ユージぃ・・・・・・」
はあ・・・うん?」
「ワタシ・・・とっても幸せ♪」
「ああ・・・ミーリエル?」
「ユージ?」
「大好きだ!愛してる!」
「ワタシも・・・愛してる。とっても好きよ」
繋がったままの下半身
どろどろに融けてしまったかのようなあつい余韻・・・
「ミーリエル・・・今すごい気持ちいい。しばらくこのまま・・・このままで・・・」
「ユージぃ。ワタシもこのままでいたい!いつまでもずぅっと・・・愛してるユージ♪」
ちゅっ と私の胸にキスをするミーリエル
こんな歓喜ともいえるような幸福を感じたことはなっかった
世界を跨いで来て本当に良かった

私はいつまでも下半身の快感と、胸の上に掛かる彼女の重さや温かくやわらかな感触を髪を撫でながら、この幸福感に身を任せていた・・・
11/01/29 23:29更新 / 茶の頃
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■作者メッセージ
最後まで書き上げようと思ったけどここで力尽きた・・・

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