結局、何も解決しなかった。

「ごめん、此目。全然わからなかった」
　手を合わせ、彼女は軽く謝る。
「全然？記憶を読んだのにか？」
「うん………彼女の記憶ってね、あんたと出会う何日か前までしかないの。多分、そのタイミングで生まれたんだと思う」
「……………じゃあ、その何日かの間に何かがあったってことは」
「ない。少しは寂しく感じてたみたいだけど、それほど大きな感情の揺れはなかったわ」
「はぁ………」
　じゃあ、あいつはあの時どうしてあんなにも取り乱したのだろうか…………
「…………………一つだけ」
「？」
「一つだけヒントをあげる」
「？　お前、わからなかったって」
「『彼女達の目は何故一つなのか』。それを考えればいいわ。じゃあね」
「お、おい」
　そんな意味深な言葉を残して彼女は去っていった。
　───解決するどころか謎は増え、さらに深まって行くばかりだ。


　だが、一つだけ解決したことがあった。
　謎とか云々とは関係ないが……
　去り際に智慧がもう二つ残していったもの。
　彼女達の名前だ。
　肝試しで出会ったゲイザーは『アリステラ』。
　そして、つい昨日出会ったゲイザーを『デクシア』。
　智慧はそう名付けていったのだった──
　

「…………………」
「…………………」
　一日が経ち、僕は改めてデクシアと向き合う。
　アリステラはバリバリとおやつを食べ、僕達の様子を見ている。
「…………………」
　聞きたいことが山ほどあるのだが…………
　そうだなぁ、まずは……
　一つ目───
「お前は……どこから来たんだ？」
「……あ、アリスちゃんと同じ洞窟からです」
　まぁ、予想通りだな。
　二つ目───
「いつ生まれたんだ？」
「昨日の朝くらいです」
　では、生まれてすぐ僕のところに来たのか……
　三つ目───
「どうして僕の居場所が？」
「わたし、アリスちゃんとある程度精神がリンクしてて……それで、『コノメ』って名前とここの場所が伝わってきたんです」
　共感覚持ちか………ならば。
　四つ目───
「じゃあ、アリステラとお前ってどういう関係なんだ？」
「それは………よくわかりません」
　ふむ…………
　それでは、最後。
　一番聞きたい事なのだが──同時に一番聞きたくないことでもある。
　五つ目。

「デクシアは……何しに来たの？」

「っ……………………」
　彼女は俯いて何も言わなくなってしまった。
「あ、あの……………その………………」
　昨日から感じていたことではある。
　この子、シャイだ。
　しかも重度のものだと僕は見ている。
　昨日も僕が彼女の顔を見てしまってからはまったく話ができなかったのだ………
「…………………………ぅぅ」
　加えて、この質問自体も恥ずかしくて答えられたものではないだろう。
　僕の少し自意識過剰気味の予想が正しければ。
　きっと彼女も───

「コノメおにーちゃんってやっぱり変態なんだねー♥」

　と、ここでアリステラがニヤニヤとしながら僕にしなだれかかってくる。
「ここはさ、リードしてあげなきゃ」
「…………」
　わかってはいるが……自分で言うのはどうなのだろうか。
「それはデクシアちゃんも思ってることでしょ？どうする？このままシャイでか弱い女の子に『コノメおにーさんとセックスするために来ました』なんて恥ずかしいセリフを言わせるつもりなの♥？」
　彼女はクククと笑う。
　この状況を目一杯楽しんでやがるな、こいつ。
「そ・れ・に」
　今度はデクシアに標的を移したようだ。ひょこひょこと彼女の隣に移動し、絡みつく。
「デクシアちゃんも、ちゃんとはっきりと言わないとシてもらえないよー」
「ひゃぃっ！」
　するりと手がデクシアのワンピースの胸元へと侵入していく。
「ロリコンのコノメおにーちゃんにぴったりのロリボディに生まれ……」
　その直後、アリステラの顔が真顔になった。
「………………」
「あ、アリスちゃん？く、くすぐったいよぉ」
「………………ちっ」
「ひゅいっ♥あっ♥アリスちゃん♥そんなに乳首弄くらないでぇ♥おにーさん見てるよぉ♥」
　どうやら、僕にはよくわからない、オンナノコの世界の戦争が勃発しているらしい。
　だがアリステラよ。
　一つだけ言わせてもらう。
　僕は貧乳もいける。
「ねぇ、デクシアちゃん♥どうしてこんなに乳首エッチな形にしてるのかな？」
「あ、アリスちゃんがいじくるからぁ♥ひっ♥」
「ワンピースの下、ブラ着けてないんだ……これじゃあ、すぐ乳首透けちゃうね♥そうやってコノメおにーちゃんを誘惑するつもりだったの？大きなおっぱいポヨンポヨン揺らして乳首見せつけながら」
「ち、ちがうぅ♥」
「じゃあ、どうやって誘惑するつもりだったの？───どうやってセックスを始めるつもりだったの？」
「う、うぅ♥」
「ねぇ、アタシ見てるから誘ってみてよ」
「は、はいぃ♥」
　アリステラは、ようやく彼女を解放した。
　解放されたデクシアは、ふらふらとあぐらをかく僕の前に来て────
「こ、コノメおにーさん………」
　僕に抱きつく。
「わ、わたし、処女で、よくわからないんだけれども…せ、精一杯がんばるから」
　彼女は、僕の耳元でささやいた。

「いっぱい、気持ちよくなってくださいね」

「っ」
　僕の『性』を引き出すようなウィスパーボイス。
　そして。
　恥じらいでプルプルと震えるその姿もまた──僕の本能を引き出してくる。
「で、デクシア──」
「は、はい」
　僕は。
　その壊れてしまいそうな甘美を。
　存分に味わうことにした。


「こ、これを咥えればいいんですか？」
　デクシアはおずおずと僕のチンポに顔を近づける。
「あぁ、そうだよ」
「うぅ……が、がんばります」
　躊躇しながらも、その距離は近づいていく。
　彼女の荒いくて暖かい息が、僕のチンポを撫でる。
　チラリとアリステラの方を向くと、やはりニヤニヤと笑いながら僕達の様子を見ている。
「い、いただきます」
　ゆっくりと口を開け、優しく舌を絡めながら、チンポを口の中へと導いていった。
「ちゅ、んちゅ、ちゅ、ちゅ、んっ───き、きもひいいれふか？」
　上目づかいで、彼女は聞いてくる。
「すっごく気持ちいい………」
「────」
　そう褒めると彼女はまた俯いてしまった。
　いじらしくて。
　愛らしい。
「ちゅ、むちゅ、くちゅ、ちゅ」
　控えめに、亀頭の辺りを中心に刺激を与えてくる。
　不慣れなその舌使い、唇の動かし方、チンポの吸い方、どれもむしろ快感を助長させている。
「ちゅ、ちゅくっ、ちゅるる、ちゅっ、ちゅっ」
「はぁ、はぁ、デクシア、そろそろ……」
「でほうれふか？いいれふよ、わらひのおふひのなはにれんぶらひてくらはい」
「わ、わかった」
　彼女は射精を促そうと頑張ってペースをあげる。
「デクシア………イくっ！」
「───────っ♥」
　ビューーーッビューッ
「はぅっ♥んきゅっ♥…………………」
「はぁ、はぁ、はぁ」
　ゆっくり、ゆっくりと、名残惜しいように口からチンポを引き抜く。
　口を押さえ、精液が零れないようにしながら。
「ごくっ………ごくっ………ごくっ」
　数回に分けて飲み干した。
「はぁ♥おにーさんの♥ざぁめん♥」
「──────デクシア」
「はい………♥」
「しても……いいかな？」
「…………はい♥」


「入れるよ」
　彼女を押し倒し、手で開かれた彼女の足を押さえる。
「わ、わかりました」
　彼女の秘部はじっとりと濡れていた。
　そこを見ていると彼女は顔を覆い、恥ずかしがるのであまり長いくは見つめていられなかった。
「ぃっ♥あっ♥ふぐぅ♥コノメ、おにーさん♥きもち、いいですか♥」
　彼女の膣内は柔らかく、ふっくらと僕のチンポを包み込んだ。
「あぁ…………」
　自然と腰が動く。にちゃ、にゅくっ、と水音が響き始める。
「あ♥ぁぁぁぁぁ♥おにーさんので♥わたしのおまんこズリズリされてるぅぅ♥」
　涙を流し、快楽に身を委ね、やはり自然と彼女の腰も僕のチンポを求め動き始める。
「はっ♥はっ♥もっと♥もっと速くしてくださいっ♥じゃないとっ、気持ちよさすぎてのーみそ溶けちゃいますぅぅっ♥」
　だけれども、僕は腰の動きを止めることなかった。
　むしろ、ゆっくりとねちっこく粘膜をこする。
　何故なら。
　アリステラがハンドサインでそうしろと伝えてきたのだ。
　彼女には伝わっているのだろう。デクシアの心が。デクシアはゆっくりの方が感じるらしい。
　きっとアリステラは彼女のヨがり狂う姿を見たいだけなのだろうけども───
「やらっ♥やらっ♥おねがいしますっ♥もっと速くしてぇ♥じゃないとっ♥じゃないとぉぉぉ♥」
　デクシアは泣きながら懇願する。
　苦しそうなほど息を荒らげている。
「はっ♥らめですっ♥そんなにゆっくりしたらっ♥らめなんですぅぅぅっ♥」
　とどめに───
「苦しい？デクシアちゃん♥今楽にしてあげるからね♥」
　アリステラが、横から乱入。
　そして。
「えいっ」

「っっっっっっっっっっっ♥♥♥♥！！」

　デクシアの乳首を口に含んだ。
「やらぁ♥！アリスちゃん♥！やめてぇぇぇっ♥！」
　すさまじい力でチンポが締め付けられる。
「やらぁっ♥！やらぁっ♥！しんじゃう♥！しんじゃうからぁぁぁっ♥！」
「ちゅぷっ、ちゅぴっ、デクシアのおっぱい、おいひいよっ♥」
「あ、アリスちゃんっ♥！しゃぶらないれぇぇぇ♥！」
　アリスは最後の一手として。
　デクシアの乳首を軽く、甘噛みした。

「 ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ！！！」

　彼女はビクンビクンと大きく痙攣しながらも、僕のチンポを締め付ける。
　その時に僕も限界が来た。
　ビュクビュクビュクビュクッ！
　彼女の中に、どっぷりと精液を注ぎ込んだ。
　ビュクビュクッ！
　接合部から、溢れ出した精液が零れ、床を汚す。
「はっ♥はっ♥おにーひゃん♥」
　虚ろな目でデクシアは僕を見つめ、キスを求める。
　僕はそれに応える。
「ちゅっ♥んちゅ♥おにーひゃん♥」
「ふふふ…………これでデクシアちゃんもコ♥イ♥ビ♥トだね♥」
　そんな乱れた僕たちの姿を見て。
　アリステラは嬉しそうに笑っていた。




「コノメにご奉仕するのはアタシだよっ」
「わ、わたしもおにーさんを気持ちよくしてあげたいなぁ」
　それ以降、朝起きると必ず揉める二人なのであった。
「…………」
　できれば朝はやめてほしいんだけどなぁ…………
　きっとそんな願いは聞き入れてもらえないんだろうけども………