暑い…
とある夏の昼間
「…………暑い……」
小柄な男性が1人、街中を歩いていた
「まだ7月入ったばっかじゃんかよ…………」
彼の名は天野 晴義(あまの はるよし)、見た目は高校生ぐらいの身長しかないが、これでも社会人である。童顔で、声が高めなのも相まって、初対面に子供だと勘違いされる事もあり、少しコンプレックスを抱いていたりいなかったり
この日は仕事場の改装やらなんやらで早めに仕事が終わった為、こんな時間に街を歩いていた
(普段帰るのは夜だから、少し涼しく感じてたんだな……早上がりもいいのか悪いのか……だな)
そうぼやいたり考えたりしながら歩いていると、心なしか背中を焼く日光が弱まった気がした。上を見上げると、さっきまで輝いていた太陽は分厚い雨雲に隠れ、周りからは、何かが街路樹の葉を叩く音がなり始める
「やばっ、夕立か⁉」
一応持って来ていた100均の傘を差そうとするが、ベルトを開いたところで既に体はびしょ濡れになっていた
(あー……間に合わなかった………でも…)
だが、空から降り注ぐ雨水は、日光で火照った体を冷ますには丁度良かった。むしろ、シャワーのようで心地よくすらあった
(たまには…雨も良いかも)
彼は開きかけた傘を閉じ、駆け足でマンションまで帰ることにした
……………………………………………
マンションまでの道の途中、僕は不思議な人とすれ違った
長い黒髪で、透き通るように真っ白な肌の美しい女性。身長は僕より高い…まぁこれはいつもの事だが。このご時世に珍しく、着物を着ていた。荷物は何も持っておらず、当然傘もない。それなのに、雨に濡れるのを気にしていないかのようにぼーっと突っ立っていた
(…………?)
傘が無いのは急な夕立だったので納得できる。だが、なぜ棒立ちだったのか?
気になったので、振り返ってみると
「…………………(ジーーーーーーーー)」
(…すっごい見られてる………)
なぜか女性は僕のことをジーっと凝視していた
「あ…あのー……何か用です…か?」
「………………(ニコッ)」
意を決して話しかけてみるが、彼女はハッとして、ただ微笑むだけ
というか、この女性の服装は。さっきは通り過ぎざまにチラッと見た程度だったので気付かなかったが。着物とは言ったものの、白装束のような薄い物を一枚素肌に羽織っているだけの様だ。下着も付けておらず、雨に濡れた布が肌にペッタリと張り付いて、薄っすらと透けているのでとても目のやり場に困る。スタイルもとても良かったので、余計に
「えーっと…用が無いならもう行くよ?」
「……あら、すみません。つい見惚れてしまって…」
見惚れる…僕にか?不思議な事を言う人だ
(あ、そうだ)
「そうだ、これ良かったら使って。100均の安物だけど」
僕は、使わなかった傘を彼女に差し出す。あんな格好だと風邪を引いてしまいそうで少し心配になったのだ
「え…でも、あなたは……」
「いいんですよ、今雨に打たれたい気分なんです……はい」
「……………」
受け取ってくれないので、傘を開いて半ば無理やり彼女の手に握らせる
「じゃ、風邪ひかない様にね」
とだけ言い残して、僕はマンションまで再び駆け足を再開した
……………………………………………
その後、マンションに着く頃には雨は上がり、夏の熱気と雨の湿気だけが残って、すごく蒸し暑くなった
「あー………。あっちー…」
家に帰るなり、すぐにワイシャツを脱いで洗濯機に放る。そして、この鬱陶しい汗と雨水を流そうとシャワーを浴びに行く……
ピンポーン
…といった所でインターホンが鳴った
(こんな微妙な時間に……セールスかな?)
「はーい、今開けますよーっと………………」
若干の鬱陶しさを覚えつつも、洗濯機に掛けたびしょ濡れのワイシャツを着なおし、ドアを開ける
「どうも。先程ぶりですね、旦那様♡」
そこには、さっきすれ違った不思議な女性が立っていた
……………………………………………
「え…あなた……さっきの?」
「はい」
彼女の手には、僕が渡した傘が握られている、間違い無いだろう
「……ていうか、旦那様って…」
「はい♡」
わずかに顔を赤く染めて頷く
そして彼女はおもむろに地面に膝をついた。まだ玄関なので下はコンクリート、膝は丸出しなので痛そうだ
「えっ⁉ちょっと何してんですか⁉」
そのまま三つ指を立てて深々と頭を下げて、
「不束者ですが、よろしくお願いいたします」
と、言った
「…とりあえず、そんなとこで座らないで!上がって上がって!」
「はい♪」
こんなところをお隣さんや大家に見られたら、あらぬ誤解を生んでしまう。ひとまず家に上がってもらう事にした
……………………………………………
「はい、これタオル。ベタベタでしょ」
ベタベタのままで部屋に入られても困るのでタオルを渡すが、
「いえ、おかまいなく」
と断られてしまう。しかも、ソファーに座るよう促しても
「いえ、私はこちらで十分です」
と床に正座してしまう
僕はすでにソファーに座ってしまい、わざわざ床に座りなおすのも何なので、居心地は少し悪いがそのまま話を続けることにした
「………で、何か用ですか?急に家まで来て。てか、何で家を知ってるんです」
まさか、雨が上がったから傘を返しに…なんて事もないだろう
「不躾ながら、旦那様の後をつけさせていただきました」
「後をつける……ま、まぁ…それは良いとして。そうまでして僕に何の用?」
「それはもちろん……」
「もちろん?」
「…旦那様のお嫁にさせて頂く為です♡きゃっ、言っちゃった♡」
顔をポッと紅く染めながら、一人で照れ始めた
僕は突然そんなこと言われても何が何だかわからず、ポカンとしていた
「……ちょっと何言ってるかわかんないです」
「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたね」
彼女は、さっき玄関でやったように床に三つ指をつき、
「私、シズクと申します。至らぬ点はたくさんございますが、これから末永く、よろしくお願いしますね、旦那様♡」
再び、深々と頭を下げた
「………待って、末永くって…僕ら初対面ですよね」
「はい。貴方の優しい心遣いに一目惚れです♡」
「一目惚れ……ねぇ…」
正直、急にそんなこと言われても困るだけだ。少し心苦しいが、何かと理由をつけて追い返そう
「いや、そんなこと言われても…うちは僕が暮らすだけで精一杯なんで…」
「その心配は無用です。食費など、お金で迷惑は一切かけません。むしろ、私がいると水道代が節約出来るんですよ?」
いるだけで水道代が節約…?それは有難いがどうするつもりだろう
「…えー…じゃあ、うち狭いし、寝る場所なんて無いよ。お客さん用の布団もないし」
「大丈夫です。お風呂で寝させて頂きます」
風呂で寝る…うちの風呂は寝られる程広くはないのに
「あー…じゃあ……ほら、部屋汚いし…」
「もちろん、旦那様のお嫁になるんです。炊事洗濯お片付け、家事は全てお任せください」
うーむ…困った。全然引いてくれそうに無いな
「あの…ほら、まだお互いのことよく知らないし…」
「そ・れ・は、これから知っていけば良いんですよ♡」
最後に出てきたのは、最早追い返す理由にすらなってなかった
「そ…そうだ!さっきの、ほら、食費がかからないとか、水道代節約とか、どういう事ですか!」
そんな事は到底できるとは思えない。そこから攻めれば綻びが見つかるかもしれない
だが、
「…そうですね。これから寄り添いあって生きていくのに、正体を明かさぬ訳にもいきません」
「へ?」
彼女がふぅ、と一息つくと、その途端、彼女の体に異変が起きた
彼女の体が、粘性の高い液状になって崩れていくのだ。透き通るように美しかった肌や長い髪、さらには身につける服までもが青く透明なスライムとなって床に広がり始める
「な……は…………」
目の前で突然人が液体になって驚かない人はいない。僕は口をパクパクとさせながらそれを呆然と眺めていた
やがて、そうして出来上がった水溜りがウネウネと動き出し、中心に集まり始める。それは、だんだん人型を形成して行き…
「…と、これが私の正体。見ての通り、スライムです」
そこには、透き通った液体の体を持つ彼女がさっきまでと全く変わらない姿勢で座っていた
……………………………………………
その後、シズクさんから色々と説明を受けた
まず、彼女が『ぬれおなご』というスライムの亜種であること
そして、彼女の他にも魔物と呼ばれる存在かいる事、その魔物達が住む魔界の存在、そこでは魔法が使える事、と、色々教えてもらったが、僕は驚き過ぎてあんまり入ってこなかった
「ほら…私なんかは魔法で水を生成できるんです」
そう言ってシズクさんは掌の上に水の球体を作り出す
それをコップに注いで
「どうぞ。これでも飲んで落ち着いてくださいな」
「………それ、飲めるの?」
「はい」
手に渡されたコップには、透き通った綺麗な水。だが、目の前でどこからともなく作り出された水だ。飲むのに少し抵抗があるが…
「……ンッ……ンクッ………ん…美味しい…」
覚悟を決めて飲んでみると、その水はまさに絶品。今まで飲んでいた水道水やミネラルウォーターはなんだったのか、という位おいしかった
「この程度の水なら、殆ど無制限に出せます。ほら、これで飲み水の分、水道代が浮くでしょう?」
「そ…それは……これぐらいは微々たるものじゃないか…」
そうだ。この程度なら飲み水を少し我慢すれば節約できるレベル。まだ喰い下がらないぞ
「そうですね……では旦那様、お風呂場に行きましょう」
「お風呂?」
「はい。私の真髄、お見せします♡」
……………………………………………
「先にお風呂場で待ってますね」、と言って部屋を後にしたシズクさんを追って風呂場前にやって来た
それにしても
「お風呂…何する気だろ。お風呂掃除とか…かな?」
風呂の前で待っていると、
「お待たせしました」
と、扉が開かれる
それと同時に
ヒュッ‼ヒュン‼と風を切る音が
その正体は、風呂場の中からすごい勢いで飛び出すスライムの触手×5
「うわっ⁉何だ⁉」
いきなりの事に、なすすべもなく胴、手足首を絡め取られ、風呂場に引き込まれる
「ふふ…いらっしゃいまし、旦那様♡」
中では、スライムモードのシズクさんが両手を広げて待ち構える
拘束されている僕は何もできずにシズクさんの胸に飛び込んでしまう。シズクさんの方が背が高いので顔を胸に埋める形になった。スライムモードとはいえ、体は実体を保っており、しっとりとした体でギュッと抱きしめられる
「わぷっ⁉し、シズクさん?何するんです…?」
「…旦那様、汗だくですね。しっかり体をお清めします♡」
「お清めって……ひあっ⁉」
シズクさんの足元に広がるスライムが、僕の足を伝って登ってくる。ヒンヤリとスライムが太ももやお尻を登ってくるのはとてもくすぐったい
そのスライムの浸食は腰のあたりまで来て止まった
「私達スライム族は、男性の体液を食料として生きていけるんです。ですからこうして…」
僕を抱きしめる体勢のまま、舌を僕の首筋に這わせてくる
「れ〜……ろっ…」
「ーーーーーっ⁉」
「旦那様の汗をご飯として頂けば、私の食費も節約です。しかも旦那様は綺麗になってシャワー代も浮きますよ♡」
汗を舐めとるようにペロペロと舌を這わせるシズクさん。その度に背筋にゾクゾクとした感覚が走る
「旦那様、敏感なんですね…可愛い♡」
「ちょっ!ちょっと!やめっ…汚いよっ⁉」
「あぁ…そうでした。服がお邪魔でしたね」
僕が身悶える間に、手足首を拘束してきたような触手が数本伸びて、器用に服を剥ぎ取っていく。あっという間に僕は全裸にさせられる
「そういうことじゃ……はひっ⁉」
講義の声を上げようとするが、スライム触手の一本に肩甲骨の間をそっと撫でられると、瞬間力が入らなくなる
昔からくすぐったがりだった僕の、最も敏感な弱点だ
「あら…弱点発見ですね」
「はぅ……ひっ!…だめっ……ひゃうっ⁉」
シズクさんは、スライムに何度もそこを往復させる
「ほぉら…い〜ち、に〜い、さ〜ん……」
「やめっ…はぅっ!…やめてぇ……あぁ…」
「旦那様…女の子みたいな声上げて……可愛い…♡」
10往復を超えた辺りで僕に限界が来て、完全に脱力して体をシズクさんに預けてしまった
「ふふ…トロけてしまって…本当愛らしいですね…旦那様は♡」
「はぁっ……はぁっ………ぅぅ…」
「余程くすぐったかったんですね……さて、では本格的に体をお清めしますね」
僕の抵抗が無くなったのを確認すると、腰のあたりで止まっていたスライムの浸食が再開する
横腹、胸、脇、鎖骨、と、どんどんスライムに飲み込まれ、最終的にまばらに肌は露出しているものの、首から下全身をスライムでつつみこまれてしまう
「始めますよ〜。敏感さんな旦那様は失神しないよう気を付けてくださいまし♡」
「し…失神⁉なにする…ひぁぁぁ⁉」
その一言と共に、体を包むスライムがぐにゅぐにゅと蠢きだした。全身をゆっくりと、汗や角質を吸い取るかのようにちゅうちゅうと吸い付きながら這いまわる。もちろん、くすぐったいし、気持ちいい
「まずは体表の汗や汚れを浮かせて…それそれ♡」
「ひぁぁぁ⁉あーーっ!あぁ……」
「ふふ…脇や肘裏、膝の裏は蒸れやすいですものね。しっかり重点的に…」
シズクさんの言葉通り、蒸れやすいポイントにはスライムがあつまってくる。吸い付くだけでなく、布のような感触のスライムが優しく体を擦ってくれる
(あ…なんだか慣れてきた…かも………気持ちいい…)
くすぐったさで喘いでばかりいた僕も、次第に這いまわるスライムに慣れてきた
スライムも激しいのは最初だけで、汚れをあらかた取り終わったらしいスライムたちは、優しく体をマッサージしてくれているようだ
プルプルとしたスライムが腕や肩を揉むようにうにうにと収縮し、
少し硬めのグミのようなスライムが背中や手足のツボをグリグリ押して、
首から上では、シズクさんの左手で豊満でしっとりとした胸に僕の顔を埋めさせ、空いてる右手は頭を愛おしそうに撫でてくれる
「どうです?旦那様」
「あぁ………すごく気持ちいい……ですぅ…」
「恐縮です♡………では次は……コチラも♡」
「へ……あひゃっ⁉」
マッサージで完全にトロけていた僕を、突如、スライムによる体洗浄の時よりもすさまじい快感が襲った
その発信源は局部、僕の股間部分にまとわりついていたスライムによるものだった。不意打ちで変な声をあげてしまった
そういえばココだけ、さっきの洗浄にもマッサージにもあまり参加してなかった気がする
「ここが一番汚れが溜まりますから…包茎さんな旦那様は特に…ね♡」
「ちょっ…はひっ⁉あっ……はぅ…ぅぅ」
マッサージで思わず勃ってしまっていたペニスの皮の内側にスライムが入り込み、汚れをこそぎ取ろうと蠢めく。動く度に僕の体はビクンとはねた
そこから流れるように皮を剥かれ、雁首の回りの溝、竿の裏、更には袋の裏までスライムは這い回る。それも、同時に
「だ…これ…だめぇ!やばい!これ気持ち良すぎて…ひぅぅ……」
「あら…少し膨らんできましたね。出ちゃいますか?」
「うっ…うん…だから…スライム……いったんどけてぇ…汚しちゃう…から…はぅっ…」
「いえいえ、何をご冗談を」
「えっ…ひっ⁉」
シズクさんを汚すわけにはいかない(汗を舐めとられておいて今更な気もするけど)、その一心で射精をこらえながら言葉をひねり出したが、あえなく断られてしまう。それどころか、亀頭のあたりに集まったスライムが、催促するかのようにキュッ、キュッ、と締め付けてくる
「さっき言いませんでした?私たちのご飯は男性の体液…もちろん精液も、というか精液こそ一番の御馳走なんですから♡」
「えぇぇ⁉あっ…ひぁぁぁ⁉」
「さ、遠慮せずドプドプ出しちゃってくださいまし♡」
スライムによる催促の締め付けはより一層強くなる。もう堪えられない…
「あぁぁ……ごめんなさいぃ…出る…出ちゃう…」
「はい、いっぱいください♡」
腰から力が抜け、次第に精液を放出する独特の快感が広がる
スライムの中にびゅくびゅくと白い粘液が浮かぶのは、自分がシズクさんを汚してしまった、と強く認識させ、罪悪感や背徳感、それによる興奮で背筋がゾクゾクした
「んっ…♡ふふ…とっても濃い♡溜まってたみたいですね♡」
「あぅ…」
……………………………………………
その後、スライムは体表の汗をもう一度吸って離れて行き、僕の体は綺麗になってシズクさんのお清めは終わった
「旦那様、どうでした?私のテクニック」
「………すごい…気持ち良かった………です…」
僕は、いわゆる賢者タイムという奴に突入しており、さっきの自分の喘ぎっぷりを思い出して顔を真っ赤にしていた
「…ふふ、恥ずかしいですか?」
「そりゃ…まぁ……」
「大丈夫ですよ。その事を知ってるのは私だけですもの」
「ぅぅ…そういう問題かな…」
まぁ、知り合いに見られた訳でもなし、気にしない事にしよう
「さて、で…どうです、旦那様。私をここに置いて頂けます?」
「……それ…は…」
「私がいたら、毎日、仕事帰りの疲れた時も、真夏の暑い日中も、もちろん旦那様のお好きな時に……体、お清めしますよ♡」
「……っ!(ゾクッ)」
毎日……アレを………今までシャワーを浴びていた感覚で……
「………ぅ…わ、わかった…」
「本当ですか⁉やったぁ!」
「言っておくけど!決して、決っっして!あの……マッサージをして欲しいから、とかじゃないから!純粋に節約になるからだからな!」
「…くす。はい、わかってますよ」
ココは強く言っておかねば。勘違いされて主導権を握られたら尻に敷かれてしまうかもしれない
……本当に、マッサージのためじゃないからな!
こうして、僕の家にシズクさんが住み着いた
……………………………………………
その日の夜、
「旦那様〜、ご飯ですよ〜」
「ん、今行くー」
早速シズクさんが夕飯を作ってくれた
リビングのちゃぶ台にはざるに盛られたそうめん、その横に野菜の天ぷらが並べられている
「洗い物してから行くんで、旦那様は先に食べててくださいまし」
「悪いね。じゃあお先に………ん?」
食卓についてふと気づく
この量はどう見ても1人分だ
「シズクさん、これ少なくない?」
「あら、お腹ぺこぺこでした?」
「いや…シズクさんの分は…」
「ふふ、言いませんでした?私のご飯は旦那様の体液。先程たっぷり頂きました♡」
そう言いながら、洗い物を終えたシズクさんが向かいに座る
「それに、愛する人が自分の料理を美味しく食べてくれれば、それでお腹いっぱいですもの」
「そういうもの…なの?」
「はい♡」
そうはいっても、人に見られながら食べるのは落ち着かない
それに、1人だけ食べてるのは、なんだか気がひけてしまう
「……シズクさん。別に食べ物が食べれない訳じゃないんだよね?」
「はい…そうですけど」
「なら今度から一緒に食べよう。1人分ぐらいの食費は…まぁなんとか出来るから」
「……優しいのですね、旦那様」
「べっ、別に………ほら、1人より2人で食べるほうが美味しいとかいうし」
「ふふっ…はい。では今度から2人分、ですね」
シズクさんに、僕の真意が見透かされた気がして、なんだか恥ずかしくなって顔を隠すように食事を再開する
「……むっちゃ美味しい…」
シズクさんは、料理がとても上手でした
料理の他にも、シズクさんは本当に家事全般をこなしてくれた。一人暮らしをしていた身としては、とても助かる
もちろん、任せっきりなのは肩身がせまいので、時間に余裕がない時以外は、僕も手伝っている
ちなみに、
「……どうしましょう」
「どうしたのシズクさん」
「私、服も体も濡れっぱなしなんで…洗濯物がまた濡れてしまいます……」
乾いた洗濯物の取り込みだけは、出来ないようだ
……………………………………………
「ただいまー」
「お帰りなさいませ、旦那様」
シズクさんと暮らし始めて半月、もう彼女がいる家に帰るのがすっかり自然になってしまった
「いやー、今日も暑かった…」
「まだ夏真っ盛りですものね。麦茶、冷やしてありますよ」
「あ、ありがと。…でも……あの……その前に……」
「わかってますよ、旦那様。お先にお風呂で待ってますね」
「うっ、うん!」
お風呂の方に行ったシズクさんを追うように、急いで靴を脱いで風呂場にはいる
「さぁ旦那様、お召し物を脱いで、こちらにいらして…♡」
「うん…」
お風呂では、初めての時もそうだったようにシズクさんが両手を広げて待っている
違うのは、触手に引っ張られるのでなく、僕が自分から進んで飛び込んでいること
「今日も汗だくですねぇ…お仕事お疲れ様でした」
「ぅ…ん……」
足元からスライムの侵食が始まり、あっという間に全身を包まれる。僕は、くすぐったさに身悶えしつつも、これから来る極楽に期待して生唾を飲んだ
「最初はあれだけ抵抗されたのに……いまじゃすっかりなすがまま、ですね♡」
「ぅ……言わないで……恥ずかしい…」
「……♡可愛いですよ、旦那様」
……………………………………………
僕は、すっかりシズクさんのマッサージの虜になっていた。毎日の仕事が頑張れるのは、アレの為だと言っても過言ではない位だ。しかも、マッサージ、そして彼女の献身のおかげか、仕事の能率も上がった
今日はシズクさんがきて丁度1年、その日も去年に負けず猛暑だった
「…今日も暑い…な。ははは…」
「おい晴義、暑さで頭がイカれたか」
「失礼な、」
この猛暑の中、笑っていたら同僚に心配された。いい奴だ
だが、僕は正常だ。なぜなら……
暑ければ暑いほど、楽しみは大きくなるから
「…………暑い……」
小柄な男性が1人、街中を歩いていた
「まだ7月入ったばっかじゃんかよ…………」
彼の名は天野 晴義(あまの はるよし)、見た目は高校生ぐらいの身長しかないが、これでも社会人である。童顔で、声が高めなのも相まって、初対面に子供だと勘違いされる事もあり、少しコンプレックスを抱いていたりいなかったり
この日は仕事場の改装やらなんやらで早めに仕事が終わった為、こんな時間に街を歩いていた
(普段帰るのは夜だから、少し涼しく感じてたんだな……早上がりもいいのか悪いのか……だな)
そうぼやいたり考えたりしながら歩いていると、心なしか背中を焼く日光が弱まった気がした。上を見上げると、さっきまで輝いていた太陽は分厚い雨雲に隠れ、周りからは、何かが街路樹の葉を叩く音がなり始める
「やばっ、夕立か⁉」
一応持って来ていた100均の傘を差そうとするが、ベルトを開いたところで既に体はびしょ濡れになっていた
(あー……間に合わなかった………でも…)
だが、空から降り注ぐ雨水は、日光で火照った体を冷ますには丁度良かった。むしろ、シャワーのようで心地よくすらあった
(たまには…雨も良いかも)
彼は開きかけた傘を閉じ、駆け足でマンションまで帰ることにした
……………………………………………
マンションまでの道の途中、僕は不思議な人とすれ違った
長い黒髪で、透き通るように真っ白な肌の美しい女性。身長は僕より高い…まぁこれはいつもの事だが。このご時世に珍しく、着物を着ていた。荷物は何も持っておらず、当然傘もない。それなのに、雨に濡れるのを気にしていないかのようにぼーっと突っ立っていた
(…………?)
傘が無いのは急な夕立だったので納得できる。だが、なぜ棒立ちだったのか?
気になったので、振り返ってみると
「…………………(ジーーーーーーーー)」
(…すっごい見られてる………)
なぜか女性は僕のことをジーっと凝視していた
「あ…あのー……何か用です…か?」
「………………(ニコッ)」
意を決して話しかけてみるが、彼女はハッとして、ただ微笑むだけ
というか、この女性の服装は。さっきは通り過ぎざまにチラッと見た程度だったので気付かなかったが。着物とは言ったものの、白装束のような薄い物を一枚素肌に羽織っているだけの様だ。下着も付けておらず、雨に濡れた布が肌にペッタリと張り付いて、薄っすらと透けているのでとても目のやり場に困る。スタイルもとても良かったので、余計に
「えーっと…用が無いならもう行くよ?」
「……あら、すみません。つい見惚れてしまって…」
見惚れる…僕にか?不思議な事を言う人だ
(あ、そうだ)
「そうだ、これ良かったら使って。100均の安物だけど」
僕は、使わなかった傘を彼女に差し出す。あんな格好だと風邪を引いてしまいそうで少し心配になったのだ
「え…でも、あなたは……」
「いいんですよ、今雨に打たれたい気分なんです……はい」
「……………」
受け取ってくれないので、傘を開いて半ば無理やり彼女の手に握らせる
「じゃ、風邪ひかない様にね」
とだけ言い残して、僕はマンションまで再び駆け足を再開した
……………………………………………
その後、マンションに着く頃には雨は上がり、夏の熱気と雨の湿気だけが残って、すごく蒸し暑くなった
「あー………。あっちー…」
家に帰るなり、すぐにワイシャツを脱いで洗濯機に放る。そして、この鬱陶しい汗と雨水を流そうとシャワーを浴びに行く……
ピンポーン
…といった所でインターホンが鳴った
(こんな微妙な時間に……セールスかな?)
「はーい、今開けますよーっと………………」
若干の鬱陶しさを覚えつつも、洗濯機に掛けたびしょ濡れのワイシャツを着なおし、ドアを開ける
「どうも。先程ぶりですね、旦那様♡」
そこには、さっきすれ違った不思議な女性が立っていた
……………………………………………
「え…あなた……さっきの?」
「はい」
彼女の手には、僕が渡した傘が握られている、間違い無いだろう
「……ていうか、旦那様って…」
「はい♡」
わずかに顔を赤く染めて頷く
そして彼女はおもむろに地面に膝をついた。まだ玄関なので下はコンクリート、膝は丸出しなので痛そうだ
「えっ⁉ちょっと何してんですか⁉」
そのまま三つ指を立てて深々と頭を下げて、
「不束者ですが、よろしくお願いいたします」
と、言った
「…とりあえず、そんなとこで座らないで!上がって上がって!」
「はい♪」
こんなところをお隣さんや大家に見られたら、あらぬ誤解を生んでしまう。ひとまず家に上がってもらう事にした
……………………………………………
「はい、これタオル。ベタベタでしょ」
ベタベタのままで部屋に入られても困るのでタオルを渡すが、
「いえ、おかまいなく」
と断られてしまう。しかも、ソファーに座るよう促しても
「いえ、私はこちらで十分です」
と床に正座してしまう
僕はすでにソファーに座ってしまい、わざわざ床に座りなおすのも何なので、居心地は少し悪いがそのまま話を続けることにした
「………で、何か用ですか?急に家まで来て。てか、何で家を知ってるんです」
まさか、雨が上がったから傘を返しに…なんて事もないだろう
「不躾ながら、旦那様の後をつけさせていただきました」
「後をつける……ま、まぁ…それは良いとして。そうまでして僕に何の用?」
「それはもちろん……」
「もちろん?」
「…旦那様のお嫁にさせて頂く為です♡きゃっ、言っちゃった♡」
顔をポッと紅く染めながら、一人で照れ始めた
僕は突然そんなこと言われても何が何だかわからず、ポカンとしていた
「……ちょっと何言ってるかわかんないです」
「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたね」
彼女は、さっき玄関でやったように床に三つ指をつき、
「私、シズクと申します。至らぬ点はたくさんございますが、これから末永く、よろしくお願いしますね、旦那様♡」
再び、深々と頭を下げた
「………待って、末永くって…僕ら初対面ですよね」
「はい。貴方の優しい心遣いに一目惚れです♡」
「一目惚れ……ねぇ…」
正直、急にそんなこと言われても困るだけだ。少し心苦しいが、何かと理由をつけて追い返そう
「いや、そんなこと言われても…うちは僕が暮らすだけで精一杯なんで…」
「その心配は無用です。食費など、お金で迷惑は一切かけません。むしろ、私がいると水道代が節約出来るんですよ?」
いるだけで水道代が節約…?それは有難いがどうするつもりだろう
「…えー…じゃあ、うち狭いし、寝る場所なんて無いよ。お客さん用の布団もないし」
「大丈夫です。お風呂で寝させて頂きます」
風呂で寝る…うちの風呂は寝られる程広くはないのに
「あー…じゃあ……ほら、部屋汚いし…」
「もちろん、旦那様のお嫁になるんです。炊事洗濯お片付け、家事は全てお任せください」
うーむ…困った。全然引いてくれそうに無いな
「あの…ほら、まだお互いのことよく知らないし…」
「そ・れ・は、これから知っていけば良いんですよ♡」
最後に出てきたのは、最早追い返す理由にすらなってなかった
「そ…そうだ!さっきの、ほら、食費がかからないとか、水道代節約とか、どういう事ですか!」
そんな事は到底できるとは思えない。そこから攻めれば綻びが見つかるかもしれない
だが、
「…そうですね。これから寄り添いあって生きていくのに、正体を明かさぬ訳にもいきません」
「へ?」
彼女がふぅ、と一息つくと、その途端、彼女の体に異変が起きた
彼女の体が、粘性の高い液状になって崩れていくのだ。透き通るように美しかった肌や長い髪、さらには身につける服までもが青く透明なスライムとなって床に広がり始める
「な……は…………」
目の前で突然人が液体になって驚かない人はいない。僕は口をパクパクとさせながらそれを呆然と眺めていた
やがて、そうして出来上がった水溜りがウネウネと動き出し、中心に集まり始める。それは、だんだん人型を形成して行き…
「…と、これが私の正体。見ての通り、スライムです」
そこには、透き通った液体の体を持つ彼女がさっきまでと全く変わらない姿勢で座っていた
……………………………………………
その後、シズクさんから色々と説明を受けた
まず、彼女が『ぬれおなご』というスライムの亜種であること
そして、彼女の他にも魔物と呼ばれる存在かいる事、その魔物達が住む魔界の存在、そこでは魔法が使える事、と、色々教えてもらったが、僕は驚き過ぎてあんまり入ってこなかった
「ほら…私なんかは魔法で水を生成できるんです」
そう言ってシズクさんは掌の上に水の球体を作り出す
それをコップに注いで
「どうぞ。これでも飲んで落ち着いてくださいな」
「………それ、飲めるの?」
「はい」
手に渡されたコップには、透き通った綺麗な水。だが、目の前でどこからともなく作り出された水だ。飲むのに少し抵抗があるが…
「……ンッ……ンクッ………ん…美味しい…」
覚悟を決めて飲んでみると、その水はまさに絶品。今まで飲んでいた水道水やミネラルウォーターはなんだったのか、という位おいしかった
「この程度の水なら、殆ど無制限に出せます。ほら、これで飲み水の分、水道代が浮くでしょう?」
「そ…それは……これぐらいは微々たるものじゃないか…」
そうだ。この程度なら飲み水を少し我慢すれば節約できるレベル。まだ喰い下がらないぞ
「そうですね……では旦那様、お風呂場に行きましょう」
「お風呂?」
「はい。私の真髄、お見せします♡」
……………………………………………
「先にお風呂場で待ってますね」、と言って部屋を後にしたシズクさんを追って風呂場前にやって来た
それにしても
「お風呂…何する気だろ。お風呂掃除とか…かな?」
風呂の前で待っていると、
「お待たせしました」
と、扉が開かれる
それと同時に
ヒュッ‼ヒュン‼と風を切る音が
その正体は、風呂場の中からすごい勢いで飛び出すスライムの触手×5
「うわっ⁉何だ⁉」
いきなりの事に、なすすべもなく胴、手足首を絡め取られ、風呂場に引き込まれる
「ふふ…いらっしゃいまし、旦那様♡」
中では、スライムモードのシズクさんが両手を広げて待ち構える
拘束されている僕は何もできずにシズクさんの胸に飛び込んでしまう。シズクさんの方が背が高いので顔を胸に埋める形になった。スライムモードとはいえ、体は実体を保っており、しっとりとした体でギュッと抱きしめられる
「わぷっ⁉し、シズクさん?何するんです…?」
「…旦那様、汗だくですね。しっかり体をお清めします♡」
「お清めって……ひあっ⁉」
シズクさんの足元に広がるスライムが、僕の足を伝って登ってくる。ヒンヤリとスライムが太ももやお尻を登ってくるのはとてもくすぐったい
そのスライムの浸食は腰のあたりまで来て止まった
「私達スライム族は、男性の体液を食料として生きていけるんです。ですからこうして…」
僕を抱きしめる体勢のまま、舌を僕の首筋に這わせてくる
「れ〜……ろっ…」
「ーーーーーっ⁉」
「旦那様の汗をご飯として頂けば、私の食費も節約です。しかも旦那様は綺麗になってシャワー代も浮きますよ♡」
汗を舐めとるようにペロペロと舌を這わせるシズクさん。その度に背筋にゾクゾクとした感覚が走る
「旦那様、敏感なんですね…可愛い♡」
「ちょっ!ちょっと!やめっ…汚いよっ⁉」
「あぁ…そうでした。服がお邪魔でしたね」
僕が身悶える間に、手足首を拘束してきたような触手が数本伸びて、器用に服を剥ぎ取っていく。あっという間に僕は全裸にさせられる
「そういうことじゃ……はひっ⁉」
講義の声を上げようとするが、スライム触手の一本に肩甲骨の間をそっと撫でられると、瞬間力が入らなくなる
昔からくすぐったがりだった僕の、最も敏感な弱点だ
「あら…弱点発見ですね」
「はぅ……ひっ!…だめっ……ひゃうっ⁉」
シズクさんは、スライムに何度もそこを往復させる
「ほぉら…い〜ち、に〜い、さ〜ん……」
「やめっ…はぅっ!…やめてぇ……あぁ…」
「旦那様…女の子みたいな声上げて……可愛い…♡」
10往復を超えた辺りで僕に限界が来て、完全に脱力して体をシズクさんに預けてしまった
「ふふ…トロけてしまって…本当愛らしいですね…旦那様は♡」
「はぁっ……はぁっ………ぅぅ…」
「余程くすぐったかったんですね……さて、では本格的に体をお清めしますね」
僕の抵抗が無くなったのを確認すると、腰のあたりで止まっていたスライムの浸食が再開する
横腹、胸、脇、鎖骨、と、どんどんスライムに飲み込まれ、最終的にまばらに肌は露出しているものの、首から下全身をスライムでつつみこまれてしまう
「始めますよ〜。敏感さんな旦那様は失神しないよう気を付けてくださいまし♡」
「し…失神⁉なにする…ひぁぁぁ⁉」
その一言と共に、体を包むスライムがぐにゅぐにゅと蠢きだした。全身をゆっくりと、汗や角質を吸い取るかのようにちゅうちゅうと吸い付きながら這いまわる。もちろん、くすぐったいし、気持ちいい
「まずは体表の汗や汚れを浮かせて…それそれ♡」
「ひぁぁぁ⁉あーーっ!あぁ……」
「ふふ…脇や肘裏、膝の裏は蒸れやすいですものね。しっかり重点的に…」
シズクさんの言葉通り、蒸れやすいポイントにはスライムがあつまってくる。吸い付くだけでなく、布のような感触のスライムが優しく体を擦ってくれる
(あ…なんだか慣れてきた…かも………気持ちいい…)
くすぐったさで喘いでばかりいた僕も、次第に這いまわるスライムに慣れてきた
スライムも激しいのは最初だけで、汚れをあらかた取り終わったらしいスライムたちは、優しく体をマッサージしてくれているようだ
プルプルとしたスライムが腕や肩を揉むようにうにうにと収縮し、
少し硬めのグミのようなスライムが背中や手足のツボをグリグリ押して、
首から上では、シズクさんの左手で豊満でしっとりとした胸に僕の顔を埋めさせ、空いてる右手は頭を愛おしそうに撫でてくれる
「どうです?旦那様」
「あぁ………すごく気持ちいい……ですぅ…」
「恐縮です♡………では次は……コチラも♡」
「へ……あひゃっ⁉」
マッサージで完全にトロけていた僕を、突如、スライムによる体洗浄の時よりもすさまじい快感が襲った
その発信源は局部、僕の股間部分にまとわりついていたスライムによるものだった。不意打ちで変な声をあげてしまった
そういえばココだけ、さっきの洗浄にもマッサージにもあまり参加してなかった気がする
「ここが一番汚れが溜まりますから…包茎さんな旦那様は特に…ね♡」
「ちょっ…はひっ⁉あっ……はぅ…ぅぅ」
マッサージで思わず勃ってしまっていたペニスの皮の内側にスライムが入り込み、汚れをこそぎ取ろうと蠢めく。動く度に僕の体はビクンとはねた
そこから流れるように皮を剥かれ、雁首の回りの溝、竿の裏、更には袋の裏までスライムは這い回る。それも、同時に
「だ…これ…だめぇ!やばい!これ気持ち良すぎて…ひぅぅ……」
「あら…少し膨らんできましたね。出ちゃいますか?」
「うっ…うん…だから…スライム……いったんどけてぇ…汚しちゃう…から…はぅっ…」
「いえいえ、何をご冗談を」
「えっ…ひっ⁉」
シズクさんを汚すわけにはいかない(汗を舐めとられておいて今更な気もするけど)、その一心で射精をこらえながら言葉をひねり出したが、あえなく断られてしまう。それどころか、亀頭のあたりに集まったスライムが、催促するかのようにキュッ、キュッ、と締め付けてくる
「さっき言いませんでした?私たちのご飯は男性の体液…もちろん精液も、というか精液こそ一番の御馳走なんですから♡」
「えぇぇ⁉あっ…ひぁぁぁ⁉」
「さ、遠慮せずドプドプ出しちゃってくださいまし♡」
スライムによる催促の締め付けはより一層強くなる。もう堪えられない…
「あぁぁ……ごめんなさいぃ…出る…出ちゃう…」
「はい、いっぱいください♡」
腰から力が抜け、次第に精液を放出する独特の快感が広がる
スライムの中にびゅくびゅくと白い粘液が浮かぶのは、自分がシズクさんを汚してしまった、と強く認識させ、罪悪感や背徳感、それによる興奮で背筋がゾクゾクした
「んっ…♡ふふ…とっても濃い♡溜まってたみたいですね♡」
「あぅ…」
……………………………………………
その後、スライムは体表の汗をもう一度吸って離れて行き、僕の体は綺麗になってシズクさんのお清めは終わった
「旦那様、どうでした?私のテクニック」
「………すごい…気持ち良かった………です…」
僕は、いわゆる賢者タイムという奴に突入しており、さっきの自分の喘ぎっぷりを思い出して顔を真っ赤にしていた
「…ふふ、恥ずかしいですか?」
「そりゃ…まぁ……」
「大丈夫ですよ。その事を知ってるのは私だけですもの」
「ぅぅ…そういう問題かな…」
まぁ、知り合いに見られた訳でもなし、気にしない事にしよう
「さて、で…どうです、旦那様。私をここに置いて頂けます?」
「……それ…は…」
「私がいたら、毎日、仕事帰りの疲れた時も、真夏の暑い日中も、もちろん旦那様のお好きな時に……体、お清めしますよ♡」
「……っ!(ゾクッ)」
毎日……アレを………今までシャワーを浴びていた感覚で……
「………ぅ…わ、わかった…」
「本当ですか⁉やったぁ!」
「言っておくけど!決して、決っっして!あの……マッサージをして欲しいから、とかじゃないから!純粋に節約になるからだからな!」
「…くす。はい、わかってますよ」
ココは強く言っておかねば。勘違いされて主導権を握られたら尻に敷かれてしまうかもしれない
……本当に、マッサージのためじゃないからな!
こうして、僕の家にシズクさんが住み着いた
……………………………………………
その日の夜、
「旦那様〜、ご飯ですよ〜」
「ん、今行くー」
早速シズクさんが夕飯を作ってくれた
リビングのちゃぶ台にはざるに盛られたそうめん、その横に野菜の天ぷらが並べられている
「洗い物してから行くんで、旦那様は先に食べててくださいまし」
「悪いね。じゃあお先に………ん?」
食卓についてふと気づく
この量はどう見ても1人分だ
「シズクさん、これ少なくない?」
「あら、お腹ぺこぺこでした?」
「いや…シズクさんの分は…」
「ふふ、言いませんでした?私のご飯は旦那様の体液。先程たっぷり頂きました♡」
そう言いながら、洗い物を終えたシズクさんが向かいに座る
「それに、愛する人が自分の料理を美味しく食べてくれれば、それでお腹いっぱいですもの」
「そういうもの…なの?」
「はい♡」
そうはいっても、人に見られながら食べるのは落ち着かない
それに、1人だけ食べてるのは、なんだか気がひけてしまう
「……シズクさん。別に食べ物が食べれない訳じゃないんだよね?」
「はい…そうですけど」
「なら今度から一緒に食べよう。1人分ぐらいの食費は…まぁなんとか出来るから」
「……優しいのですね、旦那様」
「べっ、別に………ほら、1人より2人で食べるほうが美味しいとかいうし」
「ふふっ…はい。では今度から2人分、ですね」
シズクさんに、僕の真意が見透かされた気がして、なんだか恥ずかしくなって顔を隠すように食事を再開する
「……むっちゃ美味しい…」
シズクさんは、料理がとても上手でした
料理の他にも、シズクさんは本当に家事全般をこなしてくれた。一人暮らしをしていた身としては、とても助かる
もちろん、任せっきりなのは肩身がせまいので、時間に余裕がない時以外は、僕も手伝っている
ちなみに、
「……どうしましょう」
「どうしたのシズクさん」
「私、服も体も濡れっぱなしなんで…洗濯物がまた濡れてしまいます……」
乾いた洗濯物の取り込みだけは、出来ないようだ
……………………………………………
「ただいまー」
「お帰りなさいませ、旦那様」
シズクさんと暮らし始めて半月、もう彼女がいる家に帰るのがすっかり自然になってしまった
「いやー、今日も暑かった…」
「まだ夏真っ盛りですものね。麦茶、冷やしてありますよ」
「あ、ありがと。…でも……あの……その前に……」
「わかってますよ、旦那様。お先にお風呂で待ってますね」
「うっ、うん!」
お風呂の方に行ったシズクさんを追うように、急いで靴を脱いで風呂場にはいる
「さぁ旦那様、お召し物を脱いで、こちらにいらして…♡」
「うん…」
お風呂では、初めての時もそうだったようにシズクさんが両手を広げて待っている
違うのは、触手に引っ張られるのでなく、僕が自分から進んで飛び込んでいること
「今日も汗だくですねぇ…お仕事お疲れ様でした」
「ぅ…ん……」
足元からスライムの侵食が始まり、あっという間に全身を包まれる。僕は、くすぐったさに身悶えしつつも、これから来る極楽に期待して生唾を飲んだ
「最初はあれだけ抵抗されたのに……いまじゃすっかりなすがまま、ですね♡」
「ぅ……言わないで……恥ずかしい…」
「……♡可愛いですよ、旦那様」
……………………………………………
僕は、すっかりシズクさんのマッサージの虜になっていた。毎日の仕事が頑張れるのは、アレの為だと言っても過言ではない位だ。しかも、マッサージ、そして彼女の献身のおかげか、仕事の能率も上がった
今日はシズクさんがきて丁度1年、その日も去年に負けず猛暑だった
「…今日も暑い…な。ははは…」
「おい晴義、暑さで頭がイカれたか」
「失礼な、」
この猛暑の中、笑っていたら同僚に心配された。いい奴だ
だが、僕は正常だ。なぜなら……
暑ければ暑いほど、楽しみは大きくなるから
17/04/28 10:26更新 / ウェラロア