迷い猫
土砂降りの中を家に帰る途中、捨て猫を見つけた。
街路樹の下にキジトラの猫がうずくまっていた。毛はビッショリと濡れて体に張り付き、とても痛々しい。かろうじて意識はあるようで、俺を見るなりか細い声で何度もないている。よく見ると、体には細かい枝やゴミが張り付いていた。川に落ちてしまったのだろう。
尻尾に鈴が付いているので飼い猫だったのだろうか。まったく、捨てるなんて無責任な飼い主もいるもんだ……………
気がついたら、俺はその猫を抱えて歩いていた。
…………………………………………
俺は猫を抱えたまま自分の住むマンションにたどり着いた。うちはペットOKなので、連れて帰っても怒られはしないだろう。
とりあえず、この猫を温めてやらねば。
俺は荷物を下ろすと、猫を抱いてそのまま浴室に向かった。
…………………………………………
あれだけ雨に晒されたのでシャワーは嫌がるかと思いきや、お風呂慣れした飼い猫のようにおとなしく、シャンプーも嫌がらなかった。
「お前、飼い猫だったのか?」
俺は猫を洗いながら話しかけてみた。
「ニャー」
先ほどより幾分元気な声で返事は返ってくるが、理解はできない。
…………………………………………
シャワーを終えた猫を布を敷き詰めたカゴに入れて、俺は夕食の準備をしていた。といっても、買ってきた惣菜を温めて並べるだけだが。
すると、匂いにつられてか、後ろから猫の足音が近づいてくる。
そこで俺は違和感を感じた。
猫にしては足音が大きいのだ。
それはまるで人の足音のようで
気になって振り返ると、
茶髪の少女が立っていた
「……………」
俺は絶句した。
それは少女が急に現れたことに対して、ではなく
その少女の姿に、である。
頭には猫の耳が生え、腰ではふさふさとした尻尾が揺れている
「……………」
その猫のような少女は、眠そうな瞳でこちらをじっと見つめている。その目は、何かを訴えているように見えた。
クキュルルルーー…
お腹がなる音がした。
「……腹、へったのか?」
「………コクン」
…………………………………………
「ハフハフ…モグモグ……ンクッ」
今日買ってきたのは大きめの焼き魚。ご飯もよそってやると、嬉しそうに尻尾を振りながらガツガツとかっこんでいた。俺は自分の夕飯をあげてしまったので、買い置きのカップ麺を食べた。
「…美味しかった」
3杯目のご飯を平らげると、茶碗を置いて呟いた。
「そうかい、そりゃ良かった」
正直、こんなに食べるとは思わなかったのでビックリした。
…………………………………………
食器を片付けて一息ついたところで、俺はさっきから気になっていたことをきいてみた。
「あんた、誰だ?いつの間に入ったんだ?」
猫娘(仮)はキョトン、とした顔をしてこう答える。
「……?あなたが連れてきてくれた」
「……はぁ?」
何を言ってるんだ?
俺は今日仕事や買い物の会話位しかしていないはずだ。
「……雨の中で動けない私を抱えてここまで連れてきてくれた…。
とても助かった。ありがとう。」
雨、抱える、連れてくる……確かに猫は拾ったが、女の子は拾った覚えがない。
「…まさかお前、あの猫なのか?」
「……そう」
確かに、猫を入れたはずのカゴには誰もいない、さらにこの猫娘の尻尾には、あの猫のように鈴が付いていた。
…とりあえず俺は頬をつねってみる
「…痛くないの?」
「いや、痛い。残念ながら痛い」
「……?」
さて、これが現実だというならどうするべきか。とりあえず俺は彼女に質問してみる。
「あんたは猫なのか?人なのか?」
「……私は猫又、どっちでもない」
…どうしよう、この子電波なのかな
「猫又って…あの、猫の妖怪の?」
「そう」
嘘を言っているようには聞こえない。しかしやはり信じられない。
「耳、触ってもいい?」
「……いいよ」
許可が下りたので触ってみる。
毛がうっすらと生えており、触った感じ、作り物だとは思えない。
「尻尾は?」
「……優しく…なら」
こちらもふさふさと毛が生えていて、さらに手の中で動こうともぞもぞしている。やはり本物のようだ。
「……んっ…あぅ…もうちょっと…優しく…」
触るのに夢中で力加減を忘れていたようだ。急に艶っぽい声が聞こえてびっくりした。
「あ……スマン」
「……もういい?」
だが今ので耳や尻尾が本物だとわかった。それなら猫又だ、というのも信じざるを得ない。
「お前が猫又なのはわかったが……なんであんなところにいたんだよ」
こいつが猫又なら捨てられた、というのは考えにくい。
「……………お散歩してたらいつの間にかこっちに迷い込んじゃったの」
「こっち?」
「………?あぁそっか。こっちでは魔界のこと知られて無いんだ…」
「魔界?」
魔界……とは、あれだろうか。魔法が使えたり、魔王や勇者がいたりとか、ファンタジーな世界のことだろうか。
「………詳しく説明してくれ」
「……ん、わかった」
猫又は自分の種族のことや自分のいた世界について色々と教えてくれた。
こいつのような妖怪や魔物が住む魔界というところについて。
魔物には女の子しか存在せず、また、人に友好的だということ。
魔物は皆サキュバスのように、男の精が好物で、好色な性格の者が多いこと。
地域によって違うが、こいつのいたところは魔物と人間が手を取り合って生きている、ということ。
そして、自分は向こうから何かの拍子に迷い込んでしまった、ということ。
「………だから、ここに居させて欲しいの」
「雨宿りか……別にそのくらいならいいけど」
「………違う。しばらくここに住ませて欲しいの…」
…何を言ってるんですかこの猫っ子は
「………家に帰る方法がわかんなくて、行くあても無い。……ついでに家事もするから」
「いや、いいよ…一人暮らしできてるんだから」
「でも部屋…すごい散らかってる。ご飯も手づくりじゃなかった。身体に悪い」
「ゔっ…」
痛いところを突いてくれる…
俺は仕事上、家にいることがあまりないのだ。だから家はロクに掃除も出来ていない。それをやってくれるというならば、仕事に専念できるし、まぁ悪く無いかもしれない
ちなみにだが、俺の仕事は家具を作ること。昔から何かをつくるのが好きで、大学を出てから親の後押しもあってここで1人、家具屋を経営している。完全オーダーメイドも可能で、品質もよい、と買ってくれた人は言ってくれて、なかなか評判なのだ。今は近所に使われない廃倉庫があるので、それを買い取り仕事場にしている。というか、家具作りが楽しすぎて、ほとんどあっちで暮らしているため、家は散らかりっぱなしになっている。
「…本当に行くあてがないのか?」
「……ない。……ね、お願い…絶対に役に立つから……」
「………わかった。でも、ここに住むからには……その…家事、頼むぞ。それでもいいか?」
「……ありがとう!頑張る…!」
目をキラキラさせて喜んでいる。
そんなに嬉しいのだろうか。
「あ、そういや名前。俺は恭介、深山 恭介だ。お前は?」
「……鈴。スズって呼んで」
「わかった。じゃ、スズはそのベッド使って。俺はソファーで寝るから」
「……それはいけない。恭介が風邪ひいちゃう。」
そんなことをいっても、ベッドは一つしかない。どちらかが妥協するしかないならやはり男が譲るべきだろう。
「………私にいい考えがある」
…………………………………………
俺は今ベッドで寝ている。そして、スズは…
「スー………スー………」
猫になって俺の横で丸くなっている。確かに猫なら一緒に寝られる。しかも、スズの体は暖かく、湯たんぽのようで心地よい。今日はいつもよりよく眠れそうだ………
…………………………………………
翌朝…というか早朝
俺は寝苦しさを覚えて目を覚ます。
窓の外をみると、まだ薄暗い。
俺は睡眠を邪魔されたことに苛立ちを覚えながら寝苦しさの正体を確認しようと布団を捲ると、
「……ぅうん……ムニャ………きょおすけぇ……いい匂い…………スゥ」
「なっ……⁉」
幸せそうな寝顔を浮かべるスズが、俺の体に抱きついていた。
「お、おいスズ!何してんだ!離せ!」
「……スゥ……ぅん〜…やぁ〜……きょおすけと寝るの〜…………スピー」
スズは離すまいとさらに強く抱きついてくる。しかもスズがいると意識してしまうと、なんだかさっきから、お腹のところに何か柔らかいものが当たっているのに気づいてしまう
(このままだと色々とマズイ!早く出ないと…)
そう思って力ずくで振りほどこうとするが、スズは見た目に似合わず怪力のようで、10分ほどかけて、ようやく脱出できた。
俺が離れて不満なのか、少し顔をしかめていたが、布団を巻いて抱かせたら、また嬉しそうな顔に戻った。
…………………………………………
8時頃、そろそろ仕事に行こうかという時間にスズが起きてきた。
「…ん〜……おはよう恭介…」
「あ、あぁおはよう」
あんなことがあったにも関わらずスズはケロッとしている。あれは寝ぼけていたのだろうか。
「…いま朝ごはん作るね」
「いや、さっき軽く食べたからいいよ。もうそろそろ仕事行こうと思うし」
「……そう?じゃあ明日から頑張って早起きしなきゃ…」
やっぱり覚えていないみたいだ。
なら俺だけ気にしていてもなんだか虚しい気がする。頑張って忘れよう
…………………………………………
「じゃあ、俺は仕事に行くから、留守番、頼むな。」
「……任せて、いってらっしゃい」
仕事に向かう彼を見送る。なんだか夫婦になったみたいで無意味に嬉しくなる。
「………さて」
部屋をくるりと見回す。
ソファーの上に無造作に置かれた、読みかけであろう雑誌。
カゴの中に適当に積まれているのは洗濯済みの綺麗なハズの服、これは洗濯しなおす必要がありそうだ。
流し台には何も無い。代わりに足元には総菜や弁当、カップ麺の容器が大量に入ったゴミ袋がある。これでは本当に体を壊してしまう。
部屋の隅や廊下までみると、埃がたくさんたまっている。
「………これだけあると、掃除のしがいがある」
スズは1人、燃えていた。
「……………でも、その前に…♡」
私はフラフラとベッドまで近づき
「……………きょーすけ♡」
そのまま飛び込みました。
「……………スンスン…きょーすけの匂い…やっぱり………いい♡」
本人に直接やると怒られるかもしれ無いし、もしかしたら嫌われる可能性もある。それが怖いから今はこれで。
今朝はせっかくのチャンスだったが嫌がられてしまった。次からはもっとこっそり、さりげなくやろう。
でも、今はとりあえず
「……………きょーすけ♡……きょーすけ♡」
こっちを堪能しよう。
恭介の使っていた枕に顔を埋め、かき集めた掛け布団や毛布の中にうずくまる。
やがて、物足りなくなって、ふと起き上がるとカゴに積まれた洗濯物が目にとまる。洗濯物、ということはつまりアレも…………
「……………どうせ洗濯するなら……」
気がついたら、私は部屋の中に散らかった服の中で寝ていた。
「………………片付けしよ」
…………………………………………
「……おかえりなさい。ご飯はできてるよ。それともお風呂?」
家に帰るとエプロンをきたスズに出迎えられた。ずっと一人で暮らしていたのでなんだかこそばゆい。しかもこれは……なんだか新婚のような感じがして小っ恥ずかしい。が、悪い気はしない。
「あ、あぁ。じゃあ飯に……」
「……待って」
「へ?」
「……おかえり、の返事は?」
「あ……た、ただいま…」
「……ん♪」
やっぱり恥ずかしい。
…………………………………………
「おぉ…」
食卓にはいつものような惣菜ではなく、焼きたてであろうサンマに里芋の煮物、おひたし、味噌汁、ご飯、とザ、和食といったラインナップが並んでいた。
しかも、このちゃぶ台は見慣れないと思ったら、俺が上に色々と置きすぎて使えなくなっていたものだった。
他にも軽く見回すだけで、ウチが見違える程キレイになっていた。
読みかけの雑誌は綺麗に積まれ、
洗濯物はキッチリ畳まれて、種類別にタンスに入っているようだ。
今日出すのを忘れていたゴミ袋も無くなっている。
廊下や部屋の床は見るまでも無くピカピカだった。
「……ね?役に立つでしょ?」
俺の向かいに座るスズがフフンと鼻を鳴らして胸を張っている。
「……とりあえず食べよう。冷めたらもったいない」
「……うん♪」
…………………………………………
「…なぁ、スズ。お前みたいな妖怪とかって、実はいっぱいいるのか?」
「…ムグ……ンクッ………うん。こっちで暮らしてる子もいっぱいいるよ」
「へぇ………あ、そういや、スズ、こっちに迷い込んだ、とかいってたけど。お前向こうに帰れるのか?」
「……………あっちとこっちは行き来できるようになってる。でも方法がわかんなくて困ってる。」
やはり、向こうに帰れなくて困っているようだ。
「うん、これも何かの縁だ。お前が向こうに帰れるように手伝うよ」
「……………………ありがとう」
お礼を言いながらも、スズの表情は少し暗くなったが、その時の俺は気がつかなかった。
…………………………………………
「ご馳走様でした。」
「……お粗末様でした」
久々に食べた手料理はかなり美味しかった。正直、大人になってから食べたもので一番かもしれない。
「……ね、美味しかった?」
「あぁ。すごく美味かった。」
「よかった♪」
いつの間にか隣に移動したきていたスズは、感想を聞いてパッと笑顔になる。よほど嬉しいのか尻尾までブンブン振っている。
その姿はあまりに愛らしく、俺は思わずスズの頭を撫でる。するとスズは少し驚いた顔をした後、目を細めながら頭をグリグリと押し付けて、喉をゴロゴロと鳴らす。そのままもう片方の手で喉元を軽く掻いてやると、気持ちよさそうに頭を上げる。そのまま猫にやるように抱っこしてやろうと手を脇に差し込み……
そこで俺はハッとして手を引っ込める。
一方スズは、急に愛撫を止められたので、顔を赤らめて、物足りなそうな目で俺を見ている
「……なんでやめちゃうの…きょおすけぇ…?…もっとしてよぅ…♡」
甘ったるい声で呼びかけながらにじり寄ってくるスズ。その目はトロンとしていて、一目で正気でないのがわかる。
「お、落ち着け!スズ!おい!」
「…………きょおすけぇ……もっとぉ………ハッ!」
肩を掴んで激しく揺らし、どうにか正気を取り戻させる。
「…………ゴメン…恭介……」
「…いや、こっちこそすまん。急に撫でて…」
「……………」
「……………」
「お、俺風呂入ってくる!」
「……あ、うん…わかった…」
この微妙な空気に耐えられず、俺はこの場から逃げ出した。
…………………………………………
部屋に1人残されたスズは、恭介の愛撫の余韻に浸っていた。
撫でられた事は何度もあるし、自慰もしたことはある。しかし、さっきのは、それらの何倍も気持ちよかった。愛する相手にされる事でこんなに変わるとは思わなかった。そのせいで、さっきは理性のタガが外れかけた。
「…………嫌われてないかな……」
あのあと、恭介は逃げる様に部屋から出て行ってしまった。もし嫌われてしまったらここに住めなくなってしまう。なにより、恭介に二度と会えなくなるかもしれない。
「…………あとでいっぱい謝ろう」
いつの間にか涙がたまっていた目を拭う。しかし、拭っても拭っても溢れてくる涙はなかなか止まらなかった。
…………………………………………
「……はぁ」
俺は風呂に浸かりながらさっきのことを思い返していた。
「………柔らかかった」
手を脇に差し込んだ一瞬だが、掌に柔らかいものが当たった。多分あれは………
「……って、いかん。何を考えとるんだ俺は」
頭を振って雑念を追い払う。それより今考えるべきは…
「………嫌われたらどうしよう」
出会ってまだ1日足らずだが、仕事に専念していて人の温もりに飢えていた、まして彼女や女友達なんて出来た事のない俺だ。…いや、それを差し引いてもあんなに献身的に身の世話を焼いてくれるスズに、俺は少し惚れてしまったようだ。
「……まぁ、謝るしかないよなぁ……」
俺は、そう決意して浴室を出た。
…………………………………………
「さっきは本当にスマン!スズ!」
「…恭介、さっきはごめんなさい!」
2人が謝るのは殆ど同時だった
「へっ?なんでスズが謝るんだ」
「………だって…さっき恭介を襲おうとして…嫌われたかと思って……グスン………」
スズの目にみるみる涙がたまってくる。
「わっ、わっ、なんで泣くんだよ!」
「………だって…」
「安心しろ、お前の事は嫌いになんてならないから」
「………グスッ……ほんと?」
「ああ、むしろ……その………なんだ、俺も嫌われてないか心配だったんだ」
少し恥ずかしいが、スズだけ言うのは不公平だろうと思い、打ち明けた
「………それは…恭介も私の事好きなの?」
「…ああ、そうだ。だから何にも心配すん「きょーすけー!」うわっ!」
喋ってる途中でスズが突進してきた。突然の事だったので対応できず、俺は尻餅をつく。さらにスズは着ていた薄いワンピースを脱ぎ、俺の上に覆い被さってきた。驚いたことに、下は何も身につけていない。
「あの…スズさん?」
スズの顔はさっきのように上気しているが、ただ一つ、その目は先ほどのようにトロンとしながらも、しっかりと俺を捉えていた。
「……やっぱり…我慢できない♡」
スズは俺を見たまま、俺のベルトをカチャカチャといじっている。
「お、おい!まて!流石にそれはマズイ!」
「………なんで?私はきょーすけが好き、きょーすけは私が好き♡何も問題ない」
スズを正気に戻そうと肩に腕を伸ばすが、つかむ前に手首をとられ、そのまま床に押し付けられる
「……焦らなくても私は逃げないよ♡」
(だめだこいつ、何言っても通じそうにねーぞ)
スズは俺の両手を片手でまとめて押さえつけたまま、俺のズボンに手をかけて引きずりおろす。もちろん、俺の息子を押さえつけるものがなくなり、ぶるんっ と立ち上がる。
「………元気♡」
そう呟くや否や、スズは俺の手を押さえつけたまま、クルッと身を翻し、四つん這いになって顔をペニスに近づける。当然、腕は足で抑えられていて動かせない。
スズは、すんすん、と匂いを嗅いだのち、
「………あむっ♡」
「っ……!」
ペニスを口に咥えてしまった。
「……んっ…れろっ…おいひ♡」
「や、やめろ…くっ……はぁ……」
もちろん俺は童貞なので、こんな事されるのは初めてだ。あまりの快感に何も考えられなくなる。
ぼーっとしていたら、ペニスを舐るのに夢中なスズの秘部が近づいてくる。そこからは、とろりとした蜜がとめどなく溢れでている。俺は無意識のうちにそのぴっちりと閉じた秘部に舌を伸ばしていた
「れろっ…ピチャ……」
「にゃっ♡……きょ、きょーすけ…それっ……だめっ…♡」
突然の快感に驚いたようで、スズは俺のペニスから口を離す。しかし、それもつかの間、再び、更に深く咥え込む。
「…じゅる…じゅぷ……んっ…はむっ♡」
「れろっ……ピチャピチャ…じゅるる…」
俺達は無我夢中で互いの秘部をむさぼり合った
すると、だんだんと下腹部に何かがこみ上げてきた
「…うっ……スズ…そろそろ……くっ…」
「……うん…私も…ひゃっ♡」
どうやら、スズもそろそろ限界のようだ。スズは、一際激しくペニスを吸い、俺も同時に陰核を歯を立てないように甘噛みする
「…あぁ…出るっ!」
「…にゃーーーっ!!」
俺が射精すると同時にスズの秘部からも、勢いよく蜜が溢れ出る。
スズは、俺の精液を全て飲み込むと、ゴロンと横になる。やっと解放されたが、射精の余韻に浸っていて動く気にはなれなかった。
「…はぁ……はぁ…」
「………きょーすけ…………気持ちよかった?」
「……はぁ……あぁ、気持ち…良かったぞ…スズ」
スズも俺も、一度絶頂して少し落ち着いた。だが、俺の愚息は続きを欲しがるようにそそり立ったまま。
「……まだまだ元気♡」
「…言うな…なんか恥ずかしい」
そんな会話をしながら俺たちは起き上がり、ベッドへ向かう
「……きょーすけ……来て♡」
「あぁ…スズ……スズッ!」
スズが先に仰向けになり、足を開いて俺を誘う。そこで先ほど少し戻った理性が、再び吹き飛んだ
ずぷっ…
「にゃっ♡にゃあ〜〜♡」
「うっ…スズの中…凄い…」
俺は服を脱ぎ捨ててスズのうえに跨がり、そのままスズの秘部にペニスを挿れる。中は少し狭く、キュッと締め付けられるのがとても心地よい。
「……う、動くぞ………くっ」
「うん…いいよ……あんっ♡」
スズの狭く締め付けてくる中を広げながら突き入れ、引き抜き、また突き入れて、をゆっくりと繰り返す。
抜くたびにカリが擦れて腰が抜けそうになるが、それを堪えて腰を動かす。
突き入れるたびにスズは小さく喘ぎ声を漏らし、その度中がキュッと締まるので、ますます気持ちがいい。
「…ね……きょーすけ…んっ…もっと……速く…にゃん♡」
俺はスズにねだられるがままに腰の運動を速くする。当然俺が受ける快感も強烈になり、速くも射精感が湧き上がってくる。
「ぐっ…スズ……だめだっ…もう…」
「…ふふっ………あんっ……きょーすけはそーろーさん?にゃっ♡」
そんな挑発をされた俺はムキになって、どうにかイかせてやろうと射精を堪えて更に速く腰を打ち付ける。
「…ひゃっ⁉にゃん♡きょーすけっ♡速…すぎ……にゃあぁ♡」
先ほどの余裕の笑みはすぐに崩れ、目を瞑り顔を横に背ける。
俺は、なんだかスズが愛おしくなり、片手で首もとを軽く掻く。風呂前にやった時と同じく、気持ちよさそうに顔を上げるスズ。そのまま顎を持って、スズの顔をこっちに向かせて唇を奪う
「んっ…ちゅ……れろっ…じゅる」
「むぐっ……んむっ……れろっ…」
そのまま舌を絡め、スズの口の中の唾液を啜る。それに応えるようにスズも舌を絡め返してくる。
「じゅる…んっ……ん〜〜〜〜っ‼」
「れろっ……あむっ…んむぅ〜♡」
キスをしながら、またもや二人同時に達する。
「……ぷはっ…はぁ……はぁ…」
「…ぷぁ……じゅる…」
スズは、口を離したあと、自分の口の周りを舐める。まるで、美味しいものを食べた猫のように。
「……疲れた…」
「………ね」
俺はスズの横に寝っころがる。スズは俺を抱きしめ、足を絡めて逃げられないようにしてくる。
俺もそれに応える様に腕をスズの体の下に差し込み、肩を抱き、足を絡め返し、そのままスズにキスをした
「…このまま寝ようか」
「……うん♡」
なんだか疲れてしまい、二人の意識は溶けていった…
…………………………………………
チュンチュン…
………背中が寒い。そう感じて目を覚ますと、俺は全裸で寝ていた。
(寒っ!なんで全裸なんだよ俺は!布団も着てないし…)
だが、不可解な点、寒いのは背中付近だけなのだ。
ふと目を開けると、
これまた全裸のスズが寝ている。しかも、俺たちは互いに抱き合い、足を絡め、密着して寝ていた。
(ああ、そっか…俺は昨日……)
昨日のことを思い出して、少し恥ずかしくなる。が、とても嬉しい、胸が高鳴る。
そんな時、枕元の携帯が震えた。
俺はスズと抱き合った態勢のまま電話にでた。
「……はい、もしもし……あぁ、家具のご予約…」
時計をちらっと見ると10時を過ぎている。かなり寝過ごしたようだ。
「……はい…はい、えぇ……あぁ…わかりました。では、えーっと…○月□日までにお送りいたします。はい…では」
予約をまとめると、携帯を操作して、着信をオフにする。今日は臨時休業にしよう。
俺はスズの頭を撫でてやり、布団をかけると、スズの体を抱いて再び眠りについた。
…………………………………………
クキュルルル…
スズはお腹が減って目を覚ます。
時計の針はすでに12時をとっくに回っており、いわゆるお昼時を終えようとしていた。
(!ご飯作らなきゃ…)
バッと起きあがろうとするが身動きが取りにくい、見ると、恭介が自分の体に抱きついて寝ている。その顔は笑っているわけではないが、なんだか幸せそうだ。
(……はっ…そうだった…)
昨日のことをおもいかえすと、股がジンジンと熱くなる。すこし濡れた。
(恭介が起きたらまた……)
今は軽いキスだけで我慢し、スズは恭介が起きるまでの間、寝顔を観察することにした。
その後、目を覚ました恭介がスズに襲われたのは言うまでもなく、結局布団から出たのは夕飯時を少し過ぎてからだった。
……………………………………………………
「じゃ、仕事行ってくるな」
昨日は1日休んでしまった。作業はどれも余裕があるが、それでも昨日の分を取り返さねば。
靴を履き、扉に手をかける。そこで
「……待って」
スズに呼び止められた。
「ん?どうしたスズ……んむっ」
「んっ……ちゅ〜♡」
突然キスをされる。しかも舌有りで
「……んっ…プハッ……どうしたスズ、急に」
「………ふふっ、行ってらっしゃいのキス♡」
それはもっとライトなキスでするべきなんじゃないだろうか。
おかげでムラムラしてきた
「……スズッ!」
「にゃん♡」
俺は玄関なのも構わずスズを押し倒し……
結局、仕事に出発したのは昼飯を食べてからになった。
街路樹の下にキジトラの猫がうずくまっていた。毛はビッショリと濡れて体に張り付き、とても痛々しい。かろうじて意識はあるようで、俺を見るなりか細い声で何度もないている。よく見ると、体には細かい枝やゴミが張り付いていた。川に落ちてしまったのだろう。
尻尾に鈴が付いているので飼い猫だったのだろうか。まったく、捨てるなんて無責任な飼い主もいるもんだ……………
気がついたら、俺はその猫を抱えて歩いていた。
…………………………………………
俺は猫を抱えたまま自分の住むマンションにたどり着いた。うちはペットOKなので、連れて帰っても怒られはしないだろう。
とりあえず、この猫を温めてやらねば。
俺は荷物を下ろすと、猫を抱いてそのまま浴室に向かった。
…………………………………………
あれだけ雨に晒されたのでシャワーは嫌がるかと思いきや、お風呂慣れした飼い猫のようにおとなしく、シャンプーも嫌がらなかった。
「お前、飼い猫だったのか?」
俺は猫を洗いながら話しかけてみた。
「ニャー」
先ほどより幾分元気な声で返事は返ってくるが、理解はできない。
…………………………………………
シャワーを終えた猫を布を敷き詰めたカゴに入れて、俺は夕食の準備をしていた。といっても、買ってきた惣菜を温めて並べるだけだが。
すると、匂いにつられてか、後ろから猫の足音が近づいてくる。
そこで俺は違和感を感じた。
猫にしては足音が大きいのだ。
それはまるで人の足音のようで
気になって振り返ると、
茶髪の少女が立っていた
「……………」
俺は絶句した。
それは少女が急に現れたことに対して、ではなく
その少女の姿に、である。
頭には猫の耳が生え、腰ではふさふさとした尻尾が揺れている
「……………」
その猫のような少女は、眠そうな瞳でこちらをじっと見つめている。その目は、何かを訴えているように見えた。
クキュルルルーー…
お腹がなる音がした。
「……腹、へったのか?」
「………コクン」
…………………………………………
「ハフハフ…モグモグ……ンクッ」
今日買ってきたのは大きめの焼き魚。ご飯もよそってやると、嬉しそうに尻尾を振りながらガツガツとかっこんでいた。俺は自分の夕飯をあげてしまったので、買い置きのカップ麺を食べた。
「…美味しかった」
3杯目のご飯を平らげると、茶碗を置いて呟いた。
「そうかい、そりゃ良かった」
正直、こんなに食べるとは思わなかったのでビックリした。
…………………………………………
食器を片付けて一息ついたところで、俺はさっきから気になっていたことをきいてみた。
「あんた、誰だ?いつの間に入ったんだ?」
猫娘(仮)はキョトン、とした顔をしてこう答える。
「……?あなたが連れてきてくれた」
「……はぁ?」
何を言ってるんだ?
俺は今日仕事や買い物の会話位しかしていないはずだ。
「……雨の中で動けない私を抱えてここまで連れてきてくれた…。
とても助かった。ありがとう。」
雨、抱える、連れてくる……確かに猫は拾ったが、女の子は拾った覚えがない。
「…まさかお前、あの猫なのか?」
「……そう」
確かに、猫を入れたはずのカゴには誰もいない、さらにこの猫娘の尻尾には、あの猫のように鈴が付いていた。
…とりあえず俺は頬をつねってみる
「…痛くないの?」
「いや、痛い。残念ながら痛い」
「……?」
さて、これが現実だというならどうするべきか。とりあえず俺は彼女に質問してみる。
「あんたは猫なのか?人なのか?」
「……私は猫又、どっちでもない」
…どうしよう、この子電波なのかな
「猫又って…あの、猫の妖怪の?」
「そう」
嘘を言っているようには聞こえない。しかしやはり信じられない。
「耳、触ってもいい?」
「……いいよ」
許可が下りたので触ってみる。
毛がうっすらと生えており、触った感じ、作り物だとは思えない。
「尻尾は?」
「……優しく…なら」
こちらもふさふさと毛が生えていて、さらに手の中で動こうともぞもぞしている。やはり本物のようだ。
「……んっ…あぅ…もうちょっと…優しく…」
触るのに夢中で力加減を忘れていたようだ。急に艶っぽい声が聞こえてびっくりした。
「あ……スマン」
「……もういい?」
だが今ので耳や尻尾が本物だとわかった。それなら猫又だ、というのも信じざるを得ない。
「お前が猫又なのはわかったが……なんであんなところにいたんだよ」
こいつが猫又なら捨てられた、というのは考えにくい。
「……………お散歩してたらいつの間にかこっちに迷い込んじゃったの」
「こっち?」
「………?あぁそっか。こっちでは魔界のこと知られて無いんだ…」
「魔界?」
魔界……とは、あれだろうか。魔法が使えたり、魔王や勇者がいたりとか、ファンタジーな世界のことだろうか。
「………詳しく説明してくれ」
「……ん、わかった」
猫又は自分の種族のことや自分のいた世界について色々と教えてくれた。
こいつのような妖怪や魔物が住む魔界というところについて。
魔物には女の子しか存在せず、また、人に友好的だということ。
魔物は皆サキュバスのように、男の精が好物で、好色な性格の者が多いこと。
地域によって違うが、こいつのいたところは魔物と人間が手を取り合って生きている、ということ。
そして、自分は向こうから何かの拍子に迷い込んでしまった、ということ。
「………だから、ここに居させて欲しいの」
「雨宿りか……別にそのくらいならいいけど」
「………違う。しばらくここに住ませて欲しいの…」
…何を言ってるんですかこの猫っ子は
「………家に帰る方法がわかんなくて、行くあても無い。……ついでに家事もするから」
「いや、いいよ…一人暮らしできてるんだから」
「でも部屋…すごい散らかってる。ご飯も手づくりじゃなかった。身体に悪い」
「ゔっ…」
痛いところを突いてくれる…
俺は仕事上、家にいることがあまりないのだ。だから家はロクに掃除も出来ていない。それをやってくれるというならば、仕事に専念できるし、まぁ悪く無いかもしれない
ちなみにだが、俺の仕事は家具を作ること。昔から何かをつくるのが好きで、大学を出てから親の後押しもあってここで1人、家具屋を経営している。完全オーダーメイドも可能で、品質もよい、と買ってくれた人は言ってくれて、なかなか評判なのだ。今は近所に使われない廃倉庫があるので、それを買い取り仕事場にしている。というか、家具作りが楽しすぎて、ほとんどあっちで暮らしているため、家は散らかりっぱなしになっている。
「…本当に行くあてがないのか?」
「……ない。……ね、お願い…絶対に役に立つから……」
「………わかった。でも、ここに住むからには……その…家事、頼むぞ。それでもいいか?」
「……ありがとう!頑張る…!」
目をキラキラさせて喜んでいる。
そんなに嬉しいのだろうか。
「あ、そういや名前。俺は恭介、深山 恭介だ。お前は?」
「……鈴。スズって呼んで」
「わかった。じゃ、スズはそのベッド使って。俺はソファーで寝るから」
「……それはいけない。恭介が風邪ひいちゃう。」
そんなことをいっても、ベッドは一つしかない。どちらかが妥協するしかないならやはり男が譲るべきだろう。
「………私にいい考えがある」
…………………………………………
俺は今ベッドで寝ている。そして、スズは…
「スー………スー………」
猫になって俺の横で丸くなっている。確かに猫なら一緒に寝られる。しかも、スズの体は暖かく、湯たんぽのようで心地よい。今日はいつもよりよく眠れそうだ………
…………………………………………
翌朝…というか早朝
俺は寝苦しさを覚えて目を覚ます。
窓の外をみると、まだ薄暗い。
俺は睡眠を邪魔されたことに苛立ちを覚えながら寝苦しさの正体を確認しようと布団を捲ると、
「……ぅうん……ムニャ………きょおすけぇ……いい匂い…………スゥ」
「なっ……⁉」
幸せそうな寝顔を浮かべるスズが、俺の体に抱きついていた。
「お、おいスズ!何してんだ!離せ!」
「……スゥ……ぅん〜…やぁ〜……きょおすけと寝るの〜…………スピー」
スズは離すまいとさらに強く抱きついてくる。しかもスズがいると意識してしまうと、なんだかさっきから、お腹のところに何か柔らかいものが当たっているのに気づいてしまう
(このままだと色々とマズイ!早く出ないと…)
そう思って力ずくで振りほどこうとするが、スズは見た目に似合わず怪力のようで、10分ほどかけて、ようやく脱出できた。
俺が離れて不満なのか、少し顔をしかめていたが、布団を巻いて抱かせたら、また嬉しそうな顔に戻った。
…………………………………………
8時頃、そろそろ仕事に行こうかという時間にスズが起きてきた。
「…ん〜……おはよう恭介…」
「あ、あぁおはよう」
あんなことがあったにも関わらずスズはケロッとしている。あれは寝ぼけていたのだろうか。
「…いま朝ごはん作るね」
「いや、さっき軽く食べたからいいよ。もうそろそろ仕事行こうと思うし」
「……そう?じゃあ明日から頑張って早起きしなきゃ…」
やっぱり覚えていないみたいだ。
なら俺だけ気にしていてもなんだか虚しい気がする。頑張って忘れよう
…………………………………………
「じゃあ、俺は仕事に行くから、留守番、頼むな。」
「……任せて、いってらっしゃい」
仕事に向かう彼を見送る。なんだか夫婦になったみたいで無意味に嬉しくなる。
「………さて」
部屋をくるりと見回す。
ソファーの上に無造作に置かれた、読みかけであろう雑誌。
カゴの中に適当に積まれているのは洗濯済みの綺麗なハズの服、これは洗濯しなおす必要がありそうだ。
流し台には何も無い。代わりに足元には総菜や弁当、カップ麺の容器が大量に入ったゴミ袋がある。これでは本当に体を壊してしまう。
部屋の隅や廊下までみると、埃がたくさんたまっている。
「………これだけあると、掃除のしがいがある」
スズは1人、燃えていた。
「……………でも、その前に…♡」
私はフラフラとベッドまで近づき
「……………きょーすけ♡」
そのまま飛び込みました。
「……………スンスン…きょーすけの匂い…やっぱり………いい♡」
本人に直接やると怒られるかもしれ無いし、もしかしたら嫌われる可能性もある。それが怖いから今はこれで。
今朝はせっかくのチャンスだったが嫌がられてしまった。次からはもっとこっそり、さりげなくやろう。
でも、今はとりあえず
「……………きょーすけ♡……きょーすけ♡」
こっちを堪能しよう。
恭介の使っていた枕に顔を埋め、かき集めた掛け布団や毛布の中にうずくまる。
やがて、物足りなくなって、ふと起き上がるとカゴに積まれた洗濯物が目にとまる。洗濯物、ということはつまりアレも…………
「……………どうせ洗濯するなら……」
気がついたら、私は部屋の中に散らかった服の中で寝ていた。
「………………片付けしよ」
…………………………………………
「……おかえりなさい。ご飯はできてるよ。それともお風呂?」
家に帰るとエプロンをきたスズに出迎えられた。ずっと一人で暮らしていたのでなんだかこそばゆい。しかもこれは……なんだか新婚のような感じがして小っ恥ずかしい。が、悪い気はしない。
「あ、あぁ。じゃあ飯に……」
「……待って」
「へ?」
「……おかえり、の返事は?」
「あ……た、ただいま…」
「……ん♪」
やっぱり恥ずかしい。
…………………………………………
「おぉ…」
食卓にはいつものような惣菜ではなく、焼きたてであろうサンマに里芋の煮物、おひたし、味噌汁、ご飯、とザ、和食といったラインナップが並んでいた。
しかも、このちゃぶ台は見慣れないと思ったら、俺が上に色々と置きすぎて使えなくなっていたものだった。
他にも軽く見回すだけで、ウチが見違える程キレイになっていた。
読みかけの雑誌は綺麗に積まれ、
洗濯物はキッチリ畳まれて、種類別にタンスに入っているようだ。
今日出すのを忘れていたゴミ袋も無くなっている。
廊下や部屋の床は見るまでも無くピカピカだった。
「……ね?役に立つでしょ?」
俺の向かいに座るスズがフフンと鼻を鳴らして胸を張っている。
「……とりあえず食べよう。冷めたらもったいない」
「……うん♪」
…………………………………………
「…なぁ、スズ。お前みたいな妖怪とかって、実はいっぱいいるのか?」
「…ムグ……ンクッ………うん。こっちで暮らしてる子もいっぱいいるよ」
「へぇ………あ、そういや、スズ、こっちに迷い込んだ、とかいってたけど。お前向こうに帰れるのか?」
「……………あっちとこっちは行き来できるようになってる。でも方法がわかんなくて困ってる。」
やはり、向こうに帰れなくて困っているようだ。
「うん、これも何かの縁だ。お前が向こうに帰れるように手伝うよ」
「……………………ありがとう」
お礼を言いながらも、スズの表情は少し暗くなったが、その時の俺は気がつかなかった。
…………………………………………
「ご馳走様でした。」
「……お粗末様でした」
久々に食べた手料理はかなり美味しかった。正直、大人になってから食べたもので一番かもしれない。
「……ね、美味しかった?」
「あぁ。すごく美味かった。」
「よかった♪」
いつの間にか隣に移動したきていたスズは、感想を聞いてパッと笑顔になる。よほど嬉しいのか尻尾までブンブン振っている。
その姿はあまりに愛らしく、俺は思わずスズの頭を撫でる。するとスズは少し驚いた顔をした後、目を細めながら頭をグリグリと押し付けて、喉をゴロゴロと鳴らす。そのままもう片方の手で喉元を軽く掻いてやると、気持ちよさそうに頭を上げる。そのまま猫にやるように抱っこしてやろうと手を脇に差し込み……
そこで俺はハッとして手を引っ込める。
一方スズは、急に愛撫を止められたので、顔を赤らめて、物足りなそうな目で俺を見ている
「……なんでやめちゃうの…きょおすけぇ…?…もっとしてよぅ…♡」
甘ったるい声で呼びかけながらにじり寄ってくるスズ。その目はトロンとしていて、一目で正気でないのがわかる。
「お、落ち着け!スズ!おい!」
「…………きょおすけぇ……もっとぉ………ハッ!」
肩を掴んで激しく揺らし、どうにか正気を取り戻させる。
「…………ゴメン…恭介……」
「…いや、こっちこそすまん。急に撫でて…」
「……………」
「……………」
「お、俺風呂入ってくる!」
「……あ、うん…わかった…」
この微妙な空気に耐えられず、俺はこの場から逃げ出した。
…………………………………………
部屋に1人残されたスズは、恭介の愛撫の余韻に浸っていた。
撫でられた事は何度もあるし、自慰もしたことはある。しかし、さっきのは、それらの何倍も気持ちよかった。愛する相手にされる事でこんなに変わるとは思わなかった。そのせいで、さっきは理性のタガが外れかけた。
「…………嫌われてないかな……」
あのあと、恭介は逃げる様に部屋から出て行ってしまった。もし嫌われてしまったらここに住めなくなってしまう。なにより、恭介に二度と会えなくなるかもしれない。
「…………あとでいっぱい謝ろう」
いつの間にか涙がたまっていた目を拭う。しかし、拭っても拭っても溢れてくる涙はなかなか止まらなかった。
…………………………………………
「……はぁ」
俺は風呂に浸かりながらさっきのことを思い返していた。
「………柔らかかった」
手を脇に差し込んだ一瞬だが、掌に柔らかいものが当たった。多分あれは………
「……って、いかん。何を考えとるんだ俺は」
頭を振って雑念を追い払う。それより今考えるべきは…
「………嫌われたらどうしよう」
出会ってまだ1日足らずだが、仕事に専念していて人の温もりに飢えていた、まして彼女や女友達なんて出来た事のない俺だ。…いや、それを差し引いてもあんなに献身的に身の世話を焼いてくれるスズに、俺は少し惚れてしまったようだ。
「……まぁ、謝るしかないよなぁ……」
俺は、そう決意して浴室を出た。
…………………………………………
「さっきは本当にスマン!スズ!」
「…恭介、さっきはごめんなさい!」
2人が謝るのは殆ど同時だった
「へっ?なんでスズが謝るんだ」
「………だって…さっき恭介を襲おうとして…嫌われたかと思って……グスン………」
スズの目にみるみる涙がたまってくる。
「わっ、わっ、なんで泣くんだよ!」
「………だって…」
「安心しろ、お前の事は嫌いになんてならないから」
「………グスッ……ほんと?」
「ああ、むしろ……その………なんだ、俺も嫌われてないか心配だったんだ」
少し恥ずかしいが、スズだけ言うのは不公平だろうと思い、打ち明けた
「………それは…恭介も私の事好きなの?」
「…ああ、そうだ。だから何にも心配すん「きょーすけー!」うわっ!」
喋ってる途中でスズが突進してきた。突然の事だったので対応できず、俺は尻餅をつく。さらにスズは着ていた薄いワンピースを脱ぎ、俺の上に覆い被さってきた。驚いたことに、下は何も身につけていない。
「あの…スズさん?」
スズの顔はさっきのように上気しているが、ただ一つ、その目は先ほどのようにトロンとしながらも、しっかりと俺を捉えていた。
「……やっぱり…我慢できない♡」
スズは俺を見たまま、俺のベルトをカチャカチャといじっている。
「お、おい!まて!流石にそれはマズイ!」
「………なんで?私はきょーすけが好き、きょーすけは私が好き♡何も問題ない」
スズを正気に戻そうと肩に腕を伸ばすが、つかむ前に手首をとられ、そのまま床に押し付けられる
「……焦らなくても私は逃げないよ♡」
(だめだこいつ、何言っても通じそうにねーぞ)
スズは俺の両手を片手でまとめて押さえつけたまま、俺のズボンに手をかけて引きずりおろす。もちろん、俺の息子を押さえつけるものがなくなり、ぶるんっ と立ち上がる。
「………元気♡」
そう呟くや否や、スズは俺の手を押さえつけたまま、クルッと身を翻し、四つん這いになって顔をペニスに近づける。当然、腕は足で抑えられていて動かせない。
スズは、すんすん、と匂いを嗅いだのち、
「………あむっ♡」
「っ……!」
ペニスを口に咥えてしまった。
「……んっ…れろっ…おいひ♡」
「や、やめろ…くっ……はぁ……」
もちろん俺は童貞なので、こんな事されるのは初めてだ。あまりの快感に何も考えられなくなる。
ぼーっとしていたら、ペニスを舐るのに夢中なスズの秘部が近づいてくる。そこからは、とろりとした蜜がとめどなく溢れでている。俺は無意識のうちにそのぴっちりと閉じた秘部に舌を伸ばしていた
「れろっ…ピチャ……」
「にゃっ♡……きょ、きょーすけ…それっ……だめっ…♡」
突然の快感に驚いたようで、スズは俺のペニスから口を離す。しかし、それもつかの間、再び、更に深く咥え込む。
「…じゅる…じゅぷ……んっ…はむっ♡」
「れろっ……ピチャピチャ…じゅるる…」
俺達は無我夢中で互いの秘部をむさぼり合った
すると、だんだんと下腹部に何かがこみ上げてきた
「…うっ……スズ…そろそろ……くっ…」
「……うん…私も…ひゃっ♡」
どうやら、スズもそろそろ限界のようだ。スズは、一際激しくペニスを吸い、俺も同時に陰核を歯を立てないように甘噛みする
「…あぁ…出るっ!」
「…にゃーーーっ!!」
俺が射精すると同時にスズの秘部からも、勢いよく蜜が溢れ出る。
スズは、俺の精液を全て飲み込むと、ゴロンと横になる。やっと解放されたが、射精の余韻に浸っていて動く気にはなれなかった。
「…はぁ……はぁ…」
「………きょーすけ…………気持ちよかった?」
「……はぁ……あぁ、気持ち…良かったぞ…スズ」
スズも俺も、一度絶頂して少し落ち着いた。だが、俺の愚息は続きを欲しがるようにそそり立ったまま。
「……まだまだ元気♡」
「…言うな…なんか恥ずかしい」
そんな会話をしながら俺たちは起き上がり、ベッドへ向かう
「……きょーすけ……来て♡」
「あぁ…スズ……スズッ!」
スズが先に仰向けになり、足を開いて俺を誘う。そこで先ほど少し戻った理性が、再び吹き飛んだ
ずぷっ…
「にゃっ♡にゃあ〜〜♡」
「うっ…スズの中…凄い…」
俺は服を脱ぎ捨ててスズのうえに跨がり、そのままスズの秘部にペニスを挿れる。中は少し狭く、キュッと締め付けられるのがとても心地よい。
「……う、動くぞ………くっ」
「うん…いいよ……あんっ♡」
スズの狭く締め付けてくる中を広げながら突き入れ、引き抜き、また突き入れて、をゆっくりと繰り返す。
抜くたびにカリが擦れて腰が抜けそうになるが、それを堪えて腰を動かす。
突き入れるたびにスズは小さく喘ぎ声を漏らし、その度中がキュッと締まるので、ますます気持ちがいい。
「…ね……きょーすけ…んっ…もっと……速く…にゃん♡」
俺はスズにねだられるがままに腰の運動を速くする。当然俺が受ける快感も強烈になり、速くも射精感が湧き上がってくる。
「ぐっ…スズ……だめだっ…もう…」
「…ふふっ………あんっ……きょーすけはそーろーさん?にゃっ♡」
そんな挑発をされた俺はムキになって、どうにかイかせてやろうと射精を堪えて更に速く腰を打ち付ける。
「…ひゃっ⁉にゃん♡きょーすけっ♡速…すぎ……にゃあぁ♡」
先ほどの余裕の笑みはすぐに崩れ、目を瞑り顔を横に背ける。
俺は、なんだかスズが愛おしくなり、片手で首もとを軽く掻く。風呂前にやった時と同じく、気持ちよさそうに顔を上げるスズ。そのまま顎を持って、スズの顔をこっちに向かせて唇を奪う
「んっ…ちゅ……れろっ…じゅる」
「むぐっ……んむっ……れろっ…」
そのまま舌を絡め、スズの口の中の唾液を啜る。それに応えるようにスズも舌を絡め返してくる。
「じゅる…んっ……ん〜〜〜〜っ‼」
「れろっ……あむっ…んむぅ〜♡」
キスをしながら、またもや二人同時に達する。
「……ぷはっ…はぁ……はぁ…」
「…ぷぁ……じゅる…」
スズは、口を離したあと、自分の口の周りを舐める。まるで、美味しいものを食べた猫のように。
「……疲れた…」
「………ね」
俺はスズの横に寝っころがる。スズは俺を抱きしめ、足を絡めて逃げられないようにしてくる。
俺もそれに応える様に腕をスズの体の下に差し込み、肩を抱き、足を絡め返し、そのままスズにキスをした
「…このまま寝ようか」
「……うん♡」
なんだか疲れてしまい、二人の意識は溶けていった…
…………………………………………
チュンチュン…
………背中が寒い。そう感じて目を覚ますと、俺は全裸で寝ていた。
(寒っ!なんで全裸なんだよ俺は!布団も着てないし…)
だが、不可解な点、寒いのは背中付近だけなのだ。
ふと目を開けると、
これまた全裸のスズが寝ている。しかも、俺たちは互いに抱き合い、足を絡め、密着して寝ていた。
(ああ、そっか…俺は昨日……)
昨日のことを思い出して、少し恥ずかしくなる。が、とても嬉しい、胸が高鳴る。
そんな時、枕元の携帯が震えた。
俺はスズと抱き合った態勢のまま電話にでた。
「……はい、もしもし……あぁ、家具のご予約…」
時計をちらっと見ると10時を過ぎている。かなり寝過ごしたようだ。
「……はい…はい、えぇ……あぁ…わかりました。では、えーっと…○月□日までにお送りいたします。はい…では」
予約をまとめると、携帯を操作して、着信をオフにする。今日は臨時休業にしよう。
俺はスズの頭を撫でてやり、布団をかけると、スズの体を抱いて再び眠りについた。
…………………………………………
クキュルルル…
スズはお腹が減って目を覚ます。
時計の針はすでに12時をとっくに回っており、いわゆるお昼時を終えようとしていた。
(!ご飯作らなきゃ…)
バッと起きあがろうとするが身動きが取りにくい、見ると、恭介が自分の体に抱きついて寝ている。その顔は笑っているわけではないが、なんだか幸せそうだ。
(……はっ…そうだった…)
昨日のことをおもいかえすと、股がジンジンと熱くなる。すこし濡れた。
(恭介が起きたらまた……)
今は軽いキスだけで我慢し、スズは恭介が起きるまでの間、寝顔を観察することにした。
その後、目を覚ました恭介がスズに襲われたのは言うまでもなく、結局布団から出たのは夕飯時を少し過ぎてからだった。
……………………………………………………
「じゃ、仕事行ってくるな」
昨日は1日休んでしまった。作業はどれも余裕があるが、それでも昨日の分を取り返さねば。
靴を履き、扉に手をかける。そこで
「……待って」
スズに呼び止められた。
「ん?どうしたスズ……んむっ」
「んっ……ちゅ〜♡」
突然キスをされる。しかも舌有りで
「……んっ…プハッ……どうしたスズ、急に」
「………ふふっ、行ってらっしゃいのキス♡」
それはもっとライトなキスでするべきなんじゃないだろうか。
おかげでムラムラしてきた
「……スズッ!」
「にゃん♡」
俺は玄関なのも構わずスズを押し倒し……
結局、仕事に出発したのは昼飯を食べてからになった。
15/10/22 00:56更新 / ウェラロア