食事中、自室にて
黄昏時。
紅く煌く茜空が、暗い夜の帳を纏い始める時刻。
沈む夕日に誘われて、空かせたお腹がぐぅと鳴く、そんな時刻。
魔物 ・人間問わず、誰もが美味しい夕飯に舌鼓を打つであろう、そんな、時刻。
ここは、広大な砂漠の、ど真ん中。
入り口以外のほぼ全てが砂に埋もれた、遥か古代の遺跡。
長い年月の果て、ボロボロに風化しきった廃墟が佇むだけの、酷く物寂しい所。
そんな辺鄙で荒れ果てた、残骸散らばる遺跡の奥底にて、俺たち夫婦は暮らしている。
ぱちゅんっ♪ ぱちゅんっ♪ ぱちゅんっ♪ ぱちゅんっ♪ ぱちゅんっ♪
「あっ! あぁっ! あんっ!♥ あひっ! あふっ!♥ ふうぅぅうっ!♥」
砂中に広がる遺跡内部を構成する、迷宮のようなダンジョンの更に下層。
巧妙に偽装された隠し階段を下る先に、この遺跡の住人達の、居住区がある。
遺跡を守護、または維持する役割を持つマミー達と、その夫達が住んでいる区画。
そこはただ単純に、「マミー居住区」と呼ばれていた。
その中の一室、石壁に囲まれた、ほんのりと明かりが灯る自室の片隅で。
俺たちは夫婦そろって、仲良く 『食事』 を摂っている最中なのだった。
…それはもう、仲睦まじく。
ぱちゅっ♪ ぱちゅんっ♪ ぱちゅっ♪ ぱちゅっ♪ ぱちゅんっ♪
「あっ! ひゃっ! ひゃふぅ!♥ …もっと!♥ もっともっともっとぉっ!♥」
殺風景な小部屋には不釣合いな、真っ白でふかふかのダブルベッドの上にて。
愛する妻のマミー、ミィナが、とんび座りで俺に跨り、一心不乱に腰を振り乱している。
俺の胸板に手を付いて、ずっぽりと膣に咥えたペニスを味わうように、貪るように。
彼女にとっての最高のご馳走を、一滴残らず搾り取るように、吸い尽くすように。
善がり狂い、嬌声を上げながら。 ただひたすらに、勃起しきった剛直を扱き続けていた。
インキュバス化の影響で肥大化した肉棒が、包帯の隙間から、狭い最奥へと呑み込まれ。
ずるりと引き抜かれる毎に、子宮内から溢れ出る精液が、カリ首によって掻き出されていく。
俺と彼女の結合部、そしてベッドの上一面に、白濁色の粘液溜りが広がっていく。
跨る彼女が身体を跳ねさせ、腰と腰が打ち付けられるたびに。
精液と愛液が混じり合った淫液が、猛り狂う雄と雌の間で、粘着く糸を引いていた。
「もっともっとっ!♥ ……せーえきっ♥ ちょうだぁいっ!♥」
…一体これまで、何発欲望を吐き出したのだったか。 正直、もう覚えちゃいない。
…覚えているのは、彼女の膣壁を形作る無数のひだと柔突起が、敏感な亀頭とカリ首を四方八方から擦り立てて、気が狂いそうな程の快楽を与えてくれるなか。 睾丸でほぼ無限に生成されていく大量の精液を、きゅうきゅうにペニスを締め付ける膣圧でもって、何十回も搾り取られているという事実だけだった。
ぱちゅん♪ ぱちゅん♪ ぱちゅんっ♪ …ぐりっ♪ ぐりぐりぐりぃっ♪
「ひゃぅっ! ひゃっ! はぅんっ!♥ …あひゃぁっ!♥ おくっ! おくきもちぃっ!♥」
今まで必死に腰を振り乱していたミィナが、深く沈めた腰をクイクイと前後に捻り始める。
踊り子のような淫靡な腰つきで、肉厚な膣奥を亀頭の先端でゴリゴリと刺激していく彼女。
弱点への激しく淫らなキスがもたらす快楽に、すっかり夢中になって愉しんでいるようだった。
同じように、竿を程好い力で締め付け、ぐにぐにと手淫のように揉み解してくれる膣壁の心地良さと、プリプリとした子宮口が鈴口を擦る時の、背筋を駆け上がるような快感に、俺自身も酔い痴れる。
…お互い気が触れたように、ひたすら快楽を求め合う、この爛れた行為。
…俺達の一風変わった 『食事』 の場景は、もはや、数時間にも及んでいた。
ぐりゅん♪ ぐりゅん♪ ぐりゅんっ♪ ぐちゅっ♪ ぐちゅっ♪ ぐちゅぁあっ♪
「ひゃふっ! しゅご、おひっ!♥ …ジャックのちんぽぉ♥ しゃいこおだよぉっ!♥」
こちらを見つめる彼女が、呂律の回らない舌ったらずな口調で、俺の名前を呼ぶ。
円を描くように艶かしく腰をくねらせて、彼女は自らの意思で、子宮口をいじめ続けていて。
膣内を太い肉棒が掻き回すたび、深く繋がる境目から、ぐちぐちと卑猥な音が聞こえていた。
「はひっ♥ はへっ♥ …これ、好きぃ……っ♥ いっぱい、大好きぃ……っ!♥」
…いくら愛しても愛し足りない妻の、胡乱な瞳と、悩ましげな吐息と、忙しない腰付き。
…下げた目尻に涙を湛え、笑みの端から涎をこぼし、褐色の頬を朱に染めて。
恥ずかしげも無く淫語を口から垂れ流し、我を忘れたように腰を捻らす、その姿。
トロトロに蕩けきった彼女に、普段の快活な少女の面影など、どこにも無くて……
…そんな光景を前にして、俺のなけなし程度の理性なんかが、耐えられるはずもない。
…ぐにぃっ!♪
「ひゃはぁぁあああっ!??♥♥ …ジャック、なにひてぇ……っ!?♥」
激しい交わりで包帯が肌蹴た、きゅっと引き締まり、それでいてとても柔らかい桃尻。
何時までも触れていたくなるような触り心地のそれを、腰の脇から手を伸ばし、強引に掴んで揉み上げると、彼女は尚更に甘い声を上げて、ビクビクと全身を震わせる。
マミーである彼女の褐色の素肌は、刺激に対してとても敏感だ。
お尻なんて掴もうものなら、それこそ触れるだけで、動けなくなってしまう程に。
…つまり、これで彼女は、俺の思うがままだ。
「…奥までされるのが、大好きなんだろ?」
「……ジャック……ましゃかぁ……っ!♥」
そう、そのまさかだ。
お尻を触れられた快感で動けないミィナを尻目に、俺は腰に力を蓄える。
ガッシリとお尻を固定して、スムーズに突けるように、腰の位置を微調整。
愛液と精液に濡れそぼるペニスを、膣口から抜けそうになる位まで引き抜けば……
…涎をしとどに滴らせる、男根狂いの肉壺を、好きなだけ犯し抜く準備は、整った。
…慄くように声を震わせる、ミィナの表情は……
…まるで、ご褒美を受け取る子供のような、期待と喜悦に溢れていた。
…ぱぁぁぁあんっ!!♪♪
「ひきゅぅぅぅぅぅうううううッッ!!??♥♥」
決して広いとは言えない室内に、小気味良い音が反響した。
引き締まった桃尻に俺の腰を、弱点の子宮口に膨張した亀頭を叩き付けられたミィナは、あまりの衝撃に堪らず甲高い悲鳴をあげて、背筋をピンと強く反らせる。 お尻と同じく包帯の肌蹴た、彼女の豊満で張りのある乳房が、俺の突きに連動してプルンと大きく震えた。
目を見開き、声と身体を強張らせ、快感に打ち震えるミィナ。
…どうやら、軽くイッてしまったようだが…
…もちろん、これで終わりではない。
ぱんっ♪ ぱんっ♪ ぱんっ♪ ぱんっ♪ ぱんっ♪ ぱんっ♪
「ひぃぃぃいいいっ!??♥ あひっ、ダメっ!♥ ダメっ♥ ダメっ♥ ダメぇぇええっ!!♥」
ミィナの期待に応える為、桃尻を乱暴に揉みしだきながら、下から激しく腰を打ち付ける。
リズム良く、まるで楽器を奏でるかのように彼女のお尻を叩くたび、お尻からは乾いた音色が、結合部からはねっとりと粘着いた音色が響き合い、卑猥で淫らな演奏が奏でられていく。
そのリズムに合わせて、目の前の形の良い双球も、プルプルと楽しそうに弾んでいて。
…視覚と聴覚を否応なしに刺激してくるそれらに、獣欲が際限なく高まっていく。
散らけたショートヘアを振り乱し、しきりに 「ダメ」 と連呼するミィナの事は、当然受け流す。
…膣壁を刮がれ、最奥を小突かれる度にだらしなく緩む、彼女の真っ赤な顔。
…涎を垂らして、フニャフニャに蕩け切ったその顔では、説得力はまるで無い。
「ダメっ、もうらめぇっ!♥ おかしくなるぅぅっ!♥ おかしくなりゅからぁぁあっ!♥
だからもう、やめっ♥ やめへぇぇぇぇえええっ!!♥♥」
「わかった、もっとだな?」
「…ふぇええっ!? ち、ちが、ぁああ……っ!?♥」
ミィナにとっての「やめて」は、「もっとして」と同義だ。
そう言えば、もっと激しく攻めて貰えるという事を、知っているのだ。
だから当然、手加減はしない。 するつもりもない。
…しかし、こちらもいい加減、限界が迫っている。 ならば……
ぱんぱんぱんっ♪ パンパンパンパンパンパンッ♪♪
「うきゅぁぁぁぁぁぁぁあああっっ!!?♥♥」
…ラストスパートだ……っ!!
「あっ、イくっ♥ イきゅっ!♥ イきゅぅぅぅぅうううっ!!♥♥
いっぱいパンパンしゃれてっ♥ イっひゃうぅぅぅううううっ!!♥♥」
滅茶苦茶に膣内を掻き回されて、急速に絶頂へと上り詰めるミィナ。
アクメ寸前で、小刻みに肉棒を締め付ける膣壁を、無理矢理に掻き分ける。
全身の筋肉を総動員して、長いストロークかつ最大速度で、子宮口を突きまくる。
彼女より先に気をやる訳にはいくまいと、震える肉棒の根元にも極力意識を集中して。
乱れに乱れる彼女の身体に更なる快楽を与えんと、ひたすらに彼女の身体を求めていく。
「………ッ!!」
…しかし、いくらインキュバスといえども、まるで貪るようにペニスに絡みつき、玉袋に溜まる精液を空になるまで吸い尽くさんとするミィナの魔性の肉壷には、到底耐え切れるものではない。
…下腹部を襲う、脳が焼き切れそうな程の快楽と、押し寄せる射精感。
(……こんなもの、我慢なんて、できるものか……ッ!!)
実に呆気なく、我慢の限界が訪れた瞬間。
ミィナの膣が、一際強くペニスを締め付けた、その瞬間。
子宮口に叩き付けた先端から、根元に凝縮された白濁色の欲望が、一気に噴出した。
びゅりゅるるるるるるるぅっ!!♪
「ひゃああぁぁぁぁぁあああっ!!??♥♥」
一際大きいミィナの嬌声が、部屋の中に甲高く響き渡る。
同時に、鈴口から子宮の内部へと、粘度の高い白濁した精液を、大量に注ぎ込んでいく。
何度出しても量も濃さも衰えないそれは、インキュバス化の賜物だろう。
永くながく続く射精がもたらす快楽を、腰を震わせながら、甘受する。
…こんな量を出して、いつか干からびてしまわないかと、心配になる事もあるが……
この遺跡でミィナに襲われ、押し倒されてから早数十年。 愛し愛され、犯し犯される日々を1日たりとも欠かさなかった今になっても、死に直面したような記憶は一切無かったことを鑑みるに、その心配は杞憂でしかないのだろう。
びゅるるるっ♪ びゅるるるるるっ♪
「きひゃ……♥ ごはんきひゃぁぁ……っ!♥
おいひいの…しきゅーにきひゃぁぁぁああ………っ!♥♥」
そんな無駄な心配をしている最中、どうやらミィナも、気をやってしまったらしい。
子宮に直接、精を受け。 豊満かつ引き締まった肉体を、時折ビクビクと震わせて。
細めた視線を虚ろに中空に漂わせて、パクパクと何事かを呟きながら、快楽を享受している。
艶かしさの極みであるその表情に、俺はどこか、美しさのようなものを感じていた。
ぐちゅ…っ♪ ぐちゅ…っ♪ ぐちゃぁ…っ♪
無意識なのか、どうなのか。
そうやってアクメ顔で惚けている間も、彼女の腰は蠢き続けている。
腰をゆるゆると回し、精液と愛液の混ざる淫猥な音を結合部で響かせながら、絶頂の余韻に痙攣する膣で、ぎゅぎゅっとペニスを締め付けて……精液を根こそぎ搾り取ろうとするかのような肉壁の脈動でもって、更なる射精を促してくる。
彼女の具合が気持ち良過ぎて、指先一つ、動かす事が出来ず。
しばし、射精のもたらす絶頂感と、蠢き震える膣内の感触に、身を任せる。
「ひゃ……は………っ♥」
耳元を、歓喜に震えるような、幸せそうなミィナの声が優しくくすぐる。
射精の余韻も相まって、まるで自分まで幸せになってしまいそうな、そんな錯覚を覚えた。
…いや、錯覚じゃないか。 今、死ぬほど幸せだし。
「………♥」
…一滴残らず精液を注ぎ切り、快感の波も引き始めた頃。
相変わらず俺の胸に手を付いたまま、こちらに向けられた、彼女の顔は。
「……じゃっく……だいすきぃ………っ♥♥」
幸せに満ちた、ふやけた笑顔。
「はふぅぅぅ……っ♪」
充足感のある溜め息を吐いて、ミィナが俺の上にゆっくりと倒れてくる。
上半身に覆い被さる、優しい圧迫感と、心地良い温かさ。
胸板の辺りでふにょりと潰れる、2つの柔らかな感触。
ふわりと漂う、何とも言えない、甘い香り。
脱力した身体を隙間無く密着させ、遠慮なく体重を預けてくるその様子が、彼女が俺に全信頼を寄せている事を証明してくれているみたいで、なんだか嬉しい。
「……はー…っ♪ …はー…っ♪ ……ごちそうさまでしたぁ……っ♪」
長い『食事』 を終えて、お行儀良く食後の挨拶をしてくるミィナ。
熱い吐息と甘い声色が耳元を撫でつけるのが、少しくすぐったかった。
「お粗末様でした。 …満足したか?」
「うん…… …だいまんぞく……♪」
顔を横に向けて、右肩の上辺りに頭を預ける彼女に問いかける。
そこには、心の底から満足したような表情を浮かべた、こちらを見つめる彼女の顔。
まだ赤みの抜けない顔で微笑む彼女に、心の中が愛おしい気分で満たされていく。
その笑顔があんまり可愛いものだから、ついつい、頭を撫でてしまう。
「…わ……っ♪ ……ん……っ♥ …あんっ♥」
ミィナの小さくて丸い頭は、灰がかったサラサラの髪も相まって、撫で心地が良い。
目を細め、至極気持ち良さそうな表情で、俺の手の平を受け入れてくれる彼女。
例外無く性感帯であるらしいそこを撫でる度に、時折、小さな嬌声をあげていた。
身体の前面が俺と完全に密着しているため、頭を撫でるたびに身体を捩らせ、捩らせるたびに素肌が擦れ、結果甘い吐息を漏らすという仕草を、彼女は何度も繰り返していて……
頭を撫でるという普通なら何でもない行為に対して、彼女の身体がピクピクと反応し続ける姿が、なんともいじらしい。
「…ジャックも……ぅん…っ♥ …まんぞく、した……?」
「…ああ。 大満足、だよ」
「んく……っ♥ …そっか、よかった……♪」
身を捩じらせて、艶かしく悶える彼女と交わす、食後のいつものやり取り。
…パンやスープ、サラダにミルク。 その他もろもろ。
俺達夫婦も、普段の『食事』はどこにでもある、普通のものを食べている。
…しかし、 「ついうっかり」 食材を切らしてしまったり、食事を作るのが 「仕方なく」 手間になる時は、こうやってベッドの上で2人折り重なって、お互いの身体を (性的に) 貪り合うことで、空腹と食欲、ついでに性欲を満たすのだ。
魔物とその『番』となったインキュバスは、最悪食事を摂らなくても、お互いの存在さえあれば生きていける。 魔物は夫の精を、夫は魔物の魔力を交わりという形で摂取することで、食事や水を摂ることなく、何日、何週間、何ヶ月であっても生きていくことができる。
……まぁ、早い話、今日の買出しを 「ついうっかり」 忘れてしまったということだ。
夕食時であるにも関わらず交わっていたのは、そのためだ。
「それにしても……ふぅ…っ♥ …お野菜、買い忘れるなんて……ぁふ…っ♥
……ジャックも案外、わすれんぼう屋さんだねっ♪」
「…君がことあるごとに押し倒してこなけりゃ、いつでも買い物に行けるんだけどな。」
「……何のことかな〜〜っ♪」
「ついうっかり」 や 「仕方なく」 の諸悪の根源が、何事かをのたまっている。
…彼女の誘惑に毎回打ち勝てない自分が、少し情けない。
……打ち勝つ気なんて、無いんだけども。
引き締まった肉体に程好く脂肪の乗った、豊満で、魅力的な肉体。
俺に対してのみ浮かべる、淫らかつ、蠱惑的な表情。
胸元で弾む、俺好みのおっぱい。 (推定Eカップ)
そんなものを惜しげも無く見せ付けられた挙句、時には誘われ、時には襲われ。
それで欲情しない巨乳スキーの男なんて、いるわけがないじゃないか。
彼女の前では、他の事なんて、どうでもよくなってしまうのだ。
…健全な男子諸君なら、分かってくれると思う。
「…んふ……っ♪ …もったいなーい……っ♥ …ちゅるぅ……っ♥」
何だか妙な空しさに襲われ、天井を仰ぐ最中、ふと耳に届くミィナの声と、小さな水音。
身体の上で何やらもぞもぞと動く彼女が気になって、再びそちらに目を向ける。
「…あむ……ちゅぷ……っ♪ …ちゅぱぁっ♪ …ジャックのせーえき、おいしぃっ♥」
…目に入ったのは、行為の前、フェラチオされた際に頬に飛んだ精液を口に運ぶ、彼女の姿。
指先で精液を掬い、可愛らしい舌をソレに絡ませ、口内でじっくりと味わい、飲み込む。
まるで見せ付けるように行われる一連の動作に、思わず見蕩れ、息を呑む。
…いや、実際、見せ付けているのだろう。
チラチラとこちらを眺め、楽しそうに微笑む彼女の様子が、それを如実に物語っていた。
どうせ、自分の痴態に惚ける俺の反応を見て、心の中でほくそ笑んでいるに違いない。
そんな彼女に、若干呆れると共に…… …愛おしくも、感じる。
「…んふふっ♥ …れろぉ……ちゅむ……っ♪ …もごもぐ……ごきゅんっ♪」
夢中で精液を頬張るその姿は実に淫靡で、けれどもどこか、小動物のように、可愛げで。
心を和ませるような彼女の仕草に、俺はそのコロコロとした頭を、また撫でずにいられない。
今度は、激しい交わりでバサバサに乱れた髪を、そっと手櫛で梳かすように。
…指の間をスルリと抜けて、俺の手の平をそっと愛撫していく、柔らかな髪。
…髪の毛の一本一本の感触ですら、彼女は俺を、魅了する。
「……んぅっ♥ ……へへ、もっと撫でて……♥ …あむ、ちゅぅ……♪」
目を細め、小さく喘ぐ彼女のおねだりに、そっと応えてやる。
…しかしそれにしても、本当に美味しそうに食べるものだと思う。
頭を撫でられながら、口内いっぱいに広がっているであろう精液の味を堪能する、包帯少女。
精液を舌に絡め、ねっとりと掻き混ぜ、馴染ませるたびに、頬をにんまりと緩ませている。
…一口ひとくち、ご馳走を頬張るかのように、至極幸せそうな表情で精液を貪り続けるミィナのおかげで、毎晩の如く彼女の褐色を白濁色に染め上げている馴染みの粘液が、とても美味しそうなものに見えてきてしまう。
…いやまぁ、そんな趣向は無いけども。 流石に。
「…ジャックも食べる? はい、あ〜んっ♪」
「……お断る」
「ぇえ〜〜…」
…だから、それだけは是非とも勘弁願いたい。
差し出された人差し指 (精液付き) の前に手の平をかざして、とりあえずノーセンキュー。
途端、むぅと顔を顰めるミィナだったが、何事にも限度というものがある。
不満げな様子はそのままに、こちらを上目遣いで睨みつけて、プクッと頬を膨らませる彼女。
まるで子どものようなその姿に、思わず吹き出してしまいそうになった、が……
「…いいよ、いらないなら私が全部食べちゃ………くちゅんっ!」
「うわっぷ!?」
…突然、こちらの顔面にくしゃみを放たれて、吹き出す代わりに悲鳴を上げてしまった。
…この仕打ちは、幾らなんでもあんまりである。 飛んできた唾で濡れた顔を手の甲で擦りつつ、憤る気持ちを叱るような目線に込めて、今度は俺が彼女を睨みつける。
「…あ゛ぅ……ご、ごめ゛んなさぃ……」
…流石の彼女も、悪いと思ったらしい。
恐る恐る、俺の顔色を伺っていたミィナは、鼻声のまま、蚊の鳴くような声で謝って。
そのまま叱られた子供のようなしゅんとした表情で、ベッドへと視線を落としてしまった。
……なんかちょっと可哀想になってきたから、特別に許してあげよう。 うん。
それよりも。 そもそも俺の顔なんかより、彼女の体の方が心配だった。
気付けば彼女は、先程からフルフルと、寒そうに震えているじゃないか。
「…いや、いい。 …それよりどうした、寒いのか?」
「…ん、大丈夫……」
そう言いつつも、見るからに寒そうなその姿は、あまり大丈夫そうには見えない。
思えば、俺の上でうつ伏せになっている彼女は、背中がほぼ丸出しだった。
一応、着崩れた保護の包帯が申し訳程度に巻かれているとはいえ、彼女は長時間の交わりで、散々汗まみれになっているのだった。 いくらミィナが頑強な身体を持つ魔物であっても、寒さを感じない訳でもなければ、決して病気に罹らない訳でもない。 汗に濡れた全身をこのまま外気に晒し続けていれば、いずれ身体のどこかに変調を来してしまうかもしれなかった。
だとすれば早急に、彼女を暖めてやる必要があるのだが……
……あ、そういえば。
「確か、今日は……」
ある事を思い出して、俺は壁にかかったカレンダーで今日の曜日を確認し……宙を仰ぐ。
…何ということだ。 何故俺は、今日この時この事柄を、忘れていたのだろうか。
せっかく今日という日を、彼女と2人で楽しみにしていたというのに。
夜の帳に包まれて眠る、古代遺跡。 身も凍る砂漠の夜よりも冷たい、地下の迷宮。
各個室にはある程度暖房が効いているとはいえ、それだけではまだ、心許ない。
…ならば、身も心も暖まる所に、行けばいいだけの話だ。
「…よし。 お風呂行こっか、ミィナ。」
……例えば、暖かくて気持ちいい、お湯の中とか。
「………!」
俺の発した言葉に、ぴくりと反応するミィナ。
視線を落とし、顔を伏せた状態のまま、固まってしまう。
…その姿はどこか、じっと聞き耳を立てて、言葉の続きを待っているようにも見えた。
もう一度、今度は彼女を促すように、声を掛ける。
「寒いんだろ? なら、温まったほうがいい。 …浴場も、もう開いてるだろうし」
「………」
シンと静まる部屋の中、僅かな沈黙を置いて。
つぶれた双球ごしの彼女の心音が、トクリトクリと、高鳴り始めた頃。
伏せていた顔を上げて、様子を伺うように、その宝石のような紫の瞳をこちらに向けてくる。
…一時も逸らす事無く俺を見つめるその瞳は、熱っぽく、潤んでいた。
「………あったまる、だけ?」
もちろん、そんな事はない。
「…そりゃまぁ、カラダも洗わないといけないよな? ……いつもどおり」
「………いつも、どーり?」
「…そう、いつもどおり。 …手の平で、隅々まで、念入りに。 …どうする?」
「………っ♥」
三度の申し出に、彼女は熱に浮かされたような真っ赤な顔を、ふやけたみたいに緩ませて。
そんな甘やかな表情のまま、火照るほっぺをむにむにと、鎖骨の上に擦り付けてくる。
…その仕草は、嬉しさ満点な彼女の、言葉要らずな了承の合図。
…そう。 今日は月にたった2度しかない、特別な日。
この遺跡の住人達のほぼ全てが待ち焦がれた、共同浴場の開放日、なのだ。
お金よりも貴重な砂漠の水を、思う存分使う事のできる、贅沢な日。
暖かなお湯の中で、のんびりと疲れを癒す事のできる、くつろぎの日。
…マミーのカラダの素晴らしさを、お互い心ゆくまで堪能できる、幸福な日。
…当然それは、俺達夫婦も、例外じゃあない。
さぁ、ミィナの了承も得られた事だし、浴場へと急ごう。
裸に剥いた彼女の敏感肌を泡だらけにしてやれるのが、今から楽しみ……って。
…すりすりすりすり……
「…あの、ミィナさん?」
「…んっ♥ あふっ♥ …なぁに……?♪」
スベスベの褐色素肌が、腹筋の上でスリスリと。
「…何故に、身体を擦り付けていらっしゃるんでしょうか……?」
「……んふふ〜〜♥」
…背筋を駆け上がる嫌な予感と、相反する期待感。
…スゥッと細まる、紫の瞳。 色素の薄い唇が同時に歪んで、吊り上がる。
強く密着する、身体とカラダ。 小さな喘ぎ声を上げながら、豊満な肉体が何度も擦れる。
俺の顔へと、伸ばされた右手。 剃り残した髭の上から、その小さな手の平が、左頬を包む。
自己主張する桃色突起と、変幻自在な柔らか肉が、それぞれ2つ。
俺のかたい胸板に、極上の心地良さを与えるそいつらが、強く押し当てられた途端……
「……ちゅ……っ♥」
…顔を傾げてゆっくり迫る、ぷるんと潤う唇が。
…開きっぱなしのかさつく唇に。 吸い付くように、重なった。
「あむぅ……っ♥ …ぴちゅ……れろぉ……っ♪」
口内に侵入してくる舌と一緒に、仄かに甘い唾液が流し込まれる。
比喩や錯覚でなく、本当に甘い彼女の唾液は、とろりと喉奥まで降っていって……
…微量の魔力が含まれたそれを、こくりこくりと飲み込むたびに、熱く身体が火照っていく。
…微かに感じる精液臭さも、彼女から注がれる特製の媚薬の前に、遠く霞んでいって。
…徐々に思考が溶かし尽くされていくなか。 舌と舌との絡ませ合いを、ぼんやりと愉しむ。
「……ちゅぱあぁぁ……っ♪」
深くて長い、息継ぎ。 顔にかかる、熱の籠もった甘ったるい吐息。
彼女が唇を離す頃には、理性も思考も忍耐も、全てがすっかりと蕩け切っていて……
…俺はいつの間にか。 彼女の淫らな表情と、カラダの事以外、何も考えられなくなっていた。
「ふふっ♪ ……食後の運動、だよっ♪」
…彼女が何のことを言っているのか、分からない。
そういえば、彼女に何か、聞いたような気もするが…… …まぁ、なんでもいいか。
「汗かいて、お風呂入った方が……気持ちいいもんっ♥ ……でしょ……?♪」
全くもって、その通りだ。
運動後の入浴ほど心地良い気分になれるものも、そうそう無い。
…愛する女を、全身疲れ果てるまで犯し尽くした後などには、特に。
…ぎゅぅ……っ!
「ひゃっ!?」
顔を寄せて微笑むミィナの背中を、左腕で包み込んで、右手は頭をそっと抱く。
驚く彼女の悲鳴を余所に、ぴくんと強張った細い身体を、優しく抱きとめて。
ベッドのスプリングを弾ませ、勢いをつけて……
「…とうりゃっ!」
…ぐるんっ!
「ひゃーーっ!♥」
腕に抱いた彼女ごと、左方向へ半回転。
楽しそうな奇声を耳元で聞きながら、彼女と俺の位置を、上下に逆転させる。
抱き締めていた両腕を彼女の身体の下から抜いて。 キャッキャとはしゃいで、起き上がった俺の胸をペシペシとはたく両手を、強引に捕まえて。 陰部は未だずっぽりと繋がったまま、その小さな両手の平を、俺の両手の平で、頭の横でしっかりとベッドに押さえ付けて。
…ミィナを、俺の下に組み敷いた。
「……じゃっくぅ……っ♥」
組み敷いた途端、先のはしゃぎ様は鳴りを潜め、しおらしくなる彼女。
息を荒くする男に覆い被さられたその姿は、まるで処女を捧げる乙女の如く、為すがまま。
抵抗もせず、肌も顕わに身を任せる女を自分の好きに出来るという、えも言われぬ征服感に。
…俺の心臓は昂ぶり出し、下腹部に凝縮された獣欲が、否応無く刺激されていく。
…トロンと緩んだ少女の眼差しと、熱く煮え滾る雄の眼差しが、交差する。
「…一体、あと何回犯せば満足してくれるのかな、おまえは」
「…もちろん、一緒に死ぬまで……っ♥」
「……なるほど。 じゃあ、これから一生、愛してあげないといけないわけだ」
「………うん……っ♥」
頷き、微笑む彼女。
押さえ付ける手の平に、細く繊細な指が、きゅっと絡み付く。
大きく開かれた両足が、腰にぐるりと回されて、しっかりと組み合わされる。
早く早くと急かすように、挿れたままのペニスを、俺専用の膣穴が、キュゥッと咥え込む。
…絶対に、離さないと言わんばかりに。
…ぐい……っ
「…あ……っ♪」
優しくほどいた左手で彼女の背をもう一度抱き支えて、そのままぐっと起き上がる。
ぽふりと寄り掛かってくる柔らかな身体を、胡坐をかいた脚の間に納めて。
食後と同様、お互いに、隙間無く密着し合う。
いわゆる、対面座位の形。
ぴったりと触れ合いながら交じり合える、俺たちの好きな体位の1つだ。
優しく絡ませた、俺の右手と彼女の左手は、そのままに。
鼻と鼻が触れ合うほどの至近距離で、見つめ合う。
「……最初に、腰砕けになったほうの負け。 …どう?」
「…オーケー。 …ヤるからには、絶対に負けないからな。 覚悟しとけよ?」
「その言葉、そっくりそのまま返してあげるっ♪」
「…望むところだ……!」
運動という面目の性行為、ミィナの提案により決まった対決に、お互いニカリと笑い合う。
背中に回した左腕で強く彼女を引き寄せて、対する彼女は俺の首に、右腕を回して。
絡めたままの2人の片手は、ぎゅっと強く、繋ぎ直して。
殆ど同時、互いの舌を舐めしゃぶる、情熱的なキスを交わしたのを皮切りに……
…俺たちは、どちらからともなく、腰と腰を打ち付け合うのだった。
……その後。
実力は拮抗し合い、その決着は困難を極めるかと思われたが……
どうせ身体を洗ってやるのだからと、ミィナの髪の毛から足の爪先に至るまで、全身丸ごと精液塗れにしてやった結果。
身体中を包んだ精液の匂いに蕩けに蕩けた彼女のナカを、意識が半分飛ぶまで突きまくり。 更には、子宮とお腹がぽっこりと膨らんでしまうまで、執拗なまでに膣出ししまくり。 最終的に、彼女が腰砕けを通り越して骨抜きになってしまったところで、一先ずの決着を見たのだった。
…風呂に入ると決めてから3時間が経過していたのは、ご愛嬌。
12/05/31 21:19更新 / きまぐれ
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