2章 『マンマミーアな奴ら』
「……ん」
気持ちのイイ朝だ。
こんなにスッキリ目覚めたのは何ヶ月ぶりだろうか。
「ふあ〜……」
それにしても…なんだか寝覚めが良すぎる気がする。
昨晩は母さんの面倒とかもあって、実際ベッドに入ったのは日付が変わった零時過ぎ。
これといって早寝をしたわけでもない。
ん〜……。
まぁ、別にイイか。
大した問題でもないし。
それに、スッキリ目覚めて損をするでもなし。
うん、せっかく気持ちのイイ朝なんだ、考えるのは止めよう。
「よし、母さんが起きる前に朝食の準備でも……」
ベッドから降りようと身体を起こそうとした……が。
「……ん?」
毛布の中(下半身付近)で、何かがモゾモゾと蠢いていた。
「……?」
フィロ…ではない。
彼女にしては大き過ぎる。
ということはメイも除外できるな。
……エルザ?
いやいや、彼女が俺の部屋に入ることはまずありえない。
………。
え?
じゃぁ残るは……。
ガバッ!!
俺は毛布を空中へと放り投げた。
そして、
「か……母さん!!??」
「なんだ、もう見つかっちまったか」
蠢くものの正体は、実の母親(グール)だった。
「ちょ、ちょっと母さん! なに人のベッドに潜り込んで……っ!?」
母の顔に何かが付着していた。
この色……この臭い……この粘着感…………まさか!?
「部屋を覗いたらお前のがギンギンだったもんでな? 苦しそうだったから『ヌいて』やったぞ!」
「あ…ぁあ……!?!?」
「全部飲んでやろうと思ったんだが、いかんせん量が多くてなぁ? 顔にかかっちまったよ!」
スッキリの理由コレか!!!
「さすがアタイの息子だ! これならいつでも女を孕ませてやれるぞ?」
「…………うん」
20歳の春。
実の母親にぶっかけ(顔射)をしてしまった。
一生に1度あるかないかの貴重な体験でした。
……えも言えない背徳感に苛まれました。
〜フレンの日記より一部抜粋〜
「ぶっかけーーー!?/ぶっかけじゃとーーー!?/ぶっかけだとーーー!?」
朝食の席にて。
不覚にも先程の出来事が奴らに漏れてしまった(母さんが口を滑らせた)。
ちなみにメイとティータはまだ睡眠中。
「わ、わしらには欲情しないくせに……」
「いや…まるっきり意識してないわけじゃないぞ?」
「フレンがお母さんにエッチなことを求めるなんて……」
「求めてない! 母さんが勝手にやったんだ!」
「初めてのぶっかけは私の顔にと約束したではないか!!」
「してない!!」
俺が母親にぶっかけた事がこの3人には相当ショックだったようだ。
まぁ……俺も少なからずショックを受けてはいるが。
「なんだお前たち、産みの親が息子の精子を顔に付けちゃいけないってのかい?」
「そ、それは〜……」
「は、母君殿下…あの、世間体というものがありまして……」
「あん? 世間体?」
「そ、そうですのじゃ! 世間は近○○姦に厳しいですのじゃ!」
「ふ〜ん? そんなもんか」
「………」
魔物に転生した母には様々な変化が起きた。
その1
男勝りな性格になった。
その2
今まで培ってきたはずの知識や常識が所々抜けてしまった。
その3
若く、そしてエロくなった。
これだけ変わってしまっても、俺はこの人?を母だと認識できる。
親子の絆というやつだろうか。
「まぁ、お前たちの言いたいことはわかった」
「さすが母上様なのじゃ!」「さすがは母君殿下」
「要はぶっかけなんて生易しいもんじゃなく、世間様を圧倒する程のことをしろってことだろ?」
「「「「え」」」」
「そうだなぁ…ここは大穴狙いで、『母子間子作りレイプ』なんてどうだ?」
「「「「母子間子作りレイプ!?!?」」」」
俺が母さんに犯されるってことか!?
世間体以前の問題だと思うんだが……。
「レイプ!? お母さんが、フレンを!?」
「母君殿下! どうかお考え直しを!!」
「母上様! それだけは…後生じゃから!!」
「はっはっは! 冗談だよ冗談!!(じゅるり)」
「………」
頬を紅潮させ涎を垂れ流す母の言葉が冗談には聞こえなかった今日この頃。
ゴシゴシ
「あ〜〜そこ…もうちょい上…そうそう、そこだぁ…はぁ〜……///」
「………」
ゴシゴシ
「ガキの頃は、逆の立場だったよなぁ? ん〜?」
「う、うん……」
ゴシゴシ
「夢だったんだよなぁ、息子に背中を流してもらうの♪」
「………」
もちろん、俺が『背中流そうか?』と言ったわけじゃない。
そう…あれは拉致。
羽交い絞めにされながら風呂場へと拉致されたのだ。
「ふぅ〜……なぁフレン」
「前も洗ってくれは禁止だから」
「確かに魅力的だが、そうじゃない」
俺は母さんの背中に付いた泡をお湯で丁寧に流して落とす。
そして母さんは俺に背を向けたまま胡座をかく。
「フレン…1つ、いいか?」
「あ、うん」
母さんの真剣な態度に、思わず姿勢を正す。
「今からお前に質問する。正直に答えるんだぞ?」
「……うん」
……なんだろう。
凄く、大切なことを聞かれるような気がする。
「フレン…お前は、今……」
「………」
ゴクリ……
「母の裸を前に、チ○ポおっ勃てているかい?」
「…………………………………………………………………………………………………………」
ことばあ〜に
できなあ〜い
深夜零時。
皆が眠りに落ちた後、母さんは急に帰ると言い始めた。
「どうせなら、あいつらが起きてるときにすればイイのに」
「いや〜…大勢に見送られんのは、ちょっとな」
「あ、そっか。そうだったね」
そこは、昔の母さんのまま。
「それじゃ〜な、フレン」
「うん、気をつけて。墓場の人達によろしく」
「ん、よろしく言ってイイのかい?」
「え?」
「そんなこと言っちまうと、あいつらお前を拉致り犯しに来るぞ?」
「それは……困る」
「心配すんな! アタイがそんなことさせないさ!」
満面の笑みを浮かべながら俺の髪をクシャクシャと撫で回す母さん。
誰にも見られてないけど、やっぱり照れくさい。
「お前は、お前の決めた相手と一緒になればイイさ。アタイと同じように、ね」
「母さん……」
「あいつは死んじまった…けど、後悔はしてない」
「あいつって……父さんのこと?」
「あぁ」
父さん、か。
「実は言うとな……アタイは、人間の男を襲うつもりなんてこれっぽっちもないのさ。あいつを、裏切るようでさ……」
「………」
「そのうち魔物の本能に押し潰されるかもしれないけど…せめて、そのときまではさ」
「母さんなら、きっと大丈夫だよ」
「はっはっは! その何の根拠もない励まし、あいつにソックリだな!」
「え、そうなの?」
母さんはクルリと俺に背を向ける。
「安心したよ! お前なら、もう1人で大丈夫そうだ!」
「そんなこと……」
「あの娘達、大事にしてやんな」
「あ……」
俺は1人で生きているわけじゃない。
母さんも、きっとそれに気づいている。
だからこそ、大事にしろと言ってくれる。
「……約束するよ!」
「よし、イイ返事だ!」
母さんの身体が、夜の暗闇に溶け始める。
「また…また遊びに来てよ! 母さん!」
「おう! 気が向いたらな!!」
そして、母さんは姿を消した。
「おっと! 1こ忘れてた!」
「……え?」
程なくして母は戻ってきた。
「ど、どうしたの? なにか忘れ物?」
「お前にプレゼント渡すの忘れてたのさ!」
「プレゼント?」
チュぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…ッポン!!!
「ぷはっ!!」「ぷはっ!?」
母さんと俺の唇を、一筋の糸がぬらぬらと煌き繋ぐ。
「な…な…なにを……」
「キスなんて日常茶飯事だろ? 今更母親とやったところで、どうってことは……」
「………」
「………」
「………」
「……まさか、初めて?」
「……初めて」
「………」
「………」
「………」
「………」
「……じゃ、じゃーな!!」
母はス〜っと消えていった。
俺の……『ファーストキス』を奪い去って―――――
〜おまけ〜
「なんだか、舌が長くなった気がする」
「妖怪じゃあるまいし、気のせいじゃろ」
「かなぁ?」
「母君殿下の訪問後というのが気になるな」
「フレン、何か心当たりある?」
「心当たり、ねぇ……」
………。
…………。
……………あれか。
「ない」
「その気になる間はなんじゃ?」
気持ちのイイ朝だ。
こんなにスッキリ目覚めたのは何ヶ月ぶりだろうか。
「ふあ〜……」
それにしても…なんだか寝覚めが良すぎる気がする。
昨晩は母さんの面倒とかもあって、実際ベッドに入ったのは日付が変わった零時過ぎ。
これといって早寝をしたわけでもない。
ん〜……。
まぁ、別にイイか。
大した問題でもないし。
それに、スッキリ目覚めて損をするでもなし。
うん、せっかく気持ちのイイ朝なんだ、考えるのは止めよう。
「よし、母さんが起きる前に朝食の準備でも……」
ベッドから降りようと身体を起こそうとした……が。
「……ん?」
毛布の中(下半身付近)で、何かがモゾモゾと蠢いていた。
「……?」
フィロ…ではない。
彼女にしては大き過ぎる。
ということはメイも除外できるな。
……エルザ?
いやいや、彼女が俺の部屋に入ることはまずありえない。
………。
え?
じゃぁ残るは……。
ガバッ!!
俺は毛布を空中へと放り投げた。
そして、
「か……母さん!!??」
「なんだ、もう見つかっちまったか」
蠢くものの正体は、実の母親(グール)だった。
「ちょ、ちょっと母さん! なに人のベッドに潜り込んで……っ!?」
母の顔に何かが付着していた。
この色……この臭い……この粘着感…………まさか!?
「部屋を覗いたらお前のがギンギンだったもんでな? 苦しそうだったから『ヌいて』やったぞ!」
「あ…ぁあ……!?!?」
「全部飲んでやろうと思ったんだが、いかんせん量が多くてなぁ? 顔にかかっちまったよ!」
スッキリの理由コレか!!!
「さすがアタイの息子だ! これならいつでも女を孕ませてやれるぞ?」
「…………うん」
20歳の春。
実の母親にぶっかけ(顔射)をしてしまった。
一生に1度あるかないかの貴重な体験でした。
……えも言えない背徳感に苛まれました。
〜フレンの日記より一部抜粋〜
「ぶっかけーーー!?/ぶっかけじゃとーーー!?/ぶっかけだとーーー!?」
朝食の席にて。
不覚にも先程の出来事が奴らに漏れてしまった(母さんが口を滑らせた)。
ちなみにメイとティータはまだ睡眠中。
「わ、わしらには欲情しないくせに……」
「いや…まるっきり意識してないわけじゃないぞ?」
「フレンがお母さんにエッチなことを求めるなんて……」
「求めてない! 母さんが勝手にやったんだ!」
「初めてのぶっかけは私の顔にと約束したではないか!!」
「してない!!」
俺が母親にぶっかけた事がこの3人には相当ショックだったようだ。
まぁ……俺も少なからずショックを受けてはいるが。
「なんだお前たち、産みの親が息子の精子を顔に付けちゃいけないってのかい?」
「そ、それは〜……」
「は、母君殿下…あの、世間体というものがありまして……」
「あん? 世間体?」
「そ、そうですのじゃ! 世間は近○○姦に厳しいですのじゃ!」
「ふ〜ん? そんなもんか」
「………」
魔物に転生した母には様々な変化が起きた。
その1
男勝りな性格になった。
その2
今まで培ってきたはずの知識や常識が所々抜けてしまった。
その3
若く、そしてエロくなった。
これだけ変わってしまっても、俺はこの人?を母だと認識できる。
親子の絆というやつだろうか。
「まぁ、お前たちの言いたいことはわかった」
「さすが母上様なのじゃ!」「さすがは母君殿下」
「要はぶっかけなんて生易しいもんじゃなく、世間様を圧倒する程のことをしろってことだろ?」
「「「「え」」」」
「そうだなぁ…ここは大穴狙いで、『母子間子作りレイプ』なんてどうだ?」
「「「「母子間子作りレイプ!?!?」」」」
俺が母さんに犯されるってことか!?
世間体以前の問題だと思うんだが……。
「レイプ!? お母さんが、フレンを!?」
「母君殿下! どうかお考え直しを!!」
「母上様! それだけは…後生じゃから!!」
「はっはっは! 冗談だよ冗談!!(じゅるり)」
「………」
頬を紅潮させ涎を垂れ流す母の言葉が冗談には聞こえなかった今日この頃。
ゴシゴシ
「あ〜〜そこ…もうちょい上…そうそう、そこだぁ…はぁ〜……///」
「………」
ゴシゴシ
「ガキの頃は、逆の立場だったよなぁ? ん〜?」
「う、うん……」
ゴシゴシ
「夢だったんだよなぁ、息子に背中を流してもらうの♪」
「………」
もちろん、俺が『背中流そうか?』と言ったわけじゃない。
そう…あれは拉致。
羽交い絞めにされながら風呂場へと拉致されたのだ。
「ふぅ〜……なぁフレン」
「前も洗ってくれは禁止だから」
「確かに魅力的だが、そうじゃない」
俺は母さんの背中に付いた泡をお湯で丁寧に流して落とす。
そして母さんは俺に背を向けたまま胡座をかく。
「フレン…1つ、いいか?」
「あ、うん」
母さんの真剣な態度に、思わず姿勢を正す。
「今からお前に質問する。正直に答えるんだぞ?」
「……うん」
……なんだろう。
凄く、大切なことを聞かれるような気がする。
「フレン…お前は、今……」
「………」
ゴクリ……
「母の裸を前に、チ○ポおっ勃てているかい?」
「…………………………………………………………………………………………………………」
ことばあ〜に
できなあ〜い
深夜零時。
皆が眠りに落ちた後、母さんは急に帰ると言い始めた。
「どうせなら、あいつらが起きてるときにすればイイのに」
「いや〜…大勢に見送られんのは、ちょっとな」
「あ、そっか。そうだったね」
そこは、昔の母さんのまま。
「それじゃ〜な、フレン」
「うん、気をつけて。墓場の人達によろしく」
「ん、よろしく言ってイイのかい?」
「え?」
「そんなこと言っちまうと、あいつらお前を拉致り犯しに来るぞ?」
「それは……困る」
「心配すんな! アタイがそんなことさせないさ!」
満面の笑みを浮かべながら俺の髪をクシャクシャと撫で回す母さん。
誰にも見られてないけど、やっぱり照れくさい。
「お前は、お前の決めた相手と一緒になればイイさ。アタイと同じように、ね」
「母さん……」
「あいつは死んじまった…けど、後悔はしてない」
「あいつって……父さんのこと?」
「あぁ」
父さん、か。
「実は言うとな……アタイは、人間の男を襲うつもりなんてこれっぽっちもないのさ。あいつを、裏切るようでさ……」
「………」
「そのうち魔物の本能に押し潰されるかもしれないけど…せめて、そのときまではさ」
「母さんなら、きっと大丈夫だよ」
「はっはっは! その何の根拠もない励まし、あいつにソックリだな!」
「え、そうなの?」
母さんはクルリと俺に背を向ける。
「安心したよ! お前なら、もう1人で大丈夫そうだ!」
「そんなこと……」
「あの娘達、大事にしてやんな」
「あ……」
俺は1人で生きているわけじゃない。
母さんも、きっとそれに気づいている。
だからこそ、大事にしろと言ってくれる。
「……約束するよ!」
「よし、イイ返事だ!」
母さんの身体が、夜の暗闇に溶け始める。
「また…また遊びに来てよ! 母さん!」
「おう! 気が向いたらな!!」
そして、母さんは姿を消した。
「おっと! 1こ忘れてた!」
「……え?」
程なくして母は戻ってきた。
「ど、どうしたの? なにか忘れ物?」
「お前にプレゼント渡すの忘れてたのさ!」
「プレゼント?」
チュぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…ッポン!!!
「ぷはっ!!」「ぷはっ!?」
母さんと俺の唇を、一筋の糸がぬらぬらと煌き繋ぐ。
「な…な…なにを……」
「キスなんて日常茶飯事だろ? 今更母親とやったところで、どうってことは……」
「………」
「………」
「………」
「……まさか、初めて?」
「……初めて」
「………」
「………」
「………」
「………」
「……じゃ、じゃーな!!」
母はス〜っと消えていった。
俺の……『ファーストキス』を奪い去って―――――
〜おまけ〜
「なんだか、舌が長くなった気がする」
「妖怪じゃあるまいし、気のせいじゃろ」
「かなぁ?」
「母君殿下の訪問後というのが気になるな」
「フレン、何か心当たりある?」
「心当たり、ねぇ……」
………。
…………。
……………あれか。
「ない」
「その気になる間はなんじゃ?」
11/05/22 08:29更新 / HERO
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