『人探し 【後編】』
「・・・それで、どうだった?」
「・・・すいません。 これと言ってめぼしい情報は・・・」
「私もだ・・・。」
「う〜ん・・・そうか・・・。」
ホルンに到着した俺達は、宿屋(3人部屋)を確保してから真っ先に情報収集を開始した。
情報集めとゆうか、砂漠を案内できる人物を探している・・・と言った方が正しいかな。
1人ぐらいいるだろ・・・とゆうのが3人共通の考えだった。
・・・が、1人もいない・・・。
おかしいな? こんなに砂漠が近いんだから1人ぐらいいてもイイんだけどな・・・。
「・・・この村の皆さん・・・『アヌビア砂漠は呪いの地・・・。 生きては帰れない・・・。』 と、口を揃えておっしゃっていました・・・」
「俺も同じようなもんだよ・・・。 はぁ・・・ここへ来て手詰まりかよ・・・。」
正直、こんなところで立ち往生するとは思ってもみなかった。
まったく・・・親父には頭が上がらないよ・・・。
お手上げ状態の俺に、
「だが、興味深い話を聞いた。 砂漠越えに関係するか定かではないが・・・。」
レビィから気になる情報が。
「聞かせてくれ。」
「わかった。・・・なんでもこの村には夜中、『人間ではない誰か』が酒場に現れると言う。 3日置きに姿を見せると言っていたが・・・。」
「・・・『人間ではない誰か』?」
「まぁ聞け。 そしてその誰かは店のマスターに『イイ男が見つからん・・・』だの『男に飢えて仕方ない・・・』などと愚痴を吐きながら、酒もそこそこに去って行くそうだ。」
「・・・・・・へぇ。 それで?」
イヤな予感がプンプンするな、その誰か・・・。
「マスターが言うに、恐らくその誰かはアルビアータとホルンを行き来している・・・とのことだ。」
「え!? 何でそれを早く言わないんだよ!」
「だから・・話は最後まで聞け! まったく・・・。」
「あ、ああ悪い。」
怒られた。 結論を急ぎすぎたか。
「・・・何のために砂漠を越えてまでこの村と町を往復するのかは知らんが、マスター曰く『男探し』ではないかと言っている。」
『男探し』・・・ねぇ・・・。 その誰か・・・十中八九魔物だろうな。
それも特別発情した・・・。
「そこで私達のように、砂漠越えに協力してくれないかと頼む輩もいたそうだ。」
「そいつらはどうなったんだ? 砂漠を越えられたのか?」
「いや・・・断固拒否されたそうだ。 『相応しくない』との理由でな。」
「・・・・・・気難しい人だってことはわかった。」
「・・・なんとか協力しては頂けないでしょうか・・・?」
「・・・まぁ要するに、その誰かに相応しい『男』を紹介すればイイんだろ? そうすれば案内を頼めるな。 う〜ん・・・。」
生憎この村に紹介できる程の知り合いはいない。
まいったなぁ・・・。
「う〜ん・・・どうしたもんか・・・。」
必死で頭を捻る俺。
そんな俺を余所に、
「・・・・・・。(自分の夫をみすみす他の女と寝かせるなど考えられん! ・・・が、これ以外に手は無いようだし、ここは目を瞑るか・・・。 それに、女の1人や2人寝取る程の甲斐性があっても良いだろう。 それでこそ、私の夫に相応しいと言うものだ・・・)」
「・・・・・・。(ルークさんが他の女性と一夜を共にするなんて・・・イヤです・・・。 でも、これ以外に方法は無いようですし・・・。 ここは我慢です・・・! それに・・・男の人は甲斐性?と言いますしね・・・)」
2人の勝手な決断に未だ気づかない俺。
「なぁ2人共、なんかイイ考えは・・・」
と言いかけ、2人の微妙な視線に気づく俺。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「え? な、なんだよ・・・その目は・・・」
イヤな予感メーター上昇中。
「ちょうど今晩、その誰かが酒場を訪れるそうだ。 貴様・・・覚悟はできているな・・・?」
「え・・・は? 覚悟って、なんの・・・」
「・・・ルークさん・・・小生は・・・あなたを信じていますから・・・」
「え・・あ、うん・・・・・・・じゃなくて!! だから一体なんの話してんだよ!?」
そして、
「「頑張ってこい。 (抱かれてこい)
頑張ってください。」」(抱かれてください)
とのことです。
・・・・・・・・・・・・・・・
そうゆうことか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
俺は今その・・・例の酒場にいる。(時間は零時前後)
誰かさんと会うべく、こうして待機してるんだよ。
今のところ、そこにいるのは俺とマスターぐらいだ。
ふぅ・・はぁ・・やれやれ・・まいった・・・。
なんでこんな事に・・・。
あの2人の頑張ってこいが、『抱かれてこい』に聞こえたのは気のせいか・・・?
まぁ実際、そうなる可能性は十二分に考えられるが・・・。
と、不安を爆発させている俺に、
「なにかぁ・・・飲みます?」
優しく声を掛けてくれるマスター。
「ああいえ、俺まだ成人してないもんで・・・。」
「ああ、そうでしたかぁ。 なら、紅茶でも出しましょうかぁ?」
「え? 酒場で紅茶なんて扱ってるんですか?」
「あ、いえ・・・紅茶は私の趣味みたいなものですからぁ。 お代は頂きません。」
「・・・そうゆうことでしたら、遠慮無く頂きます!」
俺がそう言うと、マスターは嬉しそうに紅茶の準備を始めた。
・・・・・・ああ言わなかったけどこのマスター、魔物ですたい。
種類は『ホルスタウロス』。
おとなしい印象を持つ草食系女子?な種族だ。
この種族の最大の特徴は・・・その・・・豊満な双瓜・・・。
マスターも例外ではなく・・・・・ああ・・・・なんて立派なんだ・・・・・じゃなくて!!
(実際それを抜きにしても、普通に美人だ)
そもそも女性の店主を『マスター』と呼ぶべきなのか謎ではあるが、どのみちこの村では『マスター』が定着してるみたいだから、俺も郷に従っておこう。
とか考えている間に、
「ホットミルクティーです。 温まりますよぉ。」
俺の前に静かにティーカップが置かれる。
「ああ、ありがとうございます。」
「冷めない内にどうぞぉ♪」
そう言われ、早速飲んでみる。
・・・・・・・・・・ハァァァァ・・・落ち着く・・・。
それになによりも美味しい・・・。
幸せをいっっっっぱいに堪能しながらミルクティーを味わう俺1人。
「・・・・・・・・」
気づけば口元を緩めながら、ジッと俺を見つめるマスターと目が合う。
「・・・えっと、マスター?」
「え? ああ! ごめんなさいねぇ・・・。 とっても美味しそうに飲んでくれるから、なんだか嬉しくなっちゃってぇ♪ 作った甲斐があるなぁって・・・。」
静かに慌てるマスター。
「美味しそうにとゆうか、ホントに美味しいですよコレ! 商品として店に置けるんじゃないですか?」
「どうでしょうかぁ・・・。」
「きっといけますよ! 俺が保証しますって!!」
「フフ・・・ありがとう。 でも、気持ちだけ受け取っておくわねぇ。 こうやって喜んでもらえるだけで、もう十分だからぁ・・・。」
「そ、そうですか。 すいません、何か出しゃばっちゃって・・・。」
フルフルと首を横に振るマスター。(それと静かに揺れる乳2つ)
俺は残ったミルクティーを飲み干そうとして、
「実はそのミルク、絞りたてなんですよぉ♪」
!?!? ゲフッ グフッ!!
激しくむせる俺。
「・・・マ、マスタ〜・・・?」
「フフッ、冗談です♪」
・・・ホントに冗談かぁ?
「フゥ・・・ホント美味しかったです! ありがとうございます!」
「いえいえぇ、お粗末さまです。」
いや〜〜〜満足満足。
こんな美人なマスターとお茶できたんだから、もう今夜は良く眠れるな!って・・・なんか忘れてんな俺・・・。
あ!!
「あ、マ、マスター! ちょっと聞きたいんだけど・・・!」
「あらぁ、どうしましたぁ?」
「ここへ、アルビアータを行き来してる人が来るって話を聞いたんだけど!」
「・・・ええ、確かにそうですがぁ・・・。」
「その人はいつ来るんですか?」
「そうねぇ・・・あと10秒ぐらいってとこかしらぁ?」
「10秒!?」
自爆装置が作動したので残り時間を確認したら10秒しかなかった時の衝撃に近い!!
と、もう10秒経過!!
そして、
「・・・・・・3日ぶりだな、マスター。」
「3日前も同じこと言われた気がするわぁ。」
「そうだったか? まぁいい・・・いつもの頼むぜ。」
「はぁ〜い。」
少なくとも声色は男顔負けな威圧感を誇る、例の人が登場する。
旅用のローブに、スッポリとフードで顔を隠しているので姿を確認できない。
わかるのは俺より大きいことと、巨大な斧を背中に背負っているってことだけ。
(ちなみに俺178pね。 どうでもいいけど)
「ん? 客か? こんな時間に珍しいな。」
「・・・こんばんわ。」(内心バクバク)
なるべく強気な姿勢であたる。 第一印象が大事だからねぇ。 ちょっと怖いけど。
っと、隣に座ってくる誰か。
「へぇ〜・・・アタイにビビらないなんて、なかなか肝が据わってるな、アンタ。」
「・・・ルークと言います。 よろしく・・・。」
極めて冷静に、かつ強気に、ズイっと握手を求める俺。
「・・・・・・・・」
ヤバっ怒らせたか!?
っと心配したが、
「『フライヤ=キスレッド』だ。 アンタ・・・気に入ったぜ。」
ガシリと手を握られ名を名乗ってくれた。(力が強くて痛い)
はぁ・・・好印象を持ってくれたな。
とりあえず安心だ・・・。
「フライヤさん・・・ですか?」
「かしこまるなよ、ルーク! それと、フライヤでいいぜ。 こりゃあ久々に上手い酒が飲めそうだぜ! マスター! 酒まだか!?」
「はいはぁい、只今。」
そうして置かれたジョッキ(特大)を一気に、
「ンク・・ンク・・ンク・・ンク・・ンク・・・・・ぷはぁ〜〜!! 染みるぜ〜・・・。」
ものの数秒で飲み干す。
そして上を仰いだフライヤのフードが後ろにずれ、彼女の正体が明らかになる。
『ミノタウロス』
凶暴で好戦的な性格。
そのため熟練の戦士からも恐れられている。
普段は眠っていることが多いようだが・・・。
「・・・すごい飲みっぷりだ・・・。」
「ははっっだろ!? そう言ってくれんのは、マスターとアンタぐらいだよ!」
ご機嫌なご様子。
そろそろ例の話を・・・と切り出すタイミングを計っていると、
「いきなりだけどよ、ルーク。 アンタ・・・ただの旅人ってわけじゃねぇだろ?」
「・・・え?」
「顔付きと手の感触でわかるぜ。 剣士なんだろ、アンタ・・・。 なんでアタイに近づいてきたのかは知らねぇけど。」
「・・・・・・・・・」
お見通し・・・ってわけね。
「隠さないでも、アタイにゃわかるぜ!」
「・・・別に隠してたわけじゃない。 言う必要が無いと思っただけだよ。」
「ふぅ〜ん・・・まっ、なんだっていいけどよ・・・。」
空になった自分のジョッキを見つめ・・・そして、
「なぁ・・・アタイと一本、勝負しねえか?」
いきなりだな・・・。
「勝負?」
「ああ。 勝った方が相手の言う事を聞く・・・。 これでどうだ?」
・・・願ってもないチャンスだ!(抱かせろとか言われなくて良かった・・・)
これを逃せば末代?までの恥だ!
「面白い・・・受けよう!」
「へへッ、そうこなくっちゃな! ますます気に入ったぜ、アンタ!!」
満面の笑みを浮かべるフライヤ。
相当腕に自信があるんだな、きっと・・・。
だけど、それは俺だって一緒だ。
この剣の威力を存分に発揮できる!
「あらあらぁ・・2人共喧嘩はダメよぉ・・・?」
「マスター、こりゃあ喧嘩じゃねえよ! 男と女の・・・一世一代を賭けた大勝負なんだぜ、これは!!」
まぁ端から見れば喧嘩、あるいは旅人と魔物のエンカウントバトルだろうけど・・・。
「それじゃっ、戦い易いとこに移動しようぜ!」
「あ、ああ・・・。」
酒場を後にする俺達・・・。
「・・・・・・・・・」
っと、それを見送るマスター。
「はぁ〜・・・。 もう少しであの人を『おとせる』ところだったのにぃ・・・フライヤさんに取られちゃったぁ・・・。 ど真ん中ストライクゾーンだったんだけどなぁ、ルークさん・・・♪ もっと積極的になっておけば良かったかなぁ〜・・・?」
マスターの意図にまったく気づかなかった俺・・・。
その頃・・・
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
宿屋の2人は夢の中・・・・・・・・。
「いよおおおおおおっし! ひっさびさに・・・大暴れしてやんぜえええ!!」
ローブを豪快に脱ぎ捨て、巨大な斧をブンブンと振り回すフライヤ。
そして何よりも驚くべきは無駄の無い、限界まで絞り込まれた強靱な肉体。
普通の武器じゃ掠り傷1つつかないだろうな・・・。
「おいルーク! 全力で来ねえと、冗談抜きで死ぬぜ!!?」
「そっちこそ、手加減すんなよ!」
「ヘン! 言うじゃねえか! アタイにそこまでの啖呵切った男は、今ここにいるアンタが初めてだ!! (・・・色々と楽しめそうだぜ・・・ジュル♪)」
「・・・・・・!?」
な、なんだ・・・今の悪寒は・・・。
き、気のせいか・・・?
気を取り直して剣を構える。
「あん? なんだい、そのおかしな武器は?」
「これでも立派な剣だ。 信じる信じないは勝手だが。」
「なるほど・・・隠し球ってわけか・・・おもしれえ・・・。」
そして、
「アタイを楽しませな! いくぜええ!!」
フライヤの先制。
その身体からは予想もつかないスピードで距離を詰めてくる。
わざわざ受け手に回らなくても、こっちからも突撃してやればイイ!!
そう思い、俺もフライヤ目掛け全力で走り始める。
握っていた柄が熱くなり始めた。
すると、
ゴオォォォォォ・・・
『灼熱の炎』が刃となり具現化。
そしてそのまま・・・
ガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぶつかり合う炎剣と斧。
月に照らされた荒野に音が響きわたり、地面が大きく揺れる。
「ぐっっっ!!」
だが俺は生身の人間。
いくら剣が強くても、こればっかりは補い切れない。
フライヤの一撃は尋常じゃないくらい重く、身体全体が悲鳴をあげる。
「・・・面白い剣だな。 やっぱり・・・警戒しておいて・・・正解だったぜ・・・。」
ガギッ ギギギギギッ
小競り合いの中フライヤがそう呟く。
「たいした・・・もんだぜ・・・。 このアタイと・・・小競り合いに持ち込むなんてな・・・。 だけど・・・力は・・・アタイの方が上だああ!!」
そう言うと、力で俺を後方へ押し返す。
「くぅ・・・!」
ズリズリと後ろへ後退する俺・・・。
押し返そうにもムリ。
確かに力では向こうが勝っている。
どうにか・・・しないと・・・!
「ヘヘ・・・どうした? いつまで耐えられるかな・・・!?」
剣に込める力を無闇に抜く事はできない。
もし抜こうものなら、剣を弾かれ真っ二つになる・・・。
何か手は・・・。
っと、
「・・・オオラァ!!」
剣と同時に身体ごと押され、後ろへヨロけ体勢を崩される。
そして、
「隙ありィィ!!!」
ドガッっと鈍い音と共に強烈なタックルを喰らう。
「がっ・・はっっっっ!?」
ドンッ ザザーーーーーー・・・
数十m後ろへ吹っ飛ばされる。
ぐ、は・・・こ、れは・・・効いた・・・。
肋骨(あばら)の数カ所に大ダメージ・・・折れたか?
いってぇ・・・けど・・・まだ動ける。
「はぁ・・はぁ・・く、そぉ・・・!」
軋む身体を無理矢理起こす。
心なしか、炎が少し弱くなっている。
「・・・タフだなぁアンタ。 その状態で良く立てるな・・・。」
「おまけに・・剣も振れるぞ・・・。」
「へぇ・・・アンタ、ここで殺すには惜しい男だな・・・。 どうだ? 今降参すれば、これ以上続けなくても・・・」
「う、うるせえ・・・はぁ・・まだ・・まだ、できるっつってんだろぉぉ・・・!」
自分の命が危ういのはわかっていた。
でも・・・だけど・・・負けたくなかった・・・。 男として。
「ああそうかい! なら、トドメ刺してやんぜ!!」
そう言うと一瞬で俺に近づき、首を締め上げるフライヤ。
「く・・・あ・・がっ・・」
「たいした男だよ、アンタ・・・。 こんなになってまで戦おうってんだから。 だけど・・・もう終わりにしようぜ。」
さらに強く締め上げる。
・・・視界がボヤけてきた・・・。
「もう一回聞くぜ。 降参するか・・・?」
戦闘経験が天と地の差だった。
・・・わかってたけどね・・・勝てないって事ぐらい。
俺だって、相手の実力を計り違える程未熟じゃない。
酒場でフライヤの顔見た時から・・・ああ、この人には勝てないな・・・って思ったし。
じゃなんで決闘を受けたかって?
もちろん砂漠越えのためにって事もある。
だけどそれ以前に、
「・・・降参・・・・・・なんて・・する・・かよぉ・・・。」
自分の力を試してみたかった。
それがフライヤのように、俺に勝ち目のない猛者でも。
「・・・・・・ふん。 最後まで男だったな、アンタ。 ・・・じゃあな。」
そう言ってフライヤは俺の無防備な腹を、渾身の右ストレートで打ち抜いた・・・。
・・・・・・・・・・死んだな・・・俺・・・・・・。
痛みも感じず、意識が奈落の底へと落ちて行く・・・・・・・・・・・。
「「・・・・・・・・!!」」
飛び起きる魔物2人。
不穏な空気を察したようだ。
「・・・・・・レビィさん・・・」
「心配するな。 きっと帰ってくる・・・きっとな。」
「・・・はい・・・」
なんも見えへん。
死んだのかぁ俺・・・。
そりゃあんだけ重いビッグインパクト喰らえば誰だって死ぬか。
はぁ・・・あの2人には悪いことしたなぁ・・・。
ああエステル・・・勝手に逝く俺を許してくれ・・・。
ガゼル、フラン、レン、リン・・・ゴメン・・・。
それにマスターも・・・。
レビィは・・・まぁあいつは大丈夫か。
親父・・・母さん・・・今そっちに逝・・・・・・ぐはぁあああああああ!!!!
「・・・お、生き返った・・・。」
「・・・・!?」
「い、いやぁ・・・強くやりすぎて死んじまったからさ〜・・心臓思いっ切りブッ叩いてやったんだがよぉ・・・まさか生き返るとは思わなかったぜ・・・。」
やっぱり死んでたのか俺!?
生死の境を彷徨っていたとも言うが・・・。
いや、んなこたぁどうでもいい!
『生き返ったんだから』!!
でも・・・肋がいてぇ・・・。
戦いの時よりも、今のダメージの方がでかいぞ・・・。
「・・・・・ッ・・・。」
「さすがのアタイも焦ったぜ・・・。 つーか、元々殺し合うって主旨じゃなかったからなあ。 『勝った方の言う事を聞く』ってのが目的だったしな。」
確かに。
なんか途中からウヤムヤになってたからなぁ・・・。
「なんかよ・・・熱くなりすぎたっつーか、欲情しちまってよぉ。 どうにも抑えらんなかったんだ・・・。」
欲・・・情?
なんかイヤ〜な単語・・・。
「・・・ぁぁああ〜ックソ!! アンタが『赤い物』見せっから・・・・・・濡れてきちまったじゃねえか・・・。」
赤い物・・・?
濡れてきた・・・?
「ハァァ・・ハァァ・・・もう・・・我慢できねえ!!」
いきなり俺の腰装備をひっぺがす暴走女。
うわ、マジの戦闘態勢(性的)に入りやがった!?
「〜〜〜〜〜〜っっ!?」
あれ・・・? てか・・・声出ねえ・・・!
首絞められた時に潰されたか!?
てか・・・やっぱりこうなったかあああああああああああ!!!
「ハァ・・ハァ・・・ヘヘ。 これだけ頑丈なんだ・・・多少荒っぽくしても・・・平気だよな・・・?」
自分の身体がタフなのは認めるけど・・・。
ああ・・・受け身体勢はレビィ以来だなぁ。
まあ、あの時とは少し状況が違うけど。
「前戯なんていらねえぜ・・・ハァ・・もう・・こんなに濡れちまってるぜ・・ハァ・・ハァ・・・。」
フライヤの秘部から粘液の糸が止めどなく溢れ出る。
俺もそんな光景を見て・・・・・・
「・・・・・・・」
「へへ・・その気じゃねえかよ・・・」
身体はボロボロなのに・・・何故か一カ所だけ快楽を求めようとする棒一本。
「・・・!? で、でけえ・・・馬並みはあるな・・こりゃ・・・ジュルリ・・・♪」
そして・・・
「う・・くぅ・・・! ハァ・・ハァ・・まだまだ・・・全部・・根本まで入れてやる・・・。」
問答無用で挿入開始。
ズニュゥ・・クプッ・・クチュ・・・
宣言通り根本まで捕食された。
あう・・・締め付けが・・・ヤバイそれに・・・ヌルヌルしてる・・・。
さすがに鍛えているだけあって、膣の具合は超一流だ・・・・・・って、だめだ、流されてる・・・。(とゆうか動けない)
「ハァ・・ハァ・・いいねえ・・・アンタ・・・。 アタイを・・・満足させな・・・!」
弾力のあるパイオツを俺の顔に押し付けながら、フライヤは驚異的なスピードで腰を打ち付けペニスを刺激してくる。
女戦士の名は伊達じゃない。
自分の快楽や欲求のためなら、たとえそれが性交であろうと全力を尽くす。
激しいなんてもんじゃない。
まるでこっちが犯されてるみたいだ・・・。(てゆうか犯されてるのか俺?)
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン・・・・・・・・・
止まらないフライヤ。
『絶倫』とゆう二文字が良く似合う。
女に対して使用できる言葉ではないが・・・この女は例外だ。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン・・・・・・・・・
あまりの激しさに結合部が泡立ち始めた。
くぅ・・・! ヤバイ・・・出そうだ・・・!
「ハッハッハッハッハッハッハッハ・・イイ・・ハン・・イイ!!」
快楽に溺れるフライヤ。
そして俺も・・・
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
ビュ! ビュルッ ビュクンッ ビュルルル・・・!!
有りっ丈の子種を吐き出す。
フライヤの子宮が一瞬にして俺の精液で満たされる。
「ハッ・・・あ!?・・・くあああああああああああああああああああ!」
俺の射精を感じ取り、盛大な雄叫びをあげながら絶頂する。
う!! 俺のものが千切れそうになるほど締め付けてくる!
ピュグッ・・ドプン・・トプン・・トクッ・・・・・
射精は止まるが、肉壁は尿道に残った精液を搾り取るかのようにうねる。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・・・・・・♪」
ご満悦のフライヤ。
だが・・・・・・・・
「・・・へへ・・・まだ行けんだろぉ・・? アンタの・・・まだ固いまんまだぜ・・・♪♪」
・・・・まさかの2回戦!?
「ハァ・・ハァ・・・まだ・・足りねえよ・・・もっと・・・・・もっとだ・・・・♪」
パン・・・・パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!!
う・・・!! だ・・・誰か・・助け・・・
ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・。
結局朝まで交わり続けた俺は、8回も射精してしまった。(興奮していたのか、フライヤが良かったのか、量がいつもの倍以上だった)
フライヤはマスターの酒場まで、動けない俺を背負って運んでくれた。
(そのまま宿屋に行くとややこしくなりそうなので・・・俺がそう頼んだ。)
「あらあらぁ・・・ボロボロじゃないですかぁ! すぐに手当しますねぇ・・・。」
マスターは俺の身体に包帯と、傷口には薬(よくわからない物体)を塗ってくれた。
(マスターの手付きが妙にエロかったのは気のせいとゆう事にしておく)
「マスター! この男、なかなかの素質を持ってるぜ!!」
その素質とやらは俺の戦闘センスの事を言っているのか、それとも・・・。
「でもフライヤさぁん、ダメですよぉ! こんなになるまで痛めつけるなんてぇ・・。」
「べ、別に痛めつけてたわけじゃねえよ!」
「・・・そう・・ですよ・・・マスター。 ちゃんと・・・勝負をした結果・・・俺がこんなになっただけ・・ですから・・・。」
ようやく声が出るようになった。
まだ若干掠れてるけど。
「お、声出るようになったじゃなえか!」
「・・誰のせいだと・・思ってんだ・・・。」
「だ、だから悪かったって!」
困った顔が新鮮だ。
「それにしてもぉ・・ルークさん、タフな身体してますねぇ・・・。 フライヤさんと戦ってこの程度の傷だなんてぇ、奇跡に近いですよぉ?」
「そう・・・ですか? 十分重傷だと・・思うんですけど・・・。」
「以前にも似たような事があったんです。 その時、フライヤさんと決闘をした男性はぁ・・・そのぉ・・・『再起不能』になってしまったんです・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
俺の今の状態が奇跡だとゆうことを実感した。
「手加減したつもりはなかったんだがなあ〜・・・。」
この女・・・俺を一回殺したこと忘れてんな・・・?
まぁ別にイイけど。
生きてるわけだし。
「それではぁ、私はお店の準備がありますからぁ・・・。」
そう言って寝室を出て行くマスター。
(酒場の2階はマスターの住居になっている)
フライヤと2人きりになる。
「なぁ・・・ルーク・・・」
「・・・ん?」
唐突に話しかけてきた。
「アタイは・・その・・・アンタの事・・嫌いじゃねえ・・・。」
?
「アンタは男の中の男だ・・・。 少なくとも、アタイはそう思ってる・・・。」
???
「それにアンタは・・・アタイを受け入れてくれた・・・・・・こんなアタイを・・。」
受け入れたと言うよりは、動けなかったが正しいけど。
「だから・・その・・・アタイと・・・・・・・・・・・アタイと一緒になってくれ!!!」
プロポーズを受けた。
・・・・・・・・・・・・プロポーズ!?!?
「惚れちまったんだ、アンタに!!」
れ、冷静になれ・・・。
そして上手く言葉を返せ・・・。
「決闘で・・負けるような男にか・・?」
「勝敗なんて関係ねえ!」
ああ、そう・・・。
「それに、アンタはこれからもっと強くなる! 手合わせしたアタイが言ってんだ、間違いねえ!」
素直にありがとう。
「アンタみたいな男には、もう一生巡り会えねえ! なあ・・・・・・アタイじゃぁ・・・・・・・・力不足かい・・・?」
ぐふっ・・・!?
下から目線の潤んだ瞳!!
なんつーギャップ萌え!?
・・・・・・フライヤって、やっぱ女の子なんだな・・・。
「・・・・・・・・・」
もう仕方ない。
これを断る男の気が知れる・・・。
「・・・俺には・・やらなきゃならん事がある・・。 フライヤの気持ちは・・嬉しい・・・。 だけど・・その返事は・・俺の旅が終わってからにしてくれないか・・・?」
限りなくYESに近いその返答に、
「なら・・・アタイもアンタの旅に付いてくぜ!!」
やっぱりそうきたか・・・。
「・・・ホントに・・イイのか・・?」
「ああ・・・。 そ、それに・・アタイには・・アンタしか・・いないからな・・・///」
そんな恥ずかしいことを顔を赤くして言ってくれる・・・。
ああ・・・・・・また修羅場かぁ・・・。
どう乗り切ろうか・・・。
「レビィとエステル・・・ね。 アタイはフライヤ! よろしく頼むぜ!!」
怪我は軽かったので3日で動けるようになった。
その間にあの2人とフライヤの顔合わせを『無事』に終えた。
ほんと寿命が縮まった・・・。
(3人は俺が夫になる事を当たり前だと思っているので、自己紹介に俺の名前が出ることはなかった)
フライヤ曰く、俺の怪我が治り次第アルビアータへ案内してくれるとの事。
良かった良かった。
出発当日。
「マスター、看病してくれて助かったよ。 ありがとう!」
「いえいえぇ、どういたしましてぇ。 皆さん、道中くれぐれも気を付けて下さいねぇ。」
「ああ。 じゃぁ行ってくるぜ、マスター!」
「世話を掛けた。 礼を言う。」
「・・・マスターさんも、お体には気を付けて・・・」
マスターに別れの挨拶を告げ、ホルンを後にする俺一行。
ようやくアルビアータを目指すことができる。
砂漠越えはフライヤがいればどうにかなるだろ。
速くもなければ遅くもないペースで歩く俺達。
・・・・・・・・・・・。
(ここだけの話・・・実はマスターの酒場で世話になっていた2日目の夜。 看病を口実にマスターと・・・その・・・子作りに励んでしまった・・・。 いや、決して俺から言い寄ったわけじゃない! マスターが『旅に同行する事はできないけどぉ、ルークさん・・・あなたがここにいた証を残す事はできるはず・・・。』と言って襲ってきたんだから仕方ないだろ! ってゆうか、あんだけ意識的に子作りしたんだから、あの人間違いなく俺の子を孕んでるよ・・・きっと。 ・・・・・・・内緒な!! 絶対!!!)
「まあ砂漠っつっても、アタイとちょっとの水さえありゃ簡単に越せるぜ。 なぁに、心配すんなよ!!」
「・・・頼もしいです・・・」
「良い仕事をしたな。 たまには貴様もやるではないか。」
「強力な助っ人が手に入った代わりに、俺はボロ雑巾だったけどな・・・。」
「貴様を信用して正解だった。 次も何かあれば、よろしく頼むぞ。」
「そん時にはお前にも働いてもらうからな!!」
「いいだろう・・・内容によるがな。」
「おおおおおおい!!!」
〜〜アヌビア砂漠へ向かう俺達の会話より一部抜粋〜〜
仲間(妻?嫁?)が増えた。
ミノタウロスのフライヤだ。
俺達を引っ張ってくれる、イイ姉御ができたみたいだ。
これからもっと賑やかになりそうだ!!
・・・・・・・マスターの件は・・・後々考えることにしよう・・・。
俺の旅は終わらない。
「・・・すいません。 これと言ってめぼしい情報は・・・」
「私もだ・・・。」
「う〜ん・・・そうか・・・。」
ホルンに到着した俺達は、宿屋(3人部屋)を確保してから真っ先に情報収集を開始した。
情報集めとゆうか、砂漠を案内できる人物を探している・・・と言った方が正しいかな。
1人ぐらいいるだろ・・・とゆうのが3人共通の考えだった。
・・・が、1人もいない・・・。
おかしいな? こんなに砂漠が近いんだから1人ぐらいいてもイイんだけどな・・・。
「・・・この村の皆さん・・・『アヌビア砂漠は呪いの地・・・。 生きては帰れない・・・。』 と、口を揃えておっしゃっていました・・・」
「俺も同じようなもんだよ・・・。 はぁ・・・ここへ来て手詰まりかよ・・・。」
正直、こんなところで立ち往生するとは思ってもみなかった。
まったく・・・親父には頭が上がらないよ・・・。
お手上げ状態の俺に、
「だが、興味深い話を聞いた。 砂漠越えに関係するか定かではないが・・・。」
レビィから気になる情報が。
「聞かせてくれ。」
「わかった。・・・なんでもこの村には夜中、『人間ではない誰か』が酒場に現れると言う。 3日置きに姿を見せると言っていたが・・・。」
「・・・『人間ではない誰か』?」
「まぁ聞け。 そしてその誰かは店のマスターに『イイ男が見つからん・・・』だの『男に飢えて仕方ない・・・』などと愚痴を吐きながら、酒もそこそこに去って行くそうだ。」
「・・・・・・へぇ。 それで?」
イヤな予感がプンプンするな、その誰か・・・。
「マスターが言うに、恐らくその誰かはアルビアータとホルンを行き来している・・・とのことだ。」
「え!? 何でそれを早く言わないんだよ!」
「だから・・話は最後まで聞け! まったく・・・。」
「あ、ああ悪い。」
怒られた。 結論を急ぎすぎたか。
「・・・何のために砂漠を越えてまでこの村と町を往復するのかは知らんが、マスター曰く『男探し』ではないかと言っている。」
『男探し』・・・ねぇ・・・。 その誰か・・・十中八九魔物だろうな。
それも特別発情した・・・。
「そこで私達のように、砂漠越えに協力してくれないかと頼む輩もいたそうだ。」
「そいつらはどうなったんだ? 砂漠を越えられたのか?」
「いや・・・断固拒否されたそうだ。 『相応しくない』との理由でな。」
「・・・・・・気難しい人だってことはわかった。」
「・・・なんとか協力しては頂けないでしょうか・・・?」
「・・・まぁ要するに、その誰かに相応しい『男』を紹介すればイイんだろ? そうすれば案内を頼めるな。 う〜ん・・・。」
生憎この村に紹介できる程の知り合いはいない。
まいったなぁ・・・。
「う〜ん・・・どうしたもんか・・・。」
必死で頭を捻る俺。
そんな俺を余所に、
「・・・・・・。(自分の夫をみすみす他の女と寝かせるなど考えられん! ・・・が、これ以外に手は無いようだし、ここは目を瞑るか・・・。 それに、女の1人や2人寝取る程の甲斐性があっても良いだろう。 それでこそ、私の夫に相応しいと言うものだ・・・)」
「・・・・・・。(ルークさんが他の女性と一夜を共にするなんて・・・イヤです・・・。 でも、これ以外に方法は無いようですし・・・。 ここは我慢です・・・! それに・・・男の人は甲斐性?と言いますしね・・・)」
2人の勝手な決断に未だ気づかない俺。
「なぁ2人共、なんかイイ考えは・・・」
と言いかけ、2人の微妙な視線に気づく俺。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「え? な、なんだよ・・・その目は・・・」
イヤな予感メーター上昇中。
「ちょうど今晩、その誰かが酒場を訪れるそうだ。 貴様・・・覚悟はできているな・・・?」
「え・・・は? 覚悟って、なんの・・・」
「・・・ルークさん・・・小生は・・・あなたを信じていますから・・・」
「え・・あ、うん・・・・・・・じゃなくて!! だから一体なんの話してんだよ!?」
そして、
「「頑張ってこい。 (抱かれてこい)
頑張ってください。」」(抱かれてください)
とのことです。
・・・・・・・・・・・・・・・
そうゆうことか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
俺は今その・・・例の酒場にいる。(時間は零時前後)
誰かさんと会うべく、こうして待機してるんだよ。
今のところ、そこにいるのは俺とマスターぐらいだ。
ふぅ・・はぁ・・やれやれ・・まいった・・・。
なんでこんな事に・・・。
あの2人の頑張ってこいが、『抱かれてこい』に聞こえたのは気のせいか・・・?
まぁ実際、そうなる可能性は十二分に考えられるが・・・。
と、不安を爆発させている俺に、
「なにかぁ・・・飲みます?」
優しく声を掛けてくれるマスター。
「ああいえ、俺まだ成人してないもんで・・・。」
「ああ、そうでしたかぁ。 なら、紅茶でも出しましょうかぁ?」
「え? 酒場で紅茶なんて扱ってるんですか?」
「あ、いえ・・・紅茶は私の趣味みたいなものですからぁ。 お代は頂きません。」
「・・・そうゆうことでしたら、遠慮無く頂きます!」
俺がそう言うと、マスターは嬉しそうに紅茶の準備を始めた。
・・・・・・ああ言わなかったけどこのマスター、魔物ですたい。
種類は『ホルスタウロス』。
おとなしい印象を持つ草食系女子?な種族だ。
この種族の最大の特徴は・・・その・・・豊満な双瓜・・・。
マスターも例外ではなく・・・・・ああ・・・・なんて立派なんだ・・・・・じゃなくて!!
(実際それを抜きにしても、普通に美人だ)
そもそも女性の店主を『マスター』と呼ぶべきなのか謎ではあるが、どのみちこの村では『マスター』が定着してるみたいだから、俺も郷に従っておこう。
とか考えている間に、
「ホットミルクティーです。 温まりますよぉ。」
俺の前に静かにティーカップが置かれる。
「ああ、ありがとうございます。」
「冷めない内にどうぞぉ♪」
そう言われ、早速飲んでみる。
・・・・・・・・・・ハァァァァ・・・落ち着く・・・。
それになによりも美味しい・・・。
幸せをいっっっっぱいに堪能しながらミルクティーを味わう俺1人。
「・・・・・・・・」
気づけば口元を緩めながら、ジッと俺を見つめるマスターと目が合う。
「・・・えっと、マスター?」
「え? ああ! ごめんなさいねぇ・・・。 とっても美味しそうに飲んでくれるから、なんだか嬉しくなっちゃってぇ♪ 作った甲斐があるなぁって・・・。」
静かに慌てるマスター。
「美味しそうにとゆうか、ホントに美味しいですよコレ! 商品として店に置けるんじゃないですか?」
「どうでしょうかぁ・・・。」
「きっといけますよ! 俺が保証しますって!!」
「フフ・・・ありがとう。 でも、気持ちだけ受け取っておくわねぇ。 こうやって喜んでもらえるだけで、もう十分だからぁ・・・。」
「そ、そうですか。 すいません、何か出しゃばっちゃって・・・。」
フルフルと首を横に振るマスター。(それと静かに揺れる乳2つ)
俺は残ったミルクティーを飲み干そうとして、
「実はそのミルク、絞りたてなんですよぉ♪」
!?!? ゲフッ グフッ!!
激しくむせる俺。
「・・・マ、マスタ〜・・・?」
「フフッ、冗談です♪」
・・・ホントに冗談かぁ?
「フゥ・・・ホント美味しかったです! ありがとうございます!」
「いえいえぇ、お粗末さまです。」
いや〜〜〜満足満足。
こんな美人なマスターとお茶できたんだから、もう今夜は良く眠れるな!って・・・なんか忘れてんな俺・・・。
あ!!
「あ、マ、マスター! ちょっと聞きたいんだけど・・・!」
「あらぁ、どうしましたぁ?」
「ここへ、アルビアータを行き来してる人が来るって話を聞いたんだけど!」
「・・・ええ、確かにそうですがぁ・・・。」
「その人はいつ来るんですか?」
「そうねぇ・・・あと10秒ぐらいってとこかしらぁ?」
「10秒!?」
自爆装置が作動したので残り時間を確認したら10秒しかなかった時の衝撃に近い!!
と、もう10秒経過!!
そして、
「・・・・・・3日ぶりだな、マスター。」
「3日前も同じこと言われた気がするわぁ。」
「そうだったか? まぁいい・・・いつもの頼むぜ。」
「はぁ〜い。」
少なくとも声色は男顔負けな威圧感を誇る、例の人が登場する。
旅用のローブに、スッポリとフードで顔を隠しているので姿を確認できない。
わかるのは俺より大きいことと、巨大な斧を背中に背負っているってことだけ。
(ちなみに俺178pね。 どうでもいいけど)
「ん? 客か? こんな時間に珍しいな。」
「・・・こんばんわ。」(内心バクバク)
なるべく強気な姿勢であたる。 第一印象が大事だからねぇ。 ちょっと怖いけど。
っと、隣に座ってくる誰か。
「へぇ〜・・・アタイにビビらないなんて、なかなか肝が据わってるな、アンタ。」
「・・・ルークと言います。 よろしく・・・。」
極めて冷静に、かつ強気に、ズイっと握手を求める俺。
「・・・・・・・・」
ヤバっ怒らせたか!?
っと心配したが、
「『フライヤ=キスレッド』だ。 アンタ・・・気に入ったぜ。」
ガシリと手を握られ名を名乗ってくれた。(力が強くて痛い)
はぁ・・・好印象を持ってくれたな。
とりあえず安心だ・・・。
「フライヤさん・・・ですか?」
「かしこまるなよ、ルーク! それと、フライヤでいいぜ。 こりゃあ久々に上手い酒が飲めそうだぜ! マスター! 酒まだか!?」
「はいはぁい、只今。」
そうして置かれたジョッキ(特大)を一気に、
「ンク・・ンク・・ンク・・ンク・・ンク・・・・・ぷはぁ〜〜!! 染みるぜ〜・・・。」
ものの数秒で飲み干す。
そして上を仰いだフライヤのフードが後ろにずれ、彼女の正体が明らかになる。
『ミノタウロス』
凶暴で好戦的な性格。
そのため熟練の戦士からも恐れられている。
普段は眠っていることが多いようだが・・・。
「・・・すごい飲みっぷりだ・・・。」
「ははっっだろ!? そう言ってくれんのは、マスターとアンタぐらいだよ!」
ご機嫌なご様子。
そろそろ例の話を・・・と切り出すタイミングを計っていると、
「いきなりだけどよ、ルーク。 アンタ・・・ただの旅人ってわけじゃねぇだろ?」
「・・・え?」
「顔付きと手の感触でわかるぜ。 剣士なんだろ、アンタ・・・。 なんでアタイに近づいてきたのかは知らねぇけど。」
「・・・・・・・・・」
お見通し・・・ってわけね。
「隠さないでも、アタイにゃわかるぜ!」
「・・・別に隠してたわけじゃない。 言う必要が無いと思っただけだよ。」
「ふぅ〜ん・・・まっ、なんだっていいけどよ・・・。」
空になった自分のジョッキを見つめ・・・そして、
「なぁ・・・アタイと一本、勝負しねえか?」
いきなりだな・・・。
「勝負?」
「ああ。 勝った方が相手の言う事を聞く・・・。 これでどうだ?」
・・・願ってもないチャンスだ!(抱かせろとか言われなくて良かった・・・)
これを逃せば末代?までの恥だ!
「面白い・・・受けよう!」
「へへッ、そうこなくっちゃな! ますます気に入ったぜ、アンタ!!」
満面の笑みを浮かべるフライヤ。
相当腕に自信があるんだな、きっと・・・。
だけど、それは俺だって一緒だ。
この剣の威力を存分に発揮できる!
「あらあらぁ・・2人共喧嘩はダメよぉ・・・?」
「マスター、こりゃあ喧嘩じゃねえよ! 男と女の・・・一世一代を賭けた大勝負なんだぜ、これは!!」
まぁ端から見れば喧嘩、あるいは旅人と魔物のエンカウントバトルだろうけど・・・。
「それじゃっ、戦い易いとこに移動しようぜ!」
「あ、ああ・・・。」
酒場を後にする俺達・・・。
「・・・・・・・・・」
っと、それを見送るマスター。
「はぁ〜・・・。 もう少しであの人を『おとせる』ところだったのにぃ・・・フライヤさんに取られちゃったぁ・・・。 ど真ん中ストライクゾーンだったんだけどなぁ、ルークさん・・・♪ もっと積極的になっておけば良かったかなぁ〜・・・?」
マスターの意図にまったく気づかなかった俺・・・。
その頃・・・
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
宿屋の2人は夢の中・・・・・・・・。
「いよおおおおおおっし! ひっさびさに・・・大暴れしてやんぜえええ!!」
ローブを豪快に脱ぎ捨て、巨大な斧をブンブンと振り回すフライヤ。
そして何よりも驚くべきは無駄の無い、限界まで絞り込まれた強靱な肉体。
普通の武器じゃ掠り傷1つつかないだろうな・・・。
「おいルーク! 全力で来ねえと、冗談抜きで死ぬぜ!!?」
「そっちこそ、手加減すんなよ!」
「ヘン! 言うじゃねえか! アタイにそこまでの啖呵切った男は、今ここにいるアンタが初めてだ!! (・・・色々と楽しめそうだぜ・・・ジュル♪)」
「・・・・・・!?」
な、なんだ・・・今の悪寒は・・・。
き、気のせいか・・・?
気を取り直して剣を構える。
「あん? なんだい、そのおかしな武器は?」
「これでも立派な剣だ。 信じる信じないは勝手だが。」
「なるほど・・・隠し球ってわけか・・・おもしれえ・・・。」
そして、
「アタイを楽しませな! いくぜええ!!」
フライヤの先制。
その身体からは予想もつかないスピードで距離を詰めてくる。
わざわざ受け手に回らなくても、こっちからも突撃してやればイイ!!
そう思い、俺もフライヤ目掛け全力で走り始める。
握っていた柄が熱くなり始めた。
すると、
ゴオォォォォォ・・・
『灼熱の炎』が刃となり具現化。
そしてそのまま・・・
ガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぶつかり合う炎剣と斧。
月に照らされた荒野に音が響きわたり、地面が大きく揺れる。
「ぐっっっ!!」
だが俺は生身の人間。
いくら剣が強くても、こればっかりは補い切れない。
フライヤの一撃は尋常じゃないくらい重く、身体全体が悲鳴をあげる。
「・・・面白い剣だな。 やっぱり・・・警戒しておいて・・・正解だったぜ・・・。」
ガギッ ギギギギギッ
小競り合いの中フライヤがそう呟く。
「たいした・・・もんだぜ・・・。 このアタイと・・・小競り合いに持ち込むなんてな・・・。 だけど・・・力は・・・アタイの方が上だああ!!」
そう言うと、力で俺を後方へ押し返す。
「くぅ・・・!」
ズリズリと後ろへ後退する俺・・・。
押し返そうにもムリ。
確かに力では向こうが勝っている。
どうにか・・・しないと・・・!
「ヘヘ・・・どうした? いつまで耐えられるかな・・・!?」
剣に込める力を無闇に抜く事はできない。
もし抜こうものなら、剣を弾かれ真っ二つになる・・・。
何か手は・・・。
っと、
「・・・オオラァ!!」
剣と同時に身体ごと押され、後ろへヨロけ体勢を崩される。
そして、
「隙ありィィ!!!」
ドガッっと鈍い音と共に強烈なタックルを喰らう。
「がっ・・はっっっっ!?」
ドンッ ザザーーーーーー・・・
数十m後ろへ吹っ飛ばされる。
ぐ、は・・・こ、れは・・・効いた・・・。
肋骨(あばら)の数カ所に大ダメージ・・・折れたか?
いってぇ・・・けど・・・まだ動ける。
「はぁ・・はぁ・・く、そぉ・・・!」
軋む身体を無理矢理起こす。
心なしか、炎が少し弱くなっている。
「・・・タフだなぁアンタ。 その状態で良く立てるな・・・。」
「おまけに・・剣も振れるぞ・・・。」
「へぇ・・・アンタ、ここで殺すには惜しい男だな・・・。 どうだ? 今降参すれば、これ以上続けなくても・・・」
「う、うるせえ・・・はぁ・・まだ・・まだ、できるっつってんだろぉぉ・・・!」
自分の命が危ういのはわかっていた。
でも・・・だけど・・・負けたくなかった・・・。 男として。
「ああそうかい! なら、トドメ刺してやんぜ!!」
そう言うと一瞬で俺に近づき、首を締め上げるフライヤ。
「く・・・あ・・がっ・・」
「たいした男だよ、アンタ・・・。 こんなになってまで戦おうってんだから。 だけど・・・もう終わりにしようぜ。」
さらに強く締め上げる。
・・・視界がボヤけてきた・・・。
「もう一回聞くぜ。 降参するか・・・?」
戦闘経験が天と地の差だった。
・・・わかってたけどね・・・勝てないって事ぐらい。
俺だって、相手の実力を計り違える程未熟じゃない。
酒場でフライヤの顔見た時から・・・ああ、この人には勝てないな・・・って思ったし。
じゃなんで決闘を受けたかって?
もちろん砂漠越えのためにって事もある。
だけどそれ以前に、
「・・・降参・・・・・・なんて・・する・・かよぉ・・・。」
自分の力を試してみたかった。
それがフライヤのように、俺に勝ち目のない猛者でも。
「・・・・・・ふん。 最後まで男だったな、アンタ。 ・・・じゃあな。」
そう言ってフライヤは俺の無防備な腹を、渾身の右ストレートで打ち抜いた・・・。
・・・・・・・・・・死んだな・・・俺・・・・・・。
痛みも感じず、意識が奈落の底へと落ちて行く・・・・・・・・・・・。
「「・・・・・・・・!!」」
飛び起きる魔物2人。
不穏な空気を察したようだ。
「・・・・・・レビィさん・・・」
「心配するな。 きっと帰ってくる・・・きっとな。」
「・・・はい・・・」
なんも見えへん。
死んだのかぁ俺・・・。
そりゃあんだけ重いビッグインパクト喰らえば誰だって死ぬか。
はぁ・・・あの2人には悪いことしたなぁ・・・。
ああエステル・・・勝手に逝く俺を許してくれ・・・。
ガゼル、フラン、レン、リン・・・ゴメン・・・。
それにマスターも・・・。
レビィは・・・まぁあいつは大丈夫か。
親父・・・母さん・・・今そっちに逝・・・・・・ぐはぁあああああああ!!!!
「・・・お、生き返った・・・。」
「・・・・!?」
「い、いやぁ・・・強くやりすぎて死んじまったからさ〜・・心臓思いっ切りブッ叩いてやったんだがよぉ・・・まさか生き返るとは思わなかったぜ・・・。」
やっぱり死んでたのか俺!?
生死の境を彷徨っていたとも言うが・・・。
いや、んなこたぁどうでもいい!
『生き返ったんだから』!!
でも・・・肋がいてぇ・・・。
戦いの時よりも、今のダメージの方がでかいぞ・・・。
「・・・・・ッ・・・。」
「さすがのアタイも焦ったぜ・・・。 つーか、元々殺し合うって主旨じゃなかったからなあ。 『勝った方の言う事を聞く』ってのが目的だったしな。」
確かに。
なんか途中からウヤムヤになってたからなぁ・・・。
「なんかよ・・・熱くなりすぎたっつーか、欲情しちまってよぉ。 どうにも抑えらんなかったんだ・・・。」
欲・・・情?
なんかイヤ〜な単語・・・。
「・・・ぁぁああ〜ックソ!! アンタが『赤い物』見せっから・・・・・・濡れてきちまったじゃねえか・・・。」
赤い物・・・?
濡れてきた・・・?
「ハァァ・・ハァァ・・・もう・・・我慢できねえ!!」
いきなり俺の腰装備をひっぺがす暴走女。
うわ、マジの戦闘態勢(性的)に入りやがった!?
「〜〜〜〜〜〜っっ!?」
あれ・・・? てか・・・声出ねえ・・・!
首絞められた時に潰されたか!?
てか・・・やっぱりこうなったかあああああああああああ!!!
「ハァ・・ハァ・・・ヘヘ。 これだけ頑丈なんだ・・・多少荒っぽくしても・・・平気だよな・・・?」
自分の身体がタフなのは認めるけど・・・。
ああ・・・受け身体勢はレビィ以来だなぁ。
まあ、あの時とは少し状況が違うけど。
「前戯なんていらねえぜ・・・ハァ・・もう・・こんなに濡れちまってるぜ・・ハァ・・ハァ・・・。」
フライヤの秘部から粘液の糸が止めどなく溢れ出る。
俺もそんな光景を見て・・・・・・
「・・・・・・・」
「へへ・・その気じゃねえかよ・・・」
身体はボロボロなのに・・・何故か一カ所だけ快楽を求めようとする棒一本。
「・・・!? で、でけえ・・・馬並みはあるな・・こりゃ・・・ジュルリ・・・♪」
そして・・・
「う・・くぅ・・・! ハァ・・ハァ・・まだまだ・・・全部・・根本まで入れてやる・・・。」
問答無用で挿入開始。
ズニュゥ・・クプッ・・クチュ・・・
宣言通り根本まで捕食された。
あう・・・締め付けが・・・ヤバイそれに・・・ヌルヌルしてる・・・。
さすがに鍛えているだけあって、膣の具合は超一流だ・・・・・・って、だめだ、流されてる・・・。(とゆうか動けない)
「ハァ・・ハァ・・いいねえ・・・アンタ・・・。 アタイを・・・満足させな・・・!」
弾力のあるパイオツを俺の顔に押し付けながら、フライヤは驚異的なスピードで腰を打ち付けペニスを刺激してくる。
女戦士の名は伊達じゃない。
自分の快楽や欲求のためなら、たとえそれが性交であろうと全力を尽くす。
激しいなんてもんじゃない。
まるでこっちが犯されてるみたいだ・・・。(てゆうか犯されてるのか俺?)
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン・・・・・・・・・
止まらないフライヤ。
『絶倫』とゆう二文字が良く似合う。
女に対して使用できる言葉ではないが・・・この女は例外だ。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン・・・・・・・・・
あまりの激しさに結合部が泡立ち始めた。
くぅ・・・! ヤバイ・・・出そうだ・・・!
「ハッハッハッハッハッハッハッハ・・イイ・・ハン・・イイ!!」
快楽に溺れるフライヤ。
そして俺も・・・
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
ビュ! ビュルッ ビュクンッ ビュルルル・・・!!
有りっ丈の子種を吐き出す。
フライヤの子宮が一瞬にして俺の精液で満たされる。
「ハッ・・・あ!?・・・くあああああああああああああああああああ!」
俺の射精を感じ取り、盛大な雄叫びをあげながら絶頂する。
う!! 俺のものが千切れそうになるほど締め付けてくる!
ピュグッ・・ドプン・・トプン・・トクッ・・・・・
射精は止まるが、肉壁は尿道に残った精液を搾り取るかのようにうねる。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・・・・・・♪」
ご満悦のフライヤ。
だが・・・・・・・・
「・・・へへ・・・まだ行けんだろぉ・・? アンタの・・・まだ固いまんまだぜ・・・♪♪」
・・・・まさかの2回戦!?
「ハァ・・ハァ・・・まだ・・足りねえよ・・・もっと・・・・・もっとだ・・・・♪」
パン・・・・パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!!
う・・・!! だ・・・誰か・・助け・・・
ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・。
結局朝まで交わり続けた俺は、8回も射精してしまった。(興奮していたのか、フライヤが良かったのか、量がいつもの倍以上だった)
フライヤはマスターの酒場まで、動けない俺を背負って運んでくれた。
(そのまま宿屋に行くとややこしくなりそうなので・・・俺がそう頼んだ。)
「あらあらぁ・・・ボロボロじゃないですかぁ! すぐに手当しますねぇ・・・。」
マスターは俺の身体に包帯と、傷口には薬(よくわからない物体)を塗ってくれた。
(マスターの手付きが妙にエロかったのは気のせいとゆう事にしておく)
「マスター! この男、なかなかの素質を持ってるぜ!!」
その素質とやらは俺の戦闘センスの事を言っているのか、それとも・・・。
「でもフライヤさぁん、ダメですよぉ! こんなになるまで痛めつけるなんてぇ・・。」
「べ、別に痛めつけてたわけじゃねえよ!」
「・・・そう・・ですよ・・・マスター。 ちゃんと・・・勝負をした結果・・・俺がこんなになっただけ・・ですから・・・。」
ようやく声が出るようになった。
まだ若干掠れてるけど。
「お、声出るようになったじゃなえか!」
「・・誰のせいだと・・思ってんだ・・・。」
「だ、だから悪かったって!」
困った顔が新鮮だ。
「それにしてもぉ・・ルークさん、タフな身体してますねぇ・・・。 フライヤさんと戦ってこの程度の傷だなんてぇ、奇跡に近いですよぉ?」
「そう・・・ですか? 十分重傷だと・・思うんですけど・・・。」
「以前にも似たような事があったんです。 その時、フライヤさんと決闘をした男性はぁ・・・そのぉ・・・『再起不能』になってしまったんです・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
俺の今の状態が奇跡だとゆうことを実感した。
「手加減したつもりはなかったんだがなあ〜・・・。」
この女・・・俺を一回殺したこと忘れてんな・・・?
まぁ別にイイけど。
生きてるわけだし。
「それではぁ、私はお店の準備がありますからぁ・・・。」
そう言って寝室を出て行くマスター。
(酒場の2階はマスターの住居になっている)
フライヤと2人きりになる。
「なぁ・・・ルーク・・・」
「・・・ん?」
唐突に話しかけてきた。
「アタイは・・その・・・アンタの事・・嫌いじゃねえ・・・。」
?
「アンタは男の中の男だ・・・。 少なくとも、アタイはそう思ってる・・・。」
???
「それにアンタは・・・アタイを受け入れてくれた・・・・・・こんなアタイを・・。」
受け入れたと言うよりは、動けなかったが正しいけど。
「だから・・その・・・アタイと・・・・・・・・・・・アタイと一緒になってくれ!!!」
プロポーズを受けた。
・・・・・・・・・・・・プロポーズ!?!?
「惚れちまったんだ、アンタに!!」
れ、冷静になれ・・・。
そして上手く言葉を返せ・・・。
「決闘で・・負けるような男にか・・?」
「勝敗なんて関係ねえ!」
ああ、そう・・・。
「それに、アンタはこれからもっと強くなる! 手合わせしたアタイが言ってんだ、間違いねえ!」
素直にありがとう。
「アンタみたいな男には、もう一生巡り会えねえ! なあ・・・・・・アタイじゃぁ・・・・・・・・力不足かい・・・?」
ぐふっ・・・!?
下から目線の潤んだ瞳!!
なんつーギャップ萌え!?
・・・・・・フライヤって、やっぱ女の子なんだな・・・。
「・・・・・・・・・」
もう仕方ない。
これを断る男の気が知れる・・・。
「・・・俺には・・やらなきゃならん事がある・・。 フライヤの気持ちは・・嬉しい・・・。 だけど・・その返事は・・俺の旅が終わってからにしてくれないか・・・?」
限りなくYESに近いその返答に、
「なら・・・アタイもアンタの旅に付いてくぜ!!」
やっぱりそうきたか・・・。
「・・・ホントに・・イイのか・・?」
「ああ・・・。 そ、それに・・アタイには・・アンタしか・・いないからな・・・///」
そんな恥ずかしいことを顔を赤くして言ってくれる・・・。
ああ・・・・・・また修羅場かぁ・・・。
どう乗り切ろうか・・・。
「レビィとエステル・・・ね。 アタイはフライヤ! よろしく頼むぜ!!」
怪我は軽かったので3日で動けるようになった。
その間にあの2人とフライヤの顔合わせを『無事』に終えた。
ほんと寿命が縮まった・・・。
(3人は俺が夫になる事を当たり前だと思っているので、自己紹介に俺の名前が出ることはなかった)
フライヤ曰く、俺の怪我が治り次第アルビアータへ案内してくれるとの事。
良かった良かった。
出発当日。
「マスター、看病してくれて助かったよ。 ありがとう!」
「いえいえぇ、どういたしましてぇ。 皆さん、道中くれぐれも気を付けて下さいねぇ。」
「ああ。 じゃぁ行ってくるぜ、マスター!」
「世話を掛けた。 礼を言う。」
「・・・マスターさんも、お体には気を付けて・・・」
マスターに別れの挨拶を告げ、ホルンを後にする俺一行。
ようやくアルビアータを目指すことができる。
砂漠越えはフライヤがいればどうにかなるだろ。
速くもなければ遅くもないペースで歩く俺達。
・・・・・・・・・・・。
(ここだけの話・・・実はマスターの酒場で世話になっていた2日目の夜。 看病を口実にマスターと・・・その・・・子作りに励んでしまった・・・。 いや、決して俺から言い寄ったわけじゃない! マスターが『旅に同行する事はできないけどぉ、ルークさん・・・あなたがここにいた証を残す事はできるはず・・・。』と言って襲ってきたんだから仕方ないだろ! ってゆうか、あんだけ意識的に子作りしたんだから、あの人間違いなく俺の子を孕んでるよ・・・きっと。 ・・・・・・・内緒な!! 絶対!!!)
「まあ砂漠っつっても、アタイとちょっとの水さえありゃ簡単に越せるぜ。 なぁに、心配すんなよ!!」
「・・・頼もしいです・・・」
「良い仕事をしたな。 たまには貴様もやるではないか。」
「強力な助っ人が手に入った代わりに、俺はボロ雑巾だったけどな・・・。」
「貴様を信用して正解だった。 次も何かあれば、よろしく頼むぞ。」
「そん時にはお前にも働いてもらうからな!!」
「いいだろう・・・内容によるがな。」
「おおおおおおい!!!」
〜〜アヌビア砂漠へ向かう俺達の会話より一部抜粋〜〜
仲間(妻?嫁?)が増えた。
ミノタウロスのフライヤだ。
俺達を引っ張ってくれる、イイ姉御ができたみたいだ。
これからもっと賑やかになりそうだ!!
・・・・・・・マスターの件は・・・後々考えることにしよう・・・。
俺の旅は終わらない。
09/11/29 17:27更新 / HERO
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