4章 『○○な奴ら』
「ぅぁ〜試験が〜〜〜orz」
「鬱陶しいのう…」
「最近ずっとそればかりだな」
「し、仕方ないだろ? 今切羽詰ってるんだから…!」
「避けては通れない道ですよ、フレンさん」
「それはわかってるけど…」
定期試験。
学生の敵。
背水の陣。
いくらでも愚痴をこぼせる。
「アタシが手伝ってあげられたらな〜…」
「気持ちだけ受け取っておくよ…ほんと気持ちだけ……」
「ぁぅ…;」
「フィロよ、余計な同情はこやつのためにならんぞ?」
「残念ながら私も力になれん。 悪く思うな」
「うぅ…マジでつらい……」
「ティータが個人レッスンしてあげますよ? 対価としてフレンさんの貞操をいただきますが」
「うん…それでイイ……」
「では寝室で子作りの準備を…」
「え? あ、いや! 今のなし!!」
「惜しい…ではなく残念です」
「ティータよ。 どさくさに紛れて何をしておる?」
試験は1週間後に迫っている。
もう不安はピークを超えている。
「勉強…そうだ勉強しないと……」
「いつもの威厳を微塵も感じぬのう」
「相当追い詰められていますからね」
「同情してもし切れんな」
「フレ〜ン頑張って〜!」
「………(zzz)」
こうゆう時だけ魔物のこいつらが心底羨ましい。
うぅ…に、憎い…憎い……!
俺の中に、ドス黒い悪魔が生まれようとしていた………
「アネット暦493年…サンドロスアレク帝王がピチュマチュ 皇国に侵攻…驚異的なスピードで皇国領地を占領していく…えっとぉ……」
少しでも多くの知識を詰め込むべく、残りの1週間は徹夜することにした。
「同年…ペリー大王がパールブラック号に乗船、2千km離れたブスコロン大陸に上陸成功… しかし新しい香辛料の発見には至らなかった…と……」
なぜ前々からやっておかなかったのか、きっとみんなは疑問に思うだろう。
「アネット暦777年…ツタンカーモンはわずか8歳にしてプジエトを支配する女王アヌビスと結婚…だが779年に搾死……」
あのさ…こんな家に住んでて集中できるわけないだろ?
できる奴がいたら、そいつの精神力はもう神の領域だ。
「次の科目は…え? 保健体育!? な、なんで大学へ来てまでこんな科目を…」
講義はちゃんと聴いていたつもりだったけど、やはり試験はそう甘いものじゃない。
「ぼやいても仕方ない、やらないと…! えっと…ペ、ペニスをヴァギナに挿入…その後ピストン運動を繰り返し射精を促す…射精された精子は卵子を集団レイプした後、嫌がる卵子と強制結合…自分の遺伝子を植え付けることに成功し、受精卵として確立…する……?」
なんか後半、すごい嫌な言い回しだった気がする。
しかも教材の参考図が魔物に犯されている人間の絵で、ご丁寧に卑猥な吹きだしまで入っている。
どう見てもエロ本にしか見えない。
まさかあのとき…理事長を脅しつけたことと何か関係があるのか?(1章参照)
「うぅ…なんか急に疲れた……」
一休みしようとベッドに体を預ける。
「はぁ…保健体育の教材、今度クレーム入れるかな」
きっと全校生徒がセクハラを訴えるに違いない。
それはそうと…
「ふぅ…;」
悶々としてきてしまった。
健全な男子とゆうことで、どうか大目に見てほしい。
「まいったなぁ…これじゃ集中できない」
時間が惜しいけど、落ち着くまで待つか。
こんな状態で勉強しても、どうせ身に入らないだろうし。
「すー…は〜〜」
深呼吸でもして落ち着こうとした、そのとき…
(ぉぃ…おい! 聞こえるか!?)
「ん? なんだ?」
(聞こえてるんだろ!? 返事しろ!!)
「え…だ、だれ?」
(やっと気づいたか! 俺はもう1人のお前。 お前の分身だ)
「俺の…分身?」
いきなり声が聞こえたかと思うと、そいつは俺の分身だと告げた。
「お、俺の分身が…何のようだ?」
(俺はお前の欲求不満な部分の塊だ。 だから出てきた)
「欲求、不満…?」
(溜まってるんだろ? あんな可愛くて魅力的な奴らと一緒に暮らしてるってゆうのに、お前の息子はどうしちまったんだ?)
「いや、どうしたと言われてもなぁ…」
(なぁ…あいつらを犯したいと思わねえか?)
「なっ!?」
(ははっ! 俺に嘘は通じないぜ? なんたって、俺はお前なんだからな!)
「………」
俺が…あいつらを?
…想像できない。
(少し言い方を変えるか。 あいつらだって、お前に襲われたとしても満更でもないんじゃないのか?)
「そ、それはいくらなんでも自信過剰だろ!」
(おいおい、考えてもみろよ? 好きでもない男と一緒に暮らす女がどこにいるってんだよ?)
「む……」
(なぁ覚悟を決めろって! どうせこのままじゃ悶々祭りだろ?)
「むぅ……」
(まったく、草食系はこれだから困る…。 仕方ない、俺が一肌脱いでやるとするか!)
「え、ちょっ!?」
(チェーーーーーーーーーーーーンジ!!!)
「そっ、そのセリフどこかで聞いた…うああああああぁぁぁぁぁぁ………」
分身がそう叫ぶと同時に、俺の意識は奈落の底へと落ちていった―――――
「ふむ、47万…なかなかの生殖力だ。 これだけの力があれば女の1人や2人…いや、100人は同時に孕ませることができる。 まったく、宝の持ち腐れだ」
まったくの別人に見えるかもしれないけど、これは間違いなく俺。
俺は俺の分身に体を奪われてしまった。
こうして意識はあるものの、体の制御は分身に支配されている。
「ククク…! さて、栄えある第1オナホールは誰にしようか?」
俺の顔してとんでもないこと言ってやがる!
ま、まぁコイツも俺だから、俺にも責任があるのかもしれないけど…。
こんな性犯罪者みたいな俺が俺の中にいたなんて信じられない。
「ふむ、選択肢としてはこんな感じか?」
→@ティータ
Aメイ&フィロ
Bアイリ
Cエルザ
「どいつも美味そうだ…ククク!」
待て待て!
なにSG風に楽しんでるんだ俺!
「では、オーソドックスに@からいただくとするか」
(やめろーーーーーー!!!)
「ぬお!? お前、なぜ俺の意識に語りかけることができる!?」
(いやよくわからんけど! とにかく止めろ!!)
「精神力の強い奴め…。 だが断る! 折角ご馳走が目の前に並んでいるんだ、食わないわけにはいかないだろう!?」
(このレイプ魔が! あ、いや…これは俺自身に言ってるわけじゃなくて、欲求不満の俺自身に言ってるだけで、自分で自分をけなしてるわけじゃ…)
「えーい喧しい! 引っ込んでろ!!」
(うああああぁぁぁぁぁ………)
「鬱陶しい奴め…だが当分戻ってこられまい!」
くそっ…また意識だけに戻された!
まずい…ティータが危ない!
「ティータは地下だったな。 ククク…さて、どう弄んでやろうか」
ジュルリと舌なめずりをする俺。
お、俺のイメージが…orz
「おや、フレンさん。 こんな夜更けにどうしました?」
「いやなに、お前を犯…ゴホン! まだ寝ていなかったのか?」
「まだ実験の途中ですので、これが終わり次第ですね」
「そうか…いつ頃終わる?」
「そうですね…1週間後には恐らく」
「い、1週間!?」
ティータはドワーフのくせに実験マニアだから、寝る時間を惜しむ傾向がある。
俺め、忘れてたな?
「そ、そうか。 でも体に悪いから仮眠ぐらいとれよ?」
「はい、ご忠告ありがとうございます。 ではおやすみなさい」
「あ、あぁ…おやすみ」
ペコリと頭を下げてくるティータ。
てゆうか、俺優しいな。
レイプする気満々だったのに、『仮眠ぐらいとれよ?』って…。
意外にもレイプ魔の俺はまともなのかもしれない。
でも、まだ油断はできない。
次のターゲットは確か………
「ティータの寝込みを襲おうとしたが…これは失敗したな」
メイとフィロの部屋の前でブツブツと独り言こぼす俺。
今すぐに止めてくれ俺。 変人にしか見えない。
「まぁ押し倒しても良かったんだが、あまり荒い手段は使いたくないからな」
レイプ魔が今更何を言ってるんだ…。
「だが次は子供2人だ。 知らぬ間に処女を奪われ孕まされるという恥辱を与えてやる…クククッ!」
言ってることが鬼畜過ぎる。
こいつが俺自身だなんて信じたくない…いや信じられない。
本当に悪魔かなんかじゃないのか?
てゆうか、あの2人を子供として見てたんだな俺。ティータは大人として見てるのに。
フィロに話したら泣かれそうだ。
「どれどれ……ふむ、熟睡してるみたいだ」
「んっ…ん〜…むにゃ〜♪」
「………(zzz)」
幸せそうな顔をして眠る2人。
おい俺! こんな罪のない娘達を犯す気か!?
「っ……」
お、やっぱり迷ってるな?
「いや、いかんいかん! 心を鬼にしなくては…!」
いや鬼にする必要ないから!
「では…フィロからいただくとするか」
フィローーーーー!
「ん〜…むにゃむにゃ……フレン…好き〜……」
「!?」
!?
「ん…むにゃ〜……」
「す、好き?」
す、好き?
フィロが、俺を?
いやいや、勘違いに決まってる。
好きと言っても家族としてだろ…うん、きっとそうだ! そうに違いない!
「……メイを食うか!」
フィロ止めた!?
そしてメイが危ない!!
「……好き」
「っっ!!??」
!!??
メ、メイまでもが俺のことを…?
い、いやいやいやいや!
きっと…そう、保護者として…そうだ保護者として好きなんだ! そうに違いない!
「………(zzz)」
「む……;」
あれ、俺が寝室から出て行く。
でも良かった…どうにか2人の処女を守ることができた。
………。
それにしても、好きって言ってたよな…?
「むにゃ〜…フレ〜ン…みんな〜…好きむにゃ〜〜♪」
「……好き…昼寝…(zzz)」
「ふぅ…俺も甘いな」
レイプ魔のくせにな。
「次はBのアイリか…」
おいおい、あいつまで犯す気かよ!?
いまのところ未遂に終わってるけど!
アイリ…馬鹿な俺を許してく……
「アイリは………別にいいか。 興味が湧いてこない」
ごめんアイリ。
俺、お前のこと女として見てなかったみたいだ。
今度からはもう少し優しく接してあげよう…。
「残ったのはエルザか。 クク…相手にとって不足はない!」
たぶん体しか見てないんだろうな、俺。
エルザは5人の中で1番スタイルがイイから、男としては憧れてたりする。
あ、もちろん性的な意味じゃないから!
あ〜いや…性的な意味か?
「…エルザ?」
「zz…zz…」
「よし、眠っているな」
俺モドキがエルザの部屋に侵入成功。
そういえばエルザの部屋に入ったのは初めてかもしれない。(俺の意思じゃないけど)
意外と片付いてるなぁ…ん? あそこに落ちてるのは……っ!?
「ククク…素晴らしい体だ! 豊満なパイオツ!くびれた腰!安産型の尻! どれをとっても 一流と言わざるをえない!! さすがエルザ、期待を裏切らない女だ!」
お、俺…気づいてくれ。
今のエルザにはアレが…アレがない!
「いかんいかん興奮してしまったようだ! よし、では早速胸を揉ませてもらうとするか」
いきなり胸を触りにいく俺。
あぁ俺、胸が好きなんだ。 うん、初めて知った…気がする。
「ハァ…ハァ……ん? これは…下着? どうしてこんなところに落ちて…ぶっ!?」
はい、ようやく気づきました。
エルザは『ノーパン』です。
ちなみに意識の俺は見てません。
見てないったら見てません。
「ぶっ…く、くそ! たかが女の下半身を見ただけで鼻血が止まらないとは…! なんて初心な体だ!? これだからチェリーは困るのだ…!」
あ〜鼻血が止めどなく流れていく。
これは倒れるのも時間の問題だ。
「ぐっ…こうなったら先っぽだけでも挿れ…ぶっっ!!?? ピ…ピンク色のスジだと!?」
!?
ピンクだって!?
エ、エルザが!?
い、いやいや俺は見ないぞ!
見るわけにはいかないんだ!!
「ぐおおお…!? 血…血が…い、意識が…!」
こいつの言う通り俺の体がフラついてきた。
「こ、ここで倒れるのはまずい! て、撤退するしか…くそ!!」
勢いよくエルザの部屋から飛び出す俺モドキ。
そしてそのまま血を流しながら自室へと戻っていく。
「はぁ…はぁ…なんてろくでもない体なんだ!」
(あ〜…お疲れさん、俺)
「お前なぁ! なんでこんなにヘタレなんだ! 信じられんぞ!?」
(あ〜…ごめん)
「まったく! あと一息だったのに…!」
(まぁこれで良かったよ。 もし誰かに手を出してたら、俺たぶん自己嫌悪で死にたくなってたと思うし)
「むぅ…俺には俺がよくわからん」
(それは俺も同じだ)
………。
「はぁ…」
(はぁ…)
2人?揃ってため息をつく。
「なぁ俺…すまなかったな」
(え?)
「お前があいつらを大事にしてることを俺は知っていた。 なのに…」
(気にするなよ)
「いやでも…!」
(お前が出てきたってことは、俺にもそうゆう感情が少しはあったってことなんだろ?)
「それは…」
(なぁ俺。 悪いと思ってるなら、もうチェーンジ!なんて止めてくれよ?)
「あぁ…約束する」
(ならいいや)
「まったく、俺という奴は…」
(俺に向かってそんなこと言われてもなぁ…)
「おい俺。 お前の体、返そう」
(はいよ)
はぁ…ようやく戻れるのか。
「チェーーーーーーーーーンジ!!!」
またそれかーーーーーーーー……………
「フレンどう? おいしい?」
「あぁ…ごめんな、手間かけさせて」
「ぜんぜんだよ!」
あの後(チェーーーーンジの後)、どうやら俺は疲労と貧血で倒れたらしく、
翌朝様子を見に来たティータにより発見された。
「このお粥、フィロが作ったのか?」
「ん〜ん。 アイちゃんが作ったんだよ!」
「え…アイリが?」
「アイちゃんたら、フレンに直接食べさせてあげれば良かったのに…」
意外だ。
あいつが食事当番以外のときに飯を作るなんて…。
お礼、言っておかないとな。
「ねぇねぇフレン? ティーちゃんは疲労で倒れたって言ってたよね?」
「あぁ、みたいだな」
「じゃぁ貧血はどうしてなの? 鼻血出してたんでしょ?」
「ごめん、よく覚えてない…」
そう、俺は昨晩の出来事を全て忘れていた。
だからどうして倒れたのかもわからない。
「ん〜、まいっか♪ フレンが無事ならそれでいいよ!」
「あぁ、ありがとな」
ここで綺麗に終わらせたかった。
でも、俺は忘れていた。
試験日が刻一刻と迫っていることを。
〜おまけ〜
「チェーンジ…」
「ふえ? フレンどしたの?」
「いや、なんか頭から離れなくてさ」
「ふ〜ん?」
「鬱陶しいのう…」
「最近ずっとそればかりだな」
「し、仕方ないだろ? 今切羽詰ってるんだから…!」
「避けては通れない道ですよ、フレンさん」
「それはわかってるけど…」
定期試験。
学生の敵。
背水の陣。
いくらでも愚痴をこぼせる。
「アタシが手伝ってあげられたらな〜…」
「気持ちだけ受け取っておくよ…ほんと気持ちだけ……」
「ぁぅ…;」
「フィロよ、余計な同情はこやつのためにならんぞ?」
「残念ながら私も力になれん。 悪く思うな」
「うぅ…マジでつらい……」
「ティータが個人レッスンしてあげますよ? 対価としてフレンさんの貞操をいただきますが」
「うん…それでイイ……」
「では寝室で子作りの準備を…」
「え? あ、いや! 今のなし!!」
「惜しい…ではなく残念です」
「ティータよ。 どさくさに紛れて何をしておる?」
試験は1週間後に迫っている。
もう不安はピークを超えている。
「勉強…そうだ勉強しないと……」
「いつもの威厳を微塵も感じぬのう」
「相当追い詰められていますからね」
「同情してもし切れんな」
「フレ〜ン頑張って〜!」
「………(zzz)」
こうゆう時だけ魔物のこいつらが心底羨ましい。
うぅ…に、憎い…憎い……!
俺の中に、ドス黒い悪魔が生まれようとしていた………
「アネット暦493年…サンドロスアレク帝王がピチュマチュ 皇国に侵攻…驚異的なスピードで皇国領地を占領していく…えっとぉ……」
少しでも多くの知識を詰め込むべく、残りの1週間は徹夜することにした。
「同年…ペリー大王がパールブラック号に乗船、2千km離れたブスコロン大陸に上陸成功… しかし新しい香辛料の発見には至らなかった…と……」
なぜ前々からやっておかなかったのか、きっとみんなは疑問に思うだろう。
「アネット暦777年…ツタンカーモンはわずか8歳にしてプジエトを支配する女王アヌビスと結婚…だが779年に搾死……」
あのさ…こんな家に住んでて集中できるわけないだろ?
できる奴がいたら、そいつの精神力はもう神の領域だ。
「次の科目は…え? 保健体育!? な、なんで大学へ来てまでこんな科目を…」
講義はちゃんと聴いていたつもりだったけど、やはり試験はそう甘いものじゃない。
「ぼやいても仕方ない、やらないと…! えっと…ペ、ペニスをヴァギナに挿入…その後ピストン運動を繰り返し射精を促す…射精された精子は卵子を集団レイプした後、嫌がる卵子と強制結合…自分の遺伝子を植え付けることに成功し、受精卵として確立…する……?」
なんか後半、すごい嫌な言い回しだった気がする。
しかも教材の参考図が魔物に犯されている人間の絵で、ご丁寧に卑猥な吹きだしまで入っている。
どう見てもエロ本にしか見えない。
まさかあのとき…理事長を脅しつけたことと何か関係があるのか?(1章参照)
「うぅ…なんか急に疲れた……」
一休みしようとベッドに体を預ける。
「はぁ…保健体育の教材、今度クレーム入れるかな」
きっと全校生徒がセクハラを訴えるに違いない。
それはそうと…
「ふぅ…;」
悶々としてきてしまった。
健全な男子とゆうことで、どうか大目に見てほしい。
「まいったなぁ…これじゃ集中できない」
時間が惜しいけど、落ち着くまで待つか。
こんな状態で勉強しても、どうせ身に入らないだろうし。
「すー…は〜〜」
深呼吸でもして落ち着こうとした、そのとき…
(ぉぃ…おい! 聞こえるか!?)
「ん? なんだ?」
(聞こえてるんだろ!? 返事しろ!!)
「え…だ、だれ?」
(やっと気づいたか! 俺はもう1人のお前。 お前の分身だ)
「俺の…分身?」
いきなり声が聞こえたかと思うと、そいつは俺の分身だと告げた。
「お、俺の分身が…何のようだ?」
(俺はお前の欲求不満な部分の塊だ。 だから出てきた)
「欲求、不満…?」
(溜まってるんだろ? あんな可愛くて魅力的な奴らと一緒に暮らしてるってゆうのに、お前の息子はどうしちまったんだ?)
「いや、どうしたと言われてもなぁ…」
(なぁ…あいつらを犯したいと思わねえか?)
「なっ!?」
(ははっ! 俺に嘘は通じないぜ? なんたって、俺はお前なんだからな!)
「………」
俺が…あいつらを?
…想像できない。
(少し言い方を変えるか。 あいつらだって、お前に襲われたとしても満更でもないんじゃないのか?)
「そ、それはいくらなんでも自信過剰だろ!」
(おいおい、考えてもみろよ? 好きでもない男と一緒に暮らす女がどこにいるってんだよ?)
「む……」
(なぁ覚悟を決めろって! どうせこのままじゃ悶々祭りだろ?)
「むぅ……」
(まったく、草食系はこれだから困る…。 仕方ない、俺が一肌脱いでやるとするか!)
「え、ちょっ!?」
(チェーーーーーーーーーーーーンジ!!!)
「そっ、そのセリフどこかで聞いた…うああああああぁぁぁぁぁぁ………」
分身がそう叫ぶと同時に、俺の意識は奈落の底へと落ちていった―――――
「ふむ、47万…なかなかの生殖力だ。 これだけの力があれば女の1人や2人…いや、100人は同時に孕ませることができる。 まったく、宝の持ち腐れだ」
まったくの別人に見えるかもしれないけど、これは間違いなく俺。
俺は俺の分身に体を奪われてしまった。
こうして意識はあるものの、体の制御は分身に支配されている。
「ククク…! さて、栄えある第1オナホールは誰にしようか?」
俺の顔してとんでもないこと言ってやがる!
ま、まぁコイツも俺だから、俺にも責任があるのかもしれないけど…。
こんな性犯罪者みたいな俺が俺の中にいたなんて信じられない。
「ふむ、選択肢としてはこんな感じか?」
→@ティータ
Aメイ&フィロ
Bアイリ
Cエルザ
「どいつも美味そうだ…ククク!」
待て待て!
なにSG風に楽しんでるんだ俺!
「では、オーソドックスに@からいただくとするか」
(やめろーーーーーー!!!)
「ぬお!? お前、なぜ俺の意識に語りかけることができる!?」
(いやよくわからんけど! とにかく止めろ!!)
「精神力の強い奴め…。 だが断る! 折角ご馳走が目の前に並んでいるんだ、食わないわけにはいかないだろう!?」
(このレイプ魔が! あ、いや…これは俺自身に言ってるわけじゃなくて、欲求不満の俺自身に言ってるだけで、自分で自分をけなしてるわけじゃ…)
「えーい喧しい! 引っ込んでろ!!」
(うああああぁぁぁぁぁ………)
「鬱陶しい奴め…だが当分戻ってこられまい!」
くそっ…また意識だけに戻された!
まずい…ティータが危ない!
「ティータは地下だったな。 ククク…さて、どう弄んでやろうか」
ジュルリと舌なめずりをする俺。
お、俺のイメージが…orz
「おや、フレンさん。 こんな夜更けにどうしました?」
「いやなに、お前を犯…ゴホン! まだ寝ていなかったのか?」
「まだ実験の途中ですので、これが終わり次第ですね」
「そうか…いつ頃終わる?」
「そうですね…1週間後には恐らく」
「い、1週間!?」
ティータはドワーフのくせに実験マニアだから、寝る時間を惜しむ傾向がある。
俺め、忘れてたな?
「そ、そうか。 でも体に悪いから仮眠ぐらいとれよ?」
「はい、ご忠告ありがとうございます。 ではおやすみなさい」
「あ、あぁ…おやすみ」
ペコリと頭を下げてくるティータ。
てゆうか、俺優しいな。
レイプする気満々だったのに、『仮眠ぐらいとれよ?』って…。
意外にもレイプ魔の俺はまともなのかもしれない。
でも、まだ油断はできない。
次のターゲットは確か………
「ティータの寝込みを襲おうとしたが…これは失敗したな」
メイとフィロの部屋の前でブツブツと独り言こぼす俺。
今すぐに止めてくれ俺。 変人にしか見えない。
「まぁ押し倒しても良かったんだが、あまり荒い手段は使いたくないからな」
レイプ魔が今更何を言ってるんだ…。
「だが次は子供2人だ。 知らぬ間に処女を奪われ孕まされるという恥辱を与えてやる…クククッ!」
言ってることが鬼畜過ぎる。
こいつが俺自身だなんて信じたくない…いや信じられない。
本当に悪魔かなんかじゃないのか?
てゆうか、あの2人を子供として見てたんだな俺。ティータは大人として見てるのに。
フィロに話したら泣かれそうだ。
「どれどれ……ふむ、熟睡してるみたいだ」
「んっ…ん〜…むにゃ〜♪」
「………(zzz)」
幸せそうな顔をして眠る2人。
おい俺! こんな罪のない娘達を犯す気か!?
「っ……」
お、やっぱり迷ってるな?
「いや、いかんいかん! 心を鬼にしなくては…!」
いや鬼にする必要ないから!
「では…フィロからいただくとするか」
フィローーーーー!
「ん〜…むにゃむにゃ……フレン…好き〜……」
「!?」
!?
「ん…むにゃ〜……」
「す、好き?」
す、好き?
フィロが、俺を?
いやいや、勘違いに決まってる。
好きと言っても家族としてだろ…うん、きっとそうだ! そうに違いない!
「……メイを食うか!」
フィロ止めた!?
そしてメイが危ない!!
「……好き」
「っっ!!??」
!!??
メ、メイまでもが俺のことを…?
い、いやいやいやいや!
きっと…そう、保護者として…そうだ保護者として好きなんだ! そうに違いない!
「………(zzz)」
「む……;」
あれ、俺が寝室から出て行く。
でも良かった…どうにか2人の処女を守ることができた。
………。
それにしても、好きって言ってたよな…?
「むにゃ〜…フレ〜ン…みんな〜…好きむにゃ〜〜♪」
「……好き…昼寝…(zzz)」
「ふぅ…俺も甘いな」
レイプ魔のくせにな。
「次はBのアイリか…」
おいおい、あいつまで犯す気かよ!?
いまのところ未遂に終わってるけど!
アイリ…馬鹿な俺を許してく……
「アイリは………別にいいか。 興味が湧いてこない」
ごめんアイリ。
俺、お前のこと女として見てなかったみたいだ。
今度からはもう少し優しく接してあげよう…。
「残ったのはエルザか。 クク…相手にとって不足はない!」
たぶん体しか見てないんだろうな、俺。
エルザは5人の中で1番スタイルがイイから、男としては憧れてたりする。
あ、もちろん性的な意味じゃないから!
あ〜いや…性的な意味か?
「…エルザ?」
「zz…zz…」
「よし、眠っているな」
俺モドキがエルザの部屋に侵入成功。
そういえばエルザの部屋に入ったのは初めてかもしれない。(俺の意思じゃないけど)
意外と片付いてるなぁ…ん? あそこに落ちてるのは……っ!?
「ククク…素晴らしい体だ! 豊満なパイオツ!くびれた腰!安産型の尻! どれをとっても 一流と言わざるをえない!! さすがエルザ、期待を裏切らない女だ!」
お、俺…気づいてくれ。
今のエルザにはアレが…アレがない!
「いかんいかん興奮してしまったようだ! よし、では早速胸を揉ませてもらうとするか」
いきなり胸を触りにいく俺。
あぁ俺、胸が好きなんだ。 うん、初めて知った…気がする。
「ハァ…ハァ……ん? これは…下着? どうしてこんなところに落ちて…ぶっ!?」
はい、ようやく気づきました。
エルザは『ノーパン』です。
ちなみに意識の俺は見てません。
見てないったら見てません。
「ぶっ…く、くそ! たかが女の下半身を見ただけで鼻血が止まらないとは…! なんて初心な体だ!? これだからチェリーは困るのだ…!」
あ〜鼻血が止めどなく流れていく。
これは倒れるのも時間の問題だ。
「ぐっ…こうなったら先っぽだけでも挿れ…ぶっっ!!?? ピ…ピンク色のスジだと!?」
!?
ピンクだって!?
エ、エルザが!?
い、いやいや俺は見ないぞ!
見るわけにはいかないんだ!!
「ぐおおお…!? 血…血が…い、意識が…!」
こいつの言う通り俺の体がフラついてきた。
「こ、ここで倒れるのはまずい! て、撤退するしか…くそ!!」
勢いよくエルザの部屋から飛び出す俺モドキ。
そしてそのまま血を流しながら自室へと戻っていく。
「はぁ…はぁ…なんてろくでもない体なんだ!」
(あ〜…お疲れさん、俺)
「お前なぁ! なんでこんなにヘタレなんだ! 信じられんぞ!?」
(あ〜…ごめん)
「まったく! あと一息だったのに…!」
(まぁこれで良かったよ。 もし誰かに手を出してたら、俺たぶん自己嫌悪で死にたくなってたと思うし)
「むぅ…俺には俺がよくわからん」
(それは俺も同じだ)
………。
「はぁ…」
(はぁ…)
2人?揃ってため息をつく。
「なぁ俺…すまなかったな」
(え?)
「お前があいつらを大事にしてることを俺は知っていた。 なのに…」
(気にするなよ)
「いやでも…!」
(お前が出てきたってことは、俺にもそうゆう感情が少しはあったってことなんだろ?)
「それは…」
(なぁ俺。 悪いと思ってるなら、もうチェーンジ!なんて止めてくれよ?)
「あぁ…約束する」
(ならいいや)
「まったく、俺という奴は…」
(俺に向かってそんなこと言われてもなぁ…)
「おい俺。 お前の体、返そう」
(はいよ)
はぁ…ようやく戻れるのか。
「チェーーーーーーーーーンジ!!!」
またそれかーーーーーーーー……………
「フレンどう? おいしい?」
「あぁ…ごめんな、手間かけさせて」
「ぜんぜんだよ!」
あの後(チェーーーーンジの後)、どうやら俺は疲労と貧血で倒れたらしく、
翌朝様子を見に来たティータにより発見された。
「このお粥、フィロが作ったのか?」
「ん〜ん。 アイちゃんが作ったんだよ!」
「え…アイリが?」
「アイちゃんたら、フレンに直接食べさせてあげれば良かったのに…」
意外だ。
あいつが食事当番以外のときに飯を作るなんて…。
お礼、言っておかないとな。
「ねぇねぇフレン? ティーちゃんは疲労で倒れたって言ってたよね?」
「あぁ、みたいだな」
「じゃぁ貧血はどうしてなの? 鼻血出してたんでしょ?」
「ごめん、よく覚えてない…」
そう、俺は昨晩の出来事を全て忘れていた。
だからどうして倒れたのかもわからない。
「ん〜、まいっか♪ フレンが無事ならそれでいいよ!」
「あぁ、ありがとな」
ここで綺麗に終わらせたかった。
でも、俺は忘れていた。
試験日が刻一刻と迫っていることを。
〜おまけ〜
「チェーンジ…」
「ふえ? フレンどしたの?」
「いや、なんか頭から離れなくてさ」
「ふ〜ん?」
10/11/25 22:12更新 / HERO
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