『草人と俺』
村から旅立ち早３ヶ月。
俺…あぁいや、俺達は各地を転々としてきた。
別段目的あっての旅というわけではない。
『自分探し』
これがこの旅の名目。
達成できたかどうかは正直良くわからない。
少なくとも村で平凡な毎日を送っているよりは、幾分マシな旅だと思う。
………
でも…潮時かなぁなんて近頃考えたりする。
俺の無計画放浪記に、いつまでも彼女達を巻き込むわけにはいかない。
区切りの良いところで、連れの皆と別れなくてはいけない。
………
できれば別れたくない。
これが本音。
３ヶ月も一緒に旅した仲間達。
そう易々と縁を切れる程、俺の神経は図太くない。
しかしだからと言って、このままずっと一緒…というわけにもいかない。
………
いっそのこと家族として、皆と何処かで腰を据えようか?
俺には帰りを待つ人もいないわけだし…。
いやでも…無理か。
ダークスライム
セイレーン
スケルトン
ケンタウロス
上記４名との共同生活。
どうしても想像できない。
家族として落ち着くということは、今の旅仲間としての状態は維持できないと思う。
俺が彼女達を異性として意識してしまうかもしれない。
(意識していないのは今の所ゼロンだけｗ)
もしそうなったら、俺は誰かを選ばなくてはいけない状況に陥る。
もちろん選ぶなんて…そんな酷いことはできない。
………
はぁ…どうしたもんか……………………
「歩き疲れたんなら私の背中に乗っても構わないだよ、お前さん?」
「ありがとう、サリィ。 でも大丈夫だよ」
「そうかい? ならいいんだけど……お前さんが疲れた顔してたもんだから」
「え? あぁ、ちょっと考え事をね」
「マネージャー! ウチが相談に乗るっす!」
「アタシもアタシもぉ〜!」
「……話して」
「いや、大した事じゃないから…みんな気にしないでくれ」
ラグナ大陸北部。
わざわざ船を使い海を渡ってきた。
『魔物村』という胡散臭い村があると聞き、俺達は現地へと向かっている。
その名の通り魔物だけが住む村らしい。
聞こえの良い響きでは無かったので、俺自身あまり行きたくはなかったんだけど…。
好奇心旺盛の連れ達が『行かないと犯す』みたいなことを遠回しに言ってくるので仕方なく…。
犯されるのは別に構わない。
問題は４人から一斉にヤられる…ということ。
前回は激薬のおかげで立場が逆転したけど、普段の俺はあそこまで絶倫じゃない。
まぁ良く覚えてないだけどね。
「確か村までの道中に、だだっ広い森があると言ってなかったかい?」
「ふえ? そだっけ?」
「はぁ…リムに聞かない方がいいっすよぉ?」
「おや、これは失礼」
「ぅぅ…バカにされてるぅ……」
実際にバカ(変態)なんだから仕方ないと思う。
「……あなた…あれ」
「ん、あれって?」
前方にぼんやりと見える何か。
森…にしては広い。
んん? ジャングル???
「広いとは聞いてたけど…これは想像以上だなぁ」
「……村…存在確率…高い」
「ルゥの言う通りっす。 広い森が実在したと言うことは、この先に村がある可能性は高いっす!」
「言われてみれば…そうだな」
「でもここを抜けるとあっちゃ、いくら私等でも骨が折れるってもんじゃないかい?」
「一度入ってみないとわからないよ。 無理そうなら引き返せばいい」
「それもそうだね」
「できれば村に行ってみたいよぉ〜!」
「それはウチも同感っす!」
「まぁ噂の真意はどうであれ、俺も村が本当に存在するのか確かめたいからさ。 多少無理してでも行ってみたい…とは思うけど……」
「……遭難?」
「そう。 もしこの森で誰かがはぐれでもしたら、見つけるのは海に落とした米粒を探し出すようなもんだ」
「アタシとルゥちゃんの魔力探知はぁ?」
「俺が遭難したら見つけられないだろ…人間に魔力は流れてないんだから」
「あ、そっか」
不安になってきた…。
やっぱり行かない方がいいか?
「要はお前さんが遭難しなければいいんだね?」
「え? あ、まぁそういうことになるかな」
「だったら私の背中に乗っていけば問題ないじゃないか。 それなら、お前さんが１人で消えることはないだろ?」
「あぁ、なるほど」
確かにそうだ。
仮に俺とサリィがいなくなっても、ルゥかリムの魔力探知で魔物であるサリィの居場所を特定できる。
さすがサリィ、冴えてる。
「そうと決まれば…さあ、乗った乗った!」
「それじゃぁ、お言葉に甘えて…」
「ゼロだけいいなぁ〜…」
「ウチも乗てみたいっす…」
「……興味…ある」
「今回は仕方ないんだから、みんなは我慢してくれ」
「そうだよ。 そのうち乗せてあげるからさ、今は勘弁しておくれよ」
「「「……はぁ〜い」」」
そんなわけで森へ突入。
サリィの背中の上でユラユラと揺れながら、俺一行は深い森の中を突き進む。
「この方向でいいのかい?」
「わからないけど、とにかく進んでみるしかないよ。 もしかすると、２人の探知網に何か引っ掛かるかもしれないし」
「今のところ反応はないよぉ〜」
「……同じく」
「ウチが空から探し出すっていうのはどうっすか?」
「これだけ木々が高いんだ、村なんてそうそう見えないと思うぞ?」
「そういえばそうっすね…」
既に遭難しかけている俺一行。
「お前さん、引き返すことも…１つの選択だと思うよ」
「う〜ん……」
ここまで来ておいて…という気持ちもなくはない。
でも…遭難するよりは遙かにマシだと思う。
「うん、そうだな。 ここは一旦出口に戻って………」
そう言いかけた時…
シュルシュルシュル…ガシッ!
「……えっ?」
体中に植物の根のようなものが巻き付く。
ドサッ!
「いっっっ!?」
サリィの背中から地面に落下。
シュルシュルシュル……
そして巻き付かれたまま、特に木々の生い茂っている方向へと引っ張られる。
「なななな、なんだあ!?」
「……主…拉致」
「マ、マネージャー!?」
「お前さん!」
「ゼロが連れて行かれちゃうよぉ〜!?」
４人は引っ張られる俺を追いかけるが、途中から姿が見えなくなる。
ズルズルズル………
「いっ…いててててっ……! ちょっ、ちょっと…どこまで行くんだ!?」
いろんな所に体を打ち付けながら、ただただ引っ張られていく俺。
そして……
「あぁ…体の節々が痛い……」
少し開けた所に出てようやく止まった。
巻き付いていた根も体から離れていく。
「ふぅ…一体何だったんだ?」
おかげで皆とはぐれてしまった。
引きずられて１分程しか経っていないから、距離的にはそう離れていないはず。
「やれやれ……」
「あら、何かお困り?」
「はい……えっ?」
バクンッ!!!
途方に暮れていたところを誰かに声をかけられバクンと何かに呑み込まれ一瞬世界が暗転する。
「!?!?!?」
同時に様々な事が起きて混乱する俺。
「ほ〜ら♪ 少しは落ち着きなさいよ…ね♪」
「え…な…えっ…?」
「もう、手のかかる坊やねぇ…。 仕方ない……んんんんんん〜〜〜〜〜〜♪」
「むぐううううう〜〜〜〜〜〜!?」
未だに視界が暗い中、俺は誰かから熱い熱いディープを受ける。
「んんんんんん〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪」
「んむうううう〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?」
い、息が……!
「んんんんん〜〜〜……ぷはあ♪」
「ぷはっ!? ゼェ…ゼェ……!」
「はぁぁぁ♪ もしかして坊やの涎って…媚薬か何か? 何だか興奮してきちゃった〜///」
酸素不足のまま目をこらす。
するとそこには………
『アルラウネ』
好色の中の好色。
蕾の中に不思議な密を溜め込んでいる。
もう誰よりも好色。
妖艶で色っぽい笑みを浮かべながら、自分の引き締まった裸体をさらけ出している。
「こんにちわ、坊や♪」
「あ、あなたは!? ということはここって……!?」
「ご名答♪ そしてようこそ〜わたしの体へ♪」
「ひっ!?」
アルラウネに捕まったら生きて帰れないんじゃ…?
「そんなに怖がることないじゃな〜い…/// 大丈夫よ♪ お姉さんが優しく…シ・テ・ア・ゲ・ル♪♪」
「じゅ…十分怖いですからあああ!!」
しかし閉じ込められているので逃げられない。
「坊やのお仲間さんが来る前に……一発ヤっちゃいましょうか♪」
「うああああぁぁぁぁぁぁ……………………」
「おかしいっすねぇ〜…確かこっちに行ったはずだと……」
「ゼ〜〜ロぉ〜〜〜!! ど〜〜こ〜〜〜!?」
「ルゥ…どうだい?」
「……ダメ…探知不能」
必死の捜索は続く。
「あら〜〜……んふふっ♪ 体もそうだけど…ココも凄く逞しいのね♪♪」
「あ、あんまり見ないでほしいんですけど……///」
服は剥ぎ取られ外へ捨てられてしまった。
「わたしだって裸なんだから〜…これでおあいこでしょ?」
「じゃぁ触手で体の自由を奪うのは止めてください……」
「だ〜め♪ こうしないと坊や、きっとわたしに入れてくれないでしょ?」
「うっ……」
お見通しか……!
「それじゃぁまずは〜…この密を全身に塗り塗りするわよ〜♪」
「うわっ…ちょっと!?」
怪しい光を放つ液体を俺の頭からかぶせていく。
「うぅ…ぷはっ……」
「ココは特別念入りに……♪」
「そ、そこは……!」
エロい手つきで俺のペニスを鷲掴みにしてくる。
「ふふふっ♪ ニュルニュル〜……っと♪」
「うっ…ぐ……!?」
堅いペニスがヌルヌルとした感触に包まれていく。
「ふふっ…可愛いわ〜♪ 手コキだけでビクビクしてる……♪」
「うっ…うぅ……!」
そして耐えきれず……
びゅっ…ぶびゅっ!!! びゅるる!! びゅくっびゅくっ……!
「ああん……♪」
手の中で暴発するペニス。
ビチャビチャとアルラウネの腹に特濃ザーメンがふりかかる。
「はぁ…はぁ……」
「もう…我慢できなかったの? 仕様のない坊やね……///」
お腹に付着したザーメンを指で絡め取り、そのまま口へと持っていく。
「ん…れろっ…んはぁ……///」
「っ………」
俺のザーメンを美味しそうに舐め取る女。
………非常にエロい。
「んっ…んく…んく……」
ドロドロと粘っこいのか、なかなか飲み込めない様子。
「っ…っ……はふぅ……御馳走様♪」
「お、お粗末様です…」
狭い密室が生臭いザーメンの臭いで満たされる。
「坊やの精子…すっごく濃厚〜♪ 一口で魔力が満たされちゃう♪」
「そ、それは…良かったです……」
受け答えに困る。
「つ〜ぎ〜は〜…わたしのコ・コ・に……ね♪」
「うわっ!?」
触手に引かれ体と体が密着する。
「ふふっ♪ 坊やのエッチな棒…わたしのおヘソに当たってる…///」
「うぅ…///」
耳元で色っぽい声を出される。
「魔力の詰まった濃い精液…わたしの中で……タップリ出してちょうだいねぇ♪」
ツプッ……ズヌヌヌ………
立ったまま抱き合うような姿勢で結合する。
「んっ…奥まで…あん♪…届いて……///」
亀頭が子宮口とキスをする。
「あっ…ん……んふふっ♪」
「くっ…うぅ…お、奥で…締まって……!」
根本から先へ搾り出すかのようにうねる肉壁。
「この辺りは…んっ…人間の男の子が、全然来ないからぁ…あん…坊やは…貴重な栄養源なのよぉ…///」
触手が俺の腰を強制的に動かし、彼女の中を激しく掻き回す。
「うぐっ…ぐ……!」
「はっ…はっ…我慢…しないでぇ〜…/// わたしも…沢山種を作らないといけないからぁ…///」
首筋をペロリと舐めてくる。
「ん…ふふふ……♪ そろそろ…上がってきたみたいね…///」
近い射精を感じ取り、ペニスを根本まで自らの秘所に密着させる。
「う…ぐっ!?」
「さぁ坊や……た〜くさん…ピュッピュしてね…///」
膨れ上がる肉棒。
そして………
ぴゅっ…びゅく………ぶばっ!! ぼぴゅ! ぼびゅっ! どびゅっ……!!
「あぁ……ぁぁ………♪♪♪」
「あっ…うぅぅ……」
怪しい密の影響か、２発目にも関わらず凄まじい量のザーメンが噴き出る。
「はぁぁぁ…すっごく熱い……///」
「うっ…はぁ…はぁ……」
言葉通り、肉壁が残ったザーメンを搾り尽くす。
「ん…んっ……さすがにもう…出ないわね……///」
「はぁ…はぁ……」
２度しか出していないが量的には５発分。
乱れた息がなかなか戻らない。
「ありがとう、坊や♪ あなたのおかげで…元気な種ができそうだわ♪」
「それは…はぁ…よ、良かった…です……」
「あ、あら? ちょっと搾り過ぎちゃったみたいね……」
「………」
ね…眠い……。
「そう…だ……みんなは……」
きっと俺を捜してるはず……。
「………」
……………
ちょっと…一眠り……したい………気分…………………
「なるほど…私達を敵と勘違いしたってことかい?」
「そ、そうなのよ〜! 坊やを誘拐すれば、きっと手出しできないと思ってぇ…」←嘘
「そういう事なら仕方ないっすよぉ」
「そうそう! ゼロが無事ならそれでイイって!」
「……なぜ…眠ってる?」
ルゥの鋭い質問。
「あ…そ、それはぁ〜……」
「頭でも打ったんすかねぇ?」
「そ、そうなの! 引っ張ってきた時には、もう既に意識は無かったのよぉ!」←嘘
「確かに…随分と派手に引きずられてたからね」
アルラウ姉さん必死の弁解。
「そ、そうだわ! お詫びの印に、わたし達の村に案内してあげる!」
「……村?」
「えぇ! 世間からは『魔物村』って呼ばれてるみたいだけど…」
「「「魔物村!!??」」」
魔物村は実在した。
「ほ、本当にあるんだ…魔物村……」
「ビックリしたっす…」
「私も…正直胡散臭いと思ってたけど……」
来たいと言っていたわりには、あまり信じていなかったらしい。
「ん…うぅ〜ん……」
「……あなた?」
「魔物村って…聞こえたけど……?」
「……うん…この先…あるって」
「そっか…」
ゆっくりと体を起こす。
「ゼロ…大丈夫?」
「あぁ…でも引っ張られた後のこと…正直良く覚えてない」
「気絶してたらしいっすよぉ?」
「あっ…そうだったのか」
「村に案内してくれるそうだから、そこでゆっくり休めばいいよ、お前さん」
「あぁ、そうさせてもらう…」
なんかスッポリと記憶が抜けてる部分がある。
んん…まぁいいか。
「それで案内だけど〜…実はわたしこの場から動けないから、誰か運んでくださる?」
「それなら私が引き受けよう」
「助かります〜」
そんなわけで村に案内してもらうことに。
なんかモヤモヤするんだけど……何なんだろう?
「う、嘘だろ? ほんとに魔物しかいない…」
いるわいるわ魔物達のパラダイス。
その数その種類は実に様々。
「……ん? あぁカレン! お帰り〜!」
「えぇ、ただいま」
「この方達は?」
「数十年ぶりのお客様よ。 遠路はるばる来て下さったの♪」
「ええ!? お客さん!?」
俺達を…正確には俺を見て驚くインプの娘。
「村のみんなに知らせてくる!」
「お願いね♪」
娘はフワ〜っと飛んでいく。
「数十年ぶりって…そんなに珍しいんですか?」
「えぇ。 ご存じの通り、ここへ来るまでの道のりは相当険しいですから」
「カレンさんに会えたウチらは運がいいっす!」
「下手をしたら、一生森の中で彷徨うことになってたかもしれないしね」
俺が誘拐されたのは不幸中の幸いってやつか。
「お疲れでしょうから、長の家にお連れいたします」
「あ、はい。 お願いします」
そのまま村の中を案内される。
この村が俺の人生の終着点になるということは………今はまだ誰も知らない。
「ご苦労、カレン。 もう下がりなさい」
「はぁい♪」
他の魔物達に運ばれていくアルラウネのカレンさん。
「まずはようこそ、我が魔物村へ。 客人を迎えるのは随分と久しい」
「そうみたいですね」
長とはヴァンパイアの事だった。
「村へは何用で?」
「あぁいや、何か特別に用があるわけでは…」
「ならば観光か?」
「あ、はい。 そんなところです」
やはり長だけあって威厳がある。
「見ての通り、この村には我々魔物しか住んでいない」
「人間の方は?」
「我の目の前にいる…そなただけだ」
「ひ、１人もいないんですか!?」
「だからこそ魔物村なのだ」
ほんとに凄い村だなぁ…。
「見たところ冒険者のようだが…表にいる連れの娘達とは、一体どういった関係なのだ?」
「どういった関係かと聞かれても…ただの旅仲間としか……」
「ふむ、そうか…」
「?」
何やら考え込んでいる様子。
そして……
「ものは相談だが…この村の後継者になってくれないか?」
「後継者…ですか?」
そんなことを聞かれた。
…
……
………
こ、後継者!?
「やはり無理な話か?」
「い、いやいや…いきなり後継者にと言われても……」
いきなりにも程があるだろ…。
「後継者といっても、籍をこの村に置くだけのこと。 何か難しいことをやれというわけではない」
「籍を…置く?」
「要は苗床になってくれ…ということだ」
「なっ!!??」
な、苗床!?
「少し言い方が悪かったな。 魔物を増やすための種を提供してくれ…これならどうだ?」
「いや、どうだと言われても…」
長はサラッと言うが、俺にとっては人生を分ける。
「村が栄えるように貢献しろ…ってことですか?」
「ふむ、その様な言い方もある」
「………」
その話…俺にメリットは?
「ここ数年、この村では魔物達の数が減少している」
「その原因は?」
「ほとんどが人肌恋しいという理由だ」
「男に飢えてしまったと?」
「そういうことだ」
「まぁ村に男性がいない時点でそうなりますよね…」
原因はやはり男か…。
「それで…どうだ? もし配偶者になってくれるのであれば、一生食うに困らぬ生活を約束しよう」
「………」
静かな場所で落ち着きたいという願いは確かにある。
魔物の住む村だ、みんな気兼ねなく暮らせるだろうし。
「何故俺にそんな話を? 男なら世界中にたくさん……」
「男なら誰でも良いというわけではない」
「えっ?」
「そなたは魔物を連れて旅をしているのだろう?」
「は、はい…」
「他にそなたのような冒険者を見たことがあるか?」
「あっ…そう言われてみれば……ないですね」
「そう、そなたは『異常』なのだ。 もちろん良い意味でな」
「いやでも、魔物と旅をするなんて珍しいことじゃ……」
「４匹も５匹も魔物を連れて歩く冒険者が…珍しくないと言うのか?」
「そ、それは……」
改めて問われると、確かに俺は異常だ。
「我々はそなたのような男を待っていたのだ。 魔物から好かれ、濃い精を持った男を…」
「濃いって…そこまでわかるんですか?」
「当然だ。 あそこまで強い魔力を帯びたスライムとスケルトンを、我は見たことがない」
まさか俺のアレで…?
「決定的だったのは、ケンタウロスとセイレーンの娘だ」
「２人が…どうかしましたか?」
「む? 認知していないのか?」
「???」
なんのことだ?
「２人の娘は、そなたの子を孕んでいるぞ?」
「え………ええええええ!?」
「知らなかったのか?」
「え、えぇ…２人とも何も言わないので……」
「まだ気付いていないのだろう。 特にセイレーンの娘は、あと３，４週間程で産卵だ」
「ええ!?」
「ハーピー種は受精卵を産み落とすから、さして腹も膨らまないのだ」
「そ、そんな…」
衝撃の事実が発覚する。
たぶんゾルアクアでの大乱交が原因だと思う。
「腹に宿る魔力の性質からして、父親は間違いなくそなただ」
「………」
「諦めて腹を括るのだな」
「もちろん、責任は取ります」
「ほう?」
これこそまさに…自分で蒔いた『種』だ。
「……わかりました…配偶者にでも苗床にでも……なってやろうじゃないですか!」
「ふふっ…気が動転しているな?」
「……どのみち俺には、帰る場所なんてありませんから…」
「……良いのか?」
「………」
きっとこれが…俺の運命だ。
「はい……必ず貢献してみせますよ」
旅がこんなところで終わるとは思わなかった。
でも…きっとこれで良かったのかもしれない。
これでみんなと別れることはなくなったわけだし。
………。
故郷に残したルークが心配だけど……ガゼルさんなら大丈夫だろう。
「そうと決まれば、早速パーティを始めるとしようか」
「パーティ…ですか?」
「そうだ」
スルスルと衣服を脱ぎ始める長。
「えっ…ちょ……!?」
「聞いたな、皆の者! 村の繁栄のため…この男の精を好きなだけ搾り取るが良い!!」
長が叫ぶと同時に、数え切れない程の魔物達が俺に群がってくる。
「ちょ、ちょっと…パーティって……」
「『子作りパーティ』のことだ。 もちろん、我も参加するぞ…///」
「こ、こんなに大勢…相手にできな………うぅ!? そ、そこは……!」
「お兄さんカワイイ〜♪ ワタシが気持ち良くしてあげるね♪」
「仕方ないわねぇ…あ、あんたの子種で我慢してあげるわよ……///」
「私にも精子ちょうだぁ〜〜〜い………///」
１本の肉棒に１００人の女が秘部を濡らす。
「皆待ち焦がれていたなのだ。 すまないが我慢してもらうぞ?」
「そ、そんな…聞いてな………!?」
ゼロンのザーメンが空高く噴き上がる。
「向こうの方が騒がしいっすよぉ?」
「行ってみようよぉ〜♪」
「何か面白い見世物でもあるんじゃないかい?」
「……興味…ある」
ハッピー………エンド?
俺…あぁいや、俺達は各地を転々としてきた。
別段目的あっての旅というわけではない。
『自分探し』
これがこの旅の名目。
達成できたかどうかは正直良くわからない。
少なくとも村で平凡な毎日を送っているよりは、幾分マシな旅だと思う。
………
でも…潮時かなぁなんて近頃考えたりする。
俺の無計画放浪記に、いつまでも彼女達を巻き込むわけにはいかない。
区切りの良いところで、連れの皆と別れなくてはいけない。
………
できれば別れたくない。
これが本音。
３ヶ月も一緒に旅した仲間達。
そう易々と縁を切れる程、俺の神経は図太くない。
しかしだからと言って、このままずっと一緒…というわけにもいかない。
………
いっそのこと家族として、皆と何処かで腰を据えようか?
俺には帰りを待つ人もいないわけだし…。
いやでも…無理か。
ダークスライム
セイレーン
スケルトン
ケンタウロス
上記４名との共同生活。
どうしても想像できない。
家族として落ち着くということは、今の旅仲間としての状態は維持できないと思う。
俺が彼女達を異性として意識してしまうかもしれない。
(意識していないのは今の所ゼロンだけｗ)
もしそうなったら、俺は誰かを選ばなくてはいけない状況に陥る。
もちろん選ぶなんて…そんな酷いことはできない。
………
はぁ…どうしたもんか……………………
「歩き疲れたんなら私の背中に乗っても構わないだよ、お前さん?」
「ありがとう、サリィ。 でも大丈夫だよ」
「そうかい? ならいいんだけど……お前さんが疲れた顔してたもんだから」
「え? あぁ、ちょっと考え事をね」
「マネージャー! ウチが相談に乗るっす!」
「アタシもアタシもぉ〜!」
「……話して」
「いや、大した事じゃないから…みんな気にしないでくれ」
ラグナ大陸北部。
わざわざ船を使い海を渡ってきた。
『魔物村』という胡散臭い村があると聞き、俺達は現地へと向かっている。
その名の通り魔物だけが住む村らしい。
聞こえの良い響きでは無かったので、俺自身あまり行きたくはなかったんだけど…。
好奇心旺盛の連れ達が『行かないと犯す』みたいなことを遠回しに言ってくるので仕方なく…。
犯されるのは別に構わない。
問題は４人から一斉にヤられる…ということ。
前回は激薬のおかげで立場が逆転したけど、普段の俺はあそこまで絶倫じゃない。
まぁ良く覚えてないだけどね。
「確か村までの道中に、だだっ広い森があると言ってなかったかい?」
「ふえ? そだっけ?」
「はぁ…リムに聞かない方がいいっすよぉ?」
「おや、これは失礼」
「ぅぅ…バカにされてるぅ……」
実際にバカ(変態)なんだから仕方ないと思う。
「……あなた…あれ」
「ん、あれって?」
前方にぼんやりと見える何か。
森…にしては広い。
んん? ジャングル???
「広いとは聞いてたけど…これは想像以上だなぁ」
「……村…存在確率…高い」
「ルゥの言う通りっす。 広い森が実在したと言うことは、この先に村がある可能性は高いっす!」
「言われてみれば…そうだな」
「でもここを抜けるとあっちゃ、いくら私等でも骨が折れるってもんじゃないかい?」
「一度入ってみないとわからないよ。 無理そうなら引き返せばいい」
「それもそうだね」
「できれば村に行ってみたいよぉ〜!」
「それはウチも同感っす!」
「まぁ噂の真意はどうであれ、俺も村が本当に存在するのか確かめたいからさ。 多少無理してでも行ってみたい…とは思うけど……」
「……遭難?」
「そう。 もしこの森で誰かがはぐれでもしたら、見つけるのは海に落とした米粒を探し出すようなもんだ」
「アタシとルゥちゃんの魔力探知はぁ?」
「俺が遭難したら見つけられないだろ…人間に魔力は流れてないんだから」
「あ、そっか」
不安になってきた…。
やっぱり行かない方がいいか?
「要はお前さんが遭難しなければいいんだね?」
「え? あ、まぁそういうことになるかな」
「だったら私の背中に乗っていけば問題ないじゃないか。 それなら、お前さんが１人で消えることはないだろ?」
「あぁ、なるほど」
確かにそうだ。
仮に俺とサリィがいなくなっても、ルゥかリムの魔力探知で魔物であるサリィの居場所を特定できる。
さすがサリィ、冴えてる。
「そうと決まれば…さあ、乗った乗った!」
「それじゃぁ、お言葉に甘えて…」
「ゼロだけいいなぁ〜…」
「ウチも乗てみたいっす…」
「……興味…ある」
「今回は仕方ないんだから、みんなは我慢してくれ」
「そうだよ。 そのうち乗せてあげるからさ、今は勘弁しておくれよ」
「「「……はぁ〜い」」」
そんなわけで森へ突入。
サリィの背中の上でユラユラと揺れながら、俺一行は深い森の中を突き進む。
「この方向でいいのかい?」
「わからないけど、とにかく進んでみるしかないよ。 もしかすると、２人の探知網に何か引っ掛かるかもしれないし」
「今のところ反応はないよぉ〜」
「……同じく」
「ウチが空から探し出すっていうのはどうっすか?」
「これだけ木々が高いんだ、村なんてそうそう見えないと思うぞ?」
「そういえばそうっすね…」
既に遭難しかけている俺一行。
「お前さん、引き返すことも…１つの選択だと思うよ」
「う〜ん……」
ここまで来ておいて…という気持ちもなくはない。
でも…遭難するよりは遙かにマシだと思う。
「うん、そうだな。 ここは一旦出口に戻って………」
そう言いかけた時…
シュルシュルシュル…ガシッ!
「……えっ?」
体中に植物の根のようなものが巻き付く。
ドサッ!
「いっっっ!?」
サリィの背中から地面に落下。
シュルシュルシュル……
そして巻き付かれたまま、特に木々の生い茂っている方向へと引っ張られる。
「なななな、なんだあ!?」
「……主…拉致」
「マ、マネージャー!?」
「お前さん!」
「ゼロが連れて行かれちゃうよぉ〜!?」
４人は引っ張られる俺を追いかけるが、途中から姿が見えなくなる。
ズルズルズル………
「いっ…いててててっ……! ちょっ、ちょっと…どこまで行くんだ!?」
いろんな所に体を打ち付けながら、ただただ引っ張られていく俺。
そして……
「あぁ…体の節々が痛い……」
少し開けた所に出てようやく止まった。
巻き付いていた根も体から離れていく。
「ふぅ…一体何だったんだ?」
おかげで皆とはぐれてしまった。
引きずられて１分程しか経っていないから、距離的にはそう離れていないはず。
「やれやれ……」
「あら、何かお困り?」
「はい……えっ?」
バクンッ!!!
途方に暮れていたところを誰かに声をかけられバクンと何かに呑み込まれ一瞬世界が暗転する。
「!?!?!?」
同時に様々な事が起きて混乱する俺。
「ほ〜ら♪ 少しは落ち着きなさいよ…ね♪」
「え…な…えっ…?」
「もう、手のかかる坊やねぇ…。 仕方ない……んんんんんん〜〜〜〜〜〜♪」
「むぐううううう〜〜〜〜〜〜!?」
未だに視界が暗い中、俺は誰かから熱い熱いディープを受ける。
「んんんんんん〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪」
「んむうううう〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?」
い、息が……!
「んんんんん〜〜〜……ぷはあ♪」
「ぷはっ!? ゼェ…ゼェ……!」
「はぁぁぁ♪ もしかして坊やの涎って…媚薬か何か? 何だか興奮してきちゃった〜///」
酸素不足のまま目をこらす。
するとそこには………
『アルラウネ』
好色の中の好色。
蕾の中に不思議な密を溜め込んでいる。
もう誰よりも好色。
妖艶で色っぽい笑みを浮かべながら、自分の引き締まった裸体をさらけ出している。
「こんにちわ、坊や♪」
「あ、あなたは!? ということはここって……!?」
「ご名答♪ そしてようこそ〜わたしの体へ♪」
「ひっ!?」
アルラウネに捕まったら生きて帰れないんじゃ…?
「そんなに怖がることないじゃな〜い…/// 大丈夫よ♪ お姉さんが優しく…シ・テ・ア・ゲ・ル♪♪」
「じゅ…十分怖いですからあああ!!」
しかし閉じ込められているので逃げられない。
「坊やのお仲間さんが来る前に……一発ヤっちゃいましょうか♪」
「うああああぁぁぁぁぁぁ……………………」
「おかしいっすねぇ〜…確かこっちに行ったはずだと……」
「ゼ〜〜ロぉ〜〜〜!! ど〜〜こ〜〜〜!?」
「ルゥ…どうだい?」
「……ダメ…探知不能」
必死の捜索は続く。
「あら〜〜……んふふっ♪ 体もそうだけど…ココも凄く逞しいのね♪♪」
「あ、あんまり見ないでほしいんですけど……///」
服は剥ぎ取られ外へ捨てられてしまった。
「わたしだって裸なんだから〜…これでおあいこでしょ?」
「じゃぁ触手で体の自由を奪うのは止めてください……」
「だ〜め♪ こうしないと坊や、きっとわたしに入れてくれないでしょ?」
「うっ……」
お見通しか……!
「それじゃぁまずは〜…この密を全身に塗り塗りするわよ〜♪」
「うわっ…ちょっと!?」
怪しい光を放つ液体を俺の頭からかぶせていく。
「うぅ…ぷはっ……」
「ココは特別念入りに……♪」
「そ、そこは……!」
エロい手つきで俺のペニスを鷲掴みにしてくる。
「ふふふっ♪ ニュルニュル〜……っと♪」
「うっ…ぐ……!?」
堅いペニスがヌルヌルとした感触に包まれていく。
「ふふっ…可愛いわ〜♪ 手コキだけでビクビクしてる……♪」
「うっ…うぅ……!」
そして耐えきれず……
びゅっ…ぶびゅっ!!! びゅるる!! びゅくっびゅくっ……!
「ああん……♪」
手の中で暴発するペニス。
ビチャビチャとアルラウネの腹に特濃ザーメンがふりかかる。
「はぁ…はぁ……」
「もう…我慢できなかったの? 仕様のない坊やね……///」
お腹に付着したザーメンを指で絡め取り、そのまま口へと持っていく。
「ん…れろっ…んはぁ……///」
「っ………」
俺のザーメンを美味しそうに舐め取る女。
………非常にエロい。
「んっ…んく…んく……」
ドロドロと粘っこいのか、なかなか飲み込めない様子。
「っ…っ……はふぅ……御馳走様♪」
「お、お粗末様です…」
狭い密室が生臭いザーメンの臭いで満たされる。
「坊やの精子…すっごく濃厚〜♪ 一口で魔力が満たされちゃう♪」
「そ、それは…良かったです……」
受け答えに困る。
「つ〜ぎ〜は〜…わたしのコ・コ・に……ね♪」
「うわっ!?」
触手に引かれ体と体が密着する。
「ふふっ♪ 坊やのエッチな棒…わたしのおヘソに当たってる…///」
「うぅ…///」
耳元で色っぽい声を出される。
「魔力の詰まった濃い精液…わたしの中で……タップリ出してちょうだいねぇ♪」
ツプッ……ズヌヌヌ………
立ったまま抱き合うような姿勢で結合する。
「んっ…奥まで…あん♪…届いて……///」
亀頭が子宮口とキスをする。
「あっ…ん……んふふっ♪」
「くっ…うぅ…お、奥で…締まって……!」
根本から先へ搾り出すかのようにうねる肉壁。
「この辺りは…んっ…人間の男の子が、全然来ないからぁ…あん…坊やは…貴重な栄養源なのよぉ…///」
触手が俺の腰を強制的に動かし、彼女の中を激しく掻き回す。
「うぐっ…ぐ……!」
「はっ…はっ…我慢…しないでぇ〜…/// わたしも…沢山種を作らないといけないからぁ…///」
首筋をペロリと舐めてくる。
「ん…ふふふ……♪ そろそろ…上がってきたみたいね…///」
近い射精を感じ取り、ペニスを根本まで自らの秘所に密着させる。
「う…ぐっ!?」
「さぁ坊や……た〜くさん…ピュッピュしてね…///」
膨れ上がる肉棒。
そして………
ぴゅっ…びゅく………ぶばっ!! ぼぴゅ! ぼびゅっ! どびゅっ……!!
「あぁ……ぁぁ………♪♪♪」
「あっ…うぅぅ……」
怪しい密の影響か、２発目にも関わらず凄まじい量のザーメンが噴き出る。
「はぁぁぁ…すっごく熱い……///」
「うっ…はぁ…はぁ……」
言葉通り、肉壁が残ったザーメンを搾り尽くす。
「ん…んっ……さすがにもう…出ないわね……///」
「はぁ…はぁ……」
２度しか出していないが量的には５発分。
乱れた息がなかなか戻らない。
「ありがとう、坊や♪ あなたのおかげで…元気な種ができそうだわ♪」
「それは…はぁ…よ、良かった…です……」
「あ、あら? ちょっと搾り過ぎちゃったみたいね……」
「………」
ね…眠い……。
「そう…だ……みんなは……」
きっと俺を捜してるはず……。
「………」
……………
ちょっと…一眠り……したい………気分…………………
「なるほど…私達を敵と勘違いしたってことかい?」
「そ、そうなのよ〜! 坊やを誘拐すれば、きっと手出しできないと思ってぇ…」←嘘
「そういう事なら仕方ないっすよぉ」
「そうそう! ゼロが無事ならそれでイイって!」
「……なぜ…眠ってる?」
ルゥの鋭い質問。
「あ…そ、それはぁ〜……」
「頭でも打ったんすかねぇ?」
「そ、そうなの! 引っ張ってきた時には、もう既に意識は無かったのよぉ!」←嘘
「確かに…随分と派手に引きずられてたからね」
アルラウ姉さん必死の弁解。
「そ、そうだわ! お詫びの印に、わたし達の村に案内してあげる!」
「……村?」
「えぇ! 世間からは『魔物村』って呼ばれてるみたいだけど…」
「「「魔物村!!??」」」
魔物村は実在した。
「ほ、本当にあるんだ…魔物村……」
「ビックリしたっす…」
「私も…正直胡散臭いと思ってたけど……」
来たいと言っていたわりには、あまり信じていなかったらしい。
「ん…うぅ〜ん……」
「……あなた?」
「魔物村って…聞こえたけど……?」
「……うん…この先…あるって」
「そっか…」
ゆっくりと体を起こす。
「ゼロ…大丈夫?」
「あぁ…でも引っ張られた後のこと…正直良く覚えてない」
「気絶してたらしいっすよぉ?」
「あっ…そうだったのか」
「村に案内してくれるそうだから、そこでゆっくり休めばいいよ、お前さん」
「あぁ、そうさせてもらう…」
なんかスッポリと記憶が抜けてる部分がある。
んん…まぁいいか。
「それで案内だけど〜…実はわたしこの場から動けないから、誰か運んでくださる?」
「それなら私が引き受けよう」
「助かります〜」
そんなわけで村に案内してもらうことに。
なんかモヤモヤするんだけど……何なんだろう?
「う、嘘だろ? ほんとに魔物しかいない…」
いるわいるわ魔物達のパラダイス。
その数その種類は実に様々。
「……ん? あぁカレン! お帰り〜!」
「えぇ、ただいま」
「この方達は?」
「数十年ぶりのお客様よ。 遠路はるばる来て下さったの♪」
「ええ!? お客さん!?」
俺達を…正確には俺を見て驚くインプの娘。
「村のみんなに知らせてくる!」
「お願いね♪」
娘はフワ〜っと飛んでいく。
「数十年ぶりって…そんなに珍しいんですか?」
「えぇ。 ご存じの通り、ここへ来るまでの道のりは相当険しいですから」
「カレンさんに会えたウチらは運がいいっす!」
「下手をしたら、一生森の中で彷徨うことになってたかもしれないしね」
俺が誘拐されたのは不幸中の幸いってやつか。
「お疲れでしょうから、長の家にお連れいたします」
「あ、はい。 お願いします」
そのまま村の中を案内される。
この村が俺の人生の終着点になるということは………今はまだ誰も知らない。
「ご苦労、カレン。 もう下がりなさい」
「はぁい♪」
他の魔物達に運ばれていくアルラウネのカレンさん。
「まずはようこそ、我が魔物村へ。 客人を迎えるのは随分と久しい」
「そうみたいですね」
長とはヴァンパイアの事だった。
「村へは何用で?」
「あぁいや、何か特別に用があるわけでは…」
「ならば観光か?」
「あ、はい。 そんなところです」
やはり長だけあって威厳がある。
「見ての通り、この村には我々魔物しか住んでいない」
「人間の方は?」
「我の目の前にいる…そなただけだ」
「ひ、１人もいないんですか!?」
「だからこそ魔物村なのだ」
ほんとに凄い村だなぁ…。
「見たところ冒険者のようだが…表にいる連れの娘達とは、一体どういった関係なのだ?」
「どういった関係かと聞かれても…ただの旅仲間としか……」
「ふむ、そうか…」
「?」
何やら考え込んでいる様子。
そして……
「ものは相談だが…この村の後継者になってくれないか?」
「後継者…ですか?」
そんなことを聞かれた。
…
……
………
こ、後継者!?
「やはり無理な話か?」
「い、いやいや…いきなり後継者にと言われても……」
いきなりにも程があるだろ…。
「後継者といっても、籍をこの村に置くだけのこと。 何か難しいことをやれというわけではない」
「籍を…置く?」
「要は苗床になってくれ…ということだ」
「なっ!!??」
な、苗床!?
「少し言い方が悪かったな。 魔物を増やすための種を提供してくれ…これならどうだ?」
「いや、どうだと言われても…」
長はサラッと言うが、俺にとっては人生を分ける。
「村が栄えるように貢献しろ…ってことですか?」
「ふむ、その様な言い方もある」
「………」
その話…俺にメリットは?
「ここ数年、この村では魔物達の数が減少している」
「その原因は?」
「ほとんどが人肌恋しいという理由だ」
「男に飢えてしまったと?」
「そういうことだ」
「まぁ村に男性がいない時点でそうなりますよね…」
原因はやはり男か…。
「それで…どうだ? もし配偶者になってくれるのであれば、一生食うに困らぬ生活を約束しよう」
「………」
静かな場所で落ち着きたいという願いは確かにある。
魔物の住む村だ、みんな気兼ねなく暮らせるだろうし。
「何故俺にそんな話を? 男なら世界中にたくさん……」
「男なら誰でも良いというわけではない」
「えっ?」
「そなたは魔物を連れて旅をしているのだろう?」
「は、はい…」
「他にそなたのような冒険者を見たことがあるか?」
「あっ…そう言われてみれば……ないですね」
「そう、そなたは『異常』なのだ。 もちろん良い意味でな」
「いやでも、魔物と旅をするなんて珍しいことじゃ……」
「４匹も５匹も魔物を連れて歩く冒険者が…珍しくないと言うのか?」
「そ、それは……」
改めて問われると、確かに俺は異常だ。
「我々はそなたのような男を待っていたのだ。 魔物から好かれ、濃い精を持った男を…」
「濃いって…そこまでわかるんですか?」
「当然だ。 あそこまで強い魔力を帯びたスライムとスケルトンを、我は見たことがない」
まさか俺のアレで…?
「決定的だったのは、ケンタウロスとセイレーンの娘だ」
「２人が…どうかしましたか?」
「む? 認知していないのか?」
「???」
なんのことだ?
「２人の娘は、そなたの子を孕んでいるぞ?」
「え………ええええええ!?」
「知らなかったのか?」
「え、えぇ…２人とも何も言わないので……」
「まだ気付いていないのだろう。 特にセイレーンの娘は、あと３，４週間程で産卵だ」
「ええ!?」
「ハーピー種は受精卵を産み落とすから、さして腹も膨らまないのだ」
「そ、そんな…」
衝撃の事実が発覚する。
たぶんゾルアクアでの大乱交が原因だと思う。
「腹に宿る魔力の性質からして、父親は間違いなくそなただ」
「………」
「諦めて腹を括るのだな」
「もちろん、責任は取ります」
「ほう?」
これこそまさに…自分で蒔いた『種』だ。
「……わかりました…配偶者にでも苗床にでも……なってやろうじゃないですか!」
「ふふっ…気が動転しているな?」
「……どのみち俺には、帰る場所なんてありませんから…」
「……良いのか?」
「………」
きっとこれが…俺の運命だ。
「はい……必ず貢献してみせますよ」
旅がこんなところで終わるとは思わなかった。
でも…きっとこれで良かったのかもしれない。
これでみんなと別れることはなくなったわけだし。
………。
故郷に残したルークが心配だけど……ガゼルさんなら大丈夫だろう。
「そうと決まれば、早速パーティを始めるとしようか」
「パーティ…ですか?」
「そうだ」
スルスルと衣服を脱ぎ始める長。
「えっ…ちょ……!?」
「聞いたな、皆の者! 村の繁栄のため…この男の精を好きなだけ搾り取るが良い!!」
長が叫ぶと同時に、数え切れない程の魔物達が俺に群がってくる。
「ちょ、ちょっと…パーティって……」
「『子作りパーティ』のことだ。 もちろん、我も参加するぞ…///」
「こ、こんなに大勢…相手にできな………うぅ!? そ、そこは……!」
「お兄さんカワイイ〜♪ ワタシが気持ち良くしてあげるね♪」
「仕方ないわねぇ…あ、あんたの子種で我慢してあげるわよ……///」
「私にも精子ちょうだぁ〜〜〜い………///」
１本の肉棒に１００人の女が秘部を濡らす。
「皆待ち焦がれていたなのだ。 すまないが我慢してもらうぞ?」
「そ、そんな…聞いてな………!?」
ゼロンのザーメンが空高く噴き上がる。
「向こうの方が騒がしいっすよぉ?」
「行ってみようよぉ〜♪」
「何か面白い見世物でもあるんじゃないかい?」
「……興味…ある」
ハッピー………エンド?
10/02/19 14:21更新 / HERO
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