連載小説
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『変態と俺』
「あ…流れ星……」

村を飛び出して数日経つ。
今は夜。
草原の真ん中で火を焚きながら、空に浮かぶ無数の星を、ただぼんやりと眺めている。
決して旅慣れしてるわけじゃないけど、意外にどうにかなっている。
いや…旅って存外楽しいもんだなぁ。

「ふぅ…」

村で地味な仕事を黙々とこなしてるより、俺にはこっちの方が性にあっている気がする。
目的の無い旅……。
あぁ…青春してるなぁ、俺。(現在19)

「どこに行こうか…」

寝そべりながら考える。
自分探しに目的地なんてない。
旅を通じて本当の自分を見出す。
簡単そうで案外難しい旅。

「明日考えよ…」

そうだ、時間はいくらでもある。
のんびり旅をするさ。
自分探しなんて、生きている内に達成できればそれでいい。

「………」

どうせ村に帰ったところで、俺を待っている人間なんて誰もいない。
はぁ…なんか寂しい。
………。
そうだ!
自分探しを兼ねて、嫁も一緒に探すっていうのは?
………。
そんなに上手くいかないよね…。
はぁ…溜め息しか出ないよ。

「嫁さんか…できることなら、今すぐにでも欲しいよ……」

そのまま目を閉じ眠りに落ちる。


ゼロンの呟きに、流れ星が応えるように過ぎ去っていく……………






「ぜぇ…はぁ…ぜぇ…ぜぇ……」

翌日。
行商人から、この先に大きな町があると聞いて早速向かっていたんだけど……。

「お、おかしいだろ…ぜぇ…なんで…スライムの集団に…はぁ…ダークスライムが…混じってんだよ…!?」

旅に魔物との『エンカウント』はつきもの。
今までだって何度か遭遇してきた。
昼間はスライムやリザードマン、夜間にはデビルバグ等々。
村では力仕事をしてたから、これらの魔物達には苦もなく勝つことができた。
(装備は鉄の腕当てのみ。 これを使って、実際素手のみで戦っている)
でも今回の相手は一味違う。

「はぁ…はぁ…はぁ……」
「どっこ行っくのぉ〜〜?」
「うわっ!?」


『ダークスライム』
スライムの亜種。
魔界の魔力により生態系に変化を来した魔物。
かなりの好色者であり、戦闘能力も非常に高い。
駆け出しの冒険者はスライムと勘違いして痛い思い?をすることもある。


言っておくけど、ダークスライムだってことは一目でわかった。
だからこうして逃げるコマンドを連打してたのに……。
残念ながら回り込まれた。(地面から沸いて出てきた)

「つれないな〜? 逃げることないじゃ〜ん♪」
「はぁ…はぁ…強敵からは…逃げる…はぁ…旅の基本だからさ」
「でもキミ、逃げられてないよ?」
「…みたいだね」

強い敵からは逃げづらい。
万物共通の設定に脱帽。

「今日はラッキーだよ〜♪ 今までで一番美味しそうだもん、キミ〜♪」
「ははっ…どうも」

美味しそうって言われて喜ぶ人間はいないだろうな。
いるのなら是非お会いしたい。

「んふふ〜♪ アタシ専用にしちゃおっかなぁ〜♪」
「せ、専用!?」

あぁ、マズイ…!
このままだと俺、スライムの『専用』になる!
どうにかしないと……!

「じゃぁとりあえず〜……」
「…とりあえず?」
「味見、させてもらうね〜ん♪」
「あ、味見!?」

そう言うと、黒スラは俺に覆い被さる。
あぁ…もうダメだ……。
『専用』決定だ……。
家畜だ…餌だ…性奴隷だ…。
しょっぱい人生だったなぁ……ってあれ?
スライムが体から離れていく。
もしかして…助かった?

「うん、良さ気な肌触り…やっぱり美味しそう♪ それと…下準備はこれでお〜終い♪」
「下準備…?」
「逃走防止対策! 腕と足、動かないでしょ?」
「えっ………うお!?」

彼女の一部が両腕・両足を手錠のように拘束している。
スライムのはずなのに、鋼の如く硬質化しているそれ。

「さっきみたいに逃げられちゃうと面倒だからさぁ、私の一部に大量の魔力を流し込んで切り離したんだ! 鉄より固いと思うけど…ごめんね♪」
「謝るぐらいなら逃がして欲しいんだけど……」
「ダ〜〜〜メ♪」
「だよね………」

捕食の時間だ。






「んん…ちゅ…んむ…ちゅる…んっ…あむ……」
「っ…っ…!」

結局この有様。

「んむ…んふふ〜…きもひいいれひょ〜?」
「う…くっ…!」

喋ると……堪らん!

「んん……あたひのからひゃは…んむ…ほこからいれひぇも…ちゅう…んっ…おんあのあひょこと…ん…いっひょなんらよ〜♪」
「くっ……う!?」

びゅっ びゅく! びゅる! びゅ〜〜……

「ん…んくっ…んくっ…んくっ……♪」
「あ…あぁ……」

大量のザーメンを飲み込むように自らの体へと吸収させていく。

どぷん…とぷん……ぴゅくん………

「んんん〜〜〜!」
「ちょっ…それは…!」

内部に残った精子をバキュームで吸い出す。

「ちゅ〜〜〜………ぷはぁ! 口だからって…油断してたんでしょ〜?」
「はぁ…はぁ…そうか…スライムに…口なんて無かった…」
「そ〜いうこと♪ それにしてもキミの精子、すっごく美味しいよぉ♪ 勢いも凄いし…癖になっちゃいそう♪」
「満足…した?」
「な〜に言ってんのよん? あと十発は出してもらわないと〜♪」
「ええ!?」
「じゃぁ早速2回目…いっきま〜す♪」
「ちょっと…待って! は、早……うっ!?」

今度は俺の身体を包み込むように弄び始める。
スライムの顔の部分だけは俺とのディープキスを楽しむ。

「む…んん……!?」
「ちゅっ…ちゅう…じゅる……あっ…もう、顔逸らさないでよぉ…」
「はぁ…はぁ……むぐっ!?」
「んっ…んん〜……ぷあっ! 罰としてキミの涎…ぜ〜んぶ吸っちゃうからね♪」

口内を問答無用でまさぐられる。
下の肉棒も同様お世話になっている。
上と下を同時に攻めるなんて、さすがスライムと言うべき……うう!?

ぴゅぐ…びゅっ…びゅううう〜〜……

「あはっ♪ さっきより出てるよぉ♪」
「う…うぅ……」

堪える余裕を与えないための口攻め。
搾取技術の高さには目を見張る。

「くっ…こうなったら…!」

持ち前の腕力で腕の拘束をばれないように解く。
………よし、成功!
固い物質は力の入れようでどうにでもなる。
これは硬質化スライムも例外ではなかった。
そしてダークスライム特有の『コア』に手を伸ばす。
これさえ掴めば俺の勝利……うう!?

どぴゅっ…どぷん…どびゅ〜〜……

そんな…まさか…!?
今出したばっかりなのに!?
ありえない間隔で射精してるぞ俺!!

「よ〜し♪ コツ掴んできたよ〜♪」

コアより先にコツを掴まれた。

「さぁどんどん出してもらうからね〜♪」

な、なんのこれしき…!
コアはもう目と鼻の先!
快感にさえ負けなければ、今度こそ俺の勝……うう!?

びゅっ…びゅくん! びゅる〜〜……

あぁ…腕に力が入らない……。
次出されたら間違いなく意識を持っていかれる。
その前にコアを掴……うう!?

びゅぐ! ぴゅぐん! びゅっ…びゅ〜〜〜……

待ってくれ……俺の意識達……………






「ん……ん? あれ…俺は……」

三時間程で目が覚めた。
太陽の位置からして、時刻は恐らく正午過ぎ。

「あの子は……良かった…もういないか」

辺りを見渡してもスライムらしき姿は見当たらない。

「死ぬほど出したからなぁ、さすがに満足して帰ってくれたか…」

気絶してる間にも犯されていたと思うと……うぅ…ゾッとする。

「そうだ…また襲われる前に、早いとこ町に着かないと…!」

そう思い立ち上がろうとすると……
「アタシも一緒に行く〜〜!!」
「うおおおおおいい!?」
懐から出てきた。
どうりで体が重いと思った…。

「どっから出てきてんだよ!?」
「だって快適だったんだもん…」
「服の中に快適もなにもないだろ!?」
「ええ〜? そんなことないよぉ?」

スライムって皆こうなのか?

「キミの体…暖かくてすっごく気持ちいいんだも〜ん♪ 『懐フェチ』のアタシにはもうたまんないよぉ♪♪♪」
「懐フェチってなんなんだよ!?」

変態だコイツ………。
厄介な魔物に好かれてしまった。
何を言ってもついてくるな、きっと。

「そんなことより…キミ、名前は? アタシはリム!」
「え? あ、あぁ…ゼロン」
「エロン? へえ〜エッチな名前…」
「ゼ・ロ・ン!!」
「なはは〜〜冗談だって! ゼ〜ロ♪」
「はぁ…もうそれでいいよ……」

もう面倒くさい…『ゼロ』に改名しよう。

「町に行くって言ったよね? だったらこの先におっきな町があるよ!」
「うん知ってる。 そこに向かってる途中、お前に襲われたんだもん」
「襲われたなんて人聞きが悪いな〜…」
「じゃぁなんだってんだよ?」
「気持ち良くしてあげた♪」
「一緒だよ!!!」





仲間ができた。
ダークスライムのリム。
自分探しの旅にはまったく関係ないけど、まぁどの道離れてくれないだろうから同行させることにした。
戦力としては申し分ないから……良しとしよう。
………。
スタミナも付けておかないと……!
この命のために!!!





                       俺の旅は終わらない
10/01/27 15:49更新 / HERO
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■作者メッセージ
HEROです。
セカンドシーズンなんて格好付けてますけど、内容は前作と大差ありません。

ルークとゼロンは名前違いだと思ってくれて構いません。
性格は敢えて似せています。
世界観はルークの時代の少し前の話ということにしておいてください。
『ルークの祖父の話なんてどうかな!?』と一瞬思いましたが、そもそも魔物から人間の子は生まれないことに気づき断念。
そこでゼロンには、ルークの父の弟という立場に立ってもらうことにしました。
ルークから見たら叔父にあたります。

連載第2号です。
楽しんでいただけたら幸いです!

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