堕落の元凶の出陣
「な、何で当たらないんだ……!?」
「そりゃあ、動きが単調すぎるし、大きく振りかぶり過ぎなんだ。私に言わせれば『かわして下さい』って言ってる様なものです」
息を切らすリザードマンと、汗を少し書いている程度の青年。第三者から見れば少々異質な光景だろう。
戦闘は一時中断となった。そしてその好機を狙う者がいた。
「ご、ご主人しゃま! ようやく終わりましたか!?」
赤羽のインプが木陰から飛び出し、彼の腰に抱きついた。
「いや、残念ながら未決着。でもお終いには変わりないよ」
「そ、そうでしか」
それを聞いてヴィオラは焦った。
「お、おい! まだ決着はついてないぞ!」
「貴女の目的は勇者と戦う事でしょう? ここで体力を温存しないでどうするんです?」
「うぐ」
インプは早く報告がしたい様子で、先程からモジモジと股の辺りが動いている。
「で、どうだった。勇者の様子は」
「ひゃ、ひゃい! 勇者は魔法使いの女の子を連れてルトゥムの森へ行きましたが、森のボブゴブリンに吹っ飛ばされて……」
勇者は弱かった。
「……えー、じゃあ私はどうすれば」
一気に元気をなくしたヴィオラがそこにはいた。
「さぁ? 私達は拠点に戻りますし、貴方もバレンティアに戻られたらどうです?」
何気ない提案だった。だがそれを聞いて彼女はむっつり顔になる。
「嫌にきまってんだろー。ゴブリンにやられる様じゃ、先が思いやられる。そんな男を婿にしたくないやい」
まぁ、普通の意見だろう。
「それじゃ、帰るとしようか。上司に報告もしないといけないし、経過も気になる。―――お前にも『ご褒美』をやらないと、な」
赤羽のインプに視線を向けて言う。それを聞いて彼女は一瞬身体をビクリと反応させ、上気した表情になった。眼は潤み、息は荒くなり、まるで何かを欲するように。
ヒラは膝立ちになり、赤羽と同じ位置に顔が来るようにした。視線をインプのそれに合わせると、彼女の顔はますます赤くなった。
「……欲しいかい?」
「はぃぃ……♪ 欲しいれすぅ♪ 早くわらひのこどもまんこに、ご主人しゃまのおなさけをぉぉ……」
「うわわわ!! こんな昼間から何て事を言うんだこのインプ!?」
どうやらヴィオラに『そういった』耐性は無いらしい。
「さて、私達は帰りますね。それに、貴女がこちらに来るのはまだ早いと思いますよ。こちらに来たら、婿探しなんて出来なくなると思いますし」
「そ、そうか。それじゃアタシは大人しく町に戻るよ」
「ええ、お気をつけて。次に会った時にもう一度、お手合わせを願いましょう」
「ほ、本当か!?」
眼がキラキラと輝いている。余程の戦闘マニアなのだろうか。
「ええ。それでは」
隣のインプがもにょもにょと呟くと、霞の様に消えてしまった。
「……ヒラ、だったっけか。アイツの名前。……そんな名前の付いた奴なんていたかなぁ?」
二文字の、余り意味のあるとは思えない名前の戦士。そんな奴はいただろうか。
「うーん、ひら、ヒラ、平? ……ユキヒラ? なんだそりゃ」
パッと出た訳の分からない名前を呟いて、彼女はバレンティアへ戻った。
「戻りましたか、我が愛しい僕よ」
「はい、勇者の補足と観察は赤羽がぬかりなく、完璧に行ってくれました」
眼前の主の前で片膝をつき報告をする青年。
「ふむ。勇者は現在、恐れる存在ではない……最初はそうだろう。むしろ最初から強大な敵ではその後が困る」
打ち倒すための戦力、動員する人員、各種道具、洗脳・調教に要する時間。それらは有限であり無暗に浪費すべきものではない。
「そういえば、勇者アレンのその後はどうなりましたか? 私の予想では既にインキュバスに変化してもおかしくないと思うのですが」
四日前に堕とし、愛する者と交わり続けているであろうあの勇者、その仲間。その後の経過が気がかりだった。
「勇者アレンはアルトレアとのまぐわいにより、つい昨日変化しました。その時のあの娘の表情―――とても幸せな様子でしたわ」
彼女が愛する男の変化に気付いたその時、その表情は例え様のない純粋な喜びと、これから更にまぐわる事の出来る、その期待による淫らな顔。
―――見慣れたものではあったが、その度に見ているこちらも幸せになりそうだとその度にカルディアは思うのだ。
「それじゃあ私はレスカティエに行くわ」
「……そうですか、我が主よ」
黄金の装飾椅子から立ち上がり、散歩に行くかのように告げた。
「今度は、どの様な者が我らの仲間になるのでしょう?」
訊くと彼女は大層楽しげに言った。
「歴代勇者の中でもとびきりの能力と技量を持ち、誰かへの恋心を募らせた―――ひとりの女の子よ。もうすぐレスカティエは堕ちる。あそこは魔界の一部になり、周辺地域は全て新魔の領地になる。それでこそ魔王様が望んだ光景になるわ。心躍るでしょう?」
紅の双眸は笑顔に歪み、それはそれは淫らに揺れ、歪んでいた。
「ええ。とてもとても―――肉欲の宴は昼夜と問わず、禁欲に耽る聖者は快楽に溺れ、またひとつ、魔界が生まれる。我らの仲間の産声もそこいらで木霊するのかもしれません」
彼の顔も、それはそれは嬉しそうに歪んでいた。
「では、行ってくるわ、私の愛しい―――ユキヒラ」
「ええ、行ってらっしゃいませ。我が愛しき―――主よ」
「ご主人しゃまぁ……、もう、限界です! 早く、早く精をぉ……」
もう限界と言わんばかりの表情でユキヒラは顔を近づける。
「そうだな。これ以上我慢させるほど私も鬼じゃない……」
「じ、じゃあ!」
ぱあっ、と明るく、しかし淫らに染まった笑顔になる。
「あぁ。しようか。―――あの場所で、な」
瞬間、赤羽の表情は驚きのものになった。すぐにそれは変貌し、より嬉しそうな物に変わる。
「はい―――ご主人様♥ 」
湯汲みを終え、全裸で『あの部屋』の扉の前に立つ二人。
ゆっくりと扉を開け、隙間が出来たその瞬間から汗のにおい、青臭いにおい、発情を促すかのような匂いが漏れ出した。
その部屋は何時でも、誰かがまぐわう所為で、そういった匂いが充満していた。入ってすぐの床の上でも構わずに一組の男女が汗にまみれながらまぐわっていた。
―――かつての勇者一行と思えないほどに、その表情は生き生きとしていた。
一人の男性に一人の女性、或いは二人以上の女性が相手になり、まぐわい、抱き合い、或いは絡みつき、ソファーやベッドに抱き合って眠っている。その数は数十人ほどだろうか。この部屋の誰もが、恐らく恥じらう事無く行為に及んでいるのだろう。
部屋に入った二人に一人のサキュバスが近づいてきた。薄くなった色の金の髪、まだ産毛の若干生えている身体にまだ小ぶりな羽と尾。―――この部屋のベッドの上でまぐわっていた、聖女アリカだった。
「あぁ―――貴方でしたの。お久しぶりですね」
「あぁ、貴女か。どうだ? 好みの男は見つかったか?」
くすりと笑うアリカ。
「いえ―――残念ながら。ですが、今、見つけましたわ」
ユキヒラの腕に抱きついた赤羽がむっ、と顔をしかめる。
「あら、何も一人占めをしようとは思っておりませんわ。だから―――」
ユキヒラは赤羽の太股をしゃがんで背後から抱きかかえる。その体制は周囲に丸見えの恰好となる。主に、赤羽の秘所が。
「うああ!? やだ! みんなに見えちゃう!」
口では言うが、顔は嫌がっておらず、むしろ喜んでいるように見える。秘所からはとめどなく粘ついた汁が垂れて足元を湿らせている。
「さ♪ この殿方様に何をしてほしいのか、そのお口で言って御覧なさい? そうすればきっと叶えて下さいますわ♪」
現にこちらを向くサキュバスが数名いた。ここで声をあげ、『今からセックスします!』等と大声で公言しようものなら、一気に注目の的になるだろう。
「さぁ、私達は勿論、皆様にも聞こえる様な声で言って下さいな。でなければ私がこの殿方のお相手になりますわよ♪」
「あ……はっ……♪ み、みなしゃまぁっ!! 今からわたしはぁ、っ!!ご主人様と、せ……セックスしますっ!! だから、み、見ないれぇっ♥」
「それは見てくれって言っている様なものだぞ」
「と言う訳で皆さん、このコを弄っちゃいましょうか♪」
数人のサキュバスやインプがぞろぞろと集まる。ある者は赤羽の尻尾を舐め、ある者は未発達の乳房を揉み、乳首を甘噛みする。同族のインプの娘は深い口づけを行っていた。
集まらないサキュバスは各々のパートナーと再び性交する準備に入っていた。
ぐちゃり、くちゅり
「あ! だめぇ! 乳首は本当に……っ! 弱いのぉ♥」
「よし、そろそろ挿れるぞ」
「あ! 今入れたら、絶対イっちゃ……!!」
ずぷっ!!
「いぎぃぃぃぃぃっ♥ ♥」
「あぁっ……何て気持ちよさそうな、幸せなお顔なのでしょう♥」
赤羽に構わずピストンを続ける。出たり入ったりを繰り返すうちに、結合部は泡に塗れていた。にちゃにちゃと粘着質な音が赤羽の気分を更に淫らなものにする。
「ほ、本当にやめてぇぇ……乳首は、弱いのぉぉぉ……♥ 」
「ですって♪ では皆さん、このコの弱い部分をもっと攻めて差し上げましょう♥」
「うああぁっ、おっぱい強く揉まないでぇッ」
「揉まないと大きくなれないわよ♥」
髪の長いサキュバスに乳房を揉みしだかれ。
「だがらぁ、ちくびやめてぇぇぇ……んぐぅっ!!」
「ホント―に弱いんだぁ……♥」
好奇心旺盛なサキュバスには変わらず乳首を弄られ。
「しっぽはぁっ、舐めないでぇぇ♥」
「んくっ……我慢我慢♪」
好色なサキュバスにはフェラの要領で尻尾を舐められ。
「ああぁぁぁ!! またイクっ!! イクぅぅぅぅんっ♥」
「ははは、これで何回目だ? まだ私は一度も達していないというのに」
ユキヒラには何度も突かれ、幾度と絶頂に達せられた。
「あー……そろそろ出そうだ」
「あひぃ♥ らしてくらひゃいぃぃ♥ ザーメンをわらひのお腹にくだしゃぁぁぁぁ♥♥」
「そうかそうか。そんなに欲しいなら……受け取れ……っっ!!」
ビュブルルルルッ!!
「っあぁぁぁ――― ♥ あついのぉぉぉ ♥ おなかやけるぅぅぅ♥」
入りきらなかった白濁液が、彼女の膣から漏れ出る。アリカはそれをさぞかし美味しそうに舐め上げる。
「うふふ……こんなに美味しい精、初めて口にしましたわ……」
「……それはどうも」
「では、私にも恵んで下さいますね?」
「え、ちょ、待っ……」
何か良い言い訳は無いだろうか。もう疲れたから今日は風呂に入って寝たいんだあぁまだ書類仕事が残っているそうだから終わらせないといや言い訳にしてはありきたりすぎて説得力に欠け―――
「いただきまーす♥」
ユキヒラ君はその晩、こってり絞られたらしい。
「そりゃあ、動きが単調すぎるし、大きく振りかぶり過ぎなんだ。私に言わせれば『かわして下さい』って言ってる様なものです」
息を切らすリザードマンと、汗を少し書いている程度の青年。第三者から見れば少々異質な光景だろう。
戦闘は一時中断となった。そしてその好機を狙う者がいた。
「ご、ご主人しゃま! ようやく終わりましたか!?」
赤羽のインプが木陰から飛び出し、彼の腰に抱きついた。
「いや、残念ながら未決着。でもお終いには変わりないよ」
「そ、そうでしか」
それを聞いてヴィオラは焦った。
「お、おい! まだ決着はついてないぞ!」
「貴女の目的は勇者と戦う事でしょう? ここで体力を温存しないでどうするんです?」
「うぐ」
インプは早く報告がしたい様子で、先程からモジモジと股の辺りが動いている。
「で、どうだった。勇者の様子は」
「ひゃ、ひゃい! 勇者は魔法使いの女の子を連れてルトゥムの森へ行きましたが、森のボブゴブリンに吹っ飛ばされて……」
勇者は弱かった。
「……えー、じゃあ私はどうすれば」
一気に元気をなくしたヴィオラがそこにはいた。
「さぁ? 私達は拠点に戻りますし、貴方もバレンティアに戻られたらどうです?」
何気ない提案だった。だがそれを聞いて彼女はむっつり顔になる。
「嫌にきまってんだろー。ゴブリンにやられる様じゃ、先が思いやられる。そんな男を婿にしたくないやい」
まぁ、普通の意見だろう。
「それじゃ、帰るとしようか。上司に報告もしないといけないし、経過も気になる。―――お前にも『ご褒美』をやらないと、な」
赤羽のインプに視線を向けて言う。それを聞いて彼女は一瞬身体をビクリと反応させ、上気した表情になった。眼は潤み、息は荒くなり、まるで何かを欲するように。
ヒラは膝立ちになり、赤羽と同じ位置に顔が来るようにした。視線をインプのそれに合わせると、彼女の顔はますます赤くなった。
「……欲しいかい?」
「はぃぃ……♪ 欲しいれすぅ♪ 早くわらひのこどもまんこに、ご主人しゃまのおなさけをぉぉ……」
「うわわわ!! こんな昼間から何て事を言うんだこのインプ!?」
どうやらヴィオラに『そういった』耐性は無いらしい。
「さて、私達は帰りますね。それに、貴女がこちらに来るのはまだ早いと思いますよ。こちらに来たら、婿探しなんて出来なくなると思いますし」
「そ、そうか。それじゃアタシは大人しく町に戻るよ」
「ええ、お気をつけて。次に会った時にもう一度、お手合わせを願いましょう」
「ほ、本当か!?」
眼がキラキラと輝いている。余程の戦闘マニアなのだろうか。
「ええ。それでは」
隣のインプがもにょもにょと呟くと、霞の様に消えてしまった。
「……ヒラ、だったっけか。アイツの名前。……そんな名前の付いた奴なんていたかなぁ?」
二文字の、余り意味のあるとは思えない名前の戦士。そんな奴はいただろうか。
「うーん、ひら、ヒラ、平? ……ユキヒラ? なんだそりゃ」
パッと出た訳の分からない名前を呟いて、彼女はバレンティアへ戻った。
「戻りましたか、我が愛しい僕よ」
「はい、勇者の補足と観察は赤羽がぬかりなく、完璧に行ってくれました」
眼前の主の前で片膝をつき報告をする青年。
「ふむ。勇者は現在、恐れる存在ではない……最初はそうだろう。むしろ最初から強大な敵ではその後が困る」
打ち倒すための戦力、動員する人員、各種道具、洗脳・調教に要する時間。それらは有限であり無暗に浪費すべきものではない。
「そういえば、勇者アレンのその後はどうなりましたか? 私の予想では既にインキュバスに変化してもおかしくないと思うのですが」
四日前に堕とし、愛する者と交わり続けているであろうあの勇者、その仲間。その後の経過が気がかりだった。
「勇者アレンはアルトレアとのまぐわいにより、つい昨日変化しました。その時のあの娘の表情―――とても幸せな様子でしたわ」
彼女が愛する男の変化に気付いたその時、その表情は例え様のない純粋な喜びと、これから更にまぐわる事の出来る、その期待による淫らな顔。
―――見慣れたものではあったが、その度に見ているこちらも幸せになりそうだとその度にカルディアは思うのだ。
「それじゃあ私はレスカティエに行くわ」
「……そうですか、我が主よ」
黄金の装飾椅子から立ち上がり、散歩に行くかのように告げた。
「今度は、どの様な者が我らの仲間になるのでしょう?」
訊くと彼女は大層楽しげに言った。
「歴代勇者の中でもとびきりの能力と技量を持ち、誰かへの恋心を募らせた―――ひとりの女の子よ。もうすぐレスカティエは堕ちる。あそこは魔界の一部になり、周辺地域は全て新魔の領地になる。それでこそ魔王様が望んだ光景になるわ。心躍るでしょう?」
紅の双眸は笑顔に歪み、それはそれは淫らに揺れ、歪んでいた。
「ええ。とてもとても―――肉欲の宴は昼夜と問わず、禁欲に耽る聖者は快楽に溺れ、またひとつ、魔界が生まれる。我らの仲間の産声もそこいらで木霊するのかもしれません」
彼の顔も、それはそれは嬉しそうに歪んでいた。
「では、行ってくるわ、私の愛しい―――ユキヒラ」
「ええ、行ってらっしゃいませ。我が愛しき―――主よ」
「ご主人しゃまぁ……、もう、限界です! 早く、早く精をぉ……」
もう限界と言わんばかりの表情でユキヒラは顔を近づける。
「そうだな。これ以上我慢させるほど私も鬼じゃない……」
「じ、じゃあ!」
ぱあっ、と明るく、しかし淫らに染まった笑顔になる。
「あぁ。しようか。―――あの場所で、な」
瞬間、赤羽の表情は驚きのものになった。すぐにそれは変貌し、より嬉しそうな物に変わる。
「はい―――ご主人様♥ 」
湯汲みを終え、全裸で『あの部屋』の扉の前に立つ二人。
ゆっくりと扉を開け、隙間が出来たその瞬間から汗のにおい、青臭いにおい、発情を促すかのような匂いが漏れ出した。
その部屋は何時でも、誰かがまぐわう所為で、そういった匂いが充満していた。入ってすぐの床の上でも構わずに一組の男女が汗にまみれながらまぐわっていた。
―――かつての勇者一行と思えないほどに、その表情は生き生きとしていた。
一人の男性に一人の女性、或いは二人以上の女性が相手になり、まぐわい、抱き合い、或いは絡みつき、ソファーやベッドに抱き合って眠っている。その数は数十人ほどだろうか。この部屋の誰もが、恐らく恥じらう事無く行為に及んでいるのだろう。
部屋に入った二人に一人のサキュバスが近づいてきた。薄くなった色の金の髪、まだ産毛の若干生えている身体にまだ小ぶりな羽と尾。―――この部屋のベッドの上でまぐわっていた、聖女アリカだった。
「あぁ―――貴方でしたの。お久しぶりですね」
「あぁ、貴女か。どうだ? 好みの男は見つかったか?」
くすりと笑うアリカ。
「いえ―――残念ながら。ですが、今、見つけましたわ」
ユキヒラの腕に抱きついた赤羽がむっ、と顔をしかめる。
「あら、何も一人占めをしようとは思っておりませんわ。だから―――」
ユキヒラは赤羽の太股をしゃがんで背後から抱きかかえる。その体制は周囲に丸見えの恰好となる。主に、赤羽の秘所が。
「うああ!? やだ! みんなに見えちゃう!」
口では言うが、顔は嫌がっておらず、むしろ喜んでいるように見える。秘所からはとめどなく粘ついた汁が垂れて足元を湿らせている。
「さ♪ この殿方様に何をしてほしいのか、そのお口で言って御覧なさい? そうすればきっと叶えて下さいますわ♪」
現にこちらを向くサキュバスが数名いた。ここで声をあげ、『今からセックスします!』等と大声で公言しようものなら、一気に注目の的になるだろう。
「さぁ、私達は勿論、皆様にも聞こえる様な声で言って下さいな。でなければ私がこの殿方のお相手になりますわよ♪」
「あ……はっ……♪ み、みなしゃまぁっ!! 今からわたしはぁ、っ!!ご主人様と、せ……セックスしますっ!! だから、み、見ないれぇっ♥」
「それは見てくれって言っている様なものだぞ」
「と言う訳で皆さん、このコを弄っちゃいましょうか♪」
数人のサキュバスやインプがぞろぞろと集まる。ある者は赤羽の尻尾を舐め、ある者は未発達の乳房を揉み、乳首を甘噛みする。同族のインプの娘は深い口づけを行っていた。
集まらないサキュバスは各々のパートナーと再び性交する準備に入っていた。
ぐちゃり、くちゅり
「あ! だめぇ! 乳首は本当に……っ! 弱いのぉ♥」
「よし、そろそろ挿れるぞ」
「あ! 今入れたら、絶対イっちゃ……!!」
ずぷっ!!
「いぎぃぃぃぃぃっ♥ ♥」
「あぁっ……何て気持ちよさそうな、幸せなお顔なのでしょう♥」
赤羽に構わずピストンを続ける。出たり入ったりを繰り返すうちに、結合部は泡に塗れていた。にちゃにちゃと粘着質な音が赤羽の気分を更に淫らなものにする。
「ほ、本当にやめてぇぇ……乳首は、弱いのぉぉぉ……♥ 」
「ですって♪ では皆さん、このコの弱い部分をもっと攻めて差し上げましょう♥」
「うああぁっ、おっぱい強く揉まないでぇッ」
「揉まないと大きくなれないわよ♥」
髪の長いサキュバスに乳房を揉みしだかれ。
「だがらぁ、ちくびやめてぇぇぇ……んぐぅっ!!」
「ホント―に弱いんだぁ……♥」
好奇心旺盛なサキュバスには変わらず乳首を弄られ。
「しっぽはぁっ、舐めないでぇぇ♥」
「んくっ……我慢我慢♪」
好色なサキュバスにはフェラの要領で尻尾を舐められ。
「ああぁぁぁ!! またイクっ!! イクぅぅぅぅんっ♥」
「ははは、これで何回目だ? まだ私は一度も達していないというのに」
ユキヒラには何度も突かれ、幾度と絶頂に達せられた。
「あー……そろそろ出そうだ」
「あひぃ♥ らしてくらひゃいぃぃ♥ ザーメンをわらひのお腹にくだしゃぁぁぁぁ♥♥」
「そうかそうか。そんなに欲しいなら……受け取れ……っっ!!」
ビュブルルルルッ!!
「っあぁぁぁ――― ♥ あついのぉぉぉ ♥ おなかやけるぅぅぅ♥」
入りきらなかった白濁液が、彼女の膣から漏れ出る。アリカはそれをさぞかし美味しそうに舐め上げる。
「うふふ……こんなに美味しい精、初めて口にしましたわ……」
「……それはどうも」
「では、私にも恵んで下さいますね?」
「え、ちょ、待っ……」
何か良い言い訳は無いだろうか。もう疲れたから今日は風呂に入って寝たいんだあぁまだ書類仕事が残っているそうだから終わらせないといや言い訳にしてはありきたりすぎて説得力に欠け―――
「いただきまーす♥」
ユキヒラ君はその晩、こってり絞られたらしい。
12/05/03 01:01更新 / 風見音
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