下準備って大事じゃん?ってとこからスタートしよう!
朝、ベッドから出ると隣のベッドからイビキが聞こえる…
(おいおい、まだ寝てんのかよ…)
起こすのも酷なので寝かしておいて、一着しか持ってきてない灰色のジーパンに赤と青の上着を重ねて着て出掛ける準備をした
「んにゅ…ううん…」
聞き取れない寝言を洩らし幸せそうに眠るライラ
(まぁ幸せそうに寝ちゃって、まぁアッチじゃ俺も12時までオフトゥンインしてたけどさ…)
ジーパンを穿き終え靴を履いて一階に降りていく
階段を降りてすぐ宿屋の店主さんに会った
「おはようカヤ、朝御飯いる?」
宿屋の店主さん、名前まだきいてなかったなぁ
「おっ、いただきます」
お言葉に甘えカウンター横から伸びる廊下より食堂へ向かう
机には目玉焼きとパン、ソーセージと牛乳。西洋っぽくて好きだ
「はい、どーぞ」
「すんません、いただきます!」
朝は大事、はっきりわかんだね
目玉焼きをかじり、パンをモフモフ頬張りながら尋ねた
「銀貨一枚ってなにができるくらいですかね?」
そう、まずは通貨の価値を理解しなくってはならない
価値を理解しないと大損をさせられたり、なけなしの金なのだからしっかりしなければ
「銀貨?そうねぇ…大体ウチなら三日は泊まれるわね」
(三日!?ビジネスホテル換算で…)
「1万5千円くらいか…」
結構くれた、というかスッゴいくれたことに驚くとともに改めてマスターに感謝した
「なにが1万5千なの?」
不思議そうに訪ねてくる店主、まぁ円の話をしても通じないだろうな
「えっと、こっちの通貨と俺たちの世界の通貨を比べて価値を確かめてたんですよ」
「ふーん、ねぇカヤ、暇なときでいいから異世界にはなし、私にも聞かせて頂戴よ」
やっぱ異世界ってどこも興味あるもんなんだなぁと、少し感動
「わかりました、んじゃあ今夜辺りにでも」
「わぁーい」
子供みたいな喜び方、いったい何歳なんだろうか店主さんは。背はそこまで高くないけど、やっぱり何か違和感が…うーむ
そう思考しつつ朝食を平らげ立ち上がり店主さんに礼をする
「ご馳走さまでした、助かりました」
「いーえ、どーいたしまして♪」
さて気になるお名前は
「あの、店主さんの名前聞いてもいいですか?」
「私?わたしはリーゼよ」
わお、なんか包容力有りそうな名前、偏見かな?
「ありがとうございます、リーゼさん」
「いえいえー♪」
リーゼさんにお礼をして宿屋の玄関から外へ
朝日が眩しい、時間は分からないが恐らく6時位だろう、多分
今日は予めやることを決めていたのだ、といっても当然の行動な気もするが
今日は情報収集をしようと思っていた。図書館やら本屋行けば何かあるだろう、と
それともうひとつ、街の探索だ。ライラはここを緑の国エトリアといったが、どうやらここはエトリアではないらしい、と言うのもエトリアとは国の名前、ここはエトリアのなかの端に位置する街でアーリンというらしい
(あの適当インプめ…)
まぁ、嘘はいっていないわけだし。気にしないことにする。
「さて聞いた話じゃここらに図書館があるって話なんだが…」
街の西側丘を上った先の、これはどう見ても館とか屋敷といった建造物
しかし周りに建造物はこれ以外見当たらず、これはもう確定なのではないだろうか
そうこうしてる内に
「うちになにか用事?」
声を掛けられた、振り向くと色の白いローブの女性がいた
「えっと、図書館って、ここであってます?」
初対面のしかも女性ともなると緊張がマッハだ、ライラの場合は別だったが。
「合ってる、今鍵をあけるわ…」
テンション低めの透き通った声、落ち着くとともに得たいの知れない恐怖すら感じる。
160位の背丈、蒼白い髪の毛、灰色の瞳。ここの家主だろうか?それにしちゃ若い気もするが
(何より発育いいなぁ、不健康美人ってか)
ギィィィィイイイイ
重そうな扉は木の、擦れてるのか歪んでるのかコナンくんのCM明けみたいな音をたてて開いた
中は、暗いようなそうでもないような。所々光る石が柱に埋まっていてそれが灯りになっているようだ
「何の本を探しているの?」
聞かれて一瞬考える、なにが一番知りたいのか。
「この世界のことがわかる本なら何でも、かな」
結構適当なこと言った、ライラのことバカにできないな。
しかしそんな回答にも特に困った様子はなく「着いてきて」と一言残し歩き出した
着いていきながらポツリと呟いた。
「広いな、まるでお屋敷だ」
外観を見ても思った率直な感想。
「だって私の屋敷だもの」
「やっぱり屋敷だったのか、あれ?ってことはここが図書館ってのは?」
個人営業?
「図書館ってわけじゃないけど、時々街の人が本を読みにくるの…」
(成る程通称"図書館"ってわけだ…)
階段を上がり右へ、大きなステンドグラスだ…
「貴方は見ない人ね、新入り…?」
「ああ、異世界から来たんだ」
ピクッ、ローブの女性が異世界という単語に反応した気がする
「もとの世界に戻りたいって訳じゃないんだが、この世界のことをなにも知らないってのは動くときにマズイと思ってね」
やけに長い廊下だ
歩いている時の会話の間が持たない、なにか繋がないと気まずい
「着いたわ」
そんな必要無かったようだ
ガチャ、ガチャガチャ 開かないのだろうか
「手伝おうk…」
ドガァ!!バンッ!!
「何?」
「いえ、何でもないです」
まさか自宅ドア蹴破ると思わないじゃん?不健康美人がめのまえでドア蹴破ったらビックリするじゃん?
中に入るとホコリ臭さは感じないのに雰囲気だけ図書館といった感じ
何段も積み重なった大きな本棚は天井にくっつき柱の役目をしていそうで梯子が所々置いてあるのは高いところ用だと一目でわかる
どうやらここは二階だが更に上があるようでとてつもない広さなことがわかる
右を見ても左を見ても本棚ばかり、正面奥に何にか光源のようなものが見えるが何だろう、本が光っているのか?
ローブの女性は正面奥に歩いていきソファーに腰かけた
それにならって座るとふと気づいた
ああ、光っていたのは本の手前にあった宝石か、紫色に光るそれは吸い込まれそうな輝きを放つ
「すごいな、ここは」
驚嘆の一言に尽きる
「これでいいかしら、あなたの探す本は」
いつの間にか本は彼女の手にあった、取りに行ったそぶりは見えなかったが。魔法だろうか?
「ありがとう、読んでみるよ」
世界地図?世界地図なのか?これは、開いてみると地形とともに解説がのっていることがわかる
が、文字は勿論日本語じゃない。なんだこれは
しばらく不思議そうに本を眺めてると女性がソファーの背後から顔をだす
「不思議?その本はね、読むもののもっとも分かりやすい言語に翻訳して直接頭に流し込むの」
そ、そうなのかー。そんなことよりあの、おっぱいやばいんですがおっぱい。
背中方からいい感じの感触が伝わってくる、不健康美人万歳!!
「理屈はさっぱりだが読みやすいのは確かだ、さんきゅー司書さん」
司書さんだとおもうんだが、おっぱい司書さん。
「私はここの主だけど司書じゃない」
おっとそうでしたか…
「あーここにいたー!!」
だれだ?大きい灰色の耳、ネズミの尻尾…
ハハッってか?
「もー執務投げ出して本棚に籠るのやめてくださいよーアリシア様!!魔王側近の一人なんですから!!」
なにぃいいいいい!?え、魔王の側近?えなにそのヤバそうな響き!?えぇ?四天王?四天王なのか!?
「フレンダ、お客様なの。静かに。」
お、おおおおおお客様かあああ、そっかそっか、四天王の客って随分出世したな俺ェェェエエエエ
「あっ、失礼しました、アリシア様、執務してくださいね?」
言ってでていってしまった…四天王、ローブ、血色悪い
「あ、アリシアさん?リッチーとか別名あったり…しないっすよね?」
「そうだけど、リッチってあまりメジャーな種族じゃないわ、よく知ってたわね」
あたりぃいいいいいいいい!!!土のカオスウゥゥゥゥウウウ
お、落ち着こう。偶々だ、うん。
「あ、当てずっぽうだったんだけどね、はっははは…」
どうすんだこれ、普通に接していいのか?たまに本読みに来る人いるっていってたもんな…
本読みにに集中して落ち着くことにする
ジパング…日本みてぇな、ってか日本の名前だったような…東洋文化ってのはどの世界の有るもんなのかな
あ、人間界の地図終わった…魔界篇!?やだ、日本語訳イケメン!!
と、まあ魔界篇はいいか
「なぁ、アリシア…さん?」
「アリシアでいいわ」
「アリシア、魔王ってのはどんなやつなんだ?」
代替わりの話は聞いたがいまいちピンと来ない
「そうね…高飛車で、無責任で横暴で意地っ張りでついでに尻が軽いわね…」
うわぁ、悪意たぁっぷり
「そ、そうか」
それから2時間くらいか本を読みあさり、アリシアがそれを眺めるという光景が続いた
「んーっ、くはぁ〜」
長く本読みするとからだが固まる感じがする、伸びをしてからだをほぐした
ゴキゴキゴキ
なかなか恐ろしい音がしたな…
「もういいの?」
アリシアがこちらをみて問う
「ああ、だいたいわかった」
(気がする)
「また来るよ、まだまだ分からないことがあるしね」
するとアリシアが肩甲骨辺りに手をまわし正面から抱きついてきた
「あ、あの、アリシア?」
「ずっと座りっぱなしだったから、体が調子よくなるおまじない。研究中の…」
いきなりだったがなんだか嬉しかった。
ステンドグラスから漏れる日の光はいまが昼であろうことを指す
「ありがとアリシア」
「ええ、また来て執務がサボれていいわ」
「はははっ冗談も言うんだな、そんな風に見えない」
少し意外で笑ってしまった
「あら、冗談じゃないわ」
「そうか、そりゃすまない。それじゃあ、また」
「ええ」
そういって俺はアリシア邸を後にした…
「むー、アタシを置いてどこほっつき歩いてんのかしら?」
ベッドから起き上がる、一張羅であるため服の着替えは必要ないし出来ない
宿の一室で置いてかれたことに憤るライラ
昼頃だろうと日の光から察した
「探しいってやろー、暇だし」
そう呟いてライラは宿を飛び出した
「さて、どーすっかなー」
一度街の中央まで戻ってきた訳だが、情報収集はおわっちまったし。
「待てやこらぁ!!」
少し小道はいった路地でガラの悪い男が女の子を追いかけてくのを見かけた
この前の、リザードマンだったか、のような見てくれじゃないことを確認し
「いっちょやってみっか!」
助けに行った
「へっへっへ、もう逃げられないぜ小娘ェ」
ジリジリと女の子に近づく男
「観念しなぁ…」
「おう待てやおっさん」
もうちょっとかっこよくいえばよかったなと少し後悔
「ああん?だれだてめぇは?邪魔すんなよ!!」
「聞く耳持たねーな、その女の子に手をだす前に俺の相手、してもらおうかな」
振り向きこちらに殴りかかる予備動作、アリシアのおまじないのおかげかよく見えるよく動ける!
えっと、確か
「オラァ!!!」
殴りかかってくる
「拳を反らして掴み」
相手の拳が自分の横を通過する
「重心を前へ、踏み込んで」
相手の胴体が自分と密着する
「肩の辺りから入れる!!」
ドガァ!!
「ゲームとかで見る八卦の動き、ケンに教わっといてよかったぁ」
転がって気絶している、財布の中身はっと、うーむ銀貨6枚かぁ、2枚拝借しておこーっと
「お嬢ちゃん大丈夫だったかい?って…」
少女の姿は忽然と消えていた
「まぁ無事ならいいか…」
やることもないのでギルドに向かうことにする
「ああーひまっ、カヤは見つかんないしぃ!!」
ギルドにいってみようかな、もしかしたら仕事かも、ていうか何で思い付かなかったんだアタシは
キィィィィイイイイ
「マースター、仕事入ってないかな?」
相変わらず人いないな、ここの登録冒険者すくないのかな?
「マスター?」
どこからか声を掛けられた
「マスターなら今はいないよ」
どうやら後ろからだったらしい、振り向くとそこには先程の少女がいた
浅黒い肌、髪は銀髪だろうか?赤い目、これは…
「ダークエルフ、か」
(すごくいいな…!!)
「おお、新入りクンは勉強熱心だねぇ、聞けば異世界人だそうじゃない」
品定めをするような目で見てくる、悪くないな…
「そうでもないさ、たまたま本で見た、それだけ」
「そーかい」というと少女は近づいて来た、どうやら頭ひとつ小さい位の背丈のようだ
「さっきはありがとうね、わざわざかよわぁーいアタシを助けてくれてさ」
嫌みなのかこれが素なのか分からないな
「いま改めてみるととてもじゃないがか弱い女の子には見えないな」
嫌みたっぷりに言い返してやった、その刹那
ドサッ 近くの長椅子の押し倒されていた
「か弱いかどうかは置いといて、アタシがちゃぁーんと女の子だってこと教えてやるよ!!」
ああ、なんかスイッチ入れちゃったかな?ヤバイ方の
「ダメェェェェェェエエエエえええええ!!!」
ギルドに響き渡る声、この声は…
「ライラ…!」
ナイスライラ、助かった!!!
「カヤの精液はアタシのものなの!!!」
前言撤回。(危機を脱するには)まーだかかりそうですかね?
「おいおい、ヤるならギルドじゃないところでヤってくれよ…」
苦笑いでマスターという助けが来た
「カヤ、ヴェルエ。二人に仕事だ」
ヴェルエとはこのダークエルフのことだろう
初仕事だ、本格的に冒険者になってしまえるらしい
気分が高揚する!
俺たちの異世界生活はこれからだ!!
未完
(おいおい、まだ寝てんのかよ…)
起こすのも酷なので寝かしておいて、一着しか持ってきてない灰色のジーパンに赤と青の上着を重ねて着て出掛ける準備をした
「んにゅ…ううん…」
聞き取れない寝言を洩らし幸せそうに眠るライラ
(まぁ幸せそうに寝ちゃって、まぁアッチじゃ俺も12時までオフトゥンインしてたけどさ…)
ジーパンを穿き終え靴を履いて一階に降りていく
階段を降りてすぐ宿屋の店主さんに会った
「おはようカヤ、朝御飯いる?」
宿屋の店主さん、名前まだきいてなかったなぁ
「おっ、いただきます」
お言葉に甘えカウンター横から伸びる廊下より食堂へ向かう
机には目玉焼きとパン、ソーセージと牛乳。西洋っぽくて好きだ
「はい、どーぞ」
「すんません、いただきます!」
朝は大事、はっきりわかんだね
目玉焼きをかじり、パンをモフモフ頬張りながら尋ねた
「銀貨一枚ってなにができるくらいですかね?」
そう、まずは通貨の価値を理解しなくってはならない
価値を理解しないと大損をさせられたり、なけなしの金なのだからしっかりしなければ
「銀貨?そうねぇ…大体ウチなら三日は泊まれるわね」
(三日!?ビジネスホテル換算で…)
「1万5千円くらいか…」
結構くれた、というかスッゴいくれたことに驚くとともに改めてマスターに感謝した
「なにが1万5千なの?」
不思議そうに訪ねてくる店主、まぁ円の話をしても通じないだろうな
「えっと、こっちの通貨と俺たちの世界の通貨を比べて価値を確かめてたんですよ」
「ふーん、ねぇカヤ、暇なときでいいから異世界にはなし、私にも聞かせて頂戴よ」
やっぱ異世界ってどこも興味あるもんなんだなぁと、少し感動
「わかりました、んじゃあ今夜辺りにでも」
「わぁーい」
子供みたいな喜び方、いったい何歳なんだろうか店主さんは。背はそこまで高くないけど、やっぱり何か違和感が…うーむ
そう思考しつつ朝食を平らげ立ち上がり店主さんに礼をする
「ご馳走さまでした、助かりました」
「いーえ、どーいたしまして♪」
さて気になるお名前は
「あの、店主さんの名前聞いてもいいですか?」
「私?わたしはリーゼよ」
わお、なんか包容力有りそうな名前、偏見かな?
「ありがとうございます、リーゼさん」
「いえいえー♪」
リーゼさんにお礼をして宿屋の玄関から外へ
朝日が眩しい、時間は分からないが恐らく6時位だろう、多分
今日は予めやることを決めていたのだ、といっても当然の行動な気もするが
今日は情報収集をしようと思っていた。図書館やら本屋行けば何かあるだろう、と
それともうひとつ、街の探索だ。ライラはここを緑の国エトリアといったが、どうやらここはエトリアではないらしい、と言うのもエトリアとは国の名前、ここはエトリアのなかの端に位置する街でアーリンというらしい
(あの適当インプめ…)
まぁ、嘘はいっていないわけだし。気にしないことにする。
「さて聞いた話じゃここらに図書館があるって話なんだが…」
街の西側丘を上った先の、これはどう見ても館とか屋敷といった建造物
しかし周りに建造物はこれ以外見当たらず、これはもう確定なのではないだろうか
そうこうしてる内に
「うちになにか用事?」
声を掛けられた、振り向くと色の白いローブの女性がいた
「えっと、図書館って、ここであってます?」
初対面のしかも女性ともなると緊張がマッハだ、ライラの場合は別だったが。
「合ってる、今鍵をあけるわ…」
テンション低めの透き通った声、落ち着くとともに得たいの知れない恐怖すら感じる。
160位の背丈、蒼白い髪の毛、灰色の瞳。ここの家主だろうか?それにしちゃ若い気もするが
(何より発育いいなぁ、不健康美人ってか)
ギィィィィイイイイ
重そうな扉は木の、擦れてるのか歪んでるのかコナンくんのCM明けみたいな音をたてて開いた
中は、暗いようなそうでもないような。所々光る石が柱に埋まっていてそれが灯りになっているようだ
「何の本を探しているの?」
聞かれて一瞬考える、なにが一番知りたいのか。
「この世界のことがわかる本なら何でも、かな」
結構適当なこと言った、ライラのことバカにできないな。
しかしそんな回答にも特に困った様子はなく「着いてきて」と一言残し歩き出した
着いていきながらポツリと呟いた。
「広いな、まるでお屋敷だ」
外観を見ても思った率直な感想。
「だって私の屋敷だもの」
「やっぱり屋敷だったのか、あれ?ってことはここが図書館ってのは?」
個人営業?
「図書館ってわけじゃないけど、時々街の人が本を読みにくるの…」
(成る程通称"図書館"ってわけだ…)
階段を上がり右へ、大きなステンドグラスだ…
「貴方は見ない人ね、新入り…?」
「ああ、異世界から来たんだ」
ピクッ、ローブの女性が異世界という単語に反応した気がする
「もとの世界に戻りたいって訳じゃないんだが、この世界のことをなにも知らないってのは動くときにマズイと思ってね」
やけに長い廊下だ
歩いている時の会話の間が持たない、なにか繋がないと気まずい
「着いたわ」
そんな必要無かったようだ
ガチャ、ガチャガチャ 開かないのだろうか
「手伝おうk…」
ドガァ!!バンッ!!
「何?」
「いえ、何でもないです」
まさか自宅ドア蹴破ると思わないじゃん?不健康美人がめのまえでドア蹴破ったらビックリするじゃん?
中に入るとホコリ臭さは感じないのに雰囲気だけ図書館といった感じ
何段も積み重なった大きな本棚は天井にくっつき柱の役目をしていそうで梯子が所々置いてあるのは高いところ用だと一目でわかる
どうやらここは二階だが更に上があるようでとてつもない広さなことがわかる
右を見ても左を見ても本棚ばかり、正面奥に何にか光源のようなものが見えるが何だろう、本が光っているのか?
ローブの女性は正面奥に歩いていきソファーに腰かけた
それにならって座るとふと気づいた
ああ、光っていたのは本の手前にあった宝石か、紫色に光るそれは吸い込まれそうな輝きを放つ
「すごいな、ここは」
驚嘆の一言に尽きる
「これでいいかしら、あなたの探す本は」
いつの間にか本は彼女の手にあった、取りに行ったそぶりは見えなかったが。魔法だろうか?
「ありがとう、読んでみるよ」
世界地図?世界地図なのか?これは、開いてみると地形とともに解説がのっていることがわかる
が、文字は勿論日本語じゃない。なんだこれは
しばらく不思議そうに本を眺めてると女性がソファーの背後から顔をだす
「不思議?その本はね、読むもののもっとも分かりやすい言語に翻訳して直接頭に流し込むの」
そ、そうなのかー。そんなことよりあの、おっぱいやばいんですがおっぱい。
背中方からいい感じの感触が伝わってくる、不健康美人万歳!!
「理屈はさっぱりだが読みやすいのは確かだ、さんきゅー司書さん」
司書さんだとおもうんだが、おっぱい司書さん。
「私はここの主だけど司書じゃない」
おっとそうでしたか…
「あーここにいたー!!」
だれだ?大きい灰色の耳、ネズミの尻尾…
ハハッってか?
「もー執務投げ出して本棚に籠るのやめてくださいよーアリシア様!!魔王側近の一人なんですから!!」
なにぃいいいいい!?え、魔王の側近?えなにそのヤバそうな響き!?えぇ?四天王?四天王なのか!?
「フレンダ、お客様なの。静かに。」
お、おおおおおお客様かあああ、そっかそっか、四天王の客って随分出世したな俺ェェェエエエエ
「あっ、失礼しました、アリシア様、執務してくださいね?」
言ってでていってしまった…四天王、ローブ、血色悪い
「あ、アリシアさん?リッチーとか別名あったり…しないっすよね?」
「そうだけど、リッチってあまりメジャーな種族じゃないわ、よく知ってたわね」
あたりぃいいいいいいいい!!!土のカオスウゥゥゥゥウウウ
お、落ち着こう。偶々だ、うん。
「あ、当てずっぽうだったんだけどね、はっははは…」
どうすんだこれ、普通に接していいのか?たまに本読みに来る人いるっていってたもんな…
本読みにに集中して落ち着くことにする
ジパング…日本みてぇな、ってか日本の名前だったような…東洋文化ってのはどの世界の有るもんなのかな
あ、人間界の地図終わった…魔界篇!?やだ、日本語訳イケメン!!
と、まあ魔界篇はいいか
「なぁ、アリシア…さん?」
「アリシアでいいわ」
「アリシア、魔王ってのはどんなやつなんだ?」
代替わりの話は聞いたがいまいちピンと来ない
「そうね…高飛車で、無責任で横暴で意地っ張りでついでに尻が軽いわね…」
うわぁ、悪意たぁっぷり
「そ、そうか」
それから2時間くらいか本を読みあさり、アリシアがそれを眺めるという光景が続いた
「んーっ、くはぁ〜」
長く本読みするとからだが固まる感じがする、伸びをしてからだをほぐした
ゴキゴキゴキ
なかなか恐ろしい音がしたな…
「もういいの?」
アリシアがこちらをみて問う
「ああ、だいたいわかった」
(気がする)
「また来るよ、まだまだ分からないことがあるしね」
するとアリシアが肩甲骨辺りに手をまわし正面から抱きついてきた
「あ、あの、アリシア?」
「ずっと座りっぱなしだったから、体が調子よくなるおまじない。研究中の…」
いきなりだったがなんだか嬉しかった。
ステンドグラスから漏れる日の光はいまが昼であろうことを指す
「ありがとアリシア」
「ええ、また来て執務がサボれていいわ」
「はははっ冗談も言うんだな、そんな風に見えない」
少し意外で笑ってしまった
「あら、冗談じゃないわ」
「そうか、そりゃすまない。それじゃあ、また」
「ええ」
そういって俺はアリシア邸を後にした…
「むー、アタシを置いてどこほっつき歩いてんのかしら?」
ベッドから起き上がる、一張羅であるため服の着替えは必要ないし出来ない
宿の一室で置いてかれたことに憤るライラ
昼頃だろうと日の光から察した
「探しいってやろー、暇だし」
そう呟いてライラは宿を飛び出した
「さて、どーすっかなー」
一度街の中央まで戻ってきた訳だが、情報収集はおわっちまったし。
「待てやこらぁ!!」
少し小道はいった路地でガラの悪い男が女の子を追いかけてくのを見かけた
この前の、リザードマンだったか、のような見てくれじゃないことを確認し
「いっちょやってみっか!」
助けに行った
「へっへっへ、もう逃げられないぜ小娘ェ」
ジリジリと女の子に近づく男
「観念しなぁ…」
「おう待てやおっさん」
もうちょっとかっこよくいえばよかったなと少し後悔
「ああん?だれだてめぇは?邪魔すんなよ!!」
「聞く耳持たねーな、その女の子に手をだす前に俺の相手、してもらおうかな」
振り向きこちらに殴りかかる予備動作、アリシアのおまじないのおかげかよく見えるよく動ける!
えっと、確か
「オラァ!!!」
殴りかかってくる
「拳を反らして掴み」
相手の拳が自分の横を通過する
「重心を前へ、踏み込んで」
相手の胴体が自分と密着する
「肩の辺りから入れる!!」
ドガァ!!
「ゲームとかで見る八卦の動き、ケンに教わっといてよかったぁ」
転がって気絶している、財布の中身はっと、うーむ銀貨6枚かぁ、2枚拝借しておこーっと
「お嬢ちゃん大丈夫だったかい?って…」
少女の姿は忽然と消えていた
「まぁ無事ならいいか…」
やることもないのでギルドに向かうことにする
「ああーひまっ、カヤは見つかんないしぃ!!」
ギルドにいってみようかな、もしかしたら仕事かも、ていうか何で思い付かなかったんだアタシは
キィィィィイイイイ
「マースター、仕事入ってないかな?」
相変わらず人いないな、ここの登録冒険者すくないのかな?
「マスター?」
どこからか声を掛けられた
「マスターなら今はいないよ」
どうやら後ろからだったらしい、振り向くとそこには先程の少女がいた
浅黒い肌、髪は銀髪だろうか?赤い目、これは…
「ダークエルフ、か」
(すごくいいな…!!)
「おお、新入りクンは勉強熱心だねぇ、聞けば異世界人だそうじゃない」
品定めをするような目で見てくる、悪くないな…
「そうでもないさ、たまたま本で見た、それだけ」
「そーかい」というと少女は近づいて来た、どうやら頭ひとつ小さい位の背丈のようだ
「さっきはありがとうね、わざわざかよわぁーいアタシを助けてくれてさ」
嫌みなのかこれが素なのか分からないな
「いま改めてみるととてもじゃないがか弱い女の子には見えないな」
嫌みたっぷりに言い返してやった、その刹那
ドサッ 近くの長椅子の押し倒されていた
「か弱いかどうかは置いといて、アタシがちゃぁーんと女の子だってこと教えてやるよ!!」
ああ、なんかスイッチ入れちゃったかな?ヤバイ方の
「ダメェェェェェェエエエエえええええ!!!」
ギルドに響き渡る声、この声は…
「ライラ…!」
ナイスライラ、助かった!!!
「カヤの精液はアタシのものなの!!!」
前言撤回。(危機を脱するには)まーだかかりそうですかね?
「おいおい、ヤるならギルドじゃないところでヤってくれよ…」
苦笑いでマスターという助けが来た
「カヤ、ヴェルエ。二人に仕事だ」
ヴェルエとはこのダークエルフのことだろう
初仕事だ、本格的に冒険者になってしまえるらしい
気分が高揚する!
俺たちの異世界生活はこれからだ!!
未完
13/12/24 00:45更新 / キムカヤ
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