日常って、結構非日常だよね。全くおんなじ生活なんてないんだしさ。
晴れた。このくそ寒い1月の寒空で太陽が頑張って温度をあげている。
その日俺達はいつものごとくケンの家で暇潰しをしてた
ケンはパソコン、俺は本読み、ジロウはゲームを。
「うし、いくぞ」
唐突にケンが声を出す、わりといつもどこかにいくときはこんな感じ。
「何処に?」
そう俺が聞くのもいつものこと。
「山」
いつものこと。ジロウは無視…これまたいつも通り
だがあまりに唐突、本読みの途中だった俺は文句がわりに一言。
「今から?」
「今から」
どうあがいても読書は邪魔されてしまうらしい。ケンの顔には『異論は認めない』と書いてある。
「分かったよ…」
渋々うなずいた、決して二人と外にいくのが嫌な訳ではないが。
「ほらジロウいくよー!!」
布団を被ってゲームをしているジロウにケンの容赦ない蹴りが下る
「ちょ、ちょっと待っていま無理!!もーちょっとまっt…」ドガァッ
「いーくーよー!!」
「ちょま、まぁー!!?」ガスッ
聞く耳持たないのもいつもの風景、気に入っている光景の一つだが少し気の毒だ。
こんな事が俺たちの日常。政治とか、世界情勢なんかまったく関係ない何気ない日々の一幕。
「で、今日は何すんの?」
余り乗り気ではない風に聞く。
「ちょっと試したいことがあってな」
本気で嫌がってないのは誰もが分かる、俺は笑っているんだから。
巻き込まれるのには慣れてるし、どっちかっつーとそれを望んでるのかもしれない。
「ああ、そうそう、カヤお前カバン持ってきとけ。あと上着も」
「?おう…」
なんだなんだ?まーた夜までお山でサバゲか?寒いもんな…
そんなこんな俺達はノコノコ近所のお山へむかった。あ、ジロウ転けた。
近所の山へ行く道中…
携帯の画面を見ながらケンが言う
「ばくさん来るってよ〜」
ばくさんはケンの友人で我々とも交流がある
「ほぉ、珍しい。予定が合ったんだ」
正直驚きである、すこし家が遠い上バイト三昧だからだ。
「俺たち四人じゃなきゃダメなんだよ」
なるほど。計画的に山に来たらしい。
そういえば、ばくさんと呼んでいるが俺は本名を知らない。
「なージロー、ばくさんの本名って知ってる?」
「んあ?しらね」
だろうと思ったよ。余り期待はしていなかったが話が途切れた故の繋ぎだ。
程なくしてばくさんが合流
「うぃーす」
「よう、ばくさん」
ばくさんの格好はチノパンにワイシャツという彼いわく『普段着』らしいのだが、どうみても山にやって来る格好じゃない。
「ばくさんがその格好ってことはサバゲじゃないな」
「まぁ、多少はね?」
そんな話をしながら山の上の開けた場所に出た。
「さて、始めるか。」
徐(おもむろ)にケンがバッグから本を一冊取り出した。
ケンが地面に円を描き始める、まるでそう、魔術のような。
「ケンは厨二病になったか?」
俺は笑ってしまった、あまりにも普段の行動からは想像できないオカルトな行動だったからだ。
だが俺のヤジは無視されてしまったようだ。ケンがばくさんを呼ぶ。
「ばくさん」
「始めましょうかねぇ」
この二人は解っているらしい、がほんとうに置いてきぼりだ。ジロウは我関せずで眺めてるし。
「ケン!ほんと何やんのさ!?まーた置いてけぼりでござるかチクショーメェ!!」
サバゲでもない、チャンバラでも八極拳の練習でも柔術の練習でもない。
一体なにを始めるのか!?なんだか不安になってきた、メール送っとこ
『母上?暫く顔見せられないかもだけど心配すんな!!』
送信っと!!
「で、なにやってんのさ?」
「見っけちゃったんだよ、コレ」
それは一冊の本、雰囲気的に魔導書っぽい?
本から放たれる異様な雰囲気に直感的に遊びじゃないんだ、と勘づいた。
「ま、お試しだお試し」
試しにやってみるって雰囲気じゃないぞ、確信に満ちた顔的に。
いったい何が起きるのか
「読めるの?」
「何となく」
「どーすんのさ」
「あとは開けと念じるだけだ。俺の勘がそう言ってる」
本を開きおもむろにを念じ始めた、ええー
「カヤ、お前は嫌なら帰っていいぞ」
ほんっと、心配や配慮がおそいっつの
「おいおい、お前らだけ面白いことさせるかよ。俺もいくって!」
なんだか面白いことになりそうな、予感がした。親へのメールも送った。
「心の準備なんか今終わらせた!」
ジロウの方を見ると、何だかんだジロウも頷いている。
俺は知ってる、ジロウはテンション低い奴なんかじゃない。ちょっとテンションの上下が伝わりにくいだけなんだ。
「行こう、俺達で」
ほら、ジロウもこう言う。
それを見て満足したよう顔でケンが勘とやらの指示を出した。
「じゃあ念じろ!んー、開け!でいい」
開け、か
拓け開けひらけ〜!!
具体的には開かないジャムのビンとかそんなもん開けるときに念じる感じでやってみた。
ふと、足元の感覚がなくなったことに気づいた。
え、開いた!!ていうか!?
「あー開いたわーな?行ったべ?」
ケンは能天気な口調で言った。
「んな能天気な!?」
結局開くのは、扉とかじゃなく。穴だった。
「ばくさん!!ジロウ!!ケン!!」
俺叫んだ!!
「生きよう!!!」
なんだか訳がわからなくなってる自分がいた、だって底の見えない穴を落ちてるんだよ?!
依然穴は続き、俺達は落ちる。
「うおあああああああ!?」
ばくさんの叫び
「そこが見えないな…」
ジロウの呟き
やがて穴の底(?)が輝きだして…
ケンが何か言っているが、わからない。何を…?
そうして俺の意識はホワイトアウトした。
その日俺達はいつものごとくケンの家で暇潰しをしてた
ケンはパソコン、俺は本読み、ジロウはゲームを。
「うし、いくぞ」
唐突にケンが声を出す、わりといつもどこかにいくときはこんな感じ。
「何処に?」
そう俺が聞くのもいつものこと。
「山」
いつものこと。ジロウは無視…これまたいつも通り
だがあまりに唐突、本読みの途中だった俺は文句がわりに一言。
「今から?」
「今から」
どうあがいても読書は邪魔されてしまうらしい。ケンの顔には『異論は認めない』と書いてある。
「分かったよ…」
渋々うなずいた、決して二人と外にいくのが嫌な訳ではないが。
「ほらジロウいくよー!!」
布団を被ってゲームをしているジロウにケンの容赦ない蹴りが下る
「ちょ、ちょっと待っていま無理!!もーちょっとまっt…」ドガァッ
「いーくーよー!!」
「ちょま、まぁー!!?」ガスッ
聞く耳持たないのもいつもの風景、気に入っている光景の一つだが少し気の毒だ。
こんな事が俺たちの日常。政治とか、世界情勢なんかまったく関係ない何気ない日々の一幕。
「で、今日は何すんの?」
余り乗り気ではない風に聞く。
「ちょっと試したいことがあってな」
本気で嫌がってないのは誰もが分かる、俺は笑っているんだから。
巻き込まれるのには慣れてるし、どっちかっつーとそれを望んでるのかもしれない。
「ああ、そうそう、カヤお前カバン持ってきとけ。あと上着も」
「?おう…」
なんだなんだ?まーた夜までお山でサバゲか?寒いもんな…
そんなこんな俺達はノコノコ近所のお山へむかった。あ、ジロウ転けた。
近所の山へ行く道中…
携帯の画面を見ながらケンが言う
「ばくさん来るってよ〜」
ばくさんはケンの友人で我々とも交流がある
「ほぉ、珍しい。予定が合ったんだ」
正直驚きである、すこし家が遠い上バイト三昧だからだ。
「俺たち四人じゃなきゃダメなんだよ」
なるほど。計画的に山に来たらしい。
そういえば、ばくさんと呼んでいるが俺は本名を知らない。
「なージロー、ばくさんの本名って知ってる?」
「んあ?しらね」
だろうと思ったよ。余り期待はしていなかったが話が途切れた故の繋ぎだ。
程なくしてばくさんが合流
「うぃーす」
「よう、ばくさん」
ばくさんの格好はチノパンにワイシャツという彼いわく『普段着』らしいのだが、どうみても山にやって来る格好じゃない。
「ばくさんがその格好ってことはサバゲじゃないな」
「まぁ、多少はね?」
そんな話をしながら山の上の開けた場所に出た。
「さて、始めるか。」
徐(おもむろ)にケンがバッグから本を一冊取り出した。
ケンが地面に円を描き始める、まるでそう、魔術のような。
「ケンは厨二病になったか?」
俺は笑ってしまった、あまりにも普段の行動からは想像できないオカルトな行動だったからだ。
だが俺のヤジは無視されてしまったようだ。ケンがばくさんを呼ぶ。
「ばくさん」
「始めましょうかねぇ」
この二人は解っているらしい、がほんとうに置いてきぼりだ。ジロウは我関せずで眺めてるし。
「ケン!ほんと何やんのさ!?まーた置いてけぼりでござるかチクショーメェ!!」
サバゲでもない、チャンバラでも八極拳の練習でも柔術の練習でもない。
一体なにを始めるのか!?なんだか不安になってきた、メール送っとこ
『母上?暫く顔見せられないかもだけど心配すんな!!』
送信っと!!
「で、なにやってんのさ?」
「見っけちゃったんだよ、コレ」
それは一冊の本、雰囲気的に魔導書っぽい?
本から放たれる異様な雰囲気に直感的に遊びじゃないんだ、と勘づいた。
「ま、お試しだお試し」
試しにやってみるって雰囲気じゃないぞ、確信に満ちた顔的に。
いったい何が起きるのか
「読めるの?」
「何となく」
「どーすんのさ」
「あとは開けと念じるだけだ。俺の勘がそう言ってる」
本を開きおもむろにを念じ始めた、ええー
「カヤ、お前は嫌なら帰っていいぞ」
ほんっと、心配や配慮がおそいっつの
「おいおい、お前らだけ面白いことさせるかよ。俺もいくって!」
なんだか面白いことになりそうな、予感がした。親へのメールも送った。
「心の準備なんか今終わらせた!」
ジロウの方を見ると、何だかんだジロウも頷いている。
俺は知ってる、ジロウはテンション低い奴なんかじゃない。ちょっとテンションの上下が伝わりにくいだけなんだ。
「行こう、俺達で」
ほら、ジロウもこう言う。
それを見て満足したよう顔でケンが勘とやらの指示を出した。
「じゃあ念じろ!んー、開け!でいい」
開け、か
拓け開けひらけ〜!!
具体的には開かないジャムのビンとかそんなもん開けるときに念じる感じでやってみた。
ふと、足元の感覚がなくなったことに気づいた。
え、開いた!!ていうか!?
「あー開いたわーな?行ったべ?」
ケンは能天気な口調で言った。
「んな能天気な!?」
結局開くのは、扉とかじゃなく。穴だった。
「ばくさん!!ジロウ!!ケン!!」
俺叫んだ!!
「生きよう!!!」
なんだか訳がわからなくなってる自分がいた、だって底の見えない穴を落ちてるんだよ?!
依然穴は続き、俺達は落ちる。
「うおあああああああ!?」
ばくさんの叫び
「そこが見えないな…」
ジロウの呟き
やがて穴の底(?)が輝きだして…
ケンが何か言っているが、わからない。何を…?
そうして俺の意識はホワイトアウトした。
14/01/09 02:07更新 / キムカヤ
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