第六話 『ちょっとやり過ぎちゃった感があるわね』
眼下に広がる雑木林の中に、石造りの遺跡が見えた。石壁などは倒壊しているものの、柱の類いがいくつか原型を留めている。空から見ると同様の遺跡が林の中に点在しているようで、かつてここに何らかの文明があったのは間違いないだろう。
「あれが収容所?」
「地下に牢獄があるんです」
カーリナとレミィナが言葉を交わす。遺跡を隠れ蓑にした地下基地ということだが、遺跡の規模からして地上からの出入り口も複数あると見た方がいいだろう。だが今の戦力では常識的に考えて、全ての逃げ道を塞いでの掃討戦は不可能だ。そもそも正面切って攻め込もうものならカーリナの仲間たちが危ない。
「地上には人っ子一人いません」
「あの様子じゃ、処刑も地下でやるわね」
私もそう思った。いちいち処刑する魔物をぞろぞろと地上へ出しては偽装の意味がない。とすると、なんとかして忍び込むしかないわけだが……
「カーリナさん、貴女が逃げ出してきた入り口は覚えていますか?」
「ああ。あたいはあそこの、櫓みたいなのがある所から……」
彼女の指し示す先を見ると、なるほど風化してはいるものの、確かに石造りの櫓らしき建物がある。あそこに地下へ続く入り口の一つがあるようだ。
「他の出入り口に心当たりは?」
カーリナは首を横に振った。つまり判明している限り、侵入経路はそこしかないことになる。彼女がそこから逃げ出した実績があるのだから、最も確実と言えば確実だろう。問題はどうやって入るかだが、私はふと思いついた。
「奴ら、馬はどこで飼っているのでしょうか?」
「そういえば……私が連れてこられたとき、馬は別の方に連れて行かれてた……」
やはり外に馬小屋があるようだ。馬は運動が必要な動物であるし、軍馬ともなれば尚更訓練が必要だ。いつまでも暗い地下基地に押し込んで飼うことはできないだろう。
「とすれば、馬小屋には馬番の一人や二人はいるはずです。そいつらを締め上げて中のことを訊きましょう」
「そうね」
とりあえず、作戦の第一段階は決まった。カーリナの仲間たちをどうやって助け出すかは、内部について詳しい情報が手に入ってからだ。こんな大雑把で無謀な救出作戦など、ドイツ軍なら絶対に行わないだろうが、これしか方法が無い。
そして何よりも、一番の強敵がよりによってゴーレムなのである。奇妙で美しい魔物と人間が入り乱れるこの世界に来ても、まだ元の世界と私を結ぶ因縁がついてまわっている。ただの妄想かもしれない。だが、逃げる気にはなれない。
「着陸地点を探します」
断ち切れなくとも、立ち向かおう。
そう心に念じ、私は機首を下げていった。
…………
………
…
「うん、あそこね。獣臭さがする」
茂みの陰から遺跡の方を見て、レミィナは呟いた。遺跡の石壁に似せたと思われる建物だが、積んだ石の風化具合などが違う。空を飛ぶ魔物からの発見を防ぐためか、屋根には地面の色に似せた布がかけられている。規模としては精々、馬五頭か六頭程度だろう。カーリナを追撃してきたのが三騎だったことから見ても、あまり多くの馬はいないと考えられる。
シュトルヒは林の中の空き地に着陸させ、レミィナが不可視化させる結界を張った。まったく魔法とは便利なものである。
「入り口は一カ所だけですね。どうにかして馬番をおびき出しましょう」
「ああ、それは簡単。わたしに任せて」
事も無げに言い放ち、レミィナはすっと立ち上がった。武器を用意するでもなく、姿勢を低くして近づくでもなく、堂々とした足取りで馬小屋に向かう。無防備すぎるが彼女のことだ、何か作戦があるのだろうし、下手に制止しては敵に気取られるかもしれない。援護できるようライフルを構え、私は息を殺して見守ることにした。だがどうにも狩る立場には慣れていない。
緊張する私を他所に、レミィな葉迷うこと無く馬小屋に入っていく。カーリナも固唾をのんで見守るが、その後妙に静かな時間が続いた。この世界で銃声がしないのは当然として、いくら耳をそばだてても怒鳴り声一つ聞こえてこないのだ。
判断に困る静寂の後、レミィナが笑みを浮かべつつ小屋から出てきた。怪我が無いのを確認し、まずは一安心である。
だがその直後、彼女の背後に男の姿があることに気づいた。二人の若い兵士だ。しかし武器を持っておらず、その上酔っぱらいのごとく足取りがおぼつかないようである。その目は何処か起きたまま夢を見ているかのようであり、ただレミィナにのみ視線を向けているところを見ると、彼女の魅力にしてやられたらしい。
「連れてきたよ」
まるで近所の知り合いを呼んできたかのようだ。さすが魔王の娘、武器など必要ないということか。それにしても馬番の兵士二人の締まりのない面と言ったら、私も以前彼女に魅了されかけ、こんな顔になったのかと思うと恥ずかしい限りである。今すぐ拳銃で自決したいくらいだ。
「さてと……施設の中に入る、一番安全な道を教えてくれるかしら?」
「……そ、そこの井戸」
兵士は近くにある、崩れかけた井戸を指差した。なるほど、地下への通路としては普通である。
「そこの通路が、一番、警備が手薄で……!」
「な、中は地下三階まであって、つ、捕まった魔物のいるところは地下二階。三階には、ご、ゴーレムの調整室と、よく分からない研究室があって、それから……!」
息づかい荒く、聞いていないことまで必死でしゃべり始める。レミィナに気に入ってほしくて必死、と言った様子であり、悪魔の力とはまったく恐ろしい。祖国のクソ共がよだれ垂らして欲しがりそうな力だが、これはレミィナのような美女が持つからこそ映える能力だろう。
「よし、忍び込んで捕まってる人たちの安全を確保して、ゴーレムを押さえてから脱出ってとこね」
レミィナがざっくりと計画を立て、馬番たちに背を向けた。どうやらゴーレム以外の敵兵は脅威にならないようである。
彼女に続こうとしてふと、魅了されている馬番が下半身をまさぐっていることに気づいた。熱を帯びた視線でレミィナの後ろ姿を見つめているかと思うと、見ている目の前で怒張した男根を引っ張りだし、一心不乱にしごき始めたのだ。
私は迷わずライフルを振り上げ、馬番の腹を銃床で殴りつけた。嫌な感触が手に伝わってくると同時に、そいつはうめき声とともに倒れ伏す。
「……容赦ないわね」
レミィナが振り向いて苦笑する。魅了した彼女本人は気にしていないのだろうが、女性の面前であのような真似をする奴を見過ごしてはおけない。いくら魅力的な女性でも、というより魅力的な女性だからこそ、礼儀を持って接するのが普通だろう。もっとも相手は聖人にさえ正気を失わせてしまうという魔物だが。
だが今のようなものを見ると、どうしても過去の記憶を思い出してしまう。友軍の歩兵がズボンを上げながら小屋から出てきて、小屋の中には穢し尽くされた少女が転がっている光景を……。
未だ立ち尽くしているもう一人の馬番を捨て置いて、私は井戸を覗き込んだ。内側には金属の楔が打ち込まれており、それに足をかけて出入りできるようになっている。警備は手薄だと言っていたし、話し声なども聞こえないが、油断はできない。
「何か投げ込んで様子を見ますか?」
「そうね」
レミィナは辺りを見回し、掌サイズの石を拾った。もし石を落として敵兵が様子を見にきたとしても、狭い井戸から這い出てくるのだから簡単に倒せる。レミィナは翼を広げ、ふわりと宙に浮き上がった。約五メートルの高さから赤い瞳で井戸を見下ろし、石を握った右手を振りかぶる。
「行け、ファイナルインフェニットストームサンダー四号!」
「石ころにそんな名前付けないでください」
しかも四号って何だ、四号って。
ともあれ姫は痛々しい名前の石を井戸に投げ込んだ。
刹那、腹の底に響くような轟音。急降下爆撃機の猛攻を思わせる破壊音の後、地面が振動したように思えた。同時に井戸からもうもうと砂埃が舞い上がる。カーリナと私は呆然と、レミィナは得意げな笑顔でそれを見つめていた。
「……姫、ナントカ四号がもの凄い威力のようですが」
「うん、ちょっとやり過ぎちゃった感があるわね」
「様子見って言ったでしょう!」
そうしているうちに、井戸の中では人間のざわめきが聞こえ始めた。「地盤の崩落か」だの「敵襲か」だの「ニーソックス万歳」だの、様々な言葉が飛び交っている。最後のは一体何だったのか。
「うわ、大騒ぎになってる」
「当たり前です!」
「あ、あたいの仲間は!? 姐さんたちは!?」
カーリナが軽くパニック状態になるのも無理はない。ロンメル将軍がこんな作戦を見たら頭を抱えるだろう。とにかくこうなってしまったからには……。
「姫、こうなればパニックに乗じて突入しましょう」
こちらには銃があるし、レミィナの反則的な魅了攻撃もある。私の提案に、レミィナははっきりと頷いた。
「わたしが先に降りるから、二人は後から飛び降りてきて。受け止めるから!」
井戸の真上で翼を閉じ、レミィナは真っ直ぐに降下、というより落下していく。今の彼女の攻撃で下の様子が余計に分からなくなったというのに、全く迷わず突入した。この思い切りの良さは少し恐ろしいものがある。ちなみに一瞬彼女のスカートがめくれ上がったが見えなかったことにする。
「受け止める、とは……」
「魔法を使うんだろ!」
カーリナがもまた、迷うことなくレミィナに続いた。額に汗が浮かんでいたことから、相当に仲間を心配しているのだろう。焦ってはならないと声をかける間もなく、彼女も井戸の中へ消えていった。
さて、私の番だ。今まで何度か撃ち落とされ、パラシュート脱出を経験している。今回はパラシュートではなく、レミィナを信じて覚悟を決めるしかない。
ライフルを肩に背負い、脳内に降下猟兵の歌を流しながら、私も闇の中に身を躍らせた。冷えた空気の闇を、何の抵抗も無くすーっと落ちていく。
床が見えた気がした。しかしその床にも穴が空いている。その穴を通り抜けたとき、落下速度が突然遅くなった。何かに吊るされたまま降りていくように、ゆっくりと下降し……設置。脳内で音楽が鳴り止み、目の前にレミィナとカーリナがいた。
「よし、成功ね」
「……ここは地下二階のようですね」
辺りの壁には灯火があり、一応視界は確保できている。上を見上げると、天井を隔てた空間の向こうに井戸の入り口が小さく見えた。レミィナが恥ずかしい名前を付けた石はここまで貫通したらしく、足下の床にはクレーターができていた。
「ちょうど牢獄がある階層ね。計算通り!」
「計算してたんですか!? 本当に!?」
「ね、姐さんたちはどこに……」
そうこうしている間にも、足音が迫ってきていた。敵兵が調べに来るのは当然であり、むしろ遅すぎるくらいだ。
レミィナは周囲をきょろきょろと見回すと、通路の一つに視線を定めた。
「こっちよ。ブラックハーピーの魔力を感じる」
さすがは魔王の娘、眷属の気配を感知できるということか。薄暗い中で赤い瞳が煌煌と輝いている。前を走り出した彼女に、私とカーリナが続いた。
正面から足音が近づく。だが曲がり角から飛び出してきた二人の敵兵は、レミィナの姿を見て足を止めた。刹那、レミィナの拳が唸った。
「せいっ!」
「ぐ……!」
奇麗にストレートを叩き込まれ、哀れな敵兵はどさりと崩れ落ちた。もう一人の方は美脚から繰り出された回し蹴りに沈む。死んではいないと思うが、一瞬で気絶したらしい。
再び走り出すレミィナを、我々は慌てて追った。
「……容赦ないのはどっちですか」
「気が立ってる人たち相手だと、こうした方がてっとり早いの」
言いながら、彼女は再び出てきた敵兵を飛び膝蹴りで下した。今の兵士は女だったようだが、それでもレミィナの魔性の美貌に一瞬動きを止めてしまったようだ。この世界の兵士というのはあまり意味がないもののような気がしてくる。
しかし戦う女性というのはこうも美しいものなのか。その体が躍動する度に、優美な力が弾けるかのようだ。挑みかかってきてはやられる敵兵の練度がどのくらいかは分からないが、見とれてしまうのも無理はないだろう。一点の無駄も無い動きで敵を蹴散らす姿はダンサーのようだ。
こうして我々は、苦悶や無念の表情、時には何故か嬉しそうな顔をして倒れていく敵兵たちをまたぎ、ひたすら突き進んだ。途中神父らしき男が脇道から現れ、カーリナの髪を掴んで捕らえようとしたので、私が殴り倒した。「せ、聖職者に何をするか!」などと叫んでいたが、女性の髪を引っ掴む聖職者などいてたまるか。五月蝿いのでとどめの一撃で失神してもらった。
後は何の問題も起きなかった。精々カーリナが壁に頭をぶつけたくらいだ。どうやら『鳥目』らしい。
「この先だわ」
レミィナが立ち止まった。曲がり角の先から怒号と金属音が聞こえる。女の声も多数混じっていた。
「姐さんたちだ!」
カーリナが叫んで走り出す。どうやら混乱に乗じて、彼女の仲間たちが脱走を図ったらしい。現在交戦中のようだが、この狭い地下室ではかなりの大混戦となっているはずだ。
「どうします? まだ増援が来るのでは?」
それだけではない。我々は一番の脅威であるゴーレムを、まだ押さえていないのだ。レミィナは一秒ほど思案し、私を見つめた。
「仕方ないわ。こうなったらアレをヤる!」
座って、と促され、私は訳が分からないままその場に座り込んだ。彼女も私の隣にあぐらをかく。何か魔法でも使う準備だろうか……そう思った瞬間、彼女は私の下半身に手をかけた。
「姫! こんな時に何を!?」
「こんな時だからやるの! わたしを信じて!」
無茶苦茶なことを言いながら、レミィナは私のズボンを脱がしにかかった。一瞬、以前受けた気の狂いそうな快楽を思い出して体が疼く。しかし理性を働かせ、彼女の手を止めた。
「ふざけないでください!」
「ふざけてないってば! ほら、見て……」
レミィナがゆっくりと、自分のスカートをまくり上げた。その瞬間、またあの得体の知れない芳香が鼻を刺激してくる。縞模様の下着に包まれた三角形の部分、そしてそれとニーソックスの間にある白いふともも。私はその光景に目を奪われ、彼女の腕を掴む力を緩めてしまった。
「ほら、よく見て。きれい? えっち?」
耳元で囁きつつ、彼女は片手で器用にベルトの留め具を外してしまった。下着の中に手が入り込み、男根が握られる。そのすべすべとした温かい感触が脳を蝕んでいく。
下半身にはひたすら甘く、痺れるような快楽。視覚には薄い布と、その上をなぞる彼女の指の動きが入ってくるのだ。
「姫、いい加減に……!」
「この下に、わたしのアソコがあるんだけど……処女なの」
その言葉に、心臓が大きく脈動した。
処女?
レミィナが?
何故?
男の精を吸う悪魔ではないのか?
このような行為を平気で行っているのに?
倒錯と混乱が脳内に満ちる中、レミィナは下着の上を左手で強くさすり始めた。正確にはその下にある、性器を。
「んっ……処女まんこ……パンツ越しにこすると……ひぅぅ♥」
レミィナの体が小刻みに震え始める。同時に男根を握る手にも力がこめられ、柔らかくくすぐったい感触が張りつめた竿を撫でさすってくる。そして視線は、目の前の彼女の媚態から逸らすことができない。
「あは……ヴェルナー、見てる? わたしのココ……あんっ……ほら、濡れて、きちゃったぁ……♥」
彼女の言葉通り、縞模様の下着に染みが広がり始めた。尿とは違う、透明でぬめりのある液体が下着にしみ込み、光沢を帯びる。レミィナは白い頬をほんのりと染め、呼吸も荒くなっていた。温かい吐息が頬にかかる。
彼女自らを慰める左手の動きが活発になり、右手の動きも変化し始めた。筒状に男根をしごいていた指が、今度は一本ごとにばらばらに動き、くすぐるように刺激してきたのだ。小指と薬指が付け根を、中指と人差し指が裏筋を、親指の腹がくびれの部分を。巧みに快楽を与えられる指使いだった。
「姫、止せ……!」
「あは……♥ ヴェルナーのコレ、熱ぅい……ひゃぅん……見てるだけで、見られてるだけで、わたしのココが、ココがもっと……♥」
艶かしい声が、断続的に吐き出される甘い息が、脳を麻痺させていく。彼女の下着は股間の部位のみならず、臀部の方にまで染みが広がっていた。それどころか蜜さながらにねっとりと滴り落ちた粘液が、床に小さな水たまりを作り始めている。熟れた果実を握りつぶしたかのように、レミィナが自分の股を刺激する度に果汁が染み出しているのだ。
「ああ、あ、だめ……もっと、もっとシなきゃ……♥」
レミィナは尻尾をくねらせたかと思うと、ハート形をした先端を自分の股間に押し付けた。
「ふああぁぁん♥」
彼女は身をよじらせて喘いだ。尻尾の先端を下着越しに食い込ませ、ぐりぐりと押し付けている。
「ひぃ、イイ、あぅっ……しっぽ、しっぽでするの、イイよぉ……やん、ヴェルナーに、御者にこんなところ見られちゃってる……♥」
恍惚とした笑顔を浮かべ、レミィナはうっとりと呟いた。尻尾の動きが激しくなるのと同時に、彼女は空いた左手も私の男根に添えてきた。両手で男根全体をなで回し、左手に着いた粘液……彼女の股から染出た液を、肉棒全体にべっとりとまぶしていく。続いて右手が竿をくすぐり、左手が亀頭を掌で包み込むようにして強く刺激してきた。にちゃにちゃと卑猥な音を立てながら、ぬめる掌や指先が全神経に快感を与えてきた。
――耐えられ……ない……!――
「ひ、姫……止め、るん……」
「あ、あ、ああ、あぁ、イっ、ちゃう? イっちゃのね? ヴェルナーが、んんっ、わたしの、あぁんっ、ぐちゃぐちゃの、ココを見ながらぁっ……♥」
その瞬間。
レミィナの手に男根を強く握られた。そして彼女は自分の股に、より一層強く尻尾を押し付けた。
「ひああ、あぅ、イ、イ、イく! イっちゃうよぉ、ヴェルナーに、見られたまま……あ、ふ、くあああああぁぁぁ♥」
一際派手な矯正と共に、悪魔の王女は体を仰け反らせて震えた。同時に水浸し状態の下着から、更に派手に愛液が飛び散った。
彼女の体の震動は、私にも伝わる。限界まで高められていた体は、そのとどめの刺激に耐えられなかった。
「ひ、め……ううううっ!」
結果、凄まじい快感と共に、多量の白濁液が彼女の掌に弾けた。
この行為が何のために行われたのか分からないまま、私は彼女に屈してしまったのだ……。
… … … …
……侵入者の魔力を感知。
……分類、サキュバス系統。及び人間一名、性別・男。
……前回戦闘時のダメージ、修復完了。
……右腕パーツ、ルーン文字確認。『服従』『無感情』『忠実』。異常なし。
……任務、侵入者の探索・捕縛及び、収容区における暴動鎮圧。
……任務、実行。
……感知魔力増大。警戒レベル引き上げ。
……魔力増大。警戒レベル引き上げ。
……魔力増大。警戒レベル引き上げ。魔力増大。警戒レベル引き上げ。魔力増大。警戒レベル引き上げ。魔力増大、魔力増大、魔力増大……
……侵入者の魔力 への侵蝕 認。
……魔力 侵蝕 緊急事
……魔 蝕
「あれが収容所?」
「地下に牢獄があるんです」
カーリナとレミィナが言葉を交わす。遺跡を隠れ蓑にした地下基地ということだが、遺跡の規模からして地上からの出入り口も複数あると見た方がいいだろう。だが今の戦力では常識的に考えて、全ての逃げ道を塞いでの掃討戦は不可能だ。そもそも正面切って攻め込もうものならカーリナの仲間たちが危ない。
「地上には人っ子一人いません」
「あの様子じゃ、処刑も地下でやるわね」
私もそう思った。いちいち処刑する魔物をぞろぞろと地上へ出しては偽装の意味がない。とすると、なんとかして忍び込むしかないわけだが……
「カーリナさん、貴女が逃げ出してきた入り口は覚えていますか?」
「ああ。あたいはあそこの、櫓みたいなのがある所から……」
彼女の指し示す先を見ると、なるほど風化してはいるものの、確かに石造りの櫓らしき建物がある。あそこに地下へ続く入り口の一つがあるようだ。
「他の出入り口に心当たりは?」
カーリナは首を横に振った。つまり判明している限り、侵入経路はそこしかないことになる。彼女がそこから逃げ出した実績があるのだから、最も確実と言えば確実だろう。問題はどうやって入るかだが、私はふと思いついた。
「奴ら、馬はどこで飼っているのでしょうか?」
「そういえば……私が連れてこられたとき、馬は別の方に連れて行かれてた……」
やはり外に馬小屋があるようだ。馬は運動が必要な動物であるし、軍馬ともなれば尚更訓練が必要だ。いつまでも暗い地下基地に押し込んで飼うことはできないだろう。
「とすれば、馬小屋には馬番の一人や二人はいるはずです。そいつらを締め上げて中のことを訊きましょう」
「そうね」
とりあえず、作戦の第一段階は決まった。カーリナの仲間たちをどうやって助け出すかは、内部について詳しい情報が手に入ってからだ。こんな大雑把で無謀な救出作戦など、ドイツ軍なら絶対に行わないだろうが、これしか方法が無い。
そして何よりも、一番の強敵がよりによってゴーレムなのである。奇妙で美しい魔物と人間が入り乱れるこの世界に来ても、まだ元の世界と私を結ぶ因縁がついてまわっている。ただの妄想かもしれない。だが、逃げる気にはなれない。
「着陸地点を探します」
断ち切れなくとも、立ち向かおう。
そう心に念じ、私は機首を下げていった。
…………
………
…
「うん、あそこね。獣臭さがする」
茂みの陰から遺跡の方を見て、レミィナは呟いた。遺跡の石壁に似せたと思われる建物だが、積んだ石の風化具合などが違う。空を飛ぶ魔物からの発見を防ぐためか、屋根には地面の色に似せた布がかけられている。規模としては精々、馬五頭か六頭程度だろう。カーリナを追撃してきたのが三騎だったことから見ても、あまり多くの馬はいないと考えられる。
シュトルヒは林の中の空き地に着陸させ、レミィナが不可視化させる結界を張った。まったく魔法とは便利なものである。
「入り口は一カ所だけですね。どうにかして馬番をおびき出しましょう」
「ああ、それは簡単。わたしに任せて」
事も無げに言い放ち、レミィナはすっと立ち上がった。武器を用意するでもなく、姿勢を低くして近づくでもなく、堂々とした足取りで馬小屋に向かう。無防備すぎるが彼女のことだ、何か作戦があるのだろうし、下手に制止しては敵に気取られるかもしれない。援護できるようライフルを構え、私は息を殺して見守ることにした。だがどうにも狩る立場には慣れていない。
緊張する私を他所に、レミィな葉迷うこと無く馬小屋に入っていく。カーリナも固唾をのんで見守るが、その後妙に静かな時間が続いた。この世界で銃声がしないのは当然として、いくら耳をそばだてても怒鳴り声一つ聞こえてこないのだ。
判断に困る静寂の後、レミィナが笑みを浮かべつつ小屋から出てきた。怪我が無いのを確認し、まずは一安心である。
だがその直後、彼女の背後に男の姿があることに気づいた。二人の若い兵士だ。しかし武器を持っておらず、その上酔っぱらいのごとく足取りがおぼつかないようである。その目は何処か起きたまま夢を見ているかのようであり、ただレミィナにのみ視線を向けているところを見ると、彼女の魅力にしてやられたらしい。
「連れてきたよ」
まるで近所の知り合いを呼んできたかのようだ。さすが魔王の娘、武器など必要ないということか。それにしても馬番の兵士二人の締まりのない面と言ったら、私も以前彼女に魅了されかけ、こんな顔になったのかと思うと恥ずかしい限りである。今すぐ拳銃で自決したいくらいだ。
「さてと……施設の中に入る、一番安全な道を教えてくれるかしら?」
「……そ、そこの井戸」
兵士は近くにある、崩れかけた井戸を指差した。なるほど、地下への通路としては普通である。
「そこの通路が、一番、警備が手薄で……!」
「な、中は地下三階まであって、つ、捕まった魔物のいるところは地下二階。三階には、ご、ゴーレムの調整室と、よく分からない研究室があって、それから……!」
息づかい荒く、聞いていないことまで必死でしゃべり始める。レミィナに気に入ってほしくて必死、と言った様子であり、悪魔の力とはまったく恐ろしい。祖国のクソ共がよだれ垂らして欲しがりそうな力だが、これはレミィナのような美女が持つからこそ映える能力だろう。
「よし、忍び込んで捕まってる人たちの安全を確保して、ゴーレムを押さえてから脱出ってとこね」
レミィナがざっくりと計画を立て、馬番たちに背を向けた。どうやらゴーレム以外の敵兵は脅威にならないようである。
彼女に続こうとしてふと、魅了されている馬番が下半身をまさぐっていることに気づいた。熱を帯びた視線でレミィナの後ろ姿を見つめているかと思うと、見ている目の前で怒張した男根を引っ張りだし、一心不乱にしごき始めたのだ。
私は迷わずライフルを振り上げ、馬番の腹を銃床で殴りつけた。嫌な感触が手に伝わってくると同時に、そいつはうめき声とともに倒れ伏す。
「……容赦ないわね」
レミィナが振り向いて苦笑する。魅了した彼女本人は気にしていないのだろうが、女性の面前であのような真似をする奴を見過ごしてはおけない。いくら魅力的な女性でも、というより魅力的な女性だからこそ、礼儀を持って接するのが普通だろう。もっとも相手は聖人にさえ正気を失わせてしまうという魔物だが。
だが今のようなものを見ると、どうしても過去の記憶を思い出してしまう。友軍の歩兵がズボンを上げながら小屋から出てきて、小屋の中には穢し尽くされた少女が転がっている光景を……。
未だ立ち尽くしているもう一人の馬番を捨て置いて、私は井戸を覗き込んだ。内側には金属の楔が打ち込まれており、それに足をかけて出入りできるようになっている。警備は手薄だと言っていたし、話し声なども聞こえないが、油断はできない。
「何か投げ込んで様子を見ますか?」
「そうね」
レミィナは辺りを見回し、掌サイズの石を拾った。もし石を落として敵兵が様子を見にきたとしても、狭い井戸から這い出てくるのだから簡単に倒せる。レミィナは翼を広げ、ふわりと宙に浮き上がった。約五メートルの高さから赤い瞳で井戸を見下ろし、石を握った右手を振りかぶる。
「行け、ファイナルインフェニットストームサンダー四号!」
「石ころにそんな名前付けないでください」
しかも四号って何だ、四号って。
ともあれ姫は痛々しい名前の石を井戸に投げ込んだ。
刹那、腹の底に響くような轟音。急降下爆撃機の猛攻を思わせる破壊音の後、地面が振動したように思えた。同時に井戸からもうもうと砂埃が舞い上がる。カーリナと私は呆然と、レミィナは得意げな笑顔でそれを見つめていた。
「……姫、ナントカ四号がもの凄い威力のようですが」
「うん、ちょっとやり過ぎちゃった感があるわね」
「様子見って言ったでしょう!」
そうしているうちに、井戸の中では人間のざわめきが聞こえ始めた。「地盤の崩落か」だの「敵襲か」だの「ニーソックス万歳」だの、様々な言葉が飛び交っている。最後のは一体何だったのか。
「うわ、大騒ぎになってる」
「当たり前です!」
「あ、あたいの仲間は!? 姐さんたちは!?」
カーリナが軽くパニック状態になるのも無理はない。ロンメル将軍がこんな作戦を見たら頭を抱えるだろう。とにかくこうなってしまったからには……。
「姫、こうなればパニックに乗じて突入しましょう」
こちらには銃があるし、レミィナの反則的な魅了攻撃もある。私の提案に、レミィナははっきりと頷いた。
「わたしが先に降りるから、二人は後から飛び降りてきて。受け止めるから!」
井戸の真上で翼を閉じ、レミィナは真っ直ぐに降下、というより落下していく。今の彼女の攻撃で下の様子が余計に分からなくなったというのに、全く迷わず突入した。この思い切りの良さは少し恐ろしいものがある。ちなみに一瞬彼女のスカートがめくれ上がったが見えなかったことにする。
「受け止める、とは……」
「魔法を使うんだろ!」
カーリナがもまた、迷うことなくレミィナに続いた。額に汗が浮かんでいたことから、相当に仲間を心配しているのだろう。焦ってはならないと声をかける間もなく、彼女も井戸の中へ消えていった。
さて、私の番だ。今まで何度か撃ち落とされ、パラシュート脱出を経験している。今回はパラシュートではなく、レミィナを信じて覚悟を決めるしかない。
ライフルを肩に背負い、脳内に降下猟兵の歌を流しながら、私も闇の中に身を躍らせた。冷えた空気の闇を、何の抵抗も無くすーっと落ちていく。
床が見えた気がした。しかしその床にも穴が空いている。その穴を通り抜けたとき、落下速度が突然遅くなった。何かに吊るされたまま降りていくように、ゆっくりと下降し……設置。脳内で音楽が鳴り止み、目の前にレミィナとカーリナがいた。
「よし、成功ね」
「……ここは地下二階のようですね」
辺りの壁には灯火があり、一応視界は確保できている。上を見上げると、天井を隔てた空間の向こうに井戸の入り口が小さく見えた。レミィナが恥ずかしい名前を付けた石はここまで貫通したらしく、足下の床にはクレーターができていた。
「ちょうど牢獄がある階層ね。計算通り!」
「計算してたんですか!? 本当に!?」
「ね、姐さんたちはどこに……」
そうこうしている間にも、足音が迫ってきていた。敵兵が調べに来るのは当然であり、むしろ遅すぎるくらいだ。
レミィナは周囲をきょろきょろと見回すと、通路の一つに視線を定めた。
「こっちよ。ブラックハーピーの魔力を感じる」
さすがは魔王の娘、眷属の気配を感知できるということか。薄暗い中で赤い瞳が煌煌と輝いている。前を走り出した彼女に、私とカーリナが続いた。
正面から足音が近づく。だが曲がり角から飛び出してきた二人の敵兵は、レミィナの姿を見て足を止めた。刹那、レミィナの拳が唸った。
「せいっ!」
「ぐ……!」
奇麗にストレートを叩き込まれ、哀れな敵兵はどさりと崩れ落ちた。もう一人の方は美脚から繰り出された回し蹴りに沈む。死んではいないと思うが、一瞬で気絶したらしい。
再び走り出すレミィナを、我々は慌てて追った。
「……容赦ないのはどっちですか」
「気が立ってる人たち相手だと、こうした方がてっとり早いの」
言いながら、彼女は再び出てきた敵兵を飛び膝蹴りで下した。今の兵士は女だったようだが、それでもレミィナの魔性の美貌に一瞬動きを止めてしまったようだ。この世界の兵士というのはあまり意味がないもののような気がしてくる。
しかし戦う女性というのはこうも美しいものなのか。その体が躍動する度に、優美な力が弾けるかのようだ。挑みかかってきてはやられる敵兵の練度がどのくらいかは分からないが、見とれてしまうのも無理はないだろう。一点の無駄も無い動きで敵を蹴散らす姿はダンサーのようだ。
こうして我々は、苦悶や無念の表情、時には何故か嬉しそうな顔をして倒れていく敵兵たちをまたぎ、ひたすら突き進んだ。途中神父らしき男が脇道から現れ、カーリナの髪を掴んで捕らえようとしたので、私が殴り倒した。「せ、聖職者に何をするか!」などと叫んでいたが、女性の髪を引っ掴む聖職者などいてたまるか。五月蝿いのでとどめの一撃で失神してもらった。
後は何の問題も起きなかった。精々カーリナが壁に頭をぶつけたくらいだ。どうやら『鳥目』らしい。
「この先だわ」
レミィナが立ち止まった。曲がり角の先から怒号と金属音が聞こえる。女の声も多数混じっていた。
「姐さんたちだ!」
カーリナが叫んで走り出す。どうやら混乱に乗じて、彼女の仲間たちが脱走を図ったらしい。現在交戦中のようだが、この狭い地下室ではかなりの大混戦となっているはずだ。
「どうします? まだ増援が来るのでは?」
それだけではない。我々は一番の脅威であるゴーレムを、まだ押さえていないのだ。レミィナは一秒ほど思案し、私を見つめた。
「仕方ないわ。こうなったらアレをヤる!」
座って、と促され、私は訳が分からないままその場に座り込んだ。彼女も私の隣にあぐらをかく。何か魔法でも使う準備だろうか……そう思った瞬間、彼女は私の下半身に手をかけた。
「姫! こんな時に何を!?」
「こんな時だからやるの! わたしを信じて!」
無茶苦茶なことを言いながら、レミィナは私のズボンを脱がしにかかった。一瞬、以前受けた気の狂いそうな快楽を思い出して体が疼く。しかし理性を働かせ、彼女の手を止めた。
「ふざけないでください!」
「ふざけてないってば! ほら、見て……」
レミィナがゆっくりと、自分のスカートをまくり上げた。その瞬間、またあの得体の知れない芳香が鼻を刺激してくる。縞模様の下着に包まれた三角形の部分、そしてそれとニーソックスの間にある白いふともも。私はその光景に目を奪われ、彼女の腕を掴む力を緩めてしまった。
「ほら、よく見て。きれい? えっち?」
耳元で囁きつつ、彼女は片手で器用にベルトの留め具を外してしまった。下着の中に手が入り込み、男根が握られる。そのすべすべとした温かい感触が脳を蝕んでいく。
下半身にはひたすら甘く、痺れるような快楽。視覚には薄い布と、その上をなぞる彼女の指の動きが入ってくるのだ。
「姫、いい加減に……!」
「この下に、わたしのアソコがあるんだけど……処女なの」
その言葉に、心臓が大きく脈動した。
処女?
レミィナが?
何故?
男の精を吸う悪魔ではないのか?
このような行為を平気で行っているのに?
倒錯と混乱が脳内に満ちる中、レミィナは下着の上を左手で強くさすり始めた。正確にはその下にある、性器を。
「んっ……処女まんこ……パンツ越しにこすると……ひぅぅ♥」
レミィナの体が小刻みに震え始める。同時に男根を握る手にも力がこめられ、柔らかくくすぐったい感触が張りつめた竿を撫でさすってくる。そして視線は、目の前の彼女の媚態から逸らすことができない。
「あは……ヴェルナー、見てる? わたしのココ……あんっ……ほら、濡れて、きちゃったぁ……♥」
彼女の言葉通り、縞模様の下着に染みが広がり始めた。尿とは違う、透明でぬめりのある液体が下着にしみ込み、光沢を帯びる。レミィナは白い頬をほんのりと染め、呼吸も荒くなっていた。温かい吐息が頬にかかる。
彼女自らを慰める左手の動きが活発になり、右手の動きも変化し始めた。筒状に男根をしごいていた指が、今度は一本ごとにばらばらに動き、くすぐるように刺激してきたのだ。小指と薬指が付け根を、中指と人差し指が裏筋を、親指の腹がくびれの部分を。巧みに快楽を与えられる指使いだった。
「姫、止せ……!」
「あは……♥ ヴェルナーのコレ、熱ぅい……ひゃぅん……見てるだけで、見られてるだけで、わたしのココが、ココがもっと……♥」
艶かしい声が、断続的に吐き出される甘い息が、脳を麻痺させていく。彼女の下着は股間の部位のみならず、臀部の方にまで染みが広がっていた。それどころか蜜さながらにねっとりと滴り落ちた粘液が、床に小さな水たまりを作り始めている。熟れた果実を握りつぶしたかのように、レミィナが自分の股を刺激する度に果汁が染み出しているのだ。
「ああ、あ、だめ……もっと、もっとシなきゃ……♥」
レミィナは尻尾をくねらせたかと思うと、ハート形をした先端を自分の股間に押し付けた。
「ふああぁぁん♥」
彼女は身をよじらせて喘いだ。尻尾の先端を下着越しに食い込ませ、ぐりぐりと押し付けている。
「ひぃ、イイ、あぅっ……しっぽ、しっぽでするの、イイよぉ……やん、ヴェルナーに、御者にこんなところ見られちゃってる……♥」
恍惚とした笑顔を浮かべ、レミィナはうっとりと呟いた。尻尾の動きが激しくなるのと同時に、彼女は空いた左手も私の男根に添えてきた。両手で男根全体をなで回し、左手に着いた粘液……彼女の股から染出た液を、肉棒全体にべっとりとまぶしていく。続いて右手が竿をくすぐり、左手が亀頭を掌で包み込むようにして強く刺激してきた。にちゃにちゃと卑猥な音を立てながら、ぬめる掌や指先が全神経に快感を与えてきた。
――耐えられ……ない……!――
「ひ、姫……止め、るん……」
「あ、あ、ああ、あぁ、イっ、ちゃう? イっちゃのね? ヴェルナーが、んんっ、わたしの、あぁんっ、ぐちゃぐちゃの、ココを見ながらぁっ……♥」
その瞬間。
レミィナの手に男根を強く握られた。そして彼女は自分の股に、より一層強く尻尾を押し付けた。
「ひああ、あぅ、イ、イ、イく! イっちゃうよぉ、ヴェルナーに、見られたまま……あ、ふ、くあああああぁぁぁ♥」
一際派手な矯正と共に、悪魔の王女は体を仰け反らせて震えた。同時に水浸し状態の下着から、更に派手に愛液が飛び散った。
彼女の体の震動は、私にも伝わる。限界まで高められていた体は、そのとどめの刺激に耐えられなかった。
「ひ、め……ううううっ!」
結果、凄まじい快感と共に、多量の白濁液が彼女の掌に弾けた。
この行為が何のために行われたのか分からないまま、私は彼女に屈してしまったのだ……。
… … … …
……侵入者の魔力を感知。
……分類、サキュバス系統。及び人間一名、性別・男。
……前回戦闘時のダメージ、修復完了。
……右腕パーツ、ルーン文字確認。『服従』『無感情』『忠実』。異常なし。
……任務、侵入者の探索・捕縛及び、収容区における暴動鎮圧。
……任務、実行。
……感知魔力増大。警戒レベル引き上げ。
……魔力増大。警戒レベル引き上げ。
……魔力増大。警戒レベル引き上げ。魔力増大。警戒レベル引き上げ。魔力増大。警戒レベル引き上げ。魔力増大、魔力増大、魔力増大……
……侵入者の魔力 への侵蝕 認。
……魔力 侵蝕 緊急事
……魔 蝕
12/04/17 21:06更新 / 空き缶号
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