連載小説
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エピローグ

 その後、僕たちはしばらく無人の村の真ん中でセックスを続けた。僕は何度も射精したし、クロアルーラも何回も絶頂した。魔物の多く住まうルージュ・シティに住んでいたため、僕の体は町の中を漂う魔力を取り込み、すでにインキュバス化し始めていたらしい。少しずつ蓄積されていた魔物の魔力が、彼女との交わりで活性化し、交わりに疲れを感じなくなってきたのだ。

 だがやがて、陽が傾き始めた頃に僕たちは満足感を覚え、自然に交わりを終えた。服を脱ぎ、井戸水で体を清めながら、クロアルーラから昨日の出来事を聞いた。
 やはり島に遺棄されていたドラゴンの骸が、屍竜となって目を覚ましたのだ。彼女と一緒に見た骨はあのイタチのような動物を伴って村を訪れ、笑顔で一言別れを告げると、同じくドラゴンゾンビとなった仲間たちと共に飛び立ったという。

 島を訪れるシービショップたちが鎮魂の儀を行うとき、彼女たちの魔力は少しずつ島へ広がっていく。そして人魔共栄を掲げるルージュ・シティから僕がやってきたことで、より多くの魔力が運ばれてきた。
 元よりクロアルーラの仲間たちが魔力に侵されていたのだから、すでに島は魔物の魔力を受け入れやすくなっていた。女性の姿になったドラゴンゾンビたちを見て、クロアルーラは悟ったという。

 自分も変化を受け入れるときが来たのだ、と。

 出会い方は最悪だったのに、その変化と向き合うための相手に僕を選んでくれた。はっきりとした理由はないが、一緒に島を見て回っているうちに、信頼の置ける男性になった……彼女はそう語りながら、真っ白な裸体に桶一杯の水を浴びる。
 淫らな液体も、絶頂の中で漏れ出した尿も洗い流され、小さく揺れる乳房やお尻に水滴が弾ける。緑の髪はより一層艶やかになる。

 それを見ているうちに僕の股間は再び目を覚まし、すると彼女もまた……どうなったか説明の必要はないだろう。


「あぅっ、はっ、うそぉ……♥ 気持ちいいっ……!」

 四つん這いになったクロアルーラが喘ぐ。女性器の割れ目から白濁が垂れているが、今ペニスを挿入しているのはそこではない。
 僕はエルフのお尻の谷間……肛門へ肉棒を突き立てていたのだ。

「お尻の穴っ……お尻の穴なのにっ、気持ちいい……♥」
「僕もですっ、クロアさん……!」

 小さなお尻を手で掴み、一心不乱にペニスを肛門へ抜き差しする。膣内と違い肉のヒダはなく、絡みつくような感触は味わえない。だが食いちぎらんばかりの強さで肉棒を抱きしめるその穴は、膣に劣らぬ悦楽の穴だった。

 込み上げてきた射精感を我慢することなどなく、ぐっと肛門でペニスを突き入れた。お尻の弾力が「ぷにっ」と腰を押し返す。

 その途端、彼女が先に絶頂した。潮と尿が股間から吹き出し、肛門がぎゅっと激しく収縮する。

「出るぅ……!」

 どくん。何度目か数えられない射精が訪れた。腸内へと迸った白濁に、彼女は両手足をガクガクと震わせ、地面にヘタリ込む。僕はその上にしっかりと覆いかぶさって、最後の一滴までお尻の穴に出し尽くした。

 ゆっくりと引き抜く。クロアルーラが「あんっ」と可愛らしい声を漏らした。ペニスが抜けた途端、肛門は先ほど怒張した肉棒を受け入れていたとは思えないほど、清楚にすぼまった。しかしそこから少しだけ垂れる白濁が、今僕らのやったことを証明していた。

「お尻の穴って、うんちをするためだけの物じゃなかったのね……」

 呼吸を整えながら、僕を見て微笑むクロアルーラ。体を地面に横たえ、僕たちは裸で抱き合った。

 すでに木々の合間から星が見える時間だった。にもかかわらず、僕には彼女の肢体が、エメラルドのような瞳が、眩しい笑顔がはっきりと見える。先祖がそうであったように。

「あの……クロアさん」

 大事なことを伝えるため、僕は口を開いた。交わりの中で決めたことだ。

「僕、ずっとここにいてもいいですか?」
「え……?」

 彼女は目を見開いた。その瞳に期待の色が宿っているのは、きっと僕の思い上がりではない。今ではそう確信できる。

「クロアさんと一緒に、ずっと見守っていたいんです。あの木像が朽ち果てて、森の中に消え去るところを。失われた後、僕らとこの島に何が残るのかを」
「ロッフォ……」
「一度ルージュ・シティへ戻って、職場への手続きや身の回りの整理をしてからですが……」

 言いかけた途端、口を塞がれた。彼女の唇が、舌が、僕の口腔を犯してくる。ねっとりとした濃厚なキス。彼女の清々しい香りの吐息が体に入ってくる。
 ぷるぷるとした唇の、朧げな感触がゆっくりと離れる。名残惜しそうに唾液が糸を引く。それが途切れたとき、エルフの少女は甘い笑顔で微笑んだ。

「パラカの花冠を編んで、待ってるわ」




 ……僕が再び島を訪れた日。

 ジュンガレイ島は本当の意味で、僕の故郷になった。


 ーーfin


19/08/19 23:55更新 / 空き缶号
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■作者メッセージ

お読みいただきありがとうございます。
今までルージュ・シティへ来た人たちが幸せを掴む話を書いてきたので、今回は逆に町から去る結末を書いてみました。
街に住む者も立ち去る者も、両方が祝福される。
それがルージュ・シティだと思っています。

仕事の厳しい時期な上、病気になった新人の代替として一番過酷な部署へ送られてしまったため、なかなか執筆時間が取れません。
が、ありがたいことに創作へのモチベーションは高まっております(現実逃避とも言う)。
無理はしないようにしますが、今後も応援していただけると幸いです。
いただいたご感想を糧に、夏を乗り切ります。

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