晴れた日の昼下がり、僕とお姉ちゃんはいつも一緒に軒下に座っていた。
　お姉ちゃんはよく三日月型の細長い果物を口に含み、先端を舐めしゃぶっていた。ピンク色の唇が小さな音を立て、時々隙間から小さな舌が見える。時々横目で僕を見下ろしながら、彼女は一心不乱に果物をしゃぶった。

「んみゅ……ん……ちゅぱっ……」

　ふと唇を離して息を吐くと、彼女は僕に笑顔を向けた。

「ほら、もうちょっとでたべられるよ！」

　唾で濡れた果実の薄皮は膨張していて、舐めはじめたころより一回り大きくなっていた。僕が早く食べたいとせがむと、お姉ちゃんはいい子いい子と言って僕の頭を撫でてくれた。その手は白くて可愛くて、触るだけで幸せな気分になったのを覚えている。
　僕はいつも彼女の尻尾や翼で遊びながら待っていた。お姉ちゃんも僕を退屈させないよう、尻尾を僕の手足に絡めて遊んでくれていた。

「ちゅ……ちゅ……ちゅ……」

　やがてお姉ちゃんの口から断続的にその音が聞こえてくると、僕は彼女の口元を凝視した。優しく舐めることで中身を食べられる果物……ねぶりの果実。彼女はいつもしばらく舐めた後、音を立てて吸うことで仕上げに入っていた。
　白い頬や可愛い唇の動きをじっと見つめていると、やがて小さな音がして果物の先端が少し破れた。彼女はそこから出てきたトロトロの果肉を半分くらい吸うと、それを美味しそうに咀嚼して飲み込んだ。

　僕が待ちきれずに差し出した掌に、お姉ちゃんは残りの果肉をぎゅっと搾り出してくれた。子供だった僕の掌はとろけた果肉で一杯になり、その甘い香りはむせ返りそうだった。
　すするようにしてそれを食べ、こってりとした甘さを味わう。全部食べても手に僅かに残ったカスまで、丁寧に舌で舐めとった。

「おいしかったね」

　お姉ちゃんは朗らかに笑い、ハンカチで僕の口周りを拭いてくれた。

　それがあの頃の日常。
　可愛くて優しくて、いいことがあれば必ず僕にそれを分けてくれたお姉ちゃん。みんなで遊ぶときも、年下の僕をいつも気にかけてくれていたお姉ちゃん。
　あの頃はまだ恋なんて知らなかったけど、彼女は僕の憧れだった。

　そう、今でも……












………









……









…










　……目が覚めたとき、何かが今までとは違っているような気がした。間違いなく自室のベッドにいるのに、いつもの朝ではないように思える。
　回らない頭で記憶を辿り、昨日のことをようやく思い出した。そうだ、お姉ちゃんが……ミュリエルがやってきたのだ。昔と変わらない姿の、アリスのミュリエルが。彼女にカクテルを作って、膝枕をしてもらって、その後彼女の作った夕食を食べた。料理学校で沢山勉強してきただけに味は一級品で、やはり全てがあの頃と同じではなかった。姿は変わらなくても。

　彼女はこの町で、僕の元へ身を置くことになった。領主からはすでに許可を得ているようで、バーの仕事を覚えると張り切っていた。さすがにお酒関係の仕事はさせられないけど、夜食を出すときは頼りになる。
　そして何より、『お姉ちゃん』と一緒に暮らしていけるのが嬉しい。

　これからのことに胸を躍らせ、身を起こそうとして……下半身に何かのしかかっていることに気づいた。毛布がその部分だけぽっこり膨らみ、時々もぞもぞと動いている。

「……ああ、そうか」

　毛布をまくりあげると、可愛らしいピンクの寝間着を着たミュリエルがそこに潜り込んでいた。僕の腰に抱きつくようにして、うつ伏せで寝息を立てている。ベッドが一つしかないので一緒に寝ることになったのだ。僕がソファで寝ると言ってもミュリエルは一緒に寝ると言って許してくれなかった。子供の頃に戻ったつもりで一緒に寝てもいいかと思ったわけだが……これはどうしたものか。

　毛布を取り払われたせいか、彼女はもぞもぞと動きうっすらと目を開けた。その時点で僕はハッと気づく。青い目がぼんやりと見つめる先には僕の股間が……朝の生理現象によって、寝間着のズボンを押し上げるそれがあった。
　しかもミュリエルはあろうことか、僕のズボンの裾をぐっと掴んだ。

「ちょ、姉ちゃん!?」

　まだ半分夢の中にいるのか、彼女は僕の声など聞きはしない。次の瞬間には一気にズボンとパンツをずり降ろされてしまい、怒張した男根が外気に晒された。反り返って天井を指す僕のそれを、ミュリエルは寝ぼけ眼で見つめている。

「ね、姉ちゃん！　駄目だって……」
「……ねぶりのかじつー」
「……え？」

　ミュリエルの小さな手が、ぺたぺたと男根を触りはじめた。そのくすぐったい感触に思わず身を震わせてしまう。
　そして次の瞬間、彼女はそこに口を近づけてきた。

「いただきまふ……」
「止……ッ！」

　制止する間もなく、男根の先端が小さな口に閉じ込められる。ミュリエルの口の中はとても温かく、唾液のぬめりがぷるぷるの唇にも絡み付き刺激してきた。さらに舌が、いつもねぶりの果実を舐めていた『お姉ちゃん』の舌が、亀頭をちろちろとくすぐるように舐めてくる。美味しそうに、丁寧に。

「んみゅ……ちゅっ……はむ……」

　徐々に舌の動きが変わってきた。くすぐるような細かい動きから、唾液をからめてのねっとりとした舐め回しになる。止めさせなくては……そう思っていても体が動かなかった。温かく幼い口腔から与えられる気持ちよさは体中を脱力させるかのようである。
　だがそれ以上にミュリエルが、子供の頃から憧れていた『お姉ちゃん』が、あの頃と同じ姿で僕の男根を舐めしゃぶっている。その事実が僕を興奮させていたのだ。

「んちゅぷ……んん……♥」

　寝ぼけているミュリエルのぼんやりとした眼差しさえ、どこか扇情的に見えてしまう。さらに時々竿を握り直す小さな手が刺激となる。時々ぐっと握られると、唾液のぬめりや口腔の温かさと相まって射精感がこみ上げてきた。

「だ、駄目だよ、お姉ちゃん……！」

　僕は必死で我慢したが、ミュリエルは止める気配がない。それどころかじゅるじゅると下品な音を立て、無意識でやっているとは思えないほど巧みに敏感な所を責めてきた。幼い頃ねぶりの果実で練習してきた経験が図らずも成果を発揮しているのだ。
　彼女の小さな口の中で亀頭を弄ばれ、時々歯がカリッと当たる。頬の裏にこすれる感触も気持ちいい。人間がいくら我慢したところで魔物の技巧と魅力の前では無駄なこと……しかも目の前にいる幼女は僕の憧れの女性だった。

「ちゅ……ちゅ……ちゅ……♥」

　僕の射精……ねぶりの果実だと思っている彼女にとっては『果肉の噴出』が近いと見たのか、ミュリエルはしゃぶりながら亀頭を吸引してきた。卑猥な音が聞こえ、散々弄ばれた男根が悲鳴を上げる。

「ね、姉ちゃん！　出る！」

　刹那、強烈な快感。呆気なく果てた僕の男根から、勢いよく精液が抜け出していく。

「んん……んくっ……♥」

　口周りから白濁が溢れ出しても、ミュリエルは夢中でそれをすする。丁寧に丁寧に舐めしゃぶりゴクゴクと飲み干していくその姿は、小さな魔物が僕を補食しているように見えた。僕は大好きな小さな『お姉ちゃん』の、朝のおやつにされてしまったのだ。

「……ふぁ？」

　ふいに彼女の目がぱっちりと開き、ペニスが口から解放された。唾液で濡らされた亀頭がひんやりした空気にさらされる。
　ミュリエルは丸く青い目で、僕をじっと見つめてくる。もう完全に目は覚めたようだが、自分が何をしていたのか分かっていないようだ。寝ぼけていたからかアリスだからかは不明だが。

「テオ君、おはよう」
「お、おはよう、姉ちゃん」

　気まずい。挨拶が気まずい。

「テオ君、おちんちんがでちゃってるよ」
「う、うん。寝返り打ったときに脱げちゃったのかな」
「きをつけなきゃね。男の子のだいじなトコロでしょ」
「そ……そうだね」

　冷や汗をかきながらも、何とか誤摩化せそうだと安心する。相手は魔物なのだから誤摩化す必要はあるのかという気もするが、だからと言って彼女に本当のことを話しては凄く面倒なことになるだろう。アリスである彼女にフェラチオという行為について説明するのはとてつもなく恥ずかしい。

　だが、僕の安心は長続きしなかった。
　ミュリエルがふいに立ち上がり、寝間着のズボンを脱ぎはじめたのだ。

「な、何してるの姉ちゃん!?」
「おきがえだけど？」

　さも当たり前のように、僕の前で縞模様の下着を晒すミュリエル。確かに昔水遊びをするときには平気で一緒に着替えていた。それなのにどういうことだろう、昔何度も見た彼女の脚はこんなに奇麗だったのか。縞模様の下着と、そこに浮かんだ筋はこんなにも目を惹き付けるものだったのか。
　彼女は全く気にしていない。意識しているのは大人になった僕の方だけだ。

「ほら、テオ君もおきがえしないと！」

　ミュリエルはその格好のまま僕の膝に乗ってきた。

「ちょ、姉ちゃん！　自分でできるから！」
「いいからいいからっ！」

　久しぶりに僕の世話を焼くことを楽しんでいるのだろうか。小さな手が寝間着のボタンを外していく。
　だがそれ以上に深刻なのは彼女の下半身、それも股間の部分が、僕のそこに押し付けられていることだった。白とピンクの縞模様のパンツ、そしてそれに包まれた柔らかな肌の感触が男根に刻み込まれていく。ミュリエルのぬくもりは十分すぎる刺激となり、彼女の口腔に射精したはずの男根はすでに硬さを取り戻していた。

　もしかしたら僕の体はすでにインキュバス化していたのかもしれない。修行中魔界にも滞在したし、そもそも僕らの故郷やこの町も事実上緑明魔界なのだからありえることだ。とにかく僕の体は彼女からの刺激に対し、敏感に反応していた。

「……ん……っ」

　ミュリエルも気づいたのか、体をもぞもぞと動かして股間を確認する。その動きが余計に刺激となり、男根がぴくりと震えた。

「わたし……なんか、へん」

　彼女が腰を浮かすと、縞模様のパンツに小さく染みができていた。その液体が亀頭とねっとり糸を引く。僕の先走りの液が、彼女の幼いソコから滴ってきたのか。
　おそらく両方だ。ミュリエルは白い頬を染め、少し息を乱しながら僕を見つめていたのだ。

「テオ君、なんかココがムズムズする……」
「そ、それは、その……」
「テオ君のおちんちんも、ムズムズしてるの？」

　小さな手が、また男根に触れる。すべすべした感触が竿を優しく這い回り、えも言われぬ快感がこみ上げてきた。
　そして何よりもこの瞬間、僕はミュリエルを欲していた。アリスも魔物であり、その体から発せられる微弱な魔力は男の精神を侵蝕していくと文献で読んだ。ましてや彼女は僕が姉そのもののように慕った存在。再会したそのときから、彼女のなつかしい魔力が僕を侵していたのだ。

　ミュリエルはパンツの染みが気になったのか、腰を浮かせて脱ぎ始める。可愛らしい下着が取り払われ、露になったのは白い肌と真っ直ぐに走った筋。ぴったりと閉じているのに少し濡れている、彼女の割れ目。
　僕がソコを凝視しているにも関わらず、彼女は隠す様子がなかった。それどころか自分から股を開いてきたのである。

「ここ、女の子のだいじなトコロなんだよ」

　閉じた小さな割れ目を、彼女は指で広げて見せてきた。中のピンク色が露になり、垂れ流される愛液がぬらぬらと光っている。自分の息が徐々に荒くなり、男根に力が集まっていくのが分かった。憧れの『お姉ちゃん』の、子供のままの姿での恥態を見せられているのだ。
　ミュリエルの方は淫らなことをしているという感覚がないようで、あくまでも無邪気に幼い女性器を晒している。それもますます僕の興奮を誘った。

「ここのちっちゃい穴が、おしっこの出るトコロ。このおマメみたいなのはクリちゃん。あとここが……『おまんこ』っていうタイセツな穴なの」

　可愛い声がたどたどしく説明する。その言葉だけで感じそうだった。柔らかそうな狭い穴を間近に突きつけられ、甘い匂いが鼻を突く。徐々に理性が蝕まれているのを自分でも実感した。

　ミュリエルを抱きたい。
　『お姉ちゃん』と、男と女の関係になりたい。
　その願望を抑えきれそうになかった。

　するとミュリエルは再び僕の男根を掴む。

「う……」
「あっ、ぴくってした……」

　不思議そうに呟きながら、あろうことか彼女はその先端を、自分の秘所にあてがった。だが中に入れるわけではない。その未成熟な女性器の表面に亀頭を滑らせ、ぐりぐりと擦りつけてきたのだ。

「ね、姉ちゃん、それは……！」
「んっ……あッ……」

　彼女の温かい吐息が顔にかかる。ミュリエルはうっとりした表情で、こすれ合う性器同士を見つめていた。

「ふ……これ、こうすると……んんっ……ふしぎなきぶんに、なるんだね……♥」

　ふしぎなきぶん……アリスである彼女は性的な快感ということが分からず、ただ好奇心のみでそれを確かめようとしているのだ。だが大人の男である僕にとっては、その行為は獣欲をかき立てるだけだった。

　幼い性器の肉が亀頭とこすれ、ぬちゃっと小さな音を立てたとき。
　僕の理性は弾けとんだ。

「ミュリエル姉ちゃん！」
「ふえっ……？」

　叫びつつ、小さな体をベッドの上に押し倒す。彼女は丸い目で不思議そうに僕を見つめるが、僕はもう我慢できなかった。
　説得や説明をする余裕すらなく、震える男根を彼女の膣に押し込んだのだ。

「ひぅぅぅぅ!?　な、なにこれぇ♥」
「う、うあああ……！」

　ミュリエルが叫び声を上げ、僕も情けない声を出してしまう。幼い蜜壷の締め付けはそれほどに甘美だった。とても温かくてきつく、弾力のある感触が男根を強く圧迫してくる。亀頭にも熱を帯びた肉がみっちりと食いついて離れない。

「あ、ぅ……ひあ……ふあうぅ……♥」

　衝撃に目を見開き、小さな手足で藻掻くミュリエル。それを見ているうちに罪悪感がこみ上げてきた。

「お姉ちゃん……ごめん……！」
「ひぅ、ひぃ、ふぁっ……ひ、へい、き……だよ……♥」

　彼女は荒く息を吐きながら笑顔を見せる。そして小さな手で僕の頭を撫でてくれた。昔のように。

「んひっ……♥　おねえちゃん、ひゃ……つよいから、へいき、だよッ……あうぅん♥」

　そう言って僕を慰めようとする姿に、思わず涙が出そうになった。もしかしたら今、ミュリエルも僕が子供のままに見えているのかもしれない。体が大人になれなくても、心が無垢なままでも、やっぱり彼女が『お姉ちゃん』なのだ。
　たまらなく愛おしくて、その体を強く抱きしめる。柔らかさとぬくもりが伝わってきて、それが尚更快感を高めた。ああ、『お姉ちゃん』の体はこんなにも小さくて、柔らかかったのか。

「あぃ、ひん……ね、これって、なんて……んんっ♥　なんていうの……？」
「せ、セックス……！」

　何も知らないままの彼女へ、素直に行為の名を伝える。

「せっく、す……？　これ、せっくす、なんだぁ……♥」

　ミュリエルは嬉しそうに、僕に抱きついてきた。手だけでなく、脚まで僕の腰にしがみついてくる。青い目が僕を見つめて笑っていた。

「おねえちゃん、ひぅ……しってるよっ♥　せっくす、って……あんっ……コイビトがするんだよね」

　コイビト。
　可愛い唇からその単語が出てきたとき、心臓が大きく脈打った。

「テオ、くんは……ひぃん……♥　コイビト、に、なって、ふぁぁ……♥」
「う、うん……！　僕、姉ちゃんのことが……好きなんだ！」

　溢れ出した思い。小さな『お姉ちゃん』は、僕の下で何度も頷いてくれた。

「わたひ、わたしも、テオくんの、こと……あひっ……だいしゅき、だよぉ……♥」

　僕の体に強く抱きつかれ、同時に膣で男根にも抱きつかれ。
　愛の言葉を囁かれては、理性なんてどうでもよくなってしまう。僕らの心は今繋がったのだ、体の繋がりを楽しんで何が悪い。

　僕は彼女の中で男根を抜き差ししようとした。だが僕の腰にはミュリエルの柔らかなふとももがしがみつき、ほとんど動かせそうにない。腰を引くと彼女のお尻までベッドから浮き上がる始末で、男根で膣内を掻き回す動きはできなかった。
　欲求不満を覚えながらも、幼女のきつい蜜壷は徐々に僕を追いつめていった。優しく緩やかに、僕を射精に導こうとしているのだ。どれだけ無垢でも、永遠の処女でも、それは間違いなく魔物の体なのである。

「ふぁぁん……テオ君、きもち、いいね……♥　せっくす、キモチイイ……ひゃぅ……♥」
「お、お姉ちゃんの体……甘い匂いがする……！」
「んひぃ……くだものの、ニオイかなぁ……？　ふぁぁうぅ♥」

　思うがままに言葉を交わしながら、僕らはひたすら抱き合う。僕の男としての本能、そして彼女のサキュバス種の本能はもしかしたら、子供の頃からずっとこのときを待っていたのかもしれない。
　たまらなく気持ちいいが、それでもやはりもどかしさがあった。アリスのミュリエルは魔物でありながら性交の知識をほとんど持たないが、多少なりとも知識を持つ僕はさらなる快楽が欲しくなる。より気持ちよくなるために、腰を動かしたくて仕方がないのだ。

　そのとき、快楽にふやけた頭にある考えが浮かんだ。僕はミュリエルとしっかり抱き合ったまま、腰に力を入れて体を起こしたのだ。

「あふ……テオ君……？」

　僕のしたにいた彼女の体重が、一転して僕の膝にかかる。蜜壷の奥が亀頭にぐっと押し付けられた。
　その心地よさに酔いながら、ミュリエルのお尻に手を伸ばす。小さなお尻を左右から掴むと、ぷにっとした感触が掌を押し返した。しばらく揉みしだいて見ると、お尻は小さいのにとても柔らかく、ぷにぷに、もちもちとした感触で僕の手を楽しませた。肌の感触はきめが細かく吸い付くようだ。

「んん……♥　おしり、なんて、ひぅ……テオ君のえっちぃ……♥」

　ミュリエルがくすぐったそうに笑う。彼女とて「男の子が女の子のお尻に触るのはエッチだ」という程度の認識はあるのだろう。
　だが僕はただ触って楽しむためだけに、そこに触れたわけではない。お尻の割れ目に指をかけ、柔らかい肉をしっかり掴む。そしてそこを支えに、ミュリエルの体をぐっと持ち上げた。

「んひぃぃぃ♥」

　体が浮き上がると同時に結合部が擦れ、ミュリエルは嬌声を上げた。同時にきゅっと締まってくる蜜壷に力が抜けそうになるが、もっと気持ちよくなるためには往復運動が必要だ。
　今度は彼女の腰を掴み、ぐっと沈ませた。

「きゃぅぅぅぅん♥」

　男根を奥まで突き入れられ、彼女は体を震わせて喘ぐ。抱きついてくる手足は僕の体に食い込みそうな力で、この小さな体のどこからこんな力が出てくるのか不思議なほどだ。翼をパタパタとはためかせ、尻尾は棒のようにピンと立っている。異形のパーツを見ていても、ミュリエルが激しく感じていることは明らかだった。
　僕は何度も、ミュリエルのお尻を持ち上げることで男根を抜き差しした。そのたびに幼い蜜壷が収縮し、男根に吸い付くような快感を与えてくる。もう二度と抜けない呪いでもかけられたかのように、僕らの体は強い快楽で結ばれた。

「ひうぃ、あふっ、ふぁぃ、やぁ……♥」

　口の端からよだれを垂らし、それでも瞳はしっかりと僕を見つめていた。初々しくも艶かしい彼女の声に脳を犯されているうちに、僕はとうとう限界に達した。

「で、出るよ、姉ちゃん！　出すよ！」
「あんっ、く、くるよぉ……なにか、ナニカきちゃうぅぅ♥」

　次の瞬間。
　僕は何年も心に貯めてきたミュリエルへの思いを、精と一緒に放出した。

「んはぁぁぁぁぁ♥　テオくぅぅん……♥」
「お姉ちゃん……！」

　狭い蜜壷の中を満たしていく僕の精液。だが彼女の膣はそれを吸引するかのように脈動を始めた。ミュリエルの奥へ、奥へと飲み干されていく僕の白濁。どろりと濃厚な僕の欲望。
　恍惚とした表情で絶頂した彼女の胎内を、僕は盛大に汚していった。精液が出ていくほど、僕の心は多幸感で一杯になった。

「……はぁ……はぁ……♥」

　僕の体にしがみつき、絶頂を味わっているミュリエル。その手足から力が抜け、ふっと彼女は後ろに倒れる。柔らかな手足が僕からほどけ、ミュリエルはその体をベッドの上に横たえた。蜜壷から男根がぬるりと抜ける。
　その丸出しになっている割れ目はぴったりと閉じ、溢れ出したはずの白濁も、滴っていた愛液も見られない。まるで最初から何もなかったかのように、無毛の純潔な女性器があるだけだった。改めてアリスの特性を思い出す。アリスの体は男と何度交わろうと処女に戻り、性交中の記憶は失ってしまうのだ。

　どうしようか迷っていると、ミュリエルはゆっくりと起き上がった。目をぱちぱちと瞬かせ、翼をぱたぱた動かす。昔、昼寝から目覚めたときのように。そして股間を丸出しにしたまま朗らかな笑みを浮かべ……寝間着の上を脱ぎはじめた。

「ほら、テオ君もおきがえしなきゃ！」

　しっかり者の『お姉ちゃん』は元気よく言う。僕は思い切って尋ねてみることにした。

「姉ちゃん、さっきまで何してた？」
「え？　おきがえだけど？」

　きょとんとした顔で、ミュリエルは首をかしげる。

「他には？」
「なにもしてないよ。だっておきたばかりだもん」

　……やはり、彼女は寝間着の下半身を脱いだ辺りで記憶が失われたようだ。アリスはそういう魔物だと分かっていても、何か悲しい。あの快楽が、交わした言葉が、全て無くなったかのようで。

「あ、でも……」
「え？」
「テオ君のコイビトになったよ！」

　満面の笑みで言うミュリエル。僕は一瞬固まり、彼女も「あれ？」と首を傾げた。

「いつコイビトになったんだっけ？　なんで？　……でも、コイビトだよね……？」

　少し不安そうに自問する彼女の姿を見て、僕の胸に感動がこみ上げてきた。僕らの繋がった心は消えていなかった。ならば僕が彼女にかけてあげる言葉も決まっている。

「何でかは分からなくても、お姉ちゃんは間違いなく僕の恋人だよ」
「……だよねっ！」

　ミュリエルはぱっと笑みを浮かべ、僕の頬にキスをしてくれた。柔らかな唇の切ない感触に幸せを感じたのも束の間、彼女はベッドから降りて自分の鞄をまさぐる。取り出したかぼちゃパンツを穿いて、僕に微笑む。

「朝ゴハン、つくってあげるね！」
「……うん、ありがとう！」

　ワンピースを着て、エプロンをつけようとする彼女を見つめながら、僕も着替え始める。
　今日の夜行われる集会を待たず、僕の元には幸せが訪れていた……

■作者メッセージ

明けましておめでとう御座います、空き缶号です。
仕事始めが忙しいですが、なんとか書けました。
ロリ姉らしさを書けていれば幸いでござる。

Q.前・中・後編の予定だったのに、なんでいきなり一話、二話形式になったのですか？
A.中編はHシーンの他にお買い物シーンとかを入れる予定だったのですが、Hシーンだけで中編全部使っちゃいそうだったのでね。