第二話
展開的にに必要なこととはいえ阿部さん歓喜な表現が大部分でしかも魔物娘なしのエロなのでそういうのが嫌な人は最後のほうまでスクロールしてください。
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ピチャ……ピチャ……
水音が辺りに響く。
ここはレオナルドの寝室である。
天蓋付きの豪奢なベッドの上で二つの裸体が踊っていた。
「あ、あ、あっ!それ、それ駄目です!レニー……」
自らの恋人を愛称で呼びながら、シオンは涎を垂らし喘いでいた。
シオンの股間に生えた可愛らしいそれはほぼ全てレオナルドの口に納まっている。
それから口を離し、レオナルドは妖しく笑った。
「おいおい、嘘は感心せんなシオン。コレ好きだろう?」
舐める仕草をするとシオンの顔が紅く染まった。
レオナルドは笑みを深めた。
そこらの宮廷女よりずっと美しく、可愛らしいこの恋人がレオナルドは大好きだった。
レオナルドは孤独だ。彼の人間性を受け止めてくれるような者などいないし、彼の力についてこれるものもいない。
唯一の例外がシオンだ。レオナルドという人となりをそのままに受け止められるのはシオンだけだし、強さという面でも十分合格だ。
シオンは教団に正式に認められた勇者だった。卓越した剣技と、魔に属するものを問答無用で滅する、神から与えられたとされるその力は(本当に神に与えられたかどうかなど定かではないが)時にレオナルドの魔法さえも滅して見せた。
一緒にいて力を抜くことのできる人間がいることをレオナルドは初めて知った。
ちなみに、レオナルドは典型的な貴族であるシオンの父親が大嫌いだった。溺愛している息子がレオナルドの下で喘いでいるところを見せつけることを想像するだけで腹の底から笑いがこみあげてくる。
それもシオンを抱く理由の一つだ。
「シオン。お前だけががよくなるのでは不公平ではないか。余のも舐めてはくれぬか?」
淡いピンク色の乳首を舐めるのを一旦、中断しシオンに自身の分身を差し出し言い放つ。
シオンは快楽で火照った体をのろのろと起こした。自身の汗と体液で濡れた扇情的なその様にレオナルドの分身はますますいきりたつ。
シオンが男に生まれたのは正解だったかもしれない。女性として成長していれば傾国の美姫としてシオンを巡って戦争が起きただろうから。
「は、はい。すいません僕ばかり……。失礼しますね」
そういってシオンはレオナルドの股の間に顔を埋める。
瞬間、鈍い快楽が股間を中心にして広がる。目を閉じる。
「ん、ん、ん、ん、んん……ぷはぁ。はむっ。……んふふっ!れにーのおいひいでふよ……はぁっ」
じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ……ぴちゃぴちゃ。
淫らな水音が響く。頭をはげしく振って喉の奥まで咥え、時に先端を重点的に攻める。
やはり巧い。思わず呻き声が出る。シオンの美しい金色の髪をなでる。勝手に腰が小刻みに動いた。
「んっ」
少し苦しそうにするもの変わらず続けられる。しばらくたつと悪戯っぽい眼差したシオンが両手を股間に近づける。右手が竿に伸び、左手が玉に伸びた。どうやらこの愛しの恋人はレオナルドを更に気持ちよくしてくれるらしい。
ならば自分も応えなければならない。
口の中で短くスペルを唱える。
途端にレオナルドの両手から粘性を持った液体が溢れてきた。
菊座は濡らしてあげないと挿れる時に痛い。だからこうやって行為の前にいつも濡らしてあげるのだ。
シオンの柔らかな尻たぶを掴み、そして揉む。
実に心地よい。いつまでもこうしていたいくらいだ。
「あっ、あぅ……レ、レニー焦らさないで……」
シオンは顔を上げて抗議した。口元は唾液にまみれている。この液体を使ったプレイがシオンのお気に入りなのだ。
「ふっ、分かった分かった。やってやるから続けるがよい」
その言葉に笑みを浮かべるとシオンは再び顔を埋めた。尻が揺れる。早くやれと催促していた。
苦笑をするとレオナルドは再びスペルを唱える。今度は少しばかり長い。
唱え終わった途端、重力に引かれて流れ落ちていくばかりだった粘液が意思を持ったかのように動き出した。
二つに分かれ一つはシオンの股に、そしてもう一つは菊座に張り付く。
そして激しく蠢きだした。
「んふうっ!?」
予想はしていただろうに、快楽には抗えないのか喘ぎ声を漏らした。
冷たい粘液がシオンのペニスを咥えこみ激しく蠢く。菊座にはりついたほうも腸内を丹念に掃除するかのようにお尻の中をにゅぷにゅぷと前後左右上下に動き始めた。
その様は見たことがあるものが見ればスライムを連想しただろう。
シオンの顔は蕩けきっていた。至福の表情だ。レオナルドのペニスを咥えたまま動こうともしない。
レオナルドは酷薄な笑みを浮かべる。
シオンの頭を掴むと勝手に動かし始めた。レオナルドはまだイっていないのだ。
シオンの指がシーツを掴む。が抵抗らしい抵抗はしない。それすらも快楽に感じているのかもしれない。
粘液もシオンの頭の動きもどんどん激しくなる。
「ああ……シオン、もう出てしまうよ。シオン、シオン、シオン……」
うわ言の様に、恋人の名前を呼ぶ。
その言葉を聞いたのかシオン自らも頭を振り始めた。腰は完全に砕けていたが。
限界はすぐにやってきた。
「あうぐぅうっ……!!」
「あはっ……♪んっ、んっ」
レオナルドのモノから精液がはじけ、シオンの口の中に吐き出していく。精液をすべて出し尽くすまで小刻みに腰を動かす。
シオンは嬉しそうにそして美味そうに精液を飲み干していった。愛しい人が最後まで気持ちよく出せるように尿道を吸い続ける。
レオナルドは目を閉じ悦に浸っていた。そして小さく呟いた。
『全力で動け、スライム・レプリカども』
「んほぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
小さな騎士は絶叫した。口から精液が垂れるが頓着した様子はない。
当然だ。今まで緩慢に腸内全体を刺激していた粘液―スライム・レプリカが前立腺『のみ』も刺激し始めたのだから。
更にシオンのペニスを包んでいたスライム・レプリカが先程までの倍の速さで蠢き、細かく振動していた。
「イく、イく、イっちゃうう……!……ッツ!!んあはぁあああああああああああああああああ♪♪」
ビュゥウ…!ビュク…!どぴゅっ……!!
音すら聞こえるほどの勢いでシオンは射精した。舌が飛び出し白目をむいている。涙を流し通常では味わえないような快楽を貪っていた。
「ああ、本当にお前は愛い奴よ……」
その様子に舌なめずりしながらレオナルドはシオンの口に自らの口を合わせ舌を絡めた。
「んふっ、んふっ、んふぅ♪」
シオンはされるがままだ。まるで人形のようにレオナルドから送られる唾液をのみこみ、自らの唾液をこそぎ取られ抱きしめられれば抱きしめ返していた。
数分後。ようやく落ち着いたシオンは抗議の意味も込めて軽くレオナルドの肩を押し口を離した。
「ぷはぁ……うう、酷いですレニー…。いきなりあんなこと……」
レオナルドを睨むが、可愛らしいだけで全く効果はない。
当然、レオナルドは全く反省した様子もなくむしろ開き直った様子でシオンの尻を撫で回している。
「……はぁ。もういいです。じゃあコレどかしてください」
諦めたように溜息をつくと、未だ自身にまとわりつく粘液を指差した。
「ん、よかろう」
一言何かを唱えるとスライム・レプリカを溶かすように消してしまった。そこには少し赤くなった小さなペニスと、ぱくぱくと空気を求めるかのように広がった肛門だけが残っている。
「ん……レニー。体がぬるぬるしてて気持ち悪くありませんか?早くお風呂に入りましょう」
シオンは甘えた声でレオナルドに抱きついた。事後の後に一緒に入るお風呂はまた格別だ。シオンは上目づかいにレオナルドの顔を見上げた。
笑顔が固まる。
そこには清々しいまでに邪悪な笑顔をうかべた魔術王が居た。
「何を言っているのだシオン……?余が、たかが一回。たかが一回で終われるはずがないであろう……?しかもまだメインディッシュをのこしているというのに」
広がった穴にレオナルドの指が伸びる。
「で、でも今まではこのくらいで満足していたではありませぬか!」
もう無理!もう限界というように必死で後ずさる。
「はっはっはっ。シオンよ。それはいつも気絶していたお前に対する余なりの優しさというものだ。最近はようやく慣れてきたようだからな。もっと楽しめるというわけだ。喜べ」
威風堂々と暴君が言い放った。今、まさに魔術王は輝いていた。
シオンは冷や汗が流れるのを感じた。
(へ、陛下に合わせてたら枯れてしまう……。ここは一時撤退を……!)
シオンは一目散に寝室の外へと逃げ出そうとした。
その瞬間であった。
足が崩れ落ちる。
「へ……?」
足が動かない。魔法、ではない。魔法なら滅することが出来る筈だ。
「レ、レニー?いったい僕に何を……?」
レオナルドは顎に手を当てその端正な顔を輝かせた。
「うむ。遅行性の麻痺薬よ。口付けの際に飲ませておいて良かったわ」
「あ、あなたって人はぁああ……!!」
シオンは戦慄した。最初からレオナルドの掌の上だったのだ。
「というか、知らなかったのか?」
レオナルドは高らかに宣言した。
「魔術王からは逃げられない……!!」
その夜、シオンの絶叫が響いた。
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「では、お休みなさいなさいませ、陛下」
「うむ。おやすみシオン卿」
シオンがようやく解放されたとき空は白み始めていた。
部屋を出ればお互いを公式での呼び方に変えるのはレオナルドとシオンが決めたルールだった。
レオナルドが王位継承権を持つシオンを贔屓したりすれば余計な火種をまくことになる。またシオンが王と家臣の分を超えればそれはレオナルドの面を潰すことになる。
シオンはとぼとぼと自分に割り当てられた部屋に戻っていく。
(また今日も言い出せなかった……)
シオンは今、悩んでいた。
今、現在シオンは婚約者との結婚の準備が着々と進んでいた。
なぜ、今なのか。早すぎるという思いもあった。しかし貴族同士の結婚は重い意味を持つ。たとえ本人が望んでいなくても家長が是といえば是となる。
どういう理由かは知らないが今、この時期にシオンの婚約者の家同士が結ばれるというのが最善なことなのだろう
お家のため。今まで何不自由ない暮らしをしてきたものが当然、負うべき義務であった。
(嫌だなぁ……)
でもシオンは嫌だった。結婚したからといってレオナルドと会えなくなるというわけではないだろう。だが恋人として会える回数はぐっと減る。
その間にレオナルドが他の男ないし女に取られることになったりしたら……。
「悪夢だ……!」
それだけは絶対に嫌だった。レオナルドはシオンにとって光なのだから。
勇者でお家の跡継ぎという記号でしか自分のことを見ない親類たち、魔物は邪悪であると思考停止し自分に誇りなき殺戮を強要する教団。その教団に所属している自分を何処かで一線を引いている近衛騎士団のメンバーたち。
シオンには居場所がなかった。そして追いつめられていた。
そんな時にシオンは魔術王に出会ったのだ。
それはどこか歪んではいたがレオナルドが自分に向けたそれはまさにシオンそのものに向けられた“愛”であった。
(せめて、せめて僕が女だったらなぁ……!)
ああ、そうであったならどんなにいいか。何も迷うことなくシオンはレオナルドのもとへ飛び込んでいけるだろう。
だが、それは不可能というやつだ。絶対に不可能なのだ。
シオンは溜息ともに部屋に入った。
空気が変わった。
「ツッ……!?」
ここはさっきまでいた世界では、ない。この部屋だけが世界から切り離されていた。
(馬鹿な……!?結界もあるのにこんな高濃度の魔力の持ち主がこれるはずが……!!)
運がない。シオンは現在武器を携帯していなかった。しかも勇者である自分の部屋をピンポイントで取り込んでいる。目的はおそらくシオンの抹殺だろう。
(助からない……?)
ベッドに何者かが足を組んで座っていた。
色白の肌に真っ白な髪、そして真っ赤な眼。そして豊満な体。
見ているだけで息が荒くなる。犯したくてたまらない…膝をつく。だめだ、耐えろ、耐えろ……!それは陛下に対する裏切りに等しい!!
「へぇ……耐えるんだぁ。うん。貴方のこと気に入ったかも」
ニコリと、まるでその雰囲気に似つかわしくない向日葵のような笑みを浮かべる。
ベッドから降りて近づいてくる。
やめろ、やめろ、やめろ、来るな来るな来るな、来るんじゃない!!
「ねぇ、あなたの願い、叶えてあげましょうか?」
「………え?」
僕の願い……?
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晴れ渡る青空。小鳥のさえずり。
魔術王の朝は早い。というわけではない。
今日は特別だ。たまたまシオンが非番の日でたまたま朝も一緒に過ごせる。
そんな日のはずなのに。
「なぜ来ない……?」
これでは朝から豪勢な食事を用意した自分が馬鹿みたいではないか。
レオナルドは肩をいからせてシオンの部屋前に立っている。
下級魔術ノック1000本で許しちゃる。
そんな軽い気持ちでドアを開けた。其れだけだったはずなのに。
「ッ……シオン?」
それは角が生えていた。それは翼が生えていた。それは大きな尻尾が生えていた。
だけど見間違えるはずはない。何故ならレオナルドはシオンを愛してるのだから。
「レニー……。僕、女の子になっちゃった」
「え」
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ピチャ……ピチャ……
水音が辺りに響く。
ここはレオナルドの寝室である。
天蓋付きの豪奢なベッドの上で二つの裸体が踊っていた。
「あ、あ、あっ!それ、それ駄目です!レニー……」
自らの恋人を愛称で呼びながら、シオンは涎を垂らし喘いでいた。
シオンの股間に生えた可愛らしいそれはほぼ全てレオナルドの口に納まっている。
それから口を離し、レオナルドは妖しく笑った。
「おいおい、嘘は感心せんなシオン。コレ好きだろう?」
舐める仕草をするとシオンの顔が紅く染まった。
レオナルドは笑みを深めた。
そこらの宮廷女よりずっと美しく、可愛らしいこの恋人がレオナルドは大好きだった。
レオナルドは孤独だ。彼の人間性を受け止めてくれるような者などいないし、彼の力についてこれるものもいない。
唯一の例外がシオンだ。レオナルドという人となりをそのままに受け止められるのはシオンだけだし、強さという面でも十分合格だ。
シオンは教団に正式に認められた勇者だった。卓越した剣技と、魔に属するものを問答無用で滅する、神から与えられたとされるその力は(本当に神に与えられたかどうかなど定かではないが)時にレオナルドの魔法さえも滅して見せた。
一緒にいて力を抜くことのできる人間がいることをレオナルドは初めて知った。
ちなみに、レオナルドは典型的な貴族であるシオンの父親が大嫌いだった。溺愛している息子がレオナルドの下で喘いでいるところを見せつけることを想像するだけで腹の底から笑いがこみあげてくる。
それもシオンを抱く理由の一つだ。
「シオン。お前だけががよくなるのでは不公平ではないか。余のも舐めてはくれぬか?」
淡いピンク色の乳首を舐めるのを一旦、中断しシオンに自身の分身を差し出し言い放つ。
シオンは快楽で火照った体をのろのろと起こした。自身の汗と体液で濡れた扇情的なその様にレオナルドの分身はますますいきりたつ。
シオンが男に生まれたのは正解だったかもしれない。女性として成長していれば傾国の美姫としてシオンを巡って戦争が起きただろうから。
「は、はい。すいません僕ばかり……。失礼しますね」
そういってシオンはレオナルドの股の間に顔を埋める。
瞬間、鈍い快楽が股間を中心にして広がる。目を閉じる。
「ん、ん、ん、ん、んん……ぷはぁ。はむっ。……んふふっ!れにーのおいひいでふよ……はぁっ」
じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ……ぴちゃぴちゃ。
淫らな水音が響く。頭をはげしく振って喉の奥まで咥え、時に先端を重点的に攻める。
やはり巧い。思わず呻き声が出る。シオンの美しい金色の髪をなでる。勝手に腰が小刻みに動いた。
「んっ」
少し苦しそうにするもの変わらず続けられる。しばらくたつと悪戯っぽい眼差したシオンが両手を股間に近づける。右手が竿に伸び、左手が玉に伸びた。どうやらこの愛しの恋人はレオナルドを更に気持ちよくしてくれるらしい。
ならば自分も応えなければならない。
口の中で短くスペルを唱える。
途端にレオナルドの両手から粘性を持った液体が溢れてきた。
菊座は濡らしてあげないと挿れる時に痛い。だからこうやって行為の前にいつも濡らしてあげるのだ。
シオンの柔らかな尻たぶを掴み、そして揉む。
実に心地よい。いつまでもこうしていたいくらいだ。
「あっ、あぅ……レ、レニー焦らさないで……」
シオンは顔を上げて抗議した。口元は唾液にまみれている。この液体を使ったプレイがシオンのお気に入りなのだ。
「ふっ、分かった分かった。やってやるから続けるがよい」
その言葉に笑みを浮かべるとシオンは再び顔を埋めた。尻が揺れる。早くやれと催促していた。
苦笑をするとレオナルドは再びスペルを唱える。今度は少しばかり長い。
唱え終わった途端、重力に引かれて流れ落ちていくばかりだった粘液が意思を持ったかのように動き出した。
二つに分かれ一つはシオンの股に、そしてもう一つは菊座に張り付く。
そして激しく蠢きだした。
「んふうっ!?」
予想はしていただろうに、快楽には抗えないのか喘ぎ声を漏らした。
冷たい粘液がシオンのペニスを咥えこみ激しく蠢く。菊座にはりついたほうも腸内を丹念に掃除するかのようにお尻の中をにゅぷにゅぷと前後左右上下に動き始めた。
その様は見たことがあるものが見ればスライムを連想しただろう。
シオンの顔は蕩けきっていた。至福の表情だ。レオナルドのペニスを咥えたまま動こうともしない。
レオナルドは酷薄な笑みを浮かべる。
シオンの頭を掴むと勝手に動かし始めた。レオナルドはまだイっていないのだ。
シオンの指がシーツを掴む。が抵抗らしい抵抗はしない。それすらも快楽に感じているのかもしれない。
粘液もシオンの頭の動きもどんどん激しくなる。
「ああ……シオン、もう出てしまうよ。シオン、シオン、シオン……」
うわ言の様に、恋人の名前を呼ぶ。
その言葉を聞いたのかシオン自らも頭を振り始めた。腰は完全に砕けていたが。
限界はすぐにやってきた。
「あうぐぅうっ……!!」
「あはっ……♪んっ、んっ」
レオナルドのモノから精液がはじけ、シオンの口の中に吐き出していく。精液をすべて出し尽くすまで小刻みに腰を動かす。
シオンは嬉しそうにそして美味そうに精液を飲み干していった。愛しい人が最後まで気持ちよく出せるように尿道を吸い続ける。
レオナルドは目を閉じ悦に浸っていた。そして小さく呟いた。
『全力で動け、スライム・レプリカども』
「んほぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
小さな騎士は絶叫した。口から精液が垂れるが頓着した様子はない。
当然だ。今まで緩慢に腸内全体を刺激していた粘液―スライム・レプリカが前立腺『のみ』も刺激し始めたのだから。
更にシオンのペニスを包んでいたスライム・レプリカが先程までの倍の速さで蠢き、細かく振動していた。
「イく、イく、イっちゃうう……!……ッツ!!んあはぁあああああああああああああああああ♪♪」
ビュゥウ…!ビュク…!どぴゅっ……!!
音すら聞こえるほどの勢いでシオンは射精した。舌が飛び出し白目をむいている。涙を流し通常では味わえないような快楽を貪っていた。
「ああ、本当にお前は愛い奴よ……」
その様子に舌なめずりしながらレオナルドはシオンの口に自らの口を合わせ舌を絡めた。
「んふっ、んふっ、んふぅ♪」
シオンはされるがままだ。まるで人形のようにレオナルドから送られる唾液をのみこみ、自らの唾液をこそぎ取られ抱きしめられれば抱きしめ返していた。
数分後。ようやく落ち着いたシオンは抗議の意味も込めて軽くレオナルドの肩を押し口を離した。
「ぷはぁ……うう、酷いですレニー…。いきなりあんなこと……」
レオナルドを睨むが、可愛らしいだけで全く効果はない。
当然、レオナルドは全く反省した様子もなくむしろ開き直った様子でシオンの尻を撫で回している。
「……はぁ。もういいです。じゃあコレどかしてください」
諦めたように溜息をつくと、未だ自身にまとわりつく粘液を指差した。
「ん、よかろう」
一言何かを唱えるとスライム・レプリカを溶かすように消してしまった。そこには少し赤くなった小さなペニスと、ぱくぱくと空気を求めるかのように広がった肛門だけが残っている。
「ん……レニー。体がぬるぬるしてて気持ち悪くありませんか?早くお風呂に入りましょう」
シオンは甘えた声でレオナルドに抱きついた。事後の後に一緒に入るお風呂はまた格別だ。シオンは上目づかいにレオナルドの顔を見上げた。
笑顔が固まる。
そこには清々しいまでに邪悪な笑顔をうかべた魔術王が居た。
「何を言っているのだシオン……?余が、たかが一回。たかが一回で終われるはずがないであろう……?しかもまだメインディッシュをのこしているというのに」
広がった穴にレオナルドの指が伸びる。
「で、でも今まではこのくらいで満足していたではありませぬか!」
もう無理!もう限界というように必死で後ずさる。
「はっはっはっ。シオンよ。それはいつも気絶していたお前に対する余なりの優しさというものだ。最近はようやく慣れてきたようだからな。もっと楽しめるというわけだ。喜べ」
威風堂々と暴君が言い放った。今、まさに魔術王は輝いていた。
シオンは冷や汗が流れるのを感じた。
(へ、陛下に合わせてたら枯れてしまう……。ここは一時撤退を……!)
シオンは一目散に寝室の外へと逃げ出そうとした。
その瞬間であった。
足が崩れ落ちる。
「へ……?」
足が動かない。魔法、ではない。魔法なら滅することが出来る筈だ。
「レ、レニー?いったい僕に何を……?」
レオナルドは顎に手を当てその端正な顔を輝かせた。
「うむ。遅行性の麻痺薬よ。口付けの際に飲ませておいて良かったわ」
「あ、あなたって人はぁああ……!!」
シオンは戦慄した。最初からレオナルドの掌の上だったのだ。
「というか、知らなかったのか?」
レオナルドは高らかに宣言した。
「魔術王からは逃げられない……!!」
その夜、シオンの絶叫が響いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「では、お休みなさいなさいませ、陛下」
「うむ。おやすみシオン卿」
シオンがようやく解放されたとき空は白み始めていた。
部屋を出ればお互いを公式での呼び方に変えるのはレオナルドとシオンが決めたルールだった。
レオナルドが王位継承権を持つシオンを贔屓したりすれば余計な火種をまくことになる。またシオンが王と家臣の分を超えればそれはレオナルドの面を潰すことになる。
シオンはとぼとぼと自分に割り当てられた部屋に戻っていく。
(また今日も言い出せなかった……)
シオンは今、悩んでいた。
今、現在シオンは婚約者との結婚の準備が着々と進んでいた。
なぜ、今なのか。早すぎるという思いもあった。しかし貴族同士の結婚は重い意味を持つ。たとえ本人が望んでいなくても家長が是といえば是となる。
どういう理由かは知らないが今、この時期にシオンの婚約者の家同士が結ばれるというのが最善なことなのだろう
お家のため。今まで何不自由ない暮らしをしてきたものが当然、負うべき義務であった。
(嫌だなぁ……)
でもシオンは嫌だった。結婚したからといってレオナルドと会えなくなるというわけではないだろう。だが恋人として会える回数はぐっと減る。
その間にレオナルドが他の男ないし女に取られることになったりしたら……。
「悪夢だ……!」
それだけは絶対に嫌だった。レオナルドはシオンにとって光なのだから。
勇者でお家の跡継ぎという記号でしか自分のことを見ない親類たち、魔物は邪悪であると思考停止し自分に誇りなき殺戮を強要する教団。その教団に所属している自分を何処かで一線を引いている近衛騎士団のメンバーたち。
シオンには居場所がなかった。そして追いつめられていた。
そんな時にシオンは魔術王に出会ったのだ。
それはどこか歪んではいたがレオナルドが自分に向けたそれはまさにシオンそのものに向けられた“愛”であった。
(せめて、せめて僕が女だったらなぁ……!)
ああ、そうであったならどんなにいいか。何も迷うことなくシオンはレオナルドのもとへ飛び込んでいけるだろう。
だが、それは不可能というやつだ。絶対に不可能なのだ。
シオンは溜息ともに部屋に入った。
空気が変わった。
「ツッ……!?」
ここはさっきまでいた世界では、ない。この部屋だけが世界から切り離されていた。
(馬鹿な……!?結界もあるのにこんな高濃度の魔力の持ち主がこれるはずが……!!)
運がない。シオンは現在武器を携帯していなかった。しかも勇者である自分の部屋をピンポイントで取り込んでいる。目的はおそらくシオンの抹殺だろう。
(助からない……?)
ベッドに何者かが足を組んで座っていた。
色白の肌に真っ白な髪、そして真っ赤な眼。そして豊満な体。
見ているだけで息が荒くなる。犯したくてたまらない…膝をつく。だめだ、耐えろ、耐えろ……!それは陛下に対する裏切りに等しい!!
「へぇ……耐えるんだぁ。うん。貴方のこと気に入ったかも」
ニコリと、まるでその雰囲気に似つかわしくない向日葵のような笑みを浮かべる。
ベッドから降りて近づいてくる。
やめろ、やめろ、やめろ、来るな来るな来るな、来るんじゃない!!
「ねぇ、あなたの願い、叶えてあげましょうか?」
「………え?」
僕の願い……?
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晴れ渡る青空。小鳥のさえずり。
魔術王の朝は早い。というわけではない。
今日は特別だ。たまたまシオンが非番の日でたまたま朝も一緒に過ごせる。
そんな日のはずなのに。
「なぜ来ない……?」
これでは朝から豪勢な食事を用意した自分が馬鹿みたいではないか。
レオナルドは肩をいからせてシオンの部屋前に立っている。
下級魔術ノック1000本で許しちゃる。
そんな軽い気持ちでドアを開けた。其れだけだったはずなのに。
「ッ……シオン?」
それは角が生えていた。それは翼が生えていた。それは大きな尻尾が生えていた。
だけど見間違えるはずはない。何故ならレオナルドはシオンを愛してるのだから。
「レニー……。僕、女の子になっちゃった」
「え」
12/05/02 07:04更新 / ハロルド
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