読切小説
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天気雨の社にて
「今日もツイてなかったなぁ…」

ため息をつきながら自転車に乗って帰路につく青年。彼の名前は柊 政宗(ひいらぎ まさむね)。何故ため息をついているかと言うと、バイトで三時間も残業させられたからだ。おかげで夕方に帰れる筈が夜になってしまった。理由は引き継ぎの遅刻、その遅刻者の業務怠慢による尻拭いの為である。

「ったく、アイツ仕事舐めてんのか…」

今度は愚痴を零し始める。地味に苦労しているようだ。しばらくして自転車を走らせていた彼の頬に何か冷たいものが落ちてきた。

「うげ、降って来やがった。…ってここ晴れてんだけど?」

空には大きな満月が輝いている。今日は雲一つ無い快晴だった為、いつも自転車に常備してる傘をたまたま家に置いてきていた。

「狐の嫁入りか?んなアホな…って言ってる場合か。どっかで雨宿りしないとマズい」

政宗は急ぎ目に自転車を走らせながらどこか良い所は無いかと思案した。そして家とバイト先の間にある神社を思い出し、そこへ向かうことにした。

「うへぇ…ボトボト。まだ夜暑いから風邪引かなくて済みそうだけど…。やっぱツイてないなぁ」

神社についた政宗は鳥居をくぐり抜け、拝殿に駆け込んだ。

「早く止んでくれんかねぇ。…とりあえずタオルで拭くか」

びしょびしょになった髪と体をタオルで拭く。その時、御神木の近くで何か光った様に見えた。

「…何だ?」

気になった政宗はタオルを頭に被せて御神木まで走った。御神木の根元を見ると、小さな狐の石像がピカピカと輝いていた。

「おっ、何か珍しいモン発見。ちょっと運が良くなってきたか?やっぱここに来ると地味に運が上がるなぁ」

政宗がこういうには理由があった。毎年正月には初詣にここへ来ておみくじを引いているのだが、そのおみくじの結果が常に大吉なのだ。
政宗は少し罰当たりかなと思いつつも、光る狐の石像を持ち上げて手のひらに乗せた。

「何で光ってんだろ?…不思議だなぁ」

そう思って石像を見ていると、その石像と目があった。

『ついに見つけた…!』

「は?」

急に声が聞こえたので辺りを見回してみるが、誰も居る気配がない。

「空耳か…?やっぱ疲れてんのかな俺」

ため息をついて石像に視線を戻した瞬間、石像の輝きがより一層強くなった。

「な、何だ!?」

余りの眩しさに目を瞑る。しばらくして光が収束していき、人の姿を象っていく。そして光が消えると、そこには小さな少女が立っていた。少し違うところは、耳と3本の尻尾が生えていることと、少女にしてはセクシーなチャイナドレスを着ているという点である。

「あなたならわたしを封印から解いてくれると思ってたわ。ありがとう」

「はぁ…つかお前誰だ?それにこの耳と尻尾はホンモノか?」

政宗は少女についてる耳と尻尾に触る。

「ひゃっ!?くすぐったいよ」

「マジモンか…。お前今確か封印が何とかって言ってたな?もしかして、ここに封印されてる『白面金毛九尾の狐』だって言うんじゃないだろうな?」

「そうそれ。昔は皆、わたしをその名前で呼んでたわ。わたしにはちゃんと那津音(なつね)って名前があるのに失礼じゃない?」

「まぁそりゃ確かに」

「でもま、あなたがわたしを解放してくれた訳だし、そのお礼をしなくちゃね」

「は?お礼?」

「うん。わたしがあなたの妻になってあげる」

「妻って…流石にそれは無理じゃね?」

「何で?」

「いや…どう見ても子供の姿してるし、那津音『ちゃん』」

政宗は携帯で写真を撮って彼女に見せる。すると彼女の叫び声と共に耳と尻尾がピンと立った。

「ウソ…これがわたし!?背も小さくなってるし、胸もぺたんこ…、尻尾が3本に減ってる…。それに魔力も何だか少ない気が…!」

「俺の予想だけど、多分この御神木に魔力やら残ってるんじゃ?」

「うぅ〜…忌々しい木め!」

がるるると恨めしそうに御神木を睨む那津音。

「まぁまぁ。俺としては残念半分安心半分な感じだけど、今の姿も可愛いぞ?」

「ホント?ならわたしと夫婦に」

「だから、それは無理…あー、んなら恋人って事でどうだ?」

「恋人?」

「俺達お互いの事よく知らんし、知っていくって段階をふまえて恋人って形で。俺自身那津音ちゃんみたいな可愛い子なら恋人にしたいし」

「うーん…その理由なら妻でも良い気がするけど、まぁいいわ」

「よし、じゃあそれで。俺は柊 政宗。よろしくな。那津音ちゃん」

「ちゃんはやめて?こんな姿だけど一応元々は政宗くらいの大人な姿なんだから」

「んじゃ、那津音で」

「よろしい」

何がおかしいわけでもないのに、二人して笑い合う。気付けば雨が上がっていた。

「雨止んだな。よし、帰るか」

「そうしましょ」

「帰ったら飯の前にまず風呂だな」

二人して神社を出る。政宗は自転車を押して那津音の歩幅に合わせてゆっくり歩く。

「あ、そういや神社の人に言わなくて良かったのかなぁ?」

「言ったらわたし封印されちゃうじゃない」

「おっと…それはマズいな。黙っとくか。とりあえずそこの角曲がったら家につくから」

自宅に着くと政宗は鍵を取り出して家の中に入る。それにならって那津音も中に入った。

「バスタオル持ってくるからちょっと待ってて」

政宗は風呂場に置いてあるバスタオルを持って玄関に戻ってきた。那津音はそれを受け取って体を拭いて部屋に入った。

「風呂の準備してるから沸いたら入って」

そう言うと政宗は自室から着替えと下着を持って戻ってきた。

「とりあえず、今はそれに着替えておいてくれ」

「わかったわ」

自分の服を那津音に渡す。するとその場でいきなり服を脱ぎだした。

「ちょ!?脱ぐなら脱衣所に行ってくれ!」

政宗は慌てて背を向ける。

「別に見ても良いわよ?恋人なんでしょ?」

「アホかぁ!」

「意気地がないわね」

「そういう問題じゃねぇ!……とりあえず着替えたか?」

「ええ」

政宗はその返事で振り返ったが、那津音は着替えて居なかった。再び慌てて背を向けると、那津音はクスクスと笑った。

「政宗可愛い〜♪」

「アホ言ってる場合かぁ!」

「………ねぇ?お風呂の前に抱き合って体を温め合わない?」

「は?」

「だって時間かかるんでしょ?それまでの間…ね?」

「服を着たらな」

「んもう」

仕方なく服を着る那津音。

「下は穿かないわよ?大きさ合わないし」

「わかった」

服を着たのを確認すると、あぐらをかいて座る政宗。その上に那津音はちょこんと座った。

「ふふ…少女の体も悪くないわね」

「やれやれ。さっきは散々嘆いてたクセに」

苦笑しながら那津音の頭を撫でる政宗。那津音は嫌がることもなく、されるがまま身をゆだねる。しばらくして電子音が鳴り、お風呂が沸いた事を知らせる。

「んじゃ、那津音先に入って」

「やだ」

「は?」

「一緒に入ろ♪」

「はぁぁぁぁ!?」

「恋人なんだから一緒に入っても不思議じゃないでしょ?」

「待て待て待て待て!確かに嬉しいシチュエーションだけど、色々マズい!主に俺の理性が!」

「フフフ、理性なんか溶かしてア・ゲ・ル♪」

政宗の眼を見る那津音の紅い眼が金色に輝く。その眼に魅入られた政宗はまるで操られる様に、那津音を抱きかかえて脱衣所へ行き、彼女を下ろすと服を脱いで浴室に入り、彼女も服を脱いで続けて入った。政宗はシャワーを出して自分の体を洗い流すと、今度は屈んで那津音の体を洗い流す。それが終わると彼女を抱きかかえて湯船に浸かった。

「………はっ!?何だ、今意識が飛んだような…?」

「あれ、もう切れちゃった?」

「切れたって何が…ってええぇぇぇ!?」

正気に戻った政宗は今自分が置かれている状況に驚愕した。

「ちょっ、何が起こった!?」

「何言ってるの?政宗がわたしを連れて一緒にお風呂に入ったんじゃない」

「あぁなるほど…ってんなわけあるかあっ!」

「嫌なの?」

「いや、そういう問題じゃなくて…」

「ここは正直みたいだけど?」

「うっ…!ちょっ、どこ触っうあっ!」

「フフ…ドンドン固くなってる♪」

那津音は小さな手で政宗のモノを扱く。その巧みな手つきに翻弄され、モノがガチガチに固く大きくなっていく。

「はぁ…スゴい。ねぇ、お願い。わたしのおまんこに、政宗のおちんちん入れて…?///」

上目遣いで囁き、まるで誘う様に秘所をこすりつける。そんな誘惑に抗えるハズもなく、政宗はモノを彼女の秘所に突き入れた。

「…っ!すご…おっきいよぉ♪///」

「うっ…キツ…気を抜くとすぐ出そうだ…!」

「お腹の中でビクビクいってるのがわかるよ…♪」

「ずいぶん、余裕だな…。痛く…ないのか?」

「痛みよりも嬉しさと気持ちよさの方が強いかな…♪」

そう言うと那津音は腰を動かし始める。お互いにゾクゾクとした快感の波が徐々に押し寄せてきた。

「あっ♪良いよっ、気持ちいい♪」

「くうっ…!」

政宗は歯を食いしばり、快感に飲まれてしまわない様にするのが精一杯だった。それを知ってか知らずか、那津音は腰の動きをより激しく、よりいやらしくなっていく。

「ちょ…な、那津音!激し過ぎ…!」

「そう…言われても、ふあっ!ま…さむねのっ、良すぎ、てっ…!///」

「ヤバいっ…!耐えらんねぇ…!」

我慢の限界に達した政宗は那津音の小さな膣に己の欲望を吐き出す。

「あっ♪まさむねのっ、いっぱいでてるっ!嬉しい♪///」

膣に打ち付けられる精液を感じ、ぶるぶると快感に身を振るわせ歓喜する。

「やべ…ちょっと歯止め利かないわこれ」

「ふああぁんっ!///」

政宗は那津音の乳首に吸い付き、舌で転がしたり甘噛みしたりして責め始める。

「ちくびっ、よわいのっ!ふあぁっ…イイよぉっ!///」

那津音は政宗の頭を抱きかかえて胸を更に押し付ける。そして再び腰を振り始めた。

「那津音」

「ふえっ?あっ…んっ、ちゅ…ぴちゃ…んん///」

政宗は那津音の唇を奪い、舌を口内へ侵入させた。那津音はそれを受け入れ、互いの舌を絡み合わせて貪る様に口付けを交わす。

「んっ、ちゅる…ぷはっ…。まさむねのキス気持ちいい…♪」

「俺も…」

「ねぇ、もっとぉ…♪」

「あぁ」

再び激しく口付けを交わす。浴室に卑猥な水音が反響し、二人の興奮を更に煽った。

「また、出る…!」

「うん、いいよ?わたしもイっちゃう…!///」

「いくぞ…!」

「だしてっ!まさむねのせーえきいっぱいだしてぇっ!」

「うああっ!」

「イク、イっちゃう!ふあああぁぁぁっ!!///」

先程出したのにも関わらず、沢山膣内に精液が放たれる。

「はぅ…おなかのなか、まさむねのせーえきでいっぱい…♪」

「はぁ…はぁ…。ヤバい、ちょっとのぼせてきた」

政宗は那津音の膣からモノを引き抜くと、湯船から出て風呂場のドアを開けた。温められた空気が逃げ、涼しい風が入ってくる。

「ふぅ…涼しい」

脱衣所の空気は火照った体を冷やすのには丁度良かった。少ししてドアを閉めて浴室内に振り返ると、湯船から出た那津音が壁に片手を付き、お尻を此方に向けていた。濡れた3本の尻尾がゆらゆら揺れている。そして、自ら秘所を指で開き、熱っぽい視線で政宗を見つめる。

「ねぇ、まさむね…。今度は後ろから、いっぱい突いてほしいな…♪」

見た目といやらしさのギャップに興奮する政宗。

「那津音、お前エロ過ぎ…!」

再び臨戦態勢になったモノを膣目掛けて一気に突き入れた。

「あんっ♪まさむねの、また入ってきたぁ♪///」

モノが入ってきたのを感じると、喘ぎながら自分から腰を振り始める。政宗も最初から飛ばすかのように激しく腰を打ち付ける。

「やっ♪あっ♪すごっ、激しっ♪子宮が、まさむねの…おちんちんと、ちゅって…しちゃってる♪///」

「那津音のナカだって、スゴすぎだっての…!キュウキュウ締め付けてきて、気持ち良すぎるっ!」

「もっとぉ…♪まさむねぇ、もっと…もっと突いてぇ!わたしを犯してぇ!めちゃくちゃにしていいからぁ…!///」

「言われなくても…!」

「ああぁぁんっ♪///」












「夢中になりすぎたな…」

「あら、わたしはもっとシたかったけど♪」

「いや、それは俺もだけど…流石に何時間も風呂に居るわけにはいかないだろ」

結局、あの後もヤりまくったせいで二人が風呂から出たのは入ってから三時間が経過した後だった。気付けば日付が変わろうとしている。

「寝る前に飯食うのもなんだけど…とりあえず」

政宗はラップに包んで冷蔵庫に入れてあったご飯を取り出すと、レンジで温め始める。そしてその間に玉子焼きを作り、テーブルに置いた。

「壊れた時用に予備の食器を買って保管してたけど、正解だったな」

台所にある引き出しから新しい箸を、棚から茶碗を取り出して那津音の座る前に置いた。

「あまり夜中に食べるのは体に良くないから今日はこれで」

そう言いながら、冷蔵庫から今度は漬け物を取り出す。それをテーブルに置いた時、電子音が鳴ってご飯が温まった事を伝える。取り出したご飯を杓文字で取り分けて茶碗に注いだ。

「じゃあいただきます」

「いただきます」

「明日は休みだしちゃんとした夕飯作るから。後、服も買いに行こう。流石にいつまでも俺のシャツ着させておくのも悪いし」

「それってわたしとデートするってこと?」

「デート…か。やべ、何かこっぱずかしくなってきた」

少々質素だが、二人で食べる遅い夕飯はいつもより美味しいと政宗は感じた。
二人は食事を済ませ、歯を磨いて寝ることにする。

「さてと、着替えるか」

自室に戻り、政宗は部屋着から寝間着着替え始める。

「っと那津音はどうするかな…」

「わたしこれで良いわよ」

「………おい、何だそのチョイスは。何か狙ってるんですかコノヤロー」

那津音が選んだのはワイシャツだった。着たのはもう何ヶ月も前の話だが、たった一度、しかも数時間しか着なかったので洗濯をせず陰干ししておいたものだ。

「ふふ、これを着て政宗をゆ・う・わ・く♪なんちゃって。それに他のは石鹸の香りだけど、これは政宗の香りが残ってるし、これが良い」

「うっ……、お前よくそんなこっぱずかしい事平気で言えるな。わかった、じゃあ今日はそれを寝間着にしていいから」

政宗はそう言うと、部屋の隅に畳んでいた布団を持ってきて敷き始める。

「じゃあ那津音、ここで寝て良いぞ」

「政宗は?」

「俺は座布団敷いて寝るよ」

「えー。一緒に寝よーよー」

「それは大変魅力的だけど、この暑さだとかなり蒸れるぞ…」

「これがあるから大丈夫よ」

そう言って那津音は扇風機を指差す。

「つけっぱなしは喉をやられやすいから良くないんだけど…まぁ良いか」

そう言って政宗と那津音は一緒の布団で眠る事にした。

「ね、政宗」

「ん?」

「おやすみのちゅーしよ♪」

「お前ホントこっぱずかしい事させるの好きだな」

「はやく〜、んーっ♪」

那津音は小さな唇を突き出してくる。政宗は苦笑しつつ唇を重ね合わせた。

「ふふ、これからよろしくね。まさむねっ♪」

「こちらこそ、よろしくな」

そして二人はそのまま抱き合いながら眠りに落ちた。
11/09/21 02:11更新 / 夜桜かなで

■作者メッセージ
バトルもの以外を書いたのはこれが初だったり・・・。

政宗のバイトの愚痴は、作者の実体験を纏めたものだったり(ぁ


とりあえず那津音の人気が出たら、連載とか、クロスオーバーとか出来たら良いなぁ(無謀

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