連載小説
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1話 ルインズっていいよね!
やぁ、僕の名前は桔梗 輝、知り合いからはテルって呼ばれてる

僕の両親は二人ともすごい科学者だったんだけど、数年前僕とペットの猫達を置いて行方不明になっちゃったんだ

警察もちゃんと捜してくれなかったからまだ見つかっていない

唯一手がかりみたいなのは二人の研究日記

行方不明になる前日の分以外は特に変なことは書いてなかったんだけど、行方不明になる前日の日記には「明日はついに魔方陣が現れる」って書いてあったんだ

それしか手がかりがなかったから捜査は打ち切りになっちゃった

まぁそんなことはどうでもいいよね・・・

今僕は自分の家で親友のリュウと一緒にゲームをしてるんだ

リュウと僕は小さい頃からの友達で、知り合った理由は家が隣だったのとお互いの親が仲がよかったからなんだ

リュウは基本的に乱暴な人だけど根はかなり優しいんだ




・・・・俺の名前は厳島 劉、リュウとよく呼ばれる

俺の親は二人とも何の仕事に就いているかは知らないが、帰ってこない日のが多い

俺は別に構わないが、そのせいで二人の妹がよく寂しそうな顔をするのが問題だ

二人とも俺からしてみればまだ子供なので色々とやっかいだ

まぁそんなことは今はどうでもいい

今俺は幼馴染のテルの家でゲームをしている

テルとは小さい頃からよく遊んでいた

妹たちとも仲良くしてくれているので助かっている

テルは少々やっかいな所があるがそれ以外はいいやつだ


 「おいテル、ハイドラのパーツは俺のものだと言っただろうが」

 
 「リュウにそんなもの持たせたら『厄介になる前に潰す』とか言って僕のマシンを壊しにくるからね」


 「・・・・ころしてでもうばいとる」

 
 「アッー僕のヘビーがggggg」

 
 「そんな体力だけの逃げにくいマシンに乗ってるからだ」


 「うぅ、しかたがないウイングに乗るか・・・」

 
 「俺のレックスに敵など無い!!」


 「そろそろスタジアムが始まるね・・・ほとんど能力なしのウイングじゃ勝てないよ・・・」


 「何がこようが俺の勝ちだn・・・・ハイジャンプ・・・・だと・・・」


 「よかったぁ、これなら負けないや」



そんな感じでいつも通りの二人はゲームをしていたが、突然テレビの画面が真っ黒になった


 「あれ?おかしいな・・・テレビは昨日整備したばかりだったのに・・」


 「ふぅ、流石にレックスじゃハイジャンプは勝てないから助かったぜ・・・」


そんな風に二人が疑問に思っていると突然真っ黒になっていたテレビの画面に魔方陣のようなものが浮かび上がった


 「え?え?魔方陣!?」


 「ふむ、確かこの形は昔魔女がバフォメットを降臨させようとした時に使われたやつだったと思うが・・・」


 「え?なんでそんなことリュウが知ってるの!?」


 「予備知識だ」


そんな風に慌てる二人を尻目に魔方陣からは強い光が放たれる


 「うわぁ!目が、僕の目があぁぁぁぁぁぁ」


 「うぉっ!眩しっ!」


強い光が二人を包んでいく・・・・・

光がおさまったあとには二人の姿はなかった・・・




うぅ、せっかく逆転できそうだったのに・・・

テレビがおかしくなるなんて聞いてないよ・・・

でも・・・魔方陣か・・・母さん達の日記に書いてあったのはこのことだったんだろうか?

うーん、でもリュウが言ってたことが何か引っかかるなぁ

リュウが言ってたのはバフォメット?を『召喚するために意図的に書いた』物だから、今のはたぶん『勝手に書かれた』って感じだしなぁ・・・

なんだかまた眩しくなってきた




ふぅ、なんとか負けずにすんだが・・・もっとやっかいな事になりそうな気がする

まさか中世の時代の物を見ることになるとはな・・・

あれは形としてはバフォメットを呼び出すための物だったが・・・

ルーン文字の所が少し違った気がするな、まぁどうでもいいか

また眩しくなってきたな




 「うぅ、いったいなんだっていうんだよう・・・・」

 
 「・・・・・」


二人が目を開けるとテルの前には小さな子供、リュウの前には綺麗な女性が立っていた


 「ふふ、成功したようじゃな」


 「本当に成功するとはね、いつもの貴女ならここで爆発するはずだったのにね」


しかしよく見ると彼女たちには普通の人間には付いてない物が付いていた

小さな子供は、サラサラの茶色の髪にまぎれた山羊のような角があり、その手は毛に覆われた猫の足のようなもので、足は膝の辺りまでは人のそれだが膝から下はまるで山羊のようなひずめだった

綺麗な女性は、頭にまるで神話に出てくる悪魔のような禍々しい角があり、腰からは紫色の蝙蝠の様な羽が生えており、更には先がハートのような形をした尻尾が生えていた


 「・・・そこのテルの前に居るアンタ・・・もしかしてバフォメットか?」

 
 「ほう、よくわかったのう、如何にもわしは魔女達を統べる魔界の覇王バフォメットじゃ」


 「なぜ俺達を召喚したんだ?」


 「それは・・・その・・・あれじゃ・・・」


バフォメットが言いにくそうな様子を見て女性の方がフォローを入れる


 「この娘が『素敵な男性が召喚できる魔法が完成したのじゃあ!』とか言っていきなり魔方陣を書き始めて、でしばらく私は放置してたら貴方たちが召喚できちゃったってワケなの」


 「そんなことより貴方たちの名前を教えてくれない?」


 「悪魔に名前を教えるのはどうかと思うが・・・・まぁいいか」


リュウは少し考えた様子だったが、すぐに口を開いた


 「俺の名前は厳島 劉、まぁ好きに呼んでくれ」


 「ぼぼぼbっぼくの名前は、えーと」


テルが状況の把握ができていなくて混乱している様子だったので、リュウは面倒そうな顔をして言った


 「落ち着けロリコン、幼女が前に居るからって慌てるな」


 「僕はロリコンじゃないよ!えーっと、僕の名前は桔梗 輝、テルって呼んでくれると嬉しいよ」


 「ぬふふ、テルよ自分がロリコンであることを否定する必要はないぞ」

 
 「エンジェ、洗脳するのはあとにして私たちも自己紹介をしましょうよ」


 「む、そうじゃな、わしの名前はエンジェ=ライト、リュウの言うと通りバフォメットじゃ」


エンジェは無い胸を張って言った


 「私の名前はラピス=ラズリ、見ての通りサキュバスよ」


ラピスはその豊満な体を見せ付けるようにして言ったが、エンジェがラピスを押しのけて叫んだ


 「何を貴様は誘惑しとるか!こやつらはわしが責任を持ってこの城で魔女たちの兄上にしてあげるんじゃ!」


突き飛ばされたラピスもエンジェに負けじと不機嫌そうな顔をして言う


 「何を言っているのかしら?この方々は私の城で私の仲間たちの素敵なご主人様になってもらうのよ」


彼女たちが言い合っているのを見て、リュウは面倒そうな顔をしてテルに言った


 「・・・・これは面倒なことになるフラグだな」


 「え?どういうこと?」


 「まぁすぐにわかるさ」


リュウたちがしばらく彼女たちの言い合いを見ていると、エンジェが急にやれやれといった様子で言った


 「しかたないのう、じゃあお互いが気に入った方をお持ち帰り、ということでいいかの?」


 「最初からそう言えばよかったのよ、じゃあせーので気に入った方に抱きつくっていうのでいいわね」


 「もちろんじゃ!」


 「あのー、僕達に拒否権はないんですか・・・」


 「「あるわけないのじゃ(わね)!!!」」


少しおびえた様子でテルが言ったが、その意見はバッサリと切り捨てられる


 「・・・言ったろ面倒なことになるって」


 「確かに面倒ではあるけどね・・・」


やれやれといった様子の二人を気にせず彼女達は続ける


 「それではゆくぞ、せーのっ」


エンジェは言ったと同時にテルの背中にしがみつき、ラピスはリュウにまるで恋人がするように腕に抱きついた


 「ぬふふ、これからよろしく頼むぞテルよ」


 「何度でも言うけど僕はロリコンじゃないよ・・・」


 「それならおぬしを立派な兄上にしてやるのじゃ!!」


 「(ムッ、胸の感触が・・・腕に・・・・)」


 「あら?もうこんなにしちゃって・・・初々しいわね」


 「・・・まぁ今まで家族以外の女性とはあんまり関らなかったからな・・」


 「ウフフ、これから末永くよろしくね♪ご主人様♪」


 「・・・・・ご主人様か・・・悪くないな・・・・」






うーん、なんだかすごいことになっちゃったなぁ

でも幼女とはいえ女の子に好かれるのは悪くないかも

すでにちょっと洗脳されちゃったみたいな感じだなぁ・・・

元の世界にあんまり未練はないけどペットの猫達のエサやりはどうなるんだろう・・・

まぁたぶんリュウの妹たちがやってくれるかな





予想通りとはいえなんだか複雑な気持ちだな・・・

・・・・人外とはいえ女性に好かれるのも悪い気分ではないな

今までモテなかった上に、妹の世話もしなければいけなかったからな

そういえば妹たちの食事とかはどうなるんだ?あいつらに料理なんてできるわけないしな

それだけが不安だな・・・・
10/07/25 21:58更新 / 錆鐚鎌足
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■作者メッセージ
ということで一話です
二人がやっていたゲームは某ピンクの悪魔のレースゲームのようなやつです
やっぱりルインズこそ至高です異論は認めます

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