懐かしい夢でしたね

あれから百年近くは姫様への想いを抑えきれずにしょっちゅう暴走してた記憶があります

夜這いはもちろんのこと、姫様の持ち物で手淫に耽ったり、お姫様だっこで街に出かけたり

若干の黒歴史です……

まぁそのこともあるから今の生活を送れるようになったと思いましょう

……そろそろ姫様にあれを渡しますか

今までは俺なんかが姫様に似合う男なのか、と思いなかなかその気になれなかったのですけど……

先ほどの夢を見て決心がつきました

似合う似合わないはどうでもいいのです

いかに相手のことを思っているかが重要なのでしょう、そう思います

準備をしますか




今、俺の手の中にあるものは姫様の為に準備した指輪です

そう、俺は今日、姫様にプロポーズをします

この結論にたどり着くまではすごく時間がかかりましたけど、姫様は笑って許してくれるでしょう

姫様はあまり着飾るのが好きではないようなので、あまり装飾の無い金細工で、少し大きめのロードナイト（ジパングでは薔薇輝石）という宝石がはめ込まれています

ロードナイトの宝石言葉は『優しさ・繊細・愛情・美・穏やかな心』です

姫様にぴったりでしょう、この宝石言葉を知ったときにこれしかない、と思いました

しかし…いざ渡すとなると緊張してきましたね……

なんて言いましょうか……

うーむ




　「ヴァン、難しそうな顔をして何を悩んでいるのかしら」


気がつくと俺の前にかわいらしく？マークが浮かんでいそうな姫様が立っていました

ふと時計を見ると悩み始めてから一時間ほど経っていました

まぁ、なるようになるでしょう

玉砕覚悟で特攻ですね


　「姫様、お話があります」


　「何かしら？」


姫様は眠そうにしていた様子でしたけど、俺の言葉を聞くとしっかり見つめてきました


　「えっ、とですね」


　「姫様、あまり良い言葉が思い浮かばないのでシンプルに言います、俺と結婚してください」


姫様は俺のプロポーズに対して不機嫌そうな顔をしました

玉砕…ですか…


　「遅いわよ」

え……


　「私は貴方に出会ってからその言葉をずっと待ってたのよ」


　「以前に女性を待たせるのは良くないって自分で言ってたじゃない、それなのに数百年も待たせるなんてどういうことなの」


姫様がいつもとは違って早口で文句を言う姫様に俺は唖然としてしまいました

しかし姫様はそんな俺を気にも留めずに


　「いくら魔物だからと言っても我慢できるのにも限界があるわ」


と、どんどん俺に対する苦情を申し立ててきます

……姫様も人間（に近いもの）だから言いたいこともあるのでしょう、それに気付かなかった俺に非があるのですから

しみじみとそんなことを考えていますと、姫様は落ち着いたようでいつもの優しい顔になっていました


　「ふふ、夫婦になるのだからこれぐらいの文句は言ってもいいでしょう」


　「と、言う事は…」


　「貴方のプロポーズを受けるわ、今日から貴方は執事ではなく私の夫よ」


……とても嬉しいです、長年の夢が叶ったような感覚ですね

思わず小躍りしてしまいそうです

姫様も同じような気持ちなのかいつも以上にニコニコしています


　「愛する人からの告白ってのは嬉しいものね」


　「式についてはどうしましょう？」


　「場所についてはずいぶん前から手配してあるわ」


……本当に遅かったようですね

ずっと悩んでいた俺が馬鹿みたいです

そう思い、頭を抑えていると姫様が抱きついてきました

姫様は俺の背中に回した手に力を入れしっかりと俺を抱きしめてきました


　「ヴァン」


俺も姫様の背中に手を回す


　「はい」


そして俺もしっかりと姫様を抱きしめ返す


　「大好き、愛しているわ」


　「俺も貴女の事を愛していますよ、これからも永遠によろしくおねがいします」


しばしの間、ふたりは抱き合っていた










さて、子供達も寝たようですし、ようやく夫婦の時間ですね

キュアは先に寝室で待っているようですしさっさと向かいましょうか

・
・・
・・・
寝室に着くと既にキュアはベッドの中にもぐりこんでいました


　「おそいわよ」


　「すいません」


主従の関係のときとあまり変わらないですが、すっかりその生活が身についてしまったので仕方が無いです

俺がベッドに乗るとキュアも出てきました

衣服は薄いネグリジェのみで大事なところが透けて見えています


　「ずいぶんとこの格好が気に入っているようね」


　「男のロマン……と言いたいところですが、貴女ですから全然飽きませんよ」


すっかり大人びた様子がさらに妖艶さを醸し出しています

大人の魅力、というやつですか


　「ふふ、その様子だと四人目もすぐ作れそうね」


　「俺は貴女が望むのだったら何人でも孕ませて上げますよ」


既に三人の子供を持っていますが性欲が止まる事を知りません

むしろボテ腹プレイにはまってしまった時期もあったぐらいです

さて、そろそろ本番に行きますか


　「キュア」


俺がそう呟くだけで分かってくれたようで、彼女は俺にキスをしました

二人の愛情の確認と情事の開始の合図です

お互いの舌を絡め合う、むさぼるようなキス


　「んっ、れろぉ、ちゅ、ぷはっ」


　「相変わらず蕩けそうなキスね」


そう言い終わるとキュアは俺のモノの上に腰を下ろし自分の秘所に挿入した

世間では対面座位と呼ばれる体位です

お互いが抱き合うような形になるので結構好きですね

欠点としてはお互いに結構動かないといけないので少々疲れやすいことでしょうか

にしても

何年経っても処女のような締まりですね

更に最近は搾り取るような動きに磨きがかかってきました


　「ふふ、きもちよさそうね」


　「貴女が相手ですから気持ちよくないワケがあるはずないですよ」


ふと、キュアの豊満な胸を見る

大きさはすでにプロポーズしたときより一回り大きくなっており、感度も良いです

それがちょうど俺の目の前に、まるで吸ってくれと言わんばかりに揺れている

迷わず吸い付く


　「ぁん、もう、がっつかないの、子供じゃあるまいし」


そう言いながらもキュアは俺の頭を優しく抱きしめてきました

俺は更に吸う力を強くし反対の乳房をもみしだく


　「ん、でるっ」


少し大きな喘ぎ声と共に口の中に甘い味が広がる

既に三児の母になったキュアの胸は母乳が出るようになっています

三人ともとっくに乳離れしてますけどね

しかし、この味は飽きないです


　「まったく、子供みたいね」


　「貴女だって満更でもないでしょう」


　「大好きな人が甘えてくれているのを喜ばない女性は居ないわよ」


嬉しいですね

しかしいつまでも胸ばっかり攻めていては面白くありません

ちょっと激しくしますか

俺はゆったりと動かしていた腰を速くする

そして右手の指をキュアの後ろの穴に挿入する


　「ぁ、あぁぁぁん」


それに共鳴するかのように姫様の喘ぎ声と腰の動きが速くなりました

また、激しいキスをし更に腰を突き入れる


　「あん、ひぁん、あぁん」


　「キュア、あんまり大きな声を出すと子供達が起きてきますよ」


ちょっとしたスパイスの追加です

その姿を想像したのか、膣のすべりが更に良くなってきました


　「んぁ、そうなったらっ、見せ付ける、うぅん、だけよっ」


しかしその瞳には若干の不安の色が映っています

もう少し弄りたいところですけど、限界になってきました

キュアが相手だと早漏になってしまいます

回数は多いですけどね


　「くっ、そろそろ、イきますよ」


　「いいわっ、きてっ、たっぷりとちょうだいぃ」


先にキュアの方が達したようで激しく締め付けられる

既に限界になっていたので、その快楽に耐えられず、キュアの中に欲望をぶちまけた

ドク、ドクと脈を打ちながら大量の精液を流し込む

まるで、長年の思いを流し込むかのように


　「これであの子達に妹ができるかしら？」


　「さぁ？でもいずれできるでしょう」


それもそうね、とキュアが言うと二人は笑い合う

病弱なヒロインと勇敢な主人公の物語ではないのですから時間はたくさんあります

いつか来るかも知れない終わりの日までは愛し合いたいですね


　「さぁ、再開しましょう、夜はまだまだ長いからね」


願わくば、愛しい妻と永遠を過ごしたいです



















一方隣の部屋では


　「相変わらずラブラブですわね」

　
　「うらやましいなぁ」


　「らぶらぶー」


三人の娘たちが親の情事を聞いていた


　「早く私もお父様のような素敵な男性と出会いたいですね」


　「お姉様はまだいいじゃない、色々出るところはでてるし、それに比べて私は……」


　「ぺったんこー♪」


そして、それぞれが自分の将来の夫に想像を膨らませていた


　「はぁ、お二人のような運命的な出会いがしたいですわ」


　「そんなのじゃなくて良いから優しい男性がいいなぁ」


　「おっきなお兄ちゃんがいいー」

■作者メッセージ
ついに完結してしまいました

元々は某格ゲーの吸血鬼の姫様の考えていたら出来たものですが、そんな作品で皆様に評価していただき、とても嬉しいです

途中からは甘いものを作ろう、と気合が入り完結まで持っていく事が出来ました

バ「なんとか完結のマークが着けられたの」

サ「まぁ良い経験だと思いますよ、これを期に他のものも頑張れるかもしれないですし」

バ「でもこやつの事じゃから、あんまり変わらんと思うがな」

バフォ様って基本的に褒めてくれませんよね……

バ「褒める必要がないからの」

サ「夜の方で可愛がってくれるかもしれませんよ？」

バ「流石わしの兄上！！」

現金な方ですね……