魔物使いの日記
サクラの月3日
今日はまだ目的地への道中の為、野宿
魔物使いギルド影響が無い地域だと街ですら宿が取れない事も多いのでもはや慣れたものだ
寝る時はウルフのブランカが体を寄せて来る事が多いので寒い日でも平気なのである
サクラの月5日
昨晩、サキュバスのリリィシアにチャームをかけられた上でかなり搾り取られたので移動が辛かった
一番付き合いが長い、というか魔物使いになる前から散々搾り取ってきているので加減は分かってくれてはいるがそれでもキツイものはキツイ
体調が悪いと背中に乗せてくれるブランカもこういう日は不機嫌になって絶対に乗せてくれないのでどうしようもない
サクラの月7日
依頼である盗賊退治はあっさり終わってしまった
エメラルダ……熊より少し大きいぐらいの若いドラゴンを見て腰を抜かしたり戦意喪失する者が多かったからだ
話してみると気のいい子なのにね
サクラの月9日
依頼者である村の村長に報告に行ったら手厚くもてなしてもらってしまった
美味しい食事に楽しい酒の席
ブランカは村の子供達と遊んでいてお互い楽しそうにしていた、やっぱり普段は大きいだけで犬とあんまり変わらないと思う
エメラルダは村長や村の知識人達と色々話していた、若いと行っても人間によりは長く生きているので何か教えていたのだろう
リリィシアは若い衆に声を掛けられていたにもかかわらず自分にべったりだった、見た目に反して義理堅いとは思うけれどもこの後また搾り取られそうで怖い
サクラの月11日
少しとは言え村でゆっくりさせてもらったので次の依頼のために移動を始めた
魔物退治らしいけれど、分かってくれる相手なら良いなぁと思う
ギルドの面々や教団関係者にはあまり良い顔はされないが、仲魔になってくれなさそうな子でも手をかけるのは心苦しいのだ
やらねばならぬ時はやるし、あまり綺麗事を言うつもりはないがいつか魔物と人間が手を取り合える世界になればいいのに
仲魔達を労いつつ今日は寝るとしよう
サクラの月14日
問題無く次の村に行けると思っていたのだが、そうはいかなかった
そろそろ野宿の準備でもしようかというぐらいのタイミングで勇者様御一行に遭遇してしまった
魔物使いという職業の都合上よくある話なのだが、自分が魔物に捕らわれていると勘違いされて仲魔達に襲いかかってきたのである
大きな怪我もなく退け、勘違いであることに気がつき謝罪と付いた傷も回復魔法で治癒してもらったのでまだ良かった
相手によっては逃げまどう羽目になったり、勘違いしたまま逃げられて後で酷い目にあう事もあるからだ
……地道に魔物使いギルドの知名度も上げていかないとなぁ
サクラの月16日
景色がきれいなのどかな村
まだまだ先だろうけれども隠居することになったらこんな場所で仲魔とのんびり暮らしたいと思う
今日は到着した時点で行動するには遅い時間だったので明日から件の魔物についての聞き込みと調査を始めるつもりだ
宿屋に入れないエメラルダと村の特産品のお酒を飲んだら早めに休もうと思う
サクラの月17日
魔物を連れている故に村人達からの視線が痛かったり、よろしくない態度を取られる事があったものの対象の魔物について必要な情報は集まった
被害としては夜間に果樹が荒らされている事があり、痕跡などから魔物と判断したそうだがそこまで酷くないようで勇者や軍を呼ぶほどでもないので報酬が安くて済むうちのギルドに依頼が降りたそうな
実際の現場を見て見る限り果樹園の外に近い数本だけが折れそうに傾いており果実が雑に齧られた様な跡が付いていた
太い棒のような物が突き刺さったような足跡、何か重たいものにのしかかられたように傾いている果樹、目的の物のみを食べて住処のありそうな森の方へ足跡が続いていることからなんとなくアタリはつけれる
細かい分類までは見てみるまでは分からないがおそらくソルジャービートルだろう
巡回ルートが一定にしかも森林内になりやすい習性の彼らがここまで出てくる理由と被害のあった果樹の少なさが少々疑問だが他の魔物に出くわさなければ特に問題の無い相手である
道具の準備と仲魔のスキンシップだけを怠らず明日行動に移すつもりだ
サクラの月19日
少々想定外の事が起きた
足跡を辿り森の中を探索するとモソモソと果実を食べている少し小柄のシールドビートルが簡単に見つかった
さぁ戦闘に入ろうかと言う所で被害者の子供である小さな男の子がビートルを庇ったのだ
流石に戦闘に巻き込むわけにもいかず、何か事情があるのだろうと思い、ブレスを吐きかけているエメラルダや牙を剥いているブランカをなんとか抑えた
話を聞くところによるとどうやら以前に森に入ったこの子が見つけたこのビートルに家で育てている果物を与えた所、気に入られてシールドビートルとして守るべき対象と見られてしまったらしい
昼間に村まで来ないようにはなんとかして形が駄目だったりして廃棄予定の果物の一部を与えて食料に困らない用にしたものの、活発になる夜は近くまで来てついでに果実を食べてしまっていたらしい
人と魔物がお互いに守ろうとしている姿は魔物使いとしてはなんとかしてあげたいと思い、村に戻って村長や依頼人でもある男の子の親に相談した所、明日自分を交えて会議を行う事になった
丸く収まれば良いのだが
サクラの月20日
遅くまで時間はかかってしまったが良い方向になったと思う
結果としてはソルジャービートルを討伐せずに村に迎え入れる事になった
自分がソルジャービートルの習性や気性の説明を行った
特にシールドビートルなので保護対象に危機が迫らない限りは温厚な性格であり、草食なので何かない限りは村に直接危害を加えることは無いということ
成熟済みの小柄な個体であり、食料に関しても果樹園の規模から廃棄予定の果物を与えるだけでも十分に賄えそうなこと
シールドビートルは保護対象からあまり離さない方が突発的な行動を起こしにくく安全であること
魔物も力があるだけで動物とさほど変わらず手懐けることは十分できること
わからないことは相手が理解出来るまで説明し、不満に対しては妥協点を見つけていった所なんとか村人全員から男の子とビートルが一緒に暮らせる許可を得ることが出来た
話せば分かってくれる人ばかりで助かった
疲れたので今日はもう寝る
サクラの月22日
男の子とビートルについて話していたり、お酒と果実が美味しいのでもう少しのんびりしていたかったがハーピー使いのギルドの者から次の依頼に行くように指示されたので仕方なしに明日村を立つ事になった
彼にかまっているせいでスキンシップが少なくて仲魔達も不満気味だったのでいい頃合いかもしれない
……あの子には悪いけれどもギルドの勢力を伸ばすきっかけになってもらおうと思う
ハーピー使いには今回の件を伝え、魔物使いの適正がある人、魔物がこの地域にもまだ居るだろうと伝えた
勢力がここまで伸びればあの子が将来白い目で見られる事も少なくなるだろうから
結果として自分の益になってしまうかもしれないが、小さい子を利用することの罪滅ぼしにとあの子がもしかしたらこちらの道に歩いて来た時のためにギルドへの招待状を書いてあげた
自分の影響力こそ大きくはないが、門を叩いた際に快く受け入れてもらえるだろうから
サクラの月30日
目的地が遠い場所なので自分とブランカを魔術で小さくしてからエメラルダの背に乗せてもらい空を飛んでいた
何度も乗っているので風や景色を楽しめる程度には慣れたが、ブランカはそうでないらしくしがみつくのに必死な様子だった
横を飛ぶリリィシアが心地よさそうに風を切って時折こちらにウィンクをしてきたのが可愛いかった
未だ震えているブランカの慰めとエメラルダへの労いの為に今日はここまでにしよう
アジサイの月3日
風邪を引いてしまって2日ほど身動きが取れなかった
長距離移動で一気に気候や魔力の質が少し違う所に来た影響だろうか
幸いにも薬は持っていたので大事には至らなかったが、仲魔に心配をかけてしまった
心地の良いブランカのもふもふとした体に包まれているといつまでも眠れてしまうので、あと一日休んだら出立しよう
アジサイの月5日
今日を含めて2日ほど、あまり関わりたくないが最短ルートで遅れを取り戻すためにも魔王城のある魔界付近を通過することになった
単純に危険度も高く、近づきすぎると純度の高い魔力にまた体調を崩してしまうかもしれないが、遅れの分どころか当初の予定より早く着くことができるかもしれないからだ
自身だけでなく仲魔もしっかり警戒してくれているのできっと大丈夫
アジサイの月6日
魔物や凶暴な野生動物以外は遭遇しないと思っていたけれども、居てもおかしくはないけれども不思議な存在と遭遇した
勇者御一行ではあるのだが、なんとも珍しい組み合わせだった
勇者の方はかなりの実力と強い加護を受けているのか雰囲気からも相当な感じがするが、仲間の方は魔法使いや戦士ではなく自分達魔物使いのようにサキュバス種を引き連れていたからだ
見た目からサキュバス種というくくりでしか分からなかったが、リリィシアが珍しくかしこまっていた程なのでかなりの上位種族だと思う
向こうもこちらの存在には驚いていたが、仲魔達が自分を守ろうとしている姿を見て好意的に接してきたため、自分もまた驚いた
魔物使いというわけでもないのに、魔物と人が共存できると信じている人に出会えたからだ
更に二人は恋仲のような関係のようで終始イチャイチャとしていた、リリィシアが物欲しそうにしていたのは気にしない
これから死地へ向かうであろう夫婦のように中の良い二人の幸運を祈らせてもらおう
アジサイの月10日
目的地の村に付き、依頼内容の確認
村の薬剤師が作っている薬の材料の一部が底を尽きかけているらしい
行商人には注文してあるがまだまだ時間がかかりそうであり、急を要しており魔物が出る地域で採取する必要があるために護衛して欲しいそうだ
明日自分達と依頼主の準備ができ次第開始しようと言う話がまとまった
仲魔達も調子がいいようでいつでも出れそうな様子だった
明日は依頼前にはできるだけやっているブランカのブラッシング、エメラルダの鱗磨き、リリィシアの角や翼の手入れの手伝いを済ませたらそれだけでよさそうだ
アジサイの月11日
依頼は特に問題もなく無事完了し、報酬をもらって一息
あっけないとエメラルダは退屈そうだが、なにもない方がそれで良いのだ
前に指示を持ってきたハーピー使いからしばらく依頼は無いと聞いているのでしばしここの村で羽を伸ばそうと思う
しっかり働いてくれている仲魔達へのケアと交流を深めるのだ
アジサイの月15日
のんびりしているだけなので特に書いてなかった日記をそろそろ書こうかと思ったが仲魔達の様子がおかしい
詳細は明日書こう
アジサイの月18日
一言で言うならば世界が変わった
仲魔達が……というより恐らく全ての魔物達が人間の女性の様な姿になった
姿だけでなく、サキュバス種の如く人間の精を糧にするようになった
ブランカは柔らかい銀毛を纏った手足はそのままに綺麗に割れた腹筋と大きすぎない胸の凛々しい成人女性姿に
エメラルダは強靭で美しいエメラルドグリーンの鱗を纏った手足と翼、空を突き刺すような角を生やした可愛らしい小さな女の子に
リリィシアは……本人は変わったと言っているが、自分としてはどう変化したのかはわからない
仲魔達が前以上に甘えて来るのは可愛いし、嬉しいけれども、全員がリリィシアのように身体を求めてくるのは少しつらい
どうして突然姿や性質が変わったのかというと、全ての魔物と繋がりがある魔王が代替わりしたようだ
リリィシア曰く恐らく以前に会った勇者と一緒に居たサキュバス種の魔物が魔王になったのではと言う話らしい
魔物の在り方が変化したこれからはどうなってしまうのか不安だが、どうあろうと自分は仲魔達を守れるような立ち回りをしようと思う
アジサイの月22日
いまお世話になっている村に魔物……というより今は魔物娘と言った方が適切か……の群れが攻めてきた
攻めてきたと言っても以前の様な収奪や捕食のため、というよりもつがいを求めて来たと言った感じである
最初の「被害者」が出るまでは自分や村人達は必死で抵抗していたものの、襲われた人達がそういう状況になっているのを見てなんだか脱力してしまった
結果淫気にあてられた仲魔達に自分も襲われて気がつけば村中乱交会場になってしまっていた
アジサイの月29日
所属しているギルドの魔物使い全員にギルド長から緊急帰還命令が下されたようで、いきなり魔物使いギルドまで仲魔と共に強制転移させられた
いつもならば何かが起きたならばもっと早くに飛ばされていたのだが、珍しく遅かったと思う
そして目の前に居たのはいつもの双老と呼ばれているギルドマスターと彼の仲魔のバフォメットのペア
のはずだが、どうみても幼子が二人居るのである
片方は山羊のような角が生えていたり手足が毛皮に覆われていた辺りからバフォメットだろうし、もう片方も口調がギルドマスターのものだったので間違ってはなかったはずだ
もはや双幼じゃないかと自分と同じく転移されていた同僚のツッコミには思わず笑ってしまった
アジサイの月30日
昨日と今日とで魔物が恐らく全て人間の女性型へ変化したことによる情報収集と今後の方針をギルドの皆と会議だった
以前までの魔王の代替わりの際にも魔物達の気性だったり種類などが変化することがあったそうだが性質そのものが根本的にここまで変化したことは文献や魔物達本人等の情報を整理してもなかったため意見の方向性が中々まとまらなかった
結果としては魔物使いギルドとしてはこれまで通り依頼として来る各所の仕事の処理と魔物使いとしての素質のある者の選抜
そして比較的容易に対話が出来るようになった魔物……いや魔物娘との共存できるかの調査を行う方向になった
ハイビスカスの月2日
久々に会った同僚達との親交や住民のほとんどが魔物使いのため様変わりした街を楽しんだので今日から旅立ち
今は自分の所には緊急性のある依頼がきていないので前以上にべったりしてくる仲魔とのんびり行こう
ハイビスカスの月5日
リリィシアだけでなく他の仲魔達とも肉体関係を持ち始めて少しずつだが違和感がでてきた
特に増強剤や魔術的な補助をしているわけでもないのに自身の精力が明らかに強まってきている
仲魔の姿が変わるまではリリィシアに5度以上絞られた際は翌日の行動に支障をきたしていたはずなのだが、今は他の仲魔の分を合計しても一晩で2桁は絞られているはずなのだ
盛んな歳は過ぎていると思うが、これも魔物娘への変化による影響があるのだろうか
ハイビスカスの月7日
今回の依頼人の知り合いでもある魔術師に自分の体について調べてもらった
前から魔物使いとして仲魔との契約やリリィシアとの交わりによって魔物が特有で持っている魔力を多少保有していたのだが
何やらその魔力が以前に比べて増大しているらしい
細かいことは分からなかったが本質的には人間だけれども中身の一部が魔物娘と同様な物になっているらしいとのこと
自分としては魔物娘と人間が平等な立ち位置になれるかもという可能性があるので喜ばしいことなのだと思う
ハイビスカスの月9日
今回の依頼である昨日書いた魔術師の工房の近くに住み着き悪さをしているゴブリンの一団を追い払った
小鬼というよりも小娘の様な姿になった彼女達に対して敵対したのは少々心苦しかったが比較的素直に退いてくれたので助かった
空き部屋も多いのでしばらくは工房に滞在しても問題ないと家主の許可をもらったので仲魔達とのんびりしたい
家主自体も自身の使い魔のインプやレッドスライムといい関係になっているようなので仲魔の喘ぎ声が大きくても文句は言われないだろう
ハイビスカスの月16日
すっかり長居してしまっていたがいい加減出立
現在の魔物娘の調査について進展があったらギルドに伝えるよう連絡もしておいたので上からのお咎めもないだろう
次の依頼の期限は長めだったので問題なしなし
ハイビスカスの月21日
牧場の牛を連れ去る魔物の討伐依頼だったのだが、依頼主の牧場主と討伐対象のオーガが良い仲になってしまったので取り下げになってしまった
元々魔王の代替わりより前に来ていた依頼なのだが代替わり後直ぐに今の関係になり、依頼の中止届けを出していなかったらしい
オーガも代替わりの影響を受けており粗暴な性格はそれほど変わっていないがそれに淫らさが上増しされている様子だった
お詫びに牧場主の家に一泊させてもらえることになったので明日は補給も兼ねて近くの街に行くことにしよう
ハイビスカスの月23日
いつものようにエメラルダとブランカには街の外で待機してもらってリリィシアと共に街で買い出しと情報収集に行こうとしたのだが二人に猛反発されてしぶしぶ連れて行くことになった
しかし以前とは違い二人の姿も人に近い物になった影響で街に入っても騒がれるようなことはなかった
それどころか魔物使いではなさそうな人が自分と同じように魔物娘を連れ歩いている姿がしばしば見受けられた
聞くところによると、現在の魔物娘達は必要以上の危害を加えてこないので人がしっかり従えているのならば街に受け入れるという方針になっているそうだ
街のお偉方の状況変化に対する対応力と行動力に驚かされてしまった
アサガオの月3日
別の街にも来てみたがここはもう人と同じように魔物娘が生活を始めていた
元々一部の魔物を労働力として生活基盤に組み込んでいた場所なので対応も早かったのかもしれない
これで大手をふって歩けると仲魔達が全身に抱きついてくるので歩きにくかった
アサガオの月18日
次の依頼の目的に向かう道すがら以前に助けたソルジャービートルと少年が居る村に立ち寄った
村の人々はすっかり魔物娘となった彼女を受け入れており、ホルスタウロスやハーピーなど他の魔物娘も住民になっているようだ
少年とソルジャービートルの仲が良くも初々しい感じは昔の自分とリリィシアの姿に似ているようでなんだか懐かしい気分になった。
アサガオの月19日
リリィシアも自分と同じように懐かしさを感じていたようで昨晩は二人で激しく燃え上がっていたが、そのせいでエメラルダとブランカに非難を受けた
付き合いが一番長いとはいえ以前からリリィシアばかり贔屓しているとのことで明日からは二人それぞれと付き合うことになった
何を所望されるか少々不安である
アサガオの月20日
今日はブランカ日
朝はしっかりとブラッシングしてあげそのお返しに彼女からのマーキングを受ける
昼は外でボールを使った遊び、犬みたいと言ったら烈火の如く怒られた
夜は獣のように我を忘れて求めあい、モフモフとした彼女の尻尾を抱いて眠りについた
アサガオの月21日
今日はエメラルダの月
朝は彼女の鱗磨きをして上げた
魔物娘となってからは姿が縮み彼女一人でもできるようになっていたので任せていたが今日はしっかりと自分の手でしてあげた
昼からは魔物達が変化したことに対する人や社会の変化について話し合い、自分達のような特殊な立場の存在以外でも共存していくにはどうすればいいのかと議論を重ねていた
夕方から夜はじっくりと時間をかけ濃厚な交わりを行った
彼女は激しいプレイよりもお互いに確かめ合うような交わりが好きなようだ
アサガオの月30日
あれからリリィシアも拗ねてしまい彼女との日も設けていたらダラダラと過ごしてしまっていた
そんな中でも感じるのは自分達だけでなく、魔物が魔物娘と変化したことによる時代も変わってきているということ
魔物を恐れていた村人が恋人として接するようになったこと、魔物を異分子としていた街が住民として受け入れていたこと
元々仲間としていた街が更に有効的になっていたこと
これからも、これからが変わってくであろう時代になると思うが自分としては、3人の仲魔と共に魔物娘と人間が共存できる世界の手助けをしていきたいと思う
格好つけたことを書いているが次の依頼の期限がそろそろやばいということに対する現実逃避ではない
今日はまだ目的地への道中の為、野宿
魔物使いギルド影響が無い地域だと街ですら宿が取れない事も多いのでもはや慣れたものだ
寝る時はウルフのブランカが体を寄せて来る事が多いので寒い日でも平気なのである
サクラの月5日
昨晩、サキュバスのリリィシアにチャームをかけられた上でかなり搾り取られたので移動が辛かった
一番付き合いが長い、というか魔物使いになる前から散々搾り取ってきているので加減は分かってくれてはいるがそれでもキツイものはキツイ
体調が悪いと背中に乗せてくれるブランカもこういう日は不機嫌になって絶対に乗せてくれないのでどうしようもない
サクラの月7日
依頼である盗賊退治はあっさり終わってしまった
エメラルダ……熊より少し大きいぐらいの若いドラゴンを見て腰を抜かしたり戦意喪失する者が多かったからだ
話してみると気のいい子なのにね
サクラの月9日
依頼者である村の村長に報告に行ったら手厚くもてなしてもらってしまった
美味しい食事に楽しい酒の席
ブランカは村の子供達と遊んでいてお互い楽しそうにしていた、やっぱり普段は大きいだけで犬とあんまり変わらないと思う
エメラルダは村長や村の知識人達と色々話していた、若いと行っても人間によりは長く生きているので何か教えていたのだろう
リリィシアは若い衆に声を掛けられていたにもかかわらず自分にべったりだった、見た目に反して義理堅いとは思うけれどもこの後また搾り取られそうで怖い
サクラの月11日
少しとは言え村でゆっくりさせてもらったので次の依頼のために移動を始めた
魔物退治らしいけれど、分かってくれる相手なら良いなぁと思う
ギルドの面々や教団関係者にはあまり良い顔はされないが、仲魔になってくれなさそうな子でも手をかけるのは心苦しいのだ
やらねばならぬ時はやるし、あまり綺麗事を言うつもりはないがいつか魔物と人間が手を取り合える世界になればいいのに
仲魔達を労いつつ今日は寝るとしよう
サクラの月14日
問題無く次の村に行けると思っていたのだが、そうはいかなかった
そろそろ野宿の準備でもしようかというぐらいのタイミングで勇者様御一行に遭遇してしまった
魔物使いという職業の都合上よくある話なのだが、自分が魔物に捕らわれていると勘違いされて仲魔達に襲いかかってきたのである
大きな怪我もなく退け、勘違いであることに気がつき謝罪と付いた傷も回復魔法で治癒してもらったのでまだ良かった
相手によっては逃げまどう羽目になったり、勘違いしたまま逃げられて後で酷い目にあう事もあるからだ
……地道に魔物使いギルドの知名度も上げていかないとなぁ
サクラの月16日
景色がきれいなのどかな村
まだまだ先だろうけれども隠居することになったらこんな場所で仲魔とのんびり暮らしたいと思う
今日は到着した時点で行動するには遅い時間だったので明日から件の魔物についての聞き込みと調査を始めるつもりだ
宿屋に入れないエメラルダと村の特産品のお酒を飲んだら早めに休もうと思う
サクラの月17日
魔物を連れている故に村人達からの視線が痛かったり、よろしくない態度を取られる事があったものの対象の魔物について必要な情報は集まった
被害としては夜間に果樹が荒らされている事があり、痕跡などから魔物と判断したそうだがそこまで酷くないようで勇者や軍を呼ぶほどでもないので報酬が安くて済むうちのギルドに依頼が降りたそうな
実際の現場を見て見る限り果樹園の外に近い数本だけが折れそうに傾いており果実が雑に齧られた様な跡が付いていた
太い棒のような物が突き刺さったような足跡、何か重たいものにのしかかられたように傾いている果樹、目的の物のみを食べて住処のありそうな森の方へ足跡が続いていることからなんとなくアタリはつけれる
細かい分類までは見てみるまでは分からないがおそらくソルジャービートルだろう
巡回ルートが一定にしかも森林内になりやすい習性の彼らがここまで出てくる理由と被害のあった果樹の少なさが少々疑問だが他の魔物に出くわさなければ特に問題の無い相手である
道具の準備と仲魔のスキンシップだけを怠らず明日行動に移すつもりだ
サクラの月19日
少々想定外の事が起きた
足跡を辿り森の中を探索するとモソモソと果実を食べている少し小柄のシールドビートルが簡単に見つかった
さぁ戦闘に入ろうかと言う所で被害者の子供である小さな男の子がビートルを庇ったのだ
流石に戦闘に巻き込むわけにもいかず、何か事情があるのだろうと思い、ブレスを吐きかけているエメラルダや牙を剥いているブランカをなんとか抑えた
話を聞くところによるとどうやら以前に森に入ったこの子が見つけたこのビートルに家で育てている果物を与えた所、気に入られてシールドビートルとして守るべき対象と見られてしまったらしい
昼間に村まで来ないようにはなんとかして形が駄目だったりして廃棄予定の果物の一部を与えて食料に困らない用にしたものの、活発になる夜は近くまで来てついでに果実を食べてしまっていたらしい
人と魔物がお互いに守ろうとしている姿は魔物使いとしてはなんとかしてあげたいと思い、村に戻って村長や依頼人でもある男の子の親に相談した所、明日自分を交えて会議を行う事になった
丸く収まれば良いのだが
サクラの月20日
遅くまで時間はかかってしまったが良い方向になったと思う
結果としてはソルジャービートルを討伐せずに村に迎え入れる事になった
自分がソルジャービートルの習性や気性の説明を行った
特にシールドビートルなので保護対象に危機が迫らない限りは温厚な性格であり、草食なので何かない限りは村に直接危害を加えることは無いということ
成熟済みの小柄な個体であり、食料に関しても果樹園の規模から廃棄予定の果物を与えるだけでも十分に賄えそうなこと
シールドビートルは保護対象からあまり離さない方が突発的な行動を起こしにくく安全であること
魔物も力があるだけで動物とさほど変わらず手懐けることは十分できること
わからないことは相手が理解出来るまで説明し、不満に対しては妥協点を見つけていった所なんとか村人全員から男の子とビートルが一緒に暮らせる許可を得ることが出来た
話せば分かってくれる人ばかりで助かった
疲れたので今日はもう寝る
サクラの月22日
男の子とビートルについて話していたり、お酒と果実が美味しいのでもう少しのんびりしていたかったがハーピー使いのギルドの者から次の依頼に行くように指示されたので仕方なしに明日村を立つ事になった
彼にかまっているせいでスキンシップが少なくて仲魔達も不満気味だったのでいい頃合いかもしれない
……あの子には悪いけれどもギルドの勢力を伸ばすきっかけになってもらおうと思う
ハーピー使いには今回の件を伝え、魔物使いの適正がある人、魔物がこの地域にもまだ居るだろうと伝えた
勢力がここまで伸びればあの子が将来白い目で見られる事も少なくなるだろうから
結果として自分の益になってしまうかもしれないが、小さい子を利用することの罪滅ぼしにとあの子がもしかしたらこちらの道に歩いて来た時のためにギルドへの招待状を書いてあげた
自分の影響力こそ大きくはないが、門を叩いた際に快く受け入れてもらえるだろうから
サクラの月30日
目的地が遠い場所なので自分とブランカを魔術で小さくしてからエメラルダの背に乗せてもらい空を飛んでいた
何度も乗っているので風や景色を楽しめる程度には慣れたが、ブランカはそうでないらしくしがみつくのに必死な様子だった
横を飛ぶリリィシアが心地よさそうに風を切って時折こちらにウィンクをしてきたのが可愛いかった
未だ震えているブランカの慰めとエメラルダへの労いの為に今日はここまでにしよう
アジサイの月3日
風邪を引いてしまって2日ほど身動きが取れなかった
長距離移動で一気に気候や魔力の質が少し違う所に来た影響だろうか
幸いにも薬は持っていたので大事には至らなかったが、仲魔に心配をかけてしまった
心地の良いブランカのもふもふとした体に包まれているといつまでも眠れてしまうので、あと一日休んだら出立しよう
アジサイの月5日
今日を含めて2日ほど、あまり関わりたくないが最短ルートで遅れを取り戻すためにも魔王城のある魔界付近を通過することになった
単純に危険度も高く、近づきすぎると純度の高い魔力にまた体調を崩してしまうかもしれないが、遅れの分どころか当初の予定より早く着くことができるかもしれないからだ
自身だけでなく仲魔もしっかり警戒してくれているのできっと大丈夫
アジサイの月6日
魔物や凶暴な野生動物以外は遭遇しないと思っていたけれども、居てもおかしくはないけれども不思議な存在と遭遇した
勇者御一行ではあるのだが、なんとも珍しい組み合わせだった
勇者の方はかなりの実力と強い加護を受けているのか雰囲気からも相当な感じがするが、仲間の方は魔法使いや戦士ではなく自分達魔物使いのようにサキュバス種を引き連れていたからだ
見た目からサキュバス種というくくりでしか分からなかったが、リリィシアが珍しくかしこまっていた程なのでかなりの上位種族だと思う
向こうもこちらの存在には驚いていたが、仲魔達が自分を守ろうとしている姿を見て好意的に接してきたため、自分もまた驚いた
魔物使いというわけでもないのに、魔物と人が共存できると信じている人に出会えたからだ
更に二人は恋仲のような関係のようで終始イチャイチャとしていた、リリィシアが物欲しそうにしていたのは気にしない
これから死地へ向かうであろう夫婦のように中の良い二人の幸運を祈らせてもらおう
アジサイの月10日
目的地の村に付き、依頼内容の確認
村の薬剤師が作っている薬の材料の一部が底を尽きかけているらしい
行商人には注文してあるがまだまだ時間がかかりそうであり、急を要しており魔物が出る地域で採取する必要があるために護衛して欲しいそうだ
明日自分達と依頼主の準備ができ次第開始しようと言う話がまとまった
仲魔達も調子がいいようでいつでも出れそうな様子だった
明日は依頼前にはできるだけやっているブランカのブラッシング、エメラルダの鱗磨き、リリィシアの角や翼の手入れの手伝いを済ませたらそれだけでよさそうだ
アジサイの月11日
依頼は特に問題もなく無事完了し、報酬をもらって一息
あっけないとエメラルダは退屈そうだが、なにもない方がそれで良いのだ
前に指示を持ってきたハーピー使いからしばらく依頼は無いと聞いているのでしばしここの村で羽を伸ばそうと思う
しっかり働いてくれている仲魔達へのケアと交流を深めるのだ
アジサイの月15日
のんびりしているだけなので特に書いてなかった日記をそろそろ書こうかと思ったが仲魔達の様子がおかしい
詳細は明日書こう
アジサイの月18日
一言で言うならば世界が変わった
仲魔達が……というより恐らく全ての魔物達が人間の女性の様な姿になった
姿だけでなく、サキュバス種の如く人間の精を糧にするようになった
ブランカは柔らかい銀毛を纏った手足はそのままに綺麗に割れた腹筋と大きすぎない胸の凛々しい成人女性姿に
エメラルダは強靭で美しいエメラルドグリーンの鱗を纏った手足と翼、空を突き刺すような角を生やした可愛らしい小さな女の子に
リリィシアは……本人は変わったと言っているが、自分としてはどう変化したのかはわからない
仲魔達が前以上に甘えて来るのは可愛いし、嬉しいけれども、全員がリリィシアのように身体を求めてくるのは少しつらい
どうして突然姿や性質が変わったのかというと、全ての魔物と繋がりがある魔王が代替わりしたようだ
リリィシア曰く恐らく以前に会った勇者と一緒に居たサキュバス種の魔物が魔王になったのではと言う話らしい
魔物の在り方が変化したこれからはどうなってしまうのか不安だが、どうあろうと自分は仲魔達を守れるような立ち回りをしようと思う
アジサイの月22日
いまお世話になっている村に魔物……というより今は魔物娘と言った方が適切か……の群れが攻めてきた
攻めてきたと言っても以前の様な収奪や捕食のため、というよりもつがいを求めて来たと言った感じである
最初の「被害者」が出るまでは自分や村人達は必死で抵抗していたものの、襲われた人達がそういう状況になっているのを見てなんだか脱力してしまった
結果淫気にあてられた仲魔達に自分も襲われて気がつけば村中乱交会場になってしまっていた
アジサイの月29日
所属しているギルドの魔物使い全員にギルド長から緊急帰還命令が下されたようで、いきなり魔物使いギルドまで仲魔と共に強制転移させられた
いつもならば何かが起きたならばもっと早くに飛ばされていたのだが、珍しく遅かったと思う
そして目の前に居たのはいつもの双老と呼ばれているギルドマスターと彼の仲魔のバフォメットのペア
のはずだが、どうみても幼子が二人居るのである
片方は山羊のような角が生えていたり手足が毛皮に覆われていた辺りからバフォメットだろうし、もう片方も口調がギルドマスターのものだったので間違ってはなかったはずだ
もはや双幼じゃないかと自分と同じく転移されていた同僚のツッコミには思わず笑ってしまった
アジサイの月30日
昨日と今日とで魔物が恐らく全て人間の女性型へ変化したことによる情報収集と今後の方針をギルドの皆と会議だった
以前までの魔王の代替わりの際にも魔物達の気性だったり種類などが変化することがあったそうだが性質そのものが根本的にここまで変化したことは文献や魔物達本人等の情報を整理してもなかったため意見の方向性が中々まとまらなかった
結果としては魔物使いギルドとしてはこれまで通り依頼として来る各所の仕事の処理と魔物使いとしての素質のある者の選抜
そして比較的容易に対話が出来るようになった魔物……いや魔物娘との共存できるかの調査を行う方向になった
ハイビスカスの月2日
久々に会った同僚達との親交や住民のほとんどが魔物使いのため様変わりした街を楽しんだので今日から旅立ち
今は自分の所には緊急性のある依頼がきていないので前以上にべったりしてくる仲魔とのんびり行こう
ハイビスカスの月5日
リリィシアだけでなく他の仲魔達とも肉体関係を持ち始めて少しずつだが違和感がでてきた
特に増強剤や魔術的な補助をしているわけでもないのに自身の精力が明らかに強まってきている
仲魔の姿が変わるまではリリィシアに5度以上絞られた際は翌日の行動に支障をきたしていたはずなのだが、今は他の仲魔の分を合計しても一晩で2桁は絞られているはずなのだ
盛んな歳は過ぎていると思うが、これも魔物娘への変化による影響があるのだろうか
ハイビスカスの月7日
今回の依頼人の知り合いでもある魔術師に自分の体について調べてもらった
前から魔物使いとして仲魔との契約やリリィシアとの交わりによって魔物が特有で持っている魔力を多少保有していたのだが
何やらその魔力が以前に比べて増大しているらしい
細かいことは分からなかったが本質的には人間だけれども中身の一部が魔物娘と同様な物になっているらしいとのこと
自分としては魔物娘と人間が平等な立ち位置になれるかもという可能性があるので喜ばしいことなのだと思う
ハイビスカスの月9日
今回の依頼である昨日書いた魔術師の工房の近くに住み着き悪さをしているゴブリンの一団を追い払った
小鬼というよりも小娘の様な姿になった彼女達に対して敵対したのは少々心苦しかったが比較的素直に退いてくれたので助かった
空き部屋も多いのでしばらくは工房に滞在しても問題ないと家主の許可をもらったので仲魔達とのんびりしたい
家主自体も自身の使い魔のインプやレッドスライムといい関係になっているようなので仲魔の喘ぎ声が大きくても文句は言われないだろう
ハイビスカスの月16日
すっかり長居してしまっていたがいい加減出立
現在の魔物娘の調査について進展があったらギルドに伝えるよう連絡もしておいたので上からのお咎めもないだろう
次の依頼の期限は長めだったので問題なしなし
ハイビスカスの月21日
牧場の牛を連れ去る魔物の討伐依頼だったのだが、依頼主の牧場主と討伐対象のオーガが良い仲になってしまったので取り下げになってしまった
元々魔王の代替わりより前に来ていた依頼なのだが代替わり後直ぐに今の関係になり、依頼の中止届けを出していなかったらしい
オーガも代替わりの影響を受けており粗暴な性格はそれほど変わっていないがそれに淫らさが上増しされている様子だった
お詫びに牧場主の家に一泊させてもらえることになったので明日は補給も兼ねて近くの街に行くことにしよう
ハイビスカスの月23日
いつものようにエメラルダとブランカには街の外で待機してもらってリリィシアと共に街で買い出しと情報収集に行こうとしたのだが二人に猛反発されてしぶしぶ連れて行くことになった
しかし以前とは違い二人の姿も人に近い物になった影響で街に入っても騒がれるようなことはなかった
それどころか魔物使いではなさそうな人が自分と同じように魔物娘を連れ歩いている姿がしばしば見受けられた
聞くところによると、現在の魔物娘達は必要以上の危害を加えてこないので人がしっかり従えているのならば街に受け入れるという方針になっているそうだ
街のお偉方の状況変化に対する対応力と行動力に驚かされてしまった
アサガオの月3日
別の街にも来てみたがここはもう人と同じように魔物娘が生活を始めていた
元々一部の魔物を労働力として生活基盤に組み込んでいた場所なので対応も早かったのかもしれない
これで大手をふって歩けると仲魔達が全身に抱きついてくるので歩きにくかった
アサガオの月18日
次の依頼の目的に向かう道すがら以前に助けたソルジャービートルと少年が居る村に立ち寄った
村の人々はすっかり魔物娘となった彼女を受け入れており、ホルスタウロスやハーピーなど他の魔物娘も住民になっているようだ
少年とソルジャービートルの仲が良くも初々しい感じは昔の自分とリリィシアの姿に似ているようでなんだか懐かしい気分になった。
アサガオの月19日
リリィシアも自分と同じように懐かしさを感じていたようで昨晩は二人で激しく燃え上がっていたが、そのせいでエメラルダとブランカに非難を受けた
付き合いが一番長いとはいえ以前からリリィシアばかり贔屓しているとのことで明日からは二人それぞれと付き合うことになった
何を所望されるか少々不安である
アサガオの月20日
今日はブランカ日
朝はしっかりとブラッシングしてあげそのお返しに彼女からのマーキングを受ける
昼は外でボールを使った遊び、犬みたいと言ったら烈火の如く怒られた
夜は獣のように我を忘れて求めあい、モフモフとした彼女の尻尾を抱いて眠りについた
アサガオの月21日
今日はエメラルダの月
朝は彼女の鱗磨きをして上げた
魔物娘となってからは姿が縮み彼女一人でもできるようになっていたので任せていたが今日はしっかりと自分の手でしてあげた
昼からは魔物達が変化したことに対する人や社会の変化について話し合い、自分達のような特殊な立場の存在以外でも共存していくにはどうすればいいのかと議論を重ねていた
夕方から夜はじっくりと時間をかけ濃厚な交わりを行った
彼女は激しいプレイよりもお互いに確かめ合うような交わりが好きなようだ
アサガオの月30日
あれからリリィシアも拗ねてしまい彼女との日も設けていたらダラダラと過ごしてしまっていた
そんな中でも感じるのは自分達だけでなく、魔物が魔物娘と変化したことによる時代も変わってきているということ
魔物を恐れていた村人が恋人として接するようになったこと、魔物を異分子としていた街が住民として受け入れていたこと
元々仲間としていた街が更に有効的になっていたこと
これからも、これからが変わってくであろう時代になると思うが自分としては、3人の仲魔と共に魔物娘と人間が共存できる世界の手助けをしていきたいと思う
格好つけたことを書いているが次の依頼の期限がそろそろやばいということに対する現実逃避ではない
18/06/03 16:54更新 / 錆鐚鎌足