カウンターチャーム
冒険者が移動している最中というものは常に不安に抱えているものである
地形や天候などの自然に関するものだけでなく、野生動物や山賊等に襲われる可能性もあるからだ
更にはそれらよりも脅威になりえるのが魔物娘と自分は考える
直接襲いかかってくる者は脅威度は高くても撃退すれば良いだけと分かりやすいので、ある意味マシかもしれないが、時には甘い顔をして近づいて来た彼女達の手によってそのまま冒険者としての終わりを迎えることになることもあるからだ
冒険者として不安の要素はできるだけ軽くしておくべきだと自分は考える
次の街へ向かう移動時間やルートの確認、野宿に必要な道具と少し余分な路銀だけでは物足りない
万一魔物娘に遭遇した際の対策は取っておきたいものである
しかし、彼女達の魅力的な肢体や美形の顔をどうにかできればいいのだが魔王が代替わりを起こさない限りそれもありえない
できることと言えば彼女たちの言葉や行動に騙されないことと彼女達が扱う魔術に抵抗する手段を得ることである
前者に対しては彼女達に深入りしないことを心掛けている
後者に関しては魔術の才能と知識がなかったので心配だったのだが、前の街を発つ直前に刑部狸の商人からなんと魔術を反射するマジックアイテムを買うことができたのである
割と完璧に近い状態の下準備ができている自分なのだが、まだ不安要素はある
人間の三大欲求の１つ、性欲だ
次の街まで中頃だろうか、そんなことを考えながら森の中を進む
ガサガサと自分が出す以外の草木をかき分ける音が聞こえたので警戒態勢をとる
風はそれほど強くないので野生動物だろうか、もしくは山賊か同業者、魔物娘のいずれかである
武器に手をかけたままじっとしていると音の主が姿を現した
自分と同じようなバックパックを背負った女性なのだが、下着かと思うような扇情的な姿、頭や腰から生えている翼や角、整った美しいとしか言えない顔から察するにサキュバス属の誰かだろうか
まさか、魔物の同業者とは思わなかったが、敵対することはないだろうと考え得物から手を放す
落ち着いた雰囲気と扇情的な恰好が好みのタイプではあるが、悟られるとどうなるか分かったものでないのでできるだけ目線は合わせない
「こんにちは、ここら辺りは街道が無くてお互い大変ねぇ」
下着と言っても通用する恰好であっても暑いのか額や胸元に軽く汗が浮かんでいる
……決して胸の谷間を見ているわけではない、汗が浮かんでいるなぁと眺めていただけである、道中は気が抜けないので一発も抜けなくて溜まっているわけではないのだ
「ハーピー運送で運んでもらうにしてもこのあたりだと値段が高いもんな、領主がケチなところだとこういう面でも厄介だな」
俺の言葉にお互い溜息を吐きながら先を目指す、どうやら目指している場所は同じらしい
背の低い草を踏み、木の根に注意しながら並んで進む
言葉は交わしつつも極力彼女の事は気にしないようにしている
気に入られるとどうなるか分からないからである
同じような歩幅で同じような速度、合わせてくれているのか、偶々なのかは分からないが、どことなく心地良い
「ところで貴方、恋人とかいるのかしら？」
話題がそろそろ尽きようかといった時に彼女は唐突に切り出してきた
こういうことを言われるということは少なくとも彼女は伴侶がいない、その上自分を狙っている可能性が高い
彼女達魔物娘にはこの手の場面で嘘は通用しないが返し方によっては致命傷を負うので注意しなければならない
「居ないが作るつもりもないな、旅の荷物は軽いほうが良い」
溜息を吐いて言葉で突っぱねる、意固地にならない魔物ならばこれで脈が無いと諦めてくれることも少なくはない
俺の言葉に彼女はふふん、と鼻を鳴らす
なぜそうしたのかは理解しかねるが、彼女が俺の事を諦めなかったということは確かだろう
「あらあら、そんな邪険にしなくていいじゃない、それに旅なら荷物を二人で持った方が楽なのよ」
歩みはそのままにずずいと距離を詰めてきた彼女をさっと避ける
側に来たせいなのかわずかに香る女の匂いに思わずクラっと来てしまいそうになるのをこらえる
無かったことにしている性欲の目が覚めそうになるのを抑えつつジトっとした視線を彼女に投げ掛けてやる
「怖い顔をしないでよ、もう」
少しいじけた顔をする彼女のギャップに可愛さを感じるが、顔には出さないように努力をする
どうにかならないものかと考えていると広場のような、テントでも張れるぐらい開けた場所に出た
今日はここらで歩みを止めて早めの休息を取るのも良いか、そう考えたところで彼女も近くに荷物を降ろした
「いいじゃないこの場所、今日は歩きっぱなしだったからクタクタよ、貴方も一緒に休憩しない？」
うーん、手を上して伸びをする彼女の後姿が妙に色っぽく感じたのは気にしないでおこう
それぞれのテントを張り、適当な場所に腰掛ける
まだまだ動けると思っていても、いざ休憩となると体の節々がもう駄目だと悲鳴を上げ始める
明日に響かないようにいつものようにマッサージをしていると、向かいに座ってニコニコしていた彼女が立ち上がった
「自分でやるとやりづらいでしょ、私が手伝ってあげるわ」
いつもやっていることなのでそれほど苦にはならないのだが、自分でやるよりも他人にやってもらった方が効率良く解せるだろう
そう思い、彼女の言葉に頷いたとたんに彼女はビュンと音でもしそうなほどに素早く傍まで近寄って来た
「うんうん、それじゃあ始めるわね」
嬉しそうにしている彼女の顔を見て魔物娘に体を触らせるのはまずかったかと思ったのだが、そんな心配とは裏腹に彼女は普通にマッサージをしてくれた
肩の凝っている所に親指を押し込んだり、太ももに痛くならない程度に刺激を与えてきたりと中々心地良いものである
１５分ほどだろうか、彼女の手の温もりやちらちらと視界に映る魅力的な部分に少しドキドキしていると彼女が俺から少し離れた
「こんなところかしら、それじゃあもう少し気持ちよくなれるように仕上げをするわね」
これ以上に極楽な物もあるのかと感心していると彼女の表情に違和感を覚えた
本能がマズイと語りかけてくるタイプの物である
今までは嬉しいことがあった時のような笑みだったのだが、どちらかというと獲物を見つけた時の獣のような、まさしく伴侶に襲いかかる直前の魔物娘の表情である
とっさに逃げようとするも仰向けになっている体勢では間に合わない
「たっぷり気持ちよくしてあげる、『チャーム』」
自分の動作よりも早く彼女の口が開かれた
何ともない
代わりに彼女が熱の籠ったような虚ろな目でこちらを見つめている
彼女の放った魔術は少し前に自分が買った魔術反射の指輪の効果によって反射された
結果、魅了するはずの淫魔は獲物である人間に魅了されてしまったのだ
「はぁ……♥……ふぅ……♥」
色っぽい息を吐き、何かを期待するような視線をこちらに向けている
というか俺の股間をガン見している
彼女がチャームの効果にかかっている間にすたこらさっさとと逃げればいいのだが、俺自身も彼女の様子の虜になってしまっていた
溜まっている時に好みの魅力的な女性が色っぽい姿で発情しているのだ、仕方ないだろう
こちらを見下ろす彼女はゆっくりと右手を自らの股間に伸ばし、下着同然の衣服の上からそこを弄り始めた
熱に浮かされた表情になりながらも厭らしい手つきで自らの秘所をこねくり回し、乳を揉む淫魔の姿に更に魅入られてしまう
布の擦れる音が次第に湿った音へと変化していく
布地の少ない衣服は湿り気を帯びるどころかあっという間にぐっちょりと濡れてしまった
いい加減こっちも辛抱たまらないのでそそくさと準備万端になっているモノを取り出すと、彼女の息遣いが激しくなり、指を動かす速度も上がる
彼女の淫らな姿にテンションが上がっていたのだがここでふと気が付く
チャームの効果は対象を魅了し自分の意のままにできるということである
つまり今の彼女は自分の言うことを何でも聞いてくれるのだ
……溜まりに溜まった性欲を彼女が発散してくれるかもしれない
「……一発ヌいてくれないか」
俺の言葉に彼女は荒い息を吐きつつ頷いた
ゆっくりと腰をおろし、股の間にうつ伏せになると隠しきれていない隠す気のない胸の谷間で俺のモノを飲み込んだ
ほんのりと温かい彼女の乳房はぴったりとフィットするように俺のモノを押しつぶし、優しい刺激を与えてくる
彼女は両サイドから自分の胸を掴むと交互に上下させる
うっすらと浮かんでいた汗が潤滑油の代わりになり、ぬるぬるとした感触が更に刺激を強くする
「んっ……きもちいい？……♥」
とろんとした目と漏れ出す声に愛しさを感じつつも、そんな状態なのに魔物娘の本能に染みついている性技に翻弄されてしまう
漏れ出してきたカウパーも潤滑油として加わり肌の擦れる音から粘度の高いぬっちゃぬっちゃとした音へと変わっていく
「はぁ……ふぅ……んっ……♥」
愛撫している彼女自身も徐々に感じているのか漏れてくる嬌声も徐々に大きくなっている
彼女は次第に上下する速度を上げていく
リズミカルに与えられる快楽に徐々に限界への天井が近づきつつあるが、抗えなどはしない
「イって……いいのよ……♥」
こちらに気遣うように優しげに出された言葉にふっと我慢していた力が抜け、彼女乳間にしばらくため込んでいた精液を吐きだした
胸の谷間から漏れ出す精液と匂いを確認した彼女はゆっくりと胸を動かして尿道に残った分をも搾り取った
「いっぱい……でたわね……」
溜まっていた分を吐きだした反動で思考がまとまらない
愛しい物を見るような視線をこちらに向けて嬉しそうに声色で言う彼女に湧き上がる愛しさと止まらぬ劣情を抱き頭の中が彼女の事でいっぱいになる
「ありがとう……それじゃあ次は……お前を抱きたい」
次に突きつけた俺の要求に彼女は同じくゆっくりと頷き、立ち上がるとするするとパンツのような服を脱ぎ去った
無毛の彼女のそこからは早く欲しいとよだれがビショビショと溢れ出し、ピクピクと震えている
「それじゃあ……挿れるわね……」
うわごとのようにゆっくりとつぶやくと大量に吐き出しても萎えていなかった俺のモノの上にゆっくりと腰を降ろしてきた
にゅるりと彼女の膣は俺の強直を受け入れ、ぬるぬると奥まで導いてくる
彼女の膣内はまるで最初から一緒に作られたかのように俺の物にぴっちりと吸い付き、亀頭の先端が彼女の最奥にくっ付き、根本まで飲み込んだ
「はふぅっ……♥……いいわぁ」
最奥まで挿入された彼女は大きく息を吐くと前のめりに倒れ、首に手を回してきた
俺は彼女の背中を抱き、目の前にある彼女のおいしそうな唇に軽くキスをし、下から突き上げる
「ぁんっ……ちゅ……もっとちょうだぃ……」
彼女の方からも軽いキスが帰ってきたので、片手を背中から彼女の後頭部に移し、がっちりと掴んで彼女の口に貪りつく
舌を侵入させると彼女の舌はまるでつがいを見つけたかのように絡みついてくる
「じゅる……んちゅ……んふぅ……」
鼻息荒く下から突き上げる動きに合わせて自らも腰を持ちあげて落とす
上の方はじゅるじゅると、下の方はぐっちゅぐっちゅと下品な音を立てているのも気にせずにお互いを求め合う
彼女の上下して俺のモノを磨き上げる膣内は極上としか思えないほどに気持ち良く、俺の口内にも侵入してきている舌は今まで食べたどのお菓子よりも甘美である
「んちゅっ……んっ……じゅる……♥」
彼女の膣内がビクビクしてくるのに合わせてこちらも限界が見えてくる
言葉はなくとも一緒にイキたいという彼女の意思が伝わってくるが、それはこちらも同じである
お互いの体の相性もいいのかいつまでも味わっていたい快楽を貪っているとあっという間に限界を迎えてしまった
こちらが彼女の最奥に子種を吐き出すと同時にぴったりだと感じていた膣内がきゅぅぅっと締まってきた
それに合わせて彼女の体がビクンビクンと震える
彼女の背中と後頭部をギュウっと抱きしめ最奥に子種を蒔きつづける
２度目とは思えないほどの量を吐き出し、尿道に残る分も彼女の膣内が吸い出してくれたのを確認すると彼女の口から顔を放した
チャームのかかった彼女と行動に愛しさの止まない俺にちょっとした欲求が湧いたのだ
もう一度反射させて彼女にチャームをかけるとどうなってしまうのだろうか、そう考えたのだ
「ふぅ……ふぅ……すごく良かったぞ……それじゃあ次はもう一度チャームをかけてくれ」
名残惜しそうにしていた彼女は三度目の要求も了承したのか少しだけ起き上がるとしっかりと俺の顔を見据えた
魅了されている状態でも放てるのだろうかという疑問が一瞬浮かんだが、それも杞憂のようだ
「それじゃあいくわよ……『チャーム』」
更に魅了状態になった彼女はどういう風になるのか、そんな考えと気怠さに包まれた幸せな思考の状態のまま彼女の魔術は再び放たれた
一度目の反射で許容魔力量を超えてしまい、壊れてしまったマジックアイテムの指輪の事も気が付かずに
騒がしい酒場で隣に座るサキュバスが上機嫌に話終えると、店主のエキドナはニヤニヤと笑みを浮かべた
「その後はどうなったの」
店主の言葉に俺は肩を竦め、サキュバスは嬉しそうに口を開く
「お互いがお互いに魅了状態になって自然と魔術がとけるまでずっと交わっていたわ」
自分の失敗談など聞きたくはない物である
ジョッキに注がれた酒を一気に飲んで気を紛らわせる
「いいわねぇ、お互いの事しか考えられない状態でずっとエッチできるなんて、私も旦那とやってみようかしら」
店主が体をくねらせるも、俺の妻は残念そうに首を振った
「でも気持ちよかった、彼とエッチした、って記憶しか残ってないからちょっと勿体なかったわ、私の方が先に解除されたからマシだったけれど、もっと彼の魅了された姿を楽しみたかったのに」
ぶすっとした表情になる彼女のグラスに追加のお酒が注がれ、自分のジョッキにも追加される
「うふふ、これは面白い話を聞かせてもらったお礼よ、ついでに今日の分は奢ってあげる」
……失敗談を話しただけで一日分の酒代が浮いたのならば悪くないかもしれないと思おう
それに失敗談ではあるのだが、冒険者としての相棒兼妻との出会いの話なので隣に座る彼女が話し始めたら止めにくいのである
地形や天候などの自然に関するものだけでなく、野生動物や山賊等に襲われる可能性もあるからだ
更にはそれらよりも脅威になりえるのが魔物娘と自分は考える
直接襲いかかってくる者は脅威度は高くても撃退すれば良いだけと分かりやすいので、ある意味マシかもしれないが、時には甘い顔をして近づいて来た彼女達の手によってそのまま冒険者としての終わりを迎えることになることもあるからだ
冒険者として不安の要素はできるだけ軽くしておくべきだと自分は考える
次の街へ向かう移動時間やルートの確認、野宿に必要な道具と少し余分な路銀だけでは物足りない
万一魔物娘に遭遇した際の対策は取っておきたいものである
しかし、彼女達の魅力的な肢体や美形の顔をどうにかできればいいのだが魔王が代替わりを起こさない限りそれもありえない
できることと言えば彼女たちの言葉や行動に騙されないことと彼女達が扱う魔術に抵抗する手段を得ることである
前者に対しては彼女達に深入りしないことを心掛けている
後者に関しては魔術の才能と知識がなかったので心配だったのだが、前の街を発つ直前に刑部狸の商人からなんと魔術を反射するマジックアイテムを買うことができたのである
割と完璧に近い状態の下準備ができている自分なのだが、まだ不安要素はある
人間の三大欲求の１つ、性欲だ
次の街まで中頃だろうか、そんなことを考えながら森の中を進む
ガサガサと自分が出す以外の草木をかき分ける音が聞こえたので警戒態勢をとる
風はそれほど強くないので野生動物だろうか、もしくは山賊か同業者、魔物娘のいずれかである
武器に手をかけたままじっとしていると音の主が姿を現した
自分と同じようなバックパックを背負った女性なのだが、下着かと思うような扇情的な姿、頭や腰から生えている翼や角、整った美しいとしか言えない顔から察するにサキュバス属の誰かだろうか
まさか、魔物の同業者とは思わなかったが、敵対することはないだろうと考え得物から手を放す
落ち着いた雰囲気と扇情的な恰好が好みのタイプではあるが、悟られるとどうなるか分かったものでないのでできるだけ目線は合わせない
「こんにちは、ここら辺りは街道が無くてお互い大変ねぇ」
下着と言っても通用する恰好であっても暑いのか額や胸元に軽く汗が浮かんでいる
……決して胸の谷間を見ているわけではない、汗が浮かんでいるなぁと眺めていただけである、道中は気が抜けないので一発も抜けなくて溜まっているわけではないのだ
「ハーピー運送で運んでもらうにしてもこのあたりだと値段が高いもんな、領主がケチなところだとこういう面でも厄介だな」
俺の言葉にお互い溜息を吐きながら先を目指す、どうやら目指している場所は同じらしい
背の低い草を踏み、木の根に注意しながら並んで進む
言葉は交わしつつも極力彼女の事は気にしないようにしている
気に入られるとどうなるか分からないからである
同じような歩幅で同じような速度、合わせてくれているのか、偶々なのかは分からないが、どことなく心地良い
「ところで貴方、恋人とかいるのかしら？」
話題がそろそろ尽きようかといった時に彼女は唐突に切り出してきた
こういうことを言われるということは少なくとも彼女は伴侶がいない、その上自分を狙っている可能性が高い
彼女達魔物娘にはこの手の場面で嘘は通用しないが返し方によっては致命傷を負うので注意しなければならない
「居ないが作るつもりもないな、旅の荷物は軽いほうが良い」
溜息を吐いて言葉で突っぱねる、意固地にならない魔物ならばこれで脈が無いと諦めてくれることも少なくはない
俺の言葉に彼女はふふん、と鼻を鳴らす
なぜそうしたのかは理解しかねるが、彼女が俺の事を諦めなかったということは確かだろう
「あらあら、そんな邪険にしなくていいじゃない、それに旅なら荷物を二人で持った方が楽なのよ」
歩みはそのままにずずいと距離を詰めてきた彼女をさっと避ける
側に来たせいなのかわずかに香る女の匂いに思わずクラっと来てしまいそうになるのをこらえる
無かったことにしている性欲の目が覚めそうになるのを抑えつつジトっとした視線を彼女に投げ掛けてやる
「怖い顔をしないでよ、もう」
少しいじけた顔をする彼女のギャップに可愛さを感じるが、顔には出さないように努力をする
どうにかならないものかと考えていると広場のような、テントでも張れるぐらい開けた場所に出た
今日はここらで歩みを止めて早めの休息を取るのも良いか、そう考えたところで彼女も近くに荷物を降ろした
「いいじゃないこの場所、今日は歩きっぱなしだったからクタクタよ、貴方も一緒に休憩しない？」
うーん、手を上して伸びをする彼女の後姿が妙に色っぽく感じたのは気にしないでおこう
それぞれのテントを張り、適当な場所に腰掛ける
まだまだ動けると思っていても、いざ休憩となると体の節々がもう駄目だと悲鳴を上げ始める
明日に響かないようにいつものようにマッサージをしていると、向かいに座ってニコニコしていた彼女が立ち上がった
「自分でやるとやりづらいでしょ、私が手伝ってあげるわ」
いつもやっていることなのでそれほど苦にはならないのだが、自分でやるよりも他人にやってもらった方が効率良く解せるだろう
そう思い、彼女の言葉に頷いたとたんに彼女はビュンと音でもしそうなほどに素早く傍まで近寄って来た
「うんうん、それじゃあ始めるわね」
嬉しそうにしている彼女の顔を見て魔物娘に体を触らせるのはまずかったかと思ったのだが、そんな心配とは裏腹に彼女は普通にマッサージをしてくれた
肩の凝っている所に親指を押し込んだり、太ももに痛くならない程度に刺激を与えてきたりと中々心地良いものである
１５分ほどだろうか、彼女の手の温もりやちらちらと視界に映る魅力的な部分に少しドキドキしていると彼女が俺から少し離れた
「こんなところかしら、それじゃあもう少し気持ちよくなれるように仕上げをするわね」
これ以上に極楽な物もあるのかと感心していると彼女の表情に違和感を覚えた
本能がマズイと語りかけてくるタイプの物である
今までは嬉しいことがあった時のような笑みだったのだが、どちらかというと獲物を見つけた時の獣のような、まさしく伴侶に襲いかかる直前の魔物娘の表情である
とっさに逃げようとするも仰向けになっている体勢では間に合わない
「たっぷり気持ちよくしてあげる、『チャーム』」
自分の動作よりも早く彼女の口が開かれた
何ともない
代わりに彼女が熱の籠ったような虚ろな目でこちらを見つめている
彼女の放った魔術は少し前に自分が買った魔術反射の指輪の効果によって反射された
結果、魅了するはずの淫魔は獲物である人間に魅了されてしまったのだ
「はぁ……♥……ふぅ……♥」
色っぽい息を吐き、何かを期待するような視線をこちらに向けている
というか俺の股間をガン見している
彼女がチャームの効果にかかっている間にすたこらさっさとと逃げればいいのだが、俺自身も彼女の様子の虜になってしまっていた
溜まっている時に好みの魅力的な女性が色っぽい姿で発情しているのだ、仕方ないだろう
こちらを見下ろす彼女はゆっくりと右手を自らの股間に伸ばし、下着同然の衣服の上からそこを弄り始めた
熱に浮かされた表情になりながらも厭らしい手つきで自らの秘所をこねくり回し、乳を揉む淫魔の姿に更に魅入られてしまう
布の擦れる音が次第に湿った音へと変化していく
布地の少ない衣服は湿り気を帯びるどころかあっという間にぐっちょりと濡れてしまった
いい加減こっちも辛抱たまらないのでそそくさと準備万端になっているモノを取り出すと、彼女の息遣いが激しくなり、指を動かす速度も上がる
彼女の淫らな姿にテンションが上がっていたのだがここでふと気が付く
チャームの効果は対象を魅了し自分の意のままにできるということである
つまり今の彼女は自分の言うことを何でも聞いてくれるのだ
……溜まりに溜まった性欲を彼女が発散してくれるかもしれない
「……一発ヌいてくれないか」
俺の言葉に彼女は荒い息を吐きつつ頷いた
ゆっくりと腰をおろし、股の間にうつ伏せになると隠しきれていない隠す気のない胸の谷間で俺のモノを飲み込んだ
ほんのりと温かい彼女の乳房はぴったりとフィットするように俺のモノを押しつぶし、優しい刺激を与えてくる
彼女は両サイドから自分の胸を掴むと交互に上下させる
うっすらと浮かんでいた汗が潤滑油の代わりになり、ぬるぬるとした感触が更に刺激を強くする
「んっ……きもちいい？……♥」
とろんとした目と漏れ出す声に愛しさを感じつつも、そんな状態なのに魔物娘の本能に染みついている性技に翻弄されてしまう
漏れ出してきたカウパーも潤滑油として加わり肌の擦れる音から粘度の高いぬっちゃぬっちゃとした音へと変わっていく
「はぁ……ふぅ……んっ……♥」
愛撫している彼女自身も徐々に感じているのか漏れてくる嬌声も徐々に大きくなっている
彼女は次第に上下する速度を上げていく
リズミカルに与えられる快楽に徐々に限界への天井が近づきつつあるが、抗えなどはしない
「イって……いいのよ……♥」
こちらに気遣うように優しげに出された言葉にふっと我慢していた力が抜け、彼女乳間にしばらくため込んでいた精液を吐きだした
胸の谷間から漏れ出す精液と匂いを確認した彼女はゆっくりと胸を動かして尿道に残った分をも搾り取った
「いっぱい……でたわね……」
溜まっていた分を吐きだした反動で思考がまとまらない
愛しい物を見るような視線をこちらに向けて嬉しそうに声色で言う彼女に湧き上がる愛しさと止まらぬ劣情を抱き頭の中が彼女の事でいっぱいになる
「ありがとう……それじゃあ次は……お前を抱きたい」
次に突きつけた俺の要求に彼女は同じくゆっくりと頷き、立ち上がるとするするとパンツのような服を脱ぎ去った
無毛の彼女のそこからは早く欲しいとよだれがビショビショと溢れ出し、ピクピクと震えている
「それじゃあ……挿れるわね……」
うわごとのようにゆっくりとつぶやくと大量に吐き出しても萎えていなかった俺のモノの上にゆっくりと腰を降ろしてきた
にゅるりと彼女の膣は俺の強直を受け入れ、ぬるぬると奥まで導いてくる
彼女の膣内はまるで最初から一緒に作られたかのように俺の物にぴっちりと吸い付き、亀頭の先端が彼女の最奥にくっ付き、根本まで飲み込んだ
「はふぅっ……♥……いいわぁ」
最奥まで挿入された彼女は大きく息を吐くと前のめりに倒れ、首に手を回してきた
俺は彼女の背中を抱き、目の前にある彼女のおいしそうな唇に軽くキスをし、下から突き上げる
「ぁんっ……ちゅ……もっとちょうだぃ……」
彼女の方からも軽いキスが帰ってきたので、片手を背中から彼女の後頭部に移し、がっちりと掴んで彼女の口に貪りつく
舌を侵入させると彼女の舌はまるでつがいを見つけたかのように絡みついてくる
「じゅる……んちゅ……んふぅ……」
鼻息荒く下から突き上げる動きに合わせて自らも腰を持ちあげて落とす
上の方はじゅるじゅると、下の方はぐっちゅぐっちゅと下品な音を立てているのも気にせずにお互いを求め合う
彼女の上下して俺のモノを磨き上げる膣内は極上としか思えないほどに気持ち良く、俺の口内にも侵入してきている舌は今まで食べたどのお菓子よりも甘美である
「んちゅっ……んっ……じゅる……♥」
彼女の膣内がビクビクしてくるのに合わせてこちらも限界が見えてくる
言葉はなくとも一緒にイキたいという彼女の意思が伝わってくるが、それはこちらも同じである
お互いの体の相性もいいのかいつまでも味わっていたい快楽を貪っているとあっという間に限界を迎えてしまった
こちらが彼女の最奥に子種を吐き出すと同時にぴったりだと感じていた膣内がきゅぅぅっと締まってきた
それに合わせて彼女の体がビクンビクンと震える
彼女の背中と後頭部をギュウっと抱きしめ最奥に子種を蒔きつづける
２度目とは思えないほどの量を吐き出し、尿道に残る分も彼女の膣内が吸い出してくれたのを確認すると彼女の口から顔を放した
チャームのかかった彼女と行動に愛しさの止まない俺にちょっとした欲求が湧いたのだ
もう一度反射させて彼女にチャームをかけるとどうなってしまうのだろうか、そう考えたのだ
「ふぅ……ふぅ……すごく良かったぞ……それじゃあ次はもう一度チャームをかけてくれ」
名残惜しそうにしていた彼女は三度目の要求も了承したのか少しだけ起き上がるとしっかりと俺の顔を見据えた
魅了されている状態でも放てるのだろうかという疑問が一瞬浮かんだが、それも杞憂のようだ
「それじゃあいくわよ……『チャーム』」
更に魅了状態になった彼女はどういう風になるのか、そんな考えと気怠さに包まれた幸せな思考の状態のまま彼女の魔術は再び放たれた
一度目の反射で許容魔力量を超えてしまい、壊れてしまったマジックアイテムの指輪の事も気が付かずに
騒がしい酒場で隣に座るサキュバスが上機嫌に話終えると、店主のエキドナはニヤニヤと笑みを浮かべた
「その後はどうなったの」
店主の言葉に俺は肩を竦め、サキュバスは嬉しそうに口を開く
「お互いがお互いに魅了状態になって自然と魔術がとけるまでずっと交わっていたわ」
自分の失敗談など聞きたくはない物である
ジョッキに注がれた酒を一気に飲んで気を紛らわせる
「いいわねぇ、お互いの事しか考えられない状態でずっとエッチできるなんて、私も旦那とやってみようかしら」
店主が体をくねらせるも、俺の妻は残念そうに首を振った
「でも気持ちよかった、彼とエッチした、って記憶しか残ってないからちょっと勿体なかったわ、私の方が先に解除されたからマシだったけれど、もっと彼の魅了された姿を楽しみたかったのに」
ぶすっとした表情になる彼女のグラスに追加のお酒が注がれ、自分のジョッキにも追加される
「うふふ、これは面白い話を聞かせてもらったお礼よ、ついでに今日の分は奢ってあげる」
……失敗談を話しただけで一日分の酒代が浮いたのならば悪くないかもしれないと思おう
それに失敗談ではあるのだが、冒険者としての相棒兼妻との出会いの話なので隣に座る彼女が話し始めたら止めにくいのである
16/01/20 22:37更新 / 錆鐚鎌足