まったく何てことだ

雨具が壊れた次の日に雨が降るなんてよ

一番最後に立ち寄った街はここから最低でも一ヶ月近くかかる

かといって次の街に行こうにも残念ながらこの周辺の地域はまったく知らない

前の街でこっちの方に二月ほど行くと面白い街があると聞いて、情報もまともに集めずに街を出たからな

なんでもその街では、何万人もの教会の兵士をふらりとやって来た冒険者がたった一人で全員を再起不能にしたらしい

更にはその冒険者がその街で親魔物組織だったか反教会組織をやってるらしい

組織に関しては興味ないが、そいつがどんな奴か興味がわいたので、その街に行くことに決めた

が、昨日に旅に出てからずっと使っていた雨具が壊れ、食料もあと一ヶ月も持つか微妙なところである

そんなときにこの雨だ、都合が悪いにもほどがある

雨具が壊れたのでほとんど雨が凌げない上に食料がいくつかダメになってしまった

まったくついてない








多少は雨が凌げるだろうと森の中を通っていたんだが、かなり広いところに出た

どうやら森を抜けてしまったらしい

まったくついてない、と思ったがそうではないみたいだ

前方の丘の上に城みたいな建物が建っている

人が居るなら何とか泊まらせてもらうし、居ないのなら勝手に使わしてもらうかな

たまにはいいこともあるもんだな




城の前に来てみたが結構デカイな

庭に綺麗なバラが咲いている、きちんと世話がされているの様なので多分誰かが住んでいるはず

いい人だったらいいんだがな、そう思いながら大きなドアのベルを鳴らす

しばらく待ってみたが反応がないので勝手に上がらせてもらう

中に入るとすぐに大きなホールに出た、よくある造りだがどれも綺麗に整備されている

そう思っていると突然ホールに風が吹き、高らかに声が聞こえてきた


　「オーホッホッホッホ、今回の挑戦者はずいぶんとみすぼらしいですわね、おまけにずぶ濡れだし、貴方のような殿方がワタクシに勝てるとでも思ったのですか？」


挑戦者というのはよくわからんが、みすぼらしいと言うのはグサっとくるな


　「あー、すまんが俺はその『挑戦者』ってやつじゃないんだが…」


　「は？じゃあ貴方はどういった用件でワタクシの城に訪問したんですの？」


　「俺は見ての通り一人で旅をしている冒険者だ、で、ここから一月近くかかるスタックっていう街に向かっている、外は見ての通りの雨だ、で、ちょうどいいところにこの城を見つけたから雨宿りさせてもらおうと思って来たってことだ」


　「そうですの…じゃあ客人として振る舞いますわね」


そういうと声の主が姿を現した

整った綺麗な顔立ちで、髪は金髪でグルグルとロールされている

ホルスタウルスとまではいかないが、かなり胸がデカイ

髪の色とほとんど同じような色をした鱗が肌に張り付いていて、同色の翼と尻尾が生えている


　「ドラゴン…か…？」


俺がそう呟くと彼女は嬉々とした表情で言った


　「そうですわ！ワタクシの名前はリル＝タビシャ、ドラゴンの中でももっともビッグで美しくパーフェクトなドラゴンですわ」


たしかに胸はビッグでパーフェクトだな

まぁ俺も自己紹介をするか


　「俺の名前はブラック＝マグネ、さっきも言ったが独り身の寂しい冒険者だ」


　「きちんと自己紹介する殿方も久しぶりですわね…まぁいいですわ、服はワタクシが乾かしておきますから、まずはお風呂に入ってきなさいな」


言葉遣いは貴族みたいでムカツクが割りといいやつだな








ふぅ、流石は城と言うべきか、旧世代のドラゴンでも入れそうなレベルだったな

残念ながら風呂場に乱入してくるイベントはなかったけどな

着替え終わったらリビングまで来るように言われてたのでそっちに向かう

道は浴場に向かう時に教えてもらったので問題ない

リビングに入ると机の上に豪華な料理がずらりと並んでいた

が、なぜかリルの姿が見えない

どうしようかと考えていたら、別のドアからリルが入って来た

デフォルメされたドラゴンの柄のエプロンを付け、手にはまた豪華な料理が乗っている


　「あら、結構早かったですわね、調度いいですわ早速夕食にしましょう」


　「…ん？ワタクシの姿を見てどうして固まっているんですの？」


いかんいかん、思わず見とれてしまった


　「…いやなんでもない、それよりこれ全部お前が作ったのか？」


　「もちろんそうですわ、ドラゴンたるもの客人にこの程度の振る舞いができなくてはいけませんことよ」


いや…ドラゴンは基本的に狩ってきた獣を丸焼きにして食べるって聞いてたんだがなぁ…


　「まぁそんなことはどうでもいいですから、冷めないうちにいただきますわよ」


　「…いただきます」


…かなりうまい

今までに食べたどの料理よりうまい

なんか悔しいな








少し食べ過ぎてしまったようだ、少々苦しいな

リルは今、先ほどの食器を洗いに行っている

厄介になっているから俺がやると言ったのだが、客人にそんなことをさせるわけにはいきませんわ、と言われて断られてしまった

暇なので少しリルについて考える

最初は喋り方から貴族みたいで厄介なやつだと思ったが全然違った

確かに貴族の様な上品さはあるが、農民の様な優しさもある

まったく変わったやつだ


　「ふぅ、やっと終わりましたわ」


　「なんかすまんな、厄介ごとを増やしてしまって」


　「この程度のことなら別にいいですわ、久しぶりの客人ですから当たり前ですわ」


　「そういや、ここ元々は廃城だったらしいがそれにしてはずいぶんと綺麗になってるな」


　「当然ですわ、最初はデビルバグかラージマウスの住処になっていてもおかしくないレベルだったのですけど…がんばりましたわ」


　「この城を一人でか！？庭にあるバラもお前が整備しているのか？」


　「もちろんですわ、中だけじゃなくて外も綺麗にしないと中途半端で嫌ですもの」


こいつなら自称パーフェクトでも確かに説得力があるなぁ


　「お前がここに来たのってどれぐらい前なんだ？」


その質問に一瞬だけ寂しそうな表情をしたがすぐ元の陽気な表情に戻る


　「そうですわねぇ、少し前、といっても大体50年ほどですわ」


そうか…50年もたった一人でこの城を管理しながら挑戦者とやらを退けてきたのか…

それならさっきみたいな寂しそうな表情をしてもおかしくないな


　「…湿っぽい話はもう終わりですわ、もう雨も上がってきたみたいですし、明日になったらもうここを出れるようですから、今日はさっさと寝た方がいいですことよ」


そう言って彼女は俺を客室に追いやった、ドアを閉めるときに又一瞬だけ見えた彼女の寂しそうな表情が頭から離れない

なんだろう、そんな彼女を思い出す度に胸が苦しくなる

これがよく言う恋ってやつかな








翌日

昨日の夕食と同じように豪華な食事を取り、少し休憩しながら旅立ちの準備をしているとふと思った

せっかくお世話になったんだし、惚れた相手を最後に喜ばせようかな、と


　「なぁ、色々とお世話になったし、なにか俺に出来ることはないか？」


そう言うと彼女は少し思いつめたような顔をして言った


　「…じゃあ、少しワタクシの我が儘を聞いてくれますか」


　「俺に出来ることだったらなんでもやってやるよ」


　「そうですか…じゃあワタクシと戦ってくれません？」


戦う？どうしてだろうか


　「別に構わないが、どうしてだ？」


　「ワタクシは今まで貴方を客人として扱いましたが、誇り高きドラゴンとして殿方を唯の客人として一晩自分の家に泊めたのが許せませんことよ」


　「………」


　「ワタクシが勝った場合は貴方はワタクシの一番の宝として一生可愛がってあげますわ」


　「それはそれでなかなか魅力的な話だが、もし俺が勝った場合はどうするんだ？」


　「このままここを去ってもいいし、ここに残ってもいい、敗者はいつの時代でも勝者に従うのみ、ですわ」


　「…ＯＫわかった、さっそく決闘の準備をしようか」


まったく素直じゃないお嬢様だな

勝っても負けてもどっちでもいい、ただやれるだけをやるだけさ








決闘は多分城の中心部辺りにあると思われるダンスホールでやることになった

準備はもう出来ている

武器は変わっているとよく言われる鎖

ジパングではこれに鎌を着けたやつもあるらしいが、残念ながらこれはただの鎖だ

サイクロプスに作ってもらったやつだけどな

あとは袋を二つほど

中身は秘密だ

対してリルはシンプルに自分の体のみ

正式には動きやすい服に着替えただけ

ほとんどの挑戦者に対しては普段着らしいが、俺は特別らしい


　「ワタクシはいつでも始められますことよ」


　「俺も準備は万全だ」


しばらく静寂が続く

リルが溜め息を吐き一瞬でこちらに突進してくる

俺はそれに対して袋を両方投げつけてからサイドステップで避ける

リルは袋を切り裂き、中身を浴びることを気にせず俺に向き直る


　「リル、残念だが俺の勝ちだ」


　「は？まだ始まったばかりですわよ」


どんな勝負でも一瞬で片がつくこともあるんだよ


　「マグネットバインド」


俺がそう呟くとリルの体がまるで磔にされたように固まる


　「え？え？何をしたんですの？」


こうも簡単に引っかかるとはなんか嬉しいな


　「なぁに簡単な話だ、俺がお前の突進してきたときに投げた袋の中身は砂鉄だ、で、俺の魔法は磁力とかを操ることが出来るからその二つを使ってお前の体を拘束した、それだけだ」


　「まぁ、流石にドラゴンの力を長時間拘束することは出来んがな」


そう俺が言った後リルの姿勢を四つん這いにさせる

その後、念のため俺の持っていた鎖を首に巻きつける

そして宣言する


　「この決闘の勝者は俺だ」


　「……」


かなり自信がありそうな様子だったから、あっさりすぎて流石にショックだったかな


　「流石ですわ！！やっぱりワタクシが気に入っただけありますわ！！貴方こそワタクシの夫にふさわしい殿方ですわ」


そう来たか…惚れた相手にそんなことを言われるとなんか照れるな

しかし…四つん這いになっている相手にそんなことを言われるとまた違った欲望がむくむくと鎌首をもたげてきた


　「俺が勝ったら出て行こうがここに残ろうがどっちでもいい、そういうこと
だったよな」


　「ええ…そうですわよ」


嬉々としていたリルの表情が泣きそうな顔になってきた

泣きそうな顔もかわいいな、だがこれ以上いじめると本当に泣いてしまうかもしれないから止めておく


　「あとは…この状況なら夫じゃなくて『ご主人様』じゃあないのか」


　「え？」


そう言った後、俺はズボンを下着ごと下ろし四つん這いになっているリルの顔の前に俺のモノを露出させる


　「敗者は勝者に従う、だったよな、なら俺のこいつを奉仕してくれよ」


　「え、えぇ、分かりましたわ」


リルは最初は少し戸惑っていたものの、しばらくすると口と手を使って奉仕しはじめた

まるで綺麗な陶器のみたいな手でいたわるように扱いてくれている

時々上目遣いになって俺の様子を見ているのも良い感じだ

しばらく扱いたあとしゃぶりつき口内で奉仕してくれる

またしばらくすると手を使って奉仕してくれる


　「ん、うぅ、んちゅっ、こんな感じでよろしいですか？」


先ほどとは違った意味で瞳を潤ませて聞いてくる

しかし魔法を解いたのにまだ四つん這いになってるから、あっちも喜んでくれているのだろう

だがそろそろ爆発しそうなレベルで快感を受けている

今ここで出してしまうと、なにか情けない気がする

ということで少々趣向を変えてみる


　「あぁ、悪くない、じゃあ次はその馬鹿でかい胸で奉仕してくれるか？」


　「えぇ、よろこんで」


そう言って彼女は魔物図鑑に載っている様な感じの服を脱ぐ

服の上からでも分かるほど大きな胸がぶるん、と揺れる

その先端にあるピンク色の乳首は胸の大きさに対してそれほど大きくない


　「えぇと、触ってもよろしくてよ」


頬を染めながらそう言ってくれる、お言葉に甘えさせてもらおうかな

触ってみると指が沈み込むぐらいに柔らかく

手を離すと元の形に戻るほどの弾力がある

彼女もまた俺の指が沈み込んだりした時に軽く喘いでいてくれた

こうしてむにむにと触っているだけで一日過ごせそうだが、本来の目的を忘れない


　「もっとこうして触っていたいが…さぁこの胸で俺のモノを挟んでくれ」


　「はい、わかりましたわ」


そういうや否や彼女の胸は俺のモノを呑み込んだ

呑み込むという表現でもおかしくないくらい彼女の胸は大きい

挟まれている俺のモノは外からでは分からないが今にも出してしまいそうなくらいビクビクしていた


　「ご主人様ぁ、ワタクシの胸の中でこんなにビクビクしてそんなに気持ちいいのですの？」


…悔しいので無言で腰を突き入れる

確かに彼女の胸の中は俺が今まで抱いたことのある、どの娼婦の膣中よりも気持ちいい

そんなことを考えていたら興奮してきたので更に激しく腰を振る

しかしそんな中でそんなことをするとどんどん気持ちよくなってしまい、残念ながら射精してしまった


　「はぅぅ、胸が熱いですわぁ」


　「でも、これだけ出してもらえたのなら嬉しいですわ」


このまま胸だけで搾られるのも悪くは無いが、俺だけ楽しんでいるのは悪いしな


　「さて、そろそろ本番といこうか」


そう言って彼女を仰向けにさせる


　「あの…ご主人様…」


　「ん？どうした、お前がどう言おうが今更止められないからな」


　「いえ、それは構わないのですけど、その…言いにくいのですけど…ワタクシ実はまだ処女ですので…できれば優しくして欲しいのですの…ご主人様がそういうプレイが好きなら別にいいのですけど」


ＯＫ、可愛過ぎるぜ

彼女の膣に俺のモノを膜にあたるぐらいまで一気に突き入れる


　「ひやぁん、ご主人様ぁ、ワタクシの初めてをもらってくださいまし」


そんなことを言われてすごく嬉しいが、現時点でもう出してしまいそうになっている

流石に負かした相手の処女を奪う前に射精してしまうような情けない真似はしたくない

しばらく快感が落ち着くまで待ってから一気に腰を突き入れる

ブチリ、と処女を奪う感触がする


　「くぅう、流石に初めては痛いですわ」


　「でも、初めてがご主人様でよかったですわ」


痛いのを我慢しながら精一杯作った笑みを浮かべてくれる

俺はそんな彼女を抱きしめ、耳元で囁いた


　「お前はもう俺のもんだ、お前が嫌になろうが何度でも抱いてやる」


　「愛してる」


これはかなりくさかったかな

恥ずかしいのを紛らわせるように彼女にキスをする

最初は唇に当てるだけの軽いものだったのだが、彼女が舌を入れてきたのでしだいに激しくなってしまった


　「ん、ぷはぁ、ご主人様ぁ、ワタクシも貴方の事を愛しておりますわぁ」


　「そうか、ありがとな、じゃあそろそろ動いていいか？」


　「えぇ、もうだいぶ痛みも引いてきましたし、ご主人様のこの立派なモノで突いてくださいまし」


さっきは適当に返事したように思えるが内心かなり嬉しい

さて、ガンガン突いてやるか

まず恋人同士がするみたいに彼女の手に自分の手を絡ませる

それから激しく腰を振る

キスをしている時でも彼女の膣は俺のモノに絡みついてかなり気持ちよかったが腰を動かしたとたん更に絡み付いてくる

魔物と交わった男は必ずその魔物に魅了されてしまうっていうのもあながち間違いでも無いかもしれないな

彼女も彼女でかなりの快感を受けているらしく、かなり喘いでいる

まだまだ交わっていたいがどうやら限界が近づいてきてしまったようだ

下半身から何かがこみ上げてくる感じがする

彼女もそれを察したのか足を腰に絡み付けてきた


　「ご主人様ぁ、ワタクシの中でたくさん子種を注いでくださいぃ」


その言葉を聞いたとたん爆発しそうな快感を受け彼女の最奥で果てようと腰を一気に突き入れる

俺のモノが彼女の最奥と思われる所にたどり着いたときに一気に射精した

その量は自分でも驚くほどだった

初めて自慰を覚えたときも娼婦に筆下ろししてもらったときもここまで出なかったと思う

ドクドクと音が出そうなくらいにしばらく射精する

射精が終わり、モノを引き抜くとゴプリと音をたてて溢れ出た


　「あぁ、ご主人様の子種がぁ、もったいないですわぁ」


そういって溢れ出た精液を指ですくってぺロリと舐める

その様子を見ているとまた性欲がかきたてられてきた

彼女をまた四つん這いにして後ろから押し倒した








数日後

俺は結局この城に住む事になり幸せを謳歌しているところだ

リルは今、俺が旅に使っていた道具などの整理をしてくれている

俺が自分でやるつもりだったのだが、リルがやりたいといってきたのでやらせている

俺は今はリビングの掃除が終わり、少し休憩しているところだ


　「ご主人様！！！」


いきなりドアが開かれリルが何冊かの本を握りつぶしそうな勢いで掴んでいる

その顔は怒りに満ちている、何かマズイことでもしてしまったかな？


　「ん？どうした？」


　「どうした？じゃありませんのよ！！これはなんですの！！？？」


そう言って掴んでいた本をこちらに投げてくる

その本を受け取りタイトルを見ると

『高飛車ドラゴン調教記〜あぁ、ご主人様の子種で孕ませてくださいまし〜』、『ボテ腹サキュバスとの愛欲の日々〜愛していますわご主人様〜』、『ロリ巨乳なバフォ様の兄上探しの旅〜おぬしこそわしの兄上じゃ！〜』


　「何って、ただのエロ本だが？」


　「ワタクシが聞きたいことはそういうことじゃありませんの！！！」


　「俺も男だからそういう本を持っていてもおかしくないだろ、旅に出ているときは自分で処理をしなくちゃならないんだし、あと内容は単なる俺の性癖だから気にするな」


それを聞いてリルはますます怒ったようで更に顔を赤くしていた


　「分かりましたわ、今からご主人様にそんな物が無くても大丈夫って事を体に叩き込んであげますわ」


そう言って押し倒してくる

まったく、今の俺はそれが無くても平気ってのは分かってるだろうに

素直じゃないやつだな

■作者メッセージ
ということで高飛車で巨乳なドラゴンの話でした

最初はかなり短い作品にしようと思っていたのですが結構長くなってしまいました

高飛車で巨乳のキャラっていいよね→高飛車なドラゴンっていいんじゃね？→あれ？そんな作品ないな→じゃあ書くしかないか。だいたいこんな流れでつくりました

高飛車なセリフ書くのって難しいですね