下克上
それは、俺が街道を歩いていた時の事である。俺は不意に、とある魔物娘に襲われた。
「――おっと！」
俺は即座に魔物娘の攻撃を避け、腰に帯びていた剣を抜いて構える。一言断っておくと、俺は別に反魔物主義ではないし、魔物娘を傷つけようという気は無い。腰に帯びているのは、あくまで護身用である。
しかし、今のように急に襲われれば話は別である。今の攻撃は、明らかに槍を突き刺そうとしたものであり、まともに喰らえば重症を負いそうな程の勢いだったのである。避けない訳にはいかない。
「急に何をする！」
俺は目の前で宙に浮く魔物を睨みつける。目の前の魔物娘は触覚を持ち、お尻の部分が黄色と黒の縞々で彩られた蜂の腹部になていた。つまり彼女は、蜂の魔物である。その中でも、このような攻撃的な魔物といえば、ホーネットしか有り得ない。
「大人しく刺されればよかったのに……」
目の前のホーネットはそう言うと、手に持っていた槍を繰り出し、攻撃を仕掛けてくる。しかし、俺とてずっと流れ者の剣士として世の中を渡り歩いてきたのである。ましてや、剣術で名高いジパングの出身である。こんな訳の分からない事態で、簡単にやられる訳にはいかない。
繰り出される槍を右に左に払い、かわしていく俺。しかし、彼女自身を攻撃する事は出来なかった。いくら魔物とはいえ、可愛い女相手に本気を出すのが躊躇われたのだ。それに、俺は元々親魔物領の出身である。魔物だからと無闇に殺す気は無い。
かと言って、このままでは埒が明かない。俺は剣を大きく振るって彼女の槍を払い飛ばす。彼女の手を離れた槍は、そのまま宙に旋廻する。
「――勝負あったな」
「くっ……」
俺は彼女の喉元に剣をつきつける。と言っても、これ以上何も出来ないのだが。
彼女は一瞬悔しそうな表情を見せるが、ふと視線を宙に漂わせると、にやっと笑みを零した。その笑みを俺はいぶかしんでいると、肩に衝撃が走った。宙に飛ばした槍がそのまま落下してきて、俺の肩に刺さってしまったのだ。
刺さったといっても、軽い傷なのでそれほど騒ぐ事ではない。しかし、槍に痺れ薬でも塗っていたのだろう、身体が急に動かなくなってしまった。
「ふふ、ラッキー♪」
彼女は倒れた俺に近寄ると、勝ち誇ったような笑みを浮かべて俺を覗き込む。一方の俺は、命の危機に焦る。襲われた理由も分からないまま死ぬのは嫌である。しかし、もはや身体はいう事をきかない。
『大変だ！ 男が魔物に襲われているぞっ！』
その時、少し離れたところから人の騒ぎ声が聞こえてきた。どうやら俺の危機的状況に気付いたようである。隊列を組んで歩いてきた商人らが、慌てふためいているのが見える。
「ここじゃ、落ち着かないわね」
しかし、そんな状況も彼女には無意味である。彼女は俺を抱きかかえると、羽を羽ばたかせて何処へと飛び去っていく。
（うわっ、高えっ！ 下ろしてくれっ！）
実は高いところが苦手な俺は、もはや街が眼下に小さく見える程の高さに慌てていた。
＊＊＊＊＊
「ここなら、邪魔は入らないわね」
とある森に連れられ、地面に寝かされた俺。てっきりホーネットの巣に連れて行かれると思っていたのだが。この時の俺は、まだホーネットの習性を理解していなかったと言えよう。ジパングには居なかった魔物であり、仕方ないと言えばそれまでだが、迂闊と言えば、あまりに迂闊である。
「ふふっ、じゃあ早速……」
彼女はそう言うと、俺の服に手をかけ始めた。まだ痺れ薬が効いたままというのもあり、俺はあっという間に一糸纏わぬ姿にされてしまった。
「凄い、たくましい……」
彼女はそう言うと、俺の胸板に顔を近づけていき、チュッと軽く口付けをする。俺はその柔らかい唇の感触に、鳥肌が立ったような感覚を受ける。
「んふふっ、何か私の色に染めるみたいで、興奮するわね……ちゅっ、ちゅっ」
彼女は俺の胸板に何個もキスマークをつけていく。そのキスの感覚に俺が身を震わせると、彼女は嬉しそうに笑った。そしてキスする位置を上げていき、だんだん俺の顔に近づいてくる。
（うぉいっ！ ちょっと待て……んぐっ！）
そして俺の心の叫びも空しく、ついに唇を奪われる。俺の口中に舌を侵入させてきた彼女は、俺の舌を絡め取ると一心不乱に吸う。俺は抵抗もままならず、ただ貪られるのみである。至近距離で、彼女と視線が合う。その時、彼女はニッコリと目元を緩ませる。それを見た俺は、不覚にもこう思ってしまった。可愛い、と。
彼女は俺の頬に両手を添え、さらに覆い被さってきて豊満な胸を押し付けてきて、全身で愛情表現を行う。その彼女の行動によって、俺の逸物がムクムクと大きくなっていくのを感じた。
「あはっ、もうこんなになってる♪ ねえ、もうシちゃうわよ」
有無を言わさぬ口調で彼女はそう言うと、自らの服を脱ぎ捨てる。そして、いそいそと俺に跨ると、逸物を掴んで自らの秘所に押し当てた。相変わらず俺は身体が痺れて動けず、ただ逸物がズブズブと埋まっていくのを見ているだけである。
「凄い、おっきい……んっ！」
彼女は自ら腰を沈めていく。途中、何かつっかえる感触があったのだが、そこから彼女は一気に腰を落とし、根元まで勢いよく逸物を銜え込んだ。
「ああアアァァァーーーッ！ あはぁっ、はぅぅぅっ！」
最奥を抉られた彼女は、ぎゅっと眉根を寄せ、痛みを堪えるかのように俺にすがりつく。一方の俺は、彼女のぎゅうぎゅうに締まる膣の感覚に、出しそうになるのを堪えるので精一杯であった。
「はぁっ、はぁっ……お、おっきぃよぉ！」
彼女は勝気そうな表情を歪め、眉尻の下がった泣きそうな表情を見せる。しかし、決して交わりを止めようとはしない。破瓜の痛みを感じているにも関わらず、俺の胸に手をついて腰を動かそうとする。
「ぅぅっ、ぁぅぅ……ねえ、私のナカどぉ？ 気持ちイイ？」
涙目で聞いてくる彼女。未だ痺れ薬か効いてて声が出せない俺は、瞬きで同意する事しかできない。一体どれだけ効果が続くのだろうか。
それでも、俺の意図は伝わったようで、彼女はにっこりと微笑む。その表情に、俺は完全に彼女の虜になっていた。
「じゃあ、もっとシてあげるわ」
そう言うと彼女は、くいっくいっと腰を動かし始める。狭い膣内で絡みつく膣壁に逸物を強く扱かれ、俺は快感におののく。もはや何も考えられそうに無かった。
そして彼女も、だんだん快楽の渦に飲み込まれていく。快感が大きくなっているのか、結合部からは愛液が漏れ始め、にちゃにちゃと卑猥な水音が響き始めていた。そして、その音はだんだん大きくなっていく。
「あんっ、あんっ！ ああっ……アンタのが、暴れて……ひゃぁぁっ！」
目から涙をぼろぼろ流し、口の端から涎を垂らしながら彼女は縦横無尽に腰を動かす。その刺激に耐えられず、俺は遂に彼女のナカに射精してしまった。
「ひゃぁぁぁぁーーーっ！ 出てるっ、いっぱい出てるよぉぉーーーっ！」
膣奥に水っぽいモノがびちゃっと叩きつけられる感触に、彼女は目を見開き、背を仰け反らせて叫び声をあげる。そしてそのままの状態でガクガクと身体を震わせたかと思うと、しばらくしてクタクタと俺に覆いかぶさってきた。
「あふぅ、はふぅぅっ……凄い、ナカでドクドクって……」
甘い声で囁き、チュッと口付けてくる彼女。その頃になって、やっと痺れ薬の効果が切れてきた俺は、根本的な疑問を投げかける。
「――なあ、何でこんな事を？」
いきなり襲ってきて、犯す。普通ならありえないシチュエーションである。俺でなくとも疑問に思うであろう。
「……だって、女王の夫を見つけなきゃいけないから」
彼女はそう答える。彼女曰く、ホーネットの新女王が夫を持つべき年齢になった為、その候補者を探し出して犯しては、女王の夫に適任かどうかを審査するとの事。そしてさらに、これと見極めた候補者を女王の元に連れて行き、女王自身が夫にするか判断するらしい。
「なるほど、女王の夫探し、ね……」
俺はかすかにため息をつく。襲われたとはいえ、彼女の熱の篭った愛撫に虜にされたというのに、そこに感情は存在しないという訳だ。俺はその部分に空しさを感じた。男なら、誰でも良かったのだろうか、と。
「ち、違うっ！」
突然、彼女は声をあげる。
「いくら夫探しとは言っても、タイプでもない男とはシたくないわよっ！ 私はアンタだから……私は、もうアンタ無しでは無理だっ！」
彼女は、俺にそう言うと、ぎゅうっとすがり付いてくる。
「私はもう、アンタを手放したくは……しかし、女王の夫探しの任務を放棄する訳にも……だが、他の男と交わるのはもう……」
勝手に声を荒げ、勝手に葛藤し、落ち込む彼女。そんな事を言われても、一体俺にどうしろと言うのだろうか。
彼女によれば、一度交わった男は巣に連れて帰るのが慣わしだという。彼女とて一定の貞操概念を持った女であり、誰とでも交わろうとは思わない。なのに、自分の気に入った男を女王に差し出し、場合によっては諦めなければならない。もし駆け落ち同然に逃げれば、追っ手が迫ってくる事だろう。彼女にとっては、身を刻まれるも同然である。
俺だって、彼女無しでは居られそうになくなっている。恥ずかしい話だが、実は先ほどまで俺は童貞だったのである。初めての相手が特別なのは、女に限った話ではないだろう。俺だって、この女とは離れがたい。しかし、女王の問題が絡んでいるとなると……。
その時、俺の頭にある考えが浮かんでくる。自分で思いついておきながら、俺は自分自身を自嘲する。こんな事を思いつくとは、俺って鬼畜だな、と。
しかし、他に方法はなさそうである。まあ、あくまで最終手段であり、俺が女王に選ばれなければ何の問題もない。そう、あくまで最終手段である。
「なあ、こういうのはどうだ……」
俺は、彼女にある提案を持ちかけた。
＊＊＊＊＊
「女王様、帰りました〜っ！」
「おお、アヤメっ！ 待っておったぞよ」
俺を抱きかかえながら巣に戻った彼女――アヤメを、ホーネットの女王が出迎えた。
「こ、これが……女王……」
そして俺は、目の前の女王を見て絶句する。目の前の女王は、どう見ても『ピー』歳にしか見えない程のロリっ娘であった。女王らしく背伸びしたようなしゃべり方であるが、幼さが勝っている印象であった。
（へ、下手すれば、こいつと交わらされるというのか……）
俺にはロリコンの趣味は無い。このロリっ娘相手に、どう考えてもアレが勃つとは思えなかった。まあ、女王が俺を気に入らなければ、そのまま堂々とアヤメと交われるのだが。
しかし、そう思い通りには事は運ばないようである。
「――ふむ。気に入ったぞよ！ まさしくそなたこそ運命の人。妾の婿にぴったりじゃ！」
その女王の発言に、俺は驚く。まさか、本当に気に入られるとは思わなかったのだ。これまで俺はモテた事など皆無であり、アヤメは例外だと思っていたのだが、どうやらホーネットには人間と違う感性を持っているらしい。
しかし、ただ手をこまねいている訳にはいかない。いよいよ、あの最終手段を行う時が来たようである。
俺はアヤメに目配せをする。俺の合図にかすかに頷いたアヤメは、女王の背後に回りこむと、お尻の針で女王を突き刺してしまった。実は、ホーネットの針には淫毒が含まれている。それに刺されれば人間だけではなく、ホーネットも淫気に支配されてしまう。アヤメに針を刺された女王は、淫気に耐えかねてハアハアと息を荒げ始める。
「あがっ！ ア、アヤメっ、何をするのじゃ……」
「女王様、申し訳ありません。どうしても、お話ししたい事があるのです」
「い、いきなり妾を刺しておいて、話しも何も無かろうっ！」
その部下の裏切りとも言える行動に、女王は怒る。女王にしてみれば、手酷い裏切りである。何せ、共に先代女王を母に持つ姉妹であったのだから。
それでも、アヤメは必死である。今後も俺との仲を認めてもらう為、彼女はあえて裏切りとも取れる行動をとる。
「女王様、私にも……私にも、この人との仲を認めて欲しいのですっ！」
「嫌じゃっ！ こやつは妾のモノじゃっ！ 横取りは許さぬっ！」
予想通り、女王は抵抗する。元々独占欲が強いと聞いていたので、当然の反応なのだろう。
「何も女王様から奪おうとは思っていません。ただ、私も彼の事が好きなんです！」
「酷いっ、アヤメ酷いよぉ……」
遂に、女王は泣き出してしまう。さすがに俺は女王が不憫になってくる。元々女王には何の落ち度も無い。無茶を言っているのはこちらなのだから、女王が怒るのは当たり前である。
しかし、女王に男を差し出した働き蜂は、今後どうするというのか。彼女とて、いくら女王の夫探しとはいえ、そしてエッチに貪欲であるとはいえ、さすがに誰とでも寝るようなふしだらな女ではない。そんな彼女に、初めての相手を失いながら、他の男と寝ろとでも言うのだろうか。その両方の問題を解決するには、二人まとめて手に入れるしかない。俺はそう結論付けたのである。これは一種の賭けである。女王がキレてしまって俺とアヤメを処刑すると言えば、それまでである。だから、俺はダメ押しの一手を打つ。
「――アヤメ、頼む」
俺は、アヤメに頼んで俺自身に淫毒を打ち込んでもらう。淫毒が体内に入った瞬間から、自分の中の欲望が大きくなってきて、逸物が猛り勃っているのを感じた。
その欲望に従って、俺は目の前の女王を抱き寄せ、対面座位の状態で女王の腰を両手で抱える。そして秘所を覆う布をぐいっとずらすと、いきなり逸物を女王のロリマンコにあてがい、ズブズブと押し込んでいった。女王は俺が触れただけで快感が走るのか、俺にしがみつく事しかできない。
「ふぁぁぁぁっ！ ぁっ、ゃっ……入ってくるのじゃぁ……」
やはり初めてという緊張か、若干声が震えているが、それでも快感を感じているらしく、ハアハアと息を荒げる女王。やはり淫毒の効果のおかげか、痛みよりも快感の方が勝っているらしい。これなら大丈夫だと判断した俺は、女王の腰を一気に引き寄せてズブッと最奥まで強く突きこんだ。
「あ゛あ゛アアァァァァァーーーッ！ ああーっ、ああーっ！」
処女膜を破られ、最奥を強く抉られた女王は、涙を流して泣き叫ぶ。その表情を見て、さすがに可哀想になり、俺は女王を抱きしめてその背を撫でた。
「ああっ！ あぅぅ……しゅごい、おっきいよぉぉっ！」
痛みと、淫毒によるそれ以上の快感の押し流され、女王はすっかり我を忘れる。しばらくは俺にしがみついていたものの、やがて涙でぐちゃぐちゃになった表情を緩ませて快感を口にし始める。
「はぅぅっ！ しゅごいっ、妾はもう、そなたのモノ……ふぁぁぁっ！」
すっかり快感に蕩けた顔で見上げてくる女王。女王のキッツキツのロリマンコも、離さないとばかりに逸物を隙間無くびっちりと銜え込む。しかし、これで終わりではない。女王と愛し合うのが目的ではないのだ。
「なあ、アヤメも混ぜてやってくれないか？」
「イヤじゃっ！ 妾の初めてを奪っておいて、何故そのような……ひゃぁぁんっ！」
抗議の声をあげようとする女王を、一突きして黙らせる俺。最奥を抉られ、女王は一際大きな声をあげる。だが、俺はそれ以上動かなかった。最初の一撃以外は徹底的に焦らされ、女王は泣きながら快感を要求する。
「ダメじゃっ！ 妾はもう……お願い、動いてぇぇっ！」
「じゃあ、アヤメの事も認めてやって欲しい」
「イヤじゃっ！ それとこれとは話が別……あぅぅっ！」
あくまで認めようとしない女王を、さらに一突きして責める。もちろん、それ以上は動かさない。女王は快感に喘いで腰を揺らそうとする。しかし、俺は女王をしっかりと抱え込んで身体を動かさないようにした。淫毒の効果と焦らしによって快感漬けにされ、女王は泣きながら、それでも腰を動かそうとする。
「俺は、何もお前を捨てようとは思ってないんだ。お前を一番に大事にするから、アヤメも認めてやって欲しい」
「そんな、他の女にも手を出すなんて……」
「認めてくれないなら、お前とのエッチはこれっきりになるが」
「イヤじゃっ！ 妾の初めてを奪っておいて……妾を虜にしておいて、別れるなどダメじゃぁっ！」
「だろ？ アヤメも、初めてを捧げた相手を女王に献上するのは苦しいんだ。それでも彼女は俺を巣まで連れて帰った。女王への忠誠の為にな。それに、一番じゃなくても、結ばれるなら二番目でもいいって彼女は言ってるんだ。だから、彼女に報いる意味でも、認めてもいいだろう？」
滅茶苦茶な理論で女王を説き伏せていく俺。人間相手でも通じない程に滅茶苦茶な理論だと自分でも分かっているのに、ホーネットに通じるかは疑問である。ましてや、俺が今やろうとしている事は、女王を快感漬けにして調教し、アヤメとの仲を認めさせるという賭け。到底さっきまで童貞だった男が行う策ではない。もし失敗すれば、反逆罪で処刑だってありえるかもしれないのだ。
しかし、俺の言葉に女王は黙り込む。女王とて、木石ではない。姉妹同然に育ったアヤメの心境を聞き、心が揺れ動いている。いや、立場は違えど同じ先代女王のお腹から生まれた本当の姉妹であり、これまで仲が良かったのである。そのアヤメが苦しんでいたという事実に、彼女もまた心を痛める。
そして、彼女の脳裏に蘇る、幼い頃のある光景。彼女の父と母がイチャついている近くで、それを悲しそうな瞳で見つめる一人の働き蜂――。彼女の儚げな姿は、今も女王の記憶に焼きついている。
それでも、女王とて男を諦めきれない。やっと逢えた、運命の人を、手放したくはなかった。
「……妾の事を、大事にしてくれるのじゃな？」
「ああ、大事にする。お前の事、心から大事にする」
「……妾の事、愛してくれるのじゃな？」
「ああ、愛してやる。お前が望むなら、何度でも愛しまくってやる」
「……妾の事、捨てないのじゃな？」
「ああ、当然だ。望むならずっと傍に居てやる」
女王の問いに、俺は答える。正直に言えば、女王よりもアヤメの方が好みのタイプでドストライクなのだが、処女を奪った相手を捨てる気は無い。俺の言葉に、女王は覚悟を決める。
「……分かったのじゃ。アヤメの事、認めようと思う」
女王はようやく堕ちる。彼女の目から、一筋の涙が零れ落ちた。それを見た俺は、自分自身を本当に鬼畜だと思う。女王の優しさに付け込んでハーレムを認めさせるなんて、完全に悪人の所業である。
だから、女王を泣かした分は、精一杯愛して償おうと思う。俺は彼女をしっかりと抱きかかえると、やっと腰を動かして女王に快感を与え始めた。
「ああんっ！ あんっ、あんっ！ あふぅっ……あっ、ああぁっ！ ああアアアァァァァーーーっ！」
快感におののく女王は、ただ声をあげてしがみ付くのみである。俺はそんな女王を優しく抱きしめながら、緩い動きで狭い膣内を引っ掻き回す。相変わらずキッツキツのロリマンコだが、少しほぐれてきたのか、ぎゅうぎゅうに締め付けながらも膣壁が絡みついてくる。俺は女王の膣を広げるように、最奥をぐいぐい押していく。
「あはぁっ、はぁぁんっ！ あうぅっ……うあぁぁぁぁっ！」
奥を抉られるたび、女王は喘ぎ声を発する。そして、その声はだんだん大きくなっていき、部屋いっぱいに響き渡る。
「ふぁぁぁっ！ もう、もうダメじゃっ……もうっ」
「分かってる。俺もそろそろイくよ」
さっきまで処女だったのだ。淫毒の効果で快感を感じているとはいえ、身体に相当な負担が掛かっているはず。俺は終わらせるべく、腰の動きを出来る限り速くしていく。
「あんっ！ ああんっ……ああーっ、ああーっ！ あっ、あひぃぃっ、ひぃぃぃぃーーーっ！」
「うぉぉっ！」
そして遂に、俺は女王のナカに大量の精を吐き出した。それは狭い膣内をいっぱいに満たし、結合部からあふれ出る。そしてナカに出された瞬間、淫毒によって敏感になっていた女王も絶頂に達する。お腹に熱を感じた彼女は、幸せな気分になって俺にもたれ掛かる。
「ふぁぁっ！ そなたのが、熱い……」
蕩けた表情で俺の顔を見上げる女王。やがて、快感と疲労の両方でぐったりとした女王は、俺の腕の中で意識を飛ばした。
＊＊＊＊＊
「はむっ！ んちゅっ……ちゅぱっ！ んっ、れろっ……」
「ぬろっ、ぬろぉっ……んふっ、ちゅっ、ちゅっ……」
目の前で、二人の女が俺の逸物を左右から舐め回す。女王とアヤメである。彼女らは仲良く俺の逸物を分け合い、それどころか目が合うと偶にお互いに口付けまで交わす。
二人とも俺の妻になると決まった当初は、女王もアヤメもお互いにギクシャクしていたのが、嘘のようである。しかし今では、女同士でレズる事もあるのだから、驚きである。
「なあ、そろそろ……」
絶頂が近づいてきた事を感じた俺は、二人の頭を撫でて合図する。すると、女王の方が逸物を口中にぐっぽりと咥え、舌を絡ませて吸い付いてきた。
ほどなくして、俺は女王の口に出してしまう。彼女は眉根を寄せながらも、決して口を離そうとはしなかった。射精が終わるまで吸い付き、そして逸物に残る残滓も吸い出してから、ちゅぽんっと口を離す。
「女王様、私にも……」
そして、アヤメが女王に口付けていき、女王の口中に残る精液を分けてもらう。彼女は仲良く精液を共有しながらも、また女同士の口付けを堪能し、舌を絡ませ合う。その様子を見た俺は、またもや逸物に力が込められていくのを感じた。
「ふふっ、まだ元気じゃのう」
俺の逸物を見た女王が、嬉しそうに言う。そして、アヤメもまた、欲情を隠そうとしない。
「次、私が貰ってもいいですか？」
「よいぞ。今回はアヤメに譲ってやるのじゃ」
女王の許しを得て、アヤメが俺に跨ってくる。そして逸物を自身の秘所にあてがうと、一気に奥まで迎え入れた。彼女の矯正が木霊し、それが快感の大きさを物語っている。
「じゃあ、妾はこっちでシてもらおうかの」
一方、女王は俺の顔に跨ってきて、舌での愛撫をねだってくる。俺は女王の太ももを抱えて秘所に舌を這わせ、突き入れる。プリプリした感触が、何とも言えずに俺を狂わせる。
「はぅぅっ……だぁりんの舌が、ああぁぁぁっ！」
「はあぁぁっ！ キてるっ、奥にキてるぅぅぅっ！」
それぞれ、腰を揺らしながら快楽を貪りつくす。そして、俺の上で向かい合うように跨っていた女二人が、お互いの様子を口にする。
「あぁーっ！ 凄いっ！ 女王様の顔が真っ赤……気持ちよさそう！」
「アヤメも、汗だくで……目がイっておるぞっ！」
そのような声が聞こえたかと思うと、しばらくしてかすかにチュパチュパと水音が聞こえてくる。どうやら、またもや女同士で口付けを交わしているようだ。それを知った俺はますます猛り、舌や腰の動きを激しくした。
それからしばらく、二人分の矯正が止むことなく続き、巣全体に響き渡った。
「――おっと！」
俺は即座に魔物娘の攻撃を避け、腰に帯びていた剣を抜いて構える。一言断っておくと、俺は別に反魔物主義ではないし、魔物娘を傷つけようという気は無い。腰に帯びているのは、あくまで護身用である。
しかし、今のように急に襲われれば話は別である。今の攻撃は、明らかに槍を突き刺そうとしたものであり、まともに喰らえば重症を負いそうな程の勢いだったのである。避けない訳にはいかない。
「急に何をする！」
俺は目の前で宙に浮く魔物を睨みつける。目の前の魔物娘は触覚を持ち、お尻の部分が黄色と黒の縞々で彩られた蜂の腹部になていた。つまり彼女は、蜂の魔物である。その中でも、このような攻撃的な魔物といえば、ホーネットしか有り得ない。
「大人しく刺されればよかったのに……」
目の前のホーネットはそう言うと、手に持っていた槍を繰り出し、攻撃を仕掛けてくる。しかし、俺とてずっと流れ者の剣士として世の中を渡り歩いてきたのである。ましてや、剣術で名高いジパングの出身である。こんな訳の分からない事態で、簡単にやられる訳にはいかない。
繰り出される槍を右に左に払い、かわしていく俺。しかし、彼女自身を攻撃する事は出来なかった。いくら魔物とはいえ、可愛い女相手に本気を出すのが躊躇われたのだ。それに、俺は元々親魔物領の出身である。魔物だからと無闇に殺す気は無い。
かと言って、このままでは埒が明かない。俺は剣を大きく振るって彼女の槍を払い飛ばす。彼女の手を離れた槍は、そのまま宙に旋廻する。
「――勝負あったな」
「くっ……」
俺は彼女の喉元に剣をつきつける。と言っても、これ以上何も出来ないのだが。
彼女は一瞬悔しそうな表情を見せるが、ふと視線を宙に漂わせると、にやっと笑みを零した。その笑みを俺はいぶかしんでいると、肩に衝撃が走った。宙に飛ばした槍がそのまま落下してきて、俺の肩に刺さってしまったのだ。
刺さったといっても、軽い傷なのでそれほど騒ぐ事ではない。しかし、槍に痺れ薬でも塗っていたのだろう、身体が急に動かなくなってしまった。
「ふふ、ラッキー♪」
彼女は倒れた俺に近寄ると、勝ち誇ったような笑みを浮かべて俺を覗き込む。一方の俺は、命の危機に焦る。襲われた理由も分からないまま死ぬのは嫌である。しかし、もはや身体はいう事をきかない。
『大変だ！ 男が魔物に襲われているぞっ！』
その時、少し離れたところから人の騒ぎ声が聞こえてきた。どうやら俺の危機的状況に気付いたようである。隊列を組んで歩いてきた商人らが、慌てふためいているのが見える。
「ここじゃ、落ち着かないわね」
しかし、そんな状況も彼女には無意味である。彼女は俺を抱きかかえると、羽を羽ばたかせて何処へと飛び去っていく。
（うわっ、高えっ！ 下ろしてくれっ！）
実は高いところが苦手な俺は、もはや街が眼下に小さく見える程の高さに慌てていた。
＊＊＊＊＊
「ここなら、邪魔は入らないわね」
とある森に連れられ、地面に寝かされた俺。てっきりホーネットの巣に連れて行かれると思っていたのだが。この時の俺は、まだホーネットの習性を理解していなかったと言えよう。ジパングには居なかった魔物であり、仕方ないと言えばそれまでだが、迂闊と言えば、あまりに迂闊である。
「ふふっ、じゃあ早速……」
彼女はそう言うと、俺の服に手をかけ始めた。まだ痺れ薬が効いたままというのもあり、俺はあっという間に一糸纏わぬ姿にされてしまった。
「凄い、たくましい……」
彼女はそう言うと、俺の胸板に顔を近づけていき、チュッと軽く口付けをする。俺はその柔らかい唇の感触に、鳥肌が立ったような感覚を受ける。
「んふふっ、何か私の色に染めるみたいで、興奮するわね……ちゅっ、ちゅっ」
彼女は俺の胸板に何個もキスマークをつけていく。そのキスの感覚に俺が身を震わせると、彼女は嬉しそうに笑った。そしてキスする位置を上げていき、だんだん俺の顔に近づいてくる。
（うぉいっ！ ちょっと待て……んぐっ！）
そして俺の心の叫びも空しく、ついに唇を奪われる。俺の口中に舌を侵入させてきた彼女は、俺の舌を絡め取ると一心不乱に吸う。俺は抵抗もままならず、ただ貪られるのみである。至近距離で、彼女と視線が合う。その時、彼女はニッコリと目元を緩ませる。それを見た俺は、不覚にもこう思ってしまった。可愛い、と。
彼女は俺の頬に両手を添え、さらに覆い被さってきて豊満な胸を押し付けてきて、全身で愛情表現を行う。その彼女の行動によって、俺の逸物がムクムクと大きくなっていくのを感じた。
「あはっ、もうこんなになってる♪ ねえ、もうシちゃうわよ」
有無を言わさぬ口調で彼女はそう言うと、自らの服を脱ぎ捨てる。そして、いそいそと俺に跨ると、逸物を掴んで自らの秘所に押し当てた。相変わらず俺は身体が痺れて動けず、ただ逸物がズブズブと埋まっていくのを見ているだけである。
「凄い、おっきい……んっ！」
彼女は自ら腰を沈めていく。途中、何かつっかえる感触があったのだが、そこから彼女は一気に腰を落とし、根元まで勢いよく逸物を銜え込んだ。
「ああアアァァァーーーッ！ あはぁっ、はぅぅぅっ！」
最奥を抉られた彼女は、ぎゅっと眉根を寄せ、痛みを堪えるかのように俺にすがりつく。一方の俺は、彼女のぎゅうぎゅうに締まる膣の感覚に、出しそうになるのを堪えるので精一杯であった。
「はぁっ、はぁっ……お、おっきぃよぉ！」
彼女は勝気そうな表情を歪め、眉尻の下がった泣きそうな表情を見せる。しかし、決して交わりを止めようとはしない。破瓜の痛みを感じているにも関わらず、俺の胸に手をついて腰を動かそうとする。
「ぅぅっ、ぁぅぅ……ねえ、私のナカどぉ？ 気持ちイイ？」
涙目で聞いてくる彼女。未だ痺れ薬か効いてて声が出せない俺は、瞬きで同意する事しかできない。一体どれだけ効果が続くのだろうか。
それでも、俺の意図は伝わったようで、彼女はにっこりと微笑む。その表情に、俺は完全に彼女の虜になっていた。
「じゃあ、もっとシてあげるわ」
そう言うと彼女は、くいっくいっと腰を動かし始める。狭い膣内で絡みつく膣壁に逸物を強く扱かれ、俺は快感におののく。もはや何も考えられそうに無かった。
そして彼女も、だんだん快楽の渦に飲み込まれていく。快感が大きくなっているのか、結合部からは愛液が漏れ始め、にちゃにちゃと卑猥な水音が響き始めていた。そして、その音はだんだん大きくなっていく。
「あんっ、あんっ！ ああっ……アンタのが、暴れて……ひゃぁぁっ！」
目から涙をぼろぼろ流し、口の端から涎を垂らしながら彼女は縦横無尽に腰を動かす。その刺激に耐えられず、俺は遂に彼女のナカに射精してしまった。
「ひゃぁぁぁぁーーーっ！ 出てるっ、いっぱい出てるよぉぉーーーっ！」
膣奥に水っぽいモノがびちゃっと叩きつけられる感触に、彼女は目を見開き、背を仰け反らせて叫び声をあげる。そしてそのままの状態でガクガクと身体を震わせたかと思うと、しばらくしてクタクタと俺に覆いかぶさってきた。
「あふぅ、はふぅぅっ……凄い、ナカでドクドクって……」
甘い声で囁き、チュッと口付けてくる彼女。その頃になって、やっと痺れ薬の効果が切れてきた俺は、根本的な疑問を投げかける。
「――なあ、何でこんな事を？」
いきなり襲ってきて、犯す。普通ならありえないシチュエーションである。俺でなくとも疑問に思うであろう。
「……だって、女王の夫を見つけなきゃいけないから」
彼女はそう答える。彼女曰く、ホーネットの新女王が夫を持つべき年齢になった為、その候補者を探し出して犯しては、女王の夫に適任かどうかを審査するとの事。そしてさらに、これと見極めた候補者を女王の元に連れて行き、女王自身が夫にするか判断するらしい。
「なるほど、女王の夫探し、ね……」
俺はかすかにため息をつく。襲われたとはいえ、彼女の熱の篭った愛撫に虜にされたというのに、そこに感情は存在しないという訳だ。俺はその部分に空しさを感じた。男なら、誰でも良かったのだろうか、と。
「ち、違うっ！」
突然、彼女は声をあげる。
「いくら夫探しとは言っても、タイプでもない男とはシたくないわよっ！ 私はアンタだから……私は、もうアンタ無しでは無理だっ！」
彼女は、俺にそう言うと、ぎゅうっとすがり付いてくる。
「私はもう、アンタを手放したくは……しかし、女王の夫探しの任務を放棄する訳にも……だが、他の男と交わるのはもう……」
勝手に声を荒げ、勝手に葛藤し、落ち込む彼女。そんな事を言われても、一体俺にどうしろと言うのだろうか。
彼女によれば、一度交わった男は巣に連れて帰るのが慣わしだという。彼女とて一定の貞操概念を持った女であり、誰とでも交わろうとは思わない。なのに、自分の気に入った男を女王に差し出し、場合によっては諦めなければならない。もし駆け落ち同然に逃げれば、追っ手が迫ってくる事だろう。彼女にとっては、身を刻まれるも同然である。
俺だって、彼女無しでは居られそうになくなっている。恥ずかしい話だが、実は先ほどまで俺は童貞だったのである。初めての相手が特別なのは、女に限った話ではないだろう。俺だって、この女とは離れがたい。しかし、女王の問題が絡んでいるとなると……。
その時、俺の頭にある考えが浮かんでくる。自分で思いついておきながら、俺は自分自身を自嘲する。こんな事を思いつくとは、俺って鬼畜だな、と。
しかし、他に方法はなさそうである。まあ、あくまで最終手段であり、俺が女王に選ばれなければ何の問題もない。そう、あくまで最終手段である。
「なあ、こういうのはどうだ……」
俺は、彼女にある提案を持ちかけた。
＊＊＊＊＊
「女王様、帰りました〜っ！」
「おお、アヤメっ！ 待っておったぞよ」
俺を抱きかかえながら巣に戻った彼女――アヤメを、ホーネットの女王が出迎えた。
「こ、これが……女王……」
そして俺は、目の前の女王を見て絶句する。目の前の女王は、どう見ても『ピー』歳にしか見えない程のロリっ娘であった。女王らしく背伸びしたようなしゃべり方であるが、幼さが勝っている印象であった。
（へ、下手すれば、こいつと交わらされるというのか……）
俺にはロリコンの趣味は無い。このロリっ娘相手に、どう考えてもアレが勃つとは思えなかった。まあ、女王が俺を気に入らなければ、そのまま堂々とアヤメと交われるのだが。
しかし、そう思い通りには事は運ばないようである。
「――ふむ。気に入ったぞよ！ まさしくそなたこそ運命の人。妾の婿にぴったりじゃ！」
その女王の発言に、俺は驚く。まさか、本当に気に入られるとは思わなかったのだ。これまで俺はモテた事など皆無であり、アヤメは例外だと思っていたのだが、どうやらホーネットには人間と違う感性を持っているらしい。
しかし、ただ手をこまねいている訳にはいかない。いよいよ、あの最終手段を行う時が来たようである。
俺はアヤメに目配せをする。俺の合図にかすかに頷いたアヤメは、女王の背後に回りこむと、お尻の針で女王を突き刺してしまった。実は、ホーネットの針には淫毒が含まれている。それに刺されれば人間だけではなく、ホーネットも淫気に支配されてしまう。アヤメに針を刺された女王は、淫気に耐えかねてハアハアと息を荒げ始める。
「あがっ！ ア、アヤメっ、何をするのじゃ……」
「女王様、申し訳ありません。どうしても、お話ししたい事があるのです」
「い、いきなり妾を刺しておいて、話しも何も無かろうっ！」
その部下の裏切りとも言える行動に、女王は怒る。女王にしてみれば、手酷い裏切りである。何せ、共に先代女王を母に持つ姉妹であったのだから。
それでも、アヤメは必死である。今後も俺との仲を認めてもらう為、彼女はあえて裏切りとも取れる行動をとる。
「女王様、私にも……私にも、この人との仲を認めて欲しいのですっ！」
「嫌じゃっ！ こやつは妾のモノじゃっ！ 横取りは許さぬっ！」
予想通り、女王は抵抗する。元々独占欲が強いと聞いていたので、当然の反応なのだろう。
「何も女王様から奪おうとは思っていません。ただ、私も彼の事が好きなんです！」
「酷いっ、アヤメ酷いよぉ……」
遂に、女王は泣き出してしまう。さすがに俺は女王が不憫になってくる。元々女王には何の落ち度も無い。無茶を言っているのはこちらなのだから、女王が怒るのは当たり前である。
しかし、女王に男を差し出した働き蜂は、今後どうするというのか。彼女とて、いくら女王の夫探しとはいえ、そしてエッチに貪欲であるとはいえ、さすがに誰とでも寝るようなふしだらな女ではない。そんな彼女に、初めての相手を失いながら、他の男と寝ろとでも言うのだろうか。その両方の問題を解決するには、二人まとめて手に入れるしかない。俺はそう結論付けたのである。これは一種の賭けである。女王がキレてしまって俺とアヤメを処刑すると言えば、それまでである。だから、俺はダメ押しの一手を打つ。
「――アヤメ、頼む」
俺は、アヤメに頼んで俺自身に淫毒を打ち込んでもらう。淫毒が体内に入った瞬間から、自分の中の欲望が大きくなってきて、逸物が猛り勃っているのを感じた。
その欲望に従って、俺は目の前の女王を抱き寄せ、対面座位の状態で女王の腰を両手で抱える。そして秘所を覆う布をぐいっとずらすと、いきなり逸物を女王のロリマンコにあてがい、ズブズブと押し込んでいった。女王は俺が触れただけで快感が走るのか、俺にしがみつく事しかできない。
「ふぁぁぁぁっ！ ぁっ、ゃっ……入ってくるのじゃぁ……」
やはり初めてという緊張か、若干声が震えているが、それでも快感を感じているらしく、ハアハアと息を荒げる女王。やはり淫毒の効果のおかげか、痛みよりも快感の方が勝っているらしい。これなら大丈夫だと判断した俺は、女王の腰を一気に引き寄せてズブッと最奥まで強く突きこんだ。
「あ゛あ゛アアァァァァァーーーッ！ ああーっ、ああーっ！」
処女膜を破られ、最奥を強く抉られた女王は、涙を流して泣き叫ぶ。その表情を見て、さすがに可哀想になり、俺は女王を抱きしめてその背を撫でた。
「ああっ！ あぅぅ……しゅごい、おっきいよぉぉっ！」
痛みと、淫毒によるそれ以上の快感の押し流され、女王はすっかり我を忘れる。しばらくは俺にしがみついていたものの、やがて涙でぐちゃぐちゃになった表情を緩ませて快感を口にし始める。
「はぅぅっ！ しゅごいっ、妾はもう、そなたのモノ……ふぁぁぁっ！」
すっかり快感に蕩けた顔で見上げてくる女王。女王のキッツキツのロリマンコも、離さないとばかりに逸物を隙間無くびっちりと銜え込む。しかし、これで終わりではない。女王と愛し合うのが目的ではないのだ。
「なあ、アヤメも混ぜてやってくれないか？」
「イヤじゃっ！ 妾の初めてを奪っておいて、何故そのような……ひゃぁぁんっ！」
抗議の声をあげようとする女王を、一突きして黙らせる俺。最奥を抉られ、女王は一際大きな声をあげる。だが、俺はそれ以上動かなかった。最初の一撃以外は徹底的に焦らされ、女王は泣きながら快感を要求する。
「ダメじゃっ！ 妾はもう……お願い、動いてぇぇっ！」
「じゃあ、アヤメの事も認めてやって欲しい」
「イヤじゃっ！ それとこれとは話が別……あぅぅっ！」
あくまで認めようとしない女王を、さらに一突きして責める。もちろん、それ以上は動かさない。女王は快感に喘いで腰を揺らそうとする。しかし、俺は女王をしっかりと抱え込んで身体を動かさないようにした。淫毒の効果と焦らしによって快感漬けにされ、女王は泣きながら、それでも腰を動かそうとする。
「俺は、何もお前を捨てようとは思ってないんだ。お前を一番に大事にするから、アヤメも認めてやって欲しい」
「そんな、他の女にも手を出すなんて……」
「認めてくれないなら、お前とのエッチはこれっきりになるが」
「イヤじゃっ！ 妾の初めてを奪っておいて……妾を虜にしておいて、別れるなどダメじゃぁっ！」
「だろ？ アヤメも、初めてを捧げた相手を女王に献上するのは苦しいんだ。それでも彼女は俺を巣まで連れて帰った。女王への忠誠の為にな。それに、一番じゃなくても、結ばれるなら二番目でもいいって彼女は言ってるんだ。だから、彼女に報いる意味でも、認めてもいいだろう？」
滅茶苦茶な理論で女王を説き伏せていく俺。人間相手でも通じない程に滅茶苦茶な理論だと自分でも分かっているのに、ホーネットに通じるかは疑問である。ましてや、俺が今やろうとしている事は、女王を快感漬けにして調教し、アヤメとの仲を認めさせるという賭け。到底さっきまで童貞だった男が行う策ではない。もし失敗すれば、反逆罪で処刑だってありえるかもしれないのだ。
しかし、俺の言葉に女王は黙り込む。女王とて、木石ではない。姉妹同然に育ったアヤメの心境を聞き、心が揺れ動いている。いや、立場は違えど同じ先代女王のお腹から生まれた本当の姉妹であり、これまで仲が良かったのである。そのアヤメが苦しんでいたという事実に、彼女もまた心を痛める。
そして、彼女の脳裏に蘇る、幼い頃のある光景。彼女の父と母がイチャついている近くで、それを悲しそうな瞳で見つめる一人の働き蜂――。彼女の儚げな姿は、今も女王の記憶に焼きついている。
それでも、女王とて男を諦めきれない。やっと逢えた、運命の人を、手放したくはなかった。
「……妾の事を、大事にしてくれるのじゃな？」
「ああ、大事にする。お前の事、心から大事にする」
「……妾の事、愛してくれるのじゃな？」
「ああ、愛してやる。お前が望むなら、何度でも愛しまくってやる」
「……妾の事、捨てないのじゃな？」
「ああ、当然だ。望むならずっと傍に居てやる」
女王の問いに、俺は答える。正直に言えば、女王よりもアヤメの方が好みのタイプでドストライクなのだが、処女を奪った相手を捨てる気は無い。俺の言葉に、女王は覚悟を決める。
「……分かったのじゃ。アヤメの事、認めようと思う」
女王はようやく堕ちる。彼女の目から、一筋の涙が零れ落ちた。それを見た俺は、自分自身を本当に鬼畜だと思う。女王の優しさに付け込んでハーレムを認めさせるなんて、完全に悪人の所業である。
だから、女王を泣かした分は、精一杯愛して償おうと思う。俺は彼女をしっかりと抱きかかえると、やっと腰を動かして女王に快感を与え始めた。
「ああんっ！ あんっ、あんっ！ あふぅっ……あっ、ああぁっ！ ああアアアァァァァーーーっ！」
快感におののく女王は、ただ声をあげてしがみ付くのみである。俺はそんな女王を優しく抱きしめながら、緩い動きで狭い膣内を引っ掻き回す。相変わらずキッツキツのロリマンコだが、少しほぐれてきたのか、ぎゅうぎゅうに締め付けながらも膣壁が絡みついてくる。俺は女王の膣を広げるように、最奥をぐいぐい押していく。
「あはぁっ、はぁぁんっ！ あうぅっ……うあぁぁぁぁっ！」
奥を抉られるたび、女王は喘ぎ声を発する。そして、その声はだんだん大きくなっていき、部屋いっぱいに響き渡る。
「ふぁぁぁっ！ もう、もうダメじゃっ……もうっ」
「分かってる。俺もそろそろイくよ」
さっきまで処女だったのだ。淫毒の効果で快感を感じているとはいえ、身体に相当な負担が掛かっているはず。俺は終わらせるべく、腰の動きを出来る限り速くしていく。
「あんっ！ ああんっ……ああーっ、ああーっ！ あっ、あひぃぃっ、ひぃぃぃぃーーーっ！」
「うぉぉっ！」
そして遂に、俺は女王のナカに大量の精を吐き出した。それは狭い膣内をいっぱいに満たし、結合部からあふれ出る。そしてナカに出された瞬間、淫毒によって敏感になっていた女王も絶頂に達する。お腹に熱を感じた彼女は、幸せな気分になって俺にもたれ掛かる。
「ふぁぁっ！ そなたのが、熱い……」
蕩けた表情で俺の顔を見上げる女王。やがて、快感と疲労の両方でぐったりとした女王は、俺の腕の中で意識を飛ばした。
＊＊＊＊＊
「はむっ！ んちゅっ……ちゅぱっ！ んっ、れろっ……」
「ぬろっ、ぬろぉっ……んふっ、ちゅっ、ちゅっ……」
目の前で、二人の女が俺の逸物を左右から舐め回す。女王とアヤメである。彼女らは仲良く俺の逸物を分け合い、それどころか目が合うと偶にお互いに口付けまで交わす。
二人とも俺の妻になると決まった当初は、女王もアヤメもお互いにギクシャクしていたのが、嘘のようである。しかし今では、女同士でレズる事もあるのだから、驚きである。
「なあ、そろそろ……」
絶頂が近づいてきた事を感じた俺は、二人の頭を撫でて合図する。すると、女王の方が逸物を口中にぐっぽりと咥え、舌を絡ませて吸い付いてきた。
ほどなくして、俺は女王の口に出してしまう。彼女は眉根を寄せながらも、決して口を離そうとはしなかった。射精が終わるまで吸い付き、そして逸物に残る残滓も吸い出してから、ちゅぽんっと口を離す。
「女王様、私にも……」
そして、アヤメが女王に口付けていき、女王の口中に残る精液を分けてもらう。彼女は仲良く精液を共有しながらも、また女同士の口付けを堪能し、舌を絡ませ合う。その様子を見た俺は、またもや逸物に力が込められていくのを感じた。
「ふふっ、まだ元気じゃのう」
俺の逸物を見た女王が、嬉しそうに言う。そして、アヤメもまた、欲情を隠そうとしない。
「次、私が貰ってもいいですか？」
「よいぞ。今回はアヤメに譲ってやるのじゃ」
女王の許しを得て、アヤメが俺に跨ってくる。そして逸物を自身の秘所にあてがうと、一気に奥まで迎え入れた。彼女の矯正が木霊し、それが快感の大きさを物語っている。
「じゃあ、妾はこっちでシてもらおうかの」
一方、女王は俺の顔に跨ってきて、舌での愛撫をねだってくる。俺は女王の太ももを抱えて秘所に舌を這わせ、突き入れる。プリプリした感触が、何とも言えずに俺を狂わせる。
「はぅぅっ……だぁりんの舌が、ああぁぁぁっ！」
「はあぁぁっ！ キてるっ、奥にキてるぅぅぅっ！」
それぞれ、腰を揺らしながら快楽を貪りつくす。そして、俺の上で向かい合うように跨っていた女二人が、お互いの様子を口にする。
「あぁーっ！ 凄いっ！ 女王様の顔が真っ赤……気持ちよさそう！」
「アヤメも、汗だくで……目がイっておるぞっ！」
そのような声が聞こえたかと思うと、しばらくしてかすかにチュパチュパと水音が聞こえてくる。どうやら、またもや女同士で口付けを交わしているようだ。それを知った俺はますます猛り、舌や腰の動きを激しくした。
それからしばらく、二人分の矯正が止むことなく続き、巣全体に響き渡った。
14/11/28 13:38更新 / 香炉 夢幻