悪夢(?)のハーレム
とある洞窟にて。俺は一匹のデビルバグに捕まり、さんざんに犯されていた。
『はぁんっ! ああんっ! きもちイイ、きもちイイよぉ!』
仰向けになった俺の身体の上で、彼女が歓喜の声を漏らしながら腰を振るう。結合部からはブシャッブシャッと愛液が溢れ、周囲を露で濡らしていく。
俺は、彼女に組み敷かれて騎乗位でいいように犯されている。
「もう、止めてくれ……んむっ!」
制止しようとした俺の口を、彼女がキスで塞ぐ。そしてそのまま、舌を突き入れて俺の口の中を蹂躙した。
『んふっ、んふぅぅーっ! んむっ……ちゅっ、ちゅぱっ……んふふっ。やめるの、やーっ!』
彼女は俺の言葉を拒否すると、再び俺の胸に両手をついて縦横無尽に腰を激しく動かす。俺の逸物に、かき混ぜられて白濁した彼女の本気汁が大量に絡みつき、にちゃにちゃと卑猥な音を奏でている。彼女がかなり感じている証拠である。
『ああんっ、もうイきそうなのぉ! ぜったいはなれないのっ!』
彼女は絶頂が近いのか、頬を上気させてハアハアと荒い息をついている。それでも決して腰の動きを止めず、初めてとは思えないほど巧みな動きで俺を追い込んでいく。その搾り取るような動きに耐えられず、俺は彼女のナカに盛大に射精してしまった。
『きゃあぁぁぁっっ! でてるぅ! いっぱいでてるぅぅぅっっ!』
子宮を激しく揺さぶる程にドバドバと中出しされ、そのデビルバグは身体をのけ反らせて強烈な快感をアピールするようにビクンビクンっと身体を震わせる。そして、くたぁっと俺に覆い被さって幸せそうな吐息を漏らした。
『あはあぁぁ……すきっ、だいすきぃ……』
その彼女は愛の言葉を囁いてくると、そのまま気を失ってしまう。今がチャンス、とばかりに俺は彼女の腰を掴んで結合を解き、脇に押しのけた。ごろんっと彼女の身体を横に転がすと、俺は気だるさを抱えた身体を無理矢理起こし、立ち上がる。一刻も早く、この場から去るべきだった。ぐずぐずしていては、他のデビルバグが集まってしまう。
しかし、俺は今居る洞窟から逃げ出す事は出来なかった。何故なら、出入り口の方から別の声が聞こえてきたからだ。
『あはっ♪ オトコのけはいだぁ!』
『やぁん! エッチなにおいがしてるぅ!』
『オトコ、オトコォォォッ!』
複数の声がして、それがだんだんと近づいてくるのを感じた。見つかれば、何匹もの魔物に搾り取られるのは明らかだった。俺は仕方なく裸のまま洞窟の奥へと逃げ込んだ。
*****
「くそっ、何でこんな目に……」
俺は悪態をつきながら、洞窟の奥へと逃げ込んでいく。
『まってぇ、イかないでぇ〜』
『おくダメぇ〜』
背後から、魔物娘達の声が近づいてくる。しかし、俺は足を止めない。何せ、魔物娘に捕まれば散々に搾り取られて命は無いというのだ。実際、魔物娘の討伐依頼を受けた者で、ほとんどの者が消息を絶っている。教団によれば、その者達は魔物娘に殺られて殉職したであろうとの事。まだ俺は死にたくない。
だから、俺はひたすら走る。もう大分逃げただろう。その目の前の視界が、ふと広がった。
「――湖?」
そこは、洞窟の奥の、地底湖とも言うべき場所であった。これでは、前に進めない。
しかし、背後からはカサカサという音が近づいている。捕まれば、終わりだ。意を決して、俺はその湖に飛び込んだ。
『ああ〜っ!』
あと一歩という所まで追いついてきたデビルバグたちが、大声をあげる。彼女らは泳げないのか、地底湖の岸辺で右往左往するのみであった。
魔物といえども、元は虫。湖に潜ったりなんかすれば溺れる。俺は火事場の馬鹿力とやらで必死に泳ぎ、長い時間をかけて対岸の岸辺に渡った。
「げほっ、げほっ……やべえ、もう動けん……」
普段の俺なら到底渡れない距離を、渡りきった。だが、必死で泳いだせいか、心も身体も休息を欲している。
既に一匹のデビルバグに犯された後、全力疾走で逃亡。そして、決死の湖渡り。湖を泳ぎきってヘトヘトになった身体は冷え切り、全く動ける気がしなかった。俺はごろんと大の字になって地面に寝転がった。デビルバグでは湖を泳ぐ事が出来ず、ここまで来ればもう安心。一旦休息を取って、また逃げ道を探そう。その時の俺はそう思い、タカをくくっていた。
しかし、その根拠の無い安堵はすぐに破られる事となった。
『まってよぉ〜』
『かってににげるの、だめぇ!』
何と、デビルバグたちは羽音を響かせて飛んできたのだ。その事実を知った俺は、絶望感に目の前が真っ暗になりそうだった。
(そういえば、コイツら飛ぶんだっけ)
もう動けなかった。俺は諦めて彼女らが飛んでくるのを黙って見ているしか無かった。
魔物娘たちは、次々と俺の近くに着地する。そして、全員が俺に殺到してくる。俺はもう疲労困憊で動けず、再びあっけなく捕まった。
『たいへん! すごくカラダがつめたいよぉ!』
『わたしたちであっためてあげるぅ』
彼女たちは俺に身体を密着させると、手や足などを擦って温めようとしてきた。一匹はすでに、湖の冷たさで縮こまったアレを咥えて懸命にしゃぶっている。そしてそれは俺の意思とは無関係にムクムクと大きくなっていく。あまりにも疲労感が強くて、セックスなぞ無理だと思っていたが、どうやら性欲はまた別物らしい。
『あはっ、すごくおおきくなってるぅ……』
逸物をしゃぶっていた女は嬉しそうに笑うと、いそいそと俺に跨って秘所を密着させ、そして一気に腰を落とした。何かを突き破る感覚とともに、結合部からはグジュッと愛液が飛び散る音が響く。
『あぁぁっ! あううぅぅっっっ……すごい、おっきいよぉ!』
その女は、がくがくと身体を震わせると、俺に覆いかぶさってギュッとしがみつく。小ぶりながらもふかふかしたおっぱいの感触が、物凄く心地よかった。
『はぁーっ、はぁぁっ……ね、ねえ、キモチイイ?』
俺を犯している女が、顔を覗き込むようにして聞いてくる。俺は拒絶したり嘘を言う余裕もなく、素直に頷いた。
「ああ、暖かくてぬるぬるして、凄く良い」
『ホント!? よかったぁ!』
俺の言葉に気を良くしたのか、その女は嬉しそうに顔をほころばせると、一層強い力で抱きついてくる。俺は不覚にも、その様子を可愛いとさえ思ってしまった。
『ねえ、カラダおこして。うしろもあっためてあげる』
他の何匹かが、繋がっている俺と女の上体を手分けして起こさせる。そして、対面座位の状態にさせられたところで、別の一匹が俺の背に回りこんで身体を密着させてくる。
『どぉ? あったかいでしょ?』
背後に回ってきた女が、耳元に囁いてくる。いや、彼女だけではない。他の女も、左右からそれぞれ腕をホールドし、俺の手を暖かく弾力のある太ももに挟みつけている。そして、俺の足も、別の女によってさすられ、暖められる。彼女たちの献身的な奉仕により、湖に飛び込んだ時の凍えるような寒さは完全に消えうせていた。
それだけではない。身体よりも、心の方が暖まっている。実際には犯されているのだが、彼女たちの行動には貪るような部分は見られず、むしろ俺を労わるかのように優しく愛撫を重ねている。そんな彼女らを俺はだんだん愛おしくなてくるのを感じた。もはや、魔物娘に対する嫌悪感は、完全に消えていた。
『ねえ。カラダのちから、ぬいて?』
俺を犯している最中の女が、耳元で囁いてくる。そして、俺の顔を両手で挟むように宛がうと、口付けを交わしてきた。
『はむっ、んっ! ちゅっ……んちゅっ、んちゅぅぅっ……』
その女は、一心不乱に俺の唇を貪る。俺はその口付けにだんだん頭の中が蕩けていくのを感じていた。先ほど俺のモノを口に含んでいたとか、そのような事はもはや気にならなかった。
その間も、他の女は俺の身体をさすり、あるいは密着してきて柔肌を押し付けてくる。
『あはっ、だいぶリラックスしてきたね』
『ダイジョウブだからね。いたくしないから、あんしんしてね』
柔らかい口調で俺に声をかけながら、愛撫を重ねる女たち。人間とは違う魔物の手だが、その感触が心地よく感じ、俺は心まで奪われそうになる。
いや、実際は既に奪われていたのかもしれない。なぜなら、俺はこの女たちと愛し合いたいと思うようになってしまっているのだから。
俺は、目の前の女を気持ちよくさせるべく、自ら腰を突き上げ始めた。周囲を他の女に囲まれている為、動きにくかったが、それでも目の前の女に快感を与えるには充分だったようだ。
『あんっ! やあんっ、やっとうごいてくれて……あはぁぁぁっ!』
その女は俺がその気になったことがよほど嬉しいのか、歓喜の涙をぼろぼろ流しながら喘ぎまくる。その表情を見て、俺はますます劣情が大きくなっていく。
『いいなあ、わたしもシてほしー』
『つぎ、つぎわたし!』
そして、エッチが激しくなるにつれて、周囲の女たちの興奮が高まっていく。その間も、目の前の女は我を忘れたように喘ぎ、身体を弾ませて快感を貪っている。
『ああぁぁぁっ! オク、オクにあたって……ひゃぁぁんっ!』
その女は、奥を突かれる感覚に酔いしれ、身体の動きを止めようとしない。そういえば、さっきから逸物の先端が子宮にコツコツ当たっている感触がしている。どうやら子種を欲して子宮が降りてきているようだ。
「もう出そう、出すよっ!」
『だしてぇ! おなかに、あついのいっぱい、ぜんぶだしてぇぇぇっ!』
目の前の女は、腰を落として深々と結合しようとする。もはや魔物であるとか、デビルバグであるとかは何の関係も無かった。俺はその女の最奥に向かって、ありったけの欲望を吐き出した。
『ひゃぁぁんっ! でてるぅ、いっぱいでてるぅぅぅっ!』
そして、その女もまた、ナカに出された精液の感触に我を忘れ、盛大に身体を震わせてイく。しばらくは身体を固くしてガクガクと震わせていたが、やがてぐったりとしたように俺に抱きついてもたれ掛かった。
『はあっ、はあっ……し、しあわせぇ!』
その女は心から嬉しそうに微笑むと、俺に軽くチュッと口付けた。
『わたしにも、ナカにだしてー』
『わたしにも、セイエキちょうだいっ!』
目の前の女に触発された他の女が、次々と群がろうとする。その時、俺は新たにこちらに向かってくる羽音を聞いた。
『わたしをおいていくなんて、ひどぉい!』
それは、一番最初に俺を犯したデビルバグであった。どうやら失神から覚めた後、俺を追って飛んで来たらしい。
『もうっ、あんなにあいしあったんだから、にげちゃダメっ!』
「済まんな。もう逃げないから……」
俺は素直にその女に謝罪する。女も本気で怒っていた訳ではないようで、すぐに許してくれた。
『いいよ。これからもずっといっしょにいてくれるなら、ゆるしてあげるっ』
「ああ、ずっと一緒に居ようか……お前らもこれから一緒に居ようか」
俺はその女に声を掛け、そして周囲の女たちにも声をかける。もはやこいつらを嫌う理由なんか無かった。物凄く献身的で愛情に溢れ、尽くしてくれる。下等生物とさえ言われる彼女らだが、人間よりも心根が綺麗であるとすら感じている。そんな彼女たちが可愛くて、俺はこいつらと一緒に居たいと思うようになっていたのだ。
『ホント、うれしいっ!』
『やったぁ、だ〜いすきっ!』
そして俺の言葉に感動した彼女らは、一斉に俺に向かって飛び込んでくる。そんな彼女たちを、俺は心の底から可愛いと思った。
*****
「ただいま〜」
『パパおかえり〜っ』
あれから数年。教団への信仰を完全に断ち切り、見切りをつけた俺は親魔物領に移り住み、デビルバグたちと共に生活している。
結ばれてから今まで、セックスをしなかった日はほとんどなく、当然子どもはわらわら出来た。さすがに一度に一人しか産まないのは人間と同じだが、デビルバグの成長がとんでもなく早いものだから、二年もあれば心はともかく身体はすっかり成長してしまう。そのような訳で、俺の嫁がどんどん増えてしまうのである。
どうやら人間と魔物の間では男の子どもが出来にくいらしく、子は皆魔物娘である。それでも、子どもは子どもである。俺は今、こいつらが可愛くて仕方ない。
そうなると一般的な父親らしく、こいつらは嫁にやらんなどと親馬鹿な事を考えてしまうのだが、それは現実になるのである。
デビルバグには、どうやら近親相姦という概念は皆無なようで、娘たちが成長してからは、毎日のように寝室に夜這いをかけられる生活が始まった。当初は拒んでいたものの、デビルバグの習性を知ってからは、俺も拒まなくなった。よくある「パパとけっこんするぅ!」という娘の言葉が、単なる戯言ではなくなった。
『パパ、おかえりのちゅぅ〜っ!』
その娘は、俺の首筋にしがみつくと口付けを迫る。そして、俺が抵抗する間もなくあっさりと唇を奪った。
『ちょっと! 抜け駆けしないでよ!』
その娘の後から出てきた別の嫁が、娘に苦言を言う。始めに俺を犯した、あの彼女である。
『へへ〜ん、ママにはまけないもんねっ』
『この、おてんば娘っ』
口ではそう言うものの、実際に喧嘩している訳ではなく、二人ともにこやかである。まあ、俺を犯す時も連携の取れた動きで俺を追い込むのだから、当然といえば当然であるが。
そして、俺を出迎えたのは彼女らだけではない。他の嫁たちも、俺が帰ってきたことを知ると皆で出迎えてきた。
『おとーさん、おかえりっ……ちゅっ♪』
『アナタ、疲れたでしょう? 荷物持ちますね』
『お風呂沸かしたから、背中流してあげる』
皆、甲斐甲斐しく俺の世話を焼く。あまりに至れり尽くせりで、どうもむず痒くなるのだが、悪い気はしなかった。
「みんな、ありがとうな」
俺は出迎えてきた彼女たちを、まとめて抱き寄せる。彼女たちも、幸せそうな表情で俺にしがみついてくる。
これ以上の幸せは無いと思った。教団の言う魔物の危険度など、全てが嘘である。人間と違い、こいつらの愛情は信用できる。俺はこれからも、彼女たちと共に歩んでいこうと決意を新たにした。
【完】
『はぁんっ! ああんっ! きもちイイ、きもちイイよぉ!』
仰向けになった俺の身体の上で、彼女が歓喜の声を漏らしながら腰を振るう。結合部からはブシャッブシャッと愛液が溢れ、周囲を露で濡らしていく。
俺は、彼女に組み敷かれて騎乗位でいいように犯されている。
「もう、止めてくれ……んむっ!」
制止しようとした俺の口を、彼女がキスで塞ぐ。そしてそのまま、舌を突き入れて俺の口の中を蹂躙した。
『んふっ、んふぅぅーっ! んむっ……ちゅっ、ちゅぱっ……んふふっ。やめるの、やーっ!』
彼女は俺の言葉を拒否すると、再び俺の胸に両手をついて縦横無尽に腰を激しく動かす。俺の逸物に、かき混ぜられて白濁した彼女の本気汁が大量に絡みつき、にちゃにちゃと卑猥な音を奏でている。彼女がかなり感じている証拠である。
『ああんっ、もうイきそうなのぉ! ぜったいはなれないのっ!』
彼女は絶頂が近いのか、頬を上気させてハアハアと荒い息をついている。それでも決して腰の動きを止めず、初めてとは思えないほど巧みな動きで俺を追い込んでいく。その搾り取るような動きに耐えられず、俺は彼女のナカに盛大に射精してしまった。
『きゃあぁぁぁっっ! でてるぅ! いっぱいでてるぅぅぅっっ!』
子宮を激しく揺さぶる程にドバドバと中出しされ、そのデビルバグは身体をのけ反らせて強烈な快感をアピールするようにビクンビクンっと身体を震わせる。そして、くたぁっと俺に覆い被さって幸せそうな吐息を漏らした。
『あはあぁぁ……すきっ、だいすきぃ……』
その彼女は愛の言葉を囁いてくると、そのまま気を失ってしまう。今がチャンス、とばかりに俺は彼女の腰を掴んで結合を解き、脇に押しのけた。ごろんっと彼女の身体を横に転がすと、俺は気だるさを抱えた身体を無理矢理起こし、立ち上がる。一刻も早く、この場から去るべきだった。ぐずぐずしていては、他のデビルバグが集まってしまう。
しかし、俺は今居る洞窟から逃げ出す事は出来なかった。何故なら、出入り口の方から別の声が聞こえてきたからだ。
『あはっ♪ オトコのけはいだぁ!』
『やぁん! エッチなにおいがしてるぅ!』
『オトコ、オトコォォォッ!』
複数の声がして、それがだんだんと近づいてくるのを感じた。見つかれば、何匹もの魔物に搾り取られるのは明らかだった。俺は仕方なく裸のまま洞窟の奥へと逃げ込んだ。
*****
「くそっ、何でこんな目に……」
俺は悪態をつきながら、洞窟の奥へと逃げ込んでいく。
『まってぇ、イかないでぇ〜』
『おくダメぇ〜』
背後から、魔物娘達の声が近づいてくる。しかし、俺は足を止めない。何せ、魔物娘に捕まれば散々に搾り取られて命は無いというのだ。実際、魔物娘の討伐依頼を受けた者で、ほとんどの者が消息を絶っている。教団によれば、その者達は魔物娘に殺られて殉職したであろうとの事。まだ俺は死にたくない。
だから、俺はひたすら走る。もう大分逃げただろう。その目の前の視界が、ふと広がった。
「――湖?」
そこは、洞窟の奥の、地底湖とも言うべき場所であった。これでは、前に進めない。
しかし、背後からはカサカサという音が近づいている。捕まれば、終わりだ。意を決して、俺はその湖に飛び込んだ。
『ああ〜っ!』
あと一歩という所まで追いついてきたデビルバグたちが、大声をあげる。彼女らは泳げないのか、地底湖の岸辺で右往左往するのみであった。
魔物といえども、元は虫。湖に潜ったりなんかすれば溺れる。俺は火事場の馬鹿力とやらで必死に泳ぎ、長い時間をかけて対岸の岸辺に渡った。
「げほっ、げほっ……やべえ、もう動けん……」
普段の俺なら到底渡れない距離を、渡りきった。だが、必死で泳いだせいか、心も身体も休息を欲している。
既に一匹のデビルバグに犯された後、全力疾走で逃亡。そして、決死の湖渡り。湖を泳ぎきってヘトヘトになった身体は冷え切り、全く動ける気がしなかった。俺はごろんと大の字になって地面に寝転がった。デビルバグでは湖を泳ぐ事が出来ず、ここまで来ればもう安心。一旦休息を取って、また逃げ道を探そう。その時の俺はそう思い、タカをくくっていた。
しかし、その根拠の無い安堵はすぐに破られる事となった。
『まってよぉ〜』
『かってににげるの、だめぇ!』
何と、デビルバグたちは羽音を響かせて飛んできたのだ。その事実を知った俺は、絶望感に目の前が真っ暗になりそうだった。
(そういえば、コイツら飛ぶんだっけ)
もう動けなかった。俺は諦めて彼女らが飛んでくるのを黙って見ているしか無かった。
魔物娘たちは、次々と俺の近くに着地する。そして、全員が俺に殺到してくる。俺はもう疲労困憊で動けず、再びあっけなく捕まった。
『たいへん! すごくカラダがつめたいよぉ!』
『わたしたちであっためてあげるぅ』
彼女たちは俺に身体を密着させると、手や足などを擦って温めようとしてきた。一匹はすでに、湖の冷たさで縮こまったアレを咥えて懸命にしゃぶっている。そしてそれは俺の意思とは無関係にムクムクと大きくなっていく。あまりにも疲労感が強くて、セックスなぞ無理だと思っていたが、どうやら性欲はまた別物らしい。
『あはっ、すごくおおきくなってるぅ……』
逸物をしゃぶっていた女は嬉しそうに笑うと、いそいそと俺に跨って秘所を密着させ、そして一気に腰を落とした。何かを突き破る感覚とともに、結合部からはグジュッと愛液が飛び散る音が響く。
『あぁぁっ! あううぅぅっっっ……すごい、おっきいよぉ!』
その女は、がくがくと身体を震わせると、俺に覆いかぶさってギュッとしがみつく。小ぶりながらもふかふかしたおっぱいの感触が、物凄く心地よかった。
『はぁーっ、はぁぁっ……ね、ねえ、キモチイイ?』
俺を犯している女が、顔を覗き込むようにして聞いてくる。俺は拒絶したり嘘を言う余裕もなく、素直に頷いた。
「ああ、暖かくてぬるぬるして、凄く良い」
『ホント!? よかったぁ!』
俺の言葉に気を良くしたのか、その女は嬉しそうに顔をほころばせると、一層強い力で抱きついてくる。俺は不覚にも、その様子を可愛いとさえ思ってしまった。
『ねえ、カラダおこして。うしろもあっためてあげる』
他の何匹かが、繋がっている俺と女の上体を手分けして起こさせる。そして、対面座位の状態にさせられたところで、別の一匹が俺の背に回りこんで身体を密着させてくる。
『どぉ? あったかいでしょ?』
背後に回ってきた女が、耳元に囁いてくる。いや、彼女だけではない。他の女も、左右からそれぞれ腕をホールドし、俺の手を暖かく弾力のある太ももに挟みつけている。そして、俺の足も、別の女によってさすられ、暖められる。彼女たちの献身的な奉仕により、湖に飛び込んだ時の凍えるような寒さは完全に消えうせていた。
それだけではない。身体よりも、心の方が暖まっている。実際には犯されているのだが、彼女たちの行動には貪るような部分は見られず、むしろ俺を労わるかのように優しく愛撫を重ねている。そんな彼女らを俺はだんだん愛おしくなてくるのを感じた。もはや、魔物娘に対する嫌悪感は、完全に消えていた。
『ねえ。カラダのちから、ぬいて?』
俺を犯している最中の女が、耳元で囁いてくる。そして、俺の顔を両手で挟むように宛がうと、口付けを交わしてきた。
『はむっ、んっ! ちゅっ……んちゅっ、んちゅぅぅっ……』
その女は、一心不乱に俺の唇を貪る。俺はその口付けにだんだん頭の中が蕩けていくのを感じていた。先ほど俺のモノを口に含んでいたとか、そのような事はもはや気にならなかった。
その間も、他の女は俺の身体をさすり、あるいは密着してきて柔肌を押し付けてくる。
『あはっ、だいぶリラックスしてきたね』
『ダイジョウブだからね。いたくしないから、あんしんしてね』
柔らかい口調で俺に声をかけながら、愛撫を重ねる女たち。人間とは違う魔物の手だが、その感触が心地よく感じ、俺は心まで奪われそうになる。
いや、実際は既に奪われていたのかもしれない。なぜなら、俺はこの女たちと愛し合いたいと思うようになってしまっているのだから。
俺は、目の前の女を気持ちよくさせるべく、自ら腰を突き上げ始めた。周囲を他の女に囲まれている為、動きにくかったが、それでも目の前の女に快感を与えるには充分だったようだ。
『あんっ! やあんっ、やっとうごいてくれて……あはぁぁぁっ!』
その女は俺がその気になったことがよほど嬉しいのか、歓喜の涙をぼろぼろ流しながら喘ぎまくる。その表情を見て、俺はますます劣情が大きくなっていく。
『いいなあ、わたしもシてほしー』
『つぎ、つぎわたし!』
そして、エッチが激しくなるにつれて、周囲の女たちの興奮が高まっていく。その間も、目の前の女は我を忘れたように喘ぎ、身体を弾ませて快感を貪っている。
『ああぁぁぁっ! オク、オクにあたって……ひゃぁぁんっ!』
その女は、奥を突かれる感覚に酔いしれ、身体の動きを止めようとしない。そういえば、さっきから逸物の先端が子宮にコツコツ当たっている感触がしている。どうやら子種を欲して子宮が降りてきているようだ。
「もう出そう、出すよっ!」
『だしてぇ! おなかに、あついのいっぱい、ぜんぶだしてぇぇぇっ!』
目の前の女は、腰を落として深々と結合しようとする。もはや魔物であるとか、デビルバグであるとかは何の関係も無かった。俺はその女の最奥に向かって、ありったけの欲望を吐き出した。
『ひゃぁぁんっ! でてるぅ、いっぱいでてるぅぅぅっ!』
そして、その女もまた、ナカに出された精液の感触に我を忘れ、盛大に身体を震わせてイく。しばらくは身体を固くしてガクガクと震わせていたが、やがてぐったりとしたように俺に抱きついてもたれ掛かった。
『はあっ、はあっ……し、しあわせぇ!』
その女は心から嬉しそうに微笑むと、俺に軽くチュッと口付けた。
『わたしにも、ナカにだしてー』
『わたしにも、セイエキちょうだいっ!』
目の前の女に触発された他の女が、次々と群がろうとする。その時、俺は新たにこちらに向かってくる羽音を聞いた。
『わたしをおいていくなんて、ひどぉい!』
それは、一番最初に俺を犯したデビルバグであった。どうやら失神から覚めた後、俺を追って飛んで来たらしい。
『もうっ、あんなにあいしあったんだから、にげちゃダメっ!』
「済まんな。もう逃げないから……」
俺は素直にその女に謝罪する。女も本気で怒っていた訳ではないようで、すぐに許してくれた。
『いいよ。これからもずっといっしょにいてくれるなら、ゆるしてあげるっ』
「ああ、ずっと一緒に居ようか……お前らもこれから一緒に居ようか」
俺はその女に声を掛け、そして周囲の女たちにも声をかける。もはやこいつらを嫌う理由なんか無かった。物凄く献身的で愛情に溢れ、尽くしてくれる。下等生物とさえ言われる彼女らだが、人間よりも心根が綺麗であるとすら感じている。そんな彼女たちが可愛くて、俺はこいつらと一緒に居たいと思うようになっていたのだ。
『ホント、うれしいっ!』
『やったぁ、だ〜いすきっ!』
そして俺の言葉に感動した彼女らは、一斉に俺に向かって飛び込んでくる。そんな彼女たちを、俺は心の底から可愛いと思った。
*****
「ただいま〜」
『パパおかえり〜っ』
あれから数年。教団への信仰を完全に断ち切り、見切りをつけた俺は親魔物領に移り住み、デビルバグたちと共に生活している。
結ばれてから今まで、セックスをしなかった日はほとんどなく、当然子どもはわらわら出来た。さすがに一度に一人しか産まないのは人間と同じだが、デビルバグの成長がとんでもなく早いものだから、二年もあれば心はともかく身体はすっかり成長してしまう。そのような訳で、俺の嫁がどんどん増えてしまうのである。
どうやら人間と魔物の間では男の子どもが出来にくいらしく、子は皆魔物娘である。それでも、子どもは子どもである。俺は今、こいつらが可愛くて仕方ない。
そうなると一般的な父親らしく、こいつらは嫁にやらんなどと親馬鹿な事を考えてしまうのだが、それは現実になるのである。
デビルバグには、どうやら近親相姦という概念は皆無なようで、娘たちが成長してからは、毎日のように寝室に夜這いをかけられる生活が始まった。当初は拒んでいたものの、デビルバグの習性を知ってからは、俺も拒まなくなった。よくある「パパとけっこんするぅ!」という娘の言葉が、単なる戯言ではなくなった。
『パパ、おかえりのちゅぅ〜っ!』
その娘は、俺の首筋にしがみつくと口付けを迫る。そして、俺が抵抗する間もなくあっさりと唇を奪った。
『ちょっと! 抜け駆けしないでよ!』
その娘の後から出てきた別の嫁が、娘に苦言を言う。始めに俺を犯した、あの彼女である。
『へへ〜ん、ママにはまけないもんねっ』
『この、おてんば娘っ』
口ではそう言うものの、実際に喧嘩している訳ではなく、二人ともにこやかである。まあ、俺を犯す時も連携の取れた動きで俺を追い込むのだから、当然といえば当然であるが。
そして、俺を出迎えたのは彼女らだけではない。他の嫁たちも、俺が帰ってきたことを知ると皆で出迎えてきた。
『おとーさん、おかえりっ……ちゅっ♪』
『アナタ、疲れたでしょう? 荷物持ちますね』
『お風呂沸かしたから、背中流してあげる』
皆、甲斐甲斐しく俺の世話を焼く。あまりに至れり尽くせりで、どうもむず痒くなるのだが、悪い気はしなかった。
「みんな、ありがとうな」
俺は出迎えてきた彼女たちを、まとめて抱き寄せる。彼女たちも、幸せそうな表情で俺にしがみついてくる。
これ以上の幸せは無いと思った。教団の言う魔物の危険度など、全てが嘘である。人間と違い、こいつらの愛情は信用できる。俺はこれからも、彼女たちと共に歩んでいこうと決意を新たにした。
【完】
14/11/06 15:36更新 / 香炉 夢幻