連載小説
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番外編 友人のその後
「――何してるの、早く帰りなさい」

 私立紋須田女学院高校にて、一人の女教師が生徒たちに帰宅を促していた。現在の時刻は、午後六時半。下校時刻はとっくに過ぎている。いつまでも校内に居残っていた彼女らは、しぶしぶ帰宅の途につく。

 注意を促した女教師の名は、ニーナ。白い髪に白い翼、黒い角が特徴的なリリムという魔物である。彼女は生徒・教師を合わせても屈指の美貌を誇り、スーツを押し上げて激しく自己主張している胸や、大きいながらも張りがあってプリプリしたお尻、さらに全身からムンムン溢れ出る色気などは他の追従を許さない。まさに絶世の美女である。

 一見、欠点など皆無のように見える彼女であるが、一つだけ欠点があった。それは、物凄く無愛想なのである。それでも、多くの生徒からは、クールビューティとして憧れのまなざしを受けることも多く、基本的に慕われている。しかし、彼女を煙たく思う生徒が居るのもまた然りである。

 どうやら今回注意された生徒は、普段からニーナを快く思っていないらしい。彼女の視界から離れると、生徒たちは口々に不満を口にする。

「ニーナ先生って、いつも口うるさいよね」
「ずっと男が居なくて、ウチらに八つ当たりしてるんじゃない?」

 コソコソと、女教師の噂をする女生徒たち。どこの学校にもありがちな風景である。彼女らは、もういい歳であるニーナが『処女=年齢』なのをネタにして笑う。尤も、その部分に関しては、彼女たちも同じようなものなのだが。

 しかし、とある女子生徒の発言により、その空気は一変する。

「あれ、ニーナ先生って、確か男デキたんじゃなかったっけ?」
「……ええっ!」

 その言葉に、他の女子生徒が驚く。

「そ、そういえば……性活指導室に男の人連れ込んでたよね」
「ああ、あの女装して学園祭に忍び込んできた人ね。先生権限で性活指導室に連れ込んで自分のモノにしたんだよね?」
「先生だからって、横暴だよね。生徒には『勉強に集中しろ』って言うくせに、自分だけちゃっかり食べちゃうんだから」

 そして、話題はそのまま女教師の恋愛事情へと移っていく。お年頃な彼女たちは、他人の恋愛事情に興味津々である。その部分は、人間のそれと変わらないだろう。

「でもさぁ、あの鉄面皮が恋人とキャッキャウフフなんて、想像もつかないよね」
「だよね。あの先生の恋人が務まるなんて、よほどのドMでないと無理だよね。『この租チンがっ。私はまだ満足してないのよ。早く勃たせなさい』なんてね」
「意外と……閨では先生の方が受けだったりして。『あんっ、アナタぁ……もっとぎゅぅ〜ってシてっ?』て言っちゃったり」
「あ〜、無い無い。そんなのが起きたら、槍が降ってくるわよ」

 女教師の話題を口にしては、ギャハハと笑う女子生徒たち。もし女教師が聞いていたら、怒りで拷問にでもかけられそうな内容である。まあ、普段の女教師の言動を考えれば、そのようなイメージを持たれるのも無理は無いと言えた。


 実際には、ニーナは恋人とどのような刻を過ごしていたのか。それは、以下の如くであった。


*****


「ニーナ、おかえり」

 午後九時頃、仕事を終えて紋須田女学院から戻ってきたニーナを、青年が出迎える。女子生徒の噂に出てきた、例の彼である。大学の講義が早く終わったのか、今日は先に帰ってニーナを出迎えたのだ。

 彼の顔を見た瞬間、今までクールビューティーとも称される程であったニーナのポーカーフェイスが、一瞬にして蕩けたような表情に変わった。

「ただいまぁ……えへへっ、ユウくんの匂いだぁっ♪」

 出迎えてきた青年――ユウに抱きつくと、ニーナはユウの胸元に顔を埋め、スーハーと息を深く吸い込む。そして、ニーナはユウの顔を両手で挟むと、自身の顔を近づけていった。

「えへへ、ユウくんユウくんっ、ただいまのちゅぅ〜っ!」

 ニーナはユウの唇を奪い、そのまま貪る。普通の魔物娘ではない。リリムという上級淫魔である彼女のキスに、ユウが興奮しない筈がない。ニーナに唇を奪われたまま、ユウはあっという間に絶頂に追い込まれ、ズボンの中で射精してしまった。

「んふぅっ……んむっ、ちゅぱっ……うふふ、ユウくんったら、もうイっちゃったんだぁ♪」

 ニーナは嬉しそうに言うと、その場で膝を付き、ユウのズボンに手をかける。そしてそれをずらすと、精液でベトベトになったユウの逸物や、下着が露になる。

「もうっ、こんなに出して……んっ、じゅるっ!」

 ニーナはユウの股間に鼻面を突っ込み、零れ出た精液を舐め取る。下着にまで付着したソレを舐め取った後は、逸物に残る残滓まで吸い出そうとする。

「ちょっと! ニーナ、こんな所で……」
「あんっ! もうっ、ジッとしてて」

 場所が場所なだけに僅かに抵抗しようとするユウであったが、ニーナはユウの腰を突かんで動きを止める。そして、逸物を根元まで咥え込んでちゅうちゅう強く吸い、卑猥な音を立てて残滓を吸い尽くした。

「んふふっ、美味しかったっ♪」

 ニーナはちゅぽんっと逸物から口を離すと、ユウに向かって微笑む。ユウは、簡単にイかされた事の恥ずかしさや、ニーナの綺麗な表情を面と向かって見つめた照れから、顔を紅く染めてそっぽを向いてしまう。

「ほら、早く中に入るぞ。晩御飯が冷めるだろ」
「先に食べてて良いのに、ユウくんったら待っててくれたんだぁ! ありがとぉ!」

 照れ隠しに態とぶっきらぼうな態度を取るユウだが、ニーナは感激したような表情を見せる。心から嬉しがっているのは、白い翼をバタバタと動かしているのを見れば一目瞭然である。その姿には、学校での威厳は微塵も感じられない。

「えへへ、ユウくんの手料理っ♪」

 学校では絶対に見せないような表情を表に出しながら、ニーナはユウとともに食卓へと向かっていった。





 食べさせ合いっこや、口移しでの『あ〜ん』など、食卓でイチャイチャべったりなニーナ。それはお風呂でも変わらない。全身をこすりつけて身体を洗い、湯船で抱き合いながら甘々エッチ。常に二人ともラブラブな性活を満喫していた。

 そしていよいよ、夜のメインイベントである。ユウもニーナもいつもの如くセックスに没頭し、激しく乱れていた。

「ああ〜んっ! ああっ……ああああアァァァァーーーッ!」

 ニーナが騎乗位でユウに跨り、腰を振りたくって快楽を貪っていた。対してユウは、何度も搾り取られた影響か、疲労ですっかり反応が鈍くなっている。だが、ニーナは決して休息を許さない。彼女は強引に子宮まで逸物を味わうと、何度も何度も精液を搾り取る。

「あはぁっ! ナカ、びゅくびゅくてぇ! い、いくっ……あーいくっ! あーいくぅっ! いくぅぅぅーーーっ!」

 もう何度目か分からないナカ出しに、ニーナは歓喜の声をあげて腰をくねらせる。彼女の膣壁がユウの精液をなおも搾りとるようにウネウネと蠢き、逸物を扱きあげる。その感触に、ユウは頭の中がスパークしたような感覚を覚えた。

「ニ、ニーナ……俺もう無理……」
「あんっ! まだ終わっちゃダ〜メっ♪ まだまだシ足りないんだからっ!」

 ニーナは腰を押し付け、なおもグリグリと刺激を与える。ユウがいくら限界を訴えようとも、彼女はユウを解放する気は無い。それどころか、ますます激しく動き、ユウが悶えるのを見て興奮を高めていく。

 ユウには、もはやセックスを止めるという選択肢は無いのだ。どのタイミングで終わるかも、全てニーナ次第である。彼女はユウを抱き寄せたまま体勢を入れ替え、今度は自身が下になる。

「ほらっ、まだまだ出来るわよぉ……いっぱい責めて、私を犯してっ♪」
「うぁぁっ! ニーナっ、だから無理だってっ……うおぉぉっ!」

 ニーナは尻尾も操り、ユウを愛撫していく。そして、その先端をユウの後ろの穴にねじ込み、無理矢理に犯していく。前立腺を刺激され、強制的に勃起させられるユウ。ここまで来れば、セックスもある意味苦行である。だが、どれだけ搾られようとも、ユウは腹上死する事は無い。毎日毎日ニーナにセックスで搾られ、とっくにインキュバスになってしまっていたのだ。

 口では『もう無理』と言っていたユウだが、ニーナが逸物を求めて腰をくねらせ始めると結局は彼女の動きに合わせて腰を突き上げる。身体はすっかりニーナを求めてしまっており、彼自身の意思でもセックスを止めるのは不可能になっている。

「ああんっ! おちんちん、ビクビクしてぇ♪ ナカでおっきくなってぇ……また出すの? 出すのぉ?」
「ヤバイっ! ニーナ、またすぐに出そうっ!」
「出してぇ! もっと責めてっ、私を犯してぇぇっ!」

 歓喜の声をあげながら、ニーナは自身も身体を弾ませて最奥まで逸物を迎え入れる。部屋中にばちゅんっばちゅんっ、と音が響き、結合部からは精液と愛液の混じった混合物が勢い良く飛び散る。その強烈な快感に、ユウはもう息も絶え絶えである。

 ユウがそんな状態なのに、さらにニーナは尻尾でぐりぐりと彼の後ろの穴を責める。そうしながらユウを引き寄せ、その唇を奪う。舌を絡め、もげるのではないかと思う程に吸いながら器用に腰を動かし、尻尾で前立腺を責める。

「ちょっ!? ニーナっ、それは……んむっ! んんっ、んんーーーっ!」

 正常位でニーナが下になっているにも関わらず、主導権は彼女が握っている。口内、逸物、そして前立腺の三点同時責めに、ユウはあっけなくイく。彼は彼女にしがみ付いて逸物を膣奥に押し込むようにしながら、目を見開いて盛大に射精する。

「んんぅっ! んむっ……んっ、んはぁぁっ! あっ、あんっ! セーエキいっぱい出てるぅ! ナカで、びゅくびゅくってぇ!」

 ニーナも再び子宮を満たす精液の感触に歓喜の声をあげ、そしてギュッとユウにしがみ付いて受け入れる。一方のユウは、強烈な快感によって意識が飛び、あっけなく失神してしまっていた。

「あんっ! ユウくんのイキ顔、可愛いっ♪」

 豊満な身体を押し付けながら、ニーナはユウの顔中に口付けをする。そして、精液を塗りつけるようにぐりぐりと腰を押し付けて快楽を刻み込む。

「ユウくん、起きてっ……ねえっ、もっと責めてよぉ! ユウくんのセーエキ、もっと欲しいのぉ!」

 どうやら夜の営みは、まだまだ終わらないらしい。ニーナは初めて出来た恋人にすっかり舞い上がってしまっている。もう夜は抱き合ったままでないと眠れないほどである。実際、ユウと繋がりながら眠ってしまう事もしばしばで、それほどニーナはユウに依存してしまっていた。

「えへへっ♪ ユウくんっ、大好きよっ♪」

 もはや、ニーナに『鉄仮面』の面影は皆無である。こうして彼女は朝までねっとりとユウから精を奪いまくるのであった。
16/01/16 09:59更新 / 香炉 夢幻
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