恵みの雨
土砂降りな状態の中、俺が外出先から帰った時、その女は家の前で雨に打たれて震えていた。屋根の下に入って雨宿りをしていたようであるが、横風が激しく全身ずぶぬれとなっていた。
俺は可愛そうになり、その女を家の中に入れた。その女はラージマウスのような耳を持ち、手足に白い毛皮がある魔物娘であった。そして、武芸者のような格好をしている。ラージマウスの武道家とは珍しい。俺自身、武術とか剣術の才能は皆無であり、とても武者修行とか考えられない。
おっと、風呂の準備を忘れていた。それに夕食の準備もしなければ。優先順位を考えて、まずは風呂を沸かすのが先か。ずっとずぶ濡れで居たのだから、早く風呂に入れないと風邪を引いてしまう。……魔物娘って、風邪引いたっけ？ まあいい、とりあえず温まった方が良いのは間違いない。風呂を急いで沸かした俺は彼女を風呂に追いたて、夕食の準備を始める事にした。
＊＊＊＊＊
女は湯船に浸かりながら、男のことを考えていた。
今まで武者修行で諸国を旅して回ったが、ここまで親切な人間は居なかった。魔物と見れば、皆彼女を避けてきた。しかし、彼女自身も人間に興味は無いそぶりを見せてきた。
自身はこれまで、闘争心に従って拳を振るってきた。あるいはそれは、自分の中にある不安とかを隠す為だったのかもしれない。
しかし、大雨に見舞われ、一人でずぶ濡れになりながら雨宿りしていた時、今まで感じたことの無い寂しさを感じた。水に濡れて毛皮の火が消えたとき、彼女は言いようの無い不安に襲われた。
物心ついたときから一人であった為、一人には慣れていた筈である。しかし、初めて人の優しさに触れた時、彼女はなんとも言えない温かさを感じた。それは決して、今浸かっている湯船のせいだけではない。
自分自身がこんなに臆病で寂しがりやだとは。そして、それを改めて自覚させたこの家の家主……。
「…………」
彼女はとある決心をし、ザバッと湯船から出た。
＊＊＊＊＊
夕食の準備をしていた俺は、背後で風呂から誰かが出てくる音を聞いた。どうやら入浴を終えたらしい。
「随分早いな――」
俺は背後の女に声をかけながら振り向き、そしてフリーズした。
「――お、お、お前っ！ 何て格好してんだっ！」
女は、素っ裸だった。俺は慌てて顔を背け、女に背を向ける。しっかりと見てしまった。妖艶な鎖骨の辺りとか、たわわに実ったおっぱいだとか、くびれた腰に、アソコの部分……。全部、目に入ってしまった。
「早くっ、早く服を着てくれっ！」
ずぶ濡れで居たのだから、彼女が着替えなど持っている筈がない。そのことを忘れる程に、俺は動揺していた。そんな俺の背に、その魔物娘が抱きついてくる。
「私を、抱イテ？」
「はいぃぃっ？！」
そして、その魔物娘の言葉に、俺はますますパニックになる。
（何だと？ 今、何て言ったんだ？）
自分の耳で聞いた言葉が信じられず、俺は思わず背後の女を振り返った。そして、間近で見た彼女の顔に、衝撃を受ける。
（ヤベえ、滅茶苦茶可愛い……）
潤んだ瞳に、眉尻の少し下がった表情。そして滑らかな頬のラインに、艶やかな唇。少し上気した頬が、色っぽい。彼女のあまりの美少女ぶりに、俺は何も言えなくなってしまう。要するに、一目惚れである。
「私、寂しかったアル。今まで一人旅したケド、さっき雨に打たれた時、急に一人が辛くなったアル。だから、貴方に優しくされた時、嬉しかったアル」
「そ、そんな理由で……」
俺は、彼女の言葉に唖然とする。困ってる人に親切にするのは当然ではないか。その程度の理由でお礼など、あまりに貞操が軽い気がした。
しかし、彼女は俺のその考えを否定する。
「これは、お礼じゃないアル。私、お前惚れたアル。今まで親切してくれた人、誰も居なかた。皆、見て見ぬ振りアル。たとえ目の前で人倒れてても、皆素通りアル。でも、貴方違う。私、貴方の傍居たいアル」
カタコトの言葉で、かきくどくように言う彼女。倒れてても素通りって、どれだけ殺伐とした世界に居たんだ？ そう思う俺であったが、もはや彼女を拒絶する事は出来ない。
彼女は俺の頭を両手で挟み込むように掴むと、そのまま口付けてくる。当然、俺は避けられない。いや、避けない。彼女の唇と俺のそれがゼロ距離になり、そのまま貪られる。
「んっ、んむっ……んふぅ、ん、ちゅっ、ちゅむっ……」
蕩けた目で俺を見ながら、キスを続ける彼女。その彼女の様子に、だんだん俺も引き込まれていく。彼女の唇は柔らかく、それでいてねっとりと甘く、熱い。そこに彼女の思いまでが込められているようで、だんだん俺も彼女が欲しいと思うようになってしまった。
「ちゅぱっ……ぷはぁっ！ す、好きアル。抱いて欲しアル」
彼女が再び俺を誘惑する。俺の方も、彼女を抱く事で頭がいっぱいになっている。何だかんだで、惚れた女を自分のモノにしたい。その気持ちでいっぱいである。
「なあ、本当に俺でいいのか？」
「貴方がいいアル。早く抱くヨロシ」
彼女はじれったいとばかりに俺を押し倒すと、服を剥ぎ取りにかかってきた。
＊＊＊＊＊
「あんっ！ はんっ……ああっ、おっきい！ おっきいアルぅぅっ！」
俺の身体の下で、盛大に鳴く魔物娘。初めてだったのか、最初は痛そうなそぶりを見せた彼女であったが、時間が経つにつれ、だんだん快感の声を大きくしていく。その艶かしい声に、俺はますます興奮を抑えきれなくなる。
「はあんっ！ もっと、もっと突いてっ！ 突いて欲しアルっ！」
彼女がすがりつくように、俺の手を掴んでくる。指を絡めてしっかりとその手を握り返しながら、俺はますます速い腰の動きで彼女を突きまくる。彼女のナカは狭く、柔らかい襞がぎゅうぎゅうに絡み付いてくる。その感触に絶頂に追い込まれた俺は、あっけなく彼女のナカにありったけの精液を吐き出してしまう。
「ああぁぁっ！ 凄いアルっ！ お腹、お腹熱いアルぅぅぅっ！」
ナカに出された感触を感じたのか、彼女は甘い声をあげ、両足で俺の身体をホールドする。まるで、もう二度と逃がさないと言わんばかりに。
「はあ、はあ……すまん」
自分勝手に動き、彼女をイかせる事なく先に出してしまった。しかも彼女の了承を得る事なく中出しまでしてしまったのだ。
しかし、彼女は怒る気配が無かった。
「ん、いいの。私も気持ち良かたアル」
「だが、勝手にお前のナカに出してしまって――」
「……春麗。もう他人じゃなから、春麗て呼で欲しアル」
春麗は、そう言って俺の手をぎゅっと握る。
「春麗か、良い名だな」
「貴方、名前は？」
「俺は、琥珀」
「琥珀……琥珀、ふふっ」
春麗は俺の名を何度も唱えると、ふふっと幸せそうに笑う。そして、彼女は腕を伸ばして俺の身体を抱き寄せると同時に、くるっと身体を入れ替えた。
「琥珀。次、私が上ナル」
春麗はそう言うと、俺の胸に手をついて上体を起こし、そして腰をゆるゆると動かして快感を貪り始める。結合部からはにちゃにちゃと卑猥な音が聞こえ、そして精液と愛液や破瓜の血やらが混ざったものがあふれ出しているのが見えた。
「ん、奥、コツコツ当たって……ふぁぁぁっ！」
春麗が気持ちよさそうな声をあげ、なおも腰をくねくねと揺らし、そして上下に動かす。彼女が動くたび、形の良いおっぱいがたぷたぷと揺れ、俺の劣情を増していく。
俺は春麗のおっぱいに両手を持っていき、そしてそれを揉む。柔らかいながらも張りがあり、弾力を秘めたその魅惑の果実に、俺はますます溺れていく。
「はあんっ、そんなっ！ お、おっぱい……おっぱいイイーーーっ！」
形が変わるぐらい強く揉むと、春麗がとても良い声で鳴く。そんな彼女の声がもっと聞きたくて、俺は先端の蕾までもつまんで刺激する。
「あんっ！ だめっ、だめアルっ！ そんなされたら、イっちゃうアルぅぅぅっ！」
俺が蕾をつまむたび、春麗のナカがぎゅっと締まるのを感じた。どうやら、ここが弱点らしい。俺はおっぱいを弄ると同時に、腰を突き上げてナカも一緒に刺激する。
「あっ！ やっ！ だめっ、イくっ！ イクイク、イクぅぅぅーーーっ！」
そして今度は、春麗がイってしまう。すでに射精していた俺は、こんどは余裕をもって春麗の様子を観察した。
くたくたと俺の上に倒れこむ春麗は、絶頂の余韻に浸ってはあはあと荒い息をついている。そして、俺にぎゅっとしがみついてくる。
「凄え。春麗って、結構激しいんだな」
「やんっ、言わないで……」
俺が春麗に声を掛けると、彼女は恥ずかしさで俺の胸に顔を埋める。そんな照れる彼女の様子が見たくて、俺はなおも言葉を続ける。
「声も激しいし、イく時の顔も滅茶苦茶可愛かったぞ」
「……もうっ、琥珀のバカ」
「いやいや本当なんだって。まだ俺こんなに固いままなんだから」
そう言って俺は、未だに春麗のナカに入ったままの逸物を突き上げ、彼女の奥を小突く。それだけで春麗は甘い声を出す。
「なあ、もう一回いいか？ まだ収まらないんだ」
俺は春麗を抱き寄せ、彼女の耳元で囁く。春麗はその言葉で顔を真っ赤にするが、やがてコクンと首を縦に振った。
俺は春麗の身体を抱えたまま身体を入れ替え、再度上に戻る。そして、上体を起こして彼女の腰を掴むと、本格的に激しく責め立てた。
「あっ、あんっ！ やっ、奥、当たって……ああんっ、ああんっ！」
そして、ガンガン突かれる春麗は、子宮の入り口を小突かれる感覚に我を忘れる。ふと見れば、逸物が彼女の本気汁で真っ白に染まっている。本当に感じてくれていると知ると、ますます嬉しくなって俺は腰の動きを速めていった。
「あっ、そんな……激しいアルっ！ 奥、ごちゅごちゅって……はああぁぁぁっ！」
春麗はあられもない声で快感をアピールしながら、俺の腕を掴んでくる。しかし、決して拒んでいる訳ではなく、それどころか自ら腰を浮かせて奥の奥まで逸物を迎えようとする。
「あんっ、あんっ！ やんっ、イクっ！ またイクっ！」
「少し待ってくれ、今度は一緒にイくぞ」
「あひぃぃっ！ もうだめアルっ！ 早く、早く出すネぇぇっ！」
春麗はもう待てないとばかりにあえぎ声を高め、ますます激しく腰を揺らそうとする。そんな春麗の腰をしっかりと押さえつけ、俺はガンガン突きまくった。そして、春麗の絶頂に追いつこうと、腰の動きを速くしていく。
「あはぁぁっ！ あひぃぃっ、はひぃぃっ！ イクっ、イクイクイクぅぅぅっ！」
「もう少し待て。俺もすぐ……ううっ！」
そして春麗は耐えられずに絶頂に達する。その時、膣がぎゅうっと締まり、程なくして俺も春麗のナカに再び射精した。
お互いはあはあと息を荒げ、絶頂の余韻に浸る。そして俺は、気だるさを感じながらぐたっと春麗に覆いかぶさった。
「凄え、気持ちよかった」
「私も、すっごく良かたアル」
春麗は、覆いかぶさった俺の身体に腕を回し、ぎゅむっと抱きつく。そして、上目遣いで俺の顔を見ながら言う。
「ねえ、これで私たち、ずと一緒アルね？」
「ああ。もうずっと一緒だ」
「嬉しいアル！ 琥珀、大好きネ！」
俺の言葉に気を良くした春麗は、俺に頬ずりしてきた。
＊＊＊＊＊
「ほら、だらしないアル！ しっかりするネ！」
庭先にて、俺は春麗に徹底的に鍛えられていた。
俺はどうやら勘違いしていたらしく、春麗はラージマウスではなかったようである。もちろん、ドーマウスでもない。
ネズミはネズミでも、彼女は火鼠という魔物とのこと。この魔物は霧の大陸に生息する魔物であり、それ以外の土地で見かける事は滅多にない。道理で今まで聞いたことない訳である。
「ほら、何ぼうっとしてるアルか？ 早く拳を引かないと、次の行動に移れないアル！」
慣れない鍛錬にへたばる俺に、容赦ない声が飛ぶ。彼女というか火鼠の特徴として、強気という一面がある。自信家で闘争心が強く、とても俺の力では彼女を抑えられない。
しかも、火鼠という魔物は本来は男に興味を示さず、彼女を手に入れるには武術で勝つしか方法は無い。もし土砂降りの雨の中で出会わなければ、見向きもされなかったであろう。なんせ、俺は武術に関しては素質ゼロであり、覇気どころか闘気すら皆無なのだから。
「ほ、本当に俺で良かったのか？ 他に強い男はたくさん居るぞ？」
今さら彼女と結ばれておいて何言ってんだ、とは自分でも思うのだが、時々不安になるのだ。明らかに自分と春麗では釣り合っていない。俺は春麗の組み手を相手するには役不足もいいところである。
「強いだけの男なら、いくらでもいるネ。私は、琥珀の心に惚れたアル」
だから自信持て、と彼女は言う。それを聞いて、俺はいくらか心が軽くなる。
それに春麗曰く、俺に武術の素質が皆無な訳ではないらしい。彼女によれば、俺の身体が整っていないそうである。だから基礎体力と筋力をつけ、反復練習で動きを身体に覚えさせれば、格段に上達するとの事。それを聞いた俺は一念発起して春麗の指導の下、鍛錬を開始したのだが……。
「もう我慢できないアル！ 琥珀っ、今すぐシて欲しいアルっ！」
彼女はそう言って、俺を押し倒す。
「マジで？ まだ朝だぞ！」
「だって、身体が疼いて、鍛錬じゃ発散できないアル！」
それに、こんなにエッチな身体にしたのは琥珀だから責任もって抱け、と彼女は言う。俺と結ばれて以降、もう俺無しでは居られないとの事である。
情けない事に、彼女が本気になれば俺はなすがままにされるしかない。いつものように、俺は春麗によって散々に犯されるのであった。
「えへへ。琥珀、大好きアル」
【完】
俺は可愛そうになり、その女を家の中に入れた。その女はラージマウスのような耳を持ち、手足に白い毛皮がある魔物娘であった。そして、武芸者のような格好をしている。ラージマウスの武道家とは珍しい。俺自身、武術とか剣術の才能は皆無であり、とても武者修行とか考えられない。
おっと、風呂の準備を忘れていた。それに夕食の準備もしなければ。優先順位を考えて、まずは風呂を沸かすのが先か。ずっとずぶ濡れで居たのだから、早く風呂に入れないと風邪を引いてしまう。……魔物娘って、風邪引いたっけ？ まあいい、とりあえず温まった方が良いのは間違いない。風呂を急いで沸かした俺は彼女を風呂に追いたて、夕食の準備を始める事にした。
＊＊＊＊＊
女は湯船に浸かりながら、男のことを考えていた。
今まで武者修行で諸国を旅して回ったが、ここまで親切な人間は居なかった。魔物と見れば、皆彼女を避けてきた。しかし、彼女自身も人間に興味は無いそぶりを見せてきた。
自身はこれまで、闘争心に従って拳を振るってきた。あるいはそれは、自分の中にある不安とかを隠す為だったのかもしれない。
しかし、大雨に見舞われ、一人でずぶ濡れになりながら雨宿りしていた時、今まで感じたことの無い寂しさを感じた。水に濡れて毛皮の火が消えたとき、彼女は言いようの無い不安に襲われた。
物心ついたときから一人であった為、一人には慣れていた筈である。しかし、初めて人の優しさに触れた時、彼女はなんとも言えない温かさを感じた。それは決して、今浸かっている湯船のせいだけではない。
自分自身がこんなに臆病で寂しがりやだとは。そして、それを改めて自覚させたこの家の家主……。
「…………」
彼女はとある決心をし、ザバッと湯船から出た。
＊＊＊＊＊
夕食の準備をしていた俺は、背後で風呂から誰かが出てくる音を聞いた。どうやら入浴を終えたらしい。
「随分早いな――」
俺は背後の女に声をかけながら振り向き、そしてフリーズした。
「――お、お、お前っ！ 何て格好してんだっ！」
女は、素っ裸だった。俺は慌てて顔を背け、女に背を向ける。しっかりと見てしまった。妖艶な鎖骨の辺りとか、たわわに実ったおっぱいだとか、くびれた腰に、アソコの部分……。全部、目に入ってしまった。
「早くっ、早く服を着てくれっ！」
ずぶ濡れで居たのだから、彼女が着替えなど持っている筈がない。そのことを忘れる程に、俺は動揺していた。そんな俺の背に、その魔物娘が抱きついてくる。
「私を、抱イテ？」
「はいぃぃっ？！」
そして、その魔物娘の言葉に、俺はますますパニックになる。
（何だと？ 今、何て言ったんだ？）
自分の耳で聞いた言葉が信じられず、俺は思わず背後の女を振り返った。そして、間近で見た彼女の顔に、衝撃を受ける。
（ヤベえ、滅茶苦茶可愛い……）
潤んだ瞳に、眉尻の少し下がった表情。そして滑らかな頬のラインに、艶やかな唇。少し上気した頬が、色っぽい。彼女のあまりの美少女ぶりに、俺は何も言えなくなってしまう。要するに、一目惚れである。
「私、寂しかったアル。今まで一人旅したケド、さっき雨に打たれた時、急に一人が辛くなったアル。だから、貴方に優しくされた時、嬉しかったアル」
「そ、そんな理由で……」
俺は、彼女の言葉に唖然とする。困ってる人に親切にするのは当然ではないか。その程度の理由でお礼など、あまりに貞操が軽い気がした。
しかし、彼女は俺のその考えを否定する。
「これは、お礼じゃないアル。私、お前惚れたアル。今まで親切してくれた人、誰も居なかた。皆、見て見ぬ振りアル。たとえ目の前で人倒れてても、皆素通りアル。でも、貴方違う。私、貴方の傍居たいアル」
カタコトの言葉で、かきくどくように言う彼女。倒れてても素通りって、どれだけ殺伐とした世界に居たんだ？ そう思う俺であったが、もはや彼女を拒絶する事は出来ない。
彼女は俺の頭を両手で挟み込むように掴むと、そのまま口付けてくる。当然、俺は避けられない。いや、避けない。彼女の唇と俺のそれがゼロ距離になり、そのまま貪られる。
「んっ、んむっ……んふぅ、ん、ちゅっ、ちゅむっ……」
蕩けた目で俺を見ながら、キスを続ける彼女。その彼女の様子に、だんだん俺も引き込まれていく。彼女の唇は柔らかく、それでいてねっとりと甘く、熱い。そこに彼女の思いまでが込められているようで、だんだん俺も彼女が欲しいと思うようになってしまった。
「ちゅぱっ……ぷはぁっ！ す、好きアル。抱いて欲しアル」
彼女が再び俺を誘惑する。俺の方も、彼女を抱く事で頭がいっぱいになっている。何だかんだで、惚れた女を自分のモノにしたい。その気持ちでいっぱいである。
「なあ、本当に俺でいいのか？」
「貴方がいいアル。早く抱くヨロシ」
彼女はじれったいとばかりに俺を押し倒すと、服を剥ぎ取りにかかってきた。
＊＊＊＊＊
「あんっ！ はんっ……ああっ、おっきい！ おっきいアルぅぅっ！」
俺の身体の下で、盛大に鳴く魔物娘。初めてだったのか、最初は痛そうなそぶりを見せた彼女であったが、時間が経つにつれ、だんだん快感の声を大きくしていく。その艶かしい声に、俺はますます興奮を抑えきれなくなる。
「はあんっ！ もっと、もっと突いてっ！ 突いて欲しアルっ！」
彼女がすがりつくように、俺の手を掴んでくる。指を絡めてしっかりとその手を握り返しながら、俺はますます速い腰の動きで彼女を突きまくる。彼女のナカは狭く、柔らかい襞がぎゅうぎゅうに絡み付いてくる。その感触に絶頂に追い込まれた俺は、あっけなく彼女のナカにありったけの精液を吐き出してしまう。
「ああぁぁっ！ 凄いアルっ！ お腹、お腹熱いアルぅぅぅっ！」
ナカに出された感触を感じたのか、彼女は甘い声をあげ、両足で俺の身体をホールドする。まるで、もう二度と逃がさないと言わんばかりに。
「はあ、はあ……すまん」
自分勝手に動き、彼女をイかせる事なく先に出してしまった。しかも彼女の了承を得る事なく中出しまでしてしまったのだ。
しかし、彼女は怒る気配が無かった。
「ん、いいの。私も気持ち良かたアル」
「だが、勝手にお前のナカに出してしまって――」
「……春麗。もう他人じゃなから、春麗て呼で欲しアル」
春麗は、そう言って俺の手をぎゅっと握る。
「春麗か、良い名だな」
「貴方、名前は？」
「俺は、琥珀」
「琥珀……琥珀、ふふっ」
春麗は俺の名を何度も唱えると、ふふっと幸せそうに笑う。そして、彼女は腕を伸ばして俺の身体を抱き寄せると同時に、くるっと身体を入れ替えた。
「琥珀。次、私が上ナル」
春麗はそう言うと、俺の胸に手をついて上体を起こし、そして腰をゆるゆると動かして快感を貪り始める。結合部からはにちゃにちゃと卑猥な音が聞こえ、そして精液と愛液や破瓜の血やらが混ざったものがあふれ出しているのが見えた。
「ん、奥、コツコツ当たって……ふぁぁぁっ！」
春麗が気持ちよさそうな声をあげ、なおも腰をくねくねと揺らし、そして上下に動かす。彼女が動くたび、形の良いおっぱいがたぷたぷと揺れ、俺の劣情を増していく。
俺は春麗のおっぱいに両手を持っていき、そしてそれを揉む。柔らかいながらも張りがあり、弾力を秘めたその魅惑の果実に、俺はますます溺れていく。
「はあんっ、そんなっ！ お、おっぱい……おっぱいイイーーーっ！」
形が変わるぐらい強く揉むと、春麗がとても良い声で鳴く。そんな彼女の声がもっと聞きたくて、俺は先端の蕾までもつまんで刺激する。
「あんっ！ だめっ、だめアルっ！ そんなされたら、イっちゃうアルぅぅぅっ！」
俺が蕾をつまむたび、春麗のナカがぎゅっと締まるのを感じた。どうやら、ここが弱点らしい。俺はおっぱいを弄ると同時に、腰を突き上げてナカも一緒に刺激する。
「あっ！ やっ！ だめっ、イくっ！ イクイク、イクぅぅぅーーーっ！」
そして今度は、春麗がイってしまう。すでに射精していた俺は、こんどは余裕をもって春麗の様子を観察した。
くたくたと俺の上に倒れこむ春麗は、絶頂の余韻に浸ってはあはあと荒い息をついている。そして、俺にぎゅっとしがみついてくる。
「凄え。春麗って、結構激しいんだな」
「やんっ、言わないで……」
俺が春麗に声を掛けると、彼女は恥ずかしさで俺の胸に顔を埋める。そんな照れる彼女の様子が見たくて、俺はなおも言葉を続ける。
「声も激しいし、イく時の顔も滅茶苦茶可愛かったぞ」
「……もうっ、琥珀のバカ」
「いやいや本当なんだって。まだ俺こんなに固いままなんだから」
そう言って俺は、未だに春麗のナカに入ったままの逸物を突き上げ、彼女の奥を小突く。それだけで春麗は甘い声を出す。
「なあ、もう一回いいか？ まだ収まらないんだ」
俺は春麗を抱き寄せ、彼女の耳元で囁く。春麗はその言葉で顔を真っ赤にするが、やがてコクンと首を縦に振った。
俺は春麗の身体を抱えたまま身体を入れ替え、再度上に戻る。そして、上体を起こして彼女の腰を掴むと、本格的に激しく責め立てた。
「あっ、あんっ！ やっ、奥、当たって……ああんっ、ああんっ！」
そして、ガンガン突かれる春麗は、子宮の入り口を小突かれる感覚に我を忘れる。ふと見れば、逸物が彼女の本気汁で真っ白に染まっている。本当に感じてくれていると知ると、ますます嬉しくなって俺は腰の動きを速めていった。
「あっ、そんな……激しいアルっ！ 奥、ごちゅごちゅって……はああぁぁぁっ！」
春麗はあられもない声で快感をアピールしながら、俺の腕を掴んでくる。しかし、決して拒んでいる訳ではなく、それどころか自ら腰を浮かせて奥の奥まで逸物を迎えようとする。
「あんっ、あんっ！ やんっ、イクっ！ またイクっ！」
「少し待ってくれ、今度は一緒にイくぞ」
「あひぃぃっ！ もうだめアルっ！ 早く、早く出すネぇぇっ！」
春麗はもう待てないとばかりにあえぎ声を高め、ますます激しく腰を揺らそうとする。そんな春麗の腰をしっかりと押さえつけ、俺はガンガン突きまくった。そして、春麗の絶頂に追いつこうと、腰の動きを速くしていく。
「あはぁぁっ！ あひぃぃっ、はひぃぃっ！ イクっ、イクイクイクぅぅぅっ！」
「もう少し待て。俺もすぐ……ううっ！」
そして春麗は耐えられずに絶頂に達する。その時、膣がぎゅうっと締まり、程なくして俺も春麗のナカに再び射精した。
お互いはあはあと息を荒げ、絶頂の余韻に浸る。そして俺は、気だるさを感じながらぐたっと春麗に覆いかぶさった。
「凄え、気持ちよかった」
「私も、すっごく良かたアル」
春麗は、覆いかぶさった俺の身体に腕を回し、ぎゅむっと抱きつく。そして、上目遣いで俺の顔を見ながら言う。
「ねえ、これで私たち、ずと一緒アルね？」
「ああ。もうずっと一緒だ」
「嬉しいアル！ 琥珀、大好きネ！」
俺の言葉に気を良くした春麗は、俺に頬ずりしてきた。
＊＊＊＊＊
「ほら、だらしないアル！ しっかりするネ！」
庭先にて、俺は春麗に徹底的に鍛えられていた。
俺はどうやら勘違いしていたらしく、春麗はラージマウスではなかったようである。もちろん、ドーマウスでもない。
ネズミはネズミでも、彼女は火鼠という魔物とのこと。この魔物は霧の大陸に生息する魔物であり、それ以外の土地で見かける事は滅多にない。道理で今まで聞いたことない訳である。
「ほら、何ぼうっとしてるアルか？ 早く拳を引かないと、次の行動に移れないアル！」
慣れない鍛錬にへたばる俺に、容赦ない声が飛ぶ。彼女というか火鼠の特徴として、強気という一面がある。自信家で闘争心が強く、とても俺の力では彼女を抑えられない。
しかも、火鼠という魔物は本来は男に興味を示さず、彼女を手に入れるには武術で勝つしか方法は無い。もし土砂降りの雨の中で出会わなければ、見向きもされなかったであろう。なんせ、俺は武術に関しては素質ゼロであり、覇気どころか闘気すら皆無なのだから。
「ほ、本当に俺で良かったのか？ 他に強い男はたくさん居るぞ？」
今さら彼女と結ばれておいて何言ってんだ、とは自分でも思うのだが、時々不安になるのだ。明らかに自分と春麗では釣り合っていない。俺は春麗の組み手を相手するには役不足もいいところである。
「強いだけの男なら、いくらでもいるネ。私は、琥珀の心に惚れたアル」
だから自信持て、と彼女は言う。それを聞いて、俺はいくらか心が軽くなる。
それに春麗曰く、俺に武術の素質が皆無な訳ではないらしい。彼女によれば、俺の身体が整っていないそうである。だから基礎体力と筋力をつけ、反復練習で動きを身体に覚えさせれば、格段に上達するとの事。それを聞いた俺は一念発起して春麗の指導の下、鍛錬を開始したのだが……。
「もう我慢できないアル！ 琥珀っ、今すぐシて欲しいアルっ！」
彼女はそう言って、俺を押し倒す。
「マジで？ まだ朝だぞ！」
「だって、身体が疼いて、鍛錬じゃ発散できないアル！」
それに、こんなにエッチな身体にしたのは琥珀だから責任もって抱け、と彼女は言う。俺と結ばれて以降、もう俺無しでは居られないとの事である。
情けない事に、彼女が本気になれば俺はなすがままにされるしかない。いつものように、俺は春麗によって散々に犯されるのであった。
「えへへ。琥珀、大好きアル」
【完】
14/11/05 23:15更新 / 香炉 夢幻