氷の女上司
***社内***
「幽井君、ちょっと来なさい」
背後から俺を呼ぶ声がした時、俺が思わず天を仰ぎたくなった。
(……うわっ、何かやらかしちまったか?!)
背筋も凍るような、低い声。俺は壊れかけのブリキの人形のように、ギギギッと音が出そうなほどゆっくりと振り向いた。すると、目の前には冷めた表情の女性が居た。
実はこの女性、俺の上司である冬野雪乃であり、四年目にしてリーダーに抜擢されたやり手である。彼女、名前の通り冬の代名詞ともいうべき魔物・ゆきおんなであり、社内では『氷の女上司』と言われている。実際、彼女は社内では普段からツンと冷たく、笑顔を見せる事は無い。綺麗な美貌という事もあり、それが一層怖さを引き立たせている。
彼女に睨まれれば、メドゥーサが石化するよりも早く凍りつくという評判であり、実際に彼女に睨まれれば皆、蛇に睨まれた蛙のようになってしまう。もちろん、俺も例外ではない。
職場の皆は「ご愁傷様」とでもいうような憐れみの視線を俺に向けている。彼女がこの部署のリーダーとなって以降、何かと俺が怒られ役になっているのだ。まだ新人という事もあり、ミスも多いので仕方無いとは自分でも思っている。
だが、些細な事でも常に氷の視線で怒られるので、正直そこまで怒るのもどうかとも思っている。それに、今回のミスは俺だけの問題ではないと思うのだが。
「幽井君! 貴方、本当に依頼内容の引継ぎをしたの? いつまで経っても折り返しの電話が無いって怒ってたわよ!」
「ほ、本当に根久さんに伝えました。根久さんも『分かった』と言ってたので、電話されたものと……」
「だから、そこを確認すべきでしょうが! 根久君も何件も仕事抱えてるんだから、忘れる事もあるでしょうが! 何で『○○さんの件、どうでした?』とか言えないのよ! これだから貴方はダメなのよ!」
正直、理不尽だと思う。きちんと伝える事は伝えたし、至急の依頼だという事も伝えている。根久さんが忘れたのが原因だと思う。だが、そこまで言える訳が無い。
長時間怒られっぱなしの末、ようやく解放された俺に、先輩の根久が申し訳なさそうにやってくる。
「幽井、すまんかった」
「いえ……」
俺は短く返事をする。この時の心境は、正直に言えば投げやりなものになっていた。内心で腹が立っているのが顔に出ていたのであろう、周囲の人が俺に気を使っているような気配も感じる。
『さすがに、あれは可哀想よね』
『家でも職場でも冬野さんと一緒じゃ、休まる時がないよね』
近くでは、同僚の娘らが俺を哀れんで噂している。だが、彼女らがそのように思うのも無理は無いであろう。実は俺と上司である冬野雪乃は、いわゆる恋人同士であるのは周知の事実である。それも、冬野雪乃から告白し、半ば強引に恋人になった事も知られている。だから、同僚がプライベートでも束縛されて雁字搦めになっているであろう俺を哀れむのも仕方無い。
しかし、実際のプライベートでは、俺はそこまで不自由はしていない。おそらく彼女らには、冬野雪乃の別の顔など想像もつかないであろう。
***玄関***
「ただいまぁ……」
疲れた身体を引きずり、弱々しい声を出しながら部屋に帰宅する俺。それを出迎えたのは、『氷の女上司』である雪乃。
「けーくん、おかえりぃ♪」
裸エプロン姿で甘ったるい口調で出迎える、雪乃。きっと同僚がこの雪乃の姿を見れば、驚愕のあまり卒倒するであろう。実際、俺も初めてこの雪乃を見た時は、思わず固まってしまった。社内でもプライベートでも人を固まらせる雪乃、恐るべしである。
「けーくん、疲れたでしょう? 今日はあんなに怒ってごめんね」
そう言いながら、すがり付いてくる彼女。その彼女に、俺は昼間の怒りを思い出す。といっても、その怒りは雪乃の申し訳なさそうな顔を見て殆ど吹き飛んでいたが。
「ねえ、ご飯にする? お風呂にする? それとも……わ・た・し?」
定番とも言える台詞を言いながら、雪乃が俺の唇を無理矢理奪う。選択肢を提示しながらも、自分を差し出す気でいるのが伝わってくる。だから遠慮なく、俺は最初に雪乃を選ぶことにした。
雪乃の背に腕を回し、抱き寄せる俺。雪乃も俺の首筋に回した腕の力を強くし、いっそう深々と抱き合う形になる。そしてそのまま、しばらく甘い口付けを交わし続けた。
「あむっ、んっ……んちゅっ、ちゅぅっ! んむっ、んふぅ……」
目を閉じ、一心不乱に唇を貪ってくる雪乃。深く、そして長い口付けの後、彼女はもう堪らないといった表情で俺の足元に跪く。
「んああっ、私もう……」
俺のズボンをまさぐり、チャックを下ろして逸物を引っ張り出す雪乃。先ほどの口付けで、既に俺の逸物は固くそそり立っている。
「凄い、こんなに大きく……あむっ!」
ずっぽりと逸物を咥え込む彼女。そしてそのまま、ジュポジュポと音を立てて激しく頭を前後に動かし始める。
彼女のフェラに、俺はもう射精寸前に追い込まれる。そんな俺の様子を、雪乃は上目遣いで窺いながら頬をすぼめてフェラを一層激しくしていく。
「やばっ、もう出るっ!」
止めることなど出来なかった。雪乃を制止する間も無く、俺はあっけなく射精してしまう。
「んんっ! んぐっ、んっ、ごきゅっ……」
彼女は逸物をぐっぽりと咥えたまま口中の吐き出された精液を喉奥で受け止め、そしてそのまま流し込むようにして飲み込んでしまう。そのまま口中の精液を全て飲み干すと、咥えたままの逸物をじゅぞぞっと吸い上げながらゆっくりと頭を引いていく。そして、残滓まで飲み干すと口からちゅぽんっと逸物を離した。
「んふふっ、凄く濃いのがいっぱい出たね」
雪乃は妖艶な微笑みを見せると、立ち上がって再び抱きついてくる。そして、唇を突き出して再度口付けをねだってくる。俺は彼女の要望どおりに、その艶やかな唇を奪いに行く。
彼女の唇からは、かすかに生臭い味がしたが、俺はもはや気にならなかった。何故なら、俺は既に彼女の虜になっていたのだから。俺は雪乃の唇を貪っているうちに、これでは足りないとさえ思った。俺はむき出しの彼女の背に手を這わせ、そしてお尻や太ももや脇腹、さらにはエプロンの脇から手をねじ込んで胸も揉みまくった。
「んんっ! んふぅぅっ! んあぁっ、あふぅ……はふぅ」
俺の手の愛撫に、雪乃は息を荒くする。その彼女の姿を見ると、俺は再び逸物が一層ガチガチに固くなっていくのを感じた。
「なあ、ここでシてもいい? 俺、雪乃のナカに入れたい」
「あんっ! い、いいよぉ……私も、今すぐここでシたい……」
雪乃は壁に手をつき、お尻を突き出す。その背後から俺は遠慮なく逸物を彼女の膣内にぶち込んでいった。仕事の疲れなど、興奮でとっくに吹き飛んでいる。今は、彼女を犯す事しか頭になかった。
「あああぁぁぁーーーっ! け、けーくんの、入ってるぅぅぅっ!」
確実に近所に響く声で、雪乃が快感の叫び声をあげる。その彼女の声がもっと聞きたくて、俺は彼女の腰のくびれをつかんでガンガン突きまくった。
「あはぁぁっ! ああんっ! イクっ、イクぅぅぅーーーっ!」
ばちゅんばちゅんっと愛液が飛び散る程に奥を抉りまくると、雪乃は盛大に喘いで快感をアピールする。きっと、その声は隣近所に響いているだろう。だが、俺は容赦しない。先ほど容易くイかされたお返しという訳ではないが、彼女をイかせる事に夢中になっている。
「ああっ! やぁぁっ……らめぇ! イクぅっ、イクのぉぉーーーっ!」
そして全身をガクガクと震わせ、雪乃が絶頂に達する。俺の逸物をぐっぽりと銜え込む彼女の膣壁が、ぎゅぅっと締まる。その刺激を受け、俺は二度目の射精を行った。
***風呂場***
「ああんっ、凄い……けーくんの感触、まだ残ってる……」
玄関での一戦の後、俺と雪乃は一緒に風呂に入っている。盛大に中出しし、雪乃の秘所からごぽりと零れ落ちる精液や、その他のお互いに付いた体液を洗い流すべく、俺が雪乃を抱っこして風呂に連れて来たのだ。ゆきおんなである雪乃は熱いのが苦手なので、ぬるま湯なのだが、それでも風呂は心地良かった。
だが、一緒に入ってから俺はしまったと思う。雪乃の身体を前にすれば、またもや興奮してくるだけなのだ。何度も一緒に風呂に入っては我慢できずにヤりまくったというのに、俺はまたもや同じ過ちを犯している。どうやら、俺には学習能力という文字は無いようだ。
それでも、俺は後悔しない。溺れても良いと思うだけの身体が、目の前にあるのだ。それに加えて、雪乃の美貌。黙っていれば絶世の美女である彼女を前にして、興奮しない訳が無い。いや、見た目だけで付き合っている訳ではないのだが。
「ふふっ。けーくんの、また大きくなってるよ」
甘ったるい声で雪乃が囁き、泡だった手で逸物を弄ってくる。お互いに洗いっこしているのだ。俺の興奮状態が、気付かれない訳が無い。
「ねえ、また出してあげよっか?」
雪乃はそう言いながらも、逸物を手で扱いていく。彼女は既に俺をイかせる気でいる。対する俺も、手に付いた泡を落とすと彼女の秘所に手を這わせ、ぬかるみに指を沈めていく。
「ああん! ああっ、ダメっ……そこ、そんなにコスられたら……」
そう言いながらも、雪乃も俺の逸物に愛撫を加える。お互いに弱いところは熟知しているので、イかせ合いの状態になる。俺達はすぐに息が上がってくるのを感じた。
「あはぁっ、ダメぇっ! そこダメぇぇぇっ!」
「うぉっ! もう出るっ!」
そしてお互いに相手の手で同時にイかされる。雪乃の秘所からは、ぶしゃぁぁぁっと潮が噴き出し、俺の逸物からは、精液が勢い良く出される。
「はぁっ、はぁっ……イっちゃったね」
上気した頬を染めながら、雪乃は幸せそうに呟いた。
***食卓***
「ねえ、けーくん。美味しい?」
「ああ。凄く美味いよ」
「良かったぁ! それ、初めて挑戦してみたの」
俺の隣では、雪乃は幸せそうに微笑んでいる。向かいの席もあるというのに、彼女はわざわざ俺の隣に椅子を持ってきてくっついて来る。彼女曰く、ずっと肌の温みを感じていたいのだそう。
俺は雪乃の笑顔を見て、勿体無いと思う。会社でもそうやって笑っていれば、『氷の女上司』とか言われずに済むのに、と思うのだ。だが、裏を返せば、彼女の笑顔を間近で見られるのは俺だけとも言える。できれば、他の奴には見せたくないとも思ってしまうから、複雑である。
「ねえ、次はこっちも食べてみて?」
雪乃は、箸でおかずをつまむと、俺の口元に持ってくる。
「……俺一人で食べられるって」
「いいじゃない。食べさせ合いっこは恋人の基本なのよ」
雪乃は俺の言葉に耳を貸すことなく、俺の口の中におかずを突っ込む。とはいえ、最初は恥ずかしかった食べさせ合いも、今はもう慣れたものである。別に嫌という訳でもないので、俺は結局彼女の言うとおりに食べさせてもらう。
「じゃあ今度は……ん〜っ」
そして、だんだんエスカレートしていくのも、いつもの事である。雪乃は今度はおかずを自ら咥えると、口移しで俺に食べさせようとする。
「ちょっ、待った……」
「んん〜っ」
さすがにこれは、いつまで経ってもなかなか慣れない。だが雪乃はおかずを咥えたままの唇を突き出した状態で、動こうとしない。食べなかったら食べなかったで、彼女が拗ねると面倒なので、結局俺は口移しで出されたおかずを食べる。
「どぉ、美味しい?」
「……味なんて分かんねえ」
当たり前である。さすがに口移しは今でも恥ずかしく、食べ物の味など吹き飛んでしまう。それでも、彼女は料理の感想を求めてくる。
「じゃあ、分かるまで食べさせてあげるわ」
そう言うと、雪乃は再び口移しで食べさせようとする。二人でいる時はベタベタしたがる彼女に少し辟易する部分もあるが、実は嬉しかったりする部分もある。きっとお互いに、人生最初で最後の恋人だから、舞い上がっている部分もあるのだろうと思う。内心では、こんなのがいつまでも続けば良いなと俺は思っていた。
***寝室***
そして夜、本格的に二人の愛の時間がやってくる。
「はぁんっ! 気持ちイイよぉ……」
両足を大きく広げられ、秘所に深々と逸物を打ち込まれる感触に、雪乃は喘ぎ声を漏らす。結合部からは絶えず水音が漏れ、部屋中に響いている。
「ああんっ、ああんっ……しゅごいっ、奥に響くぅぅ……」
ガンガンと奥深くを抉られ、雪乃は身体を震わせる。それでも、何度イこうとも俺は腰の動きを緩めるつもりは無い。何度彼女がイこうが、俺は責め続けるのみである。
社内では雪乃が責める側だが、閨では俺が責める番である。いつも職場でやりこめられてる仕返しという訳ではないが、今は攻守交替の時間である。それに彼女は基本甘々な展開が好きだが、閨で激しく責められるのも好きだというのを、俺はちゃんと知っている。
彼女が快感に打ち震える姿を見られるのも、恋人の特権である。俺はその特権を存分に活用させてもらうだけである。
さらに雪乃を責めるべく、俺は雪乃の両足を肩に担いで屈曲位の体勢に持ち込んでいく。この方が、彼女の膣奥深くをいっそう責める事が出来るのだ。
「はぁぁっ! ふ、深いぃぃ……」
奥の子宮口を突かれ、雪乃は喘ぎ声を高めていく。人によっては痛い部分らしいが、雪乃に関してはその心配は無さそうである。彼女自身、奥を突かれるのが好きであり、俺もそれを知っているからこそ、心置きなく責められるのである。
ビタンッ、ビタンッと音が響くほど強く腰を打ちつけ、奥深くを責め続ける俺。雪乃はもう、絶頂寸前である。
「やぁっ! らめぇ! イクっ、イクイクイクぅぅぅーーーっ!」
ちょっと動いただけで、簡単に絶頂に達する雪乃。その彼女の奥深くに、俺は盛大に射精する。もう何度も出しているというのに、その勢いは衰えそうにない。この調子だと、翌日が心配である。まあ、翌日は休日だから問題ないとは思うが。
「はぁーっ! ああーっ……凄いっ! けーくんの、いっぱいだよぉっ!」
幸せそうな声で雪乃はそう言いながら、俺の方に手を差し伸べてくる。俺は彼女が望む事を察すると、肩に担いだ彼女の足を下ろし、彼女に覆いかぶさっていく。
「ふふっ、ぎゅぅぅーっ!」
肌を合わせている事が嬉しいのか、彼女は下から俺に強くしがみ付く。まるで、絶対に離さないといわんばかりに。
だが、責めの時間はこれで終わりではない。俺は雪乃の身体を抱き上げ、対面座位の状態に持ち込む。彼女が甘々なエッチを好む時に、一番好む体位である。だが、俺の目的はこれではない。その状態に持ち込み、そしてそのまま俺はベッドから降りて立ち上がった。
「あああぁぁぁぁーーーっ! やあぁぁっ! あはぁぁっぁぁああぁぁーーーっ!」
全体重が膣奥にかかり、雪乃は甲高い声を発する。落ちないように俺にしがみ付いているので、もはや責められるがままである。
俺は膝を使って雪乃の身体を上下に揺らし、再び激しく雪乃を責める。膣奥を深くグリグリ抉られる感触に、雪乃はただ叫び声をあげ続けることしか出来ない。
「やぁんっ! ああんっ! ああぁっ……激しいっ! 激しいよぉ!」
あまりの激しさに、涙を流して喘ぐ雪乃。俺はその雪乃の泣き顔を見て、さらに興奮する。間近で見る雪乃の快楽の虜になった表情は、見ていて飽きない。綺麗な顔が快楽に崩れていく様子を、俺は美しいとさえ思ってしまった。きっと、雪乃でなければこのような感情は出てこないだろう。『氷の女上司』である雪乃をこのように出来るのは、俺だけである。普段は絶対に見せない表情を俺だけに惜しみなく見せてくれるのが、嬉しかった。
だから俺は、もっと雪乃を泣かせてみたいと思った。もっと、雪乃を責めまくり、快楽漬けにしたいとさえ思った。彼女に恥ずかしい思いをさせ、泣き咽ぶ顔が見たいと思った。
俺は、雪乃を一旦床に下ろすと、向こうを向かせて窓枠に手を付かせ、尻をこちらに突き出させる。そして、背後から再び雪乃の秘所に逸物をぶち込んだ。
「ああーっ、ああアアアァァァァーーーっ!」」
獣のような声で叫ぶ雪乃。もはや完全に快楽の虜である。俺はさらに、彼女の太ももに手を伸ばし、それを抱えて持ち上げる。いわゆる背面駅弁というやつである。
「きゃぁぁっ、何これぇ! これ、しゅごいぃぃーーーっ!」
「ほら、俺のをぐっぽりと咥え込んでるの、よく見えるだろ?」
「やぁぁぁっ! らめっ、らめぇぇっ! 恥ずかしいのぉっ!」
窓ガラスに映る自分の痴態に、雪乃は顔を真っ赤にする。年甲斐もなく童女のように両手で顔を覆ってイヤイヤをしているのが、可愛らしい。俺はかすかに雪乃の身体を揺らし、逸物を浅く出し入れする。雪乃は羞恥で悶え、さらに興奮していく。窓ガラスに映ったその姿を見て、俺も興奮を高めていく。
だが、この体位は膣奥を深く突くのに適していない上、無理な体勢で繋がっているので少々辛い。しかも、雪乃の痴態を見ているうち、俺が快感を堪えきれなくなってしまったのである。
俺はすぐに雪乃をベッドに運び、そっと下ろす。そして仰向けにして足を開かせ、その間に身体を割り込ませた。立ちっぱなしの逸物が、ズブズブと雪乃の膣内に沈んでいく。雪乃の奥深くまで逸物を突き入れた俺は、激しく腰を動かして快感を貪り始めた。
「んあぁぁーーーっ! けーくんっ、けーくんっ!」
「雪乃……雪乃っ!」
お互いの名を呼び、そして確実に絶頂に上り詰める俺ら。そんな状態で、長く持つ筈がなかった。程なくして俺も雪乃も、もはや何度目か分からない絶頂に達してしまった。
「もうっ、けーくんのバカっ!」
「ごめん! 嫌だったらもうしない」
「べ、別に嫌じゃないわ。ただ、あんなの、恥ずかしすぎるわよっ!」
雪乃がむくれた表情で俺を責める。先ほどの恥ずかしい格好をさせられた事に、拗ねているのだ。本当に、相当恥ずかしかったのだろう、雪乃は目に若干涙を浮かべている。それを見た俺は、ちょっとやりすぎたかなと思った。俺は慌てて、雪乃のご機嫌を取る。
「本当にごめん! その代わり、お詫びに何でもするから!」
俺がその言葉を口にした瞬間、彼女の表情が少し明るくなる。
「……本当!? じゃあ私と結婚してくれる?」
そう言って、俺をジッと見つめる雪乃。今さら嫌と言える訳が無い。と言っても、俺も雪乃と一緒になる意思はあったので、依存は無かったが。ただ、まさかこのタイミングで結婚の話になるとは思わなかった。
それでも、何度も雪乃を好き放題に抱きまくったのだから、そろそろ意思を固めるときかもしれない。俺は雪乃の目を見つめ、そして返事の言葉を口にした。
「――ああ。雪乃と一緒に居たい。俺と結婚して欲しい」
その言葉を口にした瞬間、雪乃は笑顔になる。
「嬉しい! けーくん、愛してるわ」
そしてそのまま、俺は雪乃と甘い口付けを交わした。あの『氷の女上司』が、ダダ甘なお嫁さんになった瞬間であった。
「幽井君、ちょっと来なさい」
背後から俺を呼ぶ声がした時、俺が思わず天を仰ぎたくなった。
(……うわっ、何かやらかしちまったか?!)
背筋も凍るような、低い声。俺は壊れかけのブリキの人形のように、ギギギッと音が出そうなほどゆっくりと振り向いた。すると、目の前には冷めた表情の女性が居た。
実はこの女性、俺の上司である冬野雪乃であり、四年目にしてリーダーに抜擢されたやり手である。彼女、名前の通り冬の代名詞ともいうべき魔物・ゆきおんなであり、社内では『氷の女上司』と言われている。実際、彼女は社内では普段からツンと冷たく、笑顔を見せる事は無い。綺麗な美貌という事もあり、それが一層怖さを引き立たせている。
彼女に睨まれれば、メドゥーサが石化するよりも早く凍りつくという評判であり、実際に彼女に睨まれれば皆、蛇に睨まれた蛙のようになってしまう。もちろん、俺も例外ではない。
職場の皆は「ご愁傷様」とでもいうような憐れみの視線を俺に向けている。彼女がこの部署のリーダーとなって以降、何かと俺が怒られ役になっているのだ。まだ新人という事もあり、ミスも多いので仕方無いとは自分でも思っている。
だが、些細な事でも常に氷の視線で怒られるので、正直そこまで怒るのもどうかとも思っている。それに、今回のミスは俺だけの問題ではないと思うのだが。
「幽井君! 貴方、本当に依頼内容の引継ぎをしたの? いつまで経っても折り返しの電話が無いって怒ってたわよ!」
「ほ、本当に根久さんに伝えました。根久さんも『分かった』と言ってたので、電話されたものと……」
「だから、そこを確認すべきでしょうが! 根久君も何件も仕事抱えてるんだから、忘れる事もあるでしょうが! 何で『○○さんの件、どうでした?』とか言えないのよ! これだから貴方はダメなのよ!」
正直、理不尽だと思う。きちんと伝える事は伝えたし、至急の依頼だという事も伝えている。根久さんが忘れたのが原因だと思う。だが、そこまで言える訳が無い。
長時間怒られっぱなしの末、ようやく解放された俺に、先輩の根久が申し訳なさそうにやってくる。
「幽井、すまんかった」
「いえ……」
俺は短く返事をする。この時の心境は、正直に言えば投げやりなものになっていた。内心で腹が立っているのが顔に出ていたのであろう、周囲の人が俺に気を使っているような気配も感じる。
『さすがに、あれは可哀想よね』
『家でも職場でも冬野さんと一緒じゃ、休まる時がないよね』
近くでは、同僚の娘らが俺を哀れんで噂している。だが、彼女らがそのように思うのも無理は無いであろう。実は俺と上司である冬野雪乃は、いわゆる恋人同士であるのは周知の事実である。それも、冬野雪乃から告白し、半ば強引に恋人になった事も知られている。だから、同僚がプライベートでも束縛されて雁字搦めになっているであろう俺を哀れむのも仕方無い。
しかし、実際のプライベートでは、俺はそこまで不自由はしていない。おそらく彼女らには、冬野雪乃の別の顔など想像もつかないであろう。
***玄関***
「ただいまぁ……」
疲れた身体を引きずり、弱々しい声を出しながら部屋に帰宅する俺。それを出迎えたのは、『氷の女上司』である雪乃。
「けーくん、おかえりぃ♪」
裸エプロン姿で甘ったるい口調で出迎える、雪乃。きっと同僚がこの雪乃の姿を見れば、驚愕のあまり卒倒するであろう。実際、俺も初めてこの雪乃を見た時は、思わず固まってしまった。社内でもプライベートでも人を固まらせる雪乃、恐るべしである。
「けーくん、疲れたでしょう? 今日はあんなに怒ってごめんね」
そう言いながら、すがり付いてくる彼女。その彼女に、俺は昼間の怒りを思い出す。といっても、その怒りは雪乃の申し訳なさそうな顔を見て殆ど吹き飛んでいたが。
「ねえ、ご飯にする? お風呂にする? それとも……わ・た・し?」
定番とも言える台詞を言いながら、雪乃が俺の唇を無理矢理奪う。選択肢を提示しながらも、自分を差し出す気でいるのが伝わってくる。だから遠慮なく、俺は最初に雪乃を選ぶことにした。
雪乃の背に腕を回し、抱き寄せる俺。雪乃も俺の首筋に回した腕の力を強くし、いっそう深々と抱き合う形になる。そしてそのまま、しばらく甘い口付けを交わし続けた。
「あむっ、んっ……んちゅっ、ちゅぅっ! んむっ、んふぅ……」
目を閉じ、一心不乱に唇を貪ってくる雪乃。深く、そして長い口付けの後、彼女はもう堪らないといった表情で俺の足元に跪く。
「んああっ、私もう……」
俺のズボンをまさぐり、チャックを下ろして逸物を引っ張り出す雪乃。先ほどの口付けで、既に俺の逸物は固くそそり立っている。
「凄い、こんなに大きく……あむっ!」
ずっぽりと逸物を咥え込む彼女。そしてそのまま、ジュポジュポと音を立てて激しく頭を前後に動かし始める。
彼女のフェラに、俺はもう射精寸前に追い込まれる。そんな俺の様子を、雪乃は上目遣いで窺いながら頬をすぼめてフェラを一層激しくしていく。
「やばっ、もう出るっ!」
止めることなど出来なかった。雪乃を制止する間も無く、俺はあっけなく射精してしまう。
「んんっ! んぐっ、んっ、ごきゅっ……」
彼女は逸物をぐっぽりと咥えたまま口中の吐き出された精液を喉奥で受け止め、そしてそのまま流し込むようにして飲み込んでしまう。そのまま口中の精液を全て飲み干すと、咥えたままの逸物をじゅぞぞっと吸い上げながらゆっくりと頭を引いていく。そして、残滓まで飲み干すと口からちゅぽんっと逸物を離した。
「んふふっ、凄く濃いのがいっぱい出たね」
雪乃は妖艶な微笑みを見せると、立ち上がって再び抱きついてくる。そして、唇を突き出して再度口付けをねだってくる。俺は彼女の要望どおりに、その艶やかな唇を奪いに行く。
彼女の唇からは、かすかに生臭い味がしたが、俺はもはや気にならなかった。何故なら、俺は既に彼女の虜になっていたのだから。俺は雪乃の唇を貪っているうちに、これでは足りないとさえ思った。俺はむき出しの彼女の背に手を這わせ、そしてお尻や太ももや脇腹、さらにはエプロンの脇から手をねじ込んで胸も揉みまくった。
「んんっ! んふぅぅっ! んあぁっ、あふぅ……はふぅ」
俺の手の愛撫に、雪乃は息を荒くする。その彼女の姿を見ると、俺は再び逸物が一層ガチガチに固くなっていくのを感じた。
「なあ、ここでシてもいい? 俺、雪乃のナカに入れたい」
「あんっ! い、いいよぉ……私も、今すぐここでシたい……」
雪乃は壁に手をつき、お尻を突き出す。その背後から俺は遠慮なく逸物を彼女の膣内にぶち込んでいった。仕事の疲れなど、興奮でとっくに吹き飛んでいる。今は、彼女を犯す事しか頭になかった。
「あああぁぁぁーーーっ! け、けーくんの、入ってるぅぅぅっ!」
確実に近所に響く声で、雪乃が快感の叫び声をあげる。その彼女の声がもっと聞きたくて、俺は彼女の腰のくびれをつかんでガンガン突きまくった。
「あはぁぁっ! ああんっ! イクっ、イクぅぅぅーーーっ!」
ばちゅんばちゅんっと愛液が飛び散る程に奥を抉りまくると、雪乃は盛大に喘いで快感をアピールする。きっと、その声は隣近所に響いているだろう。だが、俺は容赦しない。先ほど容易くイかされたお返しという訳ではないが、彼女をイかせる事に夢中になっている。
「ああっ! やぁぁっ……らめぇ! イクぅっ、イクのぉぉーーーっ!」
そして全身をガクガクと震わせ、雪乃が絶頂に達する。俺の逸物をぐっぽりと銜え込む彼女の膣壁が、ぎゅぅっと締まる。その刺激を受け、俺は二度目の射精を行った。
***風呂場***
「ああんっ、凄い……けーくんの感触、まだ残ってる……」
玄関での一戦の後、俺と雪乃は一緒に風呂に入っている。盛大に中出しし、雪乃の秘所からごぽりと零れ落ちる精液や、その他のお互いに付いた体液を洗い流すべく、俺が雪乃を抱っこして風呂に連れて来たのだ。ゆきおんなである雪乃は熱いのが苦手なので、ぬるま湯なのだが、それでも風呂は心地良かった。
だが、一緒に入ってから俺はしまったと思う。雪乃の身体を前にすれば、またもや興奮してくるだけなのだ。何度も一緒に風呂に入っては我慢できずにヤりまくったというのに、俺はまたもや同じ過ちを犯している。どうやら、俺には学習能力という文字は無いようだ。
それでも、俺は後悔しない。溺れても良いと思うだけの身体が、目の前にあるのだ。それに加えて、雪乃の美貌。黙っていれば絶世の美女である彼女を前にして、興奮しない訳が無い。いや、見た目だけで付き合っている訳ではないのだが。
「ふふっ。けーくんの、また大きくなってるよ」
甘ったるい声で雪乃が囁き、泡だった手で逸物を弄ってくる。お互いに洗いっこしているのだ。俺の興奮状態が、気付かれない訳が無い。
「ねえ、また出してあげよっか?」
雪乃はそう言いながらも、逸物を手で扱いていく。彼女は既に俺をイかせる気でいる。対する俺も、手に付いた泡を落とすと彼女の秘所に手を這わせ、ぬかるみに指を沈めていく。
「ああん! ああっ、ダメっ……そこ、そんなにコスられたら……」
そう言いながらも、雪乃も俺の逸物に愛撫を加える。お互いに弱いところは熟知しているので、イかせ合いの状態になる。俺達はすぐに息が上がってくるのを感じた。
「あはぁっ、ダメぇっ! そこダメぇぇぇっ!」
「うぉっ! もう出るっ!」
そしてお互いに相手の手で同時にイかされる。雪乃の秘所からは、ぶしゃぁぁぁっと潮が噴き出し、俺の逸物からは、精液が勢い良く出される。
「はぁっ、はぁっ……イっちゃったね」
上気した頬を染めながら、雪乃は幸せそうに呟いた。
***食卓***
「ねえ、けーくん。美味しい?」
「ああ。凄く美味いよ」
「良かったぁ! それ、初めて挑戦してみたの」
俺の隣では、雪乃は幸せそうに微笑んでいる。向かいの席もあるというのに、彼女はわざわざ俺の隣に椅子を持ってきてくっついて来る。彼女曰く、ずっと肌の温みを感じていたいのだそう。
俺は雪乃の笑顔を見て、勿体無いと思う。会社でもそうやって笑っていれば、『氷の女上司』とか言われずに済むのに、と思うのだ。だが、裏を返せば、彼女の笑顔を間近で見られるのは俺だけとも言える。できれば、他の奴には見せたくないとも思ってしまうから、複雑である。
「ねえ、次はこっちも食べてみて?」
雪乃は、箸でおかずをつまむと、俺の口元に持ってくる。
「……俺一人で食べられるって」
「いいじゃない。食べさせ合いっこは恋人の基本なのよ」
雪乃は俺の言葉に耳を貸すことなく、俺の口の中におかずを突っ込む。とはいえ、最初は恥ずかしかった食べさせ合いも、今はもう慣れたものである。別に嫌という訳でもないので、俺は結局彼女の言うとおりに食べさせてもらう。
「じゃあ今度は……ん〜っ」
そして、だんだんエスカレートしていくのも、いつもの事である。雪乃は今度はおかずを自ら咥えると、口移しで俺に食べさせようとする。
「ちょっ、待った……」
「んん〜っ」
さすがにこれは、いつまで経ってもなかなか慣れない。だが雪乃はおかずを咥えたままの唇を突き出した状態で、動こうとしない。食べなかったら食べなかったで、彼女が拗ねると面倒なので、結局俺は口移しで出されたおかずを食べる。
「どぉ、美味しい?」
「……味なんて分かんねえ」
当たり前である。さすがに口移しは今でも恥ずかしく、食べ物の味など吹き飛んでしまう。それでも、彼女は料理の感想を求めてくる。
「じゃあ、分かるまで食べさせてあげるわ」
そう言うと、雪乃は再び口移しで食べさせようとする。二人でいる時はベタベタしたがる彼女に少し辟易する部分もあるが、実は嬉しかったりする部分もある。きっとお互いに、人生最初で最後の恋人だから、舞い上がっている部分もあるのだろうと思う。内心では、こんなのがいつまでも続けば良いなと俺は思っていた。
***寝室***
そして夜、本格的に二人の愛の時間がやってくる。
「はぁんっ! 気持ちイイよぉ……」
両足を大きく広げられ、秘所に深々と逸物を打ち込まれる感触に、雪乃は喘ぎ声を漏らす。結合部からは絶えず水音が漏れ、部屋中に響いている。
「ああんっ、ああんっ……しゅごいっ、奥に響くぅぅ……」
ガンガンと奥深くを抉られ、雪乃は身体を震わせる。それでも、何度イこうとも俺は腰の動きを緩めるつもりは無い。何度彼女がイこうが、俺は責め続けるのみである。
社内では雪乃が責める側だが、閨では俺が責める番である。いつも職場でやりこめられてる仕返しという訳ではないが、今は攻守交替の時間である。それに彼女は基本甘々な展開が好きだが、閨で激しく責められるのも好きだというのを、俺はちゃんと知っている。
彼女が快感に打ち震える姿を見られるのも、恋人の特権である。俺はその特権を存分に活用させてもらうだけである。
さらに雪乃を責めるべく、俺は雪乃の両足を肩に担いで屈曲位の体勢に持ち込んでいく。この方が、彼女の膣奥深くをいっそう責める事が出来るのだ。
「はぁぁっ! ふ、深いぃぃ……」
奥の子宮口を突かれ、雪乃は喘ぎ声を高めていく。人によっては痛い部分らしいが、雪乃に関してはその心配は無さそうである。彼女自身、奥を突かれるのが好きであり、俺もそれを知っているからこそ、心置きなく責められるのである。
ビタンッ、ビタンッと音が響くほど強く腰を打ちつけ、奥深くを責め続ける俺。雪乃はもう、絶頂寸前である。
「やぁっ! らめぇ! イクっ、イクイクイクぅぅぅーーーっ!」
ちょっと動いただけで、簡単に絶頂に達する雪乃。その彼女の奥深くに、俺は盛大に射精する。もう何度も出しているというのに、その勢いは衰えそうにない。この調子だと、翌日が心配である。まあ、翌日は休日だから問題ないとは思うが。
「はぁーっ! ああーっ……凄いっ! けーくんの、いっぱいだよぉっ!」
幸せそうな声で雪乃はそう言いながら、俺の方に手を差し伸べてくる。俺は彼女が望む事を察すると、肩に担いだ彼女の足を下ろし、彼女に覆いかぶさっていく。
「ふふっ、ぎゅぅぅーっ!」
肌を合わせている事が嬉しいのか、彼女は下から俺に強くしがみ付く。まるで、絶対に離さないといわんばかりに。
だが、責めの時間はこれで終わりではない。俺は雪乃の身体を抱き上げ、対面座位の状態に持ち込む。彼女が甘々なエッチを好む時に、一番好む体位である。だが、俺の目的はこれではない。その状態に持ち込み、そしてそのまま俺はベッドから降りて立ち上がった。
「あああぁぁぁぁーーーっ! やあぁぁっ! あはぁぁっぁぁああぁぁーーーっ!」
全体重が膣奥にかかり、雪乃は甲高い声を発する。落ちないように俺にしがみ付いているので、もはや責められるがままである。
俺は膝を使って雪乃の身体を上下に揺らし、再び激しく雪乃を責める。膣奥を深くグリグリ抉られる感触に、雪乃はただ叫び声をあげ続けることしか出来ない。
「やぁんっ! ああんっ! ああぁっ……激しいっ! 激しいよぉ!」
あまりの激しさに、涙を流して喘ぐ雪乃。俺はその雪乃の泣き顔を見て、さらに興奮する。間近で見る雪乃の快楽の虜になった表情は、見ていて飽きない。綺麗な顔が快楽に崩れていく様子を、俺は美しいとさえ思ってしまった。きっと、雪乃でなければこのような感情は出てこないだろう。『氷の女上司』である雪乃をこのように出来るのは、俺だけである。普段は絶対に見せない表情を俺だけに惜しみなく見せてくれるのが、嬉しかった。
だから俺は、もっと雪乃を泣かせてみたいと思った。もっと、雪乃を責めまくり、快楽漬けにしたいとさえ思った。彼女に恥ずかしい思いをさせ、泣き咽ぶ顔が見たいと思った。
俺は、雪乃を一旦床に下ろすと、向こうを向かせて窓枠に手を付かせ、尻をこちらに突き出させる。そして、背後から再び雪乃の秘所に逸物をぶち込んだ。
「ああーっ、ああアアアァァァァーーーっ!」」
獣のような声で叫ぶ雪乃。もはや完全に快楽の虜である。俺はさらに、彼女の太ももに手を伸ばし、それを抱えて持ち上げる。いわゆる背面駅弁というやつである。
「きゃぁぁっ、何これぇ! これ、しゅごいぃぃーーーっ!」
「ほら、俺のをぐっぽりと咥え込んでるの、よく見えるだろ?」
「やぁぁぁっ! らめっ、らめぇぇっ! 恥ずかしいのぉっ!」
窓ガラスに映る自分の痴態に、雪乃は顔を真っ赤にする。年甲斐もなく童女のように両手で顔を覆ってイヤイヤをしているのが、可愛らしい。俺はかすかに雪乃の身体を揺らし、逸物を浅く出し入れする。雪乃は羞恥で悶え、さらに興奮していく。窓ガラスに映ったその姿を見て、俺も興奮を高めていく。
だが、この体位は膣奥を深く突くのに適していない上、無理な体勢で繋がっているので少々辛い。しかも、雪乃の痴態を見ているうち、俺が快感を堪えきれなくなってしまったのである。
俺はすぐに雪乃をベッドに運び、そっと下ろす。そして仰向けにして足を開かせ、その間に身体を割り込ませた。立ちっぱなしの逸物が、ズブズブと雪乃の膣内に沈んでいく。雪乃の奥深くまで逸物を突き入れた俺は、激しく腰を動かして快感を貪り始めた。
「んあぁぁーーーっ! けーくんっ、けーくんっ!」
「雪乃……雪乃っ!」
お互いの名を呼び、そして確実に絶頂に上り詰める俺ら。そんな状態で、長く持つ筈がなかった。程なくして俺も雪乃も、もはや何度目か分からない絶頂に達してしまった。
「もうっ、けーくんのバカっ!」
「ごめん! 嫌だったらもうしない」
「べ、別に嫌じゃないわ。ただ、あんなの、恥ずかしすぎるわよっ!」
雪乃がむくれた表情で俺を責める。先ほどの恥ずかしい格好をさせられた事に、拗ねているのだ。本当に、相当恥ずかしかったのだろう、雪乃は目に若干涙を浮かべている。それを見た俺は、ちょっとやりすぎたかなと思った。俺は慌てて、雪乃のご機嫌を取る。
「本当にごめん! その代わり、お詫びに何でもするから!」
俺がその言葉を口にした瞬間、彼女の表情が少し明るくなる。
「……本当!? じゃあ私と結婚してくれる?」
そう言って、俺をジッと見つめる雪乃。今さら嫌と言える訳が無い。と言っても、俺も雪乃と一緒になる意思はあったので、依存は無かったが。ただ、まさかこのタイミングで結婚の話になるとは思わなかった。
それでも、何度も雪乃を好き放題に抱きまくったのだから、そろそろ意思を固めるときかもしれない。俺は雪乃の目を見つめ、そして返事の言葉を口にした。
「――ああ。雪乃と一緒に居たい。俺と結婚して欲しい」
その言葉を口にした瞬間、雪乃は笑顔になる。
「嬉しい! けーくん、愛してるわ」
そしてそのまま、俺は雪乃と甘い口付けを交わした。あの『氷の女上司』が、ダダ甘なお嫁さんになった瞬間であった。
15/03/11 00:21更新 / 香炉 夢幻