無垢とお前とお茶目とお前とオレと…ロリロリ? 後編
闇だった。
目の前は黒一色で何も見えない。
まるであのときのようだった。
オレがこの世界に来て海に落ちて死にかけた、あの時。
ただ、違うとこがある。
あの時はあっさりと死ぬことを理解して意識を沈めたが…今は違う。
意識が浮かび上がる。
変な感覚と共に。
なんていうんだろうか…今まで感じたことのない感覚。
気持ちが良く心地よい。
温かくて、とても安らぐ。
そんな感覚。
それになんだか…変だ。
主に下半身が。
水着だったので異様な開放感は納得できる。
はずなのだが…出来ない。
はいているはずの水着がないような、そんな感覚なのだ。
…え?何で?オレ水着脱いだっけ?
さらにはなんというか…恍惚感を感じる。
温かなものに包まれているような…。
温かなものに撫でられているような…。
感じたことのない感覚だった。
それを確かめようと体を起こそうとするも体に力が上手く入らない。
寝起きは大体こうだからな。
もう少し時間がたてば意識もハッキリして体も動かせるようになるはず。
そうすれば今オレはどうなっているのかがわかる。
背中に感じる冷たい床。
床と表現するのは少し難しいかもしれない。
平らじゃない、少しばかりゴツゴツしている地面とでも言うところだろう。
何から何までおかしい。
オレは今どうなってる?
そこで瞼を開いた。
ぼやけた視界にまず入ってきたのは天井。
孤児院の天井ではない。
洞窟のような岩のゴツゴツとした天井。
徐々に意識がハッキリしてきて視界もいつものように戻る。
ハッキリと見えるようになる。
そこは個室のようなところだった。
人が五六人なら余裕で寝られるほどの部屋。
部屋というよりも空間という言葉が似合うだろう。
周りを見渡して最後に下半身を見る。
違和感を感じる下半身を。
目を向ければそこには―
「すっごい硬いよ♪」
「これが…ユウタお兄ちゃんの…!」
ニーナとナタリーがオレのものを見ていた。
見ていたというか…熟視というか…ガン見していた。
水着はいつの間にか脱がされておりオレは裸。
その裸の、下腹部のオレのものを二人して見ていた。
興味深そうに。
まじまじと。
その視線の先にあるオレのものは既に大きくなっていた。
原因はニーナ。
小さい手が器用にオレのものを刺激している。
感じたことのない刺激。
それは未曾有の快楽。
小さく温かな手が稚拙な愛撫をしてオレを―って。
「何やってるんだお前ら…。」
「あ、ユウ兄起きたの?」
「ユウタお兄ちゃん?」
二人してオレを見るのだがその顔が赤い。
ナタリーのほうはゼリー質なので変化がよくわかりにくいけど隣のニーナに至ってはかなり赤い。
羞恥による赤さのような、興奮による赤さのような…。
よくわからないがとにかく頬を赤く染めてオレを見ていた。
「…何してるんだよ?」
もう一度同じことを聞く。
だって…ねぇ。
起きてみれば
そこに妹的な存在の二人の子供がオレのものを見ているんだから…。
さらに言えばニーナはオレのものを撫でているんだから。
驚愕なんてものじゃないぞ。
寝起きのドッキリなんて目じゃないぞ。
オレの質問にニーナとナタリーは顔を見合わせた。
「何って…ねぇ?」
「うん。」
うん、じゃねえよ。
わかんねえよ。
二人だけで納得するなよ。
オレは体を起こして二人を止めようとする。
「…あのなぁ二人とも。人の下半身を見て何したいのかわかんねーけどこうゆうことはしちゃいけないんだよ。」
「何でなの?ユウタお兄ちゃん。」
「そうゆうことは大人になって、ちゃんと好きな人ができてからするこ―」
そこで止まった。
体が、止まった。
違和感を感じたことによって。
それは腕。
力が入らない。
力を入れても腕が震えて動かない。
それだけじゃない。
足。
感覚が消えている。
まるで麻酔でも使ったかのように一切の感覚がない。
さっきは意識が朦朧とする寝起きだから気づかなかった。
この異常さに。
「ぐっ…!?」
動くのは首だけ。
その首を動かしてニーナとナタリーを見た。
いや、ナタリーの腰の部分を見た。
海月のような傘の部分を。
その近くにあるオレの足を。
見れば、あった。
赤く腫れているところが。
「っ!」
ちょうど腿のところに一つ。
まるで海月に刺されたかのような腫れ方。
それがなんだか知っている。
シー・スライムの麻痺毒を注入した跡。
海月のような彼女たちの持つ相手の動きを止めるための毒だ。
「ナタリー…っ!何しやがる…!」
「えっへっへ〜♪」
得意げに笑うナタリー。
本当にコイツはいったい何をするつもりなんだ…!?
ナタリーはオレの顔のほうへと移動してくる。
隣のニーナも同じように。
寝かされたオレの体に抱きついて顔を寄せてきた。
胸板に触れる二人の肌。
柔らかく温かなニーナの体。
ひんやりとしたゼリー質のナタリーの体。
共に違う感覚をオレに送りつけてくる。
「二人とも…何がしたいんだよ…!」
情けない困った声を上げながら二人に問う。
その言葉に反応したのはニーナ。
頬を膨らませて不機嫌そうな顔をした。
可愛い。
子供らしい可愛さがあるその表情。
だが、今の状況ではその表情からの可愛さなんてどうでも良くなってしまう。
それ以上にこの状況を理解できていないから。
「…ユウタお兄ちゃん、ここまでしてるのにわからないの?」
「…?」
何を…わかればいいのだろうか。
「ユウタお兄ちゃんに聞いたでしょ。ニーナと、ナタリーちゃんを好きかどうか。」
「ああ、さっきのか。」
「そうだよ。」
ニーナは顔をオレの顔へと寄せる。
近づく距離。
ニーナの息がオレの頬を撫でるくらいまで彼女はオレに顔を寄せた。
熱の篭った吐息。
なぜだか変な気持ちにさせられる。
燃やしてはいけない情欲が燃え上がるような…そんな気持ちに。
「ユウタお兄ちゃん、よく言ってるよね?」
「…何を?」
「『そういうこと』はちゃんと好きになった相手にしろって。特にアレットお姉ちゃんに。」
「…言ってるな。」
そういうことがどういうことかニーナは理解しているのかわからないけど。
確かによくアレットに言っている。
オレみたいなどこの馬の骨とも知れない男よりももっといい男を見つけて好きになって、その相手にしてもらえと。
今日も言ったな。
「それって好きな相手とならしても構わないってことだよね?」
「…おい待て。」
まさかとは思う。
この状況。
ナタリーの麻痺毒を打ち込まれたこの状態で。
体の自由がきかず、なすがままの状態で。
もしかして、ナタリーとニーナはオレと…しようとしてるっていうのか?
さっき吸い込まれる前にも言っていたように。
そう…だとしても。
「だからってお前はまだ早いだろ?」
「早くないよ!」
ニーナは声を荒げてオレに言う。
普段の恥ずかしがりな性格など感じさせないほどの剣幕で。
「ニーナだってナタリーちゃんだって…ユウタお兄ちゃんとしたいって思ってるもん!ユウタお兄ちゃんのことが大好きだもん!」
「…。」
まっすぐにオレを見てニーナは言った。
大きな瞳に黒い瞳を映して。
きらきらと光るその瞳に、映して。
ニーナの隣にはナタリーが同じように顔を近づけていた。
いつものように満面の笑みでオレを見ている。
「えへへ〜♪先にいわれちゃったけど、ナタリーもユウ兄のこと、大好きだよ〜♪」
「…。」
二人同時の告白。
それも年下の女の子から、だ。
「人の上に乗っかって言う言葉じゃねえだろ…。」
「こうでもしないとユウタお兄ちゃん答えてくれないって皆言ってるよ!だからナタリーちゃんと考えてこうやったんだよ!」
「ユウ兄は本当に鈍いもんね〜♪」
…年下の子に鈍いって言われた。
ちょっと傷つくな。
っていうか、皆言ってる?
「…さっきのこと、誰が言ってるんだよ?」
「皆だよ。マルグリット先生もアレットお姉ちゃんも。エレーヌお姉ちゃんも皆。」
「…。」
ああ、そうですか。
皆してオレのこと鈍いって思ってたんだ。
オレ、鈍かったんだ…。
「ねぇ…ユウタお兄ちゃん。」
「ん?」
「さっきの言葉…もう一回聞かせて…?」
「さっきのって…。」
「ナタリーちゃん、聞いてないよ?」
「…。」
そういやそうだったな。
ニーナに引きずり込まれる前に…言ったからな。
あの言葉を。
「ユウ兄はナタリーとニーナちゃんのことをどう思ってるの〜?」
「…オレは。」
二人の好意。
二人の感情。
二人の気持ちにオレは―
「好きだ、ニーナもナタリーも。同じくらいにな。」
二人の気持ちを受け止めた。
確かにオレも二人が好きだ。
それは嘘ではない。
だがそれはあくまで妹的な存在として。
その、はずなのに。
揺らいだ。
その気持ちが、二人の好意により大きく、揺れた。
二人のほうへ。オレからの好意として。
ここで拒絶を示せば二人はあきらめてくれるかもしれないだとう。
だが、同時に二人の心を砕いてしまうかもしれないから。
孤児で、親を知らないこの娘たちを壊してしまうから。
そんなこと…出来ない。
だからオレは受け止めた。
ニーナとナタリーの気持ちを。
「ユウタお兄ちゃんっ♪」
「えへへ〜よかった〜♪」
二人してオレの上で笑った。
とても嬉しそうに。
まったく…かわいいもんだよ、本当に。
だが、このままの状況でいるのもあれだ。
オレの体は動かないし、さらに裸である。
さらに言えば先ほどニーナが撫でていたのでオレのものは既に硬くなっている。
教育上悪いよね、これは。
「そういうわけで、どいてくれ。」
「え?」
「何で〜?」
「何でって…。」
「好き合ってるなら…しても、構わないんだよね?」
「……おい。」
本気か?
本気でオレとそういうことをしようとしてるのか?
「本気だよ。」
ニーナはオレをまっすぐ見たまま言う。
迷いのない、言葉。
だが流石にオレは迷う。
いくらなんでも年下の子とするのは…負担になってしまうのではないか?
そんな心配をしてしまう。
「でも体は正直だよ?」
「…。」
え?何コイツ?
何でニーナはそんなことが言えるの?
言わないような、知るわけがないようなこと言ったぞ?
なんか…おっさんみたいなこと言ったぞ?
それを知っている理由なんて…わかってるんだけど。
「それも…エレーヌか?」
「そうだよ〜♪エー姉はこうゆう状況にするのが鈍い男には一番いいって教えてくれたんだ〜♪」
「…。」
なんていう無駄知識を教えたんだ…。
あの野郎、後でたっぷりとお説教だ。
いや、お仕置きだなこりゃ。
そんなことを考えているうちにニーナは移動し始めた。
するすると、まるで蛇のようにオレの体を這って動く。
やわらかく温かな体が、止まった。
場所はオレのものがある下半身。
「っ!」
意図的にニーナは体を、主に自分の下半身をオレのものへと擦り付けた。
感じたことのない感覚。
それは快楽へと受け止められオレの体を駆け巡る。
「んっんっ♪どう?ユウタお兄ちゃん…?」
「ニーナ…っ…やめっ…!」
止めようにも止められなかった。
ナタリーの麻痺毒が体を支配しているのだから。
運動神経を全て停止され、その代わりに感覚神経を活性化されたかのような気分。
それでも、オレは抵抗しようと体に力を入れ―
「ふむっ♪」
「んむっ!?」
いきなり塞がれる唇。
目の前にナタリーの顔が広がった。
…え?まさかオレ…キスされてる?
唇に感じるのは柔らかくひんやりとしたゼリーのようなの感触。
間違いようのない、ナタリーの感触だ。
ナタリーは押し付けるような不器用なキスをして顔を離した。
「えへへ〜♪はじめてキスしちゃった♪」
「お、おい…。」
キスをした、それも年下の子からのキス。
その事実がオレの体の反応を遅らす。
それが、いけなかった。
気をそらしたその一瞬。
その一瞬でニーナは行動に移っていた。
「んんっ♪」
「っ!?」
下半身、オレのものに伝わる窮屈な感覚。
締め上げられるような、小さなものに埋められていくような感触。
同時に感じるのは熱さ。
異常な熱とぬるりとぬめった粘液。
何かと思って見ようにもナタリーの顔で見えない。
見えないけど…これがなんだかわかる。
したことはないけど…それでも、この状況で。
ニーナがオレの下半身にいるこの状況で。
何をされているのか、わかる。
「ニーナ…っ!お前っ何を…!!」
「ふぅ…うっあ♪ユウタお兄ちゃんのが…ニーナの中に…いっぱいだよ…♪」
オレのものはニーナの中に埋まっていた。
それも根元まで。
マジ…かよ…!?
「あのね…ユウタお兄ちゃん…ニーナは初めてだから上手く出来るかわからないけど…するね♪」
「おいっ!ニー…うっ!」
ニーナが動き始めた。
とても稚拙でぎこちない動き。
小さくいやらしいとまでは感じられない水音。
ただ腰を上下させるだけの単調な動きだった。
単調すぎてもどかしさを感じる。
一定すぎてじれったさを感じる。
無垢で経験の浅いニーナなのだから当然としか言えないだろう。
だが、それでも生じた快楽は。
ニーナのものに与えられる快感は。
オレがここまで生きてきた中で感じたことのないものだった。
腕が、腰が、体全てが。
こん感じたことのない快楽を存分に味わおうと機能を停止する。
オレのものにきつく抱きつき、締め上げるニーナの中によって。
甘く柔らかく温かい快楽によって。
「ニーナ、待て…っく!」
「あっはぁ♪ユウタ、おにい、ひゃんっ♪」
呂律の回らぬその声が。
ものから感じるその快楽が。
小さく響くその水音が。
オレを興奮させ、昂らせる。
「あはは〜♪ユウ兄、すっごくエッチな顔してるよ♪んむっ♪」
「んんっ!?」
ニーナから送られてくる快楽に耐えようと歯を食いしばろうとしたのだが失敗する。
ナタリーによって。
ナタリーがまたオレの唇を塞ぐことによって。
「ふむむっ♪ちゅうう♪」
乱暴、雑。
そんな風に感じられるほどの荒いキス。
ナタリーはキスというのはただ唇を重ねるだけだと思っているのかもしれない。
ただそれが。
押し付けるだけのキスが気持ちいい。
人間には感じられない、ひんやりとしたその感触が心地よすぎる。
技術なんていらなくても、経験なんてなくても。
男一人分の思考を蕩けさせるには十分なもの。
そんなキスをナタリーとして。
下ではニーナがオレと繋がっていて。
二人同時の行為に。
二人による攻めに。
感じたことのない快楽の中に。
恥ずかしくもオレは。
すぐさま限界を迎えてしまう。
ニーナの中にオレの精を全て注ぎ込んでしまった。
「ふぁっ!あぁあああぁああ♪熱い…よぉ♪」
聞いたことのない甘く艶のある声。
子供が発するような声には聞こえなかった。
「ユウタお兄ちゃんのが…お腹の中でぇ♪」
ニーナのものは精を放つのをやめないオレのものを強く抱きしめる。
否、搾り出し、更なる精を貪欲に求めるように蠢いた。
これがニーナなのか?
こんなにいやらしく動くのが…ニーナなのか?
そう思ってしまうほどにニーナのそこはオレを求めて止まらない。
一度出したオレのものは萎える暇もなくすぐに硬さを取り戻した。
「あ、はぁ…♪ユウタお兄ちゃん…もう、一回…しよ♪」
可愛らしいおねだり。
そのおねだりにオレは、オレの意志は組み伏せられていた。
抵抗する気はもとより失せていた。
というか、動けないこの状況で抵抗なんて出来ないんだけど。
だが、それを良しとしない者が一人。
「ぶ〜!ナタリーだってユウ兄としたいよ!」
ナタリーである。
彼女はすぐさまオレの下半身へと移動してニーナをオレのほうへと倒すように背中を押した。
「ひゃぁんっ!」
「お、わっ!?」
力に従い倒れこんでくるニーナの体。
ぬるりと抜けるオレのもの。
弾ける粘液。
そうしてニーナはさっきまでナタリーがいた位置に。
ナタリーはさっきまでナタリーがいた位置に入れ替わる。
当然ナタリーの目の前にはオレのもの。
既に硬く、まだまだ出来ると意思表示する男の証。
若いだけあってまだまだ余裕と誇るオレの分身。
こんなときだからこそ思う。
何で学生って性欲お盛んなんだろうって…。
「えへへ〜♪それじゃあユウ兄、いくよ〜♪」
「おい待てナタリー!お前まで…っ!」
「えいっ♪」
「おぃっ!!」
ナタリーは腰を下ろしてそのままオレのものを自分の中へと埋め込んだ。
さっきとは全然違う感触。
ニーナの中は熱くまるで溶かされるような快感を感じたのだが。
ひんやりとして熱く滾ったオレのものへ吸い付いてきて離さない窮屈なナタリーの中は。
まるでオレのものに染み込んでいくような快楽を送りつけてきた。
これはこれでいい…じゃなくて!
オレはいったい何をやっているんだ…!
年下の子にいいようにされているというのに。
体は素直に反応して。
本能は、欲望は、更なる快楽を望んでいる。
年下の子としているというその事実が。
妹的な存在だった二人としているという現実が。
オレに背徳感を抱かせ、後ろめたさを感じさせる。
それなのに、やめたいとは思わない。
その感情が逆に作用して本能をより引き出してくる。
「ふぅあっ♪すごい、ユウ兄のおちんちん…おっきいよぉ♪」
ぎちぎちと締め付けてくるナタリーの中。
ひんやりとしたそこはやはりきつい。
ニーナに負けず劣らず、痛みを感じそうなほどに強く抱きしめてくる。
スライムだからか、それとも興奮したことによるものか。
ナタリーのものからはどろどろした粘液が溢れ出して絡みつく。
「これがぁ…きじょうい、なんだよね…♪」
嬉しそうに言うナタリー。
その表情を見ようとするのだが…。
「ユウタお兄ちゃん…ふむっ♪」
「むっ!?」
今度はニーナに唇を塞がれ、視界を閉ざされる。
眼前に広がるのは真っ赤なナタリーの顔。
唇にはナタリーとは違う温かい口づけ。
荒くない優しい接吻は確実にオレの意志を溶かしていく。
「それじゃあ…ナタリーがユウ兄を気持ちよくさせてあげるね♪」
おい待てっ!
そう言って止めにかかりたいのに体は動くはずもなく。
声を上げるにもニーナによって塞がれた唇じゃくぐもった声しか出せない。
そんな中で。
ナタリーは動き始めた。
上下に腰を動かすのではなく、前後に揺らす動きを。
「んん!?んふっ!!」
ニーナとは違う感覚。
体温、動き、締め付け方。
先ほどまで味わった快楽とはまた違う快楽が送られてきた。
ナタリーの中で擦られるたびに脳の中で何かが切れてしまいそうな感覚になる。
思わず動かない体が跳ねそうになるほどに。
口からうめき声が漏れてしまうくらいに。
「んむっ、ぷはぁ♪ユウタお兄ちゃん、暴れちゃだめだよぉ…はむっ♪」
上はニーナがキスをしている。
下ではナタリーがオレのものと繋がっている。
さっきと同じ状況だが、さっきとはまったく違う。
優しく尽くすようなキスと荒々しい腰の動き。
ニーナに唇は舐められ、小さな舌は口内へと遠慮がちに侵入してくる。
そのままぎこちないがそっと撫でるような動きでオレの舌を舐めあげた。
ナタリーは懸命に腰を動かし続ける。
そこに技術も何もない。
ニーナと似た単調な動きだけだった。
それなのに送られてくるこの快楽は何か。
この膨大な快感はなんなのか、わからない。
これが女性の中というものか?
先ほどのニーナの中も、今味わっているナタリーの中もどちらも甲乙つけがたいほど気持ちがいい。
さっき出したのにすぐに限界まで押し上げられそうだ。
「ふっう♪どう?ユウ兄ィ…♪気持ち良い?」
そんなことを聞かれて答えられるわけがない。
答えるための口はニーナに塞がれているんだから。
それでも体は反応する。
オレのものはナタリーの中で大きく跳ねた。
恥ずかしいことに、もう限界が近づいている。
混ざり、溶け合いそうな快楽に欲望が弾けそうになっている。
それにナタリーは気づかないわけがない。
「あっ♪ユウ兄の、跳ねたよぉ♪もう出そうなんだね?」
ナタリーは腰の動きを早めてきた。
同時に彼女の中も強く締め上げてくる。
オレの精を呑み込もうとするように。
一滴も逃さないとするように。
そんなきつくてやわらかくて気持ちのいいナタリーの中で。
オレは。
放った。
オレの精を、ナタリーの中に。
「ふぁあぁああああああぁあああああ…あっ…出て…る♪」
快楽に蕩けた声。
いまだにニーナのキスで前が見えないがナタリーの表情は恍惚としているだろう。
見なくてもわかるほど彼女は普段と変わっていた。
そのままナタリーは体を倒してくる。
それにニーナは唇をようやく離して体の位置を移動して倒れてくる位置を空けた。
二人してオレを抱きしめている形になった。
片方は温かで人肌のような柔らかさが。
もう片方はひんやりとしてぷるぷるした柔らかさが。
まったく違う二人の感触が伝わってきた。
とても心地いい。
ずっとこのままでいたいと思うほどに。
「ふあ…ユウ…兄ィ…♪」
すりすりと擦られるナタリーの頬。
愛しい存在に自分のにおいを残すような仕草が可愛らしい。
さっきの行為のような荒々しさはない。
ようやく…終わった、のか…?
「ナタリーちゃん、次はニーナの番だよぉ♪」
「だめ〜♪もっとユウ兄とするの〜♪」
「お、おい…二人とも…!?」
ニーナもナタリーもオレを見て微笑む。
その顔に純粋さなんてない。
快楽に蕩けた女の顔。
幼い二人だからその顔はよりいやらしく見えた。
「ちょっと、待った…もう少し休ませてくれよ…。」
学生といえども連続はつらい。
ここまで連続で出した経験なんて今までなかったことだ。
流石に体のほうに疲れは来ている。
毒で動かない体だからなおのこと疲れはダイレクトに伝わっていた。
だが、そんなオレの声に二人はにぱぁと笑った顔をオレに見せてくれる。
可愛らしく輝くその表情。
そんな二人は嬉しそうに声を揃えて言った。
「「だ〜め♪」」
「…。」
子供って…意外と貪欲だな。
知識しかり、性欲叱り…。
そんなことを思いながらオレは今日何度目かになるため息をついた。
「ユウタ…お兄ちゃん…♪」
「ユウ兄ィ…♪」
「…はぁ。」
オレは心底疲れたように…いや、疲れてため息をついた。
あの後ニーナとナタリー共に二回ずつ中に出してようやく二人は止まってくれた。
というか、寝た。
子供にとって本来この時間は寝ているはずだし。
それにこんなに激しい運動をしたんだから体が休息を求めるのは当然のこと。
そうして寝てしまった二人はオレに抱きついていた。
右にニーナが、左にナタリーが。
オレを抱き枕のようにして、抱きついて寝ていた。
まったく…呆れたもんだ。
二人の性欲の強さに、心底呆れた。
オレよりも貪欲で、学生よりも強欲で。
性欲お盛んな歳であるオレが圧倒されるぐらいだった。
子供っていうのは…侮れないな…。
もう一度オレはため息をついた。
手を動かそうにも動かない。
体にはまだナタリーの麻痺毒が効いていて動きそうにもない。
もうしばらくはこのままだろう。
毒が切れるまで…それまでオレはこのまま。
二人に抱きつかれているまま。
…まんまと嵌められたわけだな。
ニーナとナタリーに。
この巣の事も、ナタリーの麻痺毒も。全て計画的なこと。
二人してこんなとんでもないことを企てるなんて…。
後でお説教でもしてやろうか?
そんなことを考えていたら急にニーナが動き出した。
起きたのか?いや…。
ニーナはオレの体にさらに抱きついてきただけ。
起きたわけじゃない、眠ったままだ。
だが、そんなニーナが言葉を発する。
「ユウタお兄ちゃん…ずっと…一緒だよぅ…。」
「…。」
寝言、だったのだろう。
それでも。その言葉はオレの胸に響いた。
ずっと…一緒…。
…そう…なんだよな。
ニーナもナタリーも孤児だ。
その寂しさは計り知れなく、オレの知っている孤独とは比べられるようなものじゃない。
親がいないという孤独。
家族がいないという寂しさ。
オレのような大人ならまだしも二人は子供。
親の愛を受けて育っているはずの年頃だ。
兄や姉がいてもいい年頃だ。
誰かに頼ったり甘えたりするのが当然な年頃なんだ…。
それなのに…。
「…まったくこれじゃあ…怒れないじゃねえかよ。」
そんな二人の境遇に。
そんな二人の気持ちに。
毒気を抜かれた。
お説教も…こりゃなしだな。
二人はただ欲しかっただけなのだから。
安心できる場所が。
ずっと一緒にいてくれる大切な存在が。
何でも受け止めてくれるような優しい存在が…。
「……仕方のない子供だよ…ニーナも、ナタリーも…。」
オレはもう一度ため息をついた。
呆れて、困って。
参って、悩んで。
それでいて、少しばかり嬉しそうに。
小さく息を吐いた。
それはとある孤児院のこと。
そこでは黒髪黒目のジパング人のような青年が皆と暮らしているという。
誰にでも優しく孤児院の皆からはとても人気のある存在なのだが…少しばかり変な噂もあるという。
あそこの孤児院にいる孤児。
それから先生。
あるカリュブディスとシー・スライムを筆頭にその青年に襲い掛かっているとかどうだとか…。
そこにはとあるメロウの入れ知恵や、他の魔物娘の陰謀があったりなかったり。
ときには孤児院から嬌声がやまない夜があるほどだとかいう。
なんとも望ましくうらやましい話だと町中で噂されていたりする。
「…で、あの二人に余計なことを吹き込んでくれたエレーヌはいったい何がしたかったんだよ?」
「だって面白いじゃないの。子供って純粋無垢だから発言の一つ一つが爆弾発言になったでしょ?」
「爆弾ていうか…核爆弾だったけどな。それだけのために教えたって言うのならお前最悪だぞ…。」
「もちろん他にもあるわよ。」
「他?」
「そう。あの二人ユウタのこと好きだったのよ?」
「…それは…知ってるけどさ。」
「それで熱心に聞いてきたものよ。男を喜ばせるにはどうしたらいいのか、ユウタを落とすにはどうすればいいのかって必死になってね。」
「…ちょっと待った。聞いてきたってどういうことを?」
「だからユウタを落とすためにはどうすればいいのかってこととか。」
「…例えば何を教えた?」
「ニーナちゃんの巣穴に引きずり込めば?なんて言ってあげたりとかね。」
「…他には?」
「ナタリーちゃんの麻痺毒を使ってそのままユウタを襲っちゃえば、とか。」
「…そっか、そうなのか…ははは、そうですかああそうですかぁ…。」
「?どうしたの?」
「ぜーんぶお前の差し金か…。」
「そうよ?それで二人とはしたんでしょ?どうだった?」
「…なぁエレーヌ。その前に面白いことを教えてやるよ。オレのいたところじゃ不義を犯した奴にお仕置きとしてとんでもないことをするんだよ。」
「とんでもないこと?うふん、あはんなお仕置きかしら?」
「…尻を叩く。」
「え?」
「いやぁ本当によくやってくれたよなぁ、エレーヌ。おかげであの後は大変だったんだぜ?孤児院の皆がオレとニーナとナタリーがしたことを知るなり襲い掛かってくるわ、ニーナとナタリーは異常なまでにオレを求めてきて大変だわ…。」
「ユ、ユウタ、ちょっと怖いわよ?」
「本当によくやってくれたよいろんな意味で。おかげでいろんな意味でハメられるしさぁ…。」
「ちょっと…ユウタ…?」
「マーメイドの尻ってどこにあるんだろうなぁ?」
「いや、私はメロウだからね?下半身は同じだけどちょっと違うからね?」
「ほらこっち来いよ?ここは店の中だから水路に入らなきゃお前は動けないだろ?」
「い、いや、ユウタ。にじり寄ってきて怖いんだけど…。」
「遠慮するなよ。抱っこしてやるから。」
「ちょっと待ってよユウタ!あたしお嫁にいけなくなるじゃない!」
「安心しろよ。孤児院で色々されたオレはもうお婿にいけないから。」
「ちょっと待って!本当にやるの!?」
「知ってるか?性行為の一環としてスパンキングがあるんだとさ。興味深い内容だから体験してったらどうだよ?」
「知ってるけどされたいとは思わないわよ!」
「落ち着けって。以前にも師匠にしてやったからそれなりに上手いんだぜ?」
「何っ!?師匠って誰!?」
「安心しろよ、スパンキングされたなんて誰にも言わないから。」
「言われたらあたし怒るわよ!」
「オレは孤児院であったことを町中にばらされたけどな。」
「うっ!」
「…その反応なんだ?まさか…エレーヌ、町中にばらしたのか?」
「そ、そんなことないわよ?ただちょっとした友人に話しただけだからね?」
「友人?」
「あるシー・ビショップやその親友のネレイスよ。やたらとユウタのことを聞いてくるから教えてあげたらそのまま広がっちゃったみたいね…?」
「…そいつらも同罪だな…!」
ドタバタ孤児院生活 これにて完結!
HAPPY END
目の前は黒一色で何も見えない。
まるであのときのようだった。
オレがこの世界に来て海に落ちて死にかけた、あの時。
ただ、違うとこがある。
あの時はあっさりと死ぬことを理解して意識を沈めたが…今は違う。
意識が浮かび上がる。
変な感覚と共に。
なんていうんだろうか…今まで感じたことのない感覚。
気持ちが良く心地よい。
温かくて、とても安らぐ。
そんな感覚。
それになんだか…変だ。
主に下半身が。
水着だったので異様な開放感は納得できる。
はずなのだが…出来ない。
はいているはずの水着がないような、そんな感覚なのだ。
…え?何で?オレ水着脱いだっけ?
さらにはなんというか…恍惚感を感じる。
温かなものに包まれているような…。
温かなものに撫でられているような…。
感じたことのない感覚だった。
それを確かめようと体を起こそうとするも体に力が上手く入らない。
寝起きは大体こうだからな。
もう少し時間がたてば意識もハッキリして体も動かせるようになるはず。
そうすれば今オレはどうなっているのかがわかる。
背中に感じる冷たい床。
床と表現するのは少し難しいかもしれない。
平らじゃない、少しばかりゴツゴツしている地面とでも言うところだろう。
何から何までおかしい。
オレは今どうなってる?
そこで瞼を開いた。
ぼやけた視界にまず入ってきたのは天井。
孤児院の天井ではない。
洞窟のような岩のゴツゴツとした天井。
徐々に意識がハッキリしてきて視界もいつものように戻る。
ハッキリと見えるようになる。
そこは個室のようなところだった。
人が五六人なら余裕で寝られるほどの部屋。
部屋というよりも空間という言葉が似合うだろう。
周りを見渡して最後に下半身を見る。
違和感を感じる下半身を。
目を向ければそこには―
「すっごい硬いよ♪」
「これが…ユウタお兄ちゃんの…!」
ニーナとナタリーがオレのものを見ていた。
見ていたというか…熟視というか…ガン見していた。
水着はいつの間にか脱がされておりオレは裸。
その裸の、下腹部のオレのものを二人して見ていた。
興味深そうに。
まじまじと。
その視線の先にあるオレのものは既に大きくなっていた。
原因はニーナ。
小さい手が器用にオレのものを刺激している。
感じたことのない刺激。
それは未曾有の快楽。
小さく温かな手が稚拙な愛撫をしてオレを―って。
「何やってるんだお前ら…。」
「あ、ユウ兄起きたの?」
「ユウタお兄ちゃん?」
二人してオレを見るのだがその顔が赤い。
ナタリーのほうはゼリー質なので変化がよくわかりにくいけど隣のニーナに至ってはかなり赤い。
羞恥による赤さのような、興奮による赤さのような…。
よくわからないがとにかく頬を赤く染めてオレを見ていた。
「…何してるんだよ?」
もう一度同じことを聞く。
だって…ねぇ。
起きてみれば
そこに妹的な存在の二人の子供がオレのものを見ているんだから…。
さらに言えばニーナはオレのものを撫でているんだから。
驚愕なんてものじゃないぞ。
寝起きのドッキリなんて目じゃないぞ。
オレの質問にニーナとナタリーは顔を見合わせた。
「何って…ねぇ?」
「うん。」
うん、じゃねえよ。
わかんねえよ。
二人だけで納得するなよ。
オレは体を起こして二人を止めようとする。
「…あのなぁ二人とも。人の下半身を見て何したいのかわかんねーけどこうゆうことはしちゃいけないんだよ。」
「何でなの?ユウタお兄ちゃん。」
「そうゆうことは大人になって、ちゃんと好きな人ができてからするこ―」
そこで止まった。
体が、止まった。
違和感を感じたことによって。
それは腕。
力が入らない。
力を入れても腕が震えて動かない。
それだけじゃない。
足。
感覚が消えている。
まるで麻酔でも使ったかのように一切の感覚がない。
さっきは意識が朦朧とする寝起きだから気づかなかった。
この異常さに。
「ぐっ…!?」
動くのは首だけ。
その首を動かしてニーナとナタリーを見た。
いや、ナタリーの腰の部分を見た。
海月のような傘の部分を。
その近くにあるオレの足を。
見れば、あった。
赤く腫れているところが。
「っ!」
ちょうど腿のところに一つ。
まるで海月に刺されたかのような腫れ方。
それがなんだか知っている。
シー・スライムの麻痺毒を注入した跡。
海月のような彼女たちの持つ相手の動きを止めるための毒だ。
「ナタリー…っ!何しやがる…!」
「えっへっへ〜♪」
得意げに笑うナタリー。
本当にコイツはいったい何をするつもりなんだ…!?
ナタリーはオレの顔のほうへと移動してくる。
隣のニーナも同じように。
寝かされたオレの体に抱きついて顔を寄せてきた。
胸板に触れる二人の肌。
柔らかく温かなニーナの体。
ひんやりとしたゼリー質のナタリーの体。
共に違う感覚をオレに送りつけてくる。
「二人とも…何がしたいんだよ…!」
情けない困った声を上げながら二人に問う。
その言葉に反応したのはニーナ。
頬を膨らませて不機嫌そうな顔をした。
可愛い。
子供らしい可愛さがあるその表情。
だが、今の状況ではその表情からの可愛さなんてどうでも良くなってしまう。
それ以上にこの状況を理解できていないから。
「…ユウタお兄ちゃん、ここまでしてるのにわからないの?」
「…?」
何を…わかればいいのだろうか。
「ユウタお兄ちゃんに聞いたでしょ。ニーナと、ナタリーちゃんを好きかどうか。」
「ああ、さっきのか。」
「そうだよ。」
ニーナは顔をオレの顔へと寄せる。
近づく距離。
ニーナの息がオレの頬を撫でるくらいまで彼女はオレに顔を寄せた。
熱の篭った吐息。
なぜだか変な気持ちにさせられる。
燃やしてはいけない情欲が燃え上がるような…そんな気持ちに。
「ユウタお兄ちゃん、よく言ってるよね?」
「…何を?」
「『そういうこと』はちゃんと好きになった相手にしろって。特にアレットお姉ちゃんに。」
「…言ってるな。」
そういうことがどういうことかニーナは理解しているのかわからないけど。
確かによくアレットに言っている。
オレみたいなどこの馬の骨とも知れない男よりももっといい男を見つけて好きになって、その相手にしてもらえと。
今日も言ったな。
「それって好きな相手とならしても構わないってことだよね?」
「…おい待て。」
まさかとは思う。
この状況。
ナタリーの麻痺毒を打ち込まれたこの状態で。
体の自由がきかず、なすがままの状態で。
もしかして、ナタリーとニーナはオレと…しようとしてるっていうのか?
さっき吸い込まれる前にも言っていたように。
そう…だとしても。
「だからってお前はまだ早いだろ?」
「早くないよ!」
ニーナは声を荒げてオレに言う。
普段の恥ずかしがりな性格など感じさせないほどの剣幕で。
「ニーナだってナタリーちゃんだって…ユウタお兄ちゃんとしたいって思ってるもん!ユウタお兄ちゃんのことが大好きだもん!」
「…。」
まっすぐにオレを見てニーナは言った。
大きな瞳に黒い瞳を映して。
きらきらと光るその瞳に、映して。
ニーナの隣にはナタリーが同じように顔を近づけていた。
いつものように満面の笑みでオレを見ている。
「えへへ〜♪先にいわれちゃったけど、ナタリーもユウ兄のこと、大好きだよ〜♪」
「…。」
二人同時の告白。
それも年下の女の子から、だ。
「人の上に乗っかって言う言葉じゃねえだろ…。」
「こうでもしないとユウタお兄ちゃん答えてくれないって皆言ってるよ!だからナタリーちゃんと考えてこうやったんだよ!」
「ユウ兄は本当に鈍いもんね〜♪」
…年下の子に鈍いって言われた。
ちょっと傷つくな。
っていうか、皆言ってる?
「…さっきのこと、誰が言ってるんだよ?」
「皆だよ。マルグリット先生もアレットお姉ちゃんも。エレーヌお姉ちゃんも皆。」
「…。」
ああ、そうですか。
皆してオレのこと鈍いって思ってたんだ。
オレ、鈍かったんだ…。
「ねぇ…ユウタお兄ちゃん。」
「ん?」
「さっきの言葉…もう一回聞かせて…?」
「さっきのって…。」
「ナタリーちゃん、聞いてないよ?」
「…。」
そういやそうだったな。
ニーナに引きずり込まれる前に…言ったからな。
あの言葉を。
「ユウ兄はナタリーとニーナちゃんのことをどう思ってるの〜?」
「…オレは。」
二人の好意。
二人の感情。
二人の気持ちにオレは―
「好きだ、ニーナもナタリーも。同じくらいにな。」
二人の気持ちを受け止めた。
確かにオレも二人が好きだ。
それは嘘ではない。
だがそれはあくまで妹的な存在として。
その、はずなのに。
揺らいだ。
その気持ちが、二人の好意により大きく、揺れた。
二人のほうへ。オレからの好意として。
ここで拒絶を示せば二人はあきらめてくれるかもしれないだとう。
だが、同時に二人の心を砕いてしまうかもしれないから。
孤児で、親を知らないこの娘たちを壊してしまうから。
そんなこと…出来ない。
だからオレは受け止めた。
ニーナとナタリーの気持ちを。
「ユウタお兄ちゃんっ♪」
「えへへ〜よかった〜♪」
二人してオレの上で笑った。
とても嬉しそうに。
まったく…かわいいもんだよ、本当に。
だが、このままの状況でいるのもあれだ。
オレの体は動かないし、さらに裸である。
さらに言えば先ほどニーナが撫でていたのでオレのものは既に硬くなっている。
教育上悪いよね、これは。
「そういうわけで、どいてくれ。」
「え?」
「何で〜?」
「何でって…。」
「好き合ってるなら…しても、構わないんだよね?」
「……おい。」
本気か?
本気でオレとそういうことをしようとしてるのか?
「本気だよ。」
ニーナはオレをまっすぐ見たまま言う。
迷いのない、言葉。
だが流石にオレは迷う。
いくらなんでも年下の子とするのは…負担になってしまうのではないか?
そんな心配をしてしまう。
「でも体は正直だよ?」
「…。」
え?何コイツ?
何でニーナはそんなことが言えるの?
言わないような、知るわけがないようなこと言ったぞ?
なんか…おっさんみたいなこと言ったぞ?
それを知っている理由なんて…わかってるんだけど。
「それも…エレーヌか?」
「そうだよ〜♪エー姉はこうゆう状況にするのが鈍い男には一番いいって教えてくれたんだ〜♪」
「…。」
なんていう無駄知識を教えたんだ…。
あの野郎、後でたっぷりとお説教だ。
いや、お仕置きだなこりゃ。
そんなことを考えているうちにニーナは移動し始めた。
するすると、まるで蛇のようにオレの体を這って動く。
やわらかく温かな体が、止まった。
場所はオレのものがある下半身。
「っ!」
意図的にニーナは体を、主に自分の下半身をオレのものへと擦り付けた。
感じたことのない感覚。
それは快楽へと受け止められオレの体を駆け巡る。
「んっんっ♪どう?ユウタお兄ちゃん…?」
「ニーナ…っ…やめっ…!」
止めようにも止められなかった。
ナタリーの麻痺毒が体を支配しているのだから。
運動神経を全て停止され、その代わりに感覚神経を活性化されたかのような気分。
それでも、オレは抵抗しようと体に力を入れ―
「ふむっ♪」
「んむっ!?」
いきなり塞がれる唇。
目の前にナタリーの顔が広がった。
…え?まさかオレ…キスされてる?
唇に感じるのは柔らかくひんやりとしたゼリーのようなの感触。
間違いようのない、ナタリーの感触だ。
ナタリーは押し付けるような不器用なキスをして顔を離した。
「えへへ〜♪はじめてキスしちゃった♪」
「お、おい…。」
キスをした、それも年下の子からのキス。
その事実がオレの体の反応を遅らす。
それが、いけなかった。
気をそらしたその一瞬。
その一瞬でニーナは行動に移っていた。
「んんっ♪」
「っ!?」
下半身、オレのものに伝わる窮屈な感覚。
締め上げられるような、小さなものに埋められていくような感触。
同時に感じるのは熱さ。
異常な熱とぬるりとぬめった粘液。
何かと思って見ようにもナタリーの顔で見えない。
見えないけど…これがなんだかわかる。
したことはないけど…それでも、この状況で。
ニーナがオレの下半身にいるこの状況で。
何をされているのか、わかる。
「ニーナ…っ!お前っ何を…!!」
「ふぅ…うっあ♪ユウタお兄ちゃんのが…ニーナの中に…いっぱいだよ…♪」
オレのものはニーナの中に埋まっていた。
それも根元まで。
マジ…かよ…!?
「あのね…ユウタお兄ちゃん…ニーナは初めてだから上手く出来るかわからないけど…するね♪」
「おいっ!ニー…うっ!」
ニーナが動き始めた。
とても稚拙でぎこちない動き。
小さくいやらしいとまでは感じられない水音。
ただ腰を上下させるだけの単調な動きだった。
単調すぎてもどかしさを感じる。
一定すぎてじれったさを感じる。
無垢で経験の浅いニーナなのだから当然としか言えないだろう。
だが、それでも生じた快楽は。
ニーナのものに与えられる快感は。
オレがここまで生きてきた中で感じたことのないものだった。
腕が、腰が、体全てが。
こん感じたことのない快楽を存分に味わおうと機能を停止する。
オレのものにきつく抱きつき、締め上げるニーナの中によって。
甘く柔らかく温かい快楽によって。
「ニーナ、待て…っく!」
「あっはぁ♪ユウタ、おにい、ひゃんっ♪」
呂律の回らぬその声が。
ものから感じるその快楽が。
小さく響くその水音が。
オレを興奮させ、昂らせる。
「あはは〜♪ユウ兄、すっごくエッチな顔してるよ♪んむっ♪」
「んんっ!?」
ニーナから送られてくる快楽に耐えようと歯を食いしばろうとしたのだが失敗する。
ナタリーによって。
ナタリーがまたオレの唇を塞ぐことによって。
「ふむむっ♪ちゅうう♪」
乱暴、雑。
そんな風に感じられるほどの荒いキス。
ナタリーはキスというのはただ唇を重ねるだけだと思っているのかもしれない。
ただそれが。
押し付けるだけのキスが気持ちいい。
人間には感じられない、ひんやりとしたその感触が心地よすぎる。
技術なんていらなくても、経験なんてなくても。
男一人分の思考を蕩けさせるには十分なもの。
そんなキスをナタリーとして。
下ではニーナがオレと繋がっていて。
二人同時の行為に。
二人による攻めに。
感じたことのない快楽の中に。
恥ずかしくもオレは。
すぐさま限界を迎えてしまう。
ニーナの中にオレの精を全て注ぎ込んでしまった。
「ふぁっ!あぁあああぁああ♪熱い…よぉ♪」
聞いたことのない甘く艶のある声。
子供が発するような声には聞こえなかった。
「ユウタお兄ちゃんのが…お腹の中でぇ♪」
ニーナのものは精を放つのをやめないオレのものを強く抱きしめる。
否、搾り出し、更なる精を貪欲に求めるように蠢いた。
これがニーナなのか?
こんなにいやらしく動くのが…ニーナなのか?
そう思ってしまうほどにニーナのそこはオレを求めて止まらない。
一度出したオレのものは萎える暇もなくすぐに硬さを取り戻した。
「あ、はぁ…♪ユウタお兄ちゃん…もう、一回…しよ♪」
可愛らしいおねだり。
そのおねだりにオレは、オレの意志は組み伏せられていた。
抵抗する気はもとより失せていた。
というか、動けないこの状況で抵抗なんて出来ないんだけど。
だが、それを良しとしない者が一人。
「ぶ〜!ナタリーだってユウ兄としたいよ!」
ナタリーである。
彼女はすぐさまオレの下半身へと移動してニーナをオレのほうへと倒すように背中を押した。
「ひゃぁんっ!」
「お、わっ!?」
力に従い倒れこんでくるニーナの体。
ぬるりと抜けるオレのもの。
弾ける粘液。
そうしてニーナはさっきまでナタリーがいた位置に。
ナタリーはさっきまでナタリーがいた位置に入れ替わる。
当然ナタリーの目の前にはオレのもの。
既に硬く、まだまだ出来ると意思表示する男の証。
若いだけあってまだまだ余裕と誇るオレの分身。
こんなときだからこそ思う。
何で学生って性欲お盛んなんだろうって…。
「えへへ〜♪それじゃあユウ兄、いくよ〜♪」
「おい待てナタリー!お前まで…っ!」
「えいっ♪」
「おぃっ!!」
ナタリーは腰を下ろしてそのままオレのものを自分の中へと埋め込んだ。
さっきとは全然違う感触。
ニーナの中は熱くまるで溶かされるような快感を感じたのだが。
ひんやりとして熱く滾ったオレのものへ吸い付いてきて離さない窮屈なナタリーの中は。
まるでオレのものに染み込んでいくような快楽を送りつけてきた。
これはこれでいい…じゃなくて!
オレはいったい何をやっているんだ…!
年下の子にいいようにされているというのに。
体は素直に反応して。
本能は、欲望は、更なる快楽を望んでいる。
年下の子としているというその事実が。
妹的な存在だった二人としているという現実が。
オレに背徳感を抱かせ、後ろめたさを感じさせる。
それなのに、やめたいとは思わない。
その感情が逆に作用して本能をより引き出してくる。
「ふぅあっ♪すごい、ユウ兄のおちんちん…おっきいよぉ♪」
ぎちぎちと締め付けてくるナタリーの中。
ひんやりとしたそこはやはりきつい。
ニーナに負けず劣らず、痛みを感じそうなほどに強く抱きしめてくる。
スライムだからか、それとも興奮したことによるものか。
ナタリーのものからはどろどろした粘液が溢れ出して絡みつく。
「これがぁ…きじょうい、なんだよね…♪」
嬉しそうに言うナタリー。
その表情を見ようとするのだが…。
「ユウタお兄ちゃん…ふむっ♪」
「むっ!?」
今度はニーナに唇を塞がれ、視界を閉ざされる。
眼前に広がるのは真っ赤なナタリーの顔。
唇にはナタリーとは違う温かい口づけ。
荒くない優しい接吻は確実にオレの意志を溶かしていく。
「それじゃあ…ナタリーがユウ兄を気持ちよくさせてあげるね♪」
おい待てっ!
そう言って止めにかかりたいのに体は動くはずもなく。
声を上げるにもニーナによって塞がれた唇じゃくぐもった声しか出せない。
そんな中で。
ナタリーは動き始めた。
上下に腰を動かすのではなく、前後に揺らす動きを。
「んん!?んふっ!!」
ニーナとは違う感覚。
体温、動き、締め付け方。
先ほどまで味わった快楽とはまた違う快楽が送られてきた。
ナタリーの中で擦られるたびに脳の中で何かが切れてしまいそうな感覚になる。
思わず動かない体が跳ねそうになるほどに。
口からうめき声が漏れてしまうくらいに。
「んむっ、ぷはぁ♪ユウタお兄ちゃん、暴れちゃだめだよぉ…はむっ♪」
上はニーナがキスをしている。
下ではナタリーがオレのものと繋がっている。
さっきと同じ状況だが、さっきとはまったく違う。
優しく尽くすようなキスと荒々しい腰の動き。
ニーナに唇は舐められ、小さな舌は口内へと遠慮がちに侵入してくる。
そのままぎこちないがそっと撫でるような動きでオレの舌を舐めあげた。
ナタリーは懸命に腰を動かし続ける。
そこに技術も何もない。
ニーナと似た単調な動きだけだった。
それなのに送られてくるこの快楽は何か。
この膨大な快感はなんなのか、わからない。
これが女性の中というものか?
先ほどのニーナの中も、今味わっているナタリーの中もどちらも甲乙つけがたいほど気持ちがいい。
さっき出したのにすぐに限界まで押し上げられそうだ。
「ふっう♪どう?ユウ兄ィ…♪気持ち良い?」
そんなことを聞かれて答えられるわけがない。
答えるための口はニーナに塞がれているんだから。
それでも体は反応する。
オレのものはナタリーの中で大きく跳ねた。
恥ずかしいことに、もう限界が近づいている。
混ざり、溶け合いそうな快楽に欲望が弾けそうになっている。
それにナタリーは気づかないわけがない。
「あっ♪ユウ兄の、跳ねたよぉ♪もう出そうなんだね?」
ナタリーは腰の動きを早めてきた。
同時に彼女の中も強く締め上げてくる。
オレの精を呑み込もうとするように。
一滴も逃さないとするように。
そんなきつくてやわらかくて気持ちのいいナタリーの中で。
オレは。
放った。
オレの精を、ナタリーの中に。
「ふぁあぁああああああぁあああああ…あっ…出て…る♪」
快楽に蕩けた声。
いまだにニーナのキスで前が見えないがナタリーの表情は恍惚としているだろう。
見なくてもわかるほど彼女は普段と変わっていた。
そのままナタリーは体を倒してくる。
それにニーナは唇をようやく離して体の位置を移動して倒れてくる位置を空けた。
二人してオレを抱きしめている形になった。
片方は温かで人肌のような柔らかさが。
もう片方はひんやりとしてぷるぷるした柔らかさが。
まったく違う二人の感触が伝わってきた。
とても心地いい。
ずっとこのままでいたいと思うほどに。
「ふあ…ユウ…兄ィ…♪」
すりすりと擦られるナタリーの頬。
愛しい存在に自分のにおいを残すような仕草が可愛らしい。
さっきの行為のような荒々しさはない。
ようやく…終わった、のか…?
「ナタリーちゃん、次はニーナの番だよぉ♪」
「だめ〜♪もっとユウ兄とするの〜♪」
「お、おい…二人とも…!?」
ニーナもナタリーもオレを見て微笑む。
その顔に純粋さなんてない。
快楽に蕩けた女の顔。
幼い二人だからその顔はよりいやらしく見えた。
「ちょっと、待った…もう少し休ませてくれよ…。」
学生といえども連続はつらい。
ここまで連続で出した経験なんて今までなかったことだ。
流石に体のほうに疲れは来ている。
毒で動かない体だからなおのこと疲れはダイレクトに伝わっていた。
だが、そんなオレの声に二人はにぱぁと笑った顔をオレに見せてくれる。
可愛らしく輝くその表情。
そんな二人は嬉しそうに声を揃えて言った。
「「だ〜め♪」」
「…。」
子供って…意外と貪欲だな。
知識しかり、性欲叱り…。
そんなことを思いながらオレは今日何度目かになるため息をついた。
「ユウタ…お兄ちゃん…♪」
「ユウ兄ィ…♪」
「…はぁ。」
オレは心底疲れたように…いや、疲れてため息をついた。
あの後ニーナとナタリー共に二回ずつ中に出してようやく二人は止まってくれた。
というか、寝た。
子供にとって本来この時間は寝ているはずだし。
それにこんなに激しい運動をしたんだから体が休息を求めるのは当然のこと。
そうして寝てしまった二人はオレに抱きついていた。
右にニーナが、左にナタリーが。
オレを抱き枕のようにして、抱きついて寝ていた。
まったく…呆れたもんだ。
二人の性欲の強さに、心底呆れた。
オレよりも貪欲で、学生よりも強欲で。
性欲お盛んな歳であるオレが圧倒されるぐらいだった。
子供っていうのは…侮れないな…。
もう一度オレはため息をついた。
手を動かそうにも動かない。
体にはまだナタリーの麻痺毒が効いていて動きそうにもない。
もうしばらくはこのままだろう。
毒が切れるまで…それまでオレはこのまま。
二人に抱きつかれているまま。
…まんまと嵌められたわけだな。
ニーナとナタリーに。
この巣の事も、ナタリーの麻痺毒も。全て計画的なこと。
二人してこんなとんでもないことを企てるなんて…。
後でお説教でもしてやろうか?
そんなことを考えていたら急にニーナが動き出した。
起きたのか?いや…。
ニーナはオレの体にさらに抱きついてきただけ。
起きたわけじゃない、眠ったままだ。
だが、そんなニーナが言葉を発する。
「ユウタお兄ちゃん…ずっと…一緒だよぅ…。」
「…。」
寝言、だったのだろう。
それでも。その言葉はオレの胸に響いた。
ずっと…一緒…。
…そう…なんだよな。
ニーナもナタリーも孤児だ。
その寂しさは計り知れなく、オレの知っている孤独とは比べられるようなものじゃない。
親がいないという孤独。
家族がいないという寂しさ。
オレのような大人ならまだしも二人は子供。
親の愛を受けて育っているはずの年頃だ。
兄や姉がいてもいい年頃だ。
誰かに頼ったり甘えたりするのが当然な年頃なんだ…。
それなのに…。
「…まったくこれじゃあ…怒れないじゃねえかよ。」
そんな二人の境遇に。
そんな二人の気持ちに。
毒気を抜かれた。
お説教も…こりゃなしだな。
二人はただ欲しかっただけなのだから。
安心できる場所が。
ずっと一緒にいてくれる大切な存在が。
何でも受け止めてくれるような優しい存在が…。
「……仕方のない子供だよ…ニーナも、ナタリーも…。」
オレはもう一度ため息をついた。
呆れて、困って。
参って、悩んで。
それでいて、少しばかり嬉しそうに。
小さく息を吐いた。
それはとある孤児院のこと。
そこでは黒髪黒目のジパング人のような青年が皆と暮らしているという。
誰にでも優しく孤児院の皆からはとても人気のある存在なのだが…少しばかり変な噂もあるという。
あそこの孤児院にいる孤児。
それから先生。
あるカリュブディスとシー・スライムを筆頭にその青年に襲い掛かっているとかどうだとか…。
そこにはとあるメロウの入れ知恵や、他の魔物娘の陰謀があったりなかったり。
ときには孤児院から嬌声がやまない夜があるほどだとかいう。
なんとも望ましくうらやましい話だと町中で噂されていたりする。
「…で、あの二人に余計なことを吹き込んでくれたエレーヌはいったい何がしたかったんだよ?」
「だって面白いじゃないの。子供って純粋無垢だから発言の一つ一つが爆弾発言になったでしょ?」
「爆弾ていうか…核爆弾だったけどな。それだけのために教えたって言うのならお前最悪だぞ…。」
「もちろん他にもあるわよ。」
「他?」
「そう。あの二人ユウタのこと好きだったのよ?」
「…それは…知ってるけどさ。」
「それで熱心に聞いてきたものよ。男を喜ばせるにはどうしたらいいのか、ユウタを落とすにはどうすればいいのかって必死になってね。」
「…ちょっと待った。聞いてきたってどういうことを?」
「だからユウタを落とすためにはどうすればいいのかってこととか。」
「…例えば何を教えた?」
「ニーナちゃんの巣穴に引きずり込めば?なんて言ってあげたりとかね。」
「…他には?」
「ナタリーちゃんの麻痺毒を使ってそのままユウタを襲っちゃえば、とか。」
「…そっか、そうなのか…ははは、そうですかああそうですかぁ…。」
「?どうしたの?」
「ぜーんぶお前の差し金か…。」
「そうよ?それで二人とはしたんでしょ?どうだった?」
「…なぁエレーヌ。その前に面白いことを教えてやるよ。オレのいたところじゃ不義を犯した奴にお仕置きとしてとんでもないことをするんだよ。」
「とんでもないこと?うふん、あはんなお仕置きかしら?」
「…尻を叩く。」
「え?」
「いやぁ本当によくやってくれたよなぁ、エレーヌ。おかげであの後は大変だったんだぜ?孤児院の皆がオレとニーナとナタリーがしたことを知るなり襲い掛かってくるわ、ニーナとナタリーは異常なまでにオレを求めてきて大変だわ…。」
「ユ、ユウタ、ちょっと怖いわよ?」
「本当によくやってくれたよいろんな意味で。おかげでいろんな意味でハメられるしさぁ…。」
「ちょっと…ユウタ…?」
「マーメイドの尻ってどこにあるんだろうなぁ?」
「いや、私はメロウだからね?下半身は同じだけどちょっと違うからね?」
「ほらこっち来いよ?ここは店の中だから水路に入らなきゃお前は動けないだろ?」
「い、いや、ユウタ。にじり寄ってきて怖いんだけど…。」
「遠慮するなよ。抱っこしてやるから。」
「ちょっと待ってよユウタ!あたしお嫁にいけなくなるじゃない!」
「安心しろよ。孤児院で色々されたオレはもうお婿にいけないから。」
「ちょっと待って!本当にやるの!?」
「知ってるか?性行為の一環としてスパンキングがあるんだとさ。興味深い内容だから体験してったらどうだよ?」
「知ってるけどされたいとは思わないわよ!」
「落ち着けって。以前にも師匠にしてやったからそれなりに上手いんだぜ?」
「何っ!?師匠って誰!?」
「安心しろよ、スパンキングされたなんて誰にも言わないから。」
「言われたらあたし怒るわよ!」
「オレは孤児院であったことを町中にばらされたけどな。」
「うっ!」
「…その反応なんだ?まさか…エレーヌ、町中にばらしたのか?」
「そ、そんなことないわよ?ただちょっとした友人に話しただけだからね?」
「友人?」
「あるシー・ビショップやその親友のネレイスよ。やたらとユウタのことを聞いてくるから教えてあげたらそのまま広がっちゃったみたいね…?」
「…そいつらも同罪だな…!」
ドタバタ孤児院生活 これにて完結!
HAPPY END
11/05/04 20:32更新 / ノワール・B・シュヴァルツ
戻る
次へ