メロウルート キスとあたしと貴方とスキ
「あ〜あ、どっかにいい男がいないのかしらねぇ」 そんなことを口にしながらあたしこと、エレーヌはいつものように空を見上げて海を泳いでいた。 ここら付近にある港町へ行けばそりゃ男性の一人や二人はいる…だろうけど、どうせ皆誰かの夫をやってるだろうし かといって独身の人はそう簡単に見つからないし、見つかったとしてもほかの娘たちが黙っちゃいない そしてあたしはメロウ 頭の中が桃色と称されるほどマーメイド種の中でもっとも好色な存在 マーメイドのように淑女というわけではないし、シービショップのようにお淑やかというわけでもない そんなあたしじゃ男性の気を惹くどころか逆に引かせてしまうこともあり得る あぁ…私ももっと男受けするような性格ならなぁ… 「どっかにいい男、降ってこないのかしらねぇ」 そんな起こりもしない非現実的なことを口走った矢先 突然私の目の前で水柱が吹き上がった |
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