6~焦熱地獄~
竜の王国ドラゴニアに訪れたカリスマ調教師ボンとその捕虜であるリーは、二人でドラゴニアの表通りでのショッピングと観光を楽しんでいた。
ドラゴニア産の特別な鉱石やドラゴンの角から作られたアクセサリーを身につけて無邪気に可愛らしいポーズをとるボンに、たまにドキッとさせられながらリー自身もはじめて訪れたドラゴニアの表通りの散歩と買い物を楽しんでいた。
そんなこんなであっという間に時は流れて、お昼をほんの少しだけ過ぎた時間になっていた。
「さーて!それじゃお昼を少し過ぎた頃やし………本格的に地獄の方に入ってこーか!第6の地獄!焦熱地獄を行うのは………ここや!」
ビシィ
そう言いながら、ボンは1つの建物を指差した。
「………なんだここは?メシ屋か?」
ボンが指差した先にあったのは良い匂いが溢れ出す定食屋のようなお店だった。
古風な感じではあるがそれがまた良い趣のある期待できそうな定食屋だった。
「せや!ドラゴニアでも有名な食事処!逆鱗亭や!看板メニューは魔界蜥蜴のドラゴンステーキや!」
ワクワクしながらボンが言った。
「ほぅステーキか、美味そうだなぁ……………しかし、なんというか………その…でかいな…………こんな量のステーキなんて喰えるか!!」
店の前に展示されているメニューのサンプルを見て、リーは思わず声をあげた。
そこにはカレー皿よりも大きな皿がまるで小さく感じてしまうほどにドーンと豪快に厚切りされた分厚くて巨大なステーキのサンプルが置かれていた。
「なんやねんだらしないなぁリーさんは!まぁ今回食べるのはステーキやないから安心しぃや!
とにかく!中に入るで!もうウチはお腹ペコりんこなんや!」
ボンの事を肩車しているリーの頭をポコポコと叩きながら、ボンが言った。
「へいへい
……………ダルニアン教官ならこのサイズのステーキでもペロリと食べてしまいそうだな…」
そんなことを呟きながら、リーとリーに肩車されたボンは店の中に入っていった。
「今回ウチらが食うのはこれや!魔界蜥蜴のキムチチゲ鍋!コイツを食うのが第6の地獄!焦熱地獄や!
てな訳ですいませーん!キムチチゲ鍋くださーい!」
メニューを指差しながらボンが店員に言った。
「はーい!お待たせしました!魔界蜥蜴のキムチチゲ鍋になります!魔界蜥蜴のお肉は勿論のこと、竜火草やテイルリーフといったドラゴニア産の野菜もたーっぷり入った贅沢なお鍋ですよー!
男らしくガツガツかっくらってくださいね!」
この店のウェイトレスをやっているワイバーン娘が、煮えたぎる大きな鍋を持ってきて、ガツンとテーブルの上に置いた。
大きな肉やざく切りにされた野菜が、真っ赤なスープの中でグツグツと煮えたぎっている竜の王国らしい豪快な鍋料理だった。
「おお!………これまためちゃめちゃ美味そうな鍋だな!グツグツ煮えたぎって熱々じゃないか…………
てゆーかアッツ!アッチーよ!!!熱気が尋常じゃねーよ!なんだこれ!?溶岩かよ!!普通にしてるだけでアッチーよ!あっつすぎだろ!!これは冷めるまで喰えねぇよ!!」
リーは鍋が近くに置かれただけで、まるで火災現場の中にいるような熱気に襲われていた。
全身から汗がドバッと吹き出し、皮膚が赤くなり、頭がグラグラし始めていた。
「えー?でもお兄さん?ここのお鍋は特別製ですのでぇ冷めるまでに3日かかりますよ?」
ウェイトレスのワイバーン娘が心配そう残念そうに、でも少しだけ楽しそうに言った。
「せやでぇ!リーさん!それにお鍋は熱いうちに食ってこそのお鍋やろ?ほれ!口開けい!ふーっ!ふーっ!はい!あーん!!」
ボンが蓮華で野菜とスープを掬うと、ふーふーと息を吹き掛けて少しだけ冷ましてから、それをリーの口元に差し出してきた。
「くっ!た、確かにそれもそうだな……………よ、よし!食べるぞ!」
パクッ‼
「あ!あっち!ハフッハフッ‼は!はつい!ハフッハフッ‼
でもって……………………辛っ!辛い!!あーーー!!!辛っ!水っ!水ぅ!!!
でも……美味!美味いぃぃぃぃぃぃ!!!なんだこれぇ!うめぇ!!!う!ま!い!ぞぉぉぉぉぉ!!!
なんだ!?この喉下を通り越して全身を貫くような!そんな凄まじい辛さなのに!それと同時にもの凄い爽やかで!爽快な美味さが!俺の身体の内側から沸いて出てくるぅ!!!
キムチの鋭い辛さと野菜本来の優しい甘さと肉の脂身が鍋の中で融合されて!信じられない旨みの化学反応を起こしているぞ!!!
これは!うまーーーい!でも!熱い!辛い!」
リーの絶叫が店の中にこだました。
「うわーお♥お兄さぁん♥いい反応しますねぇ♥ちょっと可愛いかも♥」
ウェイトレスのワイバーン娘がほっぺを押さえながら言った。
「お?なんだあれ?美味そうだなぁ……………」
「………………ねぇ!ちょっと店員さん、あそこの席の人が食べてるもの、あれはなんですか?あれを私にもお願いします。」
「二人はカップルかね?若いねぇ羨ましいねぇ♥」
店の中の至るところからはそんな会話が聞こえてきた。
「にへへへへへ♥誰やねん♥今カップルってゆーたのは♥ウチらはそんなんやないんやで♥にへへへへへ♥
ほれほれ!リーさん!もう一口!もう一口や!ふーっ!ふーっ!はい!あーん!」
「ちょ!ちょっと待ってくれ!!水!水をくれ!」
そんなこんなでボンとリーは騒ぎながら1時間近くをかけてなんとか鍋を食べきったのだった。
食べ終わったとき、リーの身体からは尋常じゃないくらいの汗が滴り落ちていた。
ドラゴニア産の特別な鉱石やドラゴンの角から作られたアクセサリーを身につけて無邪気に可愛らしいポーズをとるボンに、たまにドキッとさせられながらリー自身もはじめて訪れたドラゴニアの表通りの散歩と買い物を楽しんでいた。
そんなこんなであっという間に時は流れて、お昼をほんの少しだけ過ぎた時間になっていた。
「さーて!それじゃお昼を少し過ぎた頃やし………本格的に地獄の方に入ってこーか!第6の地獄!焦熱地獄を行うのは………ここや!」
ビシィ
そう言いながら、ボンは1つの建物を指差した。
「………なんだここは?メシ屋か?」
ボンが指差した先にあったのは良い匂いが溢れ出す定食屋のようなお店だった。
古風な感じではあるがそれがまた良い趣のある期待できそうな定食屋だった。
「せや!ドラゴニアでも有名な食事処!逆鱗亭や!看板メニューは魔界蜥蜴のドラゴンステーキや!」
ワクワクしながらボンが言った。
「ほぅステーキか、美味そうだなぁ……………しかし、なんというか………その…でかいな…………こんな量のステーキなんて喰えるか!!」
店の前に展示されているメニューのサンプルを見て、リーは思わず声をあげた。
そこにはカレー皿よりも大きな皿がまるで小さく感じてしまうほどにドーンと豪快に厚切りされた分厚くて巨大なステーキのサンプルが置かれていた。
「なんやねんだらしないなぁリーさんは!まぁ今回食べるのはステーキやないから安心しぃや!
とにかく!中に入るで!もうウチはお腹ペコりんこなんや!」
ボンの事を肩車しているリーの頭をポコポコと叩きながら、ボンが言った。
「へいへい
……………ダルニアン教官ならこのサイズのステーキでもペロリと食べてしまいそうだな…」
そんなことを呟きながら、リーとリーに肩車されたボンは店の中に入っていった。
「今回ウチらが食うのはこれや!魔界蜥蜴のキムチチゲ鍋!コイツを食うのが第6の地獄!焦熱地獄や!
てな訳ですいませーん!キムチチゲ鍋くださーい!」
メニューを指差しながらボンが店員に言った。
「はーい!お待たせしました!魔界蜥蜴のキムチチゲ鍋になります!魔界蜥蜴のお肉は勿論のこと、竜火草やテイルリーフといったドラゴニア産の野菜もたーっぷり入った贅沢なお鍋ですよー!
男らしくガツガツかっくらってくださいね!」
この店のウェイトレスをやっているワイバーン娘が、煮えたぎる大きな鍋を持ってきて、ガツンとテーブルの上に置いた。
大きな肉やざく切りにされた野菜が、真っ赤なスープの中でグツグツと煮えたぎっている竜の王国らしい豪快な鍋料理だった。
「おお!………これまためちゃめちゃ美味そうな鍋だな!グツグツ煮えたぎって熱々じゃないか…………
てゆーかアッツ!アッチーよ!!!熱気が尋常じゃねーよ!なんだこれ!?溶岩かよ!!普通にしてるだけでアッチーよ!あっつすぎだろ!!これは冷めるまで喰えねぇよ!!」
リーは鍋が近くに置かれただけで、まるで火災現場の中にいるような熱気に襲われていた。
全身から汗がドバッと吹き出し、皮膚が赤くなり、頭がグラグラし始めていた。
「えー?でもお兄さん?ここのお鍋は特別製ですのでぇ冷めるまでに3日かかりますよ?」
ウェイトレスのワイバーン娘が心配そう残念そうに、でも少しだけ楽しそうに言った。
「せやでぇ!リーさん!それにお鍋は熱いうちに食ってこそのお鍋やろ?ほれ!口開けい!ふーっ!ふーっ!はい!あーん!!」
ボンが蓮華で野菜とスープを掬うと、ふーふーと息を吹き掛けて少しだけ冷ましてから、それをリーの口元に差し出してきた。
「くっ!た、確かにそれもそうだな……………よ、よし!食べるぞ!」
パクッ‼
「あ!あっち!ハフッハフッ‼は!はつい!ハフッハフッ‼
でもって……………………辛っ!辛い!!あーーー!!!辛っ!水っ!水ぅ!!!
でも……美味!美味いぃぃぃぃぃぃ!!!なんだこれぇ!うめぇ!!!う!ま!い!ぞぉぉぉぉぉ!!!
なんだ!?この喉下を通り越して全身を貫くような!そんな凄まじい辛さなのに!それと同時にもの凄い爽やかで!爽快な美味さが!俺の身体の内側から沸いて出てくるぅ!!!
キムチの鋭い辛さと野菜本来の優しい甘さと肉の脂身が鍋の中で融合されて!信じられない旨みの化学反応を起こしているぞ!!!
これは!うまーーーい!でも!熱い!辛い!」
リーの絶叫が店の中にこだました。
「うわーお♥お兄さぁん♥いい反応しますねぇ♥ちょっと可愛いかも♥」
ウェイトレスのワイバーン娘がほっぺを押さえながら言った。
「お?なんだあれ?美味そうだなぁ……………」
「………………ねぇ!ちょっと店員さん、あそこの席の人が食べてるもの、あれはなんですか?あれを私にもお願いします。」
「二人はカップルかね?若いねぇ羨ましいねぇ♥」
店の中の至るところからはそんな会話が聞こえてきた。
「にへへへへへ♥誰やねん♥今カップルってゆーたのは♥ウチらはそんなんやないんやで♥にへへへへへ♥
ほれほれ!リーさん!もう一口!もう一口や!ふーっ!ふーっ!はい!あーん!」
「ちょ!ちょっと待ってくれ!!水!水をくれ!」
そんなこんなでボンとリーは騒ぎながら1時間近くをかけてなんとか鍋を食べきったのだった。
食べ終わったとき、リーの身体からは尋常じゃないくらいの汗が滴り落ちていた。
18/06/23 16:50更新 / J2
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