連載小説
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竜の王国へ
ガチャッ!
バタンッ!
「リーさん!出掛けるで!」


「出掛ける?またあの小洒落たバーにでも行くのか?」


「ちゃうで!行くのは竜の王国ドラゴニアや!」


「竜の王国!?ドラゴニア!?」









そんなこんなでカリスマ調教師ボンとその捕虜であるリーは、迎えにやって来たワイバーン娘たちが引っ張るゴンドラに乗って、竜族が統治する国゛ドラゴニア゛へと訪れていた。

そこは、巨大な霊峰の斜面を丸々利用して広がる大規模な山麓国家だった。

ボンとリーは山の麓、街の下層部へと降り立った。そこは周囲の高原とさして変わることの無い草原が広がり、開けた城下町のような開放的な賑わいを見せている。
しかしその反面にここから見える霊峰の山頂部には、女王陛下の居城や竜達の住居が固まっていることから、常に竜の魔力が漂い、周辺一帯に掛かる雲と混ざり合うことで、非常に濃い魔力が立ち込める暗黒魔界へと景観を変えいていた。
山の麓から見上げるドラゴニアの山頂部には魔力の雲がかかっており、そこへ向かう坂道は非常に幻想的でどこか破滅的な魅力があり、まるで天国へ通じる道であるかのように美しかった。


「きたでー!きたでー!竜の王国ドラゴニア!いやー!久々に来たなぁ!ホンマに!」

ゴンドラから降りて、ここまで運んできてくれたワイバーン娘たちにペコリと頭を下げた後に、ボンが言った。


「俺は初めて来たなぁ…………てゆーか竜の王国なんて本当にあったんだな。昔話の中のものだとばっかり思ってたぞ。」

リーは周囲を見渡しながら言った。


「そんなわけあるかい!ドラゴニアは今や有名な統治国家であり大人気の観光地なんやで!
むしろこの国は大昔には人間が竜を支配していたくらい人間との関係も古い国なんやで!」


「え!?この竜の王国を!?人間が!?
たしか……………昔話では狂暴で邪悪な竜達が暴れまわる地獄のような山岳地帯だとか…………そんな感じたったと思ったけどな…………」


「いやいや!なにいっとるんや!?
むしろ大昔、まだ魔物娘たちが魔物だった頃に当時の上流層の人間たちが竜を支配してて、その強大な力を駆使して民間人や周囲の国々を支配しとった強大な軍事国家だったんやで!」


「そ、そうだったのか……………」


「そんでもってな、昔のこの国で革命が起こるんや。上流層の人間たちの身勝手な支配に怒りを爆発させた民間人が革命を起こすんやなぁ。
でもなぁ途中で革命の首謀者のデルっちゅー人が捕らえられて革命軍の敗戦に終わりそうっちゅー時に竜の大群がデルを助けてくれるんや!そんで革命が成功、人間が竜を支配する国から竜と人間が共にくらしていける王国へと変わっていったんや!
それがこのドラゴニアっちゅー国の歴史や!」


「デル?…………その名前聞いたことあるな……………
確か何十匹もの竜を使役して金銀財宝や女性を奪っていっては、様々な国々を無差別に攻撃して焼け野原にして最後には自分も竜となってどこかに去っていった…………
そんな話だった気がするけど………」


「……………あーそれはきっとあれやなぁ、きっと人間世界での話の伝わりかたとウチら魔物娘の中での伝わりかたは違うんやろなぁ……
ウチら魔物娘の世界では、むしろ魔物が魔物娘になるよりも以前の人間と魔物との純愛話っちゅーことでものごっつ有名な話なんやで!
ドラマ化も何回もされてるんやで!」


「……………ふーんなるほどなぁ、ドラマ化までされてるのかー………
それで?なんでこの竜の王国になんて来たんだ?………まぁ大体想像はついてるけどさ、」


「せやろ?もう想像ついとるやろ?この竜の王国ドラゴニアで第6の地獄の焦熱地獄と第7の地獄の大焦熱地獄をやるんや!
どや?悪魔的やろ!?」
ワクワクッ‼


「焦熱地獄、大焦熱地獄ねぇ……………相変わらず名前だけはカッコいいな…………」


「まぁまずは!せっかくドラゴニアに来たんや!地獄に移る前に観光のひとつでもしよーか!」
グイグイッ‼


「へいへい!仰せのままに…………」



18/06/23 07:03更新 / J2
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■作者メッセージ
そんなこんなでドラゴニア編スタート
ドラゴニアの背景についてはけっこう読みこんで自分なりに設定を考えてみたんですが変なところがあったら指摘お願いします

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