連載小説
[TOP][目次]
栄光とすれ違い
~ 半年後 ~

「アイラ・ストラス!貴女を勇者として認める!
おめでとうございますアイラ。そしてこの私、ウィルマリナが率いる氷華騎士団への入団を認めます。貴女の力を魔物を滅ぼし全ての民を助ける為に、私たちに貸してくださいね。」

「はい!ありがとうございます!ウィルマリナ様!アイラ・ストラス、誠心誠意レスカティエの為に!引いて全ての人々の為にすべてを捧げ励みます!」

「よろしくお願いしますねアイラ。
ふふっ!なんだか貴女には不思議と親近感が沸いてきますね。私たちはどこか似ているところがあるのかもしれませんね。」

「そんな!恐れ多いことを!」

「そんなに固くならないでください。これから私たちは仲間です。これからは共に助け合って戦って行きましょうね。アイラ!」

「はい!精一杯頑張ります!」




~ 帰宅後 ~

「アイラ!アイラ!すっげぇな!ホントに勇者になったんだな!!」

「モルト!」

「かっこよかったぜー!!アイラ!!
しかもあのウィルマリナ様率いる氷華騎士団に入れるなんて!すっげーよ!アイラ!!
でもまぁアイラ昔から強かったもんなぁ!頭も良いし面倒見も良いし!勇者になっても当然か〜!ま!なんにしろホントにおめでとう!アイラ!!」

「ふふっ!ありがとうモルト!!」

「へへっ!やっぱアイラは俺の永遠の目標だな!!」

ドキッ!!
「っ!!
……………あ!モルトも聖騎士団への入団おめでとう!貴方こそ頑張るのよ!」

「ああ!ありがとう!お互いこれから大変だけど頑張ろうぜ!!
俺もこの騎士団で精一杯活躍してすぐに勇者になってやるぜ!待ってろよ!アイラ!」

「……………モルト………うん!頑張りなさいよね!」

「おう!」




~ 1ヶ月後 新人騎士修練場 ~


「うぉぉぉぉぉぉ!!」

カンカンカンッ!!
カッツゥゥゥンッ!!

「ぐわっ!」
ドサッ!

「そこまで!模擬戦の勝者はモルトだ!」

「うっし!ありがとうございました!」
ペコッ!!

「うむ!素晴らしいぞモルト!日々の鍛練によって鍛えられた動きもさることながら、なによりも模擬戦に望む姿勢が素晴らしい!
凄まじい気迫とやる気に満ち溢れている!」

「はい!セルメ教官!ありがとうございます!
俺には目標にしている憧れの人がいるんです!その人に追い付くために頑張っているんです!!」

「うむ!そうか!目標を持つことは素晴らしいな!その調子で日々邁進せよ!」




「…………モルト、頑張ってるなぁ………」

「へぇ〜!あの子がいっつもアイラが話してるモルトって男の子か〜!ふぅ〜ん♪」

「っ!!ルシアン!」

「ふ〜ん!そっかそっかぁ〜!ふぅ〜ん♪いいんじゃない?アイラも角に置けないわね。」

「ちょっとぉ!なによ!ルシアン!!」

「別にぃ〜♪」






~ 1年後 ~

アイラ17歳
モルト16歳


~ レスカティエ闘技場 ~
~ 新人騎士選抜大会 ~

カキィン!
ザシュッ!
「うぉぉぉ!!!」
ザシュッ!
スパァンッ!!
「どりゃあ!!!」
カキィン!
キィンッ!
シュババッ!!

「今だ!」
ザシュッ!

「うぐぁっ!………………くっ!み、見事だ!モルト………
俺の敗けだ………………」
ドサッ!


"決まったぁ!新人騎士選抜大会!優勝はモルト・グレンだぁ!!"
ワァーッ!!ワァーッ!!


「ありがとうございます!!」


"それではもう一度!優勝したモルトに壮大な拍手を!"

ワァーッ!!ワァーッ!!
パチパチッ!!
パチパチッ!!


"ではウィルマリナ様!よろしくお願いします!!"

「はい、新人騎士選抜大会優勝おめでとうございます。モルトくん」

「ありがとうございます!ウィルマリナ様!!」

「本当によく頑張りましたね、モルトくん。
教官のセルメから評判は聞いていましたよ。真面目で努力家でとても優秀な新人が現れたとね。
ふふっ!モルトくん!本当におめでとうございます。」

「身に余るお言葉です!ウィルマリナ様!ありがとうございます!
これからも精いっぱい頑張ります!!そしていずれは俺も勇者になってもっと活躍します!!」

「頑張って下さいね。
ところでモルトくん、貴方が希望するなら勇者の洗礼を受けて見ますか?」

「っ!!…………よ…良いのですか?」

「ええ、貴方のような人ならば、きっと神も祝福を与え、勇者として任命してくださるでしょう。
これからもレスカティエ教国のため、いいえ!全ての人々のために!貴方のその力を私たちに貸してください。」

「あ、ありがとうございます!」

ワーッ!!ワーッ!!
パチパチッ!!
パチパチッ!!








~ レスカティエ闘技場観覧席 ~


「………………モルト……………」

「ん?どうかしたの?アイラ?」

「あ、ルシアン………………いや、その…………」

「ひょっとしてアイラってば………ま〜たあのモルトくん見てたの?ふーん」
ニヤニヤ

ピクッ!
「そ!そんなんじゃないわ!」

「別に隠すことないじゃない!良いじゃない♥️モルトくんカッコいいし!」

「か、カッコいい!?ルシアン今モルトのことかっこいいっていったの!?」

「え……………い、言ったけど…………」

「……………………」
タッタッタッタッ!

「ちょ、ちょっとアイラ?
な、なんなの?なにを怒ってるの…………………?」




~ その日の夜 ~


「アイラ!アイラ!アイラぁ!
俺やったよ!ウィルマリナ様が勇者の洗礼を受けさせてくれるって!!
1ヶ月後に勇者の洗礼を受けさせてくれるって!!」

「…………………」

「アイラ?アーイーラ!?」

「あ……………お、おめでとう!モルト!本当に凄いわね、モルトは…………」

「へへっ!ありがとう!
でもな!これは俺にとっての通過点だからな!」

「通過点?」

「あぁ!まずはアイラ!お前だ!とにかくお前を越えることが今の俺の目標だ!!」

「…………………モルト……」

「勇者になって!アイラを越えて!
そんでもって!やがてウィルマリナ様よりも凄い勇者になって!やがてレスカティエ1の!いや!世界1の!いやいや!宇宙1の勇者になってやるんだ!」

「………………ふふっホントに凄いわね、モルトは…………」

「こうしちゃいられねぇ!嬉しくて!興奮して!あぁ!身体が落ち着かねぇ!
あと1か月!セルメ教官にみっちり指導してもらって!サーシャ先生に勉強ガッツリ見てもらって!え〜とそれからそれから!!
くぅ!この1か月!大忙しだぜ!」

ビクッ!!
「っ!!…………セルメ教官?サーシャ先生?」

「ん?そうだけど、なにかあった?」

「……………う!うぅ!」
ドサッ!

「え!?アイラ?アイラーーーっ!!」





~ 町の診療所 ~

「……アイラ………」

「モルトくん、アイラさんならもう大丈夫よ。
後は少しの間安静にしてたらすぐに良くなるわ。」

「ありがとうございます!先生!」
ペコリッ!!

「あとは私に任せて今日はもう帰りなさい。
ほんの数日ですぐに良くなると思うわ。」

「はい!じゃあアイラのことよろしくお願いします!デル先生!」

「任せて、アイラさんのこと……………完璧に治してあげるから、ふふっ♥️」
19/09/25 18:13更新 / J2
戻る 次へ

■作者メッセージ
・新人騎士選抜大会

若手騎士の中でも、優秀な者たちを選抜して行われる武道大会
この大会で活躍して、認められたものは勇者の洗礼を浴びる権利が得られる……………こともある。
この大会の主目的は、優秀な平民から勇者としての実力と資質があるものを引き抜く事であり、既に洗礼を浴びた勇者は基本的に出られない。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33